JP3664514B2 - 受電設備点検作業の支援システム - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、電力の供給を受けるべく契約をした各ビルに設置された受電設備の点検作業を行う際、その点検のために発生する配電線停止・送電作業時における変電所(送電側)とビル(受電側)との間で行う電話機を用いた連絡確認作業の煩雑さを解消するための支援システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
近年では、高度情報化等に対応してビルのインテリジェント化が促進されており、その規模も大型化してきている。このビルの大型化に伴い使用される電力量も増大し、かつ無停電状態での継続した受電が望まれる。
【0003】
このようなニーズに対応して都心地域の契約電力500kw以上のビルディングに対しては、信頼度が高く保守も容易な標準供給方式として東京電力(株)ではスポットネットワーク受電方式(以下、「SNW受電方式」という)を推進している。
【0004】
図7には、SNW受電方式を採用した変電所及びビルの配電の概略構成並びに受電設備に対して点検作業を行う際の概略構成が示されている。このSNW受電方式では、変電所2の電力供給設備3から電力を供給するための配電線4a、4b、4cを複数本(図7では3本)用意し、契約した各ビル6a、6bの受電設備8a、8bと各配電線4a、4b、4cとを並列接続し各ビル6a、6bとの間に複数の配電線路を構築する。並列接続することでいずれかの配電線路上に障害が発生し送電できなくなったとしても他の配電線路から継続して送電することができる。この方式を採用することで無停電状態を継続しうる信頼度の高い受電方式を提供することができる。また、各ビル6a、6bにおいて無停電状態のままいずれかの配電線4a、4b、4cに接続された受電設備の点検作業を行うことができる。
【0005】
図8は、受電設備の点検作業を行う際の簡単な手順を示したフローチャートである。以下、この点検作業の手順について図8を用いて説明する。点検作業時には、営業所10にいる操作者Mと各ビル6a、6bにいる操作者とは、逐次電話連絡を取れる状態にいる。なお、契約先の各ビル6a、6bに配置された操作者を需要家ということにする。
【0006】
最初に、点検作業を行うための前準備を行う(ステップ101)。点検を行う配電線、その配電線から受電している契約者、送電停止、開始などのタイムスケジュール等から点検作業の手順書の作成、点検作業の担当員の設定等を予め行う。
【0007】
送電を停止する前に全需要家に対して停止前連絡を取る(ステップ102、103)。すなわち、各需要家に順次電話をかけ直接会話をして連絡確認を取る。全需要家に確認を取った後、点検を行う配電線への送電を停止する(ステップ104)。その後、停止した旨を伝えると共に送電が確実に停止されたかの確認のために、停止前連絡の場合と同様に全需要家に対して順次電話をかけて停止後連絡を取る(ステップ105、106)。
【0008】
点検作業を実際に行った後(ステップ107)、送電を開始する前に事前の確認を全需要家に対して電話をかけて送電前連絡を取る(ステップ108、109)。全需要家に確認を取った後、点検を行った配電線への送電を開始する(ステップ110)。その後、送電を開始した旨を伝えると共に送電が確実にされているかの確認のために全需要家に対して電話をかけて送電後連絡を取る(ステップ111、112)。
【0009】
以上の手順により受電設備の点検作業を行うわけであるが、このように電話連絡による各ビル6a、6bの安全確認を取りながら点検作業を行う。他の配電線4b、4cに対しても同様な手順で点検作業を行う。
【0010】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来において点検作業を行うためには、操作者Mは各ビルの需要家全員と電話連絡を逐次取りあわなければならないので面倒である。前述した手順においては、実際の点検作業の開始前における送電の停止前後の2回、点検作業の終了後における送電の開始前後の2回、全需要家に対して電話連絡を取らなければならない。単純な連絡作業とはいえ安全確保のためにも電話連絡による確認作業を配電線に接続されたビルの数だけ確実に繰り返し行わなくてはならず、電話連絡を順番に取らなくてはならないため点検に伴う電話連絡作業に多大な時間を必要となってしまう。また、回線使用料も膨大になってしまうという問題があった。送電に使用される配電線数や需要家数が増えるにつれ、その点検作業時における電話連絡による負荷が累積されることになる。
【0011】
本発明は以上のような問題を解決するためになされたものであり、その目的は、音声認識装置を利用することで点検作業時における各ビルとの電話連絡に伴う煩雑さを解消しその連絡作業を簡便に行うためのSNW受電設備点検作業の支援システムを提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
以上のような目的を達成するために、本発明における受電設備点検作業の支援システムは、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、を有し、前記音声データ記憶手段は、同じ意味内容の音声データを複数種類記憶するものである
【0014】
また、前記音声データ記憶手段は、簡略化した内容の音声データを記憶することを特徴とする。
【0015】
他の発明に係る受電設備点検作業の支援システムは、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、を有し、前記音認識応答手段は、電話機からの音がノイズか否かを判別するものである
【0016】
また、前記音認識応答手段は、ノイズの判別を行う時間帯を各ビル毎に設定することを特徴とする。
【0019】
他の発明に係る受電設備点検作業の支援システムは、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、電話機からの音を録音する録音手段と、前記音認識応答手段が受け取った音を出力する音出力手段と、を有し、前記音認識応答手段は、前記録音手段に録音された音声のうち契約先からの応答部分のみを再生させるものである
【0020】
他の発明に係る受電設備点検作業の支援システムは、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、電話機からの音を録音する録音手段と、前記音認識応答手段が受け取った音を出力する音出力手段と、を有し、前記音認識応答手段は、前記録音手段に録音された音声を繰り返し聞く度に契約先からの応答部分を含むより長い音声の再生を行うものである
【0021】
他の発明に係る受電設備点検作業の支援システムは、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、を有し、前記音認識応答手段は、電話連絡作業の状況に応じて前記状態表示手段の表示状態を変化させるものである
【0022】
他の発明に係る受電設備点検作業の支援システムは、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、を有し、前記音認識応答手段は、音声メッセージによる指示を出してから応答があるまでの時間を計るタイマを含み、所定時間内に契約先からの応答がない場合に電話回線を自動的に切断し、改めて電話をかけ直すものである
【0023】
【作用】
以上のような構成を有する本発明に係る支援システムにおいて、音認識応答手段は、受電設備の点検作業の際に契約先に電話をかけ需要家に対して指示を出し、また需要家の音声を認識することで点検作業時における連絡確認作業を行うことができる。
【0024】
同じ意味内容の音声データを複数種類用意しておくことで需要家に対して指示を確実に行うことができる。音声メッセージの意味が分からないときはより詳細な音声メッセージを流したり、また同一需要家に対する2回目以降の電話連絡時や音声メッセージの意味を理解した後は、簡略化した音声メッセージを流すことができる。
【0025】
また、音認識応答手段は、電話機からの音がノイズであるか否かの判別をする機能を有している。すなわち、音声メッセージによる指示を出してから需要家が応答するまでにかかる時間帯又はノイズの発生するであろう時間帯は予め想定しうるので、その時間帯以外の音は、ノイズである又は音声であると判別することができる。
【0026】
また、他の発明においては、音出力手段を設けたので、操作者は需要家との会話の内容を確認することができる。
【0027】
また、録音手段を設けたので電話機からの音を録音することができる。この録音された音を再生することで操作者は需要家との会話の内容を後からでも確認することができる。音認識応答手段は、録音された音を再生する際、需要家による応答部分のみであったり、繰り返し聞くときはより長い部分の音であったり、再生する部分の制御を行うことができる。
【0028】
また、他の発明における音認識応答手段は、電話連絡作業の進捗状況や会話中の需要家の特定など現在の状況に応じて状態表示手段の表示を変化させるようにしたので、操作者は、現在の状況を一目で確認することができる。
【0029】
また、他の発明における音認識応答手段は、需要家からのあるはずの応答が所定時間経過してもない場合は、いったん電話回線を切断し、改めて電話をかけ直すようにしたので、無駄な回線使用料がかからない。
【0030】
【実施例】
以下、図面に基づいて、本発明の好適な実施例を説明する。
【0031】
図1は、本発明に係るSNW受電設備点検作業の支援システムの一実施例を示した全体構成図である。本実施例における支援システム12は、営業所10に配置され、各ビル6a、6bにいる需要家と電話機を介して応対する。図1から明らかなように各ビル6a、6b側には本支援システムを利用するための装置は何ら必要とせず従来と同様である。
【0032】
図2は、本実施例における受電設備の点検作業を行う際の支援システムを示したブロック構成図である。本支援システム12の音声認識応答部16は、PBX14を介して電話回線網と接続される。音声認識応答部16は、各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送る音認識応答手段であり、詳細は追って説明するが、本支援システム12の各種制御を行う。また、受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段としての音声データベース(DB)20と、契約したビルの電話番号等契約先に関する情報を記憶する契約先情報記憶手段としての契約先情報データベース(DB)22と、電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段としての端末装置24と、各ビルの電話機からの音声を含む需要家と音声認識応答部16又は操作者との会話を録音する録音手段してのレコーダ26と、会話の内容等の音声を出力する音出力手段としてのスピーカ28と、を有する。更に、契約先の需要家と直接会話ができるように電話機18を接続する。本実施例における支援システム12は、一般的なコンピュータに音声を認識する手段と音声を出力する手段を搭載した構成で実現されており、本支援システム12の中核をなす音声認識応答部16は、音声認識手段、音声出力手段、コンピュータのCPU及びCPUで実行されるアプリケーション等で構成される。その他にも端末装置24に表示する画面、配電線の系統図等の情報を格納する記憶装置、コンピュータとして動作するための構成は有するが、補助的な構成なので図2には特に図示しない。
【0033】
図3及び図4は、音声DB20に記憶された音声メッセージ(流すメッセージ)の種類及びその音声メッセージを流したときに応答されるであろう言葉の認識対象語彙を、点検作業時において使用される音声メッセージの順に示した図であり、そのうちの送電停止前連絡時に用いる音声メッセージである。受電設備の点検作業は、ほとんど決められた手順で行われるので、このような音声メッセージをデータベース化しておくことができる。また、応答される言葉も「ハイ」、「イイエ」、「オワリ」などと決められた言葉で応答されるような聞き方の音声メッセージを作成すれば、音声認識機能をそれほど高機能にする必要はない。
【0034】
以上の構成を有する本実施例における特徴的な事項を点検作業時における連絡確認処理、音声メッセージの出力、音声認識、会話の内容の確認及び画面表示に分けて以下に説明する。
【0035】
連絡確認処理
まず、本実施例における支援システムの動作による点検作業時における連絡確認処理について説明する。本実施例における点検作業全体の手順は、図8に示した従来とほぼ同様である。
【0036】
本実施例において特徴的なことは、従来操作者が各需要家との間で行っていた点検作業時の安全確認、動作確認等の電話連絡による応対を音声認識応答機能を持たせることで支援システム12に自動的に行わせることである。すなわち、従来電話連絡により行われていた送電停止前後の連絡(ステップ102、105)及び送電開始前後の連絡(ステップ108、111)の方法が従来と異なる点である。本実施例においては、かかる処理を支援システム12に行わせることで点検作業時における電話連絡の負荷を軽減させることができる。
【0037】
図5は、ステップ102における送電停止前の連絡の詳細な処理を示したフローチャートであり、以下、この図5及び図3、4を用いて本実施例における停止前連絡の手順について説明する。
【0038】
前述したように、通常の各需要家との会話は支援システム12が行う。支援システム12は、需要家のいずれかに電話をかけ、図5のフローに従って図3、4のいずれかの音声メッセージを送出する。需要家の電話番号は、契約先情報DB22の中から得ることができる。また、かける順番、点検作業を行う配電線、送電停止予定時刻等は、図8に示したセットアップ処理(ステップ101)で予め設定しておく。なお、図5に示した各処理に付した数字は、図3、4における「フローNo.」に対応している。
【0039】
最初に、需要家に対してフロー1の▲1▼の音声メッセージ「現在、並列運転状態になっているかどうか、電話をこのまま切らずに確認してください。」を流す。その後、フロー2の「確認が終わったら、「オワリ」と音声で入力してください。」という音声メッセージに対して、需要家は、「オワリ」と応答することになる。このとき、支援システム12側では、応答として認識する語彙は、図3に示したとおり「オワリ」である。なお、フロー1に対して2種類の音声メッセージ▲1▼、▲2▼が用意されているが、これに関しては後述する。
【0040】
次に、フロー4の▲1▼の音声メッセージ「現在、並列運転状態になっていますか?「ハイ」又は「イイエ」でお答え下さい。」に対して、需要家は「ハイ」又は「イイエ」で応答する。この応答によりフロー6又は11に分岐する。後の処理は、図5の処理手順に従って各処理に対応した図3、4の音声メッセージが流され、その音声メッセージに需要家が応答することで停止前連絡が取られることになる。
【0041】
フロー11の音声メッセージのような時間の設定は、予め図8におけるセットアップ処理(ステップ101)で設定されているので、音声認識応答部16は、音声DB20に用意されている音声メッセージに設定された時刻等を音声データとして組み込んで送出する。また、本実施例においては、フロー14に示したように、需要家が操作者と直接話したい場合を考慮した音声メッセージを用意している。
【0042】
このようにして、ステップ102における送電停止前の連絡を各需要家に対して取るわけであるが、このとき営業所にいる操作者は、需要家にいちいち電話をかける必要もなく、また通常は直接話すこともないので、非常に楽である。そして、需要家が操作者と直接話したい場合は話すこともできる。緊急を要する場合は、予め決められた単語「トリツギ」と発声することにより会話中にいつでも操作者へ直接連絡することが可能である。そのときは、電話機18を使用して操作者は需要家と直接会話をすることができる。また、本実施例において複数の電話回線を有していれば、複数の需要家に対して同時に並行して同じ連絡確認作業を行うことができる。従って、かかる作業時間を大幅に短縮することができる。
【0043】
以上の処理を全需要家に対して行うことで送電停止前の連絡を取る。また、上記説明した送電停止前連絡と同様に、送電の停止後(ステップ105)、送電の開始前(ステップ108)及び開始後(ステップ111)においても各連絡確認事項に応じた音声メッセージを用意することで、本実施例における支援システム12は、連絡確認を取ることができる。従って、送電の停止前連絡以外の連絡処理についての説明は省略する。
【0044】
音声メッセージの出力
前述したように、本実施例においては、音声認識応答部16が進捗状況に応じた音声メッセージを各需要家に流すわけであるが、図3、4に示したように、同一処理において2以上の音声メッセージが用意されているものがある。このように、本実施例においては音声DB20に同じ意味内容の音声データを複数種類持たせておくことを特徴の一つとしている。つまり、需要家があるフローにおいて流された音声メッセージの意味が分からなかったときなどを想定して、同じ意味内容のより詳細な音声メッセージを用意しておく。例えば、前述した処理におけるフロー1では、▲1▼の音声メッセージを出力したが、需要家が「もう一度」と言えば、フロー1の指示を再確認したいとか、▲1▼の音声メッセージでは理解できなかったとかいうときに、より詳細な▲2▼の音声メッセージ「現在、1番線、2番線、3番線の全てが……確認してください。」を流すようにする。これにより、需要家はメッセージの意味を確実に把握することができ、正しく応答することができる。
【0045】
また、図3に示したフロー8のように3種類のメッセージを持たせておき、最初は▲2▼の音声メッセージを使用し、需要家が理解しないときには▲3▼の音声メッセージを流すようにすることもできる。そして、同日に続けて異なる配電線の点検作業を行う場合、需要家は音声メッセージの意味は既に理解しているはずなので、2回目以降の点検作業においてはより簡略化した内容の音声メッセージ▲1▼を使用するよう運用することができる。どの音声メッセージをどの需要家に対して最初に流すメッセージにするかなどの設定は、セットアップ時に任意に設定することは可能である。
【0046】
このように、同じ意味内容であっても異なる音声メッセージを用意しておくことで、需要家に指示の内容を確実に理解させたり、点検作業に習熟している需要家に対しては冗長的な音声メッセージによる煩わしさから解消させることができる。また、簡略化した音声メッセージを用いることで点検作業において連絡確認にかかる時間を短縮させることができ、また回線使用料の削減を図ることにもなる。
【0047】
音声認識
次に、音声認識応答部16における音声認識処理について説明する。
【0048】
前述したように、本実施例においては、上記音声認識応答部16を設けたことにより、操作者は、いちいち需要家に電話をして直接対応しなくても需要家の音声を認識して点検作業時における連絡確認を行うことができることを特徴としている。しかしながら、電話から音声認識応答部16が受け取る音は、必ずしも需要家からの音声とは限らない。特に、点検作業においてはスイッチの切替作業などによる開閉音(ノイズ)が発生する。音声認識応答部16にこのノイズと需要家が発する音声とを判別させる必要がある。本実施例における音声認識応答部16は、音声とノイズとの判別を行う機能を有していることを特徴の一つとしている。本実施例におけるノイズとの判別処理は、以下のようにして行う。
【0049】
スイッチの切替作業は、音声メッセージによる指示により需要家が行うわけであるが、例えば、「電話をこのまま切らずに一次側断路器を開放する操作を行ってください。操作が終わったら、「オワリ」と音声で入力してください。」という音声メッセージに対して、需要家は、電話で指示を受けてスイッチのある場所まで移動してから切り替え、そして電話口まで戻ってきて「オワリ」という。つまり、スイッチが実際に切り替えられるのは、需要家が電話で指示を受けてスイッチのある場所まで移動した後である。電話とスイッチとの距離は予め知ることができるので、そこまでの移動時間もおおよそ特定することができる。従って、音声認識応答部16は、スイッチが切り替えられるであろう時間帯に認識した音は、需要家により発せられた音声でなはなく開閉音であると判断し、その音を無視する。これにより、ノイズによる誤動作から防止することができる。
【0050】
また、需要家が「オワリ」と発するのは、電話で指示を受けてからスイッチのある場所まで移動し切り替え、そして電話口まで戻って来てから後である。従って、音声認識応答部16は、「オワリ」と発せられるであろう時間帯に認識した音声に対してのみ音声認識を行うようにし、それ以外の時間帯の音は無視する。これにより、ノイズによる誤動作から防止することができる。なお、スイッチの切替音のサンプルをノイズ情報として音声DB20に予め記憶しておき、音声認識時にパターン照合を行うことで発生するであろうノイズか否かを判別するようにしてもよい。あるいは、この逆にセットアップ時に需要家の音声を音声データとして音声DB20に予め記憶しておけば、電話機から受け取った音と需要家の音声のサンプルとのパターン照合を行うことでノイズか否かの判別を容易に行うことができる。
【0051】
なお、前述した時間帯は、予め設定しておかなくても学習させることで、判別できるような機能を持たせ判別できるようにすることも可能である。
【0052】
会話の内容の確認
前述したように、本実施例は、上記支援システム12を設けたことにより、操作者は、いちいち需要家に電話をして直接会話をしなくても点検作業時における連絡確認を行うことができることを特徴としている。しかし、会話の内容によっては、特に非常に重要な応答に関しては、操作者本人が確認したい場合がある。そこで、本実施例においては、レコーダ26を設け、電話からの音を録音し会話の内容を記録できるようにしたので、録音された会話の内容を再生することで応答の内容の確認をすることができる。スピーカ28からは再生時のみならず現在行われている音声認識応答部16と需要家との会話を出力させることもできる。
【0053】
また、本実施例においては、需要家の応答のうち極めて重要な音声部分のみを再生させることができるようにしたことを特徴としている。ディジタル化して音声を録音する磁気ディスク装置を本実施例におけるレコーダ26として使用し、一連の会話の任意の部分のみを抽出できるようにする。そして、例えば、図3のフロー11のような重要な会話など操作者が後から直接確認したいとき、その部分の需要家による応答部分のみを抽出し出力させる。つまり、最初に再生するときには需要家の応答の「ハイ」、「イイエ」しか出力させない。操作者が聞き取れなかったとき、再度同じ部分を繰り返し再生させると、より長い時間、フロー11の場合だと「ハイかイイエでお答え下さい。」から復唱するようにする。本実施例においては、このように復唱させる範囲をより長く設定することができる。巻き戻し再生させる長さは、単なる設計事項であり任意に設定可能である。
【0054】
なお、レコーダ26に記録する会話の内容は、前述したように全部であってもよいし、レコーダ26の記録容量を考慮して必要最小限の会話のみの録音でもよい。
【0055】
画面表示
受電設備の点検作業時における送電の停止/開始の連絡確認は、複数の需要家に対して図8に示したような手順に従い行われる。本実施例においては、支援システム12を設けたことで、操作者が各需要家に電話をかける必要がない。しかしながら、現在の進捗状況を監視する必要はある。そこで、本実施例における音声認識応答部16は、電話連絡作業の状況に応じて端末装置24への表示色を変化させることを特徴としている。
【0056】
図6は、点検作業時における端末装置24の表示画面の例を示した図である。点検作業を行う配電線、ビル、所要時間、また配電線に接続されているビル等は、予めセットアップ時に設定され、表示画面は支援システム12の有する各種データベースに基づいてその設定内容により自動的に作成される。本実施例における音声認識応答部16は、進捗状況に応じて画面表示の所定の領域の色を自動的に変えて操作者に現在の状況を知らせる。例えば、連絡確認と取っている需要家名の色を緑色で表示することで操作者に知らせる。また、操作者がいずれかの需要家と直接会話をしているとき、他の需要家から電話がかかってきたことをその需要家名の色を変えて知らせる。このように、色を変えて画面表示させることで操作者に現在の状況を知らせることができる。
【0057】
この状況を知らせるために表示の状態を変化させる方法は、色の変化にこだわらず、文字、記号等により知らせたりすることもできる。
【0058】
その他
前述したように、本実施例における音声認識応答部16は、各需要家に順次電話をかけ連絡確認をすることを特徴としている。しかし、需要家がスイッチの切替作業に手間取るなど何らかの理由により音声メッセージによる指示に対して予め設定した所定の時間内に応答がない場合、需要家からの応答を無制限に待っていたら連絡確認に余計な時間がかかってしまい、また回線使用料も無駄である。そこで、本実施例における音声認識応答部16は、音声メッセージによる指示を出してから応答があるまでの時間を計るタイマを有しており、需要家から電話機を介して所定時間何ら応答がない場合にはいったん電話回線を強制的に切断し、次の処理を行う。そして、電話回線を強制切断した需要家に対しては改めて電話をかけ直すようにした。これにより、連絡確認にかかる余計な待ち時間を極力減少させることができ、また無駄な回線使用料をも削減することができる。
【0059】
なお、上記実施例では、東京電力(株)が推進するSNW受電方式を採用した受電設備の点検作業について説明したが、もちろんこれに限られたわけではない。
【0060】
また、本実施例においては、使用する電話回線は、ダイヤル回線でも使用できるように需要家の音声を認識する手段を設けたが、全需要家がプッシュホン回線を利用するのであれば、音声を認識する手段を用いなくても上記連絡確認作業を行うことができる。
【0061】
【発明の効果】
発明によれば、点検作業時における各需要家に対する連絡確認作業を、電話からの音声を認識し音声メッセージを流す音認識応答手段に行わせるようにしたので、各需要家に電話をかけ連絡確認をする手間を省くことが可能となり、連絡確認を行う担当者は非常に楽になる。特に、同じ内容の音声メッセージを複数種類用意しておき、メッセージの内容の理解度など利用状況に応じた音声メッセージを使用することによって需要家に音声メッセージの内容を確実に理解させることが可能となる。
【0063】
また、例えば同じ日の2本目以降の配電線の点検作業においては、最初の配電線の点検作業時に音声メッセージの内容は理解しているはずなので、この場合に簡略化した音声メッセージを使用することで、回線使用料の削減を図ることが可能となる。また、音声メッセージを聞く需要家にとっても理解済みの冗長的な音声メッセージを再度聞くという煩わしさから解消させることが可能となる。更に、点検作業において連絡確認にかかる時間を短縮させることが可能となる。
【0064】
また、ノイズ又は需要家の音声を受け取るであろう時間帯を設定しておくようにしたので、電話機からの音がノイズであるか否かを容易に判別することが可能となる。これにより、音認識応答手段の誤動作を防止することが可能となる。
【0067】
また、録音手段及び音声出力手段を設けたので、需要家との会話の内容を記録できると共に、録音された会話の内容だけでなく、実際に音認識応答手段と対話中の需要家の音声をリアルタイムに聞くことができる。特に、需要家の応答のみを再生させるようにすることで、応答の確認作業を迅速に行うことが可能となる。
【0068】
また、需要家の応答が再生時に確認できなかった場合、次の再生時には需要家の応答を含めたより長い会話を再生するようにしたので、会話の内容をより確実に把握することが可能となる。
【0069】
また、電話連絡作業の状況に応じて入出力手段の表示状態を変化させるようにしたので、操作者に現在の進捗状況を容易に知らせることが可能となる。
【0070】
また、需要家から何ら応答がない場合にいったん電話回線を自動的に切断し、その需要家に対しては改めて電話をかけ直すようにしたので、連絡確認にかかる余計な待ち時間を極力減少させることが可能となる。また、無駄な回線使用料をも削減することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係るSNW受電設備点検作業の支援システムの一実施例を示した全体構成図である。
【図2】 本実施例における受電設備の点検作業を行う際の支援システムを示したブロック構成図である。
【図3】 本実施例において使用する音声メッセージの種類及びその音声メッセージを流したときの応答の認識対象語彙を、その音声メッセージを用いる順に示した図である。
【図4】 本実施例において使用する音声メッセージの種類及びその音声メッセージを流したときの応答の認識対象語彙を、その音声メッセージを用いる順に示した図である。
【図5】 本実施例における送電停止前連絡の詳細な処理を示したフローチャートである。
【図6】 本実施例において点検作業時における端末装置の表示画面の例を示した図である。
【図7】 SNW受電方式を採用した変電所及びビルの配電の概略構成並びに受電設備に対して点検作業を行う際の従来の概略構成を示した図である。
【図8】 受電設備の点検作業を行う際の簡単な手順を示したフローチャートである。
【符号の説明】
2 変電所、4a、4b、4c 配電線、6a、6b ビル、8a、8b 受電設備、10 営業所、12 支援システム、14 PBX、16 音声認識応答部、18 電話機、20 音声データベース(DB)、22 契約先情報データベース(DB)、24 端末装置、26 レコーダ、28 スピーカ。

Claims (8)

  1. 受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、
    契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、
    各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、
    電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、
    を有し、
    前記音声データ記憶手段は、同じ意味内容の音声データを複数種類記憶することを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  2. 請求項記載の受電設備点検作業の支援システムにおいて、
    前記音声データ記憶手段は、簡略化した内容の音声データを記憶することを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  3. 受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、
    契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、
    各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、
    電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、
    を有し、
    前記音認識応答手段は、電話機からの音がノイズか否かを判別することを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  4. 請求項記載の受電設備点検作業の支援システムにおいて、
    前記音認識応答手段は、ノイズの判別を行う時間帯を各ビル毎に設定することを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  5. 受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、
    契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、
    各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、
    電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、
    電話機からの音を録音する録音手段と、
    前記音認識応答手段が受け取った音を出力する音出力手段と、
    を有し、
    前記音認識応答手段は、前記録音手段に録音された音声のうち契約先からの応答部分のみを再生させることを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  6. 受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、
    契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、
    各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記 各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、
    電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、
    電話機からの音を録音する録音手段と、
    前記音認識応答手段が受け取った音を出力する音出力手段と、
    を有し、
    前記音認識応答手段は、前記録音手段に録音された音声を繰り返し聞く度に契約先からの応答部分を含むより長い音声の再生を行うことを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  7. 受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、
    契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、
    各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、
    電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、
    を有し、
    前記音認識応答手段は、電話連絡作業の状況に応じて前記状態表示手段の表示状態を変化させることを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
  8. 受電設備の点検作業を行うための指示を音声データとして記憶する音声データ記憶手段と、
    契約した1乃至複数のビルの電話番号を記憶する契約先情報記憶手段と、
    各契約先に設けられた電話機からの音を認識するとともにその認識した音又は点検作業の手順に応じた音声データを契約先の電話機に送ることで、同じ配電線に接続された前記各ビルの受電設備の点検作業を行う際に契約先との応対を行う音認識応答手段と、
    電話連絡作業時における各ビルの状態表示を行う状態表示手段と、
    を有し、
    前記音認識応答手段は、音声メッセージによる指示を出してから応答があるまでの時間を計るタイマを含み、所定時間内に契約先からの応答がない場合に電話回線を自動的に切断し、改めて電話をかけ直すことを特徴とする受電設備点検作業の支援システム。
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