JP3676421B2 - 電磁波シールド材 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、導電部材の合わせ部間の間隙等に装着され、電磁波を遮蔽する電磁波シールド材に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、この種の電磁波シールド材として、導電性ゴムをライン状に形成したものや、金属線を編組したワイヤメッシュを筒状に形成したものが知られている。いずれにしても、導電性と圧縮力に対する弾性とを備えることにより、例えば、導電性筐体の開口部の周囲等に装着された場合、開口部を閉じるパネル等との間にできる間隙の形状に適合して、この間隙を電磁的に密閉し、両者を導通させると共に間隙を通過しようとする電磁波を遮蔽するものである。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、このような導電性ゴムや筒状のワイヤメッシュでは、パネルの開閉が繰り返されるのに従い、その弾性力が劣化すると、塞ぐべき間隙の形状に適合できなくなって隙間を生じてしまったり、また、弾性を有するため小さなものであれば異物を挟んだ状態でパネルを閉じることが可能であり、この状態でパネルが閉じられてしまうと、異物により隙間が生じて、確実に電磁波を遮蔽できないという問題があった。
【0004】
本発明は、上記問題点を解決するために、導電部材の合わせ部の間隙を通過しようとする電磁波を確実に遮蔽できる電磁波シールド材を提供することを目的とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するためになされた請求項1に記載の発明は、導電部材の合わせ部間の間隙等に装着され、電磁波を遮蔽する電磁波シールド材であって、平板状の基部と、該基部の中心軸に沿って垂設される垂設部とからなり、少なくとも表面が導電性を有する材料にて断面T字状に形成されていると共に、上記垂設部が上記中心軸方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の電磁波シールド材において、
上記基部及び上記垂設部の少なくとも一方は、弾性材料にて形成されていることを特徴とする。
【0007】
次に、請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の電磁波シールド材において、上記垂接部を分割するスリットは、上記基部側が狭く、上記垂設部の先端側ほど広くなるように形成されていることを特徴とする。
また次に、請求項4に記載の発明は、請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁波シールド材において、上記基部及び上記垂設部の任意の箇所に形成された粘着層と、該粘着層から剥離可能に形成され該粘着層を保護する剥離層と、を設け、当該電磁波シールド材を上記導電部材に固定可能にしたことを特徴とする。
更に、請求項5に記載の発明は、請求項4に記載の電磁波シールド材において、上記粘着層は、上記基部と上記垂設部とにより形成される2つのL字状部の一方に形成されていることを特徴とする。
【0008】
【作用および発明の効果】
上記のように構成された請求項1に記載の電磁波シールド材においては、垂設部を導電部材の合わせ部の間隙に、また基部を各導電部材の合わせ部と直交する壁面に夫々当接するように配置すると、垂設部が、導電部材の合わせ部の間隙を直接塞いで、間隙に入り込んだ電磁波を遮蔽すると共に、基部が、両導電部材により形成される間隙近傍の壁面を覆うことにより、合わせ部の間隙に進入、或はこの間隙から漏出する電磁波を遮蔽する。即ち、垂設部と基部とにより、合わせ部の間隙を通過しようとする電磁波を二重に遮蔽する。
【0009】
従って、本発明によれば、合わせ部の間隙を通過しようとする電磁波を確実に遮蔽でき、また例え、何等かの原因で垂設部と導電部材との間に多少の隙間が生じてしまったとしても、基部が間隙近傍の壁面を覆っているので、電磁波遮蔽性能が大きく劣化することがない。
また、本発明の電磁波シールド材においては、垂設部が基部の中心軸方向に沿って複数に分割されている。
従って、本発明の電磁波シールド材によれば、基部を、分割された垂設部が互いに接触しない範囲内で、無理なく変形させることができ、例えば、筐体の開口部の角部のような場所でも、電磁波シールド材を切断することなく連続した状態で取り付けることができる。
その結果、電磁波シールド材の取付作業が容易になると共に、電磁波シールド材のつなぎ目も少なくなるので取り付けた電磁波シールド材は剥がれ難くなる。
【0010】
また、本発明の電磁波シールド材よれば、基部を、垂設部が形成されていない側の面が導電部材に当接するように固定し、他の導電部材の端部や角部が、基部と垂設部とにより形成されるL字状部分に配置されるようにして使用することもできる。
【0011】
この場合、基部の半分が導電部材の合わせ部の間隙を直接塞ぐと共に、基部の残り半分と垂設部が隙間近傍にて導電部材の壁面を覆い、合わせ部の間隙を通過しようとする電磁波を二重に遮蔽する。
従って、上述の使用方法と同様に、確実に電磁波を遮蔽できる。
【0012】
この場合、もう一方のL字状部分にも導電部材の端部や角部を配設してもよく、従って、3つの導電部材を組み合わせた合わせ部にも使用できる。
次に、請求項2に記載の電磁波シールド材においては、基部及び垂設部の少なくとも一方は、弾性材料にて形成されている。即ち、少なくとも合わせ部の間隙に配置される部分が弾性材料にて形成されていれば、導電部材の端部に多少凹凸がある場合でも、これに適合して合わせ部の間隙を確実に塞ぐことができ、より確実に電磁波を遮蔽できる。
【0013】
また、請求項3に記載の電磁波シールド材においては、垂接部を分割するスリットは、基部側が狭く、上記垂設部の先端側ほど広くなるように形成されている。
従って、本発明の電磁波シールド材によれば、垂設部が形成された面を凸とする変形が可能なだけでなく、この面を凹とする変形も可能となり、この面の変形が凸となる箇所だけでなく、この面の変形が凹となったり、更には、この面の変形が凹凸入り混じるような複雑な形状の箇所にも取り付けることができる。
【0014】
また次に、請求項4に記載の電磁波シールド材においては、粘着層と粘着層を保護する剥離層が設けられている。
【0015】
従って、本発明の電磁波シールド材によれば、粘着層から剥離層を剥離し、粘着層が露出された部分を導電部材の所定の固定位置に配置するだけで簡単に当該電磁波シールド材を導電部材に固定できる。また、本発明によれば、粘着層は剥離層により保護されているため、未使用の電磁波シールド材の保存中に、粘着層にゴミや塵等が付着して粘着力が劣化してしまうことがなく、使用時にはこの粘着層により確実に固定できる。
なお、粘着層は、例えば、請求項5に記載のように、基部と垂設部とにより形成される2つのL字状部の一方に形成すればよい。
【0016】
【実施例】
以下に本発明の実施例を図面と共に説明する。
図1(a)は、本実施例の電磁波シールド材10の全体構成を表す斜視図であり、図1(b)は、そのA−A断面図である。
【0017】
図1(a)に示すように、電磁波シールド材10は、平板状の基部12と、基部12の長手方向の中心軸に沿って垂設された垂設部14とからなり、断面T字状に形成されている。そして、垂設部14には、所定間隔毎に形成されたスリット14aにより、複数に分割されている。
【0018】
また、基部12と垂設部14とにより形成される2つのL字状部16a,16bの一方(L字状部16a)には、電磁波シールド材10を外部の部材に固定するための粘着層18が形成され、更に、この粘着層18は、剥離紙20により覆われている。
【0019】
そして基部12及び垂設部14は、図1(b)に示すように、ゴム,スポンジ等により一体成形された弾性層10aを有しており、その表面には、銀,銅,アルミ等を無電解メッキしてなる金属層10bが形成されている。なお、垂設部14のスリット14aにより形成された面にも無電解メッキは施されている。
【0020】
また、粘着層18は、ニッケル等の金属,カーボン,或はこれらを組み合わせた材料からなる粉末状,繊維状,或は箔状の導電性フィラーを、アクリル系,或はシリコーン系の接着剤に配合してなる導電性接着剤にて形成され、電磁波シールド材10が他の部材に接着された際に、接着された部材との導通を妨げることがないようにされている。
【0021】
以上のように構成された電磁波シールド材10は、例えば、電子部品を収納する筐体等において、保守や点検等のために設けられた開口部の周囲等に取り付けられ、開口部を塞ぐパネルとの間にできる隙間を通過する電磁波を遮蔽するために使用される。
【0022】
なお、電磁波シールド材10の取付は、剥離紙20を剥し、粘着層18が露出された状態のL字状部16aを、筐体の開口部の周囲等,所定の固定位置に配置するだけで簡単に行なうことができる。
次に、図2は、本実施例の電磁波シールド材10が、電子部品を収納するシールドケース2に取り付けられた状態を示す斜視図であり、図3は、そのB−B断面図である。
【0023】
図2に示すように、シールドケース2は、金属製で略直方体形状をしており、電子部品を収納する収納空間3aを有する本体3と、収納空間3aの開口部を塞ぐ蓋体4とからなり、これら本体3と蓋体4とは、ヒンジ6を介して回動自在に取り付けられ、ヒンジ6が形成された縁部とは反対側の縁部に、シールドケース2を閉じた状態に保持するための締付部7が設けられている。また本体3の側面には、収納された電子部品からの信号を外部に取り出すための防水コネクタ8が取り付けられている。更に、本体3と蓋体4との合わせ部となる本体3の開口縁部3bに、電磁波シールド材10が取り付けられている。
【0024】
ここで、電磁波シールド材10は、開口縁部3bの全周に渡って連続した単一のものが使用されている。即ち、電磁波シールド材10の垂設部14には、スリット14aが形成されているため、電磁波シールド材10を略直角に変形させることができ、4隅の角部にも無理なく取り付けられている。
【0025】
また、図3に示すように、電磁波シールド材10は、垂設部14が本体3の開口縁部3bに、また基部12が本体3の内壁3cに粘着層18を介して接着固定されている。
そして、蓋体4が閉じられた時(図3中点線にて示す)には、粘着層18が形成されていない側のL字状部16bに蓋体4の縁部4bと内壁4cとが当接する。
【0026】
その結果、垂設部14が、本体3及び蓋体4の合わせ部である各縁部3b,4b間の間隙を塞ぐと共に、基部12が、この間隙近傍の内壁3c,4cを覆うことになる。
これにより、本体3と蓋体4とは、電磁波シールド材10を介して導通すると共に、その縁部3b,4b間の間隙は、電磁波シールド材10の基部12と垂設部14とにより、電磁的に二重に遮蔽される。
【0027】
しかも、電磁波シールド材10は、弾性層10aを有し、圧縮力に対する弾性を有しているので、縁部3b,4bに多少の凹凸があったとしても、シールドケース2を閉じた際に、垂設部14がこの凹凸に応じて変形し縁部3b,4b間を隙間なく塞ぐ。
【0028】
従って、本実施例によれば、シールドケース2を閉じた際に、縁部3b,4b間の隙間を通過しようとする電磁波を確実に遮蔽できる。また、例えば、シールドケース2が繰り返し開閉されることにより垂設部14の弾性が劣化したり、ゴミ等が垂設部14と縁部4bとの間に挟まる等して、シールドケース2を閉じた際に、垂設部14と縁部4bとの間に多少の隙間ができたとしても、基部12が間隙の近傍の内壁3c,4cを覆っているので、電磁波遮蔽性が大きく劣化することはない。
【0029】
更に、本実施例の電磁波シールド材10によれば、粘着層18とこれを保護する剥離紙20が設けられており、粘着層18から剥離紙20を剥離し、粘着層18が露出された状態で、粘着層18が形成された部分を所定の固定位置に配置するだけで簡単に当該電磁波シールド材10をシールドケース2の縁部3b等に固定できる。
【0030】
また、粘着層18は剥離紙20により保護されているため、未使用の電磁波シールド材10の保存中に、粘着層18にゴミや塵等が付着して粘着力が劣化してしまうことがなく、使用時には確実に固定できる。
次に、第2実施例の電磁波シールド材30を図4に示す。
【0031】
なお、第1実施例の電磁波シールド材10とは、垂設部14に形成されたスリット14aの形状と、粘着層18が形成されている位置とが異なるだけであり、他の部分は全く同じであるので、同一の部材には同一の番号を付し、構成の異なる部分についてのみ説明する。
【0032】
即ち、第1実施例では、垂設部14に形成されたスリット14aは、単なる切込みであったが、本実施例のスリット14aは、図4(a)に示すように、基部12側は狭く、垂設部14の先端側程広くなるように形成されている。
従って、本実施例によれば、垂設部14が形成された面12aを凸とする変形が可能なだけでなく、図4(b)に示すように、この面12aを凹とする変形も可能となり、図2の取付状態に示されるような面12aの変形が凸となる箇所だけでなく、面12aの変形が凹となったり、更には、面12aの変形が凹凸入り混じるような複雑な形状の箇所にも取り付けることができる。
【0033】
また、このようなスリット14aが形成されていることにより、例えば、図4(c)に示すように、垂設部14が取り付けられる導電部材32の合わせ部面32aに、この合わせ部面32aと他の導電部材(図示せず)の合わせ部面とを突き合わせた状態でを固定するためのねじ穴34等が形成されている場合であっても、このねじ穴34とスリット14aとが対応するように配置すれば、固定の妨げとなることがない。
【0034】
また更に、第1実施例では、粘着層18がL字状部16aに形成されているが、本実施例のように、基部12の裏面(垂設部14とは反対側の面)12bに形成してもよく、結局、粘着層18は、電磁波シールド材10,30の使用方法に応じて任意の位置に形成すればよい。また、粘着層18は、全く設けなくてもよく、その場合、粘着層18と同じ材質の接着材、或は、ネジ等の固定具により導電部材の合わせ部に固定すればよい。
【0035】
次に、図5(a)は、第3実施例の電磁波シールド材40の全体構成を表す斜視図である。上記第1及び第2実施例では、いずれも垂設部14にスリット14aを形成しているが、図5(a)に示す電磁波シールド材40のように、電磁波シールド材40を変形させる必要のない箇所にて使用する場合には、垂設部14にスリット14aが形成されていなくてもよい。この場合、構成がきわめて簡単であり、製造が容易である。
【0036】
また、上記実施例では弾性層10aとして、ゴム,スポンジ等、絶縁性材料を用いているが、カーボン,金属,金属をコーティングしたガラス等を微粉末状,箔状,繊維状にした導電性粒子を、シリコーンゴム等に充填した導電性エラストマ等を使用してもよい。この場合、金属層10bは形成しなくても電磁波を遮蔽できるが、電磁波の遮蔽をより確実なものとするために、金属層10bを形成してもよい。
【0037】
更に、上記実施例のように、基部12及び垂設部14に弾性層10aを設けることなく、金属材料だけで作製してもよく、この場合、始めから図5(a)のようなT字状のものを作製してもよいし、図5(b)に示すように、金属板42をT字状に変形させることにより作製してもよい。なお、図5(b)は正面図である。
【0038】
次に、上記実施例(図3参照)では、垂設部14が、合わせ部(縁部3b,4b)の間に位置するように使用されているが、その他の使用方法として、図6(a)に示すように、基部12の裏面12bを第1の導電部材50に固定し、L字状部16aに第2の導電部材52が配置されるようにしてもよい。
【0039】
この場合、第1の導電部材50と第2の導電部材52との合わせ部の間隙は、L字状部16aを構成する基部12の半分が塞ぎ、また、L字状部16bを構成する基部12の残りの半分と垂設部14とが間隙の近傍の壁面を覆うため、この間隙を通過しようとする電磁波は、第1実施例の場合と同様に、二重に遮蔽される。
【0040】
また、図6(b)に示すように、3つの導電部材が組み合わされる合わせ部に使用することもできる。即ち、基部12の裏面12bが第1の導電部材54の端部に固定され、2つL字状部16a,16bに夫々第2及び第3の導電部材56,58の端部が配置されたものである。これは、図3及び図6(a)にて説明した使用方法を組み合せたものであり、従って、第1実施例と同様の効果が得られることは明かである。
【0041】
なお、図6(a)及び(b)に示す導電部材,50,52,54,56,58としては、例えば、導電性の筐体を構成する壁材や柱材、接地すべきパタンが形成された電子回路の基板、基板上にて電子回路を保護するシールドケースやシールド仕切板等、様々なものが考えられる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 第1実施例の電磁波シールド材の全体構成を表す斜視図およびそのA−A断面図である。
【図2】 実施例が適用されたシールドケースの全体構成を表す斜視図である。
【図3】 図2におけるB−B断面図である。
【図4】 第2実施例の構成を表す斜視図である。
【図5】 第3実施例の構成を表す斜視図及び正面図である。
【図6】 実施例の使用方法を表す説明図である。
【符号の説明】
2…シールドケース 3…本体 4…蓋体 6…ヒンジ
7…締付部 8…防水コネクタ 10,30,40…電磁波シールド材
10a…弾性層 10b…金属層 12…基部 14…垂設部
14a…スリット 16a,16b…L字状部 18…粘着層
20…剥離紙 32,50,52,54,56,58…導電部材
34…ねじ穴

Claims (5)

  1. 導電部材の合わせ部間の間隙等に装着され、電磁波を遮蔽する電磁波シールド材であって、
    平板状の基部と、
    該基部の中心軸に沿って垂設される垂設部と、
    からなり、少なくとも表面が導電性を有する材料にて断面T字状に形成されていると共に、
    上記垂設部が上記中心軸方向に沿って複数に分割されていることを特徴とする電磁波シールド材。
  2. 上記基部及び上記垂設部の少なくとも一方は、弾性材料にて形成されていることを特徴とする請求項1に記載の電磁波シールド材。
  3. 上記垂接部を分割するスリットは、上記基部側が狭く、上記垂設部の先端側ほど広くなるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の電磁波シールド材。
  4. 上記基部及び上記垂設部の任意の箇所に形成された粘着層と、
    該粘着層から剥離可能に形成され該粘着層を保護する剥離層と、
    を設け、当該電磁波シールド材を上記導電部材に固定可能にしたことを特徴とする請求項1ないし請求項3のいずれかに記載の電磁波シールド材。
  5. 上記粘着層は、上記基部と上記垂設部とにより形成される2つのL字状部の一方に形成されていることを特徴とする請求項4に記載の電磁波シールド材。
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