JP3678085B2 - シールド電線の端末加工装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、シールド電線用の端末加工装置、特に、外皮を剥いで端末部に露出させた編組をパンチで叩いて拡開させる編組拡げ機構を有する端末加工装置の簡素化、低コスト化、耐久性向上、タクト短縮などを可能ならしめる案に関する。
【0002】
【従来の技術】
シールド電線は、図9に示すように、導体S1 を、絶縁被覆S2 と、導電性の編組S3 と、絶縁性の外皮S4 で順に被覆した構造になっている。
【0003】
このシールド電線Aの端末部に端子等を取付ける場合、先ず、端末部の外皮S4 を所定長さ剥いで編組S3 を露出させ、次に、その編組S3 を外皮S4 上にまくり上げ、その後、露出した絶縁被覆S2 を剥いで中心の導体S1 を露出させる必要がある。
【0004】
この端末加工に際して特に問題になるのは、編組の処理である。この編組はほぐした後、反転させて外皮上にまくり上げる必要があり、単に剥ぎ取るだけの外皮や絶縁被覆と違ってその処理が難しい。
【0005】
この編組のほぐし、反転を自動化作業で行うために、本出願人は、露出させた編組をパンチで外側から叩き、外向きに反り曲がらせて拡開させる拡開機構を備えた端末加工装置を特願平10−267993号で提案している。
【0006】
図5に、その装置の概要を示す。図の21は定位置回転可能に保持されたギヤディスク、22はギヤ23を介してディスク21を回転させるモータである。また、24はパンチ24aとエアシリンダ24bとから成る編組拡げ機構、25は編組反転部材25aとエアシリンダ25bとから成る編組反転機構、26は皮剥ぎ刃26aとエアシリンダ26bとから成る内部絶縁体用の皮剥ぎ機構であり、これ等がギヤディスク21に取付けられている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
本出願人が提案している上記の加工装置は、電線の全周において編組を平均的に開かせるために、対向一対のパンチを回転駆動機構を有するギヤディスクにパンチの駆動系と共に取付け、そのギヤディスクを間欠的に回転させ、回転の各位置でパンチを駆動して編組を叩くようにしている。
【0008】
ところが、エアーシリンダなどのパンチ駆動系をギヤディスクに取付けてギヤディスクと一緒に動かす上記の装置は、パンチ駆動系の繰り返し変位による配管破損や配線断線等を生じる虞れがある。また、配管や配線による制約により、ギヤディスクの回転角が360°以内に制限される。そのために、ほぼ180°回転後にギヤディスクを元の位置に戻し、その後反対方向にほぼ180°回転させる動作を繰り返すことになり、作業のタクトタイムにもロスが出る。
【0009】
この発明はかかる不具合を解消し、簡素化や小型化も併せて図れるようにしたシールド電線用の端末加工装置を提供することを課題としている。
【0010】
【課題を解決するための手段】
上記の課題を解決するため、この発明においては、位置決め点に保持されたシールド電線を間にしてパンチを対向配置し、そのパンチを電線周りに間欠的に回転させ、回転の各位置でそのパンチを駆動し、外皮を剥いで電線の先端部に予め露出させた編組をそのパンチで外側から叩いて編組の先端側を外向きに反り曲がらせる編組拡げ機構を備えたシールド電線の端末加工装置において、前記編組拡げ機構のパンチを駆動系から独立させ、そのパンチをばねで径方向外方への復帰力を加えて電線挿入穴を有する回転体に取付け、前記駆動系を回転体の外周に定ピッチで固定配置し、パンチが移動した先の各駆動系でパンチを作動させるようにしたのである。
【0011】
なお、シールド電線の端末加工装置は、図5で述べた如き編組反転機構や皮剥ぎ機構等も備えている。これ等の機構は、編組拡げ機構とは別箇所に固定配置することも可能であるが、そのようにすると装置の構造、動作が複雑化する。この不具合を無くすために編組反転部材や皮剥ぎ刃も駆動系から独立させてパンチと同様にして回転体に取付けておくのが好ましい。こうすると、パンチ用の駆動系を共用して編組反転部材や皮剥ぎ刃を作動させることができ、構造、動作の複雑化を回避できる。この編組反転機構や皮剥ぎ機構を含める装置は、それ等の機構とシールド電線を電線長手方向に相対移動させる必要があるので、そのためのスライド機構を含ませる。
【0012】
【作用】
この発明では、電線周りで回転変位させる必要がある編組拡げ機構のパンチとそのパンチの駆動系を独立させ、配管、配線の不要なパンチのみを回転体に取付けたので、回転体の回転による駆動系用配管、配線の動き(曲げ伸ばし)が起こらず、配管破損、配線断線の問題が無くなる。
【0013】
また、配管、配線による回転体の回転規制が無くなるので、回転体を一方向に回転させて作業のタクト短縮を図ることも可能になる。
【0014】
さらに、駆動系を外部に固定配置したことにより、回転体を小さくすることが可能になるほか、配管、配線に弛みをつける必要も無くなり、装置の簡素化、小型化も図れる。
【0015】
【発明の実施の形態】
図1乃至図4に、この発明の端末加工装置の実施形態を示す。
【0016】
図1、図2の符号1は、ベース板2(図2参照)上に立設した支持板、3は支持板1の中心穴に回転可能に組付けた回転体である。中心に電線挿入穴を設けたこの回転体3は、片端に設けたリンクギヤ4aとそれに噛み合わせたギヤ4bと、モータ4cとから成る駆動機構4によって回転駆動される。
【0017】
5はパンチ、6は編組反転部材、7は皮剥ぎ刃である。図3及び図4に示すようなホルダユニット、即ち、スライドガイド8aと、そのガイドで支えたヘッド付きのスライドロッド8bと、そのロッド8bを原位置に復帰させるばね8cとから成るホルダユニット8を回転体3の片面に定角度で割り振りして計6個設け、各ホルダユニットのスライドロッド先端にパンチ5、編組反転部材6、皮剥ぎ刃7をそれぞれに2個が対向するように取付けている。
【0018】
9は、各ホルダユニット8に対応させて支持板1に設けた駆動系であり、ここではシリンダアクチュエータを採用した。図のシリンダアクチュエータ9は、先端の打突ヘッド9aでスライドロッド8bを突き動かすが、必要時に切り離せる連結具を含めてアクチュエータの引き戻し力もパンチ5等に伝わるようにしておくこともできる。
【0019】
図2の10は、シールド電線Aをチャック10aで保持するクランプ機構、11は支持板1を電線長手方向に進退させるスライド機構である。
【0020】
このように構成した例示の端末加工装置は、シールド電線Aをクランプ機構のチャック10aで保持して図2に示すように位置決め点にセットする。このときのシールド電線Aは、端末外皮を予め剥いでおいてもよいし、加工装置に外皮剥ぎ刃を加えてセット後に外皮剥ぎも行うようにしておいてもよい。
【0021】
外皮を剥ぐと端末に編組が露出する。この編組を処理するために、回転体3を一方向に所定角度(図の装置は60°)で間欠的に回転させ、回転の各位置でパンチ5を作動させてそのパンチ5で編組の先端側を外側から叩く。パンチ5は、移動した先のシリンダアクチュエータ9でスライドロッド8bを打突して作動させる。図6は、その処理を終えたシールド電線Aを示したもので、編組S3 の先端側が拡開している。
【0022】
次に、電線径よりも少し大きな穴を作り出す半円溝を突き合わせ面に設けてある編組反転部材6をシリンダアクチュエータ9で駆動して電線外周で突き合わせ、その状態を維持してスライド機構11で支持板1を図2の右方に前進させる。これにより図7に示すように、編組S3 が部材7にしごかれて外皮S4 上に反転する。
【0023】
そこで、支持板1を定位置まで後退させ、今度は、皮剥ぎ刃7をシリンダアクチュエータ9で作動させて内部絶縁体S2 に入刀させ、支持板1を再度後退させることにより入刀した皮剥ぎ刃7で切断済みの内部絶縁体をしごき外す(図8)。以上で導体S1 が露出した一連の端末加工が完了する。
【0024】
【発明の効果】
以上述べたように、この発明の端末加工装置は、回転変位を生じる機構の加工ヘッド(パンチ等)を駆動系から切り離し、加工ヘッドのみを回転体に取付けたので、駆動系の配管破損、配線断線を無くして耐久性を向上させ得る。
【0025】
また、回転体を一方向に制限無く回転させることができるので、作業のタクト短縮も図れる。
【0026】
さらに、回転体が小さくて済むほか、配管、配線に回転追従のための弛みをつける必要も無いので装置の簡素化、小型化も図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】この発明の端末加工装置の実施形態を示す正面図
【図2】同上の装置の縦断断面図
【図3】回転体に取付けるホルダユニットの一例を示す正面図
【図4】同上のホルダユニットの取付け状態を示す断面図
【図5】従来の端末加工装置の概要を示す正面図
【図6】編組拡開処理を施したシールド電線の側面図
【図7】編組反転工程を示す図
【図8】内部絶縁体の剥ぎ取り工程を示す図
【図9】シールド電線の斜視図
【符号の説明】
1 支持板
2 ベース板
3 回転体
4 駆動機構
5 パンチ
6 編組反転部材
7 皮剥ぎ刃
8 ホルダユニット
9 シリンダアクチュエータ
10 クランプ機構
11 スライド機構
A シールド電線

Claims (3)

  1. 位置決め点に保持されたシールド電線を間にしてパンチを対向配置し、そのパンチを電線周りに間欠的に回転させ、回転の各位置でそのパンチを駆動し、外皮を剥いで電線の先端部に予め露出させた編組をそのパンチで外側から叩いて編組の先端側を外向きに反り曲がらせる編組拡げ機構を備えたシールド電線の端末加工装置において、前記編組拡げ機構のパンチを駆動系から独立させ、スライドガイドと、そのスライドガイドで支えるスライドロッドと、このスライドロッドに径方向外方への復帰力を加えるばねとから成るホルダユニットを、前記回転体の片面に対向させて設けてそのホルダユニットのスライドロッド先端に前記パンチを取付け、前記駆動系を、ベース板上に立設した支持板に固定して前記回転体の外周に定ピッチで配置し、前記回転体を一方向に間欠的に回転させて前記パンチを各駆動系の位置に移動させる、ギヤとモータとから成る駆動機構を設け、パンチが移動した先の各駆動系で前記ホルダユニットのスライドロッドを打突してパンチを作動させるようにしたことを特徴とするシールド電線の端末加工装置。
  2. シールド電線と編組拡げ機構を電線長手方向に相対移動させるスライド機構と、そのスライド機構による相対移動で拡開した編組をしごいて電線の外皮上に反転させる対向一対の編組反転部材を含ませ、スライドガイドと、そのスライドガイドで支えるスライドロッドと、このスライドロッドに径方向外方への復帰力を加えるばねとから成るホルダユニットを、前記回転体の片面に対向させて設けてそのホルダユニットのスライドロッド先端に前記編組反転部材を取付け、この編組反転部材を有するホルダユニットを、前記回転体の間欠回転で前記駆動系のところに移動する位置に配置し、移動した先の各駆動系で前記ホルダユニットのスライドロッドを突き動かして前記対向一対の編組反転部材を電線外周で突き合せるようにした請求項1に記載のシールド電線の端末加工装置。
  3. 編組反転後に露出する電線の内部絶縁体に入刀させ、切断した内部絶縁体を前記スライド機構による相対移動でしごき外す対向一対の皮剥ぎ刃を含ませ、スライドガイドと、そのスライドガイドで支えるスライドロッドと、このスライドロッドに径方向外方への復帰力を加えるばねとから成るホルダユニットを、前記回転体の片面に対向させて設けてそのホルダユニットのスライドロッド先端に前記皮剥ぎ刃を取付け、その皮剥ぎ刃を有するホルダユニットを、前記回転体の間欠回転で前記駆動系のところに移動する位置に配置し、移動した先の各駆動系で前記ホルダユニットのスライドロッドを突き動かして前記対向一対の皮剥ぎ刃を電線の内部絶縁体に入刀させるようにした請求項2記載のシールド電線の端末加工装置。
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