JP3674432B2 - 電動式ステープラー - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、複数のシートを積層したシート束をステープル針によって綴じる際、その綴じ操作を電動で行うようにした電動式ステープラーに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、複数のシートを積層したシート束をステープル針によって綴じるステープラーには、その綴じ操作を電動で行うようにした電動式ステープラーが知られている。
【0003】
また、このような電動式ステープラーは、複数の直線状若しくはコ字形状のステープル針を接合したステープル針ユニットを収納し、そのステープル針が通過可能となるように形成された打出通路の一端から他端にわたって往復動可能なドライバを設けると共に、そのドライバの往動時に打出通路の一端に位置するステープル針をステープル針ユニットから分離させて打出通路の他端から打ち出してステープル針の両端をシート束に貫通させた後、そのステープル針の両端を互いに接近する方向にクリンチャ機構によって折り曲げている。
【0004】
この際、クリンチャ機構には、常時は打出通路から離間状態で対向すると共にステープル針の打ち出しと同時期に打出通路に向けて接近してステープル針の両端に係合しつつステープル針の打ち出し荷重とクリンチャ機構の接近荷重との共同によりステープル針の両端を折り曲げる溝が形成されている。
【0005】
この溝は、上述したステープル針の打ち出し荷重とクリンチャ機構の接近荷重との兼ね合いから、双方の荷重によってステープル針の両端部が所望の接近方向以外の方向に折れ曲がったり、切断してしまうことが無いよう、ステープル針の各両端に対して山型に形成されている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このような電動式ステープラーにあっては、ステープル針の両端を折り曲げる溝が山形であることから、綴じ処理後のステープル針の両端も山型となって綴じ処理後のシート束を重畳した際には綴じ処理部分が他の部分よりも盛り上ってしまったり、比較的厚手なシート束を綴じた際に山型溝の中途部で折り曲げ処理が終了してステープル針の両端がシート束表面から突き出て引っ掛かりができてしまうという問題が生じていた。
【0007】
そこで、綴じ処理後のステープル針の両端部をフラットにするべく溝の形状をフラットにするなどの処理を施したものがあるが、上述した打ち出しと折り曲げの双方の荷重によって、ステープル針の両端を所望方向に案内することができなかったり、切断してしまったりといった不具合は解消されず、一定の品質の綴じ処理を行うといった信頼性は低いものであった。
【0008】
この発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、その目的は、ステープル針の両端をフラットに折り曲げることができ、しかも、一定品質の綴じ処理を行い得て信頼性を向上させることができる電動式ステープラーを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、請求項1の発明は、複数のステープル針が接合されたステープル針シートが収納されると共に前記ステープル針が通過可能となるように形成された打出通路の一端から他端にわたって往復動可能に配置され且つその往動時に前記打出通路の一端に位置する前記ステープル針を前記ステープル針シートから分離させて前記打出通路の他端から打ち出すドライバを備えたケース本体と、該ケース本体に回動可能に支持されて前記打出通路の他端から打ち出されたコ字状の前記ステープル針の両端を互いに接近する方向に折り曲げるクリンチャ機構とを備えた電動式ステープラーにおいて、
前記クリンチャ機構は、
前記本体ケースに一端が回動自在に軸支され、且つ、その他端の幅方向中央部から前記ケース本体側に向けて突出された一対の突出端部の対向壁面のそれぞれに、前記突出端部から基部側に向って、前記コの字状に曲げられたステープル針の先端部を挿入するように傾斜して形成される凹部が形成されたクリンチャガイドと、
該クリンチャガイドと前記本体ケースとの間に位置して前記クリンチャガイドの一端に回動自在に軸支され、且つ、その他端部の幅方向中央部に、前記コの字状に曲げられたステープル針の先端部を互いに接近する方向に折り曲げるためのフラット溝を形成したクリンチャ部を有し、常時は前記凹部の基部間に跨って位置したクリンチャアームとを備えていることを特徴とする。
【0010】
これにより、ステープル針の両端部の折り曲げを、段階的に行うことができ、信頼性を損なうことなく一定品質の綴じ処理を実現することができる。
【0011】
また、本発明の請求項2の発明は、請求項1に記載の電動式ステープラーにおいて、
前記クリンチャガイドと前記クリンチャアームの各一端寄りに他端側に向けて各々長孔が形成され、該各長孔に挿入した一つの軸を水平方向に往動させて前記クリンチャガイドと前記クリンチャアームとの綴じ動作を行う一方、該クリンチャガイドの回動停止後前記クリンチャアームを同じ方向に更に回動させるように、前記両長孔の傾斜をずらして形成したことを特徴とする。
【0012】
これにより、特別で高価なタイミング制御機構を設けることなく段階的な折り曲げを実現することができる。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、この発明に係わる電動式ステープラーの実施の形態を図面に基づいて説明する。この実施の形態において、説明の便宜上、図1(B)に示した状態での紙面上下を上下方向、紙面左右方向を前後方向、紙面と直行する奥行き方向を幅方向若しくは左右方向と定義する。
【0014】
電動式ステープラー1は、図1乃至図4に示すように、本体ケース13並びにこの本体ケース13の側板23に回動可能に支持されたクリンチャ機構200を有するステープラー本体10と、本体ケース13に着脱可能に装着されると共に直線状のステープル針Sをこのステープル針Sの軸線方向と直行する方向に多数隣接接合したユニット状のステープル針シートSTが積層収納されるカートリッジ600とを有している。
【0015】
本体ケース13には、カートリッジ600に設けた打出通路601からステープル針Sを打ち出す打出し機構100と、カートリッジ600内に積層されたステープル針シートSTを打出通路601の一端に向けて送り出す送出機構300と、各機構100,200,300を駆動する駆動機構400と、ステープル針Sをコ字状に成形した後のアンビル510を打出通路601から引き込めるアンビル機構500とが設けられている。
【0016】
本体ケース13には、図3に示すように、モータMを横向きに収納するモータ室11と、このモータMのモータ軸Maの回転駆動を伝達する遊星ギヤ機構部Gを収納すると共に内壁に内歯12Aを有するギア室12とが形成されている。
【0017】
本体ケース13の両側面13Aには、図5に示すように、L字状の溝14が形成されている。溝14の前端は側面13Aの下端寄り前端まで達して開放され、溝14の後方寄り上端は側面13Aの上端まで達して開放されている。そして、各溝14にはクリンチャ機構200のクリンチャリンク201が鎖線位置(図5参照)まで回動可能に取り付けられている。また、本体ケース13の上部には所定の高さを有すると共に前後方向に延びた上壁部16が形成されており、上壁部16の内側の下部には、図6に示すように、前後方向に延びた互いに対向する一対の案内溝18が形成され、上壁部16の内側の上部には前後方向に延びた案内突条部19が形成されている。また、本体ケース13の天井壁部20の前端には凹部21が形成され、この凹部21の中央部には切欠22が形成されている。天井壁20の後部側にはネジN1によって固定バネ40が取り付けられている。この固定バネ40は、略V字形に形成された谷部41と、この谷部41の後方に連続して逆V字形状に形成された山部42とを有している。
【0018】
本体ケース13の両側面13Aには、図7に示すように、側板23が取り付けられ、本体ケース13の前面及び後面には前板25(図1(A)参照)及び後板26(図2(B)参照)が取り付けられている。側板23の内側の上部には左右方向に対して所定の幅を有する平板状のガイド突起27が形成され、側板23の上端には内側に延びた当接部28が設けられている。また、一方の側板23にはクリンチャリンク201が実線位置(図5参照)に位置しているとき、これを検知するマイクロスイッチ29が取り付けられている。クリンチャリンク201が実線位置に位置しているとき、後述するフォーミングホルダ110がホームポジション(図3に示す位置)に位置している。
【0019】
[駆動機構]
駆動機構400は、図3に示すように、モータMのモータ軸Maに取り付けられた駆動ギア401と、駆動軸410に装着された第1ミッドギアホルダ420と、駆動軸410に装着された第2ミッドギアホルダ430と、駆動ギアホルダ440と、ドライバカム470と、ドライバリターンカム471と、フォーミングカム472と、フォーミングリターンカム473等とを有している。駆動ギアホルダ440と各カム470〜473は、駆動軸410のDカット部分410Aに装着されており、駆動軸410と共に回転する。
【0020】
また、モータMのモータ軸Maが収納室603のステープル針シートSTの送り出し方向と同一方向に向くようにモータMがカートリッジ600の下方に配置されている。さらに、モータ軸Maと駆動軸410とが同一直線上に配置されている。
【0021】
ミッドギヤホルダ420,430,440は遊星ギヤ425,437,444を回転可能に保持している。
【0022】
[打出し機構]
打出し機構100は、図8(A),図8(B)に示すように、ドライバホルダ101と、ドライバホルダ101に取り付けられたドライバ102と、フォーミングホルダ110と、フォーミングホルダ110に取り付けられたフォーミングプレート111,112とを有している。ドライバ102はフォーミングプレート111,112の間に位置し、これにより、ドライバ102とフォーミングプレート111,112とがドライバホルダ101とフォーミングホルダ110とに挟持された状態となっている。
【0023】
[ドライバホルダ]
ドライバホルダ101は、上下方向に延びた長孔103を形成したほぼ矩形状のプレート104を有している。このプレート104の一側面(ドライバ102側の面)には、長孔103の上部であって且つその長孔103を挟む位置に一対の突起(図示せず)が形成されている。また、プレート104の上下端には他側面側に突出した当接部106,107が形成され、当接部107は当接部106より所定長さだけ突出している。
【0024】
[ドライバ]
ドライバ102は、上下方向に延びた長方形状に形成されており、その下側にはドライバホルダ101の長孔103と同じ大きさの長孔102Aが形成されている。この長孔102Aの上部であって且つ長孔102Aを挟む位置には一対の孔102Bが設けられている。この孔102Bにはドライバホルダ101の図示を略した突起が嵌入され、これにより、ドライバ102がドライバホルダ101に取り付けられている。
【0025】
ドライバホルダ101とドライバ102に形成された各長孔103,102Aには駆動軸410が挿入されており、この長孔103,102Aによりドライバホルダ101及びドライバ102が駆動軸410に対して上下動可能となっている。また、ドライバホルダ101の当接部106,107間には、ドライバカム470とドライバリターンカム471とがスペーサ108を介して配置されており、ドライバカム470が当接部106,107に当接し、ドライバリターンカム471が当接部107のみに当接する。そして、ドライバカム470の回動によってドライバホルダ101が上昇し、ドライバリターンカム471の回動によってドライバホルダ101が下降するようになっている。
【0026】
[フォーミングホルダ]
フォーミングホルダ110は、上下方向に延びた長孔110Aを形成した略矩形状のプレート113を有している。このプレート113の左右の側端のほぼ中央部には切欠114が形成され、プレート113の一側面の右側の上下には一対の突起115,115が設けられており、その一側面の左側の上下には一対の突起116,116が設けられている。また、プレート113の上下端には他側面側に突出した当接部117,118が形成され、当接部117は当接部118より所定長さだけ突出している。
【0027】
[フォーミングプレート]
フォーミングプレート111は、長方形状の基板部111Aの上に、この基板部111Aより幅の狭いフォーミング板部111Fを内側に寄せて形成したもので、基板部111Aには上下に一対の孔111Bが形成されている。同様に、フォーミングプレート112は、長方形状の基板部112Aの上に基板部112Aより幅の狭いフォーミング板部112Fを外方に寄せて形成したものであり、基板部112Aには上下に一対の孔112Bが形成されている。
【0028】
これらフォーミングプレート111,112は、その孔111B,112Bにフォーミングホルダ110の突起115,116を嵌入してフォーミングホルダ110に取り付けられている。
【0029】
フォーミングホルダ110の長孔110Aには、駆動軸410が挿入されており、この長孔110Aによって駆動軸410に対してフォーミングホルダ110が上下動可能となっている。また、フォーミングホルダ110の当接部117,118間には、駆動軸410に装着されたフォーミングカム472とフォーミングリターンカム473が配置されており、フォーミングリターンカム473が当接部117,118に当接し、フォーミングカム472が当接部117のみに当接する。したがって、フォーミングカム472の回動によってフォーミングホルダ110が上昇し、フォーミングリターンカム473の回動によってフォーミングホルダ110が下降する。
【0030】
フォーミングホルダ110の切欠114には、クリンチャリンク201の先端部201Aが挿入され、フォーミングホルダ110が上下動することにより、クリンチャリンク201が実線位置と鎖線位置(図5参照)との間を回動するようになっている。
【0031】
ドライバホルダ101とフォーミングホルダ110は、互いに背中合わせで対向するように駆動軸410に装着されており、ドライバ102はフォーミングプレート111,112間に位置している。フォーミング板部111F,112Fはフォーミングホルダ110の上昇により打出通路601に進入してステープル針Sをコ字状に成形し、ドライバ102はドライバホルダ101の上昇により打出通路601に進入してコ字状に成形されたステープル針Sを打出通路601から打ち出していくようになっている。
【0032】
[アンビル機構]
アンビル機構500は、図9,図10(A),(B)に示すように、本体ケース13の上壁部16の前端部に配置され、側板23の前方屈折部(図示せず)を介してネジによって前板25に取り付けたアンビルプレート501と、このアンビルプレート501に保持されたアンビル510と、アンビルプレート501に取り付けられた板バネ520等とから構成されている。
【0033】
[アンビルプレート]
アンビルプレート501は、図示しないネジによって本体ケース13の天井壁20に固定され、その中央部に長方形の開口502を形成した長方形の板部から構成されている。この開口502の下部には後方に延びた保持部503が形成され、アンビルプレート501の下端には凹部504が形成されている。
【0034】
[アンビル]
アンビル510は、左右方向に延びた基部511と、基部511の両端から後方に延びたアンビル部512と、基部511の中央部から前方に突出した突出部513とを有している。突出部513には、頭部513Aと、くびれ部513Bとが形成されている。くびれ部513Bは板バネ520を貫通しており、これにより頭部513Aが板バネ520の前面側に突出すると共にアンビル510が板バネ520に固定されている。
【0035】
アンビル部512の先端部512Aは、カートリッジ600のガイド板643の切欠645を通って打出通路601に出没する。この出没は、常時は打出通路601に突出しており、フォーミングホルダ110の上昇により板バネ520の折曲部521を押し上げることによって板バネ520が湾曲し、この湾曲によりアンビル510が前方に移動して没入する。
【0036】
[送出機構]
送出機構300は、図11ないし図14に示すように、駆動ギアホルダ440の円板441と、本体ケース13の天井壁20の上面の前側に前後方向に移動可能に取り付けられたスライダー301と、スライダー301を前方に付勢しているスプリング320と、スライダー301に取り付けられた送爪プレート330等とから構成されている。スプリング320は、本体ケース13の上壁部16に取り付けられ、スライダー301の翼部310を前方に向けて付勢している。翼部310は、下方に傾斜した傾斜部311と、傾斜部311の下部から水平に延びて案内溝18に係合する水平部312とを有している。
【0037】
[クリンチャ機構]
クリンチャ機構200は、図15及び図16に示すように、本体ケース13の両側に軸201Bによって回動可能に軸支された一対のクリンチャリンク201と、本体ケース13の側板23に後部が回動自在に取り付けられたクリンチャガイド210と、このクリンチャガイド210の後部に後部が回動自在に取り付けられたクリンチャアーム220と、クリンチャガイド210を所定角度回動した位置に固定するロック機構250と、ロック機構250による固定を解除する解除機構270等とから構成されている。
【0038】
[クリンチャリンク]
クリンチャリンク201はL字状に形成されると共にその中間部が軸支されている。クリンチャリンク201の上部202には、水平状の当接面202Aと、垂直状の当接面202Bとが形成されている。また、その上部202の後端には当接面202Aの高さ位置から一段下がった位置に突出部203が設けられており、突出部203の上面が後方が高くなるように少し傾斜した支持面203Aとなっている。
【0039】
[クリンチャガイド]
クリンチャガイド210は、図17に示すように、平板状のベース部211の両側に形成された一対の側板部212を一体に有している。側板部212の後部212Aは後部に向うほど高さが高く形成されると共にその後端部212Bはベース部211の後端から後方に突出している。後端部212B及び後部212Aの後端寄りには軸孔213,214が形成され、後部212Aの前端寄りには後部212Aの傾斜方向に沿って傾斜されたガイド長孔215が形成されている。また、ベース部211の前端の中央には所定の幅と奥行きを有する切欠216が形成されている。この切欠216の両側には側板部212と同方向に折曲された一対の対向壁217が形成されている。対向壁217の互いに対向する内側面217Aにはその下端から上方に延びた凹部218が形成されている。この各凹部218の上部には、図18に示すように、上方に向うほど互いに接近する方向へと傾斜された傾斜面218Aが形成されている。また、各凹部218の下部は開放されている。
【0040】
軸孔213間には側板23間に取り付けた固定軸31が貫装され、これによりクリンチャガイド210が回動自在となっている。また、軸孔214間には回動軸32が取り付けられ、ガイド長孔215間にはスライド軸33の両端が挿入されいる。このスライド軸33はガイド長孔215に沿って移動可能となっている。
【0041】
[クリンチャアーム]
クリンチャアーム220は、図19に示すように、平板状のベース部221の両側に形成された一対の側板部222を一体に有している。この側板部222の後部222Aは後方に向うほど高さが高く形成されると共にその後端部222Bはベース部221の後端から後方へと突出している。後部222Aの後端寄り及び後端部222bにはクリンチャガイド210の軸孔213,214に対向する軸孔223,224が形成され、その後部222Aの前端寄りにはクリンチャガイド210のガイド長孔215に対向する駆動用長孔225が形成されている。軸孔224の径はクリンチャガイド210の軸孔214より大きく設定され、駆動用長孔225はクリンチャガイド210のガイド長孔215より水平方向に対して傾斜している。
【0042】
また、ベース部211の前端中央は前方に突出したクリンチャ部226が形成され、このクリンチャ部226の下面にはクリンチャガイド210の凹部218と対応する位置に左右方向(図19(B)において上下方向)に延びたフラット溝227が形成されている。
【0043】
クリンチャアーム220は、図20に示すように、クリンチャガイド210の側板部212間に配置されており、これにより軸孔223に固定軸31が貫装され、軸孔224には回動軸32が遊嵌され、駆動用長孔225にはこの駆動用長孔225に沿って移動可能にスライド軸33が貫通されている。駆動用長孔225はガイド長孔215より水平方向に対して傾斜しているので、図20(B)の状態からスライド軸33がガイド長孔215に沿って移動すると、図20(C)に示すように、クリンチャアーム220がクリンチャガイド210に対して固定軸31回りに所定角度だけ回動する。
【0044】
また、スライド軸33と回動軸32との間には、図21及び図22に示すように、一対のスプリング228が設けられており、このスプリング228によってスライド軸33が後方へと付勢されている。
【0045】
[ロック機構]
ロック機構250は、図22〜図24に示すように、クリンチャガイド210の側板部212の外側に配設された一対の規制板251と、この規制板251を後方へと移動させるためのスプリング260等とから構成されている。
【0046】
各規制板251は、図25に示すように、前後方向に延びたスリット状の長孔252を有している。規制板251の下面253は後方に向かって上方へ傾斜している。下面253の中間位置に回動軸32と係合する凹部254が形成され、この凹部254より前側の規制辺253Aの長さはL1となっている。また、規制板251の長孔252の後方には孔255が形成されている。
【0047】
規制板251は、図15及び図22に示すように、規制板251の長孔252に側板23のガイド突起27が挿入されており、側板23に対して前後方向に移動可能となっている。ガイド突起27が平板状となっており、また、長孔252がスリット状となっていることにより、規制板251は水平状態を保ったまま前後方向に移動することになる。
【0048】
スプリング260は固定軸31に巻装された状態で、その一端260Aが後述する移動軸34に係止され、その他端260Bが回動軸32に係止されている。そして、このスプリング260は回動軸32と移動軸34とを開く方向に付勢しており、この付勢力は移動軸34、即ち、規制板251を後方へ付勢すると共にクリンチャガイド210及びクリンチャアーム220を固定軸31を中心にして反時計回りに付勢している。
【0049】
クリンチャリンク201が図15に示す位置に位置しているとき、即ち、ドライバホルダ101及びフォーミングホルダ110がホームポジションに位置しているとき、回動軸32が規制板251の凹部254に係合すると共にクリンチャリンク201の支持面203Aに当接するようになっている。また、スライド軸33はクリンチャリンク201の当接面202Aに当接するようになっている。このため、規制板251は、その凹部254に回動軸32が係合していることにより、スプリング260の付勢力に拘わらず図15に示す位置に位置し後方へ移動しない。また、クリンチャガイド210及びクリンチャアーム220は、回動軸32がクリンチャリンク201の当接面203Aに当接していることにより、スプリング260の付勢力に拘わらず、図15に示す位置に位置し、反時計回りに回動しないことになる。
【0050】
また、クリンチャアーム220及びクリンチャガイド210は、クリンチャリンク201が図32(A),(B)に示す位置へ回動すると、スライド軸33がクリンチャリンク201の当接面202Aから外れ、回動軸32がクリンチャリンク201の支持面203Aから外れて、スプリング260の付勢力により固定軸31を中心にして反時計回り方向に回動するようになっている。
【0051】
ロック機構250は、図32(A),(B)に示すように、クリンチャガイド210及びクリンチャアーム220がスプリング260の付勢力により、図32(A),(B)に示す位置へ回動すると、規制板251をスプリング260の付勢力により後方へ移動させて、規制板251の規制辺253Aにクリンチャガイド210に取り付けた回動軸32を当接させる。これにより、ステープル針Sの打ち出し時にクリンチャガイド210の先端部に上方への強い力が作用しても、規制板251はその長孔252にステープラー本体10の側板23のガイド突起27が挿入されていることにより移動軸34を中心に回動してしまうことがないため、クリンチャガイド210は規制板251により時計回り方向に回動しないことになる。即ち、クリンチャガイド210はロック機構250により、図32(A),(B)の位置にロックされることになる。
【0052】
[解除機構]
解除機構270は、一対のクリンチャリンク201と前後方向に延びた一対の第1リンク板271とほぼ三角形状の一対の第2リンク板280等とを有している。
【0053】
[第1リンク板]
第1リンク板271の先端部には、図26に示すように、スライド軸33が挿入される長孔272が長手方向に対して斜めに形成され、その後部には軸孔273が形成されている。そして、図22及び図23に示すように、第1リンク板271の軸孔273には軸35の両端部が貫装されて、軸35が第1リンク板271に取り付けられている。
【0054】
[第2リンク板]
第2リンク板280は、図27に示すように、略三角形状を呈しており、各頂点寄り、即ち、その下部に形成された軸孔281と、中間部の前側に形成された軸孔282と、上部に上下に長く形成された長孔の軸孔283とを有している。軸孔281と軸孔283との間の距離L2は軸孔281と軸孔282との間の距離L3の約2倍に設定されている。軸孔281には固定軸31が貫装され、第2リンク280はこの固定軸31を中心に回動可能となっている。また、軸孔282には軸35の両端部が挿入され、軸孔283には移動軸34が貫装されている。この移動軸34は軸孔283内で相対的に上下動可能となっている。
【0055】
解除機構270は、図35(B)に示す位置からクリンチャリンク201が反時計回りに回動すると、クリンチャリンク201の当接面202Bがスライド軸33を前方へ押していき、第1リンク板271がスライド軸33と共に前方へ移動して、第2リンク板280を固定軸31を中心に回動させ、この第2リンク板280の回動により移動軸34を介して規制板251を前方へ移動させる。この規制板251の前方への移動によりクリンチャガイド210のロックが解除される。
【0056】
[カートリッジ]
カートリッジ600は、カートリッジ本体602と、カートリッジ本体602の収納室603内に着脱可能に装着された板バネ体650等とから構成されている。
【0057】
[カートリッジ本体]
カートリッジ本体602は、ステープル針シートSTを積層して収納する収納室603を形成した底壁610と側壁620と天壁630と前端壁640等とを有している。カートリッジ600をステープラー本体10に装着した際には、天壁630の上面とステープラー本体10の前板25の上端面25Aとが面一となるようになっており、天壁630の上面がシート束Pを載置する載置面となっている。また、カートリッジ本体602の後端は開放されて開口604となっている。さらに、打出通路601は前壁640とこの前壁640の前方に形成されたガイド壁643とによって形成されている。
【0058】
ステープル針シートSTを収納したカートリッジ600は、図3の矢印a方向から挿入してステープラー本体10に装着する。カートリッジ600がステープラー本体10に装着されると、底壁610の後方下面に形成された突起612が本体ケース13の固定バネ40の谷部41に係合して、カートリッジ600がステープラー本体10に固定される。また、本体ケース13に取り付けたスライダー301が底壁610の先端に形成された開口611内に入り込む。
【0059】
[電動式ステープラーの動作]
次に、上記のように構成される電動式ステープラー1の動作を図28に示すタイムチャートを参照しながら説明する。
【0060】
先ず、積層されたステープル針シートSTを収納したカートリッジ600を図3に示すように、ステープラー本体10に予め装着しておく。モータMが駆動していないときには、ドライバホルダ101及びフォーミングホルダ110は図3に示すホームポジションに位置している。また、スライダー301は、図14に示すように、スライダー301の突起305が駆動ギアホルダ440の円板441に当接して停止されている。さらに、アンビル510の先端部512Aは、常時は切欠645を通って打出通路601に突出している。
【0061】
図示を略する複写機,ファクシミリ,プリンタ等の画像形成装置からの綴り信号によってモータMが駆動されると、駆動ギア401と遊星ギア425,437,444等を介して駆動軸410が回転(図4において時計回り)すると同時に各カム470〜473及び駆動ギアホルダ440が回転する。
【0062】
駆動ギアホルダ440が回転して円板441の切欠445が図29の位置までくると、スライダー301の突起305が駆動ギアホルダ440の円板441から外れるので、スライダー301はスプリング320の付勢力によりスライダー301は前方へ移動して切欠445内へ進入していく。スライダー301が前方へ移動すると送爪プレート330の先端部がスライド301の上面から突出し、収納室603内に収納された最下層のステープル針シートSTが前方へ送り出される(図28の時点T1)。
【0063】
ステープル針シートSTは、スライダー301の前方への移動によって先頭のステープル針S1がガイド壁643の内壁面下部(及び保持部503の先端)に当接するまで送り出される。この保持部503の先端に当接した先頭のステープル針S1は打出通路601の一端に位置する。
【0064】
そして、フォーミングカム472の回転によってフォーミングホルダ110が上昇し、この上昇により、図30に示すように、フォーミングプレート111が先端部512Aと共同してステープル針S1をコ字状に成形し始めていく(時点T2)。さらに駆動ギアホルダ440が回動すると、円板441の傾斜面446がスライダー301の突起305の前面に当接し、駆動ギアホルダ440の回動と共に傾斜面446がスライダー301をスプリングの付勢力に抗して後方へ押し戻していき(時点T3)、スライダー301が後方へ移動していく。
【0065】
このスライダー301の後方への移動の際に、ステープル針シートSTも後方へ押し戻される状態となるが、カートリッジ600の板バネ体650によりそのステープル針シートSTの後方への押し戻しが防止される。
【0066】
一方、フォーミングホルダ110の上昇により、クリンチャリンク201が図31(A),(B)に示す位置(ホームポジション)から図32(A),(B)に示す位置へ回動していく(時点T4)。この回動により、スライド軸33がクリンチャリンク201の当接面202Aから外れ、回動軸32がクリンチャリンク201の支持面203Aから外れる。これにより、クリンチャガイド210はクリンチャアーム220と共にスプリング260の付勢力により固定軸31を中心にして反時計回りに回動する。
【0067】
クリンチャガイド210は、図32(A),(B)に示す位置に回動すると、図3に示すように、カートリッジ600の天壁630に載置されたシート束Pを挟持する(時点T5)。
【0068】
他方、クリンチャガイド210及びクリンチャアーム220の回動によりクリンチャガイド210の回動軸32が規制板251の凹部254から外れ、この結果、規制板251はスプリング260の付勢力により後方へ移動していく。この移動により、規制板251の規制辺253Aがその回動軸32を当接して図32(A),(B)に示す位置に停止する。この規制板251により、クリンチャガイド210は図32(A),(B)に示す位置にロックされる(時点T5)。
【0069】
そして、フォーミングホルダ110が図10(B)に示す位置にまで上昇すると、板バネ520の折曲部521がフォーミングホルダ110により上方へと押されて板バネ520が湾曲し、この湾曲によりアンビル510が前方に移動すると同時に、アンビル部512の先端部512Aがカートリッジ600の打出通路601から埋没する(時点T6)。このとき、フォーミングホルダ110が上死点に達し、ステープル針S1のコ字状の成形が完了している。
【0070】
この後、ドライバカム470の回転によりドライバホルダ101が上昇してドライバ102がコ字状に成形されたステープル針S1を打出通路601内へ押し込んでいくと共にこのステープル針S1を打出通路601の他端から打ち出していく(時点T7)。ステープル針S1は打出通路601の他端から打ち出されながらその両脚部Saがシート束Pを貫通する。そして、図33(A)に示すように、シート束Pを貫通した両脚部Saの先端部Sbは、クリンチャガイド210の凹部218へ入り込んでいき、さらに、ドライバホルダ101の上昇と共にその両脚部Saの先端部Sbが凹部218の傾斜面218Aに案内されてその両脚部Saが内側へ曲げられていくと共に、図33(B)に示すように、先端部Sbがクリンチャアーム220のフラット溝227内へ入り込んでいく。
【0071】
そして、ドライバホルダ101が上死点に達するとステープル針S1が打出通路601の他端から完全に打ち出さられ(時点T8)、ステープル針S1の両脚部Saの先端部Sbがクリンチャアーム220のフラット溝227に案内され、図34(A)に示すように、両脚部Saがさらに内側へ折り曲げられることになる。
【0072】
ところで、ステープル針S1が打出通路601の他端から打ち出される際に、クリンチャガイド210の先端部には大きな負荷が加わるが、クリンチャガイド210は規制板251によりロックされているので時計回りに回動してしまうことが防止される。また、規制板251の規制辺253Aの角度を水平に対して小さくすることにより、小さな付勢力のスプリング260によってクリンチャガイド210を確実にロックすることができる。
【0073】
スプリング260の付勢力を小さくすることにより、スプリング260の寸法を小さくすることができ、スプリング260のバネの解放時にクリンチャガイド210の先端部がシート束Pへ衝突する状態となるが、この衝突時における衝撃音を小さくすることができる。
【0074】
ステープル針S1が打出通路601から完全に打ち出されると、フォーミングリターンカム473の回転によりフォーミングホルダ110が下降していく(時点T9)。フォーミングホルダ110の下降によってフォーミングホルダ110による板バネ520の折曲部521の押し上げが解除される。この解除により、板バネ520の付勢力によってアンビル510が後方へと移動して、アンビル部512の先端部512Aがカートリッジ600のガイド板643の切欠645を通って打出通路601へ進入していく(時点T10)。尚、打出通路601にはドライバ102がまだあるため、その進入終了は時点T15の直前となる。
【0075】
また、フォーミングホルダ110の下降により、クリンチャリンク201が図32(A),(B)に示す位置から反時計回りに回動していく。この回動と共にクリンチャリンク201の当接面202Bがスライド軸33を前方へ押し出す。これにより、スライド軸33はクリンチャガイド210のガイド長孔215に沿って前方へ移動すると共に、クリンチャアーム220がクリンチャガイド210に対して固定軸31回りに回動していく。そして、クリンチャリンク201が図35(A),(B)に示す位置まで回動すると、クリンチャアーム220がクリンチャガイド210に対して図35(B)に示す位置まで独立して回動する(時点T11)。
【0076】
クリンチャアーム220が回動するとクリンチャ部226が同時に下降し、図34(B)に示すように、クリンチャ部226のフラット溝227に入ったステープル針S1の両脚部Saが折り曲げられていく。このように、クリンチャアーム220のクリンチャ部226の下降によってステープル針S1の両脚部Saを互いに接近する方向に折り曲げていくので、その両脚部Saをフラットに潰すことができる。また、ステープル針S1の両脚部Saの折り曲げをクリンチャアーム220の回動によって行っているので、そのクリンチャ機構200の構成は簡単なものとなる。
【0077】
フォーミングホルダ110の下降でクリンチャリンク201が図35(A),(B)に示す位置から図36(A),(B)に示す位置へと反時計回りに回動していくと(時点T13)、クリンチャリンク201の当接面202Bがスライド軸33をさらに前方へ押していく。
【0078】
これにより、スライド軸33はクリンチャガイド210のガイド長孔215に沿ってさらに前方へ移動していく。この移動により、時点T11〜T12の間の期間クリンチャアーム220が図35(B)に示す位置に保持され、ステープル針S1の両脚部Saが確実にフラット状に折り曲げられることになる。
【0079】
また、スライド軸33の前方への移動の際に、スライド軸33と共に第1リンク板271が前方へ移動して第2リンク板280を固定軸31を中心に回動させる。この第2リンク板280の回動により移動軸34を介して規制板251が前方へ移動してクリンチャガイド210のロックが解除される(時点T12)。
【0080】
クリンチャリンク201が図36(A),(B)に示す位置へ回動すると、クリンチャリンク201の支持面203Aにクリンチャガイド210の回動軸32が当接する。また、ドライバリターンカム471の回転によりドライバホルダ101が下降を開始する(時点T13)。
【0081】
また、フォーミングホルダ110の下降に伴ってクリンチャリンク201が図37(A),(B)に示す位置まで反時計回りに回動すると、クリンチャリンク201の当接面202Bがスライド軸33をさらに前方へ押し出し、第1リンク板271を図37(B)に示す位置へ移動させる(時点T14)。
【0082】
第1リンク板271の前方への移動量は、軸孔281と軸孔283との間の距離L2が軸孔281と軸孔282との間の距離L3の約2倍に設定されていることにより、第1リンク板271の移動量の約2となっている。このため、第1リンク板271の僅かな移動であっても規制板251を大きく移動させることができ、クリンチャガイド210のロックを確実に解除することができる。
【0083】
他方、クリンチャリンク201が図37(A),(B)に示す位置に回動する際には、クリンチャリンク201の支持面203Aが回動軸32を押し上げていくので、クリンチャガイド210がクリンチャアーム220と共にスプリング260の付勢力に抗して固定軸31を中心にして時計回りに回動していく。したがって、スプリング260の付勢力は小さくて済むので、このときのモータMの負荷は小さなものとなる。
【0084】
そして、フォーミングホルダ110がホームポジションへと下降すると(時点T15)、ドライバホルダ101も図3に示す位置へ下降し、クリンチャリンク201が図31(A),(B)に示す位置へ回動する。クリンチャリンク201が図31(A),(B)に示す位置にくると、クリンチャリンク201の当接面202Bからスライド軸33が外れる。このため、スライド軸33がスプリング228の付勢力によってクリンチャガイド210のガイド長孔215に沿って後方へと移動する。このスライド軸33の移動により、クリンチャアーム220はクリンチャガイド210に対して固定軸31を中心にして時計回りに回動して図31(B)に示す位置に移動する。
【0085】
また、クリンチャガイド210に取り付けられた回動軸32は、規制板251の凹部254に係合し、スプリング260の付勢力によってクリンチャリンク201の当接面202Aに当接する。そして、マイクロスイッチ29が図31(A),(B)に示す位置にきたクリンチャリンク201を検知してモータMの駆動が停止される。
【0086】
この実施形態の電動式ステープラー1によれば、駆動軸410の一回転によってステープル針シートSTの送り出しと、ステープル針Sのコ字状の成形と、ステープル針Sの打ち出し等の全ての動作を行うようになっている。また、クリンチャアーム220の回動によってステープル針S1の両脚部Saをクリンチしているものであるから、左右に回動部材を一対設けてこの回動部材の回動によりクリンチを行うタイプのクリンチ機構に比べてその構造が至って簡単であり、このため、ステープラー本体10の小型軽量化を図ることができる。
【0087】
ところで、シート束Pが厚い場合には、図38に示すように、クリンチャガイド210の回動量が図32(A),(B)の場合と比べて小さくなる。この際、回動軸32が規制板251の規制辺253Aの右端(図38において)に当接するように規制辺253Aの長さL1が設定されている。このため、ステープル針Sの打ち出しに伴ってクリンチャガイド210の先端部に上方への力が加わると、回動軸32が規制板251の規制辺253Aから外れる。この結果、クリンチャガイド210が時計回りに回動して逃げることになり、ステープル針Sの座屈が防止される。
【0088】
すなわち、シート束Pが所定以上の厚さになると、ステープル針Sが打ち出される際にクリンチャガイド210が逃げてステープル針Sの座屈が防止される。このため、ステープル針Sの座屈によってカートリッジ600の打出通路601が詰まってしまうことがなく、このためドライバホルダ101やフォーミングホルダ110の上昇の途中で止まって駆動軸410がロックされてしまうことが防止される。
【0089】
また、シート束Pの厚さによってクリンチャガイド210の回動位置が異なるが、クリンチャアーム220のクリンチャガイド210に対する相対位置は、図20(B)に示すように、その回動位置によって変わらない。このため、スライド軸33の前方への移動によって、図20(C)に示すように、その回動位置に拘わらず常にクリンチャアーム220はクリンチャガイド210に対して固定軸31回りに所定角度だけ回動する。このため、シート束Pの厚さに拘わらずステープル針Sの脚部Saを確実にクリンチすることができる。
【0090】
また、スライダー301は、フォーミングホルダ110がホームポジションに位置しているとき、送爪プレート330の爪334の先端部334Aがスライダー301のベース部302の上面から引き込まれている。このため、カートリッジ600をステープラー本体10から外す際に、その爪334の先端部334Aがステープル針シートSTに引っかかってステープル針シートSTがカートリッジ600が引き出せなくなることが防止される。
【0091】
さらに、この実施形態によれば、カートリッジ600の収納室603に積層されたステープル針シートSTを板バネ部671,677で押さえているので、既存のコイルバネを用いる方式に比べ、板バネ部671,677を配置するスペースが小さくて済み、このため高さの低い収納室603に収納するステープル針シートSTの積層枚数を多くすることができる。また、板バネ体650に板バネ部671,677と逆止爪654とが形成されているので、板バネ体650だけをカートリッジ本体602から取り外すだけで、分別処理が行える。しかも、板バネ体650を後方へ引っ張るだけでカートリッジ本体602から取り外すことができ、その取り外しは至って簡単に行うことができる。
【0092】
また、この実施形態によれば、カートリッジ600の下側に、モータMのモータ軸Maがステープル針シートSTの送り方向に向くようにモータMを配置し、さらに、モータ軸Maと駆動軸410とを一直線上に配置し、減速用の遊星ギア425,437,444を駆動軸410に沿って配置したものであるから、遊星ギア425,437,444をカートリッジ600の長手方向に沿って重ねるように配置することができ、このため、カートリッジ600の幅からはみ出すように配置せずに済む。しかも、ステープル針シートSTの送り方向と直交する方向に減速ギアを側壁に複数並設する必要がなく、このため、駆動軸410を駆動する駆動機構400のコンパクト化を図ることができ、ステープラー本体10の小型化を図ることができる。また、駆動軸410に設けた各カム470〜473によってドライバホルダ101やフォーミングホルダ110を直接上下動させているものであるから、ドライバ102やフォーミングプレート111,112の上下動にリンク機構を設ける必要がなく、このため、その上下動の構造が簡単なものとなり、ステープラー本体10の小型化をさらに図ることができる。
【0093】
さらに、上記実施形態によれば、スライダー301によるステープル針シートSTの送り出しのタイミングを駆動ギアホルダ440の円板441の切欠445によって行っているものであるから、その送り出しのタイミングを任意にしかも精度良く設定することができる。
【0094】
【発明の効果】
以上説明したように、請求項1の発明によれば、クリンチャ機構は、本体ケースに一端が回動自在に軸支され且つその他端中央からケース本体側に向けて突出された一対の対向壁の突出端部から基部側に向って傾斜設定された凹部が形成されたクリンチャガイドと、クリンチャガイドと本体との間に位置するようにクリンチャガイドの一端に回動自在に軸支され且つその他端中央に常時は凹部の基部間に跨って位置しその回動に伴って凹部の突出端間に跨る位置まで変位するフラット溝227を形成したクリンチャ部が形成されたクリンチャアームとを備えていることにより、ステープル針の両端をフラットに折り曲げることができ、しかも、一定品質の綴じ処理を行い得て信頼性を向上させることができる。
【0095】
また、請求項2に記載の発明は、クリンチャガイドの一端寄りに他端側に向けて長軸な長孔が形成され、クリンチャアームの一端寄りに長孔と略一致し且つクリンチャガイドの回動初期には該クリンチャガイドの回動に追従すると共にクリンチャガイドの回動終了後に独立してクリンチャアームを回動させるようにズレを設けた長孔が形成され、該各長孔間に設けた一つの軸でクリンチャガイドとクリンチャアームとを回動させることにより、特別で高価なタイミング制御機構を設けることなく段階的な折り曲げを実現することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(A)この発明に係わる電動式ステープラーの外観を示した正面図である。
(B)電動式ステープラーの側面図である。
【図2】(A)電動式ステープラーの平面図である。
(B)電動式ステープラーの背面図である。
【図3】電動式ステープラーの構成を示した縦断面図である。
【図4】電動式ステープラーの横断面図である。
【図5】クリンチャリンクの取り付け状態を示した説明図である。
【図6】(A)本体ケースを示した平面図である。
(B)本体ケースを示した断面図である。
【図7】本体ケースに側板を取り付けた状態を示した説明図である。
【図8】(A)フォーミングホルダ、ドライバホルダ、ドライバカム及びドライバリターンカムの位置関係を示した断面図である。
(B)フォーミングホルダにフォーミングプレートを取り付けた状態を示した説明図である。
【図9】アンビルの先端部がカートリッジの打出通路に進入した状態を示した平断面図である。
【図10】(A)アンビルの先端部がカートリッジの打出通路に進入した状態を示した側断面図である。
(B)アンビルの先端部がカートリッジの打出通路から退出した状態を示した側断面図である。
【図11】ケース本体にスライダーを取り付けた状態を示した平面図である。
【図12】ケース本体にスライダーを取り付けた状態を示した横断面図である。
【図13】ステープラー本体の横断面図である。
【図14】(A)スライダーと駆動ギアホルダの円板との位置関係を示した正面図である。
(B)スライダーと駆動ギアホルダの円板との位置関係を示した側面図である。
【図15】ロック機構の構成を示した側面図である。
【図16】解除機構の構成を示した側面図である。
【図17】(A)クリンチャガイドを示した側面図である。
(B)クリンチャガイドの底面図である。
(C)クリンチャガイドの縦断面図である。
【図18】(A)クリンチャガイドの先端部を示した拡大図である。
(B)クリンチャガイドの先端部の拡大断面図である。
【図19】(A)クリンチャアームを示した側面図である。
(B)クリンチャアームの底面図である。
(C)クリンチャアームの縦断面図である。
(D)クリンチャアームの先端部の拡大図である。
【図20】(A)クリンチャガイドにクリンチャアームを取り付けた状態を示した説明図である。
(B)クリンチャガイドとクリンチャアームとがシート束表面に当接するまで一体に回動した状態を示した説明図である。
(C)クリンチャガイドに対してクリンチャアームが回動した状態を示した説明図である。
【図21】クリンチャガイド及びクリンチャアームとスプリングと各軸との関係を示した説明図である。
【図22】ロック機構と解除機構を示した平面図である。
【図23】ロック機構と解除機構を示した斜視図である。
【図24】ロック機構と解除機構を示した側面図である。
【図25】ロック機構の固定板を示した側面図である。
【図26】解除機構の第1リンク板を示した側面図である。
【図27】解除機構の第2リンク板を示した側面図である。
【図28】電動式ステープラーの動作を示したタイムチャートである。
【図29】スライダー前方移動の際の駆動ギアホルダの円板を示した説明図である。
【図30】ステープル針がコ字状に成形される状態を示した説明図である。
【図31】(A)フォーミングホルダがホームポジションに位置しているときのロック機構とクリンチャリンクとクリンチャガイドとの状態を示した説明図である。
(B)フォーミングホルダがホームポジションに位置しているときの解除機構の状態を示した説明図である。
【図32】(A)クリンチャリンクの回動によりクリンチャガイドの先端部がシート束を挟持する状態を示した説明図である。
(B)クリンチャリンクの回動によりクリンチャガイドの先端部がシート束を挟持した際の解除機構の状態を示した説明図である。
【図33】(A)ステープル針が打ち出されていく状態を示した説明図である。
(B)ステープル針が打ち出されてステープル針の脚部の先端部がクリンチャアームの溝に入り込んだ状態を示した説明図である。
【図34】(A)打ち出されたステープル針の脚部が内側へ折り曲げられていく状態を示した説明図である。
(B)ステープル針の脚部がクリンチャアームによってフラットに折り曲げられた状態を示した説明図である。
【図35】(A)フォーミングホルダが上死点から下降したときのクリンチャリンクの回動位置を示した説明図である。
(B)クリンチャガイドに対するクリンチャアームの回動位置を示した説明図である。
【図36】(A)図35(A)に示す位置からクリンチャリンクが反時計回りに少し回動した状態を示した説明図である。
(B)図35(A)に示す位置からクリンチャリンクが反時計回りに少し回動した際の解除機構の状態を示した説明図である。
【図37】(A)ロック機構によるロックの解除が行われた状態を示した説明図である。
(B)解除機構の動作を示した説明図である。
【図38】シート束Pが厚い場合にステープル針の座屈が防止されることを説明するための説明図である。
【符号の説明】
S…ステープル針
S1…ステープル針
ST…ステープル針ユニット
1…電動式ステープラー
10…ステープラ本体
13…ケース本体
33…軸
111…フォーミングプレート
112…フォーミングプレート
200…クリンチャ機構
210…クリンチャガイド
215…長孔
217…対向壁
218…凹部
220…クリンチャアーム
225…長孔
226…クリンチャ部
227…フラット溝
601…打出通路
Claims (2)
- 複数のステープル針が接合されたステープル針シートが収納されると共に前記ステープル針が通過可能となるように形成された打出通路の一端から他端にわたって往復動可能に配置され且つその往動時に前記打出通路の一端に位置する前記ステープル針を前記ステープル針シートから分離させて前記打出通路の他端から打ち出すドライバを備えたケース本体と、該ケース本体に回動可能に支持されて前記打出通路の他端から打ち出されたコ字状の前記ステープル針の両端を互いに接近する方向に折り曲げるクリンチャ機構とを備えた電動式ステープラーにおいて、
前記クリンチャ機構は、
前記本体ケースに一端が回動自在に軸支され、且つ、その他端の幅方向中央部から前記ケース本体側に向けて突出された一対の突出端部の対向壁面のそれぞれに、前記突出端部から基部側に向って、前記コの字状に曲げられたステープル針の先端部を挿入するように傾斜して形成される凹部が形成されたクリンチャガイドと、
該クリンチャガイドと前記本体ケースとの間に位置して前記クリンチャガイドの一端に回動自在に軸支され、且つ、その他端部の幅方向中央部に、前記コの字状に曲げられたステープル針の先端部を互いに接近する方向に折り曲げるためのフラット溝を形成したクリンチャ部を有し、常時は前記凹部の基部間に跨って位置したクリンチャアームとを
備えていることを特徴とする電動式ステープラー。 - 前記クリンチャガイドと前記クリンチャアームの各一端寄りに他端側に向けて各々長孔が形成され、該各長孔に挿入した一つの軸を水平方向に往動させて前記クリンチャガイドと前記クリンチャアームとの綴じ動作を行う一方、該クリンチャガイドの回動停止後前記クリンチャアームを同じ方向に更に回動させるように、前記両長孔の傾斜をずらして形成したことを特徴とする請求項1に記載の電動式ステープラー。
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