JP3668346B2 - アンテナ支持角可変機構および車両用棒状アンテナ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車の屋根等に装着される車両用棒状アンテナの支持角を可変動作(起伏動作を含む)させる機構およびこの機構を用いた車両用棒状アンテナ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、自動車の屋根等に装着される車両用棒状アンテナ装置は、車体壁すなわち自動車の屋根等に対し、その内部にフィーダとの接続が図られる給電部を備えたアンテナ取付け基体を装着し、このアンテナ取付け基体に対し、棒状アンテナの基端部を螺合手段等を用いて着脱自在に取付ける構造となっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来の車両用棒状アンテナ装置においては、車体壁に対してアンテナ取付け基体が特定の角度で固定化され、このアンテナ取付け基体に対し、例えば素子長150mmないし400mm程度の棒状アンテナの基端部が、やはり特定の角度で固定化されたものとなっている。このため洗車時や車庫入れ時などにおいて、これらの棒状アンテナが周囲の障害物に接触し、当該棒状アンテナにその弾性限界を越えた大きな外力が加わると、棒状アンテナが曲がったり、折れたりするおそれがある。
【0004】
なお素子長が150mm程度の棒状アンテナにおいては、素子長が短いために障害物と接触する可能性が比較的低い。このため棒状アンテナを車体壁に取付けた状態のまま車庫入れ等を行なってもそれほど支障が生じないが、素子長が短いために受信特性が比較的悪いという欠点を有している。アンテナの受信特性を良好に保つべく素子長を400mm程度にした棒状アンテナにおいては、良好な受信特性を有するものの、素子長が長いために、その分だけ障害物と接触する可能性が高い。このため車庫入れ時などにおいては、当該棒状アンテナをその都度取り外すようにしているが、その操作が大変煩わしいという問題がある。
【0005】
なおこのような問題を解決するために、棒状アンテナの基端部に、予めアンテナ支持角可変部材を介在させ、必要に応じて当該アンテナを伏せた状態とすることにより、棒状アンテナに大きな外力が加わらないように工夫した車両用棒状アンテナ装置が従来から知られている。
【0006】
しかしながら、上記の如く構成された支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置は、支持角固定型のものに比べて一般に高価格なものとなる。従ってこのようなアンテナを、車両に対して新規に取付ける場合は勿論、現実に使用中の支持角固定型のアンテナ装置を上記支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置と取り替えることは経済的負担が大きい。
【0007】
本発明の目的は、既存の支持角固定型の車両用棒状アンテナ装置を、支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置に変身させることが可能なアンテナ支持角可変機構およびこの機構を備えた車両用棒状アンテナ装置を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決し目的を達成するために、本発明は以下に示す手段を用いている。
(1)本発明のアンテナ支持角可変機構は、車体壁に装着されるアンテナ取付け基体とこの基体に対して基端部が螺合固定される棒状アンテナとの間に、着脱自在に介挿可能な如く設けられたアンテナ支持角可変機構において、一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっているアンテナ支持角可変部材と、前記アンテナ取付け基体に対する前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ棒と前記棒状アンテナのねじ棒とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ孔と前記アンテナ取付け基体のねじ孔とが同型であるものとなっている。
(2)本発明のアンテナ支持角可変機構は、車体壁に装着されるアンテナ取付け基体とこの基体に対して基端部が螺合固定される棒状アンテナとの間に、着脱自在に介挿可能な如く設けられたアンテナ支持角可変機構において、一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっているアンテナ支持角可変部材と、前記アンテナ取付け基体の前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ孔と前記棒状アンテナのねじ孔とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ棒と前記アンテナ取付け基体のねじ棒とが同型であるものとなっている。
(3)本発明のアンテナ支持角可変機構は、前記(1)又は(2)に記載のアンテナ支持角可変機構であって、アンテナ支持角可変部材の支持角可変設定操作を許容するように、前記アンテナ支持角可変部材の外周に被せられた弾性部材からなる保護カバーを備えたことを特徴としている。
(4)本発明の車両用棒状アンテナ装置は、車体壁に装着されるアンテナ取付け基体と、このアンテナ取付け基体に対し、基端部が着脱自在に螺合固定される棒状アンテナと、この棒状アンテナと前記アンテナ取付け基体との間に、着脱自在に介挿されるアンテナ支持角可変機構とを備え、前記アンテナ支持角可変機構は、一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっているアンテナ支持角可変部材と、前記アンテナ取付け基体に対する前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ棒と前記棒状アンテナのねじ棒とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ孔と前記アンテナ取付け基体のねじ孔とが同型であることを特徴としている。
(5)本発明の車両用棒状アンテナ装置は、車体壁に装着されるアンテナ取付け基体と、このアンテナ取付け基体に対し、基端部が着脱自在に螺合固定される棒状アンテナと、この棒状アンテナと前記アンテナ取付け基体との間に、着脱自在に介挿されるアンテナ支持角可変機構とを備え、前記アンテナ支持角可変機構は、一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっているアンテナ支持角可変部材と、前記アンテナ取付け基体の前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ孔と前記棒状アンテナのねじ孔とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ棒と前記アンテナ取付け基体のねじ棒とが同型であることを特徴としている。
【0009】
【発明の実施の形態】
(第1実施形態)
図1は本発明の第1実施形態に係る車両用棒状アンテナ装置の構成を示す図である。図1において、1は車体壁(例えば自動車の屋根)であり、2は上記車体壁1に設けたアンテナ取付け孔である。また10はアンテナ本体を示しており、アンテナ取付け基体11と棒状アンテナ12とからなっている。上記アンテナ取付け基体11と棒状アンテナ12との間には、後述するアンテナ支持角可変機構20が介挿されている。
【0010】
アンテナ取付け基体11は、前記アンテナ取付け孔2に装着される。このアンテナ取付け基体11は、傾斜底面部を有する中空円錐体状をなす如く、例えば硬質合成樹脂にて一体成形されたケースを主体として構成されている。このケース内には給電部11aが内蔵されている。この給電部11aのアース側は、前記傾斜底面部から外部へ突出している導電性円筒部11d(図2参照)に接続されている。この導電性円筒部11dは、アンテナ取付け基体11を車体壁1へ組付けるに際し、アンテナ取付け孔2を絶縁貫通して車体内部に導入される。この車体内部に導入された導電性円筒部11dの外周にはねじ部が形成されており、これに固定ナット11bが螺合されるようになっている。この固定ナット11bの周辺には複数の突起が形成されており、これらの突起が固定ナット11bの締め付け時において車体壁1の裏面に食い込む形で圧接するものとなっている。かくして上記固定ナット11bの締め付けにより、アンテナ取付け基体11は車体壁1に対して固定化され、且つ給電部11aのアース側が接地される。
【0011】
給電部11aのホット側は、前記導電性円筒部11dの中空部内を絶縁貫通するフィーダ11cに接続されている。
棒状アンテナ12は、前記アンテナ取付け基体11の頂部に対して、後述するアンテナ支持角可変機構20を介して、或いは直接的に着脱可能に取付け得るものとなっている。この棒状アンテナ12の基端部位は、大径部12aとなっており、先端部位は小径部12bとなっている。上記大径部12aは、比較的柔軟性に富んだ合成樹脂等にて、アンテナ素子(不図示)の外周を覆ったものとなっている。したがって図中二点鎖線M,Nで示すように上記大径部12aを中心として大きく撓ませることができる。
【0012】
なお上記棒状アンテナ12は、本来は前記アンテナ支持角可変機構20を介さずに、アンテナ取付け基体11の頂部に対してその基端部を直結され、車体壁1にほぼ平行な平面Hに対し50°程度の傾き角θで支持されることにより、所要のアンテナ機能を発揮し得るように設計製作されている。
【0013】
アンテナ支持角可変機構20は、アンテナ取付け基体11の頂部と棒状アンテナ12の基端部との間に、必要に応じて介挿し得る如く設けられている。すなわちアンテナ支持角可変機構20をアンテナ取付け基体11と棒状アンテナ12との間に介挿するに際しては、アンテナ取付け基体11の頂部から棒状アンテナ12を取り外し、アンテナ取付け基体11の頂部にアンテナ支持角可変機構20の一端を螺合固定し、このアンテナ支持角可変機構20の他端に棒状アンテナ12の基端部を螺合固定する。こうすることにより、アンテナ支持角可変機構20が図示の如く介挿されるので、必要に応じて、手でアンテナ支持角可変機構20の部分を屈曲させることにより、図中二点鎖線で示す如く、棒状アンテナ12′は車体壁1にほぼ平行な平面Hの角度まで倒伏させることができる。
【0014】
図2はアンテナ支持角可変機構20の具体的構成を示す図である。図2に示すようにアンテナ支持角可変機構20は、第1,第2の結合素子21,22の各一端部どうしを軸支部23で軸支したアンテナ支持角可変部材24と、このアンテナ支持角可変部材24の外周を覆う弾性部材からなる保護カバー30とからなっている。
【0015】
図3はアンテナ支持角可変部材24の構造をより具体的に示す図である。図に示すように第1の結合素子21は、金属材料により略コの字状に折曲形成された対向壁X,Yと、これら対向壁X,Yの一端縁相互間を連結する連結壁Zとからなる結合部21aを備えている。この結合部21aの底面には、ねじ棒25が一体的に設けられている。
【0016】
また第2の結合素子22は、金属管材料の一端を若干偏平に圧潰して厚板状に形成された結合部22aを備えている。この結合部22aに連なっているパイプ部22bには、ねじ孔26が設けられている。上記結合部22aは、前記結合部21aの対向壁X,Yにより挟持され、且つシャフト用ねじ27aとナット27bとスプリングワッシャ27cとからなる軸支機構27により所定圧力で締め付けられた状態で軸支されている。
【0017】
従って第2の結合素子22は、外部から一定の回動力を加えられることにより回動可能であるが、その回動力を解くと、その角度位置を安定に保持するものとなっている。なお図3の(b)に示すように、第2の結合素子22は、連結壁Zにより回動範囲を制限されている。すなわち第2の結合素子22の回動範囲は、第1の結合素子21の軸心の延長線Oに略等しい角度位置から、二点鎖線で示すように第2の結合素子22′の一部が連結壁Zの上縁に当接する角度位置(車体壁1の取付け面に対してほぼ平行な平面Hがなす角度位置)までの範囲θに制限されている。
【0018】
図2に説明を戻す。前述したように一端部どうしが軸支部23で軸支された第1,第2の結合素子21,22のうち、第1の結合素子21の他端部に設けられたねじ棒25は、前記アンテナ取付け基体11の頂部に埋設され、前記給電部11aのホット側と接続されているねじ孔16に対して着脱自在に螺合し得るものとなっている。また第2の結合素子22の他端部に設けられたねじ孔26には、前記棒状アンテナ12の基端部に設けてあるねじ棒15が着脱自在に螺合し得るものとなっている。ねじ棒15とねじ棒25とは全く同一寸法を有している。したがってねじ棒15をねじ孔16と螺合させることも可能となっている。
【0019】
符号28は前記ねじ棒25のねじ孔16に対する螺合状態を固定化するための固定ナットである。この固定ナット28は、組付けに際しては前記ねじ棒25に予め螺合された状態とされる。この固定ナット28の一端面は、アンテナ取付け基体11の頂部表面の円錐面に密着適合する円錐面を有する凹部29となっている。
【0020】
上記固定ナット28を緩めた状態では、前記ねじ棒25はアンテナ取付け基体11のねじ孔16に対して螺合または離脱が自在な状態を呈する。従ってアンテナ取付け基体11に対するアンテナ支持角可変部材24の着脱操作を自由に行なえる。ねじ棒25が所定の螺合状態(螺合初期状態から螺合終了状態までのすべてを含む)となったところで、上記固定ナット28を締め付けた状態にすると、当該螺合状態がそのまま固定化される。
【0021】
従って第1の結合素子21が軸心を中心とした所定の回動角すなわちアンテナ支持角可変部材24が、或る方位を向いた状態になったところで固定ナット28を締め付けると、前記アンテナ支持角可変部材24、つまり棒状アンテナ12が所定の方位角において支持角の可変設定が可能な状態となる。なお上記方位は、通常の場合は車両の前後方向に一致した向きに定められる。
【0022】
上記アンテナ支持角可変部材24の外周には、保護カバー30が被せられている。この保護カバー30は上記アンテナ支持角可変部材24の支持角可変設定操作を許容するように、例えばゴム質弾性部材を用いて略円筒状をなす如く一体成形されたものである。この保護カバー30の一端部には前記固定ナット28の外周に嵌合する嵌合部30aが形成されており、保護カバー30の他端部には前記棒状アンテナ12の基端部に形成されている円錐面状の凹部14に嵌合する嵌合部30bが形成されている。又保護カバー30の周壁には、屈曲操作に対して変形が容易に行なわれるように、複数のリング状ひだ30cが形成されている。
【0023】
なお保護カバー30の外面には、アンテナ支持角可変部材24の支持角可変方向、すなわち軸支部23を中心とした棒状アンテナ12の回動方向を示す指標を設けることが好ましい。この指標としては、例えば保護カバー30における軸支部23を覆っている両側部位を耳状に膨出させ、且つ必要ならば所定の着色を施すことにより、この部分を中心に棒状アンテナ12が起伏可能であることを示す等の例が考えられる。
【0024】
(実験例)
本実験例は、図1〜図3に示したものと同様に製作されたアンテナ支持角可変機構20を備えた実験品Vと、アンテナ支持角可変機構20を備えていない標準品Wとを対比用試料として用い、AM波についてのS/N感度と、FM波についてのS/N感度とを実測し、その差異につき評価を行なったものである。
【0025】
図4は、「AM10%歪率での感度測定結果」、すなわち上記実験品V(3態様:V1 〜V3 )と標準品Wとを対比用試料として用い、AM波受信時のS/N比が約20dBになるS.G出力(感度)の周波数特性について実測した結果を示す図である。
【0026】
図5は、「FM3%歪率での感度測定結果」、すなわち、上記実験品V(3態様:V1 〜V3 )と標準品Wとを対比用試料として用い、FM波受信時のS/N比が約30dBになるS.G出力(感度)の周波数特性について実測した結果を示す図である。
【0027】
図4〜図5において、「標準400mm(W)」とは、ロッド長が400mmの純正装着棒状アンテナ12がアンテナ取付け基体11に直結されている場合を示している。また「ジョイント伸長(V1)」とは、アンテナ取付け基体11と棒状アンテナ12との間に伸長状態のアンテナ支持角可変機構20を介在させ、棒状アンテナ12を車体壁1に対して約50°の角度に支持した場合を示している。また「ジョイント屈曲(V2)」とは、アンテナ取付け基体11と棒状アンテナ12との間に介在させたアンテナ支持角可変機構20を屈曲させ、棒状アンテナ12を車体壁1と略平行な角度に倒伏させた場合を示している。さらに「ジョイント水入り(V3)」とは、「ジョイント伸長(V1)」と同じ条件を有し、且つアンテナ支持角可変機構20を水で濡らして雨に濡れた状態をつくり出した場合を示している。
【0028】
図4の実測結果から分かるように、実験品Vの感度は使用の態様V1 〜V3 の如何に拘らず標準品Wに対して何ら遜色がなく、特に「ジョイント伸長(V1)」の場合、すなわち伸長状態のアンテナ支持角可変機構20を介在させた場合にはむしろ標準品Wを凌駕する程度の高感度が得られることが分かった。
【0029】
図5の実測結果から分かるように、比較的高い周波数帯域84〜90MHz においては、実験品Vは標準品Wに対して、「ジョイント屈曲(V2)」の場合すなわち介在させたアンテナ支持角可変機構20を屈曲させた場合には感度が向上するが、「ジョイント伸長(V1)」,「ジョイント水入り(V3)」の場合すなわち介在させたアンテナ支持角可変機構20を伸長させた場合には、標準品Wに比べて感度低下が生じることが分かった。
【0030】
上記現象は、AM波に関しては、アンテナ支持角可変機構20を介在させることで棒状アンテナ12の電気長が増大し、受信波長に適合する方向へ移行するため感度向上となり、FM波に関しては、アンテナ支持角可変機構20を介在させることで棒状アンテナ12の電気長が増大し、逆に受信波長に適合しない方向へ移行するため、特に高周波数帯域で感度低下をきたす傾向をもつものと考えられる。なおこれらの点を考慮に入れ適切な対応処置(アンテナ実効長の調整など)を講じれば、実用上は支障なく使用可能であることが実験的に確認された。
【0031】
(変形例)
実施形態に示された車両用棒状アンテナは、下記の変形例を含んでいる。
・アンテナ支持角可変機構20を複数個(例えば2個)連結して用いることにより、棒状アンテナ21を垂直方向のみならず水平方向等へも屈曲させ得るようにしたもの。
・アンテナ支持角可変部材24における第1の結合素子21のねじ棒25が棒状アンテナ12の基端部に設けたねじ孔(不図示)と螺合し、アンテナ支持角可変部材24における第2の結合素子22のねじ孔26がアンテナ取付け基体11の頂部に設けたねじ棒(不図示)と螺合するようにしたもの。
【0032】
(実施形態における特徴点のまとめ)
実施形態(変形例を含む)に示されたアンテナ支持角可変機構およびこの機構を用いた車両用棒状アンテナ装置の特徴点をまとめると次の通りである。
[1]実施形態に示されたアンテナ支持角可変機構は、
車体壁(1) に装着されるアンテナ取付け基体(11)とこの基体(11)に対して基端部が螺合固定される棒状アンテナ(12)との間に、着脱自在に介挿可能な如く設けられた機構であって、
一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子(21)(22)からなり、第1の結合素子(21)の他端部が、前記アンテナ取付け基体(11)または前記棒状アンテナ(12)のいずれか一方に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒(25)となっており、第2の結合素子(22)の他端部が、前記アンテナ取付け基体(11)または前記棒状アンテナ(12)のいずれか他方に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔(26)となっているアンテナ支持角可変部材(24)と、
前記アンテナ取付け基体(11)または棒状アンテナ(12)のいずれか一方に対する前記ねじ棒(25)の螺合状態を固定化する固定ナット(28)と、
を具備し、前記棒状アンテナ(12)の支持角を、所定方位において可変設定可能となすものとなっている。
【0033】
上記のアンテナ支持角可変機構においては、既存の支持角固定型の車両用棒状アンテ装置を、例えば起伏自在な支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置に代えたいとの要求が生じた場合、アンテナ取付け基体(11)から棒状アンテナ(12)を取外し、両者の間にアンテナ支持角可変機構(20)を単に介在させるだけでよい。即ち、こうすることにより、この車両用棒状アンテナ装置は、棒状アンテナ(12)の支持角をアンテナ取付け基体(11)に対して自在に変更することの可能な支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置に変身する。このため洗車時や車庫入れ時等において、棒状アンテナ(12)が周囲の障害物に接触するおそれがある場合には、アンテナ支持角可変機構(20)を屈曲させて棒状アンテナ(12)を伏せた状態にすれば、棒状アンテナ(12)が折れ曲がったり損傷したりするのを防止することが可能となる。かくして既存の支持角固定型の車両用棒状アンテナ装置に、安価なアンテナ支持角可変機構(20)を介在させるだけで、上記支持角固定型の車両用棒状アンテナ装置を支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置に簡単に変身させることが可能となる。
【0034】
なお、アンテナ支持角可変機構(20)をアンテナ取付け基体(11)と棒状アンテナ(12)との間に介在させても、アンテナの性能はそれほど変動せず、殆ど支障なく使用可能であることが実験的に確認された。
[2]実施形態に示されたアンテナ支持角可変機構は、上記[1]に記載のアンテナ支持角可変機構(20)であって、
アンテナ支持角可変部材(24)の支持角可変設定操作を許容するように、上記アンテナ支持角可変部材(24)の外周に被せられた弾性部材からなる保護カバー(30)を備えたものとなっている。
【0035】
上記のアンテナ支持角可変機構においては、保護カバー30によってアンテナ支持角可変部材(24)が外部から覆われるので、アンテナ支持角可変部材(24)が風雨等に直接曝されるのを防止でき保護が図れる。また外観上も好ましいものとなる。さらに内部が外からは見えないので、アンテナ支持角可変部材(24)の盗難防止ともなる。
[3]実施形態に示されたアンテナ支持角可変機構は、上記[2]に記載のアンテナ支持角可変機構(20)であって、
保護カバー(30)は、アンテナ支持角可変部材(24)の支持角可変方向を示す指標を有することを特徴としている。
【0036】
上記のアンテナ支持角可変機構(20)においては、棒状アンテナ(12)を起伏させる方位が外部から明確に判断できるため、起伏方位を誤って操作するおそれがなく、棒状アンテナ(12)に無理な力を加えて折損させてしまうといった不具合を防止できる。
[4]実施形態に示された車両用棒状アンテナ装置は、
車体壁(1) に装着されるアンテナ取付け基体(11)と、このアンテナ取付け基体(11)に対し、基端部が着脱自在に螺合固定される棒状アンテナ(12)と、この棒状アンテナ(12)と前記アンテナ取付け基体(11)との間に、着脱自在に介挿されるアンテナ支持角可変機構(20)とを備え、前記アンテナ支持角可変機構(20)は、
一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子(21)(22)を有し、第1の結合素子(21)の他端部が、前記アンテナ取付け基体(11)または前記棒状アンテナ(12)のいずれか一方に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒(25)となっており、第2の結合素子(22)の他端部が、前記アンテナ取付け基体(11)または前記棒状アンテナ(12)のいずれか他方に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔(26)となっているアンテナ支持角可変部材(24)と、
前記アンテナ取付け基体(11)または棒状アンテナ(12)のいずれか一方に対する前記ねじ棒(25)の螺合状態を固定化する固定ナット(28)と、
からなることを特徴としている。
【0037】
上記の車両用棒状アンテナにおいては、最初から起伏自在な支持角可変型の車両用棒状アンテナとして設計製作されたものと全く同等の機能が発揮される。すなわち、洗車時や車庫入れ時などにおいて、棒状アンテナ(12)が周囲の障害物に接触するおそれがあるような場合には、アンテナ支持角可変機構(20)を屈曲させて棒状アンテナ(12)を伏せた状態にする事により、棒状アンテナ(12)が折れたり損傷したりするのを防止できる。しかもアンテナ支持角可変機構(20)は着脱自在であるから、アンテナ支持角可変機構(20)自体が損傷したような場合には容易に交換することができる上、アンテナのFM波受信感度等を重視する必要があるような状況の下では、アンテナ支持角可変機構(20)を取り外して使用することも容易である。
【0038】
【発明の効果】
本発明によれば、既存の支持角固定型の車両用棒状アンテナ装置を、支持角可変型の車両用棒状アンテナ装置に変身させることが可能なアンテナ支持角可変機構およびこの機構を備えた車両用棒状アンテナ装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態に係る車両用棒状アンテナ装置の構成を示す図。
【図2】本発明の第1実施形態に係るアンテナ支持角可変機構の具体的構成を示す図。
【図3】本発明の第1実施形態に係るアンテナ支持角可変部材の構造をより具体的に示す図。
【図4】本発明の第1実施形態に係る車両用棒状アンテナ装置の実験例(AM波についてのS/N感度測定)の実測結果を示す図。
【図5】本発明の第1実施形態に係る車両用棒状アンテナ装置の実験例(FM波についてのS/N感度測定)の実測結果を示す図。
【符号の説明】
1…車体壁
2…アンテナ取付け孔
10…アンテナ本体
11…アンテナ取付け基体
12…棒状アンテナ
15,25…ねじ棒
16,26…ねじ孔
20…アンテナ支持角可変機構
21,22…第1,第2の結合素子
23…軸支部
24…アンテナ支持角可変部材
27…軸支機構
28…固定ナット
30…保護カバー
Claims (5)
- 車体壁に装着されるアンテナ取付け基体とこの基体に対して基端部が螺合固定される棒状アンテナとの間に、着脱自在に介挿可能な如く設けられたアンテナ支持角可変機構において、
一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっているアンテナ支持角可変部材と、
前記アンテナ取付け基体に対する前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、
を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ棒と前記棒状アンテナのねじ棒とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ孔と前記アンテナ取付け基体のねじ孔とが同型であることを特徴とするアンテナ支持角可変機構。 - 車体壁に装着されるアンテナ取付け基体とこの基体に対して基端部が螺合固定される棒状アンテナとの間に、着脱自在に介挿可能な如く設けられたアンテナ支持角可変機構において、
一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっているアンテナ支持角可変部材と、
前記アンテナ取付け基体の前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、
を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ孔と前記棒状アンテナのねじ孔とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ棒と前記アンテナ取付け基体のねじ棒とが同型であることを特徴とするアンテナ支持角可変機構。 - アンテナ支持角可変部材の支持角可変設定操作を許容するように、前記アンテナ支持角可変部材の外周に被せられた弾性部材からなる保護カバーを備えたことを特徴とする請求項1又は2に記載のアンテナ支持角可変機構。
- 車体壁に装着されるアンテナ取付け基体と、
このアンテナ取付け基体に対し、基端部が着脱自在に螺合固定される棒状アンテナと、
この棒状アンテナと前記アンテナ取付け基体との間に、着脱自在に介挿されるアンテナ支持角可変機構とを備え、前記アンテナ支持角可変機構は、
一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ孔に対して着脱自在に螺合可能なねじ棒となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっているアンテナ支持角可変部材と、
前記アンテナ取付け基体に対する前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、
を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ棒と前記棒状アンテナのねじ棒とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ孔と前記アンテナ取付け基体のねじ孔とが同型であることを特徴とする車両用棒状アンテナ装置。 - 車体壁に装着されるアンテナ取付け基体と、
このアンテナ取付け基体に対し、基端部が着脱自在に螺合固定される棒状アンテナと、
この棒状アンテナと前記アンテナ取付け基体との間に、着脱自在に介挿されるアンテナ支持角可変機構とを備え、前記アンテナ支持角可変機構は、
一端部どうしが相対的に回動可能な如く軸支された一対の結合素子からなり、第1の結合素子の他端部が、前記アンテナ取付け基体のねじ棒に対して着脱自在に螺合可能なねじ孔となっており、第2の結合素子の他端部が、前記棒状アンテナのねじ孔に対して着脱自 在に螺合可能なねじ棒となっているアンテナ支持角可変部材と、
前記アンテナ取付け基体の前記ねじ棒の螺合状態を固定化する固定ナットと、
を具備し、前記第1の結合素子の他端部のねじ孔と前記棒状アンテナのねじ孔とが同型で、かつ、前記第2の結合素子の他端部のねじ棒と前記アンテナ取付け基体のねじ棒とが同型であることを特徴とする車両用棒状アンテナ装置。
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP33823796A JP3668346B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | アンテナ支持角可変機構および車両用棒状アンテナ装置 |
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| JPH10178310A JPH10178310A (ja) | 1998-06-30 |
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ID=18316223
Family Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP33823796A Expired - Lifetime JP3668346B2 (ja) | 1996-12-18 | 1996-12-18 | アンテナ支持角可変機構および車両用棒状アンテナ装置 |
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| EP (1) | EP0849822A3 (ja) |
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