JP3668038B2 - 多数チャンネルの多孔質セラミックファイバー - Google Patents

多数チャンネルの多孔質セラミックファイバー Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、流体の精密濾過や超精密濾過、及びガスの濾過や分離のための(ミクロ)ファイバーを含んでなる新規なセラミック膜、及びその膜の製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
(ミクロ)ファイバーの形態を有する膜、言い換えると3mm以下の外径と400〜2000μmの内径を有する膜は公知であり、市販されている。これらは有機材料からなり、このため、これらの材料に由来する周知の長所と短所を有する。即ち、これらの(ミクロ)ファイバーの機械的特性とりわけこれらの可撓性が、それを濾過モジュールに装着するのを可能にしても、低い耐薬品性や耐熱性が問題であり、70℃未満と4〜10のpHでの使用に制限する。
【0003】
一方、セラミックの(ミクロ)ファイバーは既に提案されているが、いずれの場合も、これらの無機(ミクロ)ファイバーは、有機ファイバーの通常の形態を取り入れている。
EP−A−0787524は、一部が主チャンネルで他の部分が出口導管である多数チャンネルを開示している。これらの出口導管は、背圧を下げるように、主チャンネルを浸透サイドに接続する。
【0004】
EP−A−0609275とUSP−5607586は特定の形態(特定の厚さと半径)を有する膜を開示しており、これらの膜はマクロ多孔質の支持と濾過層を備える。
WO−A−94/23829は、3mmに到る外径と30〜500μmの壁厚さを有するファイバーと、押出によるその製造方法を開示している。
【0005】
また、USP−4446024は、640〜3180μm(0.025〜0.125インチ)の外径を有するファイバーを開示している。これらのファイバーは、割合に薄い壁厚さを特徴とする。
また、セラミックファイバーが現状で濾過に有用な場合、これは、それらの均質性によるものである。即ち、これらのファイバーは、支持と濾過媒体の両方として作用する単一の多孔質媒体から構成され(ファイバーは自己支持性)、多孔質濾過層で被覆されたマクロ多孔質支持を含んでなる割合に大きいサイズの一般的システムとは異なる。
【0006】
しかしながら、現状のセラミックファイバーの形態は、低い機械的強度に帰着している。さらに、セラミックファイバーのモジュールの製造と使用は困難であり、衝撃やポンプ振動のようないろいろな理由によってファイバーが破損し易いためである。
このように、高強度でかつモジュールに容易に組み入れまことができる(ミクロ)ファイバーに対してニーズが存在している。
【0007】
【課題を解決するための手段及び発明の効果】
本発明の目的は、多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーを提供することである。
本ファイバーは、複数のチャンネルを開孔された多孔質セラミックのバー(bar) に相当し、この多孔質セラミック材料のバーは、多孔質構造(通常の意味において)と種々の多孔度を有し、チャンネルの軸はセラミックバーの軸に平行である。
【0008】
本ファイバーは、支持(ファイバーは自己支持性)と濾過媒体の双方の作用をする単一の多孔質媒体からなる。ファイバーの中を通るチャンネルは、ファイバーの各サイドを終端にし(exiting)、これらのチャンネルは、気孔の他は浸透サイドとは連通しない。これらのチャンネルはいずれも同じ役割を担い(分離、反応など)、いずれも浸透物(又は別なチャンネルの壁を横切った流体の残留物)の輸送のためには使用されない。
【0009】
1つの態様によると、チャンネルの種類は最大で2種であり、即ち、1つの中央チャンネルと、ほぼ円形に配置された複数のチャンネルである。また、その種類は1つだけでもよく、その場合、チャンネルはほぼ円形に配置される。
1つの態様によると、チャンネルは、辺の数が3〜6の正多角形(regular polygon) の頂点(vertice) に配置され、さらに、辺数(order) が3以上の場合にこの多角形の中央に追加チャンネルが形成されることができ、好ましくは、辺数は5又は6である。
【0010】
ファイバー及び/又はチャンネルは、例えば、円形横断面のような任意の適当な形状を有することができ、オレンジ断面形状のチャンネル横断面でもよく、これはファイバー横断面についてもあてはまり、また、円形を多数突起形状に置き換えてもよい。チャンネルがオレンジ断面形状の場合(又はチャンネルが円形ではない場合)、このようなチャンネルの直径は、同じ横断面を有する円形チャンネルの直径として規定することができる。同様に、ファイバーが円形横断面を有しない場合、このようなファイバーの直径は、同じ横断面を有する円形ファイバーの直径として規定することができる。
【0011】
ファイバー及び/又はチャンネルは、円形横断面を有することが好ましい。また、好ましくは、全てのチャンネルが実質的に同じであり、これは、ファイバーに沿ったチャンネル間の圧損と処理量の差異を抑える最も適切な仕方である。
1つの態様によると、本発明によるファイバーは次の特徴を有する。
(i) チャンネル直径は150〜2000μm、好ましくは300〜1000μm、及び/又は
(ii) 多孔質セラミックのファイバー直径とチャンネル直径の比としての囲い比Reは2.5〜15、好ましくは4〜10、及び/又は
(iii) チャンネル横断面合計と多孔質セラミックファイバー横断面の比としての占め比Roは0.03〜0.45、好ましくは0.04〜0.35、より好ましくは0.15〜0.35、及び/又は
(iv) ファイバーの径方向に測定した平均壁厚さと延在するチャンネル直径としての支持比(前記平均厚さは、最大数のチャンネルが通る前記ファイバー半径の位置にあるチャンネルの平均壁厚さである)は0.3〜2.5、好ましくは0.5〜1.5、及び/又は
(v) 最大数のチャンネルが通るファイバーの径方向のチャンネル壁厚さの間の比としての厚さ比Rpは1/3〜3、好ましくは1/2〜2であり、より好ましくは厚さ比Rpは約1である。別な態様によるとこの比は2〜3である。
【0012】
ファイバー直径は、例えば25mmにも及ぶことができ、好ましくは15mm以下であり、一般にはこの直径は2〜10mm、好ましくは3〜7mmである。
本発明によるファイバーは、通常の(ミクロ)ファイバー形態よりも高い圧潰抵抗を有する。即ち、同等の濾過面積及び/又は同等の濾過流量において、1つのチャンネルを有するファイバーでは0.1〜1N、4つのチャンネルを有するファイバーでは25〜35N、7つのチャンネルを有するファイバーでは60〜100Nの破壊強度を呈する。
【0013】
形態とパラメーターについては、図面を参照しながらより詳しく説明するが、図1〜9は特定の態様を示している。寸法間の比は実際に則しており、スケールは、図7のファイバー直径が4.5mmとして選んである。図6と図7に平均厚さの測定を示した。先ず、最大数のチャンネルが通るファイバーの半径を考え、次に、図示したように長さ「a」と「b」を求め、これらの長さは、前記ファイバー半径の箇所のチャンネル壁厚さに対応する。平均の(a+b)/2を求め、この値を、その半径が通るチャンネル直径で割り、支持比(sustain ratio) Rsを求める。厚さ比(thickness ratio) Rpはa/bであり、全図面においてこの比Rpは1の値を有する。この厚さ比は、チャンネルの径方向の位置を示す(ファイバー中心からの距離が遠いか近いか)。図に示した各々の態様において、一般的寸法値を次の表に示す(「チャンネル数」の欄において、n+mは、周りがnチャンネルで中央にmチャンネルを表し、チャンネル、ファイバー直径、及び平均厚さはmm単位で、チャンネルとファイバーの横断面積はmm2 単位で表してある)。
【0014】
【表1】
Figure 0003668038
【0015】
本発明によるファイバーの平均気孔直径は、一般に4μm未満であり、通常は50nm〜2μm、好ましくは0.2〜1.2μmである。
本発明によるファイバーは、10〜70%、好ましくは35〜60%の平均気孔率を有する。
本発明によるファイバーは、数メートルに達する長さを有することができるが、通常はファイバー長さは0.5〜2mである。
【0016】
本発明によるファイバーの反り又は変形の程度(焼結による変形)は一般に低く、例えば0.3%未満、好ましくは0.15%未満、より好ましくは0.15%未満である。この低い値は、ファイバーをモジュールに組み込むのに適する。好ましくはセラミックは金属酸化物である。
本発明によるファイバーは、そのままで(as is)又は調整を行った後、多くの用途に使用可能である。
【0017】
1つの態様によると、本ファイバーは、好ましくはシリカライト系ゼオライトによって少なくとも部分的にその気孔が占められる。このようなゼオライトを含むファイバーは、特にガス分離の用途に適する。ゼオライトは、前駆体溶液を含浸させて次いで焼成するといったような、任意の通常の仕方でその場所で形成される。
【0018】
もう1つの態様によると、本ファイバーは、触媒によって少なくとも部分的にその気孔が占められる。触媒は、通常の仕方でファイバーの気孔に固定される。
さらにもう1つの態様によると、好ましくは固定化されるバクテリアによって少なくとも部分的にその気孔が占められる。バクテリアは、通常の仕方でファイバーの気孔に固定化される。
【0019】
こうした触媒やバクテリアを備えたファイバーは、化学的又は生物的反応に使用するのに特に適する。例えば、バクテリアの場合、処理すべき溶液は、栄養物を含み、この溶液はファイバーを通り抜け、反応生成物が透過物の中に回収される。この態様は、バクテリア固定、生物的反応、及び生成物浄化を組み合わせることを可能にする。
【0020】
また、本発明は、本発明によるファイバーを含んでなる濾過及び/又は反応のモジュールを提供する。1つの態様において、このモジュールは、反応ガスの注入のために使用されるファイバー部分を含んでなる。
この後者の態様によるファイバーのアセンブリー(固定化されたバクテリアを含んでも含まなくてもよい)は、好気性反応の場合に特に有益である。実際に、例えば水処理のような特定の場合には、反応は好気性であり、液体媒体の定常的通気を必要とする。本発明によるファイバーは、場合により選択された分布で配置されて、空気又は酸素を注入するために使用される仕方でモジュールに装着されることができ、この仕方によって、実質的に均一で特に好気性の生物的反応に極めて適する通気された媒体が得られる。これにより、スラリーを作成する工程を省くことができ、さらに、本発明による反応を終えて得られた生成物は、例えば農業にそのまま使用可能である。
【0021】
本発明によるモジュールは、場合により膜バイオリアクター(MBR)と称される。このモジュールは、いくつかの仕方で機能することができる。例えば、反応モジュールはバクテリア触媒を含み、ここで、ファイバーは抽出の機能をする(ファイバー内壁を通って浄化された触媒が抽出される)。また、このモジュールは固定バクテリアと共に機能することができ、媒体は通り抜け、透過物の中に通常得られる。
【0022】
また、本発明のファイバーは、気体/液体、液体/液体(エマルジョン)などのディスパージョンを作成するために使用可能である。
また、本発明は、本ファイバーの製造方法に関する。この方法は、次の3つの順次の主要工程によって特徴づけられる。
(i) 無機成分又はフィラー、バインダー、及び溶媒、さらに、随意の解膠剤及び/又は押出助剤を含む無機ペーストを調製し、
(ii) 前記ペーストを押出によって成形し、
(iii) この成形体を焼結によって強固にする。
【0023】
前記ペーストの無機成分は、焼成すると多孔質マトリックス(その容積全体で均一)を形成する無機化合物の粒子を含んでなる。この無機化合物、好ましくは金属化合物は、非酸化物又は金属酸化物のいずれでもよい。非酸化物系の場合、ケイ素又はアルミニウム化合物が選択されることができ、好ましくは、炭化ケイ素、窒化ケイ素、又は窒化アルミニウムである。金属化合物が酸化物の場合、アルミニウム、ケイ素又はIVA族(チタン族)若しくはVA族(バナジウム族)の金属の酸化物が選択されることができ、好ましくはアルミナ、酸化ジルコニウム、又は酸化チタンである。これらの酸化物は、単一物でも混合物でもよい。金属化合物は、例えば、0.15〜2μm、好ましくは0.15〜0.6μmの平均粒子径(沈降によって測定)を有する。ペーストは、この金属酸化物を50〜90重量%、好ましくは65〜85重量%で含むことができる。
【0024】
有機物バインダーは、押出に必要なレオロジー特性、及び押出後の生成物の良好な凝集性を得るのに必要な機械的特性をペーストに与える。この有機物バインダーは、限定されるものではないが、水溶性ポリマーであることが好ましい。ポリマーは、例えば2重量%の溶液で、20℃での測定で4〜10Pa/sの粘度を有する。このポリマーは、セルロースとその誘導体から選択することができ(HEC,CMC,HPC,HPMCなど)、また、ポリアクリル酸、ポリエチレングリコール、ポリビニルアルコールなどを使用することもできる。また、バインダーとしては、押出適性バインダーよりは圧縮適性(又はプレス適性)バインダーを使用するのが一般的であり、ここで、用語「圧縮適性(プレス適性)バインダー」と「押出適性バインダー」は、当業者が一般に使う意味である。好ましいバインダーは結晶質の特に微細結晶質のセルロースであり、これはバインダーの全部又は一部でよい。ペーストは、例えば2〜10重量%、好ましくは3〜8重量%のバインダーを含むことができる。
【0025】
溶媒の役割は無機成分とバインダーを分散させることである。水溶性ポリマーが使用される場合は、水が溶媒として選択されることができ、ポリマーが水溶性でない場合、例えばアルコールのエタノールが溶媒として選択されることができる。溶媒の濃度は、例えば8〜40重量%、好ましくは10〜27重量%であることができる。
【0026】
溶媒に可溶な解膠剤は、金属化合物の粒子の分散を改良することができる。一般に、ポリアクリル酸、含燐有機酸、又はアルキルスルホン酸が選択される。解膠剤の濃度は0.5〜1重量%のレベルである。
場合により、ポリエチレングリコールのような押出助剤が添加される。押出助剤の含有量は0.5〜1重量%のレベルである。
【0027】
また、本発明は、ファイバーの前駆体ペーストに関するものであり、このペーストは、溶媒に分散された無機系フィラーとバインダーを含み、このバインダーは圧縮適性バインダーを含む。このペーストは上記に示したものである。
成形は、一般に押出によって行う。スクリュー又はピストンを用い、ペーストが複雑なダイを強制的に通され、そのダイの形状を帯びる。この膜のプレフォームがダイの出口で収集され、水又は溶媒を除去するために自然通風の中で乾燥され、次いで、例えば、1300〜1700℃の温度で2時間にわたって焼結される。焼結は、ペーストが金属酸化物を主成分とする場合は、大気雰囲気又は不活性雰囲気(例えばアルゴン)の下で、金属化合物が非酸化物の場合は不活性雰囲気(例えばアルゴン又はヘリウム)の下で行われる。
【0028】
押出装置は、通常の装置でよく、具体的には、中央に配置されたダイ、チャンネルを形成するスラグを支持するクラウンを備えたものである。押出装置の出口で得られたファイバーのプレフォームは、例えば、Ceraverのフランス特許第2229313号に記載の技術を用い、回転するバレルの中で乾燥及び/又は焼成することができる。
【0029】
次に、本発明を限定されない例によって説明する(厚さ比Rpはこれらの例で1に等しい)。
【0030】
【実施例】
例1
平均サイズ0.6μmのアルミナ、有機バインダーとしての微細結晶質セルロース、及び溶媒相としての水を混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
【0031】
アルミナ 77
微細結晶質セルロース 5
水 18
ピストンプレスを用いてこのペーストを押出した。回転下の50℃で乾燥させた後、大気雰囲気(normal atmosphere) 中の1450℃で2時間加熱し、その容積全体で均一を構造を有し、0.3μmの気孔直径と23%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを正六角形の頂点に配置し、ファイバー中央に1つのチャンネルを配置した。チャンネル直径は500μmで、ファイバー直径は4.5mmであった。従って、囲み比は9であった。2つのチャンネルの中心を通って径方向に、チャンネル間の平均壁厚さを測定した。この平均厚さは0.75mmであった。従って支持比は1.5であった。ファイバーの横断面積は15.90mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は1.37mm2 であった。従って占め比は0.086である。
【0032】
このファイバーの反り(camber)を1メートルの長さについて測定した。この値は0.5mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は100Nであった。
シリカとテトラプロピル水酸化アンモニウムのpH12の水溶液を用い、このファイバーの気孔を含浸した。含浸後のファイバーをオートクレーブの中に入れ、その温度を72時間にわたって200℃まで昇温した。この合成の後、シリカ系ゼオライトが得られ、これは多孔質ファイバーの気孔の内側に結晶となった。この構造はガス分離特性を有した。即ち、ファイバーに、モル組成比1:1の水素とメタンの混合物を外界温度で供給すると、メタンに富む透過物が得られ、そのモル組成は水素7モルにメタン93モルであり、13の選択率に相当した。
【0033】
例2
平均サイズ0.15μmのジルコニア、有機バインダーとしてのヒドロキシプロピルセルロース、及び溶媒相としての水を混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
ジルコニア 50
ヒドロキシプロピルセルロース 10
水 40
ピストンプレスを用いてこのペーストを押出した。30℃での乾燥と大気雰囲気中の1500℃で2時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、0.1μmの気孔直径と18%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを四角形の頂点に配置し、ファイバー中央に1つのチャンネルを配置した。チャンネル直径は400μmで、ファイバー直径は2.16mmであった。従って、囲み比は5.4であった。2つのチャンネルの中心を通って径方向に、チャンネル間の平均壁厚さを測定した。この平均厚さは0.24mmであった。従って支持比は0.6であった。ファイバーの横断面積は3.66mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は0.67mm2 であった。従って占め比は0.171である。
【0034】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.8mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は60Nであった。
例3
平均サイズ2μmの酸化チタン、有機バインダーとしての微細結晶質セルロース、及び溶媒相としての水を混合することにより、セラミックペーストを調製した。含燐有機酸のWITCO PS65を、解膠剤としてこの混合物に添加した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
【0035】
酸化チタン 70
微細結晶質セルロース 3
水 26.5
WITCO PS65 0.5
スクリュー押出機を用いてこのペーストを成形した。外界温度での乾燥とアルゴン雰囲気中の1300℃で3時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、1.3μmの気孔直径と30%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを五角形の頂点に配置し、ファイバー中央に1つのチャンネルを配置した。チャンネル直径は300μmで、ファイバー直径は2.1mmであった。従って、囲み比は7であった。2つのチャンネルの中心を通って径方向に、チャンネル間の平均壁厚さを測定した。この平均厚さは0.3mmであった。従って支持比は1.0であった。ファイバーの横断面積は3.46mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は0.42mm2 であった。従って占め比は0.122である。
【0036】
このファイバーの反りを2メートルの長さについて測定した。この値は0.6mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は83Nであった。
バクテリアをファイバーの気孔の中に定着(immobilize)させた。このバクテリアの生育する栄養溶液を用い、バクテリアを内側チャンネルを通して供給した。この反応生成物を透過物(permeate)の中に回収した。
【0037】
例4
平均サイズ0.4μmのシリカ、有機バインダーとしてのポリビニルアルコール、及び溶媒相としての水を混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペーストはさらに可塑剤としてPEG4000を含んだ。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
【0038】
シリカ 65
ポリビニルアルコール 9
水 25
PEG4000 1
ピストンプレスを用いてこのペーストを押出した。常時回転するバレル中で30℃で乾燥させ、大気雰囲気中の1430℃で5時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、0.3μmの気孔直径と20%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを五角形の頂点に配置し、ファイバー中央にはチャンネルを設けなかった。チャンネル直径は700μmで、ファイバー直径は2.8mmであった。従って、囲み比は4であった。2つのチャンネルの中心を通って径方向に、チャンネル間の平均壁厚さを測定した。この平均厚さは0.35mmであった。従って支持比は0.5であった。ファイバーの横断面積は6.16mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は1.92mm2 であった。従って占め比は0.313である。
【0039】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.2mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は65Nであった。
例5
平均サイズ1.7μmの酸化バナジウム、有機バインダーとしてのポリアクリル酸、及び溶媒相としての水を混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
【0040】
酸化バナジウム 83
ポリアクリル酸 5
水 12
ピストンプレスを用いてこのペーストを成形した。50℃での乾燥と大気雰囲気中の1600℃で2時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、1.1μmの気孔直径と26%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを六角形の頂点に配置し、ファイバー中央にはチャンネルを設けなかった。チャンネル直径は300μmで、ファイバー直径は1.8mmであった。従って、囲み比は6であった。チャンネルの中心を通ってファイバーの径方向に、チャンネル間の平均壁厚さを測定した。この平均厚さは0.3mmであった。従って支持比は1であった。ファイバーの横断面積は2.54mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は0.42mm2 であった。従って占め比は0.167である。
【0041】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.9mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は72Nであった。
例6
平均サイズ1μmの炭化ケイ素粉末、有機バインダーとしてのエチルセルロース、及び溶媒相としてのエタノールを混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
【0042】
炭化ケイ素 90
エチルセルロース 2
エタノール 8
スクリュー押出機を用いてこのペーストを成形した。50℃での乾燥とアルゴン雰囲気中の1700℃で3時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、0.7μmの気孔直径と25%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを四角形の頂点に配置し、ファイバー中央にはチャンネルを設けなかった。チャンネル直径は800μmで、ファイバー直径は4.16mmであった。従って、囲み比は5.2であった。チャンネルの中心を通ってファイバーの径方向に、チャンネル間の平均壁厚さを測定した。この平均厚さは0.64mmであった。従って支持比は0.8であった。ファイバーの横断面積は13.59mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は2.01mm2 であった。従って占め比は0.148であった。
【0043】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.4mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は35Nであった。
これらのファイバーを用いて膜の生物的反応器を作成した。これは、ファイバーの端をエポキシ系樹脂で固定し、200本で5列のファイバーを形成し、四角形横断面のカートリッジを得ることにより作成した。カートリッジの2つの端の一方は完全に閉じた。他方の端は、第1にチャンネルから出てくる液体を回収して第2にチャンネル内に空気を注入する装置に装着した。液体回収ファイバーとガス注入ファイバーの比は20:1とした。このカートリッジを、浄化用液とバクテリアを含む溜の中に入れ、その溜を常時供給した。液体回収ファイバーは、タンクに供給するのと同じ液体抜き出しを可能にした。ガス注入ファイバーは、溜の中に気泡群を形成し、第1に液体回収ファイバーの洗浄と第2にバクテリアフロラ(flora) の最適条件を維持するのを可能にした。
【0044】
例7
平均サイズ0.6μmの窒化アルミニウム粉末、有機バインダーとしてのエチルセルロース、及び溶媒相としてのエタノールを混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
窒化アルミニウム 85
エチルセルロース 5
エタノール 10
ピストンプレスを用いてこのペーストを押出した。50℃での乾燥と大気雰囲気中の1300℃で2時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、0.5μmの気孔直径と22%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを四角形の頂点に配置し、ファイバー中央に1つのチャンネルを設けた。チャンネル直径は700μmで、ファイバー直径は3.5mmであった。従って、囲み比は5であった。チャンネルの中心を通ってファイバーの径方向に、チャンネル間の平均壁厚を測定した。この平均厚さは0.35mmであった。従って支持比は0.5であった。ファイバーの横断面積は9.62mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は1.92mm2 であった。従って占め比は0.2であった。
【0045】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.2mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は57.5Nであった。
例8
平均サイズ0.6μmの窒化ケイ素粉末、有機バインダーとしてのカルボキシメチルセルロース、及び溶媒相としての水を混合することにより、セラミックペーストを調製した。ペースト濃度(重量%)は下記の通りであった。
【0046】
窒化ケイ素 65
カルボキシメルセルロース 6
水 32
ピストンプレスを用いてこのペーストを押出した。30℃での乾燥と大気雰囲気中の1500℃で4時間の加熱の後、その容積全体で均一を構造を有し、0.4μmの気孔直径と20%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーとチャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを三角形の頂点に配置し、ファイバー中央にはチャンネルを設けなかった。チャンネル直径は1000μmで、ファイバー直径は8mmであった。従って、囲み比は8であった。チャンネルの中心を通ってファイバーの径方向に、チャンネル間の平均壁厚を測定した。この平均厚さは1.5mmであった。従って支持比は1.5であった。ファイバーの横断面積は50.27mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は2.36mm2 であった。従って占め比は0.047であった。
【0047】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は1mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は25Nであった。
例9
例1で記載したのと同じペーストを使用した。乾燥と加熱を同じ条件下で行った。その容積全体で均一を構造を有し、0.3μmの気孔直径と23%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーは多数の突起のある(multi-lobe)横断面を有し、チャンネルは円形の横断面を有した。チャンネルを五角形の頂点に配置し、ファイバー中央にチャンネルを設けた。チャンネル直径は700μmで、ファイバー直径は3.2mmであった。従って、囲み比は4.6であった。チャンネルの中心を通ってファイバーの径方向に、チャンネル間の平均壁厚を測定した。この平均厚さは0.35mmであった。従って支持比は0.5であった。ファイバーの横断面積は7.82mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は2.31mm2 であった。従って占め比は0.295であった。
【0048】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.3mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は95Nであった。
例10
例3で記載したのと同じペーストを使用した。乾燥と加熱を同じ条件下で行った。その容積全体で均一を構造を有し、1.3μmの気孔直径と30%の気孔率を有する多孔質ファイバーを得た。ファイバーは円形の横断面を有し、チャンネルはオレンジ断面形(orange quater) の横断面を有した。チャンネルを六角形の頂点に配置し、ファイバー中央にはチャンネルを設けなかった。チャンネル直径は800μmで、ファイバー直径は3.6mmであった。従って、囲み比は4.5であった。チャンネルの中心を通ってファイバーの径方向に、チャンネル間の平均壁厚を測定した。この平均厚さは0.4mmであった。従って支持比は0.5であった。ファイバーの横断面積は9.62mm2 であり、チャンネル横断面の合計面積は3.46mm2 であった。従って占め比は0.36であった。
【0049】
このファイバーの反りを1メートルの長さについて測定した。この値は0.3mmであった。2点支持間の距離を50mmにして、4点曲げによって機械的強度を測定した。このファイバーについて得られた値は73Nであった。
本発明は、本明細書で開示した態様に限定されるものではなく、当業者に容易に類推可能な多くの態様を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図2】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図3】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図4】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図5】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図6】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図7】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図8】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。
【図9】本発明の多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーの1つの態様を示す断面図である。

Claims (29)

  1. 支持体と濾過媒体の双方の作用をする単一の多孔質媒体からなる多数チャンネルの多孔質セラミックファイバーであって、
    2〜10mmの直径を有し、
    50nm〜2μmの平均気孔直径を有し、
    該チャンネルの種類は1又は2種であり、
    チャンネル直径が150〜2000μmであり、
    多孔質セラミックファイバーの直径とチャンネル直径の比としての囲み比Reが2.5〜15であり、
    ファイバーの径方向で測定した平均壁厚さとチャンネル直径の比としての支持比Rs(前記平均厚さとは、最も多い数のチャンネルを通るファイバー直径の上に位置するチャンネルの平均壁厚さ)が0.3〜2.5であり、そして
    最も多い数のチャンネルを通るファイバーの径方向に位置するチャンネルの壁厚さ間の比としての厚さ比Rpが1/2〜2であることを特徴とする多孔質セラミックファイバー。
  2. チャンネルが、辺数3〜6の正多角形の頂点に位置し、追加のチャンネルが3を上回る辺数の前記多角形の中央を占めることができることを特徴とする請求項1に記載のファイバー。
  3. 辺数が5又は6である請求項2に記載のファイバー。
  4. チャンネル直径が300〜1000μmである請求項1〜3のいずれか1項に記載のファイバー。
  5. 囲み比Reが4〜10である請求項1〜4のいずれか1項に記載のファイバー。
  6. チャンネル横断面積の合計と多孔質セラミックファイバーの横断面積の比としての占め比Roが0.03〜0.45である請求項1〜のいずれか1項に記載のファイバー。
  7. 占め比Roが0.04〜0.35である請求項に記載のファイバー。
  8. 占め比Roが0.15〜0.35である請求項又はに記載のファイバー。
  9. 支持比Rsが0.5〜1.5である請求項1〜8のいずれか1項に記載のファイバー。
  10. 厚さ比Rpが約1である請求項1〜9のいずれか1項に記載のファイバー。
  11. 3〜7mmの直径を有する請求項1〜10のいずれか1項に記載のファイバー。
  12. 0.2〜1.2μmの平均気孔直径を有する請求項1〜11のいずれか1項に記載のファイバー。
  13. 10〜70%の平均気孔率を有する請求項1〜12のいずれか1項に記載のファイバー。
  14. 35〜60%の平均気孔率を有する請求項13に記載のファイバー。
  15. 焼結による変形が0.3%未満である請求項1〜14のいずれか1項に記載のファイバー。
  16. 焼結による変形が0.15%未満である請求項15に記載のファイバー。
  17. 焼結による変形が0.05%未満である請求項15又は16に記載のファイバー。
  18. 前記ファイバー及び/又はチャンネルが円形横断面を有する請求項1〜17のいずれか1項に記載のファイバー。
  19. 前記チャンネルがいずれも実質的に同形である請求項1〜18のいずれか1項に記載のファイバー。
  20. 前記セラミックが金属酸化物である請求項1〜19のいずれか1項に記載のファイバー。
  21. 気孔が、少なくとも部分的にゼオライトによって占められた請求項1〜20のいずれか1項に記載のファイバー。
  22. 前記ゼオライトがシリカライト系である請求項21に記載のファイバー。
  23. 気孔が、少なくとも部分的に触媒によって占められた請求項1〜20のいずれか1項に記載のファイバー。
  24. 気孔が、少なくとも部分的にバクテリアによって占められた請求項1〜20のいずれか1項に記載のファイバー。
  25. 前記バクテリアが固定された請求項24に記載のファイバー。
  26. 請求項1〜25のいずれか1項に記載のファイバーを含んでなる濾過及び/又は反応モジュール。
  27. 前記ファイバーの一部が反応ガスの注入のために使用された請求項26に記載の濾過及び/又は反応モジュール。
  28. 以下の3つの主要工程:
    (i) 無機成分又はフィラー、バインダー、及び溶媒を含む無機系ペーストを調製し、
    (ii) 押出によって前記ペーストを成形し、
    (iii) 焼結によって前記成形体を強固にする、
    を含む、請求項1〜20のいずれか1項に記載のファイバーの製造方法。
  29. 前記溶媒が解膠剤及び/又は押出助剤を含む、請求項28に記載の方法。
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