JP3672737B2 - 基板乾燥装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、半導体装置製造用基板や液晶表示器などの製造に用いられる基板(以下、単に「基板」という)を回転させることよって当該基板の乾燥処理を行う基板乾燥装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、上記基板の製造工程においては、フッ酸等によるエッチング処理、純水による洗浄処理等を経た後、基板乾燥装置によって乾燥処理を行うことにより、一連の処理が達成されている。基板乾燥装置としては種々の形式のものが使用されており、基板を回転させつつ遠心力によって乾燥処理を行う装置(いわゆるスピンドライヤー)もその1つである。
【0003】
従来より使用されている回転式の基板乾燥装置としては、例えば特開平6−112186号公報に開示されたものがある。この装置では、基板保持用のボート(基板保持具45)が横軸型ロータに対して着脱自在に設けられている。乾燥装置外部との基板の受け渡しは、横軸型ロータの下側に配置された保持具昇降手段がボートを突き上げ、装置外部の基板搬送ロボットがそのボートに複数の基板を渡すまたは受け取ることによって行われる。また、基板の乾燥時には、複数の基板とともにそれを保持するボートも横軸型ロータに固定され、当該横軸型ロータが回転することによって乾燥が行われていた。すなわち、横軸型ロータによって基板およびボートが回転され、基板に付着している液滴が遠心力によって除去されるように構成されていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来の基板乾燥装置においては、乾燥処理時にフィルターを介して吸気を行っているものの、チャンバー内の雰囲気は大気雰囲気であるため、酸素やその他のガス(NOx、SOx、ボロン系ガス、シロキサン系ガスなど)が介在し、不要な自然酸化膜の形成、ウォーターマークの生成、ガス・パーティクルの吸着による汚染等の問題が生じていた。そして、このような基板の汚染は、デバイスの歩留まりの低下の原因となっていた。
【0005】
また、従来の基板乾燥装置では、基板とともにボートも横軸型ロータに固定されて、回転されるため、回転対象物全体の慣性モーメントが大きくなり、加速に長時間を要していた。このため、基板に付着している液滴の除去に要する時間が長時間化し、不要な自然酸化膜の形成やウォーターマーク生成の問題を助長することとなっていた。
【0006】
さらに、ボートを固定するための固定機構を横軸型ロータに設ける必要があるため、横軸型ロータの構造が複雑となって汚染蓄積の可能性が生じるとともに、その固定機構自体が慣性モーメントを大きくし、横軸型ロータの加速に要する時間をさらに長時間化させることとなっていた。これにより、上述の問題がより発生しやすいものとなっていた。
【0007】
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、回転乾燥処理時における基板の汚染を防止することができる基板乾燥装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するため、請求項1の発明は、基板を回転させることよって当該基板の乾燥処理を行う基板乾燥装置であって、(a)処理液が付着した基板を収容するチャンバーと、(b)前記チャンバー内に設けられ、水平方向を軸として回転するロータと、(c)前記ロータよりも上方の基板受渡位置にて前記装置の外部と基板の受け渡しを行うとともに、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う移載手段と、(d)前記基板受渡位置と、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う基板移載位置と、前記ロータより下方の待避位置とに前記移載手段を昇降させる昇降手段と、(e)前記ロータに設けられ、前記移載手段から渡された基板を保持する基板保持手段と、を備え、前記移載手段に、 (c-1) 前記基板を起立姿勢にて支持する複数の支持板と、 (c-2) 前記複数の支持板の相互間に設けられた液滴通過空間と、を備える。
【0009】
また、請求項2の発明は、基板を回転させることよって当該基板の乾燥処理を行う基板乾燥装置であって、 (a) 処理液が付着した基板を収容するチャンバーと、 (b) 前記チャンバー内に設けられ、水平方向を軸として回転するロータと、 (c) 前記ロータよりも上方の基板受渡位置にて前記装置の外部と基板の受け渡しを行うとともに、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う移載手段と、 (d) 前記基板受渡位置と、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う基板移載位置と、前記ロータより下方の待避位置とに前記移載手段を昇降させる昇降手段と、 (e) 前記ロータに設けられ、前記移載手段から渡された基板を保持する基板保持手段と、を備え、前記移載手段に、 (c-1) 前記基板を起立姿勢にて支持する複数の支持板と、 (c-3) 前記複数の支持板のそれぞれに開けられた気流通過穴と、を備える。
【0010】
また、請求項3の発明は、請求項1または請求項2の発明に係る基板乾燥装置において、前記ロータを、1対の回転体に前記基板保持手段を架設したものとし、前記回転体のそれぞれを、その回転中心と前記基板保持手段が架設される架設位置とを連結する連結部材を用いて形成している。
【0011】
また、請求項4の発明は、請求項1から請求項3のいずれかの発明に係る基板乾燥装置において、前記複数の支持板のそれぞれを、前記移載手段が前記待避位置に位置しているときに、前記基板保持手段に保持された基板の径方向と実質的に平行となる姿勢で設けている。
【0012】
また、請求項5の発明は、請求項1から請求項4のいずれかの発明に係る基板乾燥装置において、前記昇降手段に、前記移載手段を支持する支持軸を設け、前記支持軸を、前記基板保持手段に保持された前記基板の回転面と交わらないように設けている。
【0013】
また、請求項6の発明は、請求項1から請求項5のいずれかの発明に係る基板乾燥装置において、(f)前記チャンバー内を減圧する減圧手段を、さらに備えている。
【0014】
また、請求項7の発明は、請求項1から請求項6のいずれかの発明に係る基板乾燥装置において、(g)前記チャンバー内に窒素、加熱窒素、極低温窒素、イソプロピルアルコール、加熱蒸気のいずれかを供給するガス供給手段を、さらに備えている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ本発明の実施の形態について詳細に説明する。
【0016】
まず、本発明に係る基板乾燥装置を組み込んだ基板処理ユニットの一例について簡単に説明する。図1は、本発明に係る基板乾燥装置を組み込んだ基板処理ユニットを示す概略構成図である。なお、図1および以下の各図には、それらの方向関係を明確にするため、XYZ直交座標系を必要に応じて付している。
【0017】
この処理ユニットは、基板にフッ酸等による薬液処理および純水による洗浄処理を行った後、基板を回転させることによって乾燥処理を行うユニットである。この処理ユニットは、複数の基板Wを収容したカセットCの搬入搬出を行う搬出入部110と、基板取出部120と、3つの液処理部130と、本発明に係る基板乾燥装置100と、基板搬送ロボットTRとを備える。
【0018】
搬出入部110は、未処理基板Wを収容したカセットCを基板取出部120に渡す。基板取出部120は、カセットCから複数の未処理基板Wを突き上げて基板搬送ロボットTRに渡す。基板搬送ロボットTRは、水平方向(X方向)に移動自在であり、基板Wを液処理部130および基板乾燥装置100に順次搬送する。
【0019】
3つの液処理部130は、それぞれ基板Wに対して薬液処理または純水洗浄処理を行う処理部である。そして、純水による洗浄処理が終了した基板Wは基板搬送ロボットTRによって基板乾燥装置100に渡され、乾燥処理に供される。なお、基板乾燥装置100についてはさらに詳述する。
【0020】
乾燥処理が終了した基板Wは、再び基板搬送ロボットTRによって基板取出部120上方にまで搬送される。そして、基板取出部120は、処理済みの基板Wを基板搬送ロボットTRから受け取ってカセットCに収納する。複数の処理済み基板Wを収容したカセットCは搬出入部110に渡され、そこから処理ユニット外部に搬出される。
【0021】
次に、基板乾燥装置100についてさらに説明を続ける。図2は、基板乾燥装置100の要部構成を示す正面図である。また、図3は、基板乾燥装置100の要部構成を示す側面図である。
【0022】
本実施形態の基板乾燥装置100は、チャンバー5の内部にロータ10および移載部20を備えるとともに、チャンバー5の外部に移載部20を昇降させる昇降機構30および雰囲気制御手段を備える。
【0023】
チャンバー5は、その軸を水平方向(Y方向)とする略円筒形状の処理室である。チャンバー5の上部には、図示を省略する開閉手段によってZ方向に昇降し、X方向に水平移動することによって、開閉自在とされたオートカバー6が設けられている。オートカバー6が閉められた状態(図2に示す状態)において、オートカバー6とチャンバー5との間にはシール部材6aが設けられており、チャンバー5内部の気密性が保たれる。すなわち、チャンバー5は密閉型のチャンバーである。
【0024】
チャンバー5には配管81、バルブ82を介してガス供給手段80が接続されている。ガス供給手段80は、チャンバー5内部の雰囲気制御手段の1つであり、窒素、加熱窒素、極低温窒素、IPA(イソプロピルアルコール)、加熱蒸気のいずれかを供給してチャンバー5内部の酸素分圧を低下させることができる。
【0025】
また、チャンバー5の下部には配管88が接続されている。配管88は、経路途中において2つに分岐しており、その一方はバルブ85を介して処理ユニット外部の排気ラインに連通され、他方はバルブ86を介して減圧ポンプ87に接続されている。減圧ポンプ87は、チャンバー5内部の雰囲気制御手段の1つであり、密閉状態のチャンバー5内部を強制排気によって減圧雰囲気とすることができる。
【0026】
チャンバー5の内部には、ロータ10が設けられている。図示の如く、ロータ10は1対の「X字型」のエンドプレート11間に2つの固定式基板保持部材12および2つの可動式基板保持部材15を架設した構造とされている。固定式基板保持部材12は、その両端が2枚のエンドプレート11に固設されるとともに、それぞれが1枚の基板Wを保持する溝が複数刻設されている。一方、可動式基板保持部材15は、その両端が2枚のエンドプレート11に回動軸15aを中心として回動自在に接続されるとともに、それぞれが1枚の基板Wを保持する溝が複数刻設されている。可動式基板保持部材15は、図示を省略するリンク機構によって回動するように構成されており、基板Wの端縁を押圧・保持する位置(図2の実線位置)と基板Wを解放する位置(図2の2点鎖線位置)との間で回動する。なお、このリンク機構としては、例えば既述した従来技術と同様のものを使用すればよく、ロータ10の回転時においても当該リンク機構によって基板Wを確実に保持することが可能である。
【0027】
2枚のエンドプレート11のそれぞれの中心部にはロータ軸18が固設されている。ロータ軸18は、シール部材19を介してチャンバー5に対して回転自在に設けられている。すなわち、シール部材19はチャンバー5内部の気密性を維持するとともに、ロータ軸18を回転自在に保持する役割を果たしている。そして、1つのロータ軸18はその一方側端部(エンドプレート11に固設されているのと反対側の端部)がチャンバー5の外部に設けられたモータMに接続されている。このような構成により、モータMの回転によって、ロータ10およびロータ10に保持された複数の基板Wを回転させることが可能である。なお、2枚のエンドプレート11のそれぞれには、バランサー13が設けられており、ロータ10回転時の回転バランスが保たれている。
【0028】
チャンバー5内部のロータ10の下方には、移載部20が設けられている。図4は、移載部20を示す斜視図である。図示の如く、移載部20は、1対の側板22の間に3つの基板支持板21a,b,cを架設した構造とされている。3つの基板支持板21a,b,cのそれぞれの両端は側板22に固設されている。また、基板支持板21a,b,cには、それぞれが1枚の基板Wを保持する溝が複数刻設されている。なお、基板支持板21a,b,cにおいて、基板Wと接触する樹脂部21aa、21ba、21caはそれぞれステンレス等の耐食性の金属からなる金属部21ab、21bb、21cbに固定されており、当該金属部21ab、21bb、21cbが側板22、22に固定されている。金属部21ab、21bb、21cbには複数の気流通過穴201が開けられている。また、両側の基板支持板21a,cについては鉛直方向から傾斜されて設けられているのであるが、この意義については後述する。
【0029】
図3に戻り、チャンバー5の下方には、移載部20を昇降させる昇降機構30が設けられている。昇降機構30は、モータ31と、ベルト32と、雄ねじ33と、支持ブロック34と、支持軸35とを備える。モータ31の回転軸と雄ねじ33の下端にはベルト32が掛けられている。雄ねじ33には支持ブロック34が螺合され、当該支持ブロック34の上面には支持軸35の下端が接続されている。支持軸35の上端は、移載部20の2つの側板22のそれぞれの底部に固設されている。
【0030】
モータ31の正または逆回転はベルト32を介して雄ねじ33に伝達され、雄ねじ33を回転させる。そして、雄ねじ33の回転に伴って支持ブロック34が上下方向に移動し、支持ブロック34に連結された移載部20が昇降する。このような構成により、移載部20は、基板搬送ロボットTRと基板Wの受け渡しを行う基板受渡位置P3と(図2参照)、ロータ10と基板Wの受け渡しを行う基板移載位置P2と、ロータ10より下方の待避位置P1との間で昇降機構30によって昇降されることとなる。なお、移載部20を昇降させる機構としては、このような形態に限定されるものではなく、エアシリンダやアクチュエータ等を用いた昇降機構であってもよい。
【0031】
以上、本発明に係る基板乾燥装置100の構成について説明したが、次に本装置の動作について説明する。なお、本実施形態においては、移載部20が移載手段に相当し、昇降機構30が昇降手段に相当し、固定式基板保持部材12および可動式基板保持部材15が基板保持手段に相当し、エンドプレート11が回転体に相当する。
【0032】
まず、液処理部130における液処理が終了し、処理液(ここでは、洗浄処理に使用された純水)が付着した複数の基板Wが基板搬送ロボットTRによって基板乾燥装置100の上方まで搬送される。そして、移載部20が昇降機構30によって基板受渡位置P3まで上昇し、基板搬送ロボットTRから処理液の付着した複数の基板Wを受け取る。このときには、移載部20の3つの基板支持板21a,b,cに刻設された溝に基板Wの端縁がはまり込み、複数の基板Wが相互に所定の間隔を隔てた起立姿勢(主面を水平方向に向けた姿勢)にて支持される。
【0033】
次に、昇降機構30が移載部20を基板移載位置P2まで降下させる。基板移載位置P2においては、移載部20の3つの基板支持板21a,b,cによって支持されていた複数の基板Wがロータ10の2つの固定式基板保持部材12に渡される。このときにも、ロータ10の2つの固定式基板保持部材12に刻設された溝に基板Wの端縁がはまり込み、複数の基板Wが相互に所定の間隔を隔てた起立姿勢にて保持される。
【0034】
その後、移載部20は昇降機構30によって待避位置P1まで降下する。移載部20が待避位置P1まで降下した状態においては、支持軸35に周設された環状部材35aがチャンバー5の底壁に嵌合することとなり、これによってロータ10回転時のチャンバー5内部の気密性が維持される。
【0035】
一方、2つの固定式基板保持部材12に保持された複数の基板Wは、2つの可動式基板保持部材15の回動によってロータ10に確実に保持されることとなる。すなわち、2つの可動式基板保持部材15が図2中の2点鎖線位置から実線位置に回動することにより、可動式基板保持部材15に刻設された溝に基板Wの端縁がはまり込み、複数の基板Wが2つの固定式基板保持部材12および2つの可動式基板保持部材15によって4点で確実に保持される。
【0036】
その後、オートカバー6が閉じられ、チャンバー5内部の気密性が十分な状態とされた後、モータMによってロータ10の矢印A方向への回転が開始される。このときには、バルブ82を開いてガス供給手段80からチャンバー5内部に、窒素、加熱窒素、極低温窒素、IPA、加熱蒸気のいずれかを供給するようにしてもよいし、また、バルブ86を開いて減圧ポンプ87の強制排気によりチャンバー5内部を減圧雰囲気としてもよい。
【0037】
ロータ10の回転に伴って、それに保持された複数の基板Wも回転し、当該基板Wに付着した処理液が遠心力によって除去されて乾燥処理が進行する。
【0038】
基板Wの乾燥処理が終了すると、上述したのとは逆の手順によって乾燥後の基板Wが基板乾燥装置100外部に出される。すなわち、オートカバー6が開けられるとともに、2つの可動式基板保持部材15が図2中の実線位置から2点鎖線位置まで回動することにより、基板Wが解放される。そして、移載部20が昇降機構30によって基板移載位置P2まで上昇することにより、複数の基板Wがロータ10から移載部20に渡される。移載部20がさらに上昇し、基板受渡位置P3まで上昇したときに基板Wを基板搬送ロボットTRに渡す。その後、基板搬送ロボットTRは基板取出部120まで乾燥処理後の基板Wを搬送する。
【0039】
以上のようにすれば、まず、既述した従来技術のように基板保持用のボートを使用していないため、ロータ10とともにボートを回転させる必要もなくなり、回転対象物全体の慣性モーメントを従来よりも小さくすることができる。その結果、ロータ10の加速を迅速かつ短時間に行うことができ、基板に付着している液滴の除去に要する時間が短時間化できるとともに、不要な自然酸化膜の形成やウォーターマーク生成の問題を回避し易くして回転乾燥処理時における基板Wの汚染を防止することができる。
【0040】
また、ロータ10にボートを固定するための固定機構を設ける必要もないため、ロータ10の構造を従来より簡素なものとして汚染蓄積の可能性を低減することができる。そして、ボートを固定するための固定機構を設ける必要がないため、回転対象物全体の慣性モーメントをより小さくすることができ、ロータ10の加速に要する時間をさらに短時間化させることができる。その結果、上述の効果がより得られ易くなる。
【0041】
また、ロータ10のエンドプレートの形状が従来技術では円板であったのに対して、本実施形態では「X字型」のエンドプレート11としているため、エンドプレート11の質量が小さなものとなり、ロータ10自体の慣性モーメントを従来よりも小さくすることができる。その結果、ロータ10の加速をより迅速かつ短時間に行うことができ、上記と同じ効果をさらに高めることができる。
【0042】
ところで、回転乾燥処理時において移載部20に処理液が付着していると、基板Wの回転に伴ってチャンバー5内部に発生した気流によりその処理液が飛散し、基板Wに付着して汚染の原因となることがある。本実施形態においては、図4に示すように、移載部20の基板支持板21aと基板支持板21bとの間および基板支持板21bと基板支持板21cとの間に間隔が開けられ、その間隔が液滴通過空間とされている。このため、移載部20が複数の基板Wを保持したときに、基板Wに付着していた処理液は液滴通過空間から落下し、移載部20に溜まることがない。その結果、移載部20に溜まった処理液の飛散による基板Wの汚染を防止することができる。
【0043】
また、基板Wの回転乾燥処理時には、基板Wから処理液が遠心力によって飛散するのであるが、本実施形態においては移載部20に液滴通過空間が設けられており、基板Wから飛散した液滴はその液滴通過空間を通り抜け、移載部20にはほとんど付着することがない。従って、移載部20に付着した処理液が、基板Wの回転に伴う気流によって再度飛散し、基板Wに再付着することによる汚染を防止することができる。
【0044】
また、移載部20の両側の基板支持板21a,cについては鉛直方向から傾斜されて設けられている。より厳密に述べると、移載部20が待避位置P1まで降下した状態において、ロータ10に保持された基板Wの径方向と実質的に平行となる姿勢で基板支持板21a,b,cは設けられている。図5は、傾斜された基板支持板21a,b,cの機能について説明する図である。同図に点線で示すように、回転処理中の基板Wからは遠心力によってその径方向に液滴が飛散することが多い。ここで、基板支持板21a,b,cが基板Wの径方向と実質的に平行に設けられていることにより、基板支持板21a,b,cの全てを鉛直方向に設けた場合に比較して基板Wから遠心力によって飛散した処理液がスムーズに液滴通過空間を通過し、移載部20に付着しにくくなる。その結果、移載部20に付着する処理液をより低減することができ、気流による再付着に起因した基板Wの汚染をより確実に防止することができる。
【0045】
また、基板支持板21a、21b、21cには気流通過穴201が開けられているので、回転乾燥処理時には当該気流通過穴201を通って気流がチャンバー5内から配管88の方向に向かって流れる。このため、待避位置P1にある移載部20がチャンバー5から配管88へ向かう気流の進行を阻害することを抑制でき、処理液を迅速にチャンバー5外に排出できる。よって基板Wを迅速に乾燥させることができる。
【0046】
また、図3に示すように、移載部20は2本の支持軸35によって支持されている。そして、2本の支持軸35はロータ10に保持された複数の基板Wの回転面(基板Wの主面を仮想的にXZ方向に延長した平面)と交わらないように設けられている。すなわち、ロータ10に保持された複数の基板Wの回転面は、XZ平面と平行な平面であって基板Wの数と同じだけ存在するのであるが、それらのいずれとも交わらないように移載部20の両端(Y方向の両端)に支持軸35が接続されている。回転処理中の基板Wからは遠心力によってその回転面に沿って液滴が飛散するのであるが、支持軸35がロータ10に保持された複数の基板Wの回転面と交わらないように設けられているため、飛散した処理液が支持軸35に付着することはない。このため、支持軸35に付着した処理液が、基板Wの回転に伴う気流によって再度飛散し、基板Wに再付着することによる汚染を防止することができる。
【0047】
また、特に本実施形態ではロータ10に保持される複数の基板の内、両端の基板の回転面に挟まれる空間よりも外側に支持軸35を設けているので、飛散した処理液が支持軸35に付着して、付着した処理液が再度飛散することや、飛散した処理液が支持軸35に当たって跳ね返り、基板Wに付着することをより確実に防止することができる。
【0048】
また、回転乾燥処理時においてガス供給手段80からチャンバー5内部に、窒素、加熱窒素、極低温窒素、IPA、加熱蒸気のいずれかを供給すれば、チャンバー5内部の酸素やその他のガス(NOx、SOx、ボロン系ガス、シロキサン系ガスなど)の分圧を低下させ、不要な自然酸化膜の形成、ウォーターマークの生成、ガス・パーティクルの吸着による基板Wの汚染を防止することができる。
【0049】
さらに、回転乾燥処理時において減圧ポンプ87の強制排気によりチャンバー5内部を減圧雰囲気としても酸素やその他のガスの分圧を低下させ、上記ガス供給手段80に依るのと同様の効果を得ることができる。
【0050】
以上、本発明の実施の形態について説明したが、この発明は上記の例に限定されるものではない。例えば、上記実施形態においては、ロータ10のエンドプレート11の形状を「X字型」としていたが、これに限られるものではない。図6は、エンドプレート11の他の形状を適用した基板乾燥装置の一例を示す図である。図6に示す基板乾燥装置が図2に示した基板乾燥装置と異なるのは、エンドプレート11の形状が「Y字型」である点である。従って、図6の形態においては、複数の基板Wが1つの固定式基板保持部材12および2つの可動式基板保持部材15によって3点で保持されることとなる。また、エンドプレート11の形状に対応して、移載部20の形状も固定式基板保持部材12と干渉しないようにX方向に2つに分離した形状としている。残余の点については、上記実施形態(図2の形態)と同じであるため、その説明は省略する。
【0051】
このようにしても、エンドプレート11を円板ではなく「Y字型」としているため、エンドプレート11の質量が小さなものとなり、ロータ10自体の慣性モーメントを従来よりも小さくすることができる。その結果、ロータ10の加速をより迅速かつ短時間に行うことができ、基板に付着している液滴の除去に要する時間が短時間化できるとともに、不要な自然酸化膜の形成やウォーターマーク生成の問題を回避し易くして回転乾燥処理時における基板Wの汚染を防止することができる。
【0052】
また、エンドプレート11は5点で基板Wを支持する形状であってもよいし、それ以上の点で基板Wを支持する形状であっても良い。換言すれば、エンドプレート11に最低限要求されるのは、ロータ軸18が固設される回転中心と基板保持手段(固定式基板保持部材12および可動式基板保持部材15)が架設される架設位置とを連結する帯状または棒状の連結部材であり、そのような連結部材を用いて形成されているものであれば本発明に係る基板乾燥装置に適用可能である。もっとも、図2および図6に示したような放射状形状のエンドプレート11であれば、必要最小限の連結部材のみによって構成されているため、ロータ10の軽量化による効果を効率よく得ることができる。
【0053】
また、本実施形態では移載部20の基板支持板21a、21b、21cにおいて、樹脂部を板状の金属部に固定したが、移載部20の正面断面図である図7のように該金属部を断面略円形のパイプ形状のパイプ形金属部211ab、211bb、211cbとし、それに樹脂部211aa、211ba、211caを固定するようにしても良い。
【0054】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、移載手段からロータに基板が渡され、移載手段はロータより下方の待避位置にまで降下するため、従来のようにロータとともにボートを回転させる必要がなくなり、回転対象物全体の慣性モーメントを小さくすることができる。その結果、ロータの加速を迅速かつ短時間に行うことができ、基板に付着している液滴の除去に要する時間が短時間化できるとともに、不要な自然酸化膜の形成やウォーターマーク生成の問題を回避し易くして回転乾燥処理時における基板Wの汚染を防止することができる。また、移載手段が複数の支持板の相互間に設けられた液滴通過空間を備えるため、基板に付着していた処理液は液滴通過空間から落下して移載手段に溜まることがなくなり、移載手段に溜まった処理液の飛散による基板の汚染を防止することができる。また、回転する基板から飛散した液滴は液滴通過空間を通り抜け、移載手段にはほとんど付着することがなく、移載手段に付着した処理液が、基板の回転に伴う気流によって再度飛散し、基板に再付着することによる汚染を防止することができる。
【0055】
また、請求項2の発明によれば、移載手段からロータに基板が渡され、移載手段はロータより下方の待避位置にまで降下するため、従来のようにロータとともにボートを回転させる必要がなくなり、回転対象物全体の慣性モーメントを小さくすることができる。その結果、ロータの加速を迅速かつ短時間に行うことができ、基板に付着している液滴の除去に要する時間が短時間化できるとともに、不要な自然酸化膜の形成やウォーターマーク生成の問題を回避し易くして回転乾燥処理時における基板Wの汚染を防止することができる。また、移載手段が複数の支持板のそれぞれに開けられた気流通過穴を備えるため、移載手段がチャンバー内の気流の進行を阻害することを抑制でき、基板を迅速に乾燥させることができる。
【0056】
また、請求項3の発明によれば、ロータの回転体がその回転中心と基板保持手段が架設される架設位置とを連結する連結部材を用いて形成されているものであるため、回転体の質量が小さなものとなり、ロータ自体の慣性モーメントを従来よりも小さくすることができる。その結果、ロータの加速をより迅速かつ短時間に行うことができ、基板に付着している液滴の除去に要する時間が短時間化できるとともに、不要な自然酸化膜の形成やウォーターマーク生成の問題を回避し易くして回転乾燥処理時における基板Wの汚染を防止することができる。
【0057】
また、請求項4の発明によれば、複数の支持板のそれぞれは、移載手段が待避位置に位置しているときに、基板保持手段に保持された基板の径方向と実質的に平行となる姿勢で設けられているため、基板から回転によって飛散した処理液がスムーズに液滴通過空間を通過し、移載手段に付着しにくくなっている。その結果、移載手段に付着する処理液をより低減することができ、気流による再付着に起因した基板の汚染をより確実に防止することができる。
【0058】
また、請求項5の発明によれば、昇降手段の支持軸は、基板保持手段に保持された基板の回転面と交わらないように設けられているため、回転する基板から飛散した処理液が支持軸に付着することはなく、支持軸に付着した処理液が基板の回転に伴う気流によって再度飛散し、基板に再付着することに起因した基板の汚染を防止することができる。
【0059】
また、請求項6の発明によれば、チャンバー内を減圧する減圧手段を備えているため、回転乾燥処理時において減圧手段の強制排気によりチャンバー内部を減圧雰囲気とすれば、酸素等の分圧を低下させ、不要な自然酸化膜の形成、ウォーターマークの生成、ガス・パーティクルの吸着による基板の汚染を防止することができる。
【0060】
また、請求項7の発明によれば、チャンバー内に窒素、加熱窒素、極低温窒素、イソプロピルアルコール、加熱蒸気のいずれかを供給するガス供給手段を備えているため、回転乾燥処理時においてガス供給手段からチャンバー内部に、窒素、加熱窒素、極低温窒素、IPA、加熱蒸気のいずれかを供給すれば、チャンバー内部の酸素等の分圧を低下させ、不要な自然酸化膜の形成、ウォーターマークの生成、ガス・パーティクルの吸着による基板の汚染を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る基板乾燥装置を組み込んだ基板処理ユニットを示す概略構成図である。
【図2】図1の基板乾燥装置の要部構成を示す正面図である。
【図3】図1の基板乾燥装置の要部構成を示す側面図である。
【図4】図1の基板乾燥装置の移載部を示す斜視図である。
【図5】傾斜された基板支持板の機能について説明する図である。
【図6】エンドプレートの他の形状の一例を示す図である。
【図7】図1の基板乾燥装置の移載部の他の例を示す正面断面図である
【符号の説明】
5 チャンバー
10 ロータ
11 エンドプレート
12 固定式基板保持部材
15 可動式基板保持部材
20 移載部
21a、21b、21c 基板支持板
30 昇降機構
35 支持軸
80 ガス供給手段
87 減圧ポンプ
W 基板

Claims (7)

  1. 基板を回転させることよって当該基板の乾燥処理を行う基板乾燥装置であって、
    (a) 処理液が付着した基板を収容するチャンバーと、
    (b) 前記チャンバー内に設けられ、水平方向を軸として回転するロータと、
    (c) 前記ロータよりも上方の基板受渡位置にて前記装置の外部と基板の受け渡しを行うとともに、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う移載手段と、
    (d) 前記基板受渡位置と、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う基板移載位置と、前記ロータより下方の待避位置とに前記移載手段を昇降させる昇降手段と、
    (e) 前記ロータに設けられ、前記移載手段から渡された基板を保持する基板保持手段と、
    を備え、
    前記移載手段は、
    (c-1) 前記基板を起立姿勢にて支持する複数の支持板と、
    (c-2) 前記複数の支持板の相互間に設けられた液滴通過空間と、
    を備えることを特徴とする基板乾燥装置。
  2. 基板を回転させることよって当該基板の乾燥処理を行う基板乾燥装置であって、
    (a) 処理液が付着した基板を収容するチャンバーと、
    (b) 前記チャンバー内に設けられ、水平方向を軸として回転するロータと、
    (c) 前記ロータよりも上方の基板受渡位置にて前記装置の外部と基板の受け渡しを行うとともに、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う移載手段と、
    (d) 前記基板受渡位置と、前記ロータと前記基板の受け渡しを行う基板移載位置と、前記ロータより下方の待避位置とに前記移載手段を昇降させる昇降手段と、
    (e) 前記ロータに設けられ、前記移載手段から渡された基板を保持する基板保持手段と、
    を備え、
    前記移載手段は、
    (c-1) 前記基板を起立姿勢にて支持する複数の支持板と、
    (c-3) 前記複数の支持板のそれぞれに開けられた気流通過穴と、
    を備えることを特徴とする基板乾燥装置。
  3. 請求項1または請求項2に記載の基板乾燥装置において、
    前記ロータは、1対の回転体に前記基板保持手段を架設しており、
    前記回転体のそれぞれは、その回転中心と前記基板保持手段が架設される架設位置とを連結する連結部材を用いて形成されることを特徴とする基板乾燥装置。
  4. 請求項1から請求項3のいずれかに記載の基板乾燥装置において、
    前記複数の支持板のそれぞれは、前記移載手段が前記待避位置に位置しているときに、前記基板保持手段に保持された基板の径方向と実質的に平行となる姿勢で設けられていることを特徴とする基板乾燥装置。
  5. 請求項1から請求項4のいずれかに記載の基板乾燥装置において、
    前記昇降手段は、
    前記移載手段を支持する支持軸を有し、
    前記支持軸は、前記基板保持手段に保持された前記基板の回転面と交わらないように設けられていることを特徴とする基板乾燥装置。
  6. 請求項1から請求項5のいずれかに記載の基板乾燥装置において、
    (f) 前記チャンバー内を減圧する減圧手段を、
    さらに備えることを特徴とする基板乾燥装置。
  7. 請求項1から請求項6のいずれかに記載の基板乾燥装置において、
    (g) 前記チャンバー内に窒素、加熱窒素、極低温窒素、イソプロピルアルコール、加熱蒸気のいずれかを供給するガス供給手段を、
    さらに備えることを特徴とする基板乾燥装置。
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