JP3677573B2 - 橋梁用伸縮装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
この発明は、ラップ式の橋梁用伸縮装置に関するものである。
【従来の技術】
【0002】
ラップ式の橋梁用伸縮装置は、例えば図9に示すように、遊間Uを有して隣り合う橋桁H,Hの各対向面上部に固定配置されたフィンガー40を有するプレート4を、一方のプレート4が他方のプレート4の一部に被さるように構成されており、橋桁H,Hの温度変化等による伸縮を、両方のプレート4,4が相対移動し、一方のプレート4のフィンガー40が他方のプレート4の隣り合うフィンガー40,40相互間に挿脱される態様で吸収されるようにしてある。
【0003】
しかしながら、上記橋梁用伸縮装置では、車両通行の安全上、両プレート4,4のフィンガー40,40間には大きな隙間を取ることができない。故に、地震等により橋軸方向又は橋軸直角方向に橋桁H,Hが大きく相対移動した場合、橋桁H,Hの相対移動を十分に吸収することはできない。
【0004】
また、橋桁H,Hが地震等により橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動した場合には、相対向するプレート4,4相互が衝突し、フィンガー40等が損傷するだけでなく他の橋梁部材までも損傷する恐れがある。特に、免震設計の橋梁では、橋梁の免震機能までも損なう恐れがある。また、フィンガー40に損傷が生じた場合、緊急車両の通過ができなくなったりして救助活動に大きな問題となる。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
そこで、この発明は、橋軸方向又は橋軸直角方向の大きな移動量を吸収でき、しかも車両の通行にも支障が出ない橋梁用伸縮装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
【課題を解決するための手段】
(請求項1記載の発明)
この発明の橋梁用伸縮装置は、一方側の橋台又は橋桁と他方側の橋桁の対向する部分にそれぞれ固定されたプレートを具備し、いずれか一方のプレートは他方のプレート側に突出するように橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、他方のプレートは上面に橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、一方のプレートが他方のプレートの一部に被さるようにしていると共に、一方のプレートのフィンガーが、他方のプレートの隣合うフィンガー相互間に遊挿されている橋梁用伸縮装置に於いて、他方のプレート上における両プレートのフィンガー間の隙間に、当該隙間の一部を填補する中間部材を固定してあり、中間部材は、一方のフィンガーとの間に隙間があり、温度変化に起因する橋桁相互の相対移動では、一方のフィンガーが衝突しないため、他方のプレート上から離脱せずに固定されたままであり、地震により橋桁相互が橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動し、一方のフィンガーが衝突したときには、他方のプレート上に固定された状態から離脱するようになっている。
(請求項2記載の発明)
この発明の橋梁用伸縮装置は、一方側の橋台又は橋桁と他方側の橋桁の対向する部分にそれぞれ固定されたプレートを具備し、いずれか一方のプレートは他方のプレート側に突出するように橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、他方のプレートは上面に橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、一方のプレートが他方のプレートの一部に被さるようにしていると共に、一方のプレートのフィンガーが、他方のプレートの隣合うフィンガー相互間に遊挿されている橋梁用伸縮装置に於いて、他方のプレート上における両プレートのフィンガー間の隙間に、当該隙間の一部を填補する中間部材を設けてあり、中間部材は、一方のフィンガーとの間に隙間があり、温度変化に起因する橋桁相互の相対移動では、一方のフィンガーが衝突しないため、他方のプレート上で圧潰せず、地震により橋桁相互が橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動し、一方のフィンガーが衝突したときには、他方のプレート上で圧潰し、圧潰したままになっている。
【0007】
(請求項2記載の発明)
請求項2記載の発明は、一方側の橋台又は橋桁と他方側の橋桁の対向する部分にそれぞれ固定されたプレートを具備し、いずれか一方のプレートは他方のプレート側に突出するように橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、他方のプレートは上面に橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、一方のプレートが他方のプレートの一部に被さるようにしていると共に、一方のプレートのフィンガーが、他方のプレートの隣合うフィンガー相互間に遊挿されている橋梁用伸縮装置に於いて、他方のプレート上の両プレートのフィンガー間の隙間に、当該隙間の一部を填補する中間部材を設け、一方のプレートのフィンガーが中間部材に衝突すると、中間部材が圧潰するようにしている。
【0008】
上記発明の橋梁用伸縮装置の機能については、以下の発明の実施の形態の欄で詳述する。
【発明の実施の形態】
【0009】
(参考形態1)
この参考形態1の橋梁用伸縮装置は、図1に示すように、免震装置Mを介して橋脚H’により支持された遊間Uを有する橋桁H,Hの間に配置されるもので、図1や図2に示す如く橋桁H,Hの対向する部分にそれぞれプレート1を具備し、一方のプレート1は他方のプレート1側に突出するように橋軸直角方向に複数配列されたフィンガー2を有し、他方のプレート1は上面に橋軸直角方向に複数配列されたフィンガー2を有し、一方のプレート1が他方のプレート1の一部に被さるようにしていると共に、一方のプレート1のフィンガー2の先端部が、他方のプレート1の隣合うフィンガー2の先端部相互間に遊挿される態様としている。そして、他方のプレート1上の両プレート1,1のフィンガー2,2間の隙間に、隙間の一部を填補し、一方のプレート1のフィンガー2が衝突すると変形するようにした中間部材3を設けている。
【0010】
プレート1は、鋼材で形成された橋軸直角方向に長いもので、一方のプレート1は板状で、下方に設けた縦板11と補強リブ12に固定され、他方のプレート1は、板状の水平部分13と、前記一方のプレート1側に設けられた垂直部分14からなり、補強リブ12に固定され、一方のプレート1が他方のプレート1の水平部分13に上から被さるようにすると共に、両プレート1,1のフィンガー2,2間に隙間が生じるようにして設置されている。図3は、中間部材3を他方のプレート1に設置する前の状態を示す図である。図から明らかなように、この橋梁用伸縮装置では、フィンガー2,2間に、従来のものより大きな隙間が生じるようにしている。
【0011】
なお、一方のプレート1は、図示しないアンカーにより橋桁H,Hに強固に固定されており、この固定状態においてプレート1の上面と橋桁H,Hの上面が略面一となっている。
【0012】
前記一方のプレート1のフィンガー2は、プレート1の一部として形成されており、先端方向に幅が小さくなる略台形状としている。他方のプレート1のフィンガー2は、プレート1の上面に設けられており、三角形状としている。なお、フィンガー2は、図4、図5に示すように、フィンガー2の上面と前記一方のプレート1の上面が略一致したものとなっている。
【0013】
中間部材3は、ゴム等の弾性材料からなり、両プレート1,1のフィンガー2,2間の隙間に挿入できるように、ジグザグ形状としたもので、縦断面をM字状とし、上面を平坦にして、この上面と前記一方のプレート1の上面が略一致するようにしている。この参考形態1では、中間部材3が他方のプレート1のフィンガー2に当接するように設けられている。
【0014】
この参考形態1の橋梁用伸縮装置は上記のような構成であるから、橋桁H,Hが橋軸方向又は橋軸直角方向に相対移動するような事態(例えば地震等)が生じて一方のプレート1のフィンガー2が中間部材3に衝突した場合、中間部材3は縦断面のM字の幅が圧縮された状態になる。
【0015】
すなわち、橋桁H,Hが橋軸方向に相対移動した場合は、ジグザグ状の中間部材3の橋軸直角方向に対して平行な部分が圧縮され、橋桁H,Hが橋軸直角方向に相対移動した場合は、中間部材3の橋軸直角方向に対して斜めの部分が圧縮される。これにより、両プレート1,1のフィンガー2,2は直接相互衝突することがなく、衝撃が和らげられると共に、前記相対移動が吸収される。
【0016】
しかも、中間部材3は両プレート1,1のフィンガー2,2間の隙間に存在し、隙間の一部を填補するので、車両の通行にも支障が出ない。なお、温度変化に起因する橋桁H,Hの相対移動では、前記フィンガー2と中間部材3との衝突は生じないようになっている。
【0017】
つまり、この橋梁用伸縮装置は、両プレート1,1のフィンガー2,2間に大きな隙間を確保することが可能となり、橋桁H,Hが橋軸方向及び橋軸直角方向のいずれに大きく相対移動した場合でも、破損することなく前記相対移動を十分に吸収でき、しかも、車両は中間部材3により車輪が隙間に嵌まらず、安全に走行することができる。
【0018】
なお、中間部材3は、前記フィンガー2の衝突により変形しても、破損することなく再び元の形状に回復する。また、万が一中間部材3が破損した場合でも、破損した中間部材3を新しい中間部材3に交換するだけで容易に修復することができ、橋梁用伸縮装置の全面的な修復作業を必要としない。
【0019】
(参考形態2)
この参考形態2の橋梁用伸縮装置は、図6に示すように、前記中間部材3の縦断面をN字状としたものである。このように、中間部材3は縦断面をM字状としたものに限られず、V字が複数連なった形状等、フィンガー2が衝突したときに圧縮される等、変形可能な形状であればよい。
【0020】
(実施形態1)
この実施形態1の橋梁用伸縮装置は、図7、図8に示すように、中間部材3を前記他方のプレート1上の両プレート1,1のフィンガー2,2間の隙間に固定し、地震等により橋桁H,Hが橋軸方向又は橋軸直角方向に相対移動するような事態が生じて一方のプレート1のフィンガー2が中間部材3に衝突した場合、中間部材3が離脱するようにしたものである。
【0021】
中間部材3は、鋼材やコンクリート、硬質ゴム等により形成されたもので、ノックピン等で他方のプレート1に固定され、車両の通行や温度変化に起因する橋桁H,Hの相対移動では離脱しないようにしている。また、中間部材3が離脱した際、中間部材3が橋軸方向及び橋軸直角方向に移動できるように、中間部材3は、両プレート1,1のフィンガー2,2のそれぞれとの間に間隔が生じるようにしている。
【0022】
このようにすることにより、地震等で橋桁H,Hが橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動し、一方のフィンガー2が中間部材3に衝突すると、中間部材3が他方のプレート1上に固定された状態から離脱し、衝突の衝撃が吸収されると共に、両プレート1,1が橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動可能となり、前記橋桁H,Hの相対移動が吸収される。従って、プレート1や他の橋梁部材の損傷が防止され、また、離脱した中間部材3を再び固定することにより、容易に修復することが可能である。
【0023】
なお、中間部材3のフィンガー2が衝突する部分をゴムで被覆してもよい。このようにすると、フィンガー相互の衝突音の発生を抑制できる。
【0024】
(実施形態2)
この実施形態2の橋梁用伸縮装置は、図9に示すように、中間部材3を前記参考形態1と同様に両プレート1,1のフィンガー2,2間の隙間に固定したもので、一方のプレート1のフィンガー2が衝突すると、中間部材3が圧潰するようにしたものである。
【0025】
この中間部材3は、鋼材でできた縦断面がM字状の圧潰部30とその両側の壁31で構成されており、地震等により橋桁H,Hが橋軸方向又は橋軸直角方向に相対移動するような事態が生じて一方のプレート1のフィンガー2が中間部材3に衝突した場合、中間部材3の圧潰部30が縦断面のM字の幅が圧縮された状態になる。
【0026】
なお、圧潰部30は前記の形状に限られず、縦断面をN字状としたり、V字が複数連なった形状としたり等、フィンガー2が衝突すると圧潰する形状であればよい。
【0027】
このように、中間部材3をフィンガー2の衝突により圧潰する構造とすると、フィンガー2の衝突による衝撃を効果的に吸収することが可能である。従って、プレート1や他の橋梁部材の損傷が防止され、また、圧潰した中間部材3を交換することにより、容易に修復することが可能である。
【0028】
(その他の参考形態及び実施形態)
上記参考形態及び実施形態では、橋桁と橋桁との間にこの発明の橋梁用伸縮装置を設けてあるが、橋桁と橋台との間にこの発明の橋梁用伸縮装置を設けることも可能である。
【0029】
また、図10のように、中間部材3を複数列設けてもよい。このようにすれば、両プレート1,1のフィンガー2,2間の隙間をさらに大きくすることができる。図11のように、両プレート1,1のフィンガー2,2のそれぞれに当接するように、中間部材3,3を設けてもよい。さらに、一方のプレート1のフィンガー2が中間部材3に衝突すると、中間部材3が圧潰すると共に、離脱するようにしてもよい。
【発明の効果】
【0030】
この発明の橋梁用伸縮装置では、橋軸方向又は橋軸直角方向の大きな移動量を吸収できると共に、車両の通行にも支障が出ない。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明の参考形態1の橋梁用伸縮装置が、免震装置を介して橋脚に支持された橋桁相互間に設置されている状態を示す断面図。
【図2】 前記橋梁用伸縮装置の斜視図。
【図3】 前記橋梁用伸縮装置の中間部材を設置する前の状態を示す断面図。
【図4】 図2のX−X断面図。
【図5】 図2のY−Y断面図。
【図6】 この発明の参考形態2の橋梁用伸縮装置の断面図。
【図7】 この発明の実施形態1の橋梁用伸縮装置が、免震装置を介して橋脚に支持された橋桁相互間に設置されている状態を示す断面図。
【図8】 この発明の実施形態2の橋梁用伸縮装置の斜視図。
【図9】 この発明の実施形態2の橋梁用伸縮装置の断面図。
【図10】 中間部材を複数列設けた場合を示す平面図。
【図11】 中間部材を両プレートのフィンガーそれぞれに当接させて設けた場合を示す斜視図。
【図12】 先行技術の橋梁用伸縮装置の斜視図。
【符号の説明】
1 プレート
2 フィンガー
3 中間部材

Claims (2)

  1. 一方側の橋台又は橋桁と他方側の橋桁の対向する部分にそれぞれ固定されたプレートを具備し、いずれか一方のプレートは他方のプレート側に突出するように橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、他方のプレートは上面に橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、一方のプレートが他方のプレートの一部に被さるようにしていると共に、一方のプレートのフィンガーが、他方のプレートの隣合うフィンガー相互間に遊挿されている橋梁用伸縮装置に於いて、他方のプレート上における両プレートのフィンガー間の隙間に、当該隙間の一部を填補する中間部材を固定してあり、中間部材は、一方のフィンガーとの間に隙間があり、温度変化に起因する橋桁相互の相対移動では、一方のフィンガーが衝突しないため、他方のプレート上から離脱せずに固定されたままであり、地震により橋桁相互が橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動し、一方のフィンガーが衝突したときには、他方のプレート上に固定された状態から離脱するようになっていることを特徴とする橋梁用伸縮装置。
  2. 一方側の橋台又は橋桁と他方側の橋桁の対向する部分にそれぞれ固定されたプレートを具備し、いずれか一方のプレートは他方のプレート側に突出するように橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、他方のプレートは上面に橋軸直角方向に複数配列されたフィンガーを有し、一方のプレートが他方のプレートの一部に被さるようにしていると共に、一方のプレートのフィンガーが、他方のプレートの隣合うフィンガー相互間に遊挿されている橋梁用伸縮装置に於いて、他方のプレート上における両プレートのフィンガー間の隙間に、当該隙間の一部を填補する中間部材を設けてあり、中間部材は、一方のフィンガーとの間に隙間があり、温度変化に起因する橋桁相互の相対移動では、一方のフィンガーが衝突しないため、他方のプレート上で圧潰せず、地震により橋桁相互が橋軸方向又は橋軸直角方向に大きく相対移動し、一方のフィンガーが衝突したときには、他方のプレート上で圧潰し、圧潰したままになっていることを特徴とする橋梁用伸縮装置。
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