JP3665477B2 - サンプル中の核酸配列量を決定するための方法、装置、およびコンピュータプログラム記録媒体 - Google Patents

サンプル中の核酸配列量を決定するための方法、装置、およびコンピュータプログラム記録媒体 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、核酸配列を特徴付けるための方法、装置、およびコンピュータプログラム製造物、特に、サンプル内の核酸配列量を決定するための方法、装置、およびコンピュータプログラム製造物に関する。
【0002】
【従来の技術】
生物学的および医学的研究の分野において、定量的な核酸配列分析の役割は、ますます重要になりつつある。たとえば、定量的な遺伝子分析が、ヒトの乳癌の場合に約30%も発癌率を増大させるヒトのHER−2腫瘍遺伝子などの特定の遺伝子のゲノム量を決定するのに使用されてきた。これに関しては「サイエンス」誌」の第235巻(1987年)、177〜182ページに記載されたスラモン(D.J. Slamon )氏らによる論文が参考になる。より最近では、遺伝子およびゲノムの定量化が、HIV(humnan Immunodeficiency virus )感染および疾患の異った段階を通して、患者のHIVウイルスのレベルを決定及び監視するのに使用されている。これに関しては、「ウイルス・ジャーナル」誌(J. Virol)、第69巻、2092〜2100ページに記載されたフルタド(M.R. Furtado)氏らの論文が参考になる。また、循環するHIVのレベルがより高まり、感染後にウイルスの複製を有効に制御できなくなることが、病後の経過の悪化に関連しているかもしれないということが主張されている。言い換えれば、ウイルスレベル(HIV 複製)と疾患の発症との間に関連性が存在するかもしれないことが主張されている。これに関しては、「サイエンス」誌の第259巻(1993年)、1749〜1754ページに記載されたペイタク(M. Paitak )氏らによる論文が参考になる。したがって、病気の経過を通じて患者のウイルス核酸レベルの変化を正確に監視することが可能となることによって、医師に処方の有効性と疾患の進行に関する重大な情報を提供するかもしれないので、感染の早期にHIV核酸レベルを正確に決定することが、病気の診断における有用な道具となるかもしれない。加えて、血漿中のHIVウイルスに付随するRNAレベルを決定することが、抗レトロウイルス療法などの活動の評価における潜在的な広範な適用性を有するウイルス複製の標識となる。
【0003】
核酸配列の定量分析に関していくつかの方法が説明されてきた。ポリメラーゼ連鎖反応(PCR;polymerase chain reaction )と逆転写酵素PCR(RT−PCR(reverse-transcriptase PCR )では、核酸の微少な出発量(つまり1セル相当)の分析が可能である。これについてはたとえば、1994年の「PCR法の応用(PCR Methods Applc.)」誌の第3巻、317〜19ページに記載されたエドモンズ(S. Edmands)氏らの論文、及び、1992年の「核酸研究(Nucleic Acid Res. )」誌の第20巻、3582ページに記載されたロドリゲス(I.R. Rodriguez)氏らの論文が参考となる。定量的なPCRに関する早期の報告には、PCR製造物の定量化が報告されているが、初期の標的配列量の測定が行われていない。これに関しては、1992年の「PCR法の応用(PCR Methods Applc.)」誌の第2巻、1〜9ページに記載されたフェッレ(F. Ferre)氏による論文が参考になる。一般的に、これらの方法には、温度熱循環の最後でのPCR製造物の測定と、そのレベルを出発DNA濃度に関係付けることとが含まれている。残念ながら、生成された製造物の絶対量は、反応初期に存在する標的配列(特に臨床試験体)の量と常に矛盾の無い関係にはない。このような「終点」分析によって、出発核酸の有無が明らかとなるが、一般的にはDNA標的物の数の正確な測定は提供されない。標的配列の増幅の運動学および効果は、その配列の出発時における豊富さと、プライマーおよびテンプレート(鋳型)の配列一致性に依存し、また、試験体に含まれる阻害剤(inhibitor )にも影響されるであろう。RNAサンプルのPCR分析では、逆転写および増幅の双方におけるさまざまな効果が、多様性の潜在的な源となっている。こうした理由から、試験体から得られたPCR製造物の量を、別々に増幅された外部の対照標準から得られた製造物の量と比較することは、定量化の厳密性の基礎とならない。
【0004】
核酸増幅に対するある特定のアプローチは、平衡状態以前の反応のログ段階(log phase )でPCR製造物の量を測定することである。これに関しては、1990年の「分析生化学(Anal. Biochem.)」誌の第189巻、202〜208ページに記載されたケロッグ(Kellogg )氏らの論文、及び1990年の「ネーチャー」誌の第343巻、85〜89ページに記載されたパング(S. Pang )氏の論文が参考となる。この方法では、各サンプルには等量の核酸が投入されること、及び、分析下にある各サンプルが、定量分析に適する同一の効率で増幅されることが、必要である。遺伝子配列(これは、すべてのサンプル中に比較的一定の量で含まれる。)は、サンプルの増幅の効率の正規化のために使用することができる。しかしながら、従来のPCR検出及び定量化の方法を使用すると、すべてのサンプルを、標的遺伝子および標準遺伝子の双方に関して、反応のログ段階の間に分析することは、かなり困難である。
【0005】
他の方法として、定量比較PCR法(QC−PCR)が開発されており、またPCR定量化に対して広く使用されている。これに関しては、「ネーチャー」誌の第359巻(1992年)、557〜558ページに記載されたシーベルト(P.D. Siebert)氏とラリック(J.W. Larrick)氏による論文と、「バイオ技術(Bio. Techniques )」誌の第14巻(1993年)、70〜81ページに記載されたピイアタク(M.J. Piatak )氏らの論文と、「生化学および生物物理アクタ(Biochem. Biophys. Acta)」誌の第1215巻(1994年)、157〜162ページに記載されたタン(X. Tan)氏らの論文と、「ゲノム研究(Genome Res. )」誌の第5巻(1995年)、91〜94ページに記載されたレイメーカー(L. Raeymaekers)氏の論文が参考となる。QC−PCRは、各反応混合物に既知量の内部の対照拮抗体が含まれることに基づく。各反応効率は、内部拮抗体に正規化される。相対的定量を得るために、通常、ゲル電気泳動を使って、未知の標的PCR生産物は既知の拮抗体PCR生産物と比較される。標的となる特定のおよび拮抗体のDNAの相対量が測定され、この比率は、標的テンプレートの出発数を計算するのに使用される。基本的には、この種の分析において、拮抗体特定生産物に対する標的特定生産物の比率が大きくなればなるほど、出発DNA濃度は、高くなる。QC−PCR分析の成功は、標的分子と同じ効率で増幅する内部対照の開発にかかっている。しかしながら、拮抗体の設計と増幅効率の確認には、多大な努力が必要である。RNA定量化に係るQC−PCR法において、関心のある標的配列に合致するがそれとは導入される内部欠失によって異なる拮抗的RNAテンプレートが、逆転写の拮抗的な滴定とPCRステップにおいて使用され、厳重な内部対照が与えられる。これに関しては、「PCR法の応用(PCR Methods Applic. )」誌の第4巻(1994年)のS83〜S91に記載されたラシュチャン(A. Rashtchian )氏の論文と、「PCR法の応用(PCR Methods Applc.)」誌の第2巻(1993年)の196〜196ページに記載されたクレメンチ(M. Clementi )氏らの論文と、「分子細胞生物学の方法(Meth. Molec. Cell. Biol )」誌の第2巻(1991年)の189〜201ページに記載されたベッカー・アンドリュ(M. Becker-Andre )氏による論文と、「PCR法の応用(PCR Methods Applic. )」誌の第4巻(1995年)の219〜226ページに記載されたマククロッチ(McCulloch )氏らの論文が参考となる。試験体の複製部分に加えられる拮抗的テンプレートの既知の複製数が増大し、また定量化は、電気泳動分離後に野生型および拮抗的テンプレートから得られた異なる大きさに増幅された製造物の相対量(絶対量ではない)の決定に基づく。
【0006】
交雑あるいはゲル電気泳動といった時間を消費するとともに厄介な精製処理に加えて、これらの分析は、動的範囲(つまり、標的核酸濃度の範囲に対する感度)に制限される。たとえば、拮抗体分析において、標的または付加された拮抗体DNAのいずれかが他方を大きく越えるときには、テンプレート濃度の差に対する感度を妥協してもよい。最終的生産物の量を測定する分析の動的範囲も、いくつかの反応サイクルの選択数が、他の反応に先立って生産物の「平衡」レベルに達してしまってもよいように制限される。これに関しては、レイメーカー(L. Raeymaekers)氏らによる前記論文を参照されたい。それゆえ、これらの反応における出発テンプレートレベルの差は、あまり反映されないこともある。さらに、生産物の測定量の差が小さければ、出発テンプレート濃度の見積もり値が幅広く変化することもあり、このために、さまざまな反応条件や、サンプリングの多様性や、阻害剤の存在による不正確さが生じる。
【0007】
初期の核酸量を決定するために必要とされる増幅後分析の量を減らす試みにおいて、「リアルタイム」で核酸増幅率を測定するための付加的な方法が開発されてきた。これらの方法では一般的に、増幅中の核酸量を明示することができ、かつ、蛍光信号の選択されたレベルを実現するのに必要とされるサイクル数とPCR処理の初期において存在する増幅可能な標的物の濃度との関係を利用することができる蛍光ラベル(例えば、蛍光染料)が利用されている。たとえばこれに関しては、欧州特許出願第94112728号を参照されたい。ここには、標的配列の濃度増幅可能な核酸標的配列に対し、標的配列の所定濃度に達するのに必要とされる温度サイクルの数を、PCR処理の出発点に存在する標的DNA量に関連付ける定量分析が記述されている。この分析システムにおいて、反応混合物のセットが、増幅に際して準備される。一つの準備には、未知濃度の標的配列が含まれ、他の準備には、既知(標準)濃度の配列が含まれる。反応混合物にはまた、二重螺旋DNAと結合したときに蛍光を発する蛍光染料も含まれる。反応混合物は、標的物が十分に増幅されるように、多数のサイクルの間、同時に熱循環される。反応混合物から発せられた蛍光は、リアルタイムで監視され、各反応混合物が任意の強度しきい値(任意の蛍光値、またはAFV)で蛍光を発するのに必要なサイクル数が決定される。未知の核酸混合物がAFV値に達するのに必要なサイクル数(CT )は、その後、既知の混合物がAFV値に達するのに必要なサイクル数と比較される。この方法は、ある与えられた蛍光強度を実現するのに必要なサイクル数と、核酸標的物の濃度の対数との直接的な関連性に依存している。この関係は、こうして未知濃度の混合物中における標的核酸配列の初期濃度を獲得するのに使用される。この方法は、増幅サイクル数を測定するところの任意しきい値の選択を規定するが、そのとき記録された増幅プロファイル(増幅曲線)が分析され、未知の増幅プロファイルを標準的な増幅プロファイルと比較するためのAFVが見出される。しかしながら、AFVまたはカットオフ値の初期選択にはなんら重要性はないが、具体例としてのAFV値は、すべての増幅曲線が比較的直線的(つまり、上向きの指数関数的な増幅から漸近線への下降湾曲までの遷移の間)になるような範囲の中間に存在するように選ばれる。さらに、核酸の定量化における類似の結果が、AFV値のかなり広い範囲において報告されている。このすでに知られた方法の短所は、103 個という標的配列分子の初期複製数を下回ると、濃度の正確な決定に対する信頼性がなくなる、ということである。この方法の他の短所は、各増幅曲線の形状が実際とは無関係に同一であり続けると仮定されていることである。最後に、任意のカットオフ値の近くの数個のデータポイントだけを採用して、初期の標的核酸濃度を決定する。
【0008】
1996年のヘイド(C.A. Heid )氏らの論文(ゲノム研究(Genome Research)、第6巻、986〜994ページ)と1996年のギブソン(U. Gibson )氏らの論文(ゲノム研究、第6巻、995〜1001ページ)には、DNAとRNAの定量分析に対するリアルタイムの定量的なPCR法がそれぞれ報告されている。双方の分析には、複蛍光リポータシステム(dual-fluorescence reporter system )が利用されており、米国自然学術科学会報(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)の第88巻(1991年)の7276〜7280ページにホランド氏(Holland )らによって記載された5′−ヌクレアーゼ分析を使用することを基本としている。これらの方法では、コンピュータアルゴリズムによって、リポータ染料の放出量を、発生した増幅サイクル数と比較することによって増幅プロットが生成される。このアルゴリズムによって、各PCR増幅が任意の選択しきい値(つまり、通常、基線の標準偏差の10倍)またはカットオフに到達するサイクル(CT )が計算される。関係のある蛍光放出しきい値は、最初の10〜15の増幅サイクルの間でのリポータ染料放出の基線に基づいている。計算されたCT 値がサンプル中に存在する標的複製物の数に比例することが立証される。こうして、CT 値は、サンプル中に見出される標的の複製物の定量測定値であることが見出される。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
以上の議論から明らかなように、従来技術によれば、リアルタイムの核酸増幅に対する定量分析を実行する一つの方法は、選択されたカットオフレベルのすぐ上とすぐ下での読み取りを数多く選択し、これらの点に線形回帰をフィットさせ、そして、フィットした直線がカットオフレベルを横切るところでの「サイクル数」について解く、ということである。したがって、基線に対する値の約10倍のカットオフレベル、または非標的物を含むサンプルの最大値、または「ノイズ」と考えられるものの上のあるカットオフレベルを選択する場合のように、カットオフレベルの選択は、いくらか任意である。このようなカットオフの選択基準における短所は、もし、カットオフ値が、増幅率が変化しているような増幅におけるある時点(つまり、増幅の初期)に対応するならば、データへの線形フィットは適当であるとはいえないということである。
【0010】
これまでに、定量化アルゴリズムで使用されるカットオフレベルの選択における小さな差が、定量化における最終的な(つまり正確な)量に対して実質的効果を与えることは、認められていない。そして、増幅法の使用者が、標的核酸の初期濃度を従来法よりもより正確に、かつ、より信頼性があるように決定することができるような、好ましいカットオフ値を客観的かつ自動的に選択するための方法を提供する必要性は、残されている。また、一つの実験または決定から容易に他に変化してしまい得る動的なカットオフレベルを決定する方法を与える必要性も、残されている。
【0011】
以上の説明から、本発明の課題は、試験サンプル内の核酸配列量を決定するための改良された方法、装置、およびコンピュータプログラム製造物を提供することにある。
また、本発明の他の課題は、それぞれが既知量の核酸配列を含む複数の目盛較正および制御サンプルを使用して、試験サンプル内の核酸配列量をより正確に決定するための改良された方法、装置、およびコンピュータプログラム製造物を提供することにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記およびその他の課題、特徴、および利点は、本発明によれば、統計的基準によって決定される好ましいカットオフレベルを使用して増幅中の核酸配列量を決定するための方法、装置、およびコンピュータプログラム製造物によって与えられる。特に、本発明の一つの態様によれば、複数の目盛較正サンプル(つまり標準)中に存在する複数の既知量の核酸配列と、試験サンプル中に存在する未知量の核酸配列とが、ある時間間隔内で同時に増幅される。これらのサンプルは、たとえば、ストランド・デスプレースメント増幅(SDA;Strand Displacement Amplification )などの等温増幅法、またはポリメラーゼ連鎖反応(PCR;Polymerase Chain Reaction )などの熱循環反応法を使用して増幅してもよい。その際、目盛較正および試験サンプル内で増幅中の核酸配列量の指標は、その時間間隔内の複数の測定時点において従来の技術を使用して測定される。増幅中の核酸配列量の指標は、もしサンプルが蛍光性インディケータ(たとえば、蛍光性の染料、ラベル、インターカレータ(intercalator)を含んでいるならば、蛍光信号(たとえば、蛍光強度、あるいは検出可能蛍光エネルギー変換)の形をとる。リアルタイム測定で適当な他の指標(たとえば、放射性信号)も使用してもよい。
【0013】
その後、第1の潜在的なカットオフレベルに対して、各目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定指標がその第1のカットオフレベルに等しくなる時間間隔における対応する第1の時点集合を決定するステップが実行される。その後、このステップは、各潜在的なカットオフレベルに対してその時間間隔におけるそれぞれの時点集合を取得することができるように、多数の潜在的なカットオフレベルの各々に対して繰り返される。本発明の好ましい側面によれば、その後、統計的基準に関して、時間間隔における時点集合のどれが、目盛較正サンプル中の既知量の核酸配列に対してその統計的基準をより満足するかを決定するためのステップが実行される。その後、試験サンプルにおける核酸配列量が、その統計的基準をよりまたは最も満足させるように定められた時点集合に基づいて決定される。
【0014】
たとえば、どの時点集合がより統計的基準を満足するかを決定するステップは、時間間隔におけるどの時点集合が、目盛較正サンプル中の核酸配列の既知の出発量の対数に対してよりよい線形フィットを与えるかを決定するためのステップを含んでいてもよい。このステップには、目盛較正サンプル中の核酸配列の既知の出発量の対数と、その時間間隔中の時点集合の各々とに関するグラフのそれぞれに対して回帰直線をフィットさせるステップが含まれることが好ましい。その後、各時点集合とそれぞれの回帰直線との間のフィットについての標準偏差が決定される。その後、フィットについての最小標準偏差に対応する時点集合が、潜在的なカットオフレベルから好ましいカットオフレベルを選択して、その好ましいカットオフレベルに基づいて試験サンプル中の核酸配列の出発量を決定するために、使用される。この有利な結果は、試験サンプル内の核酸配列量の測定された指標が、その好ましいカットオフレベルに等しくなる時点を決定して、好ましい時点集合に対応する「好ましい」回帰直線(regression line )にその時間をフィットさせることによって、実現される。その後、試験サンプル中の核酸配列の出発濃度の対数をその好ましい回帰直線から決定することが可能である。
【0015】
本発明の他の好ましい側面によれば、好ましい指標カットオフレベル(たとえば、好ましい蛍光信号カットオフレベル)をより正確に評価するために、曲線フィッティング操作が実行される。特に、蛍光信号が時間間隔における複数の測定時点と、個別の目盛較正および試験サンプルの測定された蛍光信号の離散点との「グラフ」に、それぞれの「データ」曲線が好ましくフィットされる。このとき、離散点が共通の基線に正規化された後、非パラメータ的な平滑化操作が実行されるのが好ましい。本発明者によって確認されたように、「滑らかにされた」データ曲線の各々に対する信頼下限曲線(lower confidence limit curve)を決定することによって、好ましい指標カットオフレベルの精度をさらに改善することが可能である。信頼下限曲線も、非パラメータ的な平滑化操作を用いて、滑らかにしてもよい。その後、滑らかにされた信頼下限曲線の各々と、それぞれの潜在的なカットオフレベルとの交差を決定することによって、その時間間隔内の前記時点集合を各々決定することができる。
【0016】
すでに記述したように、フィットについての最小標準偏差に対応する時点集合を使用して、好ましいカットオフレベルを決定し、その好ましいカットオフレベルに基づいて試験サンプル中の核酸の出発量を決定することができる。しかしながら、本発明の他の側面によれば、既知の出発量の核酸配列を含む対照サンプルを使用して、好ましいカットオフレベルの決定を容易にすることができる。特に、目盛較正サンプルに対応するその時間間隔内の時点集合の各々に対して、それぞれの回帰直線がフィットさせられた後、平均予測誤差(APE(average prediction error))を各回帰直線と、対照サンプルに対応する時点集合の各々との間で、決定することができる。その後、付随する平均誤差が最小となる回帰直線に対応する潜在的なカットオフを使用して、試験サンプル中の核酸の出発濃度を決定することができる。
【0017】
本発明の他の好ましい態様は、試験サンプル内の核酸量を決定するための好ましい装置を含む。この好ましい装置は、未知の出発量の核酸配列を含む少なくとも一つの試験サンプル内、及び既知量の核酸配列を含む複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標を、その時間間隔内のそれぞれの測定時点において測定するための蛍光測定ツール等の手段を備える。またさらに本発明は、前記測定するための手段を制御して、前記ステップに関係する数値操作を実行するためのコンピュータプログラム製造物も提供する。
【0018】
特に、好ましいコンピュータプログラム製造物は、その記憶媒体中にコンピュータ読み取り可能なプログラム符号化手段が実体化されているコンピュータ読取可能な記憶媒体を備える。また、好ましいコンピュータ読み取り可能なプログラム符号化手段は、第1の潜在的な指標カットオフレベルに対して、目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標が第1のカットオフレベルに等しくなるところの時間間隔内における第1の時点を決定するためのコンピュータ読み取り可能なプログラム符号化手段を含む。プログラム符号化手段は、第2の潜在的な指標カットオフレベルに対して、目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標が第2のカットオフレベルに等しくなるところの時間間隔における第2の時点を決定することもできるように、好ましく与えられる。加えて、プログラム符号化手段は、回帰直線へのフィットについての最小標準偏差、または回帰直線に関する最小平均予測誤差といったような統計的基準に関して、時間間隔内における第1または第2の時点集合のどれが、目盛較正サンプル中の既知量の核酸配列に対してその統計的基準をより満足するかを決定する。その後、統計的基準をより満足するものとして決定された第1または第2のカットオフ点での核酸配列量に基づいて、試験サンプル中の核酸配列の出発量が決定される。好ましいプログラム符号化手段は、また、数値操作として前記ステップをより詳細に実行するようにも構成される。本発明はこうして、目盛較正サンプル内の核酸配列量の指標の測定が評価されるところのカットオフレベルをより正確に決定することによって、試験サンプル内の核酸配列量をより正確に決定するツールを与える。
【0019】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明の好ましい実施の態様を詳細に説明する。しかしながら本発明は異る態様において実施してもよく、ここに説明される実施の態様に限定されるものとして解釈すべきではない。むしろ、以下に説明する実施の態様は、本開示を具体的かつ完全なものとするためのものであって、当業者に対して本発明の範囲を十分明確に示すためのものである。なお、類似する同一または類似する構成要素には、同一または類似する符号が付されている。
【0020】
図1〜7を参照して、サンプル内の核酸配列量を決定するための好ましい方法10についてより詳細に説明する。これらの方法には、それぞれの時間間隔の間に、複数の(または一以上の)目盛較正サンプル(つまり標準)中に存在するそれぞれの既知の出発量の核酸配列(たとえばRNA、DNA)を増幅し、また、すくなくとも一つの試験サンプル中に存在する未知の出発量の核酸配列を増幅するステップ12、14が含まれる。目盛較正サンプルおよび試験サンプル中の核酸配列は同一であることが好ましいが、しかしながら、ときによってはサンプルは異る核酸配列を含んでもよく、あるいは、異った量の異なった核酸配列を一つの複合サンプル内で同時に増幅してもよい。これらの増幅ステップは従来の技術を使用して実行してもよく、また各サンプルに対して、重なり合いのないそれぞれの時間間隔の間に別々に実行してもよい。その際、分析の目的のために、これら別々の時間間隔を一つの共通の出発時間および時間間隔に正規化してもよい。しかしながら、より好ましいこととして、目盛較正サンプルおよび試験サンプル内の各核酸配列を増幅するステップ12、14は、単一の時間間隔の間に別々のサンプルにおいて同時に実行してもよい。
【0021】
当業者に理解できるように、熱循環増幅法および等温増幅法の両増幅法をはじめとする、なにか既知の核酸増幅法に従って、サンプルを増幅してもよい。本発明は、等温増幅法に対して特に有利かもしれないが、熱循環増幅法および等温増幅法のいずれかによって増幅された核酸配列の定量化を向上させるには有利である。本発明を実施するのに有用な適当な熱循環法としては、ポリメラーゼ連鎖反応(PCR;polymerase Chain Reaction )(米国特許第4,683,202号、第4,683,195号、および第4,965,188号参照)、逆転写酵素PCR(RT−PCR(reverse-transcriptase PCR) )、DNAリガーゼ連鎖反応(LCR(DNA Ligase Chain Reaction) )(国際特許出願WO 89/09835号参照)、および転写に基づく増幅(transcription-based amplification)(クォー(D.Y. Kwoh )氏らによる1989年の米国自然学術科学会報(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)の第86巻、1173〜1177ページに記載された論文参照)が挙げられるが、これらには限定されない。本発明を実施するのに有用な適当な等温増幅法としては、ストランド・ディスプレースメント増幅(SDA(Strand Displacement Amplification))(ウォーカー(Walker)氏らによる1992年の米国自然学術科学会報(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)の第89巻、392〜396ページに記載された論文参照)、Q−βリプリカーゼ(リザルディ(Lizardi )氏らによる1988年のバイオテクノロジー(Bio/Technology)第6巻、1197〜1202ページに記載の論文参照)、核酸に基づく配列増幅(NASBA(Nucleic Acid-Based Sequence Amplification ))(スックナナン(R. Sooknanan)とマレク(L. Malek)氏による1995年のバイオテクノロジー(Bio/Technology)第13巻、563〜65ページに記載の論文参照)、および自己維持配列複製(3SR(Self-Sustained Sequence Replification ))(グアテリ(Guatelli)氏らによる1990年の米国自然学術科学会報(Proc. Natl. Acad. Sci. USA)の第87巻、1874〜1878ページに記載の論文参照)などが挙げられるが、これらには限定されない。典型的なSDA法についてはウォーカー(Walker)氏の米国特許第5,445,166号とウォーカー(Walker)氏らの米国特許第5,270,184号を参照されたい。これらの文献は、引用することによって、本願明細書に含めることとする。
【0022】
その後、ステップ16において、目盛較正サンプルおよび試験サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標(indicia )が、その時間間隔内のそれぞれの測定時点において測定される。このとき、カリフォルニア州フォスタ市(Foster City )のパーキン・エルマ地区(a division of Perkin Elmer)にあるアプライド・バイオシステムズ(Applied Biosystems)社によって製造販売がされている7700モデル配列検出器(MODEL7700 Sequence Detector )、あるいは、ニューヨーク(New York)州のロチェスタ(Rochester )にあるラボシステムズ(LabSystems)社によって製造されているフルオロスカンII(Fluoroskan II )などの測定ツールが使用される。目盛較正サンプルおよび試験サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標は、もし、サンプルが蛍光性のインディケータ(たとえば蛍光ラベル)を含んでいるならば、蛍光信号(たとえば蛍光強度または蛍光エネルギ変換)の形をとる。したがって、測定ツールは、同時増幅中のサンプルからの蛍光信号を測定するための一つ以上の光検出器も備えてよい。測定ツールは、蛍光強度の測定ステップの間に、目盛較正サンプルと試験サンプルの各々を一つのサンプル配列として配置させ、光検出器の反対側に自動的にかつ繰り返して配置させることができるように、コンピュータ制御のステップモータを備えてもよい。以下、図8を参照して好ましい測定ツールをより詳細に説明する。
【0023】
以上のように、標的核酸濃度の指標は、蛍光信号の形をとってもよいが、もちろん当業者には核酸濃度の他の指標も知られており、本発明の実施においてそれらを使用してもよいことは認識できよう。具体的には、核酸濃度の指標は、蛍光、放射能、比色定量、X線回折または吸収、磁気、あるいは酵素活性などによって検出可能な信号を生み出すラベルによって与えられる。適当なラベルは、たとえば、蛍光団(fluorophores)、発色団(chromophores)、放射性同位元素(32Pまたは 125I)、電子稠密試薬(electron-dense reagents )、酵素、及び特定の結合パートナーを有する配位子(たとえばビオチン−アビジン)などを含む。核酸のラベリングは、核酸プライマーまたはプローブの化学的変化などを含む多数の手段によって行ってもよい。また適当な蛍光ラベルは、臭化エチジウム(ethidium bromide)、臭化プロピジウム(propidium bromide )、クロモミチン(chromomycin )、アクリジンオレンジ(acridine orange )などの非共有結合性ラベル(たとえば挿入染料(intercalating dyes))などを含む。しかしながら、本発明の実施において、共有結合性蛍光剤を使用することが好ましい。こうした共有結合性蛍光剤ラベルは、FAM、HEX、TET、JOE(これらすべては、カリフォルニア州フォスタ市のパーキン・エルマ地区にあるアプライド・バイオシステムズ社から入手することができる、)などのフルオレセイン(fluorescein )とその誘導体、Texas Red(オレゴン州ユージン(Eugene)の分子プローブ(Molecular Probes)社)などのローダミン(rhodamine )とその誘導体、ROXおよびTAMRA(カリフォルニア州フォスタ市のパーキン・エルマ地区にあるアプライド・バイオシステムズ社)、ルシファ・イエロー(Lucifer Yellow)、クーマリン(coumarin)誘導体、などがある。核酸濃度の他の好ましい指標は、蛍光リポータ(reporter)(またはドナー(donor ))ラベルとクエンチャ(quencher)(またはアクセプタ(acceptor))ラベルが連携して、反応混合物中に存在する増幅された(たとえば二重螺旋の核酸の形の)核酸製造物の量に比例する検出可能な信号を生み出すのに使用される蛍光エネルギ変換(FET;fluorescence energy-transfer)である。本発明の実施において有用なさらに他の検出法としては、核酸増幅の蛍光極性(FP(fluorescence polarization ))検出法があるが、これはウォーカー(Walker)氏らの米国特許第5,593,867号に記述されている。
【0024】
ステップ16において核酸配列の指標を測定した後、ステップ18を実行して、第1の潜在的なカットオフレベル(たとえば、第1の正規化された蛍光レベル)に対して、目盛較正サンプルおよび試験サンプルの各々の中で増幅中の核酸配列の量の指標(たとえば蛍光信号)がその第1のカットオフレベルに等しくなるところの時間間隔内における第1の時点集合を決定する。その後、異った複数の潜在的なカットオフレベルの各々に対してこのステップを繰り返すことによって、その時間間隔内のそれぞれの時点集合を各潜在的なカットオフレベルに対して取得することができる。以下、さらに詳細に説明するように、「指標(indicia )」(たとえば蛍光信号)は、フィルタにかけられていない指標(つまり生データ)でもよく、あるいは、たとえばフィルタにかけられていない指標から信頼下限曲線を生成することによって、指標をフィルタにかけてもよい。
【0025】
本発明の好ましい実施の態様によれば、その後にステップ20を実行して、一つの統計的基準に関して、時間間隔内のどの時点集合が、複数の目盛較正サンプル中に存在する既知量の核酸配列に対してその統計的基準をより満足するかを決定する。その後、試験サンプル内の核酸配列量を、統計的基準をより満足するように決定された時点集合に基づいて決定する。たとえば、以下の図2〜7を参照してより詳細に説明するように、どの時点集合がその統計的基準をより満足するかを決定するステップには、複数の目盛較正サンプル中に存在する核酸配列のそれぞれの既知の出発量の対数に対して、時間間隔内のどの時点集合がより良い線形フィットを与えるかを決定するステップが含まれてもよい。またこのステップには、複数の目盛較正サンプル中に存在する核酸配列の既知の出発量の対数に対する時間間隔内の時点集合の各々についてのそれぞれの「グラフ」に、回帰直線をフィットさせるステップが含まれることが好ましい。その後、時点集合の各々とそれぞれの回帰直線との間のフィットについての標準偏差が決定される。その後、フィットについての最小標準偏差に好ましく対応する時点集合が、好ましいカットオフレベルを選択するのに使用され、その後、その好ましいカットオフレベルに基づいて試験サンプル中に存在する核酸配列の出発量が決定される。
【0026】
統計的基準をより満足する時点集合の決定は、試験サンプルのフィルタのかけられた(またはフィルタのかけられていない)蛍光信号が好ましいカットオフレベルに等しくなる時間を決定し、その後にその時間を好ましい時点集合に対応する「好ましい」回帰直線にフィットさせることによって実行されるのが好ましい。その後にステップ22が実行され、好ましい回帰直線から試験サンプル内の核酸の出発濃度が決定される。本発明のその他の実施の態様では、既知の出発量の核酸配列を含む複数の対照サンプルも、好ましいカットオフレベルの決定を容易にするために使用することもできる。特に、複数の目盛較正サンプルに対応する時間間隔内の時点集合の各々に対してそれぞれの回帰直線をフィットさせた後に、平均予測誤差(APE)を、各回帰直線と複数の対照サンプルに対応するそれぞれの時点集合の点との間で決定することができる。その後に、それに付随する平均予測誤差が最小になる回帰直線に付随する潜在的なカットオフレベルを使用して、試験サンプル内の核酸配列の出発濃度を決定することができる。他の統計的基準も使用してもよい。たとえば、クロス確認(cross-validation)予測誤差を最小化して出発濃度を決定してもよい。あるいはまた、もし複数の異った基準が使用される場合には、異った基準の各々によって得られる好ましいカットオフレベルの「平均」を使用してもよい。
【0027】
以下、より詳細に説明する。各潜在的なカットオフレベルの各々に対して時間間隔内の時点集合を決定するステップ18には、非パラメータ的な平滑化操作を使用して、時間間隔内におけるそれぞれの測定時点に対するそれぞれの目盛較正サンプルまたは試験サンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された点を表すそれぞれのグラフに曲線をフィットさせる初期ステップを含ませてもよい。ここで、各サンプルの増幅を、測定時点から成るx軸値の集合と、測定された蛍光信号から成るy軸値の対応する集合から成る離散的なデータポイントによって表すことが可能である。各サンプルに対するこれらのx、y軸値は、従来の技術を使用して、共通する基線に正規化され、x、y軸値の各々に対して非パラメータ的な平滑化操作が実行される。
【0028】
特に、それぞれの目盛較正サンプルまたは試験サンプルに対応するとともにそれぞれの増幅曲線を形成するx、y軸値の各集合に対して、ウエーブレット・フィットが得られ、滑らかな増幅曲線が、S−プラス(S-PLUS)(商標名)ソフトウエアパッケージのS+ウエーブレット(S+WAVELETS)(商標名)モジュールによって商業上利用することができる波収縮操作(waveshrink operation)を使って、得られる。このソフトウエアパッケージは、ワシントン州シアトルにあるマスソフト社(MathSoft Inc. )から商業的に入手することできる。当業者に理解できるように、x、y軸値集合におけるノイズ及び/または滑らかな曲線についての標準偏差(σ)の評価は、典型的には、好ましい平滑化操作によってなされる。
【0029】
次に、本発明の他の好ましい側面によれば、各増幅曲線に対してそれぞれの信頼下限曲線(LCL;lower confidense limit curve)が決定されることによって、測定指標(y値)におけるノイズまたは増幅率における局部的な不規則性に対する感度が減少した状態での、潜在的なカットオフに達するのに必要な増幅時間の評価を決定することが可能である。各信頼下限曲線は、たとえば、各滑らかにされた増幅曲線に対するy値から蛍光信号における2σ(または好ましい値)を差し引くことによって決定してもよい。各信頼下限曲線もまた、STATLIBプログラミングアーカイブのFUNFITSモジュールから得られる薄板スプライン(thin-plate spline )操作などの非パラメータ的な平滑化操作を使用して好ましく平滑化される。このアーカイブはワールドワイドウェブ(world wide web)のhttp://lib.stat.cmu.edu において入手可能である。これらの信頼下限曲線によって、フィルタがかけられた際の測定された指標と時間との関係が示される。
【0030】
上記操作の適用について以下説明する。特に、図2には、時間と、複数の目盛較正サンプルおよび試験サンプル内で増幅中の核酸配列の量のフィルタがかけられていない正規化された指標(つまり蛍光信号)とのx−yグラフ(つまり増幅曲線)が示されている。各増幅曲線に対する滑らかな曲線を生成するために、ウエーブレット平滑化操作がすでに言及されたように実行された。これらの滑らかな曲線は、実線によって示されている。当該適用において、目盛較正サンプル(つまり標準)は、当業者には知られている従来の技術を使用して、0、0、40、400、4000、15,000、40,000個の核酸配列の標的複製を反応増幅器(reaction buffer )に加えることによって増幅の準備が行われた。これらの目盛較正サンプルは、図2において、CS1=0、CS2=0、CS3=40、CS4=400、CS5=4,000、CS6=15,000、CS7=40,000というような凡例で示されている。本発明の精度を明らかにするために、6つの「未知」の試験サンプルも準備された。試験サンプルの内の3つは1,144個の核酸配列の標的複製が加えられ、他の3つには10,560個の標的複製が加えられた。これらの試験サンプルは、T1=1,144、T2=1,144、T3=1,144、T4=10,560、T5=10,560、及びT6=10,560のような凡例によって示されている。これら6つの試験サンプルは、以下詳細に説明するように、平均予測誤差(APE)に基づく統計的基準を説明するための対照サンプルとしても取り扱われた。
【0031】
その後、図2の増幅曲線(CS1〜7およびT1〜6)に対して数値操作が実行され、「フィルタのかけられた」蛍光信号と増幅時間との関係を示すそれぞれの信頼下限曲線が生成される。特に、波収縮操作を実行して、滑らかにされた増幅曲線を生成して、各曲線についてそれぞれの標準偏差を決定することが可能である。その後、各測定時点において蛍光信号から「2σ」を差し引くことによって増幅曲線をフィルタにかけることによって、信頼下限曲線を決定することができる。この操作は、ノイズまたは局部的な不規則性に対する感度が減少した状態での、潜在的なカットオフに達するのに必要な増幅時間の評価を続いて決定することができるように好ましく実行される。その後、「滑らかにされた」信頼下限曲線(SLCL)は、すでに言及したソフトウエアパッケージを使用して、各信頼下限曲線に対して薄板スプライン(thin plate spline )によるフィットをさせることによって、決定することが可能である。他の平滑化技術も使用することができる。このような技術には、たとえば、カーネルスムーザ(kernal smoothers)、キュービックスプライン(cubic splines )、b−スプライン(b-splines )、および局所的に重み付けされた回帰(locally weighted regression )などを含み得る。その後で、潜在的な蛍光カットオフレベル(FCLL −FCLH )の十分に拡がりのある範囲を選択することができる。本発明者によって確認されたように、好ましいカットオフレベルを正確に選択することは、試験サンプル中の核酸配列の出発量の正確な決定にとって重大である。
【0032】
上記操作を実行して、第4の目盛較正サンプルCS4に対応する増幅データから、滑らかにされた信頼下限曲線(SLCLCS4 )を決定することが可能である。この信頼下限曲線は、図3に最もよく示されている。その後、同一の操作が実行され、他のサンプルに対応する他の増幅曲線の各々から、滑らかにされた信頼下限曲線が生成される。その後、滑らかにされた信頼下限曲線の各々と、範囲(FCLL −FCLH )内にある間隔を置いて離れた複数の潜在的な蛍光カットオフレベルの各々との交差が、当業者に知られている技術を使用して数値的に決定される。その後、範囲(TL −TH )内のx軸に沿った時点集合が、それぞれの可能な蛍光カットオフレベルと、それぞれのカットオフレベルを交差する滑らかにされた信頼下限曲線の各々との交差から決定される。
【0033】
図4を参照して説明する。一例として1.12の潜在的な蛍光カットオフレベルを使用して、目盛較正サンプルの既知の出発濃度の対数(x軸)に対する(SLCL曲線とy=1.12における水平線との間の交差から決定される)時点のグラフを決定することができる。その後、図示されているように、回帰直線(R1.12)を、既知の出発濃度の対数に対する時点を表すグラフにフィットさせることができる。当業者によく知られている従来の技術を使用して、グラフ中の回帰直線と点とのフィットについての標準偏差が0.428と決定することもできる。図5に示されているように、1.103の潜在的な蛍光カットオフレベルを使用して、目盛較正サンプルの既知の出発濃度の対数(x軸)に対する(SLCL曲線とy=1.103の水平線との間の交差から決定される)時点を表すグラフを決定することができる。回帰直線(R1.103 )を既知の出発濃度の対数に対する時点を表すグラフにフィットさせる。その後、グラフ中の回帰直線と点とのフィットについての標準偏差が0.180と決定される。最後に、図6に示されているように、1.094の潜在的な蛍光カットオフレベルを使用して、目盛較正サンプルの既知の出発濃度の対数(x軸)に対する(各SLCL曲線とy=1.094の水平線との間の交差から決定される)時点を表すグラフを決定することができる。回帰直線(R1.094 )を既知の出発濃度の対数に対する時点を表すグラフにフィットさせる。その後、グラフ中の回帰直線と点とのフィットについての標準偏差が0.226と決定される。
【0034】
すでに説明したように、その後、フィットの最小標準偏差を与えるカットオフレベルを使用して、選択されたカットオフレベルと、試験サンプルに対応する滑らかにされた信頼下限曲線との交差を、試験サンプルの出発濃度の対数に写像する。たとえば、(FCLL −FCLH )の範囲にあるちょうど3つの潜在的な蛍光カットオフレベルの分析に基づいて、1.103の正規化された蛍光カットオフレベルに対応する回帰直線R1.103 は、試験サンプルT1〜T6の出発濃度を決定するのに使用すべきである。
【0035】
本発明の他の実施態様によれば、既知の出発濃度の核酸配列を有する複数の「対照」サンプルを、目盛較正サンプルおよび試験サンプルと同時に増幅させることが、可能である。その際、潜在的な蛍光カットオフレベル(たとえば1.12、1.103、1.094)と、対照サンプルに対応する滑らかにされた信頼下限曲線との交差に対応する時間(つまり交差時間)を、それぞれの回帰直線と比較することができる。その際、平均予測誤差は、それぞれの交差時間と、対照サンプルの既知の出発濃度において回帰直線から予測される対応する「交差時間」との間の時間の誤差の数値平均として決定することができる。
【0036】
図4の回帰直線に基づいて、もし(既知の出発濃度を有する)「試験」サンプルT1〜T6が説明の目的だけのために「対照」サンプルC1〜C6として取り扱われるならば、平均予測誤差(APE)が26.8%と決定される。図4の凡例に示されているように、試験サンプル(つまり1,144と10,560個の標的複製)の既知の出発濃度は、制御サンプルC1〜C3に対して904〜2,406個の標的複製の間で予測され、制御サンプルC4〜C6に対しては10,323〜14,858個の標的複製の間で予測される。図5の回帰曲線に基づいて、「対照」サンプルC1〜C6に対して平均予測誤差(APE)が9%であることが見出される。最後に、図5の凡例に示されているように、試験サンプルの既知の出発濃度は、対照サンプルC1〜C3に対しては1,042〜1,875個の標的複製の間で予測され、対照サンプルC4〜C6に対しては8,865〜13,179個の標的複製の間で予測される。図6の回帰直線に基づいて、0.9%の平均予測誤差(APE)が、対照サンプルC1〜C6に対して見いだされる。図6の凡例に示されているように、試験サンプルの既知の出発濃度は、対照サンプルC1〜C3に対しては1,049〜1,675個の標的複製の間で予測され、対照サンプルC4〜C6に対しては8,236〜12,264個の標的複製の間で予測される。この実施態様によれば、その後、最小平均誤差を与えるカットオフレベルを好ましく使用して、選択されたカットオフレベルと試験サンプルに対応する滑らかにされた信頼下限曲線との交差を、試験サンプルの出発濃度の対数に写像する。たとえば、FCLL −FCLH の範囲にあるちょうど3つの潜在的な蛍光カットオフレベルのAPE分析に基づいて、1.094の正規化された蛍光カットオフレベルに対応する回帰直線RL1.094 は、試験サンプルT1〜T6の出発濃度を決定するのに使用すべきである。
【0037】
図7には、上記2つの統計的基準の比較について示されている。特に、潜在的なカットオフレベルに対応する回帰直線へのフィットについての標準偏差をプロットすることによって、1.103の好ましいカットオフレベルが与えられる。潜在的なカットオフレベルに対する平均予測誤差(APE)をプロットすることによって、1.103に比較的近い1.094の好ましいカットオフレベルが与えられる。当業者に理解できるように、図7には、目盛較正サンプルの「良さ(goodness)」について2つの測定値、つまり予測(回帰直線についての標準偏差)及び平均バイアス(平均予測誤差)のカットオフレベル選択に対する依存度が示されている。こうして、統計的基準における理に適った選択によって、近似的に等しいカットオフレベルを与えることができる。さらに、図7における多数のx−yデータポイントによって示されているように、非常に多数の密接に間隔を置いた潜在的カットオフレベルを使用することによって、試験サンプルにおける核酸配列の出発量をより正確に評価することができる。
【0038】
本発明による他の好ましい実施態様は、試験サンプル内の核酸配列量を決定するための装置30を含む。この好ましい装置は、時間間隔におけるそれぞれの測定時点において、(未知量の核酸配列を含む)すなくとも一つの試験サンプルおよび(既知量の核酸配列を含む)複数の目盛較正サンプル内の核酸配列量の指標を測定するための、すでに言及した蛍光測定ツールなどの手段32を備える。装置30はまた、コンピュータ制御のもとで動作する。特に、測定ツール32は、好ましくは、汎用または特定目的の制御装置34と作動的に結合する。制御装置34は、好ましくは、測定ツール32の動作を制御し、上記ステップに従って数値的操作を実行するためのコンピュータプログラム製造物を備える。制御装置34は、ファイル36、ディスク入力38、またはデータバス40を介して、設定および他の関連データを受け入れてもよい。表示装置42とプリンタ44も、制御装置34によって実行された操作を視覚的に表示することができるように備えられることが好ましい。制御装置34によって実行された機能が、汎用コンピュータシステム上で実行されるソフトウエアモジュールとして全体的または部分的に実行されることが、当業者にとって理解されるであろう。あるいはまた、上記機能及び作動を実行するための特定目的の集積回路を備えた図示された独立型システムも、提供され得る。
【0039】
特に、好ましいコンピュータプログラム製造物はコンピュータ読取可能プログラム符号化手段がその中に実体化されたコンピュータ読取可能記憶媒体を備える。好ましいコンピュータ読取可能プログラム符号化手段は、第1の潜在的カットオフレベルに対して、複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標がその第1のカットオフレベルに等しくなるところの時間間隔内における第1の時点集合を決定するためのコンピュータ読取可能プログラム符号化手段を備える。プログラム符号化手段はまた、好ましくは、第2の潜在的カットオフレベルに対して、目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標がその第2のカットオフレベルに等しくなるところの時間間隔内における第2の時点集合を決定するために提供される。加えて、プログラム符号化手段は、回帰直線へのフィットについての標準偏差、または回帰直線に関する最小平均予測誤差などの統計的基準に関して、その時間間隔内において、第1の点集合と第2の点集合のいずれが、複数の目盛較正サンプル中に存在する既知量の核酸配列に対してその統計的基準をより満足するかを決定する。その後、試験サンプル内の核酸配列の出発量が、その統計的基準をより満足するように決定された第1または第2のカットオフ点に基づいて決定される。好ましいプログラム符号化手段は、数値操作としてのより詳細な上述のステップ中のいくつかを実行するために提供される。以上の説明から、本発明は、目盛較正サンプル内の核酸配列量の指標の測定値が評価されるところにおいて、カットオフレベルをより正確に決定することによって、試験サンプル内の核酸配列量をより正確に決定することができるツールを提供する。
【0040】
本図面および本明細書において、本発明の典型的な好ましい実施態様についての開示がなされてきた。特定の用語が使用されてきたが、それらは一般的および説明的な意味のみにおいて使用されてきたものであって、限定を目的として使用されたものではない。さらに、請求項中に使用されたグラフや、グラフヘの直線および曲線のフィッティングや、曲線の決定に関する用語は、データ(つまりx−yデータ)およびメモリを備える処理装置(たとえばコンピュータ)の内部変数を処理することも含むように意図されたものであり、印刷や、直線、曲線、グラフのプロッティングなどの物理的作業に限定されるものではないことが、当業者によって理解されるであろう。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明におけるサンプル内の核酸配列量を決定するための方法を実行するための流れ図である。
【図2】それぞれの量の核酸配列を含む目盛較正および試験サンプルに対する増幅データを示す図である。
【図3】本発明における増幅データ及びそこから非パラメータ的平滑化操作を使って決定された滑らかな曲線を示す図である。
【図4】潜在的な蛍光カットオフレベルが1.12である場合において、核酸出発濃度に対する潜在的なカットオフレベルを越える時間を示す図である。
【図5】潜在的な蛍光カットオフレベルが1.103である場合において、核酸出発濃度に対する潜在的なカットオフレベルを越える時間を示す図である。
【図6】潜在的な蛍光カットオフレベルが1.094である場合において、核酸出発濃度に対する潜在的なカットオフレベルを越える時間を示す図である。
【図7】異った統計的基準を使用して決定された好ましい蛍光カットオフレベルの比較を示す図である。
【図8】本発明における試験サンプル内の核酸配列量を決定するための装置の一般的なハードウエア構成を示す図である。
【符号の説明】
30 核酸配列量決定装置
32 蛍光測定ツール
34 コンピュータ制御装置
36 ファイル
38 ディスク入力
40 データバス
42 表示装置
44 プリンタ

Claims (18)

  1. サンプル内の核酸配列量を決定するための方法であって、
    ある時間間隔の間に、複数の目盛較正サンプル中に存在するそれぞれの既知量の核酸配列と、試験サンプル中に存在する未知量の核酸配列を増幅するステップと、
    前記時間間隔内の複数の測定時点において、前記複数の目盛較正サンプルおよび前記試験サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標を測定するステップと、
    第1のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第1のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第1の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定された指標に基づいて決定するステップと、
    第2のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列量の前記指標が該第2のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第2の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定された指標に基づいて決定するステップと、
    ある統計的基準に関して、前記複数の目盛較正サンプル中に存在する既知量の核酸配列に対して該統計的基準を、前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより満足するかを決定するステップと、
    前記試験サンプル内の核酸配列量を、前記統計的基準をより満足するように決定された前記第1または前記第2の点集合に基づいて決定するステップとを有することを特徴とする核酸配列量の決定方法。
  2. 前記時間間隔内において前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれが前記統計的基準をより満足するかを決定するステップが、前記複数の目盛較正サンプル中に存在する核酸配列の既知量の対数に対して、前記時間間隔内の前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより良い線形フィットを与えるかを決定するステップを有することを特徴とする請求項1に記載の核酸配列量の決定方法。
  3. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定する前記ステップが、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに、第1の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するステップと、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに、第2の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するステップと、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸配列量の決定方法。
  4. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定する前記ステップが、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるステップと、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の曲線との第1の交差を決定するステップと、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸配列量の決定方法。
  5. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定する前記ステップが、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるステップと、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するステップと、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるステップと、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するステップと、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するステップとを含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸配列量の決定方法。
  6. 前記核酸配列を増幅するステップが、前記時間間隔の間に、複数の目盛較正サンプルおよび複数の対照サンプル内に存在するそれぞれの既知量の核酸配列と、試験サンプル内に存在する未知量の核酸配列を増幅することを含み、
    前記時間間隔内における第1の点集合を決定する前記ステップは、第1のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正および対照サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標が該第1のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第1の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定された指標に基づいて決定するステップを含み、
    前記時間間隔内における前記第1または前記第2の点集合のいずれが前記統計的基準を満足するかを決定する前記ステップが、前記複数の目盛較正サンプル内に存在する核酸配列の既知量の対数に対する前記第1の点集合を表すグラフに第1の直線をフィットさせ、その後に、前記対照サンプルと前記第1の直線に対応する前記第1の点集合の点の間の平均予測誤差を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸配列量の決定方法。
  7. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定する前記ステップが、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフから第1の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定指標を表すグラフから第2の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するステップと、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するステップを含むことを特徴とする請求項1に記載の核酸配列量の決定方法。
  8. 試験サンプル中に存在する核酸配列の量を決定するための装置であって、
    ある時間間隔内における複数の測定時点において、未知の出発量の核酸配列を含む試験サンプル内、およびそれぞれが既知量の核酸配列を含む複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標を測定する手段と、
    その記憶媒体中にコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段が実体化されたコンピュータ読取可能な記憶媒体を備えるコンピュータプログラム製造物とを備え、
    前記コンピュータ読取可能なプログラム符号化手段が、
    第1のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第1のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第1の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定された指標に基づいて決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    第2のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第2のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第2の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定指標に基づいて決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    ある統計的基準に関して、前記複数の目盛較正サンプル中に存在する既知量の核酸配列に対して該統計的基準を、前記時間間隔内における前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより満足するかを決定するコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記試験サンプル内の核酸配列量を、前記統計的基準をより満足するように決定された前記第1または前記第2の点集合に基づいて決定するコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段とを備えたことを特徴とする核酸配列量の決定装置。
  9. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するための前記コンピュータ読取可能なプログラム符号化手段が、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の核酸配列量の決定装置。
  10. 前記時間間隔内において前記第1の点集合を決定するための前記コンピュータ読取可能なプログラム符号化手段が、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の核酸配列量の決定装置。
  11. 前記時間間隔内において前記第1の点集合を決定するための前記コンピュータ読取可能なプログラム符号化手段が、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    非パラメータ的な平滑化操作を使用して、前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1のカットオフレベルと平滑化された前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段と、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するためのコンピュータ読取可能なプログラム符号化手段とを備えたことを特徴とする請求項8に記載の核酸配列量の決定装置。
  12. 試験サンプル中に存在する核酸配列の量を決定するための装置であって、
    ある時間間隔内における複数の測定時点において、未知の出発量の核酸配列を含む試験サンプル内、および、それぞれが既知量の核酸配列を含む複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標を測定する手段と、
    前記装置によって読取可能であり、かつ、方法ステップを実行するために該装置によって実行することができる命令プログラムを実体化したコンピュータプログラム製造物とを備え、
    前記方法ステップが、
    第1のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第1のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第1の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定された指標に基づいて決定するステップと、
    第2のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第2のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第2の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定指標に基づいて決定するステップと、
    ある統計的基準に関して、前記複数の目盛較正サンプル中に存在する既知量の核酸配列に対して該統計的基準を、前記時間間隔内において、前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより満足するかを決定するステップと、
    前記試験サンプル内の核酸配列量を、前記統計的基準をより満足するように決定された前記第1または前記第2の点集合に基づいて決定するステップとを有することを特徴とする核酸配列量の決定装置。
  13. 前記時間間隔内において、前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれが前記統計的基準をより満足するかを決定する前記ステップが、前記時間間隔内における前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれが前記複数の目盛較正サンプル内に存在する核酸配列のそれぞれの既知量の対数に対してより良い線形フィットを与えるかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項12に記載の核酸配列量決定装置。
  14. 前記時間間隔内における前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより良い線形フィットを与えるかを決定する前記ステップが、
    前記複数の目盛較正サンプル内に存在する核酸配列のそれぞれの既知量の対数に対する第1の点集合を表すグラフに第1の回帰直線をフィットさせるステップと、
    前記複数の目盛較正サンプル内に存在する核酸配列のそれぞれの既知量の対数に対する第2の点集合を表すグラフに第2の回帰直線をフィットさせるステップと、
    前記第1の点集合と前記第1の回帰直線との間のフィットについての標準偏差を決定するステップと、
    前記第2の点集合と前記第2の回帰直線との間のフィットについての標準偏差を決定するステップとを有することを特徴とする請求項13に記載の核酸配列量の決定装置。
  15. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定する前記ステップが、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するステップと、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するステップとを有することを特徴とする請求項12に記載の核酸配列量の決定装置。
  16. ある時間間隔内における複数の測定時点において、未知の出発量の核酸配列を含む試験サンプル内、およびそれぞれが既知量の核酸配列を含む複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の指標を測定するために実施に際して組み合わされる手段を備えた装置による読取が可能であり、かつ、方法ステップを実行するために該装置によって実行することができる命令プログラムを実体化するように構成された製造物であって、
    前記方法ステップが、
    第1のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第1のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第1の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定された指標に基づいて決定するステップと、
    第2のカットオフレベルに対して、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記指標が該第2のカットオフレベルに等しくなるところの前記時間間隔内における第2の点集合を、前記複数の目盛較正サンプル内で増幅中の核酸配列の量の前記測定指標に基づいて決定するステップと、
    ある統計的基準に関して、前記複数の目盛較正サンプル中に存在する既知量の核酸配列に対して該統計的基準を、前記時間間隔内における前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより満足するかを決定するステップと、
    前記試験サンプル内の核酸配列量を、前記統計的基準をより満足するように決定された前記第1または前記第2のカットオフ点集合に基づいて決定するステップと
    を有することを特徴とするコンピュータプログラム記録媒体
  17. 前記時間間隔内における前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれが前記統計的基準をより満足するかを決定する前記ステップが、前記複数の目盛較正サンプル中に存在する核酸配列のそれぞれの既知量の対数に対して、前記時間間隔内の前記第1の点集合または前記第2の点集合のいずれがより良い線形フィットを与えるかを決定するステップを含むことを特徴とする請求項16に記載のコンピュータプログラム記録媒体
  18. 前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定する前記ステップが、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第1の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第1のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第1の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第1の曲線から第1の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記時間間隔内における前記複数の測定時点の第2の測定時点集合に対する前記複数の目盛較正サンプルの第2のサンプル内で増幅中の核酸配列の量の測定された指標を表すグラフに第2の曲線をフィットさせるステップと、
    前記第2の曲線から第2の信頼下限曲線を決定するステップと、
    前記第1のカットオフレベルと前記第1および前記第2の信頼下限曲線との第1の交差を決定するステップと、
    前記第1の交差から前記時間間隔内における前記第1の点集合を決定するステップと
    を有することを特徴とする請求項16に記載のコンピュータプログラム記録媒体
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