JP3664517B2 - 切断輪ゴム接着治具 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、例えば地下に埋設されているガス管等の既設管の補修に使用されて、切断したシール用角ゴム等の切断輪ゴムを管に巻付けた状態で機械的に接着する切断輪ゴム接着治具に関する。
【0002】
【従来の技術】
地下に埋設されているガス等の既設配管は、一般に鋳鉄管等の管をソケット接合(G型接合)により順次接続して配管されている。この配管の各接続部のシール手段として、補修が必要な比較的古い方式では、管の受口と差口の空隙に、「麻肌」と称されるヤーン、鉛、及び角形断面のリング状の角ゴムを順次充填してシールし、この三重構造でガス洩れ防止する構成である。
【0003】
ところで上記地下埋設の既設管が長い年月埋設状態で使用されると、各接続部のシール手段は、種々のダメージを受ける。即ち、ヤーンはドライガスにより乾燥劣化して空隙を生じ、鉛は振動により変形し、角ゴムは経年変化により弾性を失って振動等に対する追従性の低下を招く。そしてこれら要因によりシール性の低下を招いてガス洩れの原因となることがあり、このため各接続部は既設管の状態で補修することが行われている。
【0004】
この既設管の各接続部補修作業では、ヤーンや鉛が適正に補充され、更に角ゴムは弾性を失って固化しているため新しいものと交換される。ここで角ゴムは、一般に閉じたリング状に形成されるが、そまま既設管に嵌合することができないため、新しい角ゴムの一箇所を一旦切断して管に巻付け、そのゴムの切り口を再び接着剤でリング状に接着して使用することを余儀無くされる。
【0005】
従来、上記既設管の各接続部修理における角ゴムの交換時の接着作業は、先ず角ゴムを例えば斜めに切断して既設管に巻付ける。その後角ゴムの切り口に強力な瞬間接着剤を塗って接合し、作業者が手の指でその広い切り口を所定時間の間押えて接着している。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記従来の角ゴムの接着作業にあっては、作業者が直接指により切り口を押えて接着する方法であるから、切り口を押えている際に切り口からはみ出した接着剤が作業者の指に付着して、指も一緒に付着する危険がある。角ゴムの口径が大きい場合は、ゴム自体も伸びるため接着し易いが、口径が小さい場合は、ゴムを円周方向に引張りながら切り口を押える必要があって、作業しずらい。この場合に、作業者の個人差により接着に良否を生じ易い。また作業者が角ゴムを接着しているときは、両手が塞がって他の作業ができないため、作業性が悪い等の問題がある。
【0007】
本発明は、このような点に鑑み、切断輪ゴムの交換時の接着作業を安全に行い、且つ品質、作業性等を向上することができる切断輪ゴム接着治具を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するため、本発明は、一つには、切断輪ゴムを既設管に巻付けて切り口同士を接着する治具であって、前記切断輪ゴムの切り口の近傍に被せられる本体と、該本体に前記切断輪ゴムを取付ける締付け具と、前記本体を前記既設管の外周面上に載せた状態で案内するローラとを設け、前記切断輪ゴムの一方と他方の切り口の近傍にそれぞれ着脱自在に取付けられて、前記既設管の外周面上を円周方向に移動するように形成される第1と第2のスライダと、前記第1と第2のスライダの一方にレバーの揺動で爪車を回転してワイヤを巻取るドラムを備え、該ワイヤの先端をそれらスライダの他方に掛止して、前記第1と第2のスライダを向き合った状態で互いに近付けるように移動する移動操作手段と、前記移動操作手段の爪車に爪を戻り止めするように係合し、前記移動手段に連動して前記第1と第2のスライダが最も近付いて切り口同士が接着した状態で一時的に保つ接着保持手段とを備えることを特徴とする。
【0009】
また、一つには、切断輪ゴムを既設管に巻付けて切り口同士を接着する治具であって、前記既設管の外周面に載置されて前記切断輪ゴムの切り口の近傍が載せられる本体を備え、該本体に前記切断輪ゴムを位置決めして取付ける締付け具を設け、前記切断輪ゴムの一方と他方の切り口の近傍にそれぞれ着脱自在に取付けられて、前記既設管の外周面上を円周方向に移動するように形成される第1と第2のスライダと、前記第1と第2のスライダの一方にレバーの回転で歯車を介して送られる湾曲板状の移動体を備え、該移動体の先端をそれらスライダの他方に固定して、前記第1と第2のスライダを向き合った状態で互いに近付けるように移動する移動操作手段と、前記移動操作手段のレバー側にラチェット手段を戻り止めするように係合して前記第1と第2のスライダが最も近付いて切り口同士が接着した状態で一時的に保つ接着保持手段とを備えることを特徴とする。
【0011】
【作用】
従って、本発明にあっては、既設管の各接続部の補修作業において、例えばシール用の固い角ゴム等の切断輪ゴムを切断して既設管に巻付けた後に、その切断輪ゴムの左右の切り口の近傍にそれぞれ第1と第2のスライダを取付けると、それらスライダが既設管の外周面上に載ってゴムと同じ円周方向に向い合って配置される。そこで切り口に接着剤を塗布し、その後移動操作手段を操作すると、両スライダが既設管の外周面上を向い合った状態で互いに近付くように移動し、このため切断輪ゴムの両切り口が正確に位置合わせして接合及び接着する。
【0012】
このとき両切り口は、更に接着保持手段により所定時間押圧接着した状態に保持され、これにより切断輪ゴムが確実に接着する。こうして切断輪ゴムは、作業者の切り口付近の手作業を全く不要にして安全且つ機械的に接着して元の閉じたリング状に復元され、この状態で補修に使用される。また接着後は両スライダが既設管や切断輪ゴムから容易に分離して、次回の使用が可能となる。
【0013】
本発明の一つの態様によると、第1と第2のスライダが、本体を切断輪ゴムの切り口の近傍に被せ、締付け具により両側方から挟んで取付けられ、これにより両スライダは両切り口と同軸上に向い合って配置される。その後切り口に接着剤を塗布して、移動操作手段のレバーを揺動して爪車と共にドラムを回転すると、ワイヤがドラムに巻取られて、このワイヤの引張りで両スライダが向い合った状態で互いに近付くように移動する。このとき両スライダはローラで既設管の外周面に沿うように案内され、このため左右の切り口が、左右のみならず上下にも位置合わせして正確に接合及び接着する。
【0014】
そして、この態様においては、この接着時にはレバーの軽い操作力でワイヤが強く引張られ、このため切断輪ゴムが伸びて切り口が強く押圧接着する。そして接着保持手段の爪と移動操作手段の爪車の係合によりこの状態に自動的に保持されて、切断輪ゴムが確実に接着する。
【0015】
本発明のもう一つの態様によると、第1と第2のスライダが、本体を既設管の外周面に載せた状態でその本体に切断輪ゴムの切り口の近傍を載せ、締付け具により上方から押付けて、切り口を正確に位置決めしつつ取付けられ、これにより両スライダと両切り口が同軸上に向い合って配置される。その後切り口に接着剤を塗布して、移動操作手段の回転レバーにより歯車を回転すると、湾曲板状の移動体が送られて、この移動体に沿って両スライダが向い合った状態で互いに近付くように移動する。このため左右の切り口が、上下、左右に位置決めして正確に接合及び接着する。
【0016】
そして、この態様においては、この接着時には歯車と移動体の噛合い移動でその移動体が強く送られ、このため切断輪ゴムが伸びて切り口が強く押圧接着する。そして接着保持手段のラチェット手段により移動操作手段がこの状態に自動的に保持されて、切断輪ゴムが確実に接着する。
【0017】
【実施例】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。図10において、地下に埋設されているガス等の既設配管の構造について説明する。既設配管1としてソケット接合される鋳鉄管等の管2は、円筒状の管本体2aの一端に管径と略同一の差口2bが形成され、他端に受口2cが拡開して形成されている。上記形状の複数本の管2,3が、一方の管2の受口2cに他方の管3の差口3bを差し込んで一直線上に連設され、管の軸線が少しずれたりまたは屈折しても、接続可能になっている。そして受口2cと差口3bの各接続部4では、両者の空隙5にシール手段6として、「麻肌」と称されるヤーン7、鉛8及び角ゴム9の3種類の部材を順次充填して、管2,3の任意の連設状態でガス洩れを確実に防ぐように封栓される。
【0018】
また受口2cに形成されるフランジ2eと、角ゴム9に当接される押し輪11をボルト12とナット13により締結した継手10により、シール手段6を封栓状態に保持しつつ複数本の管2,3を連結してソケット接続される。こうして接続された複数本の管2,3は、受口2cや継手10等の周囲に多量の土砂を突固めて盛って地下に埋設され、管2,3がソケット接続で伸縮するおそれがあっても、実際には継手10と土砂により伸縮不能に連結保持される。このため管2,3の伸縮でシール手段6が損傷したり、受口2cと差口3bが外れてガス洩れ等を生じることが回避されて、ガスが管2,3により安全に供給される。
【0019】
次に、上述のように地下に埋設された既設管2,3の接続部4の補修作業について説明する。先ず、接続部4の箇所を穴掘により露出し、継手10のナット13を弛めて押し輪11を取り外す。その後シール手段6をチャックし、弾性を消失して固化した古い角ゴム9は切断して除去し、鉛8を必要に応じて若干補充する。また新しい閉じたリング状の角ゴム9は、そのままの形状では使用できないため、一旦切断して差口3bの既設管3に巻付ける。その後角ゴム9は、本発明による切断輪ゴム接着治具を用いて機械的に接着して、閉じたリング状に復元する。そして復元した新しい角ゴム9を受口2cの開口側に挟み、その角ゴム9に押し輪11を当接してボルト12、ナット13で締結するのである。
【0020】
図1と図2において、切断輪ゴム接着治具の実施例について説明する。角ゴム9は、例えば100mmの既設管3に使用される固くて口径の小さいリング状のものであり、円周上の1箇所を例えば斜めに切断して切り口9a,9bが設けられる。切断輪ゴム接着治具19は、切断輪ゴムとして角ゴム9の左切り口9aと右切り口9bの近傍に、それぞれ左スライダ20と右スライダ25が着脱自在に取付けられ、それら左右スライダ20,25相互の間に移動操作手段30が連設され、右スライダ25に移動操作手段30と連動する接着保持手段40が設けられている。
【0021】
左スライダ20は、逆U字形断面で角ゴム9の左切り口9aの近傍に上方から被せられる本体21を備え、この本体21の下部に既設管3の外周と略同一の曲率の湾曲面22が形成される。本体21の側部には押付け板23aとねじ23bを備えた締付け具23が、角ゴム9に両側方から挟んで着脱自在に取付けるように設けられる。湾曲面22の右端部の左右両側にはローラ24が取付けられ、ローラ24と湾曲面22とで本体21を既設管3の外周面3e上に載せて円周方向に案内するようになっている。右スライダ25も、同様に構成された本体26、湾曲面27、締付け具28、湾曲面27の左端部に取付けられるローラ29を備え、これにより左右スライダ20,25をそれぞれ左右切り口9a,9bの近傍に取付けることで、向い合った配置状態となる。
【0022】
移動操作手段30は、右スライダ25の本体26の上部にコ字形の取付け台31が立設され、この取付け台31の内部にドラム32と爪車33が軸34により一体結合して回転自在に収容され、ドラム32にワイヤ35が巻付けられる。ワイヤ35の先端は取付け台31の孔31aから左側に引出されて、左スライダ20の上部に立設する受け部36の孔36aに止め金具37により掛止され、このワイヤ35により左右スライダ20,25が向い合った状態で連結される。
【0023】
また取付け台31にレバー38が、軸34に遊嵌して左右に揺動可能に装着され、このレバー38が図3のようにレバー38と一体的な爪39を介して爪車33に係合する。爪車33には、更に接着保持手段40の爪41が、任意の回転位置で戻り止めするように係合される。
【0024】
これによりレバー38を左側に揺動する場合は、爪39によりレバー38と爪車33を一体化してドラム32を反時計方向に回転し、レバー38を右側に揺動する場合は、爪39をフリーにしてこのとき爪41によりドラム32を一時的にこの回転位置に保つ。こうしてレバー38の揺動でドラム32を間欠的に回転してワイヤ35を巻取り、左右スライダ20,25を向い合った状態で互いに近付けるように移動する。爪41は、上記移動操作手段30による間欠回転時と、左右スライダ20,25が最も近付いて切り口9a,9b同志が接着する際にもその状態に一時的に保つようになっている。
【0025】
次に、この実施例の作用について説明する。既設管接続部4の補修作業において、切断された角ゴム9を既設管3に所定の向きで巻付ける。その後左右スライダ20,25を、ワイヤ35を引出して離間配置し、左スライダ20の本体21を左切り口9aの近傍に被せて湾曲面22とローラ24を既設管3の外周面3e上に載せ、締付け具23により本体21を角ゴム9に締結する。右スライダ25も、同様にして右切り口9bの近傍に取付けるのであり、これにより左右スライダ20,25が既設管3の円周方向に、角ゴム9の左右切り口9a,9bと同軸上に向い合って配置される。
【0026】
その後左右切り口9a,9bに強力な瞬間接着剤Aを塗布し、これ以降は作業者がその切り口9a,9bの付近に手を触れず、移動操作手段30のレバー38を左右に揺動する。すると2つの爪39,41と爪車33の作用によりドラム32が反時計方向に間欠的に回転してワイヤ35が徐々に巻取られ、このワイヤ35の引張りで左右スライダ20,25が、向い合った状態で互いに近付くように移動する。このとき両スライダ20,25は、本体21,26の湾曲面22,27とローラ24,29で既設管3の外周面3eに沿うように案内され、このため角ゴム9の左右切り口9a,9bが、左右のみならず上下にも正確に位置合わせした状態で互いに近付いて正確に接合及び接着する。
【0027】
この接着時にはレバー38を更に左側に揺動すると、軽い操作力でワイヤ35が強く引張られて、固い角ゴム9が円周方向に強制的に伸ばされ、これにより両切り口9a,9bが強く押圧接着する。この時点でレバー38の揺動を止めると、接着保持手段の爪41と爪車33の係合により角ゴム9の弾性張力に抗して戻り止めされ、両切り口9a,9bは図4のように自動的にその押圧接着の状態に保持される。このため所定時間経過後に角ゴム9の両切り口9a,9bが接着剤Aにより確実に接着する。
【0028】
角ゴム9が接着した後は、レバー38を持って爪41を爪車33から外すと、レバー38と共にドラム32が時計方向に回転してワイヤ35が弛み、爪39も爪車33から外すと、ワイヤ35が全くフリーになる。そこで角ゴム9は、弾性張力が無くなって元の閉じたリング状に復元する。こうして切断した角ゴム9は、作業者の切り口付近の手作業を全く不要にして安全且つ機械的に接着復元される。また左右スライダ20,25は、締付け具23,28を弛めることで既設管3や角ゴム9から容易に分離して、次回の使用が可能となる。
【0029】
図5と図6において、本発明の他の実施例について説明する。この実施例でも切断輪ゴム接着治具19の主たる構成要素は上記実施例と同じであって、角ゴム9の左切り口9aと右切り口9bの近傍に、それぞれ左スライダ50と右スライダ55が着脱自在に取付けられ、それら左右スライダ50,55相互の間に移動操作手段60が連設され、右スライダ55に移動操作手段60と連動する接着保持手段70が設けられている。
【0030】
左スライダ50は、L字形断面の本体51を備え、この本体51は垂直な板材51aの底が湾曲して形成され、その板材51aの底の片側のゴム配置側に角ゴム9より大きい幅で、既設管3の外周の曲率と略同一の円弧状の載せ台51bが水平に突設され、既設管3の外周面3e上に載ると共に、角ゴム9の左切り口9aの近傍を載せることが可能になっている。そして板材51aの側部にナット52aと蝶ねじ52bによる締付け具52が管中心方向に指向して斜めに設けられ、載せ台51bに載った角ゴム9に蝶ねじ52bを上方から押付けて着脱自在に取付けるようになっている。
【0031】
また角ゴム9の外周は尖頭状に形成され、蝶ねじ52bで締付けるだけでは、左切り口9aの方向を定めることができない。そこで蝶ねじ52bの直下にコ字形断面の所定の長さの押え片52cが、載せ台51bの略中心線上で交叉するように配置される。この場合に押え片52cは、左側端部を角ゴム9の厚さ分だけ上方に外れた位置でピン53により支持して、上下に回動可能に取付けられる。こうして角ゴム9の尖頭部9cの所定の範囲を押え片52cで両側から挟んで、先端の左切り口9aを載せ台略中心線上に位置決めするようになっている。
【0032】
右スライダ55も、垂直な板材56aの底に載せ台56bを水平に突設したL字形断面の本体56を備え、板材56aの側部に蝶ねじ57b、押え片57c等を備えた締付け具57が同様に設けられる。こうして左右スライダ50,55の両載せ台51b,56bにより治具19を、既設管3の外周面3eの円周方向に安定して載置することが可能になる。また左右スライダ50,55と左右切り口9a,9bを、いずれも上下、左右に正確に位置決めして同軸上に向い合った状態に配置することが可能になる。
【0033】
移動操作手段60は、右スライダ55の本体板材56aの側方に他の板材61がU字形に付設され、両板材56a,61の間に板状の歯車式移動体62が垂直に収容される。この移動体62は、既設管3の外周と略同一の曲率に湾曲して、90度以上の範囲を覆う長さに形成され、上縁の略全域に歯62aが設けられている。そして図7のように移動体62の歯62aに歯車63が噛合い、この歯車63の軸64に回転レバー65が取付けられる。
【0034】
また移動体62の左端部は左スライダ50の本体51に結合され、右端部にストッパ66が設けられる。こうして歯車63と移動体62の歯62aの噛合いにより移動体62の離脱を防止し、回転レバー65を回転することで、移動体62を送ると共に、その移動体62に沿って左右スライダ50,55を向い合った状態で互いに近付けるように移動することが可能になっている。
【0035】
接着保持手段70は、図7のように右スライダ55の板材61の裏面にラチェット手段71の爪車72が、移動操作手段60の歯車63と一緒に回転するように取付けられる。そして爪車72に爪73が係合し、且つ爪73にばね74が付勢され、移動操作手段60による回転時と、左右スライダ50,55が最も近付いて切り口9a,9b同志が接着する際に移動体62を戻り止めした状態に保持する。また指Cにより爪73を爪車72から外すことで、移動体62の戻り止めを解くようになっている。
【0036】
次に、この実施例の作用について説明する。切断した角ゴム9を既設管3に巻付けた後に、左右スライダ50,55を離間して、載せ台51b,56bにより既設管3の外周面3e上に角ゴム9と同じ円周方向に載置する。そして図8のように左スライダ50の載せ台51bに角ゴム9の左切り口9aの近傍を載せ、その尖頭部9cを押え片52cで挟んで蝶ねじ52bで押える。また右スライダ55においても、同様に載せ台56bに角ゴム9の右切り口13bの近傍を載せ、押え片57cを介して蝶ねじ57bで押えるのであり、これにより角ゴム9に左右スライダ50,55が取付けられる。このとき左右スライダ50,55は同軸上に向い合って配置されるが、左右切り口9a,9bも自動的に載せ台略中心線上で正確に向い合うように位置決めして配置される。
【0037】
その後左右切り口9a,9bに強力な瞬間接着剤Aを塗布し、これ以降は作業者がその切り口9a,9bの付近に手を触れず、図9のように指Bで移動操作手段60の回転レバー65を回転する。すると歯車63により移動体62が右側に順次送られて、左右スライダ50,55を向い合った状態で互いに近付くように移動する。このため角ゴム9の左右切り口9a,9bが、正確に位置合わせした状態で互いに近付いて接合及び接着する。
【0038】
この接着時には歯車63と移動体62の歯62aの噛合い移動によりその移動体62が強く送られて、固い角ゴム9が円周方向に強制的に伸ばされ、これにより両切り口9a,9bが強く押圧接着される。この時点で回転レバー65の回転を止めると、接着保持手段70の爪73と爪車72の係合により角ゴム9の弾性張力に抗して戻り止めされ、両切り口9a,9bは図9のように自動的にその押圧接着した状態に保持される。このため所定時間経過後に角ゴム9の両切り口9a,9bが接着剤Aにより確実に接着する。
【0039】
角ゴム9が接着した後は、ラチェット手段71の爪73を爪車72から外すと、歯車63が若干逆転して移動体62の送りが弛み、角ゴム9は弾性張力が無くなって元の閉じたリング状に復元する。こうしてこの実施例にあっても、切断した角ゴム9は作業者の切り口付近の手作業を全く不要にして安全且つ機械的に接着復元される。また左右スライダ50,55は、蝶ねじ52b,57bを弛め、載せ台51b,56bを角ゴム9から抜くことで、既設管3や角ゴム9から容易に分離して、次回の使用が可能となる。
【0040】
以上、本発明の実施例について説明したが、本発明による治具は角ゴム以外に既設管に切断して巻付けられる種々の切断輪ゴムにも適応できる。この場合に押え片の断面形状は、切断輪ゴムの形状に応じて形成すれば良い。移動操作手段の操作部は左スライダの方に設けることもできる。接着保持手段もラチェット機構以外の方法でも良い。
【0041】
【発明の効果】
以上に説明したように、本発明に係る切断輪ゴム接着治具は、切断輪ゴムの一方と他方の切り口の近傍にそれぞれ着脱自在に取付けられて、既設管の外周面上を円周方向に移動するように形成される第1と第2のスライダと、それら第1と第2のスライダを向い合った状態で互いに近付けるように移動する移動操作手段と、この移動操作手段に連動して第1と第2のスライダが最も近付いて切り口同志が接着した状態に一時的に保つ接着保持手段とを備える構成であるから、既設管の接続部の補修等に使用する切断輪ゴムを機械的に接着して復元することができる。
【0042】
特に、切断輪ゴムの2つの切り口は、機械的に押圧した接合状態に保持されるので、作業者は全く手を触れる必要が無くなり、このため作業者の指を接着するような事故が防止されて安全性が飛躍的に増大する。このとき作業者は他の作業を行うことができて、作業性も向上する。治具のセットから接着まで1人の作業者が行うことができるので、能率的である。また機械的に操作して接着するので、品質が向上する。更に、構成要素が必要最小限で、ユニット化されているので、構造が簡単で、運搬、操作が容易化する。
【0043】
本発明の一つの形態に係る切断輪ゴム接着治具では、第1と第2のスライダが切断輪ゴムの切り口の近傍に被せられる本体を備え、この本体に切断輪ゴムを取付ける締付け具と、本体を既設管の外周面上に載せた状態で案内するローラとを設けて構成され、移動操作手段が第1と第2のスライダの一方にレバーの揺動で爪車を回転してワイヤを巻取るドラムを備え、このワイヤの先端をそれらスライダの他方に掛止して構成され、接着保持手段が移動操作手段の爪車に爪を戻り止めするように係合して構成されるので、簡単な構成で切り口の位置合わせをすることができ、ワイヤの使用で構造がコンパクトで軽量化する。またレバーによることで操作性が良い。
【0044】
また、本発明のもう一つの形態に係る切断輪ゴム接着治具は、第1と第2のスライダがL字形断面で既設管の外周面に載ると共に、切断輪ゴムの切り口の近傍が載せられる本体を備え、この本体に切断輪ゴムを位置決めして取付ける締付け具を設けて構成され、移動操作手段が第1と第2のスライダの一方にレバーの回転で歯車を介して送られる湾曲板状の移動体を備え、この移動体の先端をそれらスライダの他方に固定して構成され、接着保持手段が移動操作手段のレバー側にラチェット手段を戻り止めするように係合して構成されるので、堅牢で、安定性に優れて、切り口の位置決め精度が高い。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る切断輪ゴム接着治具の実施例を示す斜視図である。
【図2】同実施例の平面図である。
【図3】移動操作手段と接着保持手段を示す側面図である。
【図4】ゴム接着状態を示す平面図である。
【図5】切断輪ゴム接着治具の他の実施例を示す斜視図である。
【図6】同実施例の平面図である。
【図7】移動操作手段と接着保持手段を示す分解側面図である。
【図8】同実施例の正面図である。
【図9】ゴム接着状態を示す平面図である。
【図10】ガスの既設管の接続部を示す断面図である。
【符号の説明】
3 既設管
3e 外周面
9 角ゴム(切断輪ゴム)
9a,9b 切り口
20,50 左スライダ(第1のスライダ)
25,55 右スライダ(第2のスライダ)
30,60 移動操作手段
40,70 接着保持手段
Claims (2)
- 切断輪ゴムを既設管に巻付けて切り口同士を接着する治具であって、
前記切断輪ゴムの切り口の近傍に被せられる本体と、該本体に前記切断輪ゴムを取付ける締付け具と、前記本体を前記既設管の外周面上に載せた状態で案内するローラとを設け、前記切断輪ゴムの一方と他方の切り口の近傍にそれぞれ着脱自在に取付けられて、前記既設管の外周面上を円周方向に移動するように形成される第1と第2のスライダと、
前記第1と第2のスライダの一方にレバーの揺動で爪車を回転してワイヤを巻取るドラムを備え、該ワイヤの先端をそれらスライダの他方に掛止して、前記第1と第2のスライダを向き合った状態で互いに近付けるように移動する移動操作手段と、
前記移動操作手段の爪車に爪を戻り止めするように係合し、前記移動手段に連動して前記第1と第2のスライダが最も近付いて切り口同士が接着した状態で一時的に保つ接着保持手段とを備えることを特徴とする切断輪ゴム接着治具。 - 切断輪ゴムを既設管に巻付けて切り口同士を接着する治具であって、
前記既設管の外周面に載置されて前記切断輪ゴムの切り口の近傍が載せられる本体を備え、該本体に前記切断輪ゴムを位置決めして取付ける締付け具を設け、前記切断輪ゴムの一方と他方の切り口の近傍にそれぞれ着脱自在に取付けられて、前記既設管の外周面上を円周方向に移動するように形成される第1と第2のスライダと、
前記第1と第2のスライダの一方にレバーの回転で歯車を介して送られる湾曲板状の移動体を備え、該移動体の先端をそれらスライダの他方に固定して、前記第1と第2のスライダを向き合った状態で互いに近付けるように移動する移動操作手段と、
前記移動操作手段のレバー側にラチェット手段を戻り止めするように係合して前記第1と第2のスライダが最も近付いて切り口同士が接着した状態で一時的に保つ接着保持手段とを備えることを特徴とする切断輪ゴム接着治具。
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|---|---|---|---|
| JP09362595A JP3664517B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 切断輪ゴム接着治具 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP09362595A JP3664517B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 切断輪ゴム接着治具 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH08281806A JPH08281806A (ja) | 1996-10-29 |
| JP3664517B2 true JP3664517B2 (ja) | 2005-06-29 |
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|---|---|---|---|
| JP09362595A Expired - Fee Related JP3664517B2 (ja) | 1995-04-19 | 1995-04-19 | 切断輪ゴム接着治具 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3664517B2 (ja) |
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| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| KR200494206Y1 (ko) * | 2021-01-26 | 2021-08-26 | 씨엔씨티에너지 주식회사 | 배관 절단용 지그 및 절단기 |
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-
1995
- 1995-04-19 JP JP09362595A patent/JP3664517B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| KR200494206Y1 (ko) * | 2021-01-26 | 2021-08-26 | 씨엔씨티에너지 주식회사 | 배관 절단용 지그 및 절단기 |
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