JP3670134B2 - 粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法 - Google Patents
粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法、並びに、画像形成装置及び画像形成方法 Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、トナー粒子間の付着力を測定する粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法、並びにそれらを利用してトナー粒子の飛び散り防止することが可能な画像形成装置及び画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
粉体を取り扱う分野では、粉体の様々な特性値を把握することが重要である。粉体の付着力を測定する方法は、粉体の付着している物体から粉体を分離するのに必要な力を見積もる方法が一般的である。粉体を物体から分離させる方法としては、遠心力、振動、衝撃、空気圧、電界及び磁界等を用いた方法が知られている。このうち、遠心力を利用した方法は定量測定が容易であり、感光体及びキャリアへのトナーの付着における静電引力及びファンデルワールス力の寄与を論じた「C.J.Mastrangelo,Photogr.Sci.Eng.,26:194-197(1982)」、感光体へのトナーの付着において重要であるトナー粒子中の電荷分布を論じた「M.H.Lee and J.Ayala,J.Image.Tech.,11:279-284(1985)」及び定量化が困難な非静電的なトナーの付着力を論じた「寺尾和男、重広清:電子写真学会誌、34(1995)83」等の様々な研究結果が発表されている。
【0003】
ここで、「M.Takeuchi,A.Onose,M.Anzai,R.Kojima and K.Kawai:"Proc.IS&T 7th Int.Congress Adv.Non-Impact Printing Technology,21991,vol.1,pp.200-208」において用いられている遠心力を用いた粉体の付着力の測定方法(以下、遠心分離式付着力測定方法と称す)を以下に示す。この遠心分離式付着力測定方法は、粉体を付着させた試料基板と、試料基板から分離した粉体を付着させる受け基板と、試料基板と受け基板との間に設けられたスペーサとから構成される測定セルを、遠心分離装置のロータ内に設置し、ロータの回転による遠心力を用いて粉体を試料基板から分離して受け基板に付着させ、受け基板上の粉体を光学顕微鏡などを用いて観察し、その画像をコンピュータに取り込み、画像処理を行って粉体の粒径を測定し、粉体の粒径及び比重から粉体の重量を求め、粉体の重量及びロータの回転数から分離に必要な遠心力を計算して、各粉体の付着力を求めるという方法である。このように、粉体と平面間の付着力測定に関しては、多くの報告があるが、粉体間の付着力測定に関する報告は少ない。
【0004】
一方、電子写真方式で用いるトナー画像の転写プロセスでは、感光体上で電場により拘束されているトナー粒子集団を拘束力のない均一面にクーロン力で引っ張って移動させるため、原理的にトナーが散り易いという問題がある。また、転写体あるいは中間転写体上に転写されたトナーには、トナー粒子間のクーロン反発力が働いており、転写後のトナーの飛び散りの原因の一つになっていると考えられる。従って、トナーの飛び散りにはトナー粒子間の付着力が重要な特性値となる。特にファンデルワールス力や液架橋力のような非静電的付着力をコントロールすることが重要であり、その非静電的付着力を定量的に測定する方法の確立が望まれる。
【0005】
なお、この種の方法として関連するものには、例えば、特開平2−282760号公報、特開平5−333757号公報、特開平6−167825公報、特開平6−167826号公報がある。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
前記従来技術では、電子写真方式で用いるトナー画像の転写プロセスにおいてトナー粒子間の非静電的付着力をコントロールすることが重要であるにも拘らず、トナーのような粉体間の非静電的付着力を定量的かつ効率的に測定する方法が確立されていないという問題があった。
【0007】
本発明の目的は、このような問題点を改善し、トナーのような粉体間の非静電的付着力を定量的に測定できる粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法を提供することにある。さらに、本発明の他の目的は、前記粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法を利用して、トナー画像形成後のトナーの飛び散りを低減できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するため、本発明の粉体間付着力測定装置は、粉体を複数層以上の厚さに重ねた粉体層を形成した試料面を有する試料基板、前記粉体層から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板、及び前記試料面と前記付着面との間に設けられたスペーサから構成される測定セルと、前記測定セルを回転させるロータと、を有する遠心分離装置と、前記付着面に付着した粉体の画像を取得する画像取得手段と、前記画像取得手段にて取得された粉体の画像を解析し、前記受け基板上に付着している粉体の数、及び粉体の受け基板上への投影面積を求めるための画像処理手段と、前記画像処理手段により求められた付着面に付着する粉体の数と投影面積の関係から、個々の粉体同士が付着せずに独立して前記受け基板上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定手段と、前記遠心分離装置のロータ回転数と前記受け基板上に付着した粉体の投影面積の関係から、個々の粉体が独立状態となるロータ回転数を決定するロータ回転数決定手段と、前記付着面に付着した粉体の平均粒径及び比重から計算した該粉体の平均重量と前記ロータの回転数とから、前記試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出手段と、前記試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量、粉体の平均帯電量、及び、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力の値を用いて、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出手段と、を有することを特徴とする。
【0009】
また、前記目的を達成するため、本発明の粉体間付着力測定方法は、粉体を複数層以上の厚さに重ねた粉体層を形成した試料面を有する試料基板を作成し、前記粉体層から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板を作成する基板作成工程と、前記試料基板と、前記受け基板と、前記試料面と前記付着面の間に設けられたスペーサと、から構成される測定セルを作成する測定セル作成工程と、前記測定セルを回転させるロータを有する遠心分離装置の該ロータ内に前記測定セルを設置する測定セル設置工程と、前記ロータの回転による遠心力により、前記試料面上に形成した粉体層の表面の粉体を分離して前記付着面に付着させる遠心分離工程と、前記測定セルを前記ロータから取り出して、前記受け基板を取得する受け基板取得工程と、前記付着面に付着する粉体の画像を取得し、取得された該粉体の画像を解析することにより、前記受け基板上に付着している粉体の数を求める粉体数導出工程と、前記粉体の画像を解析することにより、粉体の受け基板上への投影面積を求める投影面積導出工程と、前記付着面に付着する粉体の数と投影面積の関係から、個々の粉体同士が付着せずに独立して受け基板上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定工程と、前記ロータの回転数と前記受け基板上に付着した粉体の投影面積の関係から、個々の粉体が独立状態となるロータ回転数を決定するロータ回転数決定工程と、前記粉体の平均粒径及び比重から計算した該粉体の平均重量と前記ロータの回転数とから、前記試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出工程と、前記試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量、粉体の平均帯電量、及び、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力の値を用いて、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出工程と、を有することを特徴とする。
【0010】
また、前記目的を達成するため、本発明の画像形成装置は、少なくとも、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、画像情報に応じて前記静電潜像担持体に静電潜像を形成する形成手段と、前記静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー画像を担持するトナー画像担持体とを有し、前記トナー画像担持体のトナー画像を形成するトナー粒子間の非静電的付着力をFt(N)、前記トナー画像担持体のトナー帯電量の平均値をQ(μC/g)、前記トナー画像担持体の最大のトナー付着量をM(mg/cm2)としたとき、以下の関係式M4×Q2/(Ft×109)≦60を満たすように、前記Q(μC/g)、前記M(mg/cm 2 )及び請求項6記載の粉体間付着力測定方法によって測定したFt(N)の値を設定し、かつ前記トナー画像担持体の表面抵抗を所定の値に設定したことを特徴とする。
【0011】
また、前記目的を達成するため、本発明の画像形成方法は、少なくとも、均一に帯電された静電潜像担持体に画像情報に応じて光を照射し、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成して担持する静電潜像形成工程と、前記静電潜像にトナーを供給して顕像化し、顕像化されたトナー画像をトナー画像担持体に担持する現像工程とを有し、前記トナー画像担持体のトナー画像を形成するトナー粒子間の非静電的付着力をFt(N)、前記トナー画像担持体のトナー帯電量の平均値をQ(μC/g)、前記トナー画像担持体の最大のトナー付着量をM(mg/cm2)としたとき、以下の関係式M4×Q2/(Ft×109)≦60を満たすように、前記Q(μC/g)、前記M(mg/cm 2 )及び請求項6記載の粉体間付着力測定方法によって測定したFt(N)の値を設定し、かつ前記トナー画像担持体の表面抵抗を所定の値に設定して、前記現像工程を実行することを特徴とする。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、図面を用い、本発明の一実施例を示して詳細に説明する。
《前記粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法の実施例》 本実施例の粉体間付着力測定装置は、図1のように、装置全体を制御し、後述の粉体間付着力測定方法の工程を制御するCPU41、トナー等の粉体間付着力測定に用いる遠心分離装置5及びインタフェース43、CRT等から構成され、スキャナ49によって取り込まれた粉体の画像やその画像の解析結果等を表示する表示手段44、キーボードやマウス等の入力手段45、CPU41の制御プログラムや必要データを記憶したメモリ46、遠心力分離装置42による測定データやその解析結果等を蓄積するための外部記憶装置47、光学顕微鏡やCCDカメラ等により観察、撮影された粉体の画像を装置本体に取り込むためのスキャナ49及びインタフェース50、スキャナ49を介して取り込まれた粉体の画像を解析し、後述の受け基板3上に付着している粉体の数、及び粉体の受け基板3上への投影面積を求めるための画像処理手段48等を有する。また、図2のように、遠心分離装置5は、図3に示す測定セル1を回転させるロータ6と保持部材7とを備える。ロータ6は、自身の回転中心軸に対して垂直な断面で穴形状であり、保持部材7を嵌合可能に支持する試料設置部8を有する。保持部材7は棒状部7aと、棒状部7aに設けられた測定セル1を保持するセル保持部7bと、を備える。
【0013】
このような構成による、本実施例の粉体間付着力測定方法では、CPU41の制御によって、図4に示す手順でトナー等の粉体間の非静電的付着力を測定する。すなわち、粉体を複数層以上の厚さに重ねて形成した試料面2aを有する試料基板2を作成し、その試料基板2から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板3を作成する受け基板作成工程101と、試料基板2と、受け基板3と、試料基板2の試料面2aと受け基板3の付着面3aの間に設けられたスペーサ4と、から構成される測定セル1を作成する測定セル作成工程102と、測定セル1を回転させるロータ6を有する遠心分離装置5のロータ6内に測定セル1を設置する測定セル設置工程103と、遠心分離装置5のロータ6の回転による遠心力により、試料面2aに形成した粉体層の表面の粉体を分離して受け基板3の付着面3aに付着させる遠心分離工程104と、測定セル1を遠心分離装置5のロータ6から取り出して、受け基板3を取得する受け基板取得工程105と、受け基板3の付着面3aに付着する粉体の画像を、図示していない光学顕微鏡やCCDカメラにて観察、撮影し、その画像をスキャナ49を介して取得し、取得した画像を画像処理手段48を用いて解析することにより、受け基板3に付着している粉体の数を求める粉体数導出工程106と、粉体の受け基板3の付着面3aへの投影面積を求める投影面積導出工程107と、受け基板3の付着面3aに付着する粉体の数と投影面積の関係から、個々の粉体同士が付着せずに独立して受け基板3上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定工程108と、遠心分離装置5のロータ6の回転数と受け基板3上に付着した粉体の投影面積の関係から、独立状態となるロータ6の回転数を決定するロータ回転数決定工程109と、粉体の平均粒径及び比重から計算したその粉体の平均重量と前記ロータ6の回転数とから、試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出工程110と、試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量(あるいは、試料面上の粉体の厚さ)、粉体の平均帯電量、及び粉体層最表面から粉体を分離するのに必要な遠心力より、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出工程111と、から構成される。
【0014】
なお、前記測定セル設置工程103は、遠心分離装置5のロータ6を取り外し、取り外したロータ6内に測定セル1を設置することにより実行される。また、遠心分離工程104は、同一試料基板2に対して遠心分離装置5のロータ6の回転数を変化させ、試料基板2に付着した粉体を各回転数毎に交換される受け基板3の付着面3aに付着させることにより実行される。前述のような図1〜図3に示した構成の粉体間付着力測定装置により、測定セル設置工程103が、保持部材7のセル保持部7bにより測定セル1を保持する保持工程と、保持部材7を試料設置部8に嵌合させ、試料基板2の試料面2aの垂線と受け基板3の付着面3aの垂線が共に遠心分離装置5のロータ6の回転中心軸に対して垂直となり、試料基板2の試料面2aが受け基板3の付着面3aと遠心分離装置5のロータ6の回転中心軸との間に位置するように、保持部材7を遠心分離装置5のロータ6内に設置する設置工程と、から構成されるので、ロータ6を用いて測定セル1に大きな遠心力を加えることができる。
【0015】
本実施例においては、粉体の受ける遠心力Fは、粉体の重量m、ロータの回転数f(rpm)、ロータの中心軸から試料基板の粉体付着面までの距離rを用いて、次式(4)により求められる。
F=m×r×(2πf/60)2 (4)
また、粉体の重量mは、粉体の真比重ρ、円相当径dを用いて、次式(5)より求められる。
【0016】
m=(π/6)×ρ×d3 (5)
さらに、後述の式(1)及び(2)より、粉体の受ける遠心力Fは、次式(6)より求められる。
F=(π3/5400)×ρ×d3×r×f2 (6)
試料面上のトナー層を遠心分離法で分離しようとする場合、トナー層の最表面のトナーには、回転による遠心力、他のトナーとの非静電的付着力、他のトナーとのクーロン反発力、試料面との鏡像力が働いている。ここで、トナー間の非静電的付着力を測定したい場合、クーロン反発力や鏡像力などの静電的な力の影響を取り除く必要がある。本実施例では、試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量M(mg/cm2)、粉体の平均帯電量をQ(μC/g)、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力をFs(N)としたとき、付着量M及び、又は帯電量Qが異なる複数の試料に対して遠心力Fsを求め、次の関係式(1)から、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を算出する。但し、Aは定数である。
【0017】
Ft=Fs−A×(Q/M)2 (1)
また、試料面上の粉体層の厚さをH(μm)、粉体の平均帯電量をQ(μC/g)、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力をFs(N)としたとき、厚さH及び、又は帯電量Qが異なる複数の試料に対して遠心力Fsを求め、次の関係式(2)から、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を算出する。但し、Bは定数である。
【0018】
Ft=Fs−B×(Q/H)2 (2)
なお、遠心分離装置5は、日立工機製CP100α(最高回転数:100,000rpm、最大遠心加速度:800,000×g)を用いた。また、ロータ6は、日立工機製アングルロータP100ATを用いた。試料基板2、受け基板3、スペーサ4及び保持部材7は、遠心分離装置5の大きな遠心力に耐えられる強度があり、ロータ6内に設置したときに遠心分離装置5の最大回転数まで回転可能な重量以下となるような軽量の材料を用いる必要があるため、アルミ製の部材を用いた。また、受け基板3の付着面3aは、アルミを蒸着した、傷のない平滑な面とすることが望ましい。付着面3aの傷を無くすることで、トナー粒子測定の画面処理時に受け基板3の傷も計測されることを防ぐことができる。さらに、試料基板2の試料面2aとしては、測定対象の粉体層を形成することが可能なものであれば全て使用可能である。任意の試料面上に測定対象の粉体を上方から落下させで形成してもよいが、厚さが均一な粉体層を形成するためには、電子写真法を応用して粉体層を形成することが望ましい。特に、測定対象がトナーである場合、実際にトナー間の付着力を測定したい状態での試料を作成する必要がある。例えば、現像工程後の感光体上のトナー画像のトナー間付着力を測定したい場合、試料面2aとしてシート状の感光体を用いることが望ましい。また、転写工程でニップ圧力などを受けた後の状態を測定したい場合、実際の紙やOHPシートなどを試料面2aとして試料基板2に貼り付けることが望ましい。
【0019】
以下、より具体的な粉体間付着力測定方法を示す。本実施例では、トナー層の形成にはリコー製ディジタルフルカラー複写機PRETER650を使用した。また、PRETER650用トナーをベースとして、外添剤(H2000シリカ)添加量を変えたものを3種類用意した。各種トナーの凝集度の測定結果を表1に示す。
【0020】
◎
【表1】
【0021】
トナーの凝集度Cは、ホソカワミクロン製のパウダーテスタPT−N型を使用し、次の方法により測定した。パウダーテスタに3種類のメッシュを装着し(フルイ目開き、上段75μm、中段45μm、下段22μm)、トナーサンプルを2g上段のメッシュに載せ、振幅目盛が1mm振幅する状態で、30秒間振動させる。各メッシュ上に残ったトナーの重量からトナーの凝集度を次式により算出する。
【0022】
◎
【数1】
【0023】
ここで示したトナーの凝集度は、トナーの流動性を示す特性値であり、値の小さいほど流動性が向上する傾向がみられる。各種トナーとPRETER650用2成分現像剤のキャリアを混合し、現像剤とした。各種現像剤に対して荷電電位や露光量などの作像条件を設定し、中間転写ベルト上に直径3mmの円形のトナー像を形成した。さらに、中間転写ベルトを切りだし、図5のように、円形のアルミ基板上に貼り合わせ、試料基板2を作成した。試料基板(アルミ基板)2の試料面(中間転写ベルトの一部)2a上に形成したトナー層は帯電しているため、トナー粒子間のクーロン反発力や基板との鏡像力が働いていると考えられる。これらの力の影響を考察するために、各トナー種に対して、中間転写ベルト上のトナー帯電量Q(μC/g)とトナー付着量M(mg/cm2)を変化させた複数の試料面2aを作成した。トナー帯電量Q及びトナー付着量Mは既知の面積のトナー画像に対して吸引式ファラデーケージ法で測定した。こうして作成した試料基板2を保持部材7に装着し、保持部材7をロータ6に、ロータ6を遠心分離装置5にセットする。
【0024】
さらに、遠心分離装置5を作動させると、トナー粒子は遠心力によりトナー層表面から分離し、受け基板3(直径 本体:8mm、トナー受け範囲:5.2mm)に付着する。トナーの受ける遠心力Fは、前述の式(6)から求められる。なお、d:トナー粒径、ρ:トナー比重1.2g/cm3、r:遠心半径64.47mm、f:分離回転数rpmとする。
【0025】
F=(π3/5400)×ρ×d3×r×f2 (6)
本実施例では、試料基板2から分離するトナー数が比較的多いため、効率的な評価法として、受け基板3上の一個一個のトナー粒径は測定せず、平均粒径d=7.5μmであるとしてトナー粒子数のみを計数する方法を採用した。すなわち、受け基板3の付着面3aの中央部をCCD顕微鏡カメラ(キーエンス社製ハイパーマイクロスコープ)で拡大観察し、ビデオプリンタで出力した。200倍レンズを用いた場合、ビデオプリント上では77倍の倍率になり、一画面では横1.4mm×縦1.1mm=1.54mm2の面積を観察できる。拡大写真をスキャナ49を用いて400dpi×400dpi白黒写真モードでパーソナルコンピュータ(粉体間付着力測定装置本体側)に取り込み、画像処理手段48(画像処理ソフト(イメージプロプラス))を用いて、2値化処理、計数処理を行い、トナー粒子数とトナー粒子部分が占める画素数すなわちトナーの受け基板3上への投影面積を計数した。
【0026】
また、後述の方法で、トナー層中央部の最表層のトナー粒子が分離し始める回転数fを決定し、式(6)からトナーを分離するために必要な遠心力Fを求めた。トナー層の遠心分離を行う際、問題となるのが取り扱うトナー数の多さである。画像処理ソフトで付着面3a上のトナー粒子数を計数する場合、トナー数が多くなると、複数のトナー粒子が重なって大きな一つの粒子として計数されるようになる。そこで、本実施例では、トナー粒子数ではなく、トナー粒子部分が占有する総面積(投影面積)を用いて分離回転数を決定する方法を採用した。
【0027】
ここで、本実施例で測定した全サンプルに対して、付着面3a上のトナー粒子数とトナー部投影面積(画像処理の画素数)の関係を図6に示す。1枚のビデオプリント内のトナー部の画素数が1×105個程度までは画素数とトナー粒子数との間に直線的な関係が成り立っている。これは、トナー数が1000個程度までは一粒一粒が独立して付着していることを意味している。これに対して、トナー部の画素数が2×105個以上になると、トナー粒子数は約1800個程度で飽和してしまう。これは、トナー数が1800個程度以上になると、付着面3a上でトナー粒子同士が重なってしまうことを意味している。すなわち、本実施例では、独立状態決定工程108において、受け基板3上のトナー数1800個またはトナー部画素数2×105個が、トナー粒子が独立状態を取り得る最大数であると求められる。また、この状態では、トナー粒子の固まりが分離しているのではなく、トナー粒子が一粒一粒独立して分離していると考えられる。本実施例における独立状態の評価基準としては、遠心力の増加と共にトナー層の表層から分離し始めたトナーが累積し、1800個(画素数2×105個)程度飛んだ時点の回転数を分離回転数fと決めた。ビデオプリント画面の全面積での画素数は約2.4×106個であるから、単純に考えると、表層トナーの約8%が分離した状態である。この状態でトナー粒子は一粒一粒独立して分離していると考えられる。
【0028】
ここで、本実施例における3種類のトナーa,b,cについて、遠心回転数に対する分離トナー数の変化を図7〜図9に示す。なお、横軸には遠心回転数(rpm)を、縦軸には累積のトナー部画素数を対数で表した。前述の独立状態決定工程108で決定した画素数2×105個の位置は矢印で示した。また、表2に各条件での試料面2a上のトナー帯電量Q(μC/g)とトナー付着量M(mg/cm2)の測定結果を示した。
【0029】
◎
【表2】
【0030】
前記の各条件に対して、累積の画素数が2×105個になるロータ回転数を、分離回転数fとして決定し、式(6)でトナー粒径を7.5μmとして遠心力Fを計算した。この遠心力Fは表層のトナー粒子を分離するために必要な力であり、トナー粒子間に働く静電的な力と非静電的付着力の両者の影響を反映している。遠心力Fの計算結果を表3に示す。何れのトナーに対しても、トナー帯電量Qが大きいほどトナーを分離するための遠心力Fが大きく、トナー付着量Mが大きいほど遠心力Fが小さい傾向がある。
【0031】
◎
【表3】
【0032】
本実施例では、図10に示すような、鏡像力による付着状態のモデルを考え、解析することにより、トナー粒子間の非静電的付着力を決定する。表層のトナー粒子の中心に点電荷が存在すると仮定し、この点電荷に働く基板との鏡像力のみを考慮する。点電荷qは、トナー帯電量Q(μC/g)に比例し、基板と点電荷の距離hは、トナー付着量M(mg/cm2)にほぼ比例する。従って、点電荷に働く鏡像力FはF∝(q/h)2∝[Q/M]2に比例する。この計算結果も表3に示した。
【0033】
ここで、本実施例による鏡像力モデルでの解析方法に基づいて遠心力を整理した結果を図11に示す。なお、縦軸は表層のトナーが分離し始める遠心力Fs、横軸は[Q/M]2の計算値を示す。[Q/M]2の値は鏡像力に比例すると考えられるが、その絶対値自体に意味はない。各トナーとも、バラツキはあるものの、直線的な増加傾向が認められる。これにより、横軸をゼロに外挿したときの遠心力が非静電的なトナー粒子間の付着力Ftを表すと考えられる。すなわち、以下の関係式(7)が成り立つ。但し、Aは定数である。
【0034】
Fs=Ft+A×(Q/M)2 (7)
さらに、非静電的なトナー粒子間の付着力Ftとトナー凝集度の相関を図12に示す。トナーへの外添剤添加量の減少と共に、トナー凝集度が増加し、非静電的トナー間付着力が増加することが定量的に確認できた。
なお、前記トナー付着量Mの代わりにトナー層の厚さHを測定した。トナー層厚さHはキーエンス社の表面形状測定顕微鏡VF7500を用いて測定した。図13にトナー付着量Mとトナー層厚さHの相関を示す。両者にはほぼ比例関係が成り立つ。従って、式(7)と同様に式(8)が成り立ち、Ftを測定することができた。但し、Bは定数である。
【0035】
Fs=Ft+B×(Q/H)2 (8)
本実施例の更なる検討の結果、前述した転写工程でのトナーの飛び散り、いわゆる転写チリ現象は、トナー帯電量とトナー付着量、さらに本実施例の方法により測定したトナー間付着力の三つの特性値で記述できることを見いだした。転写チリが多いほど、ライン間のような非画像部に見えるトナー粒子数が多くなる。この非画像部に散ったトナー数から転写チリレベルを評価した。本実施例では、中間転写ベルト上の200μm幅のライン状トナー画像をCCD顕微鏡カメラで撮影し、その拡大写真をスキャナ49からパーソナルコンピュータに白黒連続調画像として取り込んだ。市販の画像処理ソフトを用いて、連続調の写真画像を2値化してトナー粒子部分とベルト部分の輪郭を強調、分離した。前記画像処理ソフトの計数機能を用いてトナー粒子部分の個数(オブジェクト数)を計数し、長さ1mm当たりのラインエッジ部から飛び散ったトナー粒子の個数を算出した。この数値を「ライン散りトナー数N(個/mm)」と定義した。また、中間転写ベルト上のトナー帯電量Q及びトナー付着量Mは吸引式ファラデーケージ法で測定し、200μm幅のライン画像を既知の長さ分だけ吸引、採集した。採集したトナーによる誘起電荷量qと重量mから単位重量当たりのトナーの電荷量を算出し、平均トナー帯電量Q(μC/g)として表す。また、ライン画像の拡大写真からライン幅の平均値を求めてライン画像の面積aを算出し、単位面積当たりのトナーの重量をトナー付着量M(mg/cm2)として表す。
【0036】
ここで、図14に、中間転写ベルト上でのライン散りトナー数Nと、中間転写ベルト上のトナー付着量Mの相関を示す。M=0.8〜1.0mg/cm2程度までのトナー付着量が比較的少ない場合はマゼンタトナーの単色画像で、それ以上トナー付着量が多い場合はシアントナーの上にマゼンタトナーを重ねた2色重ね画像で実験した。また、トナーとして前述のトナーaを用いた。また、帯電能力のみが異なる3種類のキャリアによる現像剤を作成し、中間転写ベルト上のトナー帯電量Qをパラメータとして変化させた。キャリアの帯電能力は製造過程の焼成温度を変化させてコントロールした。帯電能力の高い順にキャリアA、キャリアB、キャリアCとした。図14では、ライン散りトナー数Nはトナー付着量Mの増加と共に急激に増加する。また、トナー帯電量Qが大きいほどライン散りトナー数Nも大きい。本発明者の検討では、転写チリが実用上許容できるレベルは、中間転写ベルト上でのライン散りトナー数が130個/mmとした。トナー荷電量が大きい場合は中間転写ベルト上でのトナー付着量を低減しなければならない。すなわち、中間転写ベルト上の画像領域内でトナー付着量が最も多くなる部分でのトナー付着量が少なくなるような作像条件を設定しなければならない。逆に、トナー帯電量を小さくすれば、中間転写ベルト上での最大トナー付着量が多くても許容される。図14中の三つの曲線は、「N= αM4Q2+β」の特性を表し、α=0.28、β=18で同一である。この特性とトナー付着量Mとトナー帯電量Qに対する転写チリの実験結果はよく一致している。同様に、外添剤の添加量が異なる前記3種類のトナーa,b,cを使用し、トナー凝集度またはトナー間付着力をパラメータとして変化させた結果を図15に示す。
【0037】
この図15においても、トナー付着量Mの増加に伴う散りトナー数Nの増加は同様である。また、外添剤量の減少によってトナー凝集度またはトナー間付着力が大きくなるほど、散りトナー数が減少する傾向がある。図15中の三つの曲線も、「N= αM4Q2+β」の特性を表し、トナーaではα=0.28、β=18、トナーbではα=0.12、β=14、トナーcではα=0.08、β=10となった。この特性と転写チリの実験結果はよく一致している。
【0038】
さらに、図16に、図12で求めたトナー粒子間の非静電的付着力Ftと図14から求めた前記パラメータαの関係を示す。図中の曲線はα=1.8/Ft(図16でのFtの単位はnN=10-9N)の関係を示しており、実験結果とほぼ一致している。なお、転写チリ発生のメカニズムの詳細は明らかでないが、トナー粒子間の非静電的付着力Ft(N)、トナー付着量M、トナー帯電量Qの三つのパラメータの変化に対して、ライン散りトナー数Nは実験的には以下の経験式と良く一致することが明らかとなった。
【0039】
N=1.8M4Q2/(Ft×109)+β (βは10〜20程度) (9)
前述のように実用上許容できるライン散りトナー数Nは130個/mm程度以下であるから、βを10〜20として、
N−β=1.8M4Q2/(Ft×109)≦110〜120 (10)
となる。従って、中間転写ベルト上の画像領域内で最もトナー量が多くなる部分に対して、以下の関係式(3)を満たすような作像条件を設定すれば、転写チリの少ない画像が得られる。
【0040】
M4Q2/(Ft×109)≦60 (3)
前記関係式(3)において、トナー粒子間の非静電的付着力Ftは、5×10-9N〜3×10-8Nの範囲であることが好ましい。Ftが5×10-9Nよりも小さい場合、前記関係式(3)を満たすためには、トナー付着量Mまたはトナー帯電量Qを非常に小さくする必要がある。中間転写ベルト上で最もトナーが多い部分でのトナー付着量Mの低下は画像濃度の不足となり、トナー帯電量Qの低下はトナー凝集度の低下と重なってトナー飛散等の不具合を生じる。一方、Ftが3×10-8Nよりも大きい場合は、転写チリに対してはライン散りトナー数Nが減少する減少する方向だが、現像時のトナー画像の粒状性の悪化やトナー補給時の搬送性の悪化等の不具合を生じる。
【0041】
また、前記関係式(3)において、中間転写ベルト上でのトナー帯電量の絶対値が10〜30μC/gの範囲であることが好ましい。トナー帯電量の絶対値が10μC/gより小さい場合、転写チリに対してはライン散りトナー数が減少する方向だが、トナー飛散や転写不良等の不具合を生じる。逆に、トナー帯電量の絶対値が30μC/gよりも大きい場合も、転写性が不十分になる。
【0042】
さらに、本実施例においては、中間転写ベルトの表面抵抗値が108〜1010 Ω/□であることが好ましい。表面抵抗値が108 Ω/□よりも小さい場合、転写電圧がリークしてしまい、転写不良が発生する。逆に、表面抵抗値が1010 Ω/□よりも大きい場合、ベルト転写工程後の中間転写ベルトの非画像部にマイナス電位を保持するようになる。従って、この残留電位を除去するための除電装値が必要になるという欠点がある。しかし、この非画像部の電荷保持は中間転写ベルト上での転写チリ低減には効果がある。すなわち、中間転写ベルト上で画像を形成するトナー粒子間にはトナーが持つマイナス電荷間にクーロン反発力が作用してトナー散りが発生するが、非画像部にマイナス電荷を保持している場合、非画像部のマイナス電荷とトナー電荷の間にクーロン反発力が作用し転写チリを抑制すると考えられる。このような場合、転写チリ低減には必ずしも関係式(3)の条件を満たす必要はなくなる。逆に言えば、関係式(3)は中間転写ベルトの表面抵抗値が10 10 Ω/□以下の場合に特に有効である。
【0043】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第1の実施例》 次に、図17を用い、前記の粉体間付着力測定方法の測定結果を適用したカラー画像形成装置について述べる。本実施例では、1本の感光体に対向して4色の現像器を並べて配置してあり、感光体上に異なる色成分毎に形成されるトナー像を中間転写ベルト上に順次重ねて転写し、その重ねて転写されたトナー像を転写紙等に一括転写することによって、カラー画像を得る1ドラム中間転写体方式を採用する。
【0044】
図17において、感光体ドラム35(=静電潜像担持体)はアルミ素管上に、下引き層、電荷発生層、電荷輸送層の順に重ねて製膜した機能分離型の感光層を有する。感光層の厚さは約28μm、静電容量は約90pF/cm2である。本実施例においては、感光体ドラム35をスコロトロン帯電器21で均一にマイナス帯電(約−650〜−700V)した後、画像情報に応じたレーザ光を露光部22に照射し、−100V〜−500Vの静電潜像を形成する。感光体の帯電電位や露光部電位を電位センサA23で検出し、帯電条件や露光条件等を制御することもできる。すなわち、静電潜像を形成する形成手段は、スコロトロン帯電器21、露光部22、電位センサA23等からなる。
【0045】
また、現像部24(=現像手段)には4色の現像器が並べて配置されており、各色毎に静電潜像を現像する。乾式2成分現像剤を用い、感光体上の低電位部にマイナス帯電トナーを付着させる反転現像方式である。前記乾式2成分現像剤は平均粒径が7.5μmの粉砕トナーと平均粒径が50μmの樹脂コートキャリアからなり、現像剤中のトナーの帯電量は、−10〜−30μC/gとした。トナーには外添剤として0.2〜0.8重量部のシリカ微粒子が添加されている。本実施例においては、現像バイアス値は約−500〜−550Vとした。現像バイアスには交流成分を重畳させてもよい。現像後の位置にはPセンサ25が設置され、光学的反射率からトナー付着量を検出してプロセス条件を制御することもできる。
【0046】
また、各色のトナー像は中間転写ベルト26(=トナー画像担持体)上に転写される。転写電圧の間接印加方式を採用しており、入口ローラ32と出口ローラ33の間に架け渡されたベルト部分が感光体に接離可能に構成されている。前記中間転写ベルト26はポリカーボネート樹脂あるいはフッ素系樹脂等の中にカーボンブラックを分散させた単層の中抵抗体であり、厚さ約150μm、表面抵抗値は108〜1010 Ω/□、体積抵抗値は109〜1011Ωcmの範囲のものを用いた。また、入口ローラ32は接地され、出口ローラ33に+1000〜+1500V程度の転写電圧(Vt)が印加される。転写電圧(Vt)は図示していない電源より供給され、その出力値は図示していない制御部にて制御されている。以後、感光体から中間転写ベルト26上への転写を「ベルト転写」と称す。なお、ベルト転写後の感光体上の残留トナーは、PCC(クリーニング前チャージャ)27によって帯電量が制御され、ドラムクリーニング装置29でブラシ及びブレードで除去される。
【0047】
本実施例においては、中間転写ベルト26上に1色目のトナー画像が形成された後、2色目の作像動作を開始し、中間転写ベルト26上に2色目のトナー像を重ねて転写する。この時、転写される順番毎に転写電圧を増加させていってもよい。フルカラー画像の場合、中間転写ベルト26上に黒、シアン、マゼンタ、イエローの4色のトナー画像を順次形成した後、一括して記録紙34上に転写する。中間転写ベルト26上から記録紙34上へのトナー像の転写は、紙転写ローラ31で紙の裏側からプラス極性の電圧を印加する。以後、中間転写ベルト26から記録紙34上への転写を「ペーパー転写」と称す。ペーパー転写後の中間転写ベルト26上に残留したトナーはクリーニング装置28によって除去される。
【0048】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第2の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様であるが、後述のように中間転写ベルト26として、表面抵抗値が109 Ω/□、体積抵抗値が1010Ωcmの単層の中抵抗体を用いた。また、本実施例においては、前記粉体間付着力測定方法によって測定したトナー粒子間の非静電的付着力Ftが8×10−9Nとなるトナーaを用い、シアンとマゼンタを2色重ねたブルーのライン部について最終画像での転写チリ品位を目視判定した。このように2色重ねた色の部分は、ペーパー転写工程前、すなわち、中間転写ベルト26上でのトナー付着量が多くなり、転写チリが増加する。このような中間転写ベルト26上でトナー付着量が最大となる部分において転写チリが低減できれば、これよりもトナー付着量が少ない部分でも確実に転写チリは低減する。また、前記中間転写ベルト26は、エチレン−テトラ−フルオロエチレン(ETFE)樹脂の中にカーボンブラックを分散させた表面抵抗値が109 Ω/□、体積抵抗値が1010Ωcmの単層の中抵抗体であって、ベルト転写バイアス値は、1色目、2色目共に+1200Vとした。現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−30μC/g程度であった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量の平均値Qは−17.7μC/gであった。この時のライン散りトナー数は図14中の●プロットの結果となり、中間転写ベルト上でのトナー付着量Mが1.1mg/cm2以下では、「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立し、転写チリは許容できるレベルであった。その他の不具合も発生しなかった。
【0049】
なお、本実施例と比較するために、図14中の●プロットの結果において、中間転写ベルト26上でのトナー付着量Mを1.2mg/cm2以上にした場合、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立せず、転写チリが目立ち許容できなくなった。
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第3の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様である。本実施例では、前記粉体間付着力測定方法で測定したトナー粒子間の非静電的付着力Ftが2×10-8Nとなるトナーcを用いた。現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−28μC/g程度であった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量の平均値Qは−17.4μC/gであった。この時のライン散りトナー数Nは図15中の△プロットの結果となり、中間転写ベルト26上でのトナー付着量Mが1.36mg/cm2以下では、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立し、転写チリは許容できるレベルであった。その他の不具合も発生しなかった。
【0050】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第4の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様である。本実施例では、第3の実施例と同様に、トナー粒子間の非静電的付着力Ftが2×10-8Nとなるトナーcを用いた。さらに、現像剤中のトナー濃度を低下させてトナー帯電量を増加させた。現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−40μC/g程度になった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量Qは本実施例の範囲外の−31μC/gになった。この時の中間転写ベルト26上でのトナー付着量Mは1.00mg/cm2で、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立し、転写チリは許容できるレベルであった。しかし、中間転写ベルト26上でのトナー帯電量が大き過ぎるため、ペーパー転写工程で転写不良が発生した。
【0051】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第5の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様である。本実施例では、外添剤添加量が1.0重量部のトナーdを用い、第4の実施例と同様に画像形成を行った。前記粉体間付着力測定方法で測定したトナー粒子間の非静電的付着力Ftは4×10-9N程度となり本実施例の範囲外となった。現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−15μC/g程度であった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量の平均値Qは−11.5μC/gであった。この時の中間転写ベルト26上でのトナー付着量Mが1.1mg/cm2では、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立し、転写チリは許容できるレベルであった。しかし、現像装置からのトナー飛散が発生した。
【0052】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第6の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様である。本実施例では、キャリアAと外添剤未添加のトナーeを用い、第4の実施例と同様に画像形成を行った。前記粉体間付着力測定方法で測定したトナー粒子間の非静電的付着力Ftは4×10-8N程度となり本実施例の範囲外となる。現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−25μC/g程度であった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量の平均値Qは−16μC/gであった。中間転写ベルト26上でのトナー付着量Mが1.5mg/cm2では、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立し、転写チリは許容できるレベルであった。しかし、現像後のドット画像の粒状性が悪化した。
【0053】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第7の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様であるが、中間転写ベルト26として、ポリカーボネート樹脂の中にカーボンブラックを分散させた表面抵抗値が108 Ω/□、体積抵抗値が1011Ωcmの単層の中抵抗体を用いた。その結果、現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−30μC/g程度であった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量の平均値Qは−17.7μC/gであった。中間転写ベルト26上でのトナー付着量Mが1.0mg/cm2では、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」が成立し、転写チリは許容できるレベルであった。中間転写ベルト26上での残留電荷もなく、中間転写ベルト26の除電装置を省略することができた。その他の不具合も発生しなかった。
【0054】
《前記画像形成装置及び画像形成方法の第8の実施例》 本実施例の画像形成装置の構成は、第1の実施例(図17)と概ね同様であるが、中間転写ベルト26の表面に約20μmの高抵抗層を設けた。その表面層はPVdF樹脂中に酸化チタンを分散させたもので、表面抵抗値は1013Ωcmである。ベルト転写バイアス値は1色目のシアン転写時は+1600V、2色目のマゼンタ転写時には+2000Vとした。また、現像剤としてはトナーaを用いた。現像剤中のトナー帯電量はシアンとマゼンタ共に−24μC/g程度であった。ベルト転写工程後の中間転写ベルト26上でのトナー帯電量Qが−14.0μC/g、トナー付着量Mが1.37mg/cm2で、前記関係式「M4Q2/(Ft×109)≦60」を満たしていないが、中間転写ベルト26上でのライン散りトナー数Nは50個程度しかなく、転写チリは許容できるレベルであった。これは、中間転写ベルト26上の非画像部のマイナス電荷がトナー散りを抑制したものと考えられる。しかし、そのマイナス電荷の影響で次の作像工程で転写ムラによる残像が発生した。
【0055】
本実施例によれば、遠心分離法により粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力Fs(N)を測定し、試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量M(mg/cm2)及び粉体の平均帯電量Q(μC/g)の依存性から静電的な力の影響を分離できるので、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を求めることができる。また、遠心分離法により粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力Fs(N)を測定し、試料面上の粉体層の厚さH(μm)及び粉体の平均帯電量Q(μC/g)の依存性から静電的な力の影響を分離できるので、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を求めることができる。
【0056】
また、本実施例によれば、試料基板2上に粉体を複数層以上の厚さに重ねて粉体層を形成する工程は、電子写真方式の現像工程により、静電潜像を形成したシート状の試料基板2上に粉体層を形成するようにしたので、均一な粉体層を形成できる。さらに、試料基板2上に粉体を複数層以上の厚さに重ねて粉体層を形成する工程は、電子写真方式の現像工程により、静電潜像を形成した粉体像担持体上に粉体層を形成した後、電子写真方式の転写工程により、粉体像をシート状の試料基板上に転写して形成するようにしたので、簡単な構成で粉体層を形成し、精度良く非静電的付着力を測定することができる。すなわち、トナーのような粉体間の非静電的付着力を定量的かつ効率的に測定できる。
【0057】
さらに、本実施例によれば、トナー粒子間の非静電的付着力及びトナー画像担持体上でのトナー帯電量とトナー付着量の三つの特性値の関係を最適化できるので、転写チリの少ない高品質の画像を得ることができる。また、トナー画像担持体上でのトナー粒子間の非静電的付着力を最適化し、例えばトナー画像担持体上に形成したトナー画像のトナー粒子間の非静電的付着力Ft(N)が、5×10-9N〜3×10-8Nの範囲にあるようにしたので、転写チリを低減し、トナー飛散や現像ムラ等の異常画像の発生を抑制して、高品質の画像を得ることができる。あるいはトナー帯電量を最適化し、例えばトナー画像担持体上でのトナーの平均帯電量の絶対値が10〜30μC/gであるようにしたので、転写チリが少なく、トナー飛散や現像ムラのない高品質の画像を得ることができる。
【0058】
また、本実施例によれば、トナー画像担持体がトナー画像を一時的に担持する中間転写ベルトであり、その中間転写ベルトの抵抗値を最適化し、例えば中間転写ベルトの表面抵抗値が108〜1010 Ω/□であるようにしたので、小型の装置で、転写チリが少なく、残像などのない高品質のカラー画像を得ることができる。
【0059】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のによれば、遠心分離法により粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力Fs(N)を測定し、試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量M(mg/cm2)及び粉体の平均帯電量Q(μC/g)の依存性から静電的な力の影響を分離できるので、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を求めることができる。また、遠心分離法により粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力Fs(N)を測定し、試料面上の粉体層の厚さH(μm)及び粉体の平均帯電量Q(μC/g)の依存性から静電的な力の影響を分離できるので、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を求めることができる。よって、トナーのような粉体間の非静電的付着力を定量的に測定できる粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法を提供することができる。
【0060】
また、本発明によれば、前記粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法を用いて、トナー粒子間の非静電的付着力及びトナー画像担持体上でのトナー帯電量とトナー付着量の三つの特性値の関係を最適化できるので、転写チリの少ない高品質の画像を得ることができる。よって、トナー画像形成後のトナーの飛び散りを低減できる画像形成装置及び画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置の構成図である。
【図2】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置における遠心分離装置の測定セルを示す斜視図である。
【図3】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置における遠心分離装置の一部断面図である。
【図4】本発明の一実施例における粉体間付着力測定方法の概略を示すフローチャートである。
【図5】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法における遠心分離サンプル図である。
【図6】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナー部面積とトナー粒子数の相関を示す図である。
【図7】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナーaの遠心分離結果を示す図である。
【図8】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナーbの遠心分離結果を示す図である。
【図9】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナーcの遠心分離結果を示す図である。
【図10】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法における鏡像力モデルを示す図である。
【図11】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法における鏡像力モデルによる遠心力の解析結果を示す図である。
【図12】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナー凝集度とトナー間付着力の相関を示す図である。
【図13】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナー付着量と厚さの相関を示す図である。
【図14】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法における転写チリとトナー付着の相関(トナー帯電量の変化)を示す図である。
【図15】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法における転写チリとトナー付着の相関(トナー凝集度の変化)を示す図である。
【図16】本発明の一実施例における粉体間付着力測定装置及び粉体間付着力測定方法におけるトナー凝集度とパラメータαの相関を示す図である。
【図17】本発明の一実施例における画像形成装置の構成図である。
【符号の説明】
1 測定セル
2 試料基板
2a 試料面
3 受け基板
3a 付着面
5 遠心分離装置
6 ロータ
41 CPU
48 画像処理手段
49 スキャナ
Claims (12)
- 粉体を複数層以上の厚さに重ねた粉体層を形成した試料面を有する試料基板、前記粉体層から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板、及び前記試料面と前記付着面との間に設けられたスペーサから構成される測定セルと、前記測定セルを回転させるロータと、を有する遠心分離装置と、
前記付着面に付着した粉体の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段にて取得された粉体の画像を解析し、前記受け基板上に付着している粉体の数、及び粉体の受け基板上への投影面積を求めるための画像処理手段と、
前記画像処理手段により求められた付着面に付着する粉体の数と投影面積の関係から、
個々の粉体同士が付着せずに独立して前記受け基板上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定手段と、
前記遠心分離装置のロータ回転数と前記受け基板上に付着した粉体の投影面積の関係から、個々の粉体が独立状態となるロータ回転数を決定するロータ回転数決定手段と、
前記付着面に付着した粉体の平均粒径及び比重から計算した該粉体の平均重量と前記ロータの回転数とから、前記試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出手段と、
前記試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量、粉体の平均帯電量、及び、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力の値を用いて、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出手段と、
を有することを特徴とする粉体間付着力測定装置。 - 前記非静電的付着力算出手段は、前記試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量M(mg/cm2 )、粉体の平均帯電量をQ(μC/g)、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力をFs(N)、定数をAとしたとき、付着量M及び、又は帯電量Qが異なる複数の試料に対して遠心力Fsを求め、以下の関係式
Ft=Fs−A×(Q/M)2
から粉体間の非静電的付着力Ft(N)を算出することを特徴とする請求項1記載の粉体間付着力測定装置。 - 粉体を複数層以上の厚さに重ねた粉体層を形成した試料面を有する試料基板、前記粉体層から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板、及び前記試料面と前記付着面との間に設けられたスペーサから構成される測定セルと、前記測定セルを回転させるロータと、を有する遠心分離装置と、
前記付着面に付着した粉体の画像を取得する画像取得手段と、
前記画像取得手段にて取得された粉体の画像を解析し、前記受け基板上に付着している粉体の数、及び粉体の受け基板上への投影面積を求めるための画像処理手段と、
前記画像処理手段により求められた付着面に付着する粉体の数と投影面積の関係から、
個々の粉体同士が付着せずに独立して前記受け基板上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定手段と、
前記遠心分離装置のロータ回転数と前記受け基板上に付着した粉体の投影面積の関係から、個々の粉体が独立状態となるロータ回転数を決定するロータ回転数決定手段と、
前記付着面に付着した粉体の平均粒径及び比重から計算した該粉体の平均重量と前記ロータの回転数とから、前記試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出手段と、
前記試料面上の粉体層の厚さ、粉体の平均帯電量、及び、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力の値を用いて、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出手段と、
を有することを特徴とする粉体間付着力測定装置。 - 前記非静電的付着力算出手段は、前記試料面上の粉体層の厚さをH(μm)、粉体の平均帯電量Q(μC/g)、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力をFs(N)、定数をBとしたとき、厚さH及び、又は帯電量Qが異なる複数の試料に対して遠心力Fsを求め、以下の関係式
Ft=Fs−B×(Q/H)2
から、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を算出することを特徴とする請求項3記載の粉体間付着力測定装置。 - 粉体を複数層以上の厚さに重ねた粉体層を形成した試料面を有する試料基板を作成し、
前記粉体層から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板を作成する基板作成工程と、
前記試料基板と、前記受け基板と、前記試料面と前記付着面の間に設けられたスペーサと、から構成される測定セルを作成する測定セル作成工程と、
前記測定セルを回転させるロータを有する遠心分離装置の該ロータ内に前記測定セルを設置する測定セル設置工程と、
前記ロータの回転による遠心力により、前記試料面上に形成した粉体層の表面の粉体を分離して前記付着面に付着させる遠心分離工程と、
前記測定セルを前記ロータから取り出して、前記受け基板を取得する受け基板取得工程と、
前記付着面に付着する粉体の画像を取得し、取得された該粉体の画像を解析することにより、前記受け基板上に付着している粉体の数を求める粉体数導出工程と、
前記粉体の画像を解析することにより、粉体の受け基板上への投影面積を求める投影面積導出工程と、
前記付着面に付着する粉体の数と投影面積の関係から、個々の粉体同士が付着せずに独立して受け基板上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定工程と、
前記ロータの回転数と前記受け基板上に付着した粉体の投影面積の関係から、個々の粉体が独立状態となるロータ回転数を決定するロータ回転数決定工程と、
前記粉体の平均粒径及び比重から計算した該粉体の平均重量と前記ロータの回転数とから、前記試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出工程と、
前記試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量、粉体の平均帯電量、及び、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力の値を用いて、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出工程と、
を有することを特徴とする粉体間付着力測定方法。 - 前記非静電的付着力算出工程において、前記試料面上の粉体層の単位面積当たりの付着量M(mg/cm2)、粉体の平均帯電量をQ(μC/g)、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力をFs(N)、定数をAとしたとき、付着量M及び、又は帯電量Qが異なる複数の試料に対して遠心力Fsを求め、以下の関係式
Ft=Fs−A×(Q/M)2
から粉体間の非静電的付着力Ft(N)を算出することを特徴とする請求項5記載の粉体間付着力測定方法。 - 粉体を複数層以上の厚さに重ねた粉体層を形成した試料面を有する試料基板を作成し、
前記粉体層から分離した粉体を付着させる付着面を有する受け基板を作成する基板作成工程と、
前記試料基板と、前記受け基板と、前記試料面と前記付着面の間に設けられたスペーサと、から構成される測定セルを作成する測定セル作成工程と、
前記測定セルを回転させるロータを有する遠心分離装置の該ロータ内に前記測定セルを設置する測定セル設置工程と、
前記ロータの回転による遠心力により、前記試料面上に形成した粉体層の表面の粉体を分離して前記付着面に付着させる遠心分離工程と、
前記測定セルを前記ロータから取り出して、前記受け基板を取得する受け基板取得工程と、
前記付着面に付着する粉体の画像を取得し、取得された該粉体の画像を解析することにより、前記受け基板上に付着している粉体の数を求める粉体数導出工程と、
前記粉体の画像を解析することにより、粉体の受け基板上への投影面積を求める投影面積導出工程と、
前記付着面に付着する粉体の数と投影面積の関係から、個々の粉体同士が付着せずに独立して受け基板上に付着した状態を取り得る粉体の数及び投影面積を求める独立状態決定工程と、
前記ロータの回転数と前記受け基板上に付着した粉体の投影面積の関係から、個々の粉体が独立状態となるロータ回転数を決定するロータ回転数決定工程と、
前記粉体の平均粒径及び比重から計算した該粉体の平均重量と前記ロータの回転数とから、前記試料面上に形成した粉体層の最表面から粉体を分離するために必要な遠心力を求める付着力導出工程と、
前記試料面上の粉体層の厚さ、粉体の平均帯電量、及び、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力の値を用いて、粉体間の非静電的付着力を算出する非静電的付着力算出工程と、
を有することを特徴とする粉体間付着力測定方法。 - 前記非静電的付着力算出工程において、前記試料面上の粉体層の厚さをH(μm)、粉体の平均帯電量Q(μC/g)、粉体層最表面から粉体を分離するために必要な遠心力をFs(N)、定数をBとしたとき、厚さH及び、又は帯電量Qが異なる複数の試料に対して遠心力Fsを求め、以下の関係式
Ft=Fs−B×(Q/H)2
から、粉体間の非静電的付着力Ft(N)を算出することを特徴とする請求項7記載の粉体間付着力測定方法。 - 少なくとも、静電潜像を担持する静電潜像担持体と、画像情報に応じて前記静電潜像担持体に静電潜像を形成する形成手段と、前記静電潜像にトナーを供給して顕像化する現像手段と、顕像化されたトナー画像を担持するトナー画像担持体とを有し、
前記トナー画像担持体のトナー画像を形成するトナー粒子間の非静電的付着力をFt(N)、前記トナー画像担持体のトナー帯電量の平均値をQ(μC/g)、前記トナー画像担持体の最大のトナー付着量をM(mg/cm2)としたとき、以下の関係式
M4×Q2/(Ft×109)≦60
を満たすように、前記Q(μC/g)、前記M(mg/cm 2 )及び請求項6記載の粉体間付着力測定方法によって測定したFt(N)の値を設定し、かつ前記トナー画像担持体の表面抵抗を所定の値に設定したことを特徴とする画像形成装置。 - 前記トナー画像担持体に形成したトナー画像のトナー粒子間の非静電的付着力Ft(N)が、5×10−9N乃至3×10−8Nの範囲にあるようなトナーを用いることを特徴とする請求項9記載の画像形成装置。
- 少なくとも、均一に帯電された静電潜像担持体に画像情報に応じて光を照射し、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成して担持する静電潜像形成工程と、前記静電潜像にトナーを供給して顕像化し、顕像化されたトナー画像をトナー画像担持体に担持する現像工程とを有し、
前記トナー画像担持体のトナー画像を形成するトナー粒子間の非静電的付着力をFt(N)、前記トナー画像担持のトナー帯電量の平均値をQ(μC/g)、前記トナー画像担持体の最大のトナー付着量をM(mg/cm2)としたとき、以下の関係式
M4×Q2/(Ft×109)≦60
を満たすように、前記Q(μC/g)、前記M(mg/cm 2 )及び請求項6記載の粉体間付着力測定方法によって測定したFt(N)の値を設定し、かつ前記トナー画像担持体の表面抵抗を所定の値に設定して、前記現像工程を実行することを特徴とする画像形成方法。 - 前記トナー画像担持体に形成したトナー画像のトナー粒子間の非静電的付着力Ft(N)が、5×10−9N乃至3×10−8Nの範囲にあることを特徴とする請求項11記載の画像形成方法。
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