JP3671446B2 - 車両用回生制動装置 - Google Patents
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Description
【産業上の利用分野】
本発明は、車両用回生制動装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、特公平6−12932号公報は、車両用回生制動装置においてバッテリ容量を定格容量の例えば50〜70%程度とすることにより充電電流をバッテリに回収することを提案している。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら回生制動によりバッテリを充電する従来の車両用回生制動装置では、回生制動終了後、通常のバッテリ電圧による通常の発電制御を再開するが、この場合、後述するバッテリ容量不足問題を生じる場合があった。
すなわち、大きな充電電流により充電されたバッテリは通常のバッテリ電圧ー容量特性より高いバッテリ電圧(以下、過電圧と称する)を発生し、この過電圧は時間経過とともに解消され、更に、放電電流の大きさに応じて過電圧解消時間が短縮される。ここで、回生制動終了直後からバッテリが大電流放電を行って急速にその容量が低下する場合、上記過電圧の減少が容量低下より遅れ、その結果、バッテリ端子電圧に対応する見掛け容量より実容量が異常に低下してしまう場合が生じることが判明した。
【0004】
上記したように従来では回生制動終了後、通常のバッテリ電圧と所定の目標電圧とを比較し、フィードバック制御しているので、このような実容量の異常低下を原理的に回避することができなかった。
本発明は上記問題点に鑑みなされたものであり、回生制動によるバッテリ充電終了後のバッテリ容量の異常低下を回避可能な車両用回生制動装置を提供することをその目的としている。
【0005】
【問題を解決するための手段】
本発明の第1の構成は、車両用内燃機関にトルク授受可能に連結される発電電動機と、前記発電電動機と電力を授受するとともに車載電気負荷に給電する蓄電手段と、車両減速時に前記発電電動機を回生制動させて回生電流で前記蓄電手段を充電する制御を行う制御手段とを備える車両用回生制動装置において、
前記回生制動中に前記発電電動機から前記蓄電手段に流入する充電電流を積算するとともに前記蓄電手段の放電電流を前記回生制動終了後直後から積算する充放電電流積算手段と、前記放電電流の積算量と前記充電電流の積算量とを比較する比較手段とを備え、前記制御手段は、前記回生制動終了時点から前記両積算量が略等しくなる時点までの期間中、前記発電電動機の発電動作を停止することを特徴とする車両用回生制動装置である。
【0006】
本発明の第2の構成は、上記第1の構成において更に、前記制御手段が、前記回生制動時の前記発電電動機の発電電圧を非回生制動時の前記発電電動機の発電電圧より増大するものであることを特徴としている。
本発明の第3の構成は、上記第1又は第2の構成において更に、前記制御手段が、前記期間中に、前記発電電動機にトルクアシストのための電動動作を行わせるものであることを特徴としている。
【0007】
本発明の第4の構成は、上記第3の構成において更に、前記制御手段が、前記期間中に、前記発電電動機に車両加速のための電動動作を行わせるものであることを特徴としている。
本発明の第5の構成は、上記第3の構成において更に、前記制御手段が、前記期間中に、前記蓄電手段の所定の放電電流値から前記車載電気負荷への給電電流値を差し引いた差電流値により前記発電電動機にトルクアシストのための電動動作を行わせるものであることを特徴としている。
【0008】
本発明の第6の構成は、上記第1の構成において更に、前記制御手段が、前記回生制動時に前記充電電流積算量が所定の限界値以上となった場合に前記蓄電手段への充電電流の給電を停止するものであることを特徴としている。
本発明の第7の構成は、上記第1の構成において更に、前記制御手段が、回生制動時に前記充電電流積算量が所定の限界値以上となった場合に前記車載電気負荷に給電するものであることを特徴としている。
【0009】
【作用及び発明の効果】
本発明の第1の構成では、回生制動終了後直後から積算した蓄電手段の放電電流積算量が、前記回生制動中に積算した蓄電手段へ給電される充電電流積算量と略等しくなる時点までの期間中、発電電動機の発電動作を停止する。このようにすれば、回生により回収した電流量(容量)だけ正確に放電(消費)することができるので、回生制動終了直後から大電流放電を行っても上記した過電圧の一時的な発生にかかわらず、蓄電手段容量の異常低下を阻止することができる。 本発明の第2の構成では、上記第1の構成において更に、回生制動時の発電電圧を非回生制動時の発電電圧より増大するので、充分な回生制動力を発生することができる。なお、好ましくは、回生制動において(発電電流ー車載電気負荷消費電流)が所定の電流値(例えばバッテリの容量値の2倍)を超えないように発電が制御される。このようにすれば、蓄電手段がバッテリである場合にその寿命を延長することができる。なお、この場合、更に大きな回生制動力を得たい場合には余剰の発電電流で例えばデフロスタなどに放出してもよい。このようにすれば回生制動時に充電電流が急減した際における発電電流の急変を防止することができ、回生制動力の急変を防止することができる。
【0010】
本発明の第3の構成では、上記第1又は第2の構成において更に、回生された充電電流積算量の一部又は全部を回生制動終了時点から放電電流積算量と充電電流積算量とが略等しくなる時点までの期間中にトルクアシストのための電動動作に消費する。このようにすれば、燃費低減するとともに蓄電手段の過剰な容量を速やかに消費して次の回生制動に備えることができる。したがって本構成は、例えば下り坂、平坦路、下り坂が繰り返されるような走行モードにおいて特に効果的である。
【0011】
本発明の第4の構成では、上記第3の構成において更に、回生された充電電流積算量の一部又は全部を回生制動終了時点から放電電流積算量と充電電流積算量とが略等しくなる時点までの期間中に車両加速に消費する。このようにすれば、燃費低減するとともに蓄電手段の過剰な容量を速やかに消費して次の回生制動に備えることができる。したがって本構成は、例えば頻繁な加速、減速を繰り返す走行モードにおいて特に効果的である。
【0012】
本発明の第5の構成は、上記第3の構成において更に、蓄電手段の所定の放電電流値から車載電気負荷への給電電流値を差し引いた差電流値により、発電電動機にトルクアシストのための電動動作を回生制動終了時点から放電電流積算量と充電電流積算量とが略等しくなる時点までの期間中に行わせる。
このようにすれば、放電電流が過大となって蓄電手段を損傷したり、放電効率が低下したりする不具合を回避することができる。
【0013】
本発明の第6の構成では、上記第1の構成において更に、回生制動時に充電電流積算量が所定の限界値以上となった場合に蓄電手段の充電を停止するので、蓄電手段が過充電されることが無い。
本発明の第7の構成では、上記第1の構成において更に、回生制動時に充電電流積算量が所定の限界値以上となった場合に車載電気負荷に給電するので、回生制動力の急減を回避しつつ蓄電手段の過充電も防止することができる。
【0014】
【実施例】
本発明の実施例を図面を参照して説明する。
(実施例1)
図1に、実施例1の車両用回生制動装置のブロック図を示す。
この装置は、内燃機関10と動力伝達系(クラッチ、トルクコンバータ、ミッションなど)11との間に介設されて内燃機関10を始動させる発電電動機(本実施例では三相同期機)1と、発電電動機1の電機子電流を制御する三相のインバータ2と、インバータ2と電力授受するバッテリ3と、バッテリ3の充放電電流と電圧を検出する電流センサ4及び電圧センサ5と、マイコンを内蔵するエンジンコントロールユニット(ECU)6と、始動を指令するイグニッションSW7と、内燃機関10の回転数を検出する回転数センサ8と、スロットル開度を検出するスロットル開度センサ9とを備えている。
【0015】
また、インバータ2とバッテリ3とを接続する電力線はDCーDCコンバータ12を通じて車載電気負荷13に接続されている。
次に、エンジンコントロールユニット(ECU)6の動作を示す図2のフローチャートを参照してこの車両用回生制動装置の動作を説明する。
電源電圧の印加によりスタ−トした後、バッテリの充放電電流積算量Cを保持するレジスタを0にリセットし(302)、そのままイグニッションスイッチがオン(エンジン始動のため)されるまで待機する(303)。
【0016】
次に、内燃機関回転数Ne、スロットル開度Dを読み込み(305)、スロットル開度Dが0で、内燃機関の回転数が1200rpm以上であるかどうかを調べ(306)、そうであれば減速エネルギ回収モ−ドと判断して発電電動機1の発電電圧VをVhまで高めて回生制動を掛け、発電電流によりバッテリ3に充電する(307)。次に、この時の充電電流Iを読み込み(308)、充電電流Iと演算サイクル時間tから積算電流量Cを求める(309)。一方、ステップ106で減速エネルギ回収モ−ドでないと判定すれば、ステップ310に進んで放電すべき積算電流量Cが存在するかどうかを判定する。
【0017】
ステップ310では、積算電流値Cが正であってバッテリ3に減速エネルギが回収蓄電されているかどうかを調べ、そうであればスロットル開度が10deg以上かどうかを調べ(311)、スロットル開度が10deg以上なら加速状態と判定して、発電電動機1を電動動作させ(312)、内燃機関10をトルクアシストする。この時の放電電流Iを読み込み(314)、積算電流量Cから減算する(315)。一方、ステップ311で否定判断された場合は、加速状態では無いので、発電電動機1が発電動作であれば発電動作を停止して(313)、ステップ314に進む。
【0018】
一方、ステップ310にて回収した積算電流量Cが0になれば、以下に説明する通常の発電制御に移行する。
すなわち、まず定められた発電電圧Vi(Vi<Vh)で発電電動機1を発電して(316)、この時の充放電電流Iを読み込み(317)、バッテリ3が充電状態か放電状態かを判別する(318)。放電状態であれば発電電圧を△Viだけ上昇させ(319)、一方、充電状態であるかまたは充電電流が0であれば、充電電流Iが所定値Icよりも大きいかどうかを調べ(320)、充電電流Iが所定値Icよりも大きいと充電過多状態と判断して、発電電圧ViをΔViだけ下げて(321)、ステップ303にリターンする。また、ステップ320にて充電電流が過多でなければステップ303に直接、リターンする。なお、図2には図示しないがステップ317にて算出された発電電圧Viが所定の最大値及び所定の最小値を超える場合には、この最大値及び所定の最小値が出力される。
【0019】
更に付け加えると、ステップ320において充電電流が所定値0以下になれば、その時点で発電電圧Vはその時点のViに固定される。この状態が維持されるとバッテリ電圧が充電とともに上昇していき、その結果、充電電流Iは自動的に減少し、所定のバッテリ電圧値において0となる。
上記制御時における車速、バッテリ電圧、電流、容量のタイムチャートを図3に示す。
【0020】
アイドル状態や一定速走行時の場合である期間A、Cではバッテリ電圧VがVi(49V前後)に設定され、バッテリ3にはわずかに充電され、発電電動機1の発電電流のほとんどが車載電気負荷13に給電されている。車両が減速状態(期間B)になると、バッテリ電圧VはVh(59V)に増加され、発電電動機1により発電された電流の多く(図5中、×の領域)がバッテリ3に充電される。この×の充電量は積算されている。加速状態となると(期間D)、上記期間Bにおいて回収された領域×の充電量(アンペアアワー)を使って車載電気負荷13への給電と加速アシストが実行される。またそれに先んじて、期間Dにおける車載電気負荷13への給電も領域×の充電量(アンペアアワー)を使って車載電気負荷13への給電と加速アシストが実行される。
【0021】
なお、上記実施例では、回収電流積算値Cにより回生制動直後の時点から車載電気負荷13への給電及び加速アシストを行ったが、回生制動直後の時点から車載電気負荷13への給電及び上記加速アシストのどちらか一方だけを行うようにすることも可能であり、更に加速アシストの代わりにトルクアシストとしてもよい。すなわち、ステップ311ではスロットル開度10deg以上を加速走行と規定しているが、場合によっては重負荷定速走行であるかもしれない。ステップ311は、要するに、内燃機関の負荷トルクの一部を発電電動機1で負担することにより回収電流積算値Cを消費するということを意味している。
【0022】
(実施例2)
他の実施例を図4のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2のステップ312にて電動動作を開始後、バッテリ3の充放電電流Iを読み込み(400)、充放電電流がそれぞれ所定の最小値Ia、最大値Ibと比較し、Iaより小さければ電動電流をアップし、範囲内ならそのままとし、Ibより大きければ電動電流をダウンする。このようにすれば、放電電流が大きくなり過ぎてバッテリ3に悪影響を及ぼすことが無い。
【0023】
(実施例3)
他の実施例を図5のフローチャートを参照して説明する。
まず、図2のステップ306にて回生制動が必要と判断されれば、現在の積算アンペアワーCが所定の最大値Cmを超えたかどうかを判別し(500)、超えていなければそのまま、超えていれば発電を停止してステップ308へ進む。
【0024】
このようにすれば、バッテリ3が過充電されるのを防止することができる。
なお、発電電流又は電動電流の制御は発電電動機1の発電電圧を制御すればよく、発電電圧の制御は例えば界磁電流の制御により実施される。
(実施例4)
他の実施例を図6のフローチャートを参照して説明する。
【0025】
まず、図2のステップ309の後の回生制動中において、現在の積算アンペアワーCが所定の最大値Cmを超えたかどうかを判別し(600)、超えていなければそのまま、超えていれば例えばデフロスタなどのオンしても支障が無い車載電気負荷をオンする(602)。このようにすれば、回生制動を急遮断を回避して制動変化衝撃を緩和しつつバッテリ3の過充電を防止することができる。
【0026】
その他、ステップ309で検出したCが上記Cmに接近するにつれて発電電流を低下させていくことも好ましい。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の車両用回生制動装置の一実施例を示すブロック図である。
【図2】図1の装置の動作を示すフローチャートである。
【図3】図1の装置の動作を示すタイミングチャートである。
【図4】実施例2の制御動作を示すフローチャートである。
【図5】実施例3の制御動作を示すフローチャートである。
【図6】実施例4の制御動作を示すフローチャートである。
【符号の説明】
10は内燃機関、1は発電電動機、2はインバータ(制御手段の一部)、3はバッテリ(蓄電手段)、4は電流センサ(充放電電流積算手段の一部)、5は電圧センサ、6はECU(制御手段の残部、充放電電流積算手段の残部、比較手段)。
Claims (7)
- 車両用内燃機関にトルク授受可能に連結される発電電動機と、前記発電電動機と電力を授受するとともに車載電気負荷に給電する蓄電手段と、車両減速時に前記発電電動機を回生制動させて回生電流で前記蓄電手段を充電する制御を行う制御手段とを備える車両用回生制動装置において、
前記回生制動中に前記発電電動機から前記蓄電手段に流入する充電電流を積算するとともに前記蓄電手段の放電電流を前記回生制動終了後直後から積算する充放電電流積算手段と、前記放電電流の積算量と前記充電電流の積算量とを比較する比較手段とを備え、前記制御手段は、前記回生制動終了時点から前記両積算量が略等しくなる時点までの期間中、前記発電電動機の発電動作を停止することを特徴とする車両用回生制動装置。 - 前記制御手段は、前記回生制動時の前記発電電動機の発電電圧を非回生制動時の前記発電電動機の発電電圧より増大するものである請求項1記載の車両用回生制動装置。
- 前記制御手段は、前記期間中に前記発電電動機にトルクアシストのための電動動作を行わせるものである請求項1又は2記載の車両用回生制動装置。
- 前記制御手段は、前記期間中に前記発電電動機に車両加速のための電動動作を行わせるものである請求項3記載の車両用回生制動装置。
- 前記制御手段は、前記期間中に、前記蓄電手段の所定の放電電流値から前記車載電気負荷への給電電流値を差し引いた差電流値により前記発電電動機にトルクアシストのための電動動作を行わせるものである請求項3記載の車両用回生制動装置。
- 前記制御手段は、前記回生制動時に前記充電電流積算量が所定の限界値以上となった場合に前記蓄電手段への充電電流の給電を停止するものである請求項1記載の車両用回生制動装置。
- 前記制御手段は、前記回生制動時に前記充電電流積算量が所定の限界値以上となった場合に前記車載電気負荷に給電するものである請求項1記載の車両用回生制動装置。
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Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP32040194A JP3671446B2 (ja) | 1994-12-22 | 1994-12-22 | 車両用回生制動装置 |
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Families Citing this family (2)
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