JP3671709B2 - 車体パネル部品の製造ラインおよび製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、搬入された車体パネル部品をプレス型によりプレス加工し、プレス加工後の車体パネル部品を治具にセットした状態でスポット溶接して外部に搬出する車体パネル部品の製造ラインおよび製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
自動車における車体パネル部品、例えばトランクリッドを構成するインナパネルとアウタパネルとを接着剤にて相互に接着固定した状態で、アウタパネル周縁部のフランジ曲加工(ヘム加工)を行うとともに、このフランジ曲加工部位をスポット溶接する車体パネル部品の製造ラインとしては、例えば図4に示すようなものがある。
【0003】
ここでの車体パネル部品は、搬送用コンベア1によって図中で左から右方向へ各作業工程に対応して順次搬送されるものとする。まず、作業者3がアウタパネル5を、セット/シーリング工程Aにて治具上にセットした後、シーリング用ロボット7にてアウタパネル5の周縁部に接着剤を塗布するシーリング作業を行う。次のマスチック工程Bでは、マスチック用ロボット9にてアウタパネル5の中央部やその周辺に接着剤を塗布する。続くインナパネルマリッジ工程Cでは、作業者3が、接着剤が塗布されたアウタパネル5にインナパネル11を結合させて両者を一体化させトランクリッド部品13とする。
【0004】
一体化したトランクリッド部品13は、プリヘム工程Dでアウタパネルの周縁部に対するヘムプレス加工(フランジ曲加工)の予備加工であるプリヘム加工が施された後、次のヘムプレス工程Eでへムプレス加工が施される。ヘムプレス加工が終了したトランクリッド部品13は、アフタヘムスポット溶接工程F,Gのいずれかで治具にセットされた状態で、上記ヘムプレス加工した部位が、溶接用ロボット15によりスポット溶接される。スポット溶接作業が終了したトランクリッド部品13は、次のアンローディング工程Hで、作業者19あるいはアンローディングロボットにより外部へ搬出される。
【0005】
ヘムプレス工程Eにおける、トランクリッド部品13の搬送方向に向けて左右両側方には、ダイストレージ21,23がそれぞれ設置され、この各ダイストレージ21および23には、車種に対応した各種トランクリッド部品13に対してそれぞれヘムプレス加工を行うためのヘムダイ25,27および29,31が収容されている。これらの各ヘムダイ25,27および29,31は、ダイストレージ21および23上にて図中で左右方向に移動可能であるとともに、ヘムプレス工程Eに対応する位置にて、ダイストレージ21,23とヘムプレス工程Eとの間を移動可能である。
【0006】
上記ヘムプレス工程Eでの4車種に対応するヘムダイ25,27,29,31に対応して、アフタヘムスポット溶接工程FおよびGでは、それぞれ2車種に対応する治具33,35および治具37,39を備え、全部で4車種に対応する治具が配置されることとなる。これら各治具33,35および37,39は、図中で上下方向に移動可能であり、製造する車種に該当するいずれかの治具33,35,37,39を搬送用コンベア1上に移動させた状態でトランクリッド部品13がセットされる。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上記した車体パネル部品の製造ラインでは、4車種のトランクリッド部品13の製造が可能であるが、例えば自動車をモデルチェンジした際には、ダイストレージ21,23上のヘムダイ25,27,29,31に対して新たなヘムダイが必要になるとともに、アフタヘムスポット溶接工程F,Gで使用する治具33,35,37,39についても、新たな治具が必要となる。
【0008】
このうち、アフタヘムスポット溶接工程F,Gでの治具交換については、製造ラインの両側にダイストレージ21,23が設置されていることから、周囲の溶接用ロボット15を撤去するなど、大がかりな作業が必要となり、治具交換作業が極めて困難になるなど、製造ラインの改造にかなりの時間を要するものとなる。
【0009】
また、上記した製造ラインでは、トランクリッド部品13の製造に対応しているが、車体パネル部品の搬送にその部品専用の治具を備えた搬送用コンベア1を利用していることから、例えばドアやフードあるいはバックドアなど他の車体パネル部品をも製造可能とする、いわゆる混流生産ができず、多品種少量生産に対応できないという不具合がある。
【0010】
そこで、この発明は、製造ラインの改造を短時間で行えるようにするとともに、異なる車体パネル部品にも対応可能な混流生産を行えるようにすることを目的としている。
【0011】
【課題を解決するための手段】
前記目的を達成するために、請求項1の発明は、車体パネル部品をプレス加工するプレス加工工程部に対して一方の側方に、前記プレス加工工程部で加工する各種車体パネル部品に対応した複数のプレス型を配置可能で、かつ前記プレス加工工程部にセットされるプレス型を交換可能なプレス型交換機能を備えたプレス型収容部を設け、前記プレス加工工程部で加工した後の車体パネル部品の搬入を受けてスポット溶接を行うスポット溶接工程部を、前記プレス型収容部に対し前記プレス加工工程部と同じ側でかつこのプレス加工工程部に隣接して配置し、前記スポット溶接工程部の前記プレス型収容部および前記プレス加工工程部を配置していない側方に、前記各種車体パネル部品に対応した治具を配置可能で、かつ前記スポット溶接工程部にセットされる治具を交換可能な治具交換機能を備えた治具収容部を設け、この治具収容部の一方の側方のみに前記プレス型収容部を配置した構成としてある。
【0012】
このような構成の車体パネル部品の製造ラインによれば、製造を行う車体パネル部品に対応したプレス型を、プレス型収容部からプレス加工工程部に投入した状態で、この投入してあるプレス型に対応する車体パネル部品をプレス加工工程部に搬入してプレス加工を行う。続いて上記車体パネル部品に対応する治具を、治具収容部からスポット溶接工程部に投入した状態で、この投入してある治具に車体パネル部品をセットしてスポット溶接を行う。
【0013】
請求項2の発明は、請求項1の発明の構成において、プレス型収容部は、プレス加工工程部とスポット溶接工程部とを結ぶ製造ラインに沿って複数のプレス型が移動可能に配列されている。
【0014】
上記構成によれば、プレス型収容部に収容されている複数のプレス型は、製造ラインに沿って移動することで必要とするものが選択され、この選択されたプレス型がプレス加工工程部へ投入される。
【0015】
請求項3の発明は、請求項1の発明の構成において、治具収容部は、複数のものが上下方向に積み重なるよう上下動可能に配列されている。
【0016】
上記構成によれば、治具収容部に収容されている複数の治具は、上下方向に移動することで必要となるものが選択され、この選択された治具がスポット溶接工程部へ投入される。
【0017】
請求項4の発明は、請求項1の発明の構成において、車体パネル部品の搬送を、前記車体パネル部品に対応したロボットハンドに交換可能な搬送用ロボットで行う構成としてある。
【0018】
上記構成によれば、車体パネル部品を搬送する際には、搬送用ロボットによりその車体パネル部品に対応したロボットハンドを装着した状態で行う。
【0019】
請求項5の発明は、請求項1の発明の構成において、スポット溶接工程部で溶接した後の車体パネル部品の搬入を受けて外部に搬出する搬出用コンベアを前記プレス型収容部の上方に配置し、前記搬出用コンベアの車体パネル部品に対する搬出方向前方側の端部を、本製造ラインへの車体パネル部品の搬入側に設定してある。
【0020】
上記構成によれば、プレス型収容部の上方に配置した搬出用コンベアは、スポット溶接が終了した車体パネル部品を、本製造ラインの車体パネル部品の搬入側に搬出する。
【0021】
請求項6の発明は、請求項5の発明の構成において、搬出用コンベアは、各種車体パネル部品を搬出可能なように、幅広のベルトコンベアで構成されている。
【0022】
上記構成によれば、各種車体パネル部品は、幅広のベルトコンベア上に載置された状態で搬出される。
【0023】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの発明の構成において、車体パネル部品は、インナパネルとアウタパネルとがマリッジされたものが、プレス加工工程部へ搬入されてフランジ曲加工が施され、スポット溶接工程部では、フランジ部位をスポット溶接する。
【0024】
上記構成によれば、インナパネルとアウタパネルとがマリッジされた車体パネル部品が、プレス加工工程部でフランジ曲加工された後、フランジ部位がスポット溶接工程部でスポット溶接される。
【0025】
請求項8の発明は、車体パネル部品が搬入されるプレス加工工程部に対し、このプレス加工工程部の一方の側方に配置したプレス型収容部から、前記各種車体パネル部品に対応したプレス型を投入した状態でプレス加工を行い、このプレス加工後の車体パネル部品が搬入されて前記プレス型収容部に対し前記プレス加工工程部と同じ側でかつこのプレス加工工程部に隣接して配置したスポット溶接工程部に対し、このスポット溶接工程部の前記プレス型収容部および前記プレス加工工程部を配置していない側方に配置しかつ一方の側方のみに前記プレス型収容部が配置された治具収容部から前記各種車体パネル部品に対応した治具を投入した状態で、この投入してある治具に前記車体パネル部品をセットしてスポット溶接を行い、このスポット溶接した後の車体パネル部品を搬出用コンベアで外部に搬出する車体パネル部品の製造方法としてある。
【0026】
上記車体パネル部品の製造方法によれば、プレス加工工程部の後工程のスポット溶接工程部で使用する治具の交換作業は、プレス加工工程部に対しプレス型収容部と反対側の開放された部位から行える。
【0027】
【発明の効果】
請求項1の発明によれば、複数のプレス型を収容するプレス型収容部が、製造ラインの一方の側方に配置されているので、その後工程であるスポット溶接工程部で使用する治具を、治具収容部に対して新たなものに交換する作業は、製造ラインに対しプレス型収容部と反対側の開放された部位から行え、作業効率の向上を図ることができる。また、複数の治具を収容する治具収容部が、スポット溶接工程部の側方、すなわち製造ライン外に配置されているので、治具収容部に対する治具の交換には、製造ライン外の治具収容部に投入すればよいので、新たに投入する治具の調整なども製造ライン外で行え、作業効率が向上する。
【0028】
請求項2の発明によれば、プレス型収容部は、プレス加工工程部とスポット溶接工程部とを結ぶ製造ラインに沿って複数のプレス型が移動可能に配列されているので、複数のプレス型は、プレス型収容部上を製造ラインに沿って移動することで必要とするものが選択され、プレス加工工程部へ投入することができる。
【0029】
請求項3の発明によれば、治具収容部は、複数のものが上下方向に積み重なるよう上下動可能に配列されているので、複数の治具は、治具収容部にて上下方向に移動することで必要となるものが選択され、スポット溶接工程部へ投入することができる。
【0030】
請求項4の発明によれば、車体パネル部品の搬送を、車体パネル部品に対応したロボットハンドに交換可能な搬送用ロボットで行うようにしたため、ロボットハンドを適宜交換することで、異なる車体パネル部品の搬送ができ、混流生産に対応可能となる。
【0031】
請求項5の発明によれば、スポット溶接後の車体パネル部品を外部に搬出する搬出用コンベアは、製造ラインに沿って配置されたプレス型収容部の上方に配置されているので、搬出用コンベアの水平方向の設置領域の拡大が抑制され、製造ライン全体としての設置スペースを小さく抑えることができる。また、搬出用コンベアの車体パネル部品に対する搬出方向前方側の端部を、本製造ラインにおける車体パネル部品の搬入部側に設定したので、車体パネル部品の搬入および搬出の双方に携わる作業者は一人で済み、作業効率の向上が達成される。
【0032】
請求項6の発明によれば、搬出用コンベアは、各種車体パネル部品を搬出可能なように、幅広のベルトコンベアで構成されているので、このベルトコンベア上に車体パネル部品を載置した状態で搬送することで、異なる車体パネル部品の搬送ができ、混流生産に対応可能となる。
【0033】
請求項7の発明によれば、インナパネルとアウタパネルとがマリッジされた車体パネル部品を、プレス加工工程部でフランジ曲加工し、フランジ部位を、スポット溶接工程部でスポット溶接することができる。
【0034】
請求項8の発明によれば、プレス加工工程部の後工程のスポット溶接工程部で使用する治具の交換作業は、プレス加工工程部の一方の側方に配置したプレス型収容部と反対側の開放された部位から行えるので、容易かつ短時間に行え、作業効率の向上を図ることができる。
【0035】
【発明の実施の形態】
以下、この発明の実施の形態を図面に基づき説明する。
【0036】
図1は、この発明の実施の一形態を示す車体パネル部品の製造ラインの全体構成を示す平面図、図2は同製造ラインの具体的な構成を示す平面図、図3は同正面図である。ここでの車体パネル部品としては、自動車における例えばトランクリッド、ドア、フードあるいはバックドアなどを対象としており、これら各車体パネル部品は、アウタパネルとインナパネルとを備えている。図1において、車体パネル部品を符号40で、アウタパネルを符号40aで、インナパネルを符号40bでそれぞれ示している。
【0037】
上記車体パネル部品40のアウタパネル40aの周縁部に対しフランジ曲加工を行うプレス加工工程部としてのヘムプレス加工工程部41が、本製造ラインのほぼ中央部に設置されている。このヘムプレス加工工程部41の図1および図2中で左側には、その前工程のプリヘム加工工程部43および、シーリングとマスチックを行う接着剤塗布工程部45,47が配置されている。
【0038】
プリヘム加工工程部43では、前記ヘムプレス加工工程部41におけるフランジ曲加工の予備加工がなされる。接着剤塗布工程部45,47のシーリング作業は、アウタパネル40aの周縁部に接着剤を塗布し、マスチック作業は、アウタパネル40aの中央部およびその周辺に接着剤を塗布する。
【0039】
上記接着剤塗布工程部45,47相互間には、これら各工程部45,47での接着剤の塗布を行う接着剤塗布用ロボット49が配置されている。接着剤が塗布されたアウタパネル40aに対しては、一人の作業者50がインナパネル40bをセットして両者を結合させる。接着剤塗布工程部45,47では、図示していないが、車種によって異なる車体パネル部品をセット可能な治具が四つ設けられており、この各治具は自動車のモデルチェンジの際などには、他の治具に交換可能である。
【0040】
プリヘム加工工程部43から接着剤塗布工程部45,47へのアウタパネル40aの搬送は、搬送用ロボットとしての第1のハンドリングロボット51によってなされる。第1のハンドリングロボット51は、上記各工程部43,45,47とヘムプレス加工工程部41との間に、図1および図2中で上下方向に延長されるガイド部53に沿って移動可能である。さらにこのガイド部53とヘムプレス加工工程部41との間には、第1のハンドリングロボット51の各種車体パネル部品に対応したロボットハンド55,57,59,61が配置されている。上記配置位置へのロボットハンド55,57,59,61の投入は台車を用い、またロボットハンド55,57,59,61の交換はオートチェンジャ機構が用いられる。
【0041】
ロボットハンド59とロボットハンド61との間には、第1のハンドリングロボット51によって搬入された車体パネル部品40を、ヘムプレス加工工程部41におけるプレス型としてのヘムダイ77上に送り出すコンベア63が設置されている。また、ヘムプレス加工工程部41にも、コンベア63から送り込まれた車体パネル部品40をヘムダイ77上に引き込むためのコンベアが設置されている。
【0042】
ヘムプレス加工工程部41の図1および図2中で右側には、その後工程のスポット溶接工程部65が設けられている。スポット溶接工程部65は、ヘムプレス加工工程部41でフランジ曲加工した部位をスポット溶接する工程で、その図中で上部側に配置した溶接用ロボット67によって溶接作業がなれる。このスポット溶接工程部65へ車体パネル部品40を送り込むためのコンベアがヘムプレス加工工程部41上に設置されている。
【0043】
上記スポット溶接工程部65では、車体パネル部品40を位置決め固定する治具68がセットされている。スポット溶接工程部65の図1および図2中で右側には、治具収容部としての治具チェンジャ・ストレージ69が配置されている。治具チェンジャ・ストレージ69には、4種類の車体パネル部品に対応する治具68(68a,68b,68c,68d)が収容されており、図3に示すように、上下方向に積み重なるよう配置されて、前部71および後部73にてそれぞれ上下方向に移動可能であるとともに、最上段部と最下段部において前部71と後部73との間を移動可能となっている。そして、スポット溶接工程部65に対し、前部71における最下段部71aの位置から必要とする治具68の投入および不要となった治具の引き上げがなされる。
【0044】
ヘムプレス加工工程部41の図1および図2中で下部側には、プレス型収容部としてのヘムダイチェンジャ・ストレージ75が設置されている。ヘムダイチェンジャ・ストレージ75は、接着剤塗布工程部45,47からスポット溶接工程部65に至る製造ラインに沿って図1および図2中で左右方向に延長配置され、三つのヘムダイ77(77a,77b,77c)が収容されている。これら各ヘムダイ77a,77b,77cはその配列方向に移動可能であるとともに、ヘムプレス加工工程部41に対し、ヘムダイ77aが配置されている位置から、必要とするヘムダイ77の投入および不要となったヘムダイ77の引き上げがなされる。
【0045】
ヘムプレス加工工程部41の上記ヘムダイチェンジャ・ストレージ75と反対側の側方(図1および図2中で上方)には、一つのヘムダイ77(77d)が配置されるヘムダイチェンジャ79が設けられている。このヘムダイチェンジャ79からヘムダイ77dが、必要時にヘムプレス加工工程部41に対して投入あるいは引き上げがなされる。
【0046】
スポット溶接工程部65とヘムダイチェンジャ・ストレージ75との間には、スポット溶接作業が終了した車体パネル部品40を搬出する搬送用ロボットとしての第2のハンドリングロボット81が設置されている。第2のハンドリングロボット81の近傍には、第2のハンドリングロボット81の各種車体パネル部品に対応したロボットハンド83,85,……が配置されている。この配置位置へのロボットハンド83,85,……の投入は台車を用い、またロボットハンド83,85,……の交換はオートチェンジャ機構が用いられる。
【0047】
上記第2のハンドリングロボット81によって把持された車体パネル部品40は、搬出用コンベア87によって外部へ搬出される。搬出用コンベア87は、各種車体パネル部品を搬送できるように1枚の幅広のベルトコンベアで構成されており、図3に示すように、ヘムダイチェンジャ・ストレージ75の上方に配置され、搬入側の一方の端部が第2のハンドリングロボット81の近傍にあり、搬出側の他方の端部がヘムダイチェンジャ・ストレージ75の一方の端部付近に位置している。上記搬出用コンベア87の他方の端部の前方には、搬出用コンベア87から搬出された車体パネル部品40を受ける受け台89が設置されている。
【0048】
上記搬出用コンベア87の搬出側の端部の位置は、接着剤塗布工程部45,47などが配置されている本製造ラインの車体パネル部品40の搬入部側に相当する。このため、本製造ラインにおける車体パネル部品40の搬入部および搬出部は、製造ラインの一方の端部に集約されていることとなり、車体パネル部品40の搬入および搬出時には前述した一人の作業者50が一人配置されている。
【0049】
次に、上記した車体パネル部品の製造ラインにおける車体パネル部品40の製造過程を説明する。まず、プリヘム工程部43で車体パネル部品40におけるアウタパネル40aの周縁部をプリヘム加工する。プリヘム加工されたアウタパネル40aは、ガイド部53上を移動する第1のハンドリングロボット51によって接着剤塗布工程部45または47のいずれかに搬送されて治具上に位置決めされ、ここで接着剤塗布用ロボット49によってシーリングおよびマスチック作業がなされる。このとき第1のハンドリングロボット51は、車体パネル部品の種類に応じてそれに対応するロボットハンド55,57,59,61のいずれかを装着している。
【0050】
接着剤が塗布されたアウタパネル40aに対して作業者50は、インナパネル40bをセットして両パネル40a,40b相互を一体化し、一体化した車体パネル部品40は、第1のハンドリングロボット51によってコンベア63まで搬送する。コンベア63の駆動により車体パネル部品40はヘムプレス加工工程部41へ搬送され、このヘムプレス加工工程部41上に設けられているコンベアの作動によって、ヘムプレス加工工程部41に投入されているヘムダイ77上にセットされる。このヘムダイ77は、ヘムダイチェンジャ・ストレージ75あるいはヘムダイチェンジャ79におけるヘムダイ77a,77b,77c,77dのいずれかに相当する。
【0051】
上記ヘムプレス加工工程部41にて、プリヘム加工を行った部位をヘム加工してフランジ曲げを行い、加工後の車体パネル部品40は、ヘムプレス加工工程部41上のコンベアによってスポット溶接工程部65に搬送される。
【0052】
スポット溶接工程部65では、車体パネル部品40は、治具68にセットされた状態でフランジ曲げされた部位が溶接用ロボット67によりスポット溶接される。上記治具68は、治具チェンジャ・ストレージ69における四つの治具68a,68b,68c,68dのいずれかに相当する。
【0053】
スポット溶接が終了した車体パネル部品40は、第2のハンドリングロボット81により搬出用コンベア87上に搬出される。このとき第2のハンドリングロボット81は、車体パネル部品40の種類に応じてそれに対応するロボットハンド83,85,……のいずれかを備えている。搬出用コンベア87は車体パネル部品40を載せて図2中で矢印Pで示す方向に搬送し、その搬送方向前方側の端部にて作業者50あるいは図示しないアンローディングロボットにより搬出し、これにより本製造ラインでの車体パネル部品40の製造が終了する。
【0054】
上記した車体パネル部品の製造ラインでは、自動車のモデルチェンジの際には、接着剤塗布工程部45,47で使用する治具、ヘムプレス加工工程部41で使用するヘムダイ77、あるいは、スポット溶接工程部65で使用する治具68などを、それぞれ新たなものに入れ換える必要がある。
【0055】
この入れ換え作業では、前記図4に示した従来のものでは、製造ラインの両側にダイストレージ21,23が設置されていることから、スポット溶接工程部65で使用する治具68の入れ換えが困難となっていた。
【0056】
ところが、上記実施の形態では、製造ラインに沿って延長されるヘムダイチェンジャ・ストレージ75は、製造ラインの一方の側方に配置されており、他方側には一つのヘムダイ77dを収容するヘムダイチェンジャ79が配置されているのみなので、この他方側は開放された状態となり、上記治具68の治具チェンジャストレージ69に対する入れ換え作業が容易かつ短時間で行え、作業効率が向上する。
【0057】
上記治具68の入れ換え作業において、新たな治具は、製造ライン外に設置されている治具チェンジャ・ストレージ69に投入すればよいので、治具68の調整なども製造ライン外で行え、作業効率が向上する。
【0058】
また、プリヘム工程部43から接着剤塗布工程部45,47およびコンベア63への車体パネル部品の搬送、および、スポット溶接工程部65から搬出用コンベア87への車体パネル部品の搬送は、それぞれ第1のハンドリングロボット51および第2のハンドリングロボット81により行っている。このため、これら各ハンドリングロボット51,81のロボットハンドを適宜交換することで、異なる種類の車体パネル部品、例えばトランクリッドのほかにドアやフードあるいはバックドアなどの各種のものに対応でき、多品種少量生産に最適な混流生産が可能となる。
【0059】
搬出用コンベア87の搬出側の端部を、本製造ラインの車体パネル部品の搬入側付近、すなわち接着剤塗布工程部45,47側に設定したので、車体パネル部品の搬入および搬出に携わる作業者は、作業者50の一人で済み、作業効率の向上が達成される。また上記搬出用コンベア87は、ヘムダイチェンジャ・ストレージ75の上方に設置しているので、搬出用コンベア87を設けることによる水平方向の設置領域の拡大が抑制され、製造ライン全体としての設置スペースを小さく抑えることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の実施の一形態を示す車体パネル部品の製造ラインの全体構成を示す平面図である。
【図2】図1の製造ラインの具体的構成を示す平面図である。
【図3】図2の製造ラインの正面図である。
【図4】従来例を示す車体パネル部品の製造ラインの全体構成を示す平面図である。
【符号の説明】
40 車体パネル部品
40a インナパネル
40b アウタパネル
41 ヘムプレス加工工程部
51 第1のハンドリングロボット(搬送用ロボット)
55,57,59,61,83,85 ロボットハンド
65 スポット溶接工程部
69 治具チェンジャ・ストレージ(治具収容部)
75 ヘムダイチェンジャ・ストレージ(プレス型収容部)
77a,77b,77c,77d ヘムダイ(プレス型)
81 第2のハンドリングロボット(搬送用ロボット)
87 搬出用コンベア
Claims (8)
- 車体パネル部品をプレス加工するプレス加工工程部に対して一方の側方に、前記プレス加工工程部で加工する各種車体パネル部品に対応した複数のプレス型を配置可能で、かつ前記プレス加工工程部にセットされるプレス型を交換可能なプレス型交換機能を備えたプレス型収容部を設け、前記プレス加工工程部で加工した後の車体パネル部品の搬入を受けてスポット溶接を行うスポット溶接工程部を、前記プレス型収容部に対し前記プレス加工工程部と同じ側でかつこのプレス加工工程部に隣接して配置し、前記スポット溶接工程部の前記プレス型収容部および前記プレス加工工程部を配置していない側方に、前記各種車体パネル部品に対応した治具を配置可能で、かつ前記スポット溶接工程部にセットされる治具を交換可能な治具交換機能を備えた治具収容部を設け、この治具収容部の一方の側方のみに前記プレス型収容部を配置したことを特徴とする車体パネル部品の製造ライン。
- プレス型収容部は、プレス加工工程部とスポット溶接工程部とを結ぶ製造ラインに沿って複数のプレス型が移動可能に配列されていることを特徴とする請求項1記載の車体パネル部品の製造ライン。
- 治具収容部は、複数のものが上下方向に積み重なるよう上下動可能に配列されていることを特徴とする請求項1記載の車体パネル部品の製造ライン。
- 車体パネル部品の搬送を、前記車体パネル部品に対応したロボットハンドに交換可能な搬送用ロボットで行うことを特徴とする請求項1記載の車体パネル部品の製造ライン。
- スポット溶接工程部で溶接した後の車体パネル部品の搬入を受けて外部に搬出する搬出用コンベアを前記プレス型収容部の上方に配置し、前記搬出用コンベアの車体パネル部品に対する搬出方向前方側の端部を、本製造ラインへの車体パネル部品の搬入側に設定したことを特徴とする請求項1記載の車体パネル部品の製造ライン。
- 搬出用コンベアは、各種車体パネル部品を搬送可能なように、幅広のベルトコンベアで構成されていることを特徴とする請求項5記載の車体パネル部品の製造ライン。
- 車体パネル部品は、インナパネルとアウタパネルとがマリッジされたものが、プレス加工工程部へ搬入されてフランジ曲加工が施され、スポット溶接工程部では、フランジ部位をスポット溶接することを特徴とする請求項1ないし6のいずれかに記載の車体パネル部品の製造ライン。
- 車体パネル部品が搬入されるプレス加工工程部に対し、このプレス加工工程部の一方の側方に配置したプレス型収容部から、前記各種車体パネル部品に対応したプレス型を投入した状態でプレス加工を行い、このプレス加工後の車体パネル部品が搬入されて前記プレス型収容部に対し前記プレス加工工程部と同じ側でかつこのプレス加工工程部に隣接して配置したスポット溶接工程部に対し、このスポット溶接工程部の前記プレス型収容部および前記プレス加工工程部を配置していない側方に配置しかつ一方の側方のみに前記プレス型収容部が配置された治具収容部から前記各種車体パネル部品に対応した治具を投入した状態で、この投入してある治具に前記車体パネル部品をセットしてスポット溶接を行い、このスポット溶接した後の車体パネル部品を搬出用コンベアで外部に搬出することを特徴とする車体パネル部品の製造方法。
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