JP3685706B2 - 免震装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、基礎と建築物との間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支持する免震装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
建築物を地震から保護するための装置として、基礎と建築物との間に介装されて、地震による揺れを建築物に伝えないことにより建築物を保護する免震装置が知られており、近年、この免震装置が設置された建築物が増加する傾向にある。免震装置には、弾性材料を使用してその弾性を利用したものや、建築物側に設置されたボールが基礎側に固定された支持板上を転動する構造のものなどがあるが、特に、後者の免震装置は、前者の免震装置が適用させにくい戸建住宅にも対応することができるため、その利用が増加する傾向にある。
【0003】
上記した、建築物側に設置されたボールが基礎側に固定された支持板上を転動する構造の免震装置においては、従来、例えば、特開平10−88857号公報に示されるように、建築物に固定されてボールを保持する保持体とボールとの間に潤滑剤を介在させることにより、ボールを滑らかに転動させていた。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、建築物に地震の揺れを伝えないためにボールの転動を滑らかにすることは必要であるが、ボールの転動が滑らか過ぎると、地震以外での原因、例えば、強風が吹いた場合に建築物が移動してしまったり、また、地震が止まった後に長時間に亘って建築物の揺れが止まらなくなるという問題がある。
【0005】
本発明は、上記した事情に鑑みなされたもので、その目的とするところは、強風によって建築物が移動したり、地震後の建築物の揺れが長時間止まらなかったりすることのない免震装置を提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記した目的を達成するために、請求項1に係る発明においては、基礎と建築物との間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支持する免震装置において、該免震装置は、前記基礎に固定され且つその表面が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成される支持板と、前記建築物に固定され且つ前記基礎と前記建築物とが相対的に変位したときに前記支持板上を転動するボールを回転自在に保持するボール保持体と、から構成され、前記ボール保持体は、前記ボールを回転自在に保持するボール保持凹部が形成されるボール保持筒と、該ボール保持筒の内側面中央に固着され鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔隙に樹脂摺動層を含侵したすべり軸受と、前記ボール保持凹部に前記ボールを保持した状態で該ボール保持凹部の開口部に取り付けられる脱落防止材と、該脱落防止材と前記ボールとの間に生ずる隙間から塵等がボール保持凹部内に侵入しないように該脱落防止材に取り付けられる防塵枠と、から構成され、前記すべり軸受のほぼ中央に前記ボールとすべり軸受との接触面積調整用の穴部を形成したことを特徴とする。このように構成することにより、すべり軸受とボールとの間のすべり摩擦抵抗により、建築物が風圧等の微小な力で移動することがなく、また、地震が止まった後に長時間に亘って建築物の揺れが止まらなくなるということがないため、建築物内の者が不快感を持つことがない。また、すべり軸受のほぼ中央に穴部が穿設されているため、ボールとすべり軸受との接触面積を調整でき、面圧依存性を利用してボールとすべり軸受が摺動する際の摺動摩擦抵抗を調整することができる。更に、防塵枠の中央に穿設された穴の外周が、脱落防止材から突出したボールの表面に密着するため、脱落防止材とボールとの間の隙間を塞ぎ、ボール保持凹部内に塵等が侵入し難くなる。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。まず、図1乃至図3を参照して、実施形態に係る免震装置1について説明する。図1は、基礎30と建築物31との間に介装される免震装置1の断面図であり、図2は、免震装置1を構成するボール保持体2の平面図であり、図3は、図2のA−Aで切断した断面図である。
【0008】
図1において、免震装置1は、基礎30と建築物31との間に介装されるものであり、基礎30に固定され且つ表面が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成される支持板4と、基礎30と建築物31とが相対的に変位したときに支持板4上を転動するボール3と、建築物31に固定され且つボール3を回転自在に保持するボール保持凹部5が形成されるボール保持体2と、から構成されている。
【0009】
図2において、ボール保持体2は、平面視でほぼ正方形状の上板15とほぼ円筒形状のボール保持筒16とが一体的に、ステンレス鋳物により形成されるものである。ボール保持筒16の外周4ヵ所には、ボール保持筒16から上板15に亘って、ボール保持体2の強度を高めるためのリブ14が形成されている。上板15の隅角部4ヵ所には、それぞれ取付座12が形成され、この取付座12の中心には、ボール保持体2を建築物31に取り付けるための取付穴13が穿設されている。
【0010】
図3において、ボール保持筒16の内側は、ボール3を回転自在に保持するボール保持凹部5として形成され、その上面中央には、球面の一部によって湾曲面17が凹状に形成されている。この湾曲面17のほぼ中央には、溝穴部11が穿設されている。湾曲面17には、その表面に沿ってすべり軸受6が接着またはカシメ,ビスによって取り付けられている。また、このすべり軸受6のほぼ中央には、前記溝穴部11とほぼ同じ径で穴部7が穿設されている。なお、ボール保持凹部5に保持されるボール3は、ステンレス又は軸受鋼によりほぼ球状に形成されるものである。
【0011】
すべり軸受6は、鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔隙とその表面に含浸被覆用組成物を含浸及び被覆することにより形成されている。この含浸被覆用組成物は、ボール3が摺動する表面摺動層として形成されるものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)をベース樹脂とし、各種固体潤滑剤を含浸被覆した材料から構成されている。このようなすべり軸受は、摩擦摩耗特性,耐熱性,機械的強度等に優れているため、すべり軸受6を広い温度領域や高荷重等の過酷な条件下で使用した場合であっても、良好な摺動特性を維持することができる。
【0012】
一方、基礎30に固定される支持板4は、図1に示すように、平面視でほぼ正方形状の底板21とほぼ円形状の転動面19とが一体的に、ステンレスにより形成されるものである。転動面19は、中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成されると共に、その外周縁には、停止壁20が全周に亘って突設されている。なお、転動面19の傾斜角θは、すべり軸受6の摩擦係数μとの間でtanθ≧μの計算式を満たすように設定されている。
【0013】
しかして、上記したボール保持体2,ボール3及び支持板4を用いて、免震装置1を組み立てるには、以下のように行う。まず、ボール保持体2のボール保持凹部5内にボール3を載置する。このとき、ボール3の一部が湾曲面17に取り付けられたすべり軸受6に当接する。なお、すべり軸受6のほぼ中央には、前述したように、穴部7が穿設されているため、ボール3とすべり軸受6との接触面積を調整でき、面圧依存性を利用してボール3とすべり軸受6が摺動する際の摺動摩擦抵抗を調整することができる。
【0014】
ボール保持凹部5内にボール3を載置した後、ボール保持凹部5の開口部に脱落防止材8を圧入することにより取り付ける。この脱落防止材8は、ステンレスにより形成されるもので、その縦断面がL字形状で、中央に穴が穿設されて環状に形成されるものである。圧入の際には、脱落防止材8の外周の垂直部分がボール保持凹部5の内側面に当接した状態で挿入した後、水平面がボール保持筒16の先端面とほぼ同じ位置になるまで圧入する。このように、脱落防止材8をボール保持凹部5に取り付けた際、ボール3の一部がボール保持凹部5から外側に突出することとなる。
【0015】
脱落防止材8を取り付けた後、脱落防止材8とボール3との間に生じる隙間から塵等がボール保持凹部5内に侵入しないよう、脱落防止材8上に防塵枠9を取り付ける。この防塵枠9は、ゴム又はプラスチックの薄板により形成され、中央に穴が穿設されて環状に形成されるものである。防塵枠9を脱落防止材8に取り付けるには、防塵枠9に穿設された取付穴(図示しない)に取付ネジ10を挿通し、脱落防止材8に穿設された取付ネジ穴(図示しない)に螺着することにより行う。こうして取り付けられた防塵枠9の中央に穿設された穴の外周が、脱落防止材8から突出したボール3の表面に密着するため、脱落防止材8とボール3との間の隙間を塞ぎ、ボール保持凹部5内に塵等が侵入し難くなる。なお、防塵枠9は、ボール保持筒16の先端面にネジ止めされるものであってもよい。
【0016】
防塵枠9を取り付けた後、取付ボルト18をボール保持体2の取付穴13に挿通し、建築物の下面に穿設された取付ネジ穴(図示しない)に螺着することにより、ボール保持体2が建築物に対して取り付けられることとなる。
【0017】
一方、基礎30には、支持板4の取付穴13に挿通した取付ボルト22が基礎30に穿設された取付ネジ穴(図示しない)に螺着されることにより、支持板4が取り付けられる。そして、上記した、建築物31に取り付けられたボール保持体2を、基礎30に取り付けられた支持板4上に載置することにより、免震装置1が組み立てられ、基礎30と建築物31との間に介装されることとなる。
【0018】
しかして、上記のように組み立てられた免震装置1を備えた基礎30及び建築物31が地震の影響を受けた場合、基礎30に固定された支持板4が横揺れし、支持板4が横揺れすることによって、ボール3が支持板4の転動面19上を転動する。このように、ボール3が転動面19を転動することにより、横揺れが吸収されるため、地震による揺れが建築物31に伝わり難く、建築物31が地震から保護されることとなる。このとき、前述したように、支持板4の転動面19の外周縁には、停止壁20が全周に亘って突設されているため、極めて大きな揺れが生じてもボール3が転動面19から落下することはない。そして、地震が止まった後、建築物31がボール3を介して転動面19上を若干揺れることになるが、この揺れは、すべり軸受6とボール3との間のすべり摩擦抵抗によって徐々に収束し、やがて建築物31は、転動面19の傾斜角によって基礎30に対して元の位置で停止することとなる。
【0019】
このように、ボール保持凹部5の内側上面に、ボール3の転動時にボール3がその表面を摺動するすべり軸受6が取り付けられているため、すべり軸受6とボール3との間のすべり摩擦抵抗により、地震が止まった後に長時間に亘って建築物31の揺れが止まらなくなるということがなく、また、建築物31が風圧等の微小な力で移動することがないため、建築物31内の者が不快感を持つことがない。なお、前述したように、ボール保持体2の湾曲面17のほぼ中央およびすべり軸受のほぼ中央には、溝穴部11および穴部7が穿設されているため、ボール3がすべり軸受6と摺動した際に発生する粉塵をこの溝穴部11および穴部7に収めることができ、ボール保持凹部5内に飛散させることがない。ボール3とすべり軸受6の摺動摩擦抵抗を調節するために、上述の溝穴部11および穴部7が穿設されていなくてもよい。
【0020】
なお、上記した実施形態(以下、第1実施形態という)においては、免震装置1の支持板4は、基礎30の表面に取り付けられるものを示したが、基礎30の表面に取り付けられるものに限らず、基礎30の表面から突出しない位置で基礎30に埋設されているものであってもよい。このような実施形態(以下、第2実施形態という)について、図4を参照して説明する。図4は、第2実施形態に係る免震装置1の断面図である。なお、上記した免震装置1に係る第1実施形態と同一の部品には、同一の符号を付した。
【0021】
図4において、支持板4は、薄板のステンレスにより形成されるもので、平面視でほぼ円形状の転動面19と、転動面19の外周縁に形成される停止壁20とから構成されている。転動面19は、中心に向かって下り傾斜する(第1実施形態と同じ傾斜角θが設定されている)円錐形状に形成され、停止壁20は、転動面19の全周に亘って突設されている。この支持板4は、図4に示すように、停止壁20の上端面と基礎30の表面がほぼ同一面となる状態で、基礎30に対して埋設されている。しかして、第1実施形態と同様、建築物31に取り付けられたボール保持体2を、基礎30に埋設された支持板4に載置することにより、免震装置1が組み立てられ、基礎30と建築物31との間に介装されることとなる。このように、支持板4を基礎30に対して埋設することにより、建築物の施工時に支持板4が障害物とならないため施工し易く、また、免震装置の取付の省スペース化を図ることができる。なお、上記した第2実施形態に係る支持板4は、ステンレスの薄板により形成されるものを示したが、第1実施形態に示した支持板4を、停止壁20の上端面と基礎30の表面がほぼ同一面となる状態で、基礎30に対して埋設したものであってもよい。
【0022】
また、上記した第1実施形態及び第2実施形態においては、免震装置1の支持板4は、転動面19が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成されるものを示したが、中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成されるものに限らず、平面状に形成されるものであってもよい。このような実施形態(以下、第3実施形態という)について、図5を参照して説明する。図5は、第3実施形態に係る免震装置1の断面図である。なお、上記した免震装置1に係る第1実施形態及び第2実施形態と同一の機能を有する部品には、同一の符号を付した。
【0023】
図5において、第3実施形態に係る免震装置1において、建築物31に取り付けられるボール保持体2及びボール3は、第1実施形態とまったく同様の形状である。一方、基礎30に取り付けられる支持板4は、第1実施形態における免震装置1の支持板4の転動面19を水平面にした以外は、まったく同様の形状である。また、第3実施形態と第1実施形態及び第2実施形態との相違点としては、第3実施形態においては、復帰用ダンパ部材23が設置されていることである。図5において、第3実施形態における免震装置1の左右両側方には、基礎30と建築物31とに亘って復帰用ダンパ部材23が設置されている。この復帰用ダンパ部材23は、基礎30及び建築物31に取り付けられる上下2つのフランジ部25と、ゴム等の弾性部材により形成されて2つのフランジ部25を連結する弾性部24と、から構成されている。この復帰用ダンパ部材23は、取付ボルト(図示しない)をフランジ部25に穿設された取付穴(図示しない)に挿通し、基礎30及び建築物31にそれぞれ螺着することにより取り付けられるものであり、地震後の建築物31の揺れが停止する際に、建築物31を元の位置に戻す働きをするものである。即ち、地震が止まった後、建築物31がボール3を介して転動面19上を若干揺れることになるが、この揺れは、復帰用ダンパ部材23の弾性部24の復元力及びすべり軸受6とボール3との間のすべり摩擦抵抗によって徐々に収束し、やがて建築物31は、復帰用ダンパ部材23の弾性部24が元の形状に戻ることにより、基礎30に対して元の位置に復帰して停止することとなる。なお、復帰用ダンパ部材23として、免震装置1の左右両側に取り付けられるものを示したが、免震装置1の左右両側に取り付けられるものに限らず、基礎30と建築物31との間で任意の位置に取り付けられるものであっても良い。
【0024】
また、上記した第3実施形態においては、支持板4の転動面19が水平面に形成されたものを示したが、水平面に形成されたものに限らず、第1実施形態及び第2実施形態と同様に、支持板4の転動面19が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成されるものであってもよい。
【0025】
なお、本発明は、上記した実施形態に限定されるものではなく、要旨を逸脱しない範囲内で適宜変更して実施し得るものである。
【0026】
以上、実施形態について詳細に説明してきたが、本実施形態においては、基礎30と建築物31との間に介装されて該建築物31を水平方向に移動可能に支持する免震装置1において、該免震装置1は、前記基礎30に固定される支持板4と、前記建築物31に固定され且つ前記基礎30と前記建築物31とが相対的に変位したときに前記支持板4上を転動するボール3を回転自在に保持するボール保持凹部5が形成されるボール保持体2と、から構成され、前記ボール保持凹部5の内側上面に、前記ボール3と当接するすべり軸受6が取り付けられていることにより、すべり軸受6とボール3との間のすべり摩擦抵抗により、建築物31が風圧等の微小な力で移動することがなく、また、地震が止まった後に長時間に亘って建築物31の揺れが止まらなくなるということがないため、建築物31内の者が不快感を持つことがない。
【0027】
また、本実施形態においては、前記支持板4は、前記ボール3が転動する転動面19が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成されていることにより、風圧等の微小な力では、ボール保持体2内のボール3が転動面19を上って建築物31が移動することがないため、建築物31内の者が不快感を持つことがない。また、転動面19が中心に向かって下り傾斜しているため、地震後の建築物31の揺れは、支持板4の中心に向かって減衰し、最終的に建築物31を基礎に対してもとの位置で停止させることができる。
【0028】
また、本実施形態においては、前記支持板4は、前記ボール3が転動する転動面19が平面状に形成される一方、前記基礎30と前記建築物31との間には、前記基礎30と前記建築物31が相対的に変位したときに前記建築物31を前記基礎30に対して変位前の位置に復帰させるための復帰用ダンパ部材23が連結して取り付けられていることにより、復帰用ダンパ部材23により、建築物31を基礎30に対して変位前の位置に復帰させることができるため、支持板4の転動面19を平面形状に形成すればよい。このように、転動面19を平面形状に形成すればよいため支持板4の製造が容易になり、支持板4の製造コストを低減することができる。
【0029】
また、本実施形態においては、前記支持板4は、該支持板4が前記基礎30の表面から突出しない位置で前記基礎30に埋設されていることにより、建築物31の施工時に支持板4が障害物とならないため施工し易く、また、免震装置1の取付の省スペース化を図ることができる。
【0030】
更に、本実施形態においては、前記すべり軸受6は、鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔隙とその表面に含浸被覆用組成物を含浸及び被覆することにより形成されていることにより、摩擦摩耗特性,耐熱性,機械的強度等に優れたすべり軸受を形成することができ、すべり軸受6を広い温度領域や高荷重等の過酷な条件下で使用した場合であっても、良好な摺動特性を維持することができる。
【0031】
【発明の効果】
以上、説明したところから明らかなように、請求項1に係る発明においては、基礎と建築物との間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支持する免震装置において、該免震装置は、前記基礎に固定され且つその表面が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成される支持板と、前記建築物に固定され且つ前記基礎と前記建築物とが相対的に変位したときに前記支持板上を転動するボールを回転自在に保持するボール保持体と、から構成され、前記ボール保持体は、前記ボールを回転自在に保持するボール保持凹部が形成されるボール保持筒と、該ボール保持筒の内側面中央に固着され鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔隙に樹脂摺動層を含侵したすべり軸受と、前記ボール保持凹部に前記ボールを保持した状態で該ボール保持凹部の開口部に取り付けられる脱落防止材と、該脱落防止材と前記ボールとの間に生ずる隙間から塵等がボール保持凹部内に侵入しないように該脱落防止材に取り付けられる防塵枠と、から構成され、前記すべり軸受のほぼ中央に前記ボールとすべり軸受との接触面積調整用の穴部を形成したことを特徴とする。このように構成することにより、すべり軸受とボールとの間のすべり摩擦抵抗により、建築物が風圧等の微小な力で移動することがなく、また、地震が止まった後に長時間に亘って建築物の揺れが止まらなくなるということがないため、建築物内の者が不快感を持つことがない。また、すべり軸受のほぼ中央に穴部が穿設されているため、ボールとすべり軸受との接触面積を調整でき、面圧依存性を利用してボールとすべり軸受が摺動する際の摺動摩擦抵抗を調整することができる。更に、防塵枠の中央に穿設された穴の外周が、脱落防止材から突出したボールの表面に密着するため、脱落防止材とボールとの間の隙間を塞ぎ、ボール保持凹部内に塵等が侵入し難くなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 基礎と建築物との間に介装される免震装置の断面図である。
【図2】 免震装置を構成するボール保持体の平面図である。
【図3】 図2のA−Aで切断した断面図である。
【図4】 第2実施形態に係る免震装置の断面図である。
【図5】 第3実施形態に係る免震装置の断面図である。
【符号の説明】
1 免震装置
2 ボール保持体
3 ボール
4 支持板
5 ボール保持凹部
6 すべり軸受
17 湾曲面
19 転動面
20 停止壁
23 復帰用ダンパ部材
24 弾性部
25 フランジ部
30 基礎
31 建築物

Claims (1)

  1. 基礎と建築物との間に介装されて該建築物を水平方向に移動可能に支持する免震装置において、
    該免震装置は、前記基礎に固定され且つその表面が中心に向かって下り傾斜する円錐形状に形成される支持板と、前記建築物に固定され且つ前記基礎と前記建築物とが相対的に変位したときに前記支持板上を転動するボールを回転自在に保持するボール保持体と、から構成され、
    前記ボール保持体は、前記ボールを回転自在に保持するボール保持凹部が形成されるボール保持筒と、該ボール保持筒の内側面中央に固着され鋼裏金の表面に施された多孔質金属層の孔隙に樹脂摺動層を含侵したすべり軸受と、前記ボール保持凹部に前記ボールを保持した状態で該ボール保持凹部の開口部に取り付けられる脱落防止材と、該脱落防止材と前記ボールとの間に生ずる隙間から塵等がボール保持凹部内に侵入しないように該脱落防止材に取り付けられる防塵枠と、から構成され、
    前記すべり軸受のほぼ中央に前記ボールとすべり軸受との接触面積調整用の穴部を形成したことを特徴とする免震装置。
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