JP3670070B2 - タレット型巻糸機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はタレット型巻糸機において、パッケージ表面に接触するローラベールの位置並びに該ローラベールの作用するばねの付勢力変動を防止し、ローラベールのパッケージへの接触圧を安定した状態に維持させるタレット型巻糸機に関する。
【0002】
【従来の技術】
パッケージ表面に接触可能に設けたローラベールを機枠に揺動自在に支持させたアームに取り付け、該アームの偏位を検知手段で検出し、その検出信号でローラベールの位置が実質的に変化しないように、該パッケージを支持するタレット盤を正回転方向に積極的に駆動させて、パッケージの巻径の増大に伴うパッケージへのローラベール押しつけ力を吸収し、またパッケージに対するローラベールの押しつけ力(面圧)を、該アームを付勢するスプリング力を調節することで設定可能にしたタレット型巻糸機は、特開平2−255468号に開示されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のタレット型巻糸機においては、ローラベールを支持するアームをストッパに当接させ、前記ローラベールの定位置から内方への偏位を制御すると共に、該パッケージの巻太りでローラベールが押されてアームが揺動するときの偏位を検知手段としての近接スイッチで検出しているが、該近接スイッチは、該アームの近傍の機枠に前記ストッパとは別個に支持させて取付けている。
【0004】
その取付けは、ストッパからアームが離れる瞬間のばね荷重をばね秤等の測定器具で計測しつつスプリングの引張力をネジで微調節した後、固定機枠に近接スイッチを取付け、アームがストッパから離反して僅かに揺動したときこれを該近接スイッチで検出し得るように該取付位置を修正しつつ行うが、ストッパによるローラベールの定位置と近接スイッチの作動位置が一義的に定まらないため、その修正はきわめて難しく、錘間でのバラツキを生じ易く、また近接スイッチは、それ自体応差の影響を受けてローラベールの定位置の設定や面圧が大きく変化し、又ローラベールの位置の変化が大であると、ヤーンガイドでの糸の屈折角および巻テンションが変化すると言う不具合も生じる。
【0005】
本願発明は、上記従来の障害を排除したローラベールの定位置及び面圧の設定が容易で、且つ誤差の小さいタレット型巻糸機を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
請求項1に記載の発明は、かかる目的を達成するため、
水平軸を中心に回転するタレット盤の同一円周上の対象位置に、一対のマンドレルをその軸線がタレット盤の回転軸と平行するように配設し、該マンドレルに支持させたボビンを、タレット盤の回転によって、該タレット盤の回転軸を含む略水平面上に設けた糸巻位置と待機位置とに転換させるようにし、
糸巻位置側の側方に設けた揺動部材の先端に回転自在に軸支して、前記糸巻位置側にあるボビンの糸巻込み側の側面に接触するローラベールを設け、
該揺動部材を、これに設けたローラベールが前記糸巻位置側にあるボビンの糸巻込み側の側面に接触する方向にばねで付勢させ、
ローラベールが前記マンドレルに装着した空ボビン外周の公転軌跡外に定置するごとく、揺動部材の揺動を規制するストッパを設け、
該ローラベールとボビンとの接触位置上方に、マンドレルの長さ方向に糸をトラバースさせる綾振ガイドを備えた綾振装置を定置し、
糸巻位置にあるボビンの巻太りで、ローラベールが前記ストッパで調節された定位置から外方に押し出されるとき、揺動部材とストッパとの離反状態を検知して信号を生じる検知手段を、該揺動部材又はストッパの接触位置のいずれか一方に設け、
上記検知手段に信号を生じたとき、前記糸巻位置にあるボビンをローラベールから離反する方向に、モータでタレット盤を歩進移動させるようにした、
の各構成から成り、かかる構成を備えることで、該検知手段を取付け誤差がないように簡単に据付けられる。
【0007】
請求項2の発明は、請求項1記載のタレット型巻糸機は、上記検知手段を、揺動部材とストッパとの当接面のいずれか一方に設けられ、揺動部材のストッパへの接触で閉じられるノズルと、該ノズルと該ノズルに定圧空気を供給する空気供給源との間の空気圧を検出する圧力センサとで構成し、前記ストッパから揺動部材が離反したとき該ノズルから空気が放出されることに伴う該空気圧の降下で前記信号を生じるようにしたことを特徴とし、かかる構成を備えることで、簡単にストッパで定められたローラベールの定位置からの偏位を取らえ得る。
【0008】
請求項3に記載の発明は、請求項2記載のタレット型巻糸機において、揺動部材のストッパへの当接部を揺動部材に対し首振自在に設けたことを特徴とし、かかる構成を備えることで、揺動部材の微小移動によるノズルの開閉動作を確実にすることができる。
【0009】
【発明の実施の形態】
本発明の実施の形態を図1並びに図2について説明する。
【0010】
水平軸を中心に回転する円板状のタレット盤2の同一円周上の対称位置に、一対のマンドレル1a,1bをその軸線をタレット盤2の回動軸2aと平行に配設し、該タレット盤2の回転によって該マンドレル1a,1bに支持されるボビンを、該タレット盤2の回転軸を含む略水平面上の糸巻位置Aと待機位置Bとに転換させるようにし、各マンドレル1a,1bは夫々駆動モータ3の出力軸に、ギヤ列およびクラッチ機構を介して連結して同方向に回転するようにした。
【0011】
該タレット盤2は、その周縁を固定機枠4に軸支した複数個の支持輪5で保持され、その回動軸2aは例えばステッピングモータ6によって駆動される歯車伝動機構7によって減速回動され、その回動方向は、タレット盤2に支持される糸巻位置Aにあるマンドレル1a上のボビンが漸次下方に移動する方向に歩進移動させる(第1図に矢示する方向)。これによって各マンドレル1a,1bは、駆動モータ3による自転と、タレット盤2の回転による公転とを行う。
【0012】
糸巻位置Aにおけるマンドレル1a側の固定機枠4に架枠8を設け、揺動部材としてのレバー9をその中間で該架枠8に軸支させ、該レバー9の先端に回転自在に取付けたローラベール10を該レバー9と螺子軸11aとの間に設けた接圧設定用の引張ばね11の附勢で第1図に示す矢印から明らかなように、マンドレル1aに支持されるボビンの糸の巻込み側の側面に圧接させ、更に該レバー9の後端部にストッパ12に当接させてローラベール10をボビン外周の公転軌跡外の定位置に保持させるようにした。
【0013】
18は糸巻位置にあるボビンの巻太りで、ローラベール10が定位置から外方に押され、レバー9がストッパ12から離反するときこれを検知して信号を生じる検知手段を示し、図示す実施の形態では、該検知手段18を、図4に示すごとく、ストッパ12のブロック13と当節する当接面12aに開口するノズル24と、該ノズル24に圧縮空気を供給する圧縮空気供給源25(コンプレッサ及びサージタンク)と、圧力調節弁等の圧力調節手段19と、オリフィス26と、ノズル24と圧縮空気供給源25とを接続するナイロンチューブ等の配管27と、更に該配管27から分岐させた配管28で該圧縮空気供給源25から圧力調節手段26で圧力を調整された空気を供給される圧力検出器29とで構成した。
【0014】
前記ブロック13は、レバー9の後端部に、図5に示すごとく球面座を介して首振り自在に設けた。かくすることで、レバー9がストッパ12に着座するとき、レバー9の傾動角度の如何にかかわらず、レバー9の当接面がストッパ12に正しく着座する。この結果、レバー9の移動によるノズル24の開閉動作を確実にすることができる。
【0015】
上記圧力検知器29は、図1に示すごとく配管28内の空気圧力の変化をダイヤフラムの動きによってとらえ、これを電気信号に変換するセンサ部30と、該センサ部30から発せられる信号を増幅する増幅器31と、該増幅器31で増幅された信号を圧力設定器32に人為的に設定される信号とを比較する比較器33とを含み、該センサ部30で検出され増幅器31で増幅された値が圧力設定器32に設定される値を下回るとき、該比較器33から信号を出すように構成した。
【0016】
即ち、圧力検知器29は、パッケージの巻太りによりローラベール10が定位置から外方に押し出され、引張ばね11の付勢力に抗してレバー9が傾動し、ブロック13とストッパ12の当接との間の微細な隙間を生じると、ノズル24から空気が漏出し、配管27、28内の空気圧が下がり、増幅器31で増幅された信号が圧力設定器32に設定される信号を下回るとき、該比較器33から信号が出るようにした。
【0017】
また、図1における糸巻位置A側には、機枠4に公知の綾振装置14を定置して設け、これに一対の円錐ローラからなる公知の綾振ガイド15をマンドレル1aの長さ方向に沿ってトラバースさせるようにした。
【0018】
糸Yは、図1に示すように、導糸通路に沿って略鉛直下方に給糸され、綾振ガイド15、ローラベール10を経てボビンに巻き取られる。
【0019】
タレット盤2の回動軌跡の外側に満巻ボビン検知用近接スイッチ16とマンドレル1aを変換位置Bに停止させるためのリミットスイッチ17を、機枠4の表裏に設けると共にタレット盤2の表面には該満巻検知用リミットスイッチ16に対する両マンドレル各別の作動突片16a,16bを設け、裏面には変換位置停止用リミットスイッチ17に対する各別の作動突片17a,17aを設けた。
【0020】
なお、上述のものはノズル24をストッパ12側に設けたが、これはブロック13側に設けても良いことは申すまでもない。
【0021】
次ぎに本タレット型巻糸機の動作を説明する。糸巻位置A側のマンドレル1aの巻糸作動において、該マンドレルが満巻となるまでは巻糸層の増大に伴なう接圧増加によって遂次ローラベール10を予めばね11により設定した押圧力に抗して定位置から外方に押圧することにより,面圧がばね11による付勢力を上回るとアーム9の後端部に取付けたブロック13がストッパ12から離反して、該ブロック13とストッパ12との間に僅かな隙間を生じ、これから空気が漏出るため、配管27、28の内圧が一時的に下がる。すると前述するごとく比較器33に信号を生じる。その信号を遅延回路34に送りこむ。すると該信号が所定の秒数(例えば0.5秒)連続したとき、切換手段35を介してモータ駆動回路36に信号が入力され、ステッピングモータ6はその信号ごとに1ステップづつ歩進し、これによってタレット盤2は図1に示すごとく減速ギヤ7を介して微小角度正回転する。
【0022】
これによって、マンドレル1aの外側に形成されるパッケージの糸層でローラベール10を押す力(押圧力)がばね11による付勢力と等しいか、又はこれ以下になると、ブロック13がストッパ12に着座して空気の漏れがなくなり、配管27、28の内圧が設定値に回復して該信号を失う。このためステッピングモータ6は歩進動作を止める。
【0023】
かくすることで、巻糸中は圧力検知器29が、ブロック13のストッパ12への密着と、ブロック13のストッパ12からの僅かな離反を検出を繰り返し、離反したとき比較器33に信号を得て、ステッピングモータ6が起動しタレット盤2を微小角度回転させて、マンドレル1aを巻取位置Aから漸次下方に歩進移動させつつ巻糸を行う。
【0024】
そして満巻となる角度位置で、作動突片16aによりリミットスイッチ16が作動し、図1に示す切換手段35によりステッピングモータ6を連続運転させて両マンドレル1a、1bを公転させ、満巻マンドレル1aが待機位置Bに、また他方にマンドレル1bが巻取位置Aに到着したとき作動突片17aがリミットスイッチ17に作用してステッピングモータ6を停止させ、その後糸巻位置Aにおけるマンドレル1bに糸Yを巻つけて巻糸作動させその後満管マンドレル1aの巻糸ボビンを交換し、マンドレル1bが前記と同様に満巻となったとき変換作業を繰返すようにした。
【0025】
なお、巻糸中はローラベール10がストッパ12に定められる定位置から殆ど位置を偏位することがなく、ばね11がほぼ初期設定荷重に維持されて、付勢力の変動が抑制される。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の発明によれば、糸巻位置にあるボビンの巻太りで、ローラベールが定位置から押し出され、揺動部材がストッパから離反するときこれを検知して信号を生じる検知手段を、該揺動部材とストッパとの接触位置のいずれか一方に設けたことで、ローラベールの定位置及びばねの付勢力が一義的に決定され、前記検知手段の取付け位置のバラツキに伴う錘間のバラツキがなくなり、揺動部材とストッパとが接触した状態でスプリングの力の調節が可能となって揺動部材を付勢するスプリングの力の調節作業が行い易くなり、しかも駆動部材がストッパに接触した状態を定位置と出来るため、巻糸中はローラベールの位置が変化することがなくなって、巻糸の開始から終了に至るまで、ばねの初期設定荷重をほぼ一定に維持させることができて、各単位巻層の硬さを平均化し得られる。
【0027】
請求項2の発明によれば、空気圧で簡単に揺動部材とストッパとの離反状態を取らえ得られるため、その構造簡単でしかも僅かな揺動部材の偏位をより確実に取らえ得る。
【0028】
請求項3に記載の発明は、揺動部材の移動によるノズルの開閉動作をより確実にすることができて、タレット盤の駆動するモータを確実に制御出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】 発明の実施の形態一例を示す正面図
【図2】 図1の平面図
【図3】 図1の斜視図
【図4】 図1の要部の正面図
【図5】 ブロックの取り付け状態の一例を示す断面図
【符号の説明】
1a,1b マンドレル
6 ステッピングモータ
9 揺動部材(レバー)
10 ローラベール
11 ばね
Y 糸
A 糸巻位置
B 待機位置
Claims (3)
- (イ) 水平軸を中心に回転するタレット盤の同一円周上の対象位置に、一対のマンドレルをその軸線がタレット盤の回転軸と平行するように配設し、該マンドレルに支持させたボビンを、タレット盤の回転によって、該タレット盤の回転軸を含む略水平面上に設けた糸巻位置と待機位置とに転換させるようにしたこと、
(ロ) 糸巻位置側の側方に設けた揺動部材の先端に回転自在に軸支して、前記糸巻位置側にあるボビンの糸巻込み側の側面に接触するローラベールを設けたこと、
(ハ)該揺動部材を、これに設けたローラベールが前記糸巻位置側にあるボビンの糸巻込み側の側面に接触する方向にばねで付勢させたこと、
(ニ) ローラベールが前記マンドレルに装着した空ボビン外周の公転軌跡外に定置するごとく、揺動部材の揺動を規制するストッパを設けたこと、
(へ) 該ローラベールとボビンとの接触位置上方に、マンドレルの長さ方向に糸をトラバースさせる綾振ガイドを備えた綾振装置を定置したこと、
(ト) 糸巻位置にあるボビンの巻太りで、ローラベールが前記ストッパで調節された定位置から外方に押し出されるとき、揺動部材とストッパとの離反状態を検知して信号を生じる検知手段を、該揺動部材又はストッパの接触位置のいずれか一方に設けたこと。
(チ) 上記検知手段に信号を生じたとき、前記糸巻位置にあるボビンをローラベールから離反する方向に、モータでタレット盤を歩進移動させるようにしたこと、
の各構成から成るタレット型巻糸機。 - 上記検知手段を、揺動部材とストッパとの当接面のいずれか一方に設けられ、揺動部材のストッパへの接触で閉じられるノズルと、該ノズルと該ノズルに定圧空気を供給する空気供給源との間の空気圧を検出する圧力センサとで構成し、前記ストッパから揺動部材が離反したとき該ノズルから空気が放出されることに伴う該空気圧の降下で前記信号を生じるようにしたことを特徴とする請求項1記載のタレット型巻糸機。
- 揺動部材のストッパへの当接部を揺動部材に対し首振自在に設けたことを特徴とする請求項2記載のタレット型巻糸機。
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