JP3694246B2 - 新規ポリペプチド - Google Patents

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Description

【0001】
技術分野
本発明は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)として知られているタンパク質のクラスに属する新規のポリペプチドをコードする新規のポリヌクレオチド配列に関する。本発明は、特に、ポリペプチドの製造方法およびその使用にも関する。
【0002】
発明の背景
細胞および組織は、広範な種々の細胞外シグナリング分子の特異的細胞表面受容体との相互作用により、これらの分子に応答する。このような一種類の受容体は、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)として知られており、これらは一連の7つの疎水性膜貫通セグメントを含有することを特徴とする。細胞外配位子のその受容体との結合時に、細胞内信号は、受容体が活性化されたことによって順次多数の異なる細胞内事象をもたらし得る異種三量体Gタンパク質との相互作用により開始される。例えば、いくつかのGPCRはアデニルシクラーゼ活性に影響を及ぼし、一方、その他のGPCRはホスホリパーゼCを介して作用する。
【0003】
GPCRスーパーファミリーの成員は、広範な種々の配位子、例えば小分子アミン(例えばセロトニン、ドーパミン、アセチルコリン)、脂質由来メディエーター(例えば、LpA)、アミノ酸誘導体(例えばグルタメート)および神経伝達物質ペプチドおよびホルモン(例えばニューロキニン、ガラニン、グルカゴン、ガストリン)に応答する。GPCRは広範囲の配位子により活性化されるが、しかし、個々のGPCRは小さく且つ非常に特異的なレパートリーの配位子を有するということに留意すべきである。新規のGPCRの一次構造の分析に基づいて、ここでそれらを特定のサブファミリーに分類し、それにより考え得る配位子の範囲を狭め得る。
【0004】
多くの場合、GPCRの内因性配位子は相対的に小さく、合成類似体によりそれらを模倣させ得るか、または遮断させ得る。例えば、プラゾシン、ドキサゾシン、シメチジン、ラニチジンのような薬剤は、すべて、それらのそれぞれの標的GPCRの有効な拮抗薬である。したがって、GPCRの調節が治療的コンセンサスをもち得る場合、新規のGPCRおよびそれらの関連アゴニストおよびアンタゴニストを提供する必要性が引き続き存在する。
【0005】
発明の要約
広範な局面において、本発明は、新規のアミノ酸配列に関する。この点で、特定の新規のアミノ酸配列が単離されており、そして、本発明は、その配列、ならびにその新規の変異体、断片、誘導体および相同体を網羅すると理解されるべきである。
【0006】
別の広範な局面では、本発明は、新規の核酸配列に関する。この点では、特定の新規の核酸配列が単離されており、そして、本発明は、その配列、ならびにその新規の変異体、断片、誘導体および相同体を網羅すると理解されるべきである。
したがって、要するに、本発明のいくつかの局面は、以下の:
1.新規アミノ酸、
2.新規ヌクレオチド配列、
3.前記の新規配列を用いるアッセイ、
4.前記アッセイの使用により同定される化合物/組成物、
5.前記の新規配列を包含するかまたは発現する発現系、
6.前記の新規配列を基礎にした治療方法、
7.前記の新規配列を基礎にした医薬組成物
に関する。
【0007】
本発明のアミノ酸配列および/または本発明のヌクレオチド配列に関するその他の局面としては、本発明の配列を包含するかまたは発現し得る構築物;本発明の配列を包含するかまたは発現し得るベクター;本発明の配列を包含するかまたは発現し得るプラスミド;本発明の配列を包含するかまたは発現し得る構築物/ベクター/プラスミドでトランスフェクトされるかまたはウイルス的形質導入される細胞;本発明の配列を包含するかまたは発現し得る組織;本発明の配列を包含するかまたは発現し得る器官;本発明の配列を包含するかまたは発現し得る形質転換宿主;ならびに本発明の配列を包含するか発現し得る形質転換生物体が挙げられる。本発明は、同一物の伝達方法を含めた微生物中での発現といったような同一物の発現方法も包含する。本発明は、上記ポリペプチドを精製及び結晶化し、場合によりその後その3次元構造を、好ましくはX線結晶学により明らかにすることをも包含する。本発明は、本発明のポリペプチドの3次元構造のホモロジー・モデルを得ることをも包含する。
【0008】
参照を容易にするために、本発明の局面を適切な項目見出しを付けて、ここで考察する。しかしながら、各項での教示内容は、必ずしも各々の特定の項に限定されない。
【0009】
本発明の詳述な局面
本発明の一局面によれば、1つ又はそれ以上の以下の:
(a)配列番号2で記述されるようなポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
(b)配列番号1のヌクレオチド配列を包含するポリヌクレオチド;
(c)(a)又は(b)のポリヌクレオチドと少なくとも70%の同一性を有するヌクレオチド配列を包含するポリヌクレオチド;
(d)(a)〜(c)のいずれかのポリヌクレオチドとハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を包含するポリヌクレオチド;
(e)(a)〜(d)のいずれかのポリヌクレオチドに対する相補体;あるいは
(f)(a)〜(e)のいずれかのポリヌクレオチドのポリヌクレオチド断片を包含する単離および/または精製ポリヌクレオチドが提供される。
【0010】
好ましくは、ポリヌクレオチドは、(a)又は(b)のポリヌクレオチドと少なくとも75%の同一性を有するヌクレオチド配列を包含する。さらに好ましくは、ポリヌクレオチドは、(a)又は(b)のポリヌクレオチドと少なくとも80%の同一性、さらに好ましくは、少なくとも85%の同一性、さらに好ましくは、少なくとも90%の同一性、さらに好ましくは、少なくとも95%の同一性、最も好ましくは、少なくとも98%の同一性を有するヌクレオチド配列を包含する。
【0011】
前記のポリヌクレオチドは、好ましくは、Gタンパク質共役型受容体(GPCR)をコードする。より好ましくは、前記ポリヌクレオチドは、システイニル・リューコトリエン・レセプター(cysteinyl leukotriene receptor)、より好ましくは、CysLT2レセプターをコードする。
本発明は、前記のポリヌクレオチドの少なくとも15連続ヌクレオチドを包含するポリヌクレオチドプローブまたはプライマーも提供する。
本発明はさらに、前記のポリヌクレオチドを包含するベクターを提供する。
【0012】
本発明のさらに別の局面によれば、前記のベクターで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞を提供する。好ましくは、宿主細胞は哺乳動物、昆虫、真菌、細菌または酵母菌細胞である。
本発明のさらに別の局面によれば、前記のポリヌクレオチドの転写RNA生成物が提供される。RNA生成物に関してアンチセンスであり、それとハイブリダイズし得るRNA分子またはその断片も提供される。
【0013】
前記のポリヌクレオチドと結合し得るリボザイムまたはジンクフィンガータンパク質がさらに提供される。
本発明のさらに別の局面によれば、前記のポリペプチドまたは断片の発現に好適な条件下で前記の宿主細胞を培養することを包含するポリペプチドまたはその断片の産生方法が提供される。好ましくは、前記のポリペプチドまたは断片は前記の細胞の表面で発現される。方法は、好ましくは、培養物からポリペプチドまたは断片を回収することをさらに含む。
【0014】
ポリペプチドまたはその断片を発現し得る細胞の産生方法であって、前記のベクターで細胞を形質転換またはトランスフェクトすることを包含する方法も、本発明により提供される。本発明のさらに別の実施態様によれば、前記の方法により産生される細胞が提供される。前記の細胞の膜調製物も提供される。
本発明の他の局面は、the National Collections of Industrial and Marine Bacteria Ltd. に受託番号NCIMB 41074 の下で寄託された微生物である。
【0015】
本発明の別の局面によれば、以下の:
(a)配列番号1におけるポリヌクレオチド配列から翻訳される演繹アミノ酸配列を有するポリペプチド、ならびにその変異体、断片、相同体、類似体および誘導体;
(b)配列番号2のポリペプチド、ならびにその変異体、断片、相同体、類似体および誘導体;
を包含するポリペプチドが提供される。
【0016】
前記のポリペプチドに対する抗体も、本発明により提供される。
本発明はさらに、前記のポリペプチドを調節する化合物を提供する。好ましくは、化合物は、ポリペプチドに拮抗するかまたは選択的に拮抗する。あるいは、化合物は、ポリペプチドを作動(agonises)する。
前記の抗体または化合物、および1つ又はそれ以上の製薬上許容可能な担体、希釈剤、アジュバントまたは賦形剤を包含する医薬組成物も、本発明により提供される。
【0017】
本発明の別の局面によれば、前記のポリペプチドと結合し、それを調節する化合物の同定方法であって、前記のポリペプチドを候補化合物と接触させて、調節が生じたか否かを確定することを包含する方法が提供される。
好ましくは、前記の方法は、以下の:
(a)化合物(又は化合物の混合物)を、それらの表面で前記のポリペプチドを発現する細胞と接触させ、前記のポリペプチドが化合物の前記ポリペプチドとの結合に応答して検出可能信号を提供し得る二次構成成分に会合され、前記の接触がポリペプチドの化合物との結合を可能にするために好適な条件下で生じ;そして
(b)前記の二次構成成分により生成される信号を検出することによりポリペプチド結合し得る化合物を同定する
工程を包含する。
【0018】
あるいは、前記の方法は、以下の:
(a)(i)前記のポリペプチドと結合することが知られている検出可能一次構成成分および(ii)化合物を、それらの表面で前記のポリペプチドを発現する細胞と接触させ、前記のポリペプチドが化合物の前記ポリペプチドとの結合に応答して検出可能信号を提供し得る二次構成成分に会合され、前記の接触がポリペプチドの化合物との結合を可能にするのに十分な条件下で生じ;そして
(b)一次構成成分のポリペプチドとの相互作用から生成される信号の不存在または存在を検出することにより一次構成成分がポリペプチドと結合するか否かを確定する
工程を包含する。
【0019】
あるいは、前記方法は、以下のステップ:
(a)それらの細胞表面上に前記ポリペプチドを発現する細胞(又はこのような細胞から調製された膜)を、テスト化合物又はテスト化合物の混合物と、前記ポリペプチドに結合することが知られている検出可能な標識とともに接触させ、又は標識とはその後に接触させ、そして
(b)上記テスト化合物又は上記テスト化合物の混合物の中の1以上が前記ポリペプチドに結合するかどうかを、前記ポリペプチドに結合した上記検出可能な標識の減少(又は他の現象)を検出することにより、決定する、
を含む。
前記の方法のいずれかにより同定される化合物は、好ましくは、前記のポリペプチドに結合し、そして(i)前記のポリペプチドに拮抗するかまたは選択的に拮抗し、又は(ii)アゴナイズするかまたは選択的にアゴナイズする。
GPCRは信号伝達に関与するので、本発明のポリペプチドのモジュレーター(例えばアゴニストまたはアンタゴニスト)は、信号伝達工程における干渉に用途を見出し得る。
【0020】
したがって、本発明のさらに別の実施態様によれば、製剤として用いるための前記の抗体、化合物または組成物が提供される。
本発明のポリペプチドを調整し得るこのような抗体、化合物および組成物は、したがって、信号伝達の局面に関する治療領域に用途を見出す。治療的に有用な領域としては、肥満、糖尿病および代謝疾患、神経学的疾患、精神療法、泌尿非尿生殖器疾患、生殖および性医学、炎症、癌、組織修復、皮膚科学、皮膚色素沈着、光老化、薄弱性、骨粗鬆症、心臓血管性疾患、胃腸疾患、抗感染、アレルギーおよび呼吸器疾患、感覚器官障害、睡眠障害および毛髪損失が挙げられるが、これらに限定されない。
【0021】
上記抗体、化合物、及び組成物による治療のために好ましい症状は、アレルギー失調、炎症性失調、例えば、炎症性腸疾患、免疫学的失調、肺疾患、例えば、慢性閉塞性肺疾患(chronic obstructive pulmonary disease.(COPD))、感染性疾患、新形成性及び骨髄増殖性疾患、脈管肉芽腫性疾患、並びに心臓疾患である。より好ましくは、上記抗体、化合物、及び組成物は、アレルギー性鼻炎又は喘息をもつ患者を治療するために使用され;さらにより好ましくは、上記抗体、化合物、及び組成物は、鼻のうっ血を治療するために、単独で又は抗ヒスタミン療法とともに使用される。
したがって、前記のポリペプチドの調節の必要性を有する患者の治療のための薬剤の製造における前記の化合物の使用も提供される。好ましくは、治療は、ポリペプチドに拮抗しまたは選択的に拮抗する必要性を有する患者のためである。あるいは、治療は、ポリペプチドを作動する必要性を有する患者のためである。
本発明のさらに別の局面によれば、治療的有効量の前記の化合物を患者に投与することを包含する前記のポリペプチドを調整する必要性を有する患者の治療方法が提供される。好ましくは、前記の方法は、ポリペプチドを拮抗しまたは選択的に拮抗する必要性を有する患者の治療のためである。あるいは、前記の方法は、ポリペプチドを作動する必要性を有する患者の治療のためである。
【0022】
前記のポリペプチドを調節する必要性を有する患者の治療のための薬剤の製造における前記の抗体の使用も、本発明により提供される。好ましくは、前記の方法は、前記のポリペプチドを拮抗しまたは選択的に拮抗する必要性を有する患者の治療のためである。あるいは、前記の方法は、前記のポリペプチドを作動する必要性を有する患者の治療のためである。
【0023】
治療的有効量の前記の抗体を患者に投与することを包含する前記のポリペプチドを調節する必要性を有する患者の治療方法が、さらに本発明により提供される。好ましくは、前記の方法は、ポリペプチドを拮抗しまたは選択的に拮抗する必要性を有する患者の治療のためである。あるいは、前記の方法は、ポリペプチドを作動する必要性を有する患者の治療のためである。
【0024】
本発明のさらに別の局面によれば、本発明のポリペプチドを発現、過剰発現、不十分発現し、あるいはその標的化挿入または欠失を示すようex vivoまたはin vivoで遺伝子工学処理される細胞が提供される。
本発明は、疾患の診断及び治療における新規核酸及びアミノ酸の使用にも関する。
PFI-017 ポリペプチド
本発明のポリペプチド
「ポリペプチド」−これは「タンパク質」という用語と互換性がある−という用語は、一本鎖ポリペプチド分子ならびに個々の構成成分ポリペプチドが共有または非共有的手段により連結される多ポリペプチド複合体を含む。好ましくは、本発明のポリペプチドは一本鎖ポリペプチドである。
【0025】
本発明のポリペプチドは、実質的に単離形態であり得る。ポリペプチドはポリペプチドの意図された目的を妨げない担体または稀釈剤と混合され得るが、依然として実質的に単離されたとみなされる、と理解される。本発明のポリペプチドは、実質的に精製形態でもあり、この場合、それは一般に、調製物中の90%より多い、例えば95%、98%または99%のポリペプチドが本発明のポリペプチドである調製物中のポリペプチドを包含する。本発明のポリペプチドは、例えばヒスチジン残基の付加により修飾されて、それらの精製を補佐し得る。
PFI-017ポリペプチドは、天然形態と同一であり得る−この局面に関しては、好ましくはPFI-017ポリペプチドはその天然環境中には存在せず−、あるいはその変異体、相同体、断片または誘導体である。PFI-017ポリペプチドは、それがその天然環境下にもあるその天然ヌクレオチド・コーディング配列により発現されているとき、そしてそのヌクレオチド配列が、同じくその天然環境にある、その天然プロモーターの制御下にあるとき、本発明によりカバーされない。さらに、あるいは代替的方法では、PFI-017ポリペプチドは単離PFI-017ポリペプチドおよび/または精製PFI-017ポリペプチドである。PFI-017ポリペプチドは、天然であるか否かにかかわらず、あらゆる適切な供給源から入手可能であるかまたはそれにより生成され得るし、あるいはそれは合成、半合成または組換え体であり得る。
PFI-017コーディング配列は、上記天然型と同一であり得る−この局面に関しては、好ましくは、このPFI-017コーディング配列はその天然環境にはなく−あるいはその変異体、相同体、断片または誘導体である。さらに、あるいは代替的方法では、PFI-017コード配列は単離PFI-017コード配列および/または精製PFI-017コード配列である。PFI-017コード配列は、天然であるか否かにかかわらず、あらゆる適切な供給源から入手可能であるかまたはそれにより生成され得るし、あるいはそれは合成、半合成または組換え体であり得る。
さらに、または代替的に、タンパク質それ自体は、PFI-017の全部または一部を合成するための化学的方法を用いて、産生され得る。例えば、ペプチドは固相技法により合成され、樹脂から切断されて、分取高速液体クロマトグラフィーにより精製され得る(例えば、Creighton(1983)Proteins Structures and Molecular Principles, WH Freeman and Co., New York, NY, USA)。合成ペプチドの組成物は、アミノ酸分析またはシーケンシングにより確証され得る(例えばエドマン分解法)。
【0026】
直接ペプチド合成は、種々の固相技法(Roberge JY et al Science Vol 269, 1995, 202-204)を用いて実施され得るし、そして自動合成は、例えばABI431Aペプチド合成機(Perkin Elmer)を用いて、メーカーの使用説明書にしたがって成し遂げられ得る。さらに、PFI-017またはその任意の部分のアミノ酸配列は、直接合成中に変えられ得るし、および/またはその他のサブユニットまたはその任意の部分からの配列を用いる化学的方法を用いて併合されて、変異体ペプチドを産生し得る。
【0027】
本発明の別の実施態様では、PFI-017天然、修飾化または組換えアミノ酸配列は異種配列と結紮されて、融合タンパク質をコードし得る。例えば、PFI-017GPCR活性を有する化合物およびペプチド作動薬および拮抗薬に関してライブラリーをスクリーニングするためには、市販の抗体により認識される異種エピトープを発現するキメラPFI-017タンパク質をコードすることが有用であり得る。融合タンパク質はさらに、PFI-017が開裂され、そして異種部分から精製され得るように、PFI-017配列と異種タンパク質配列との間に位置する開裂部位を含有するよう工学処理され得る。
【0028】
PFI-017は、タンパク質精製を促進するために付加された1つ又はそれ以上の付加的ポリペプチドドメインを有する組換えタンパク質としても発現され得る。このような精製促進ドメインとしては、金属キレート化ペプチド、例えば固定化金属上での精製を可能にするヒスチジン−トリプトファンモジュール(Porath J, Protein Expr Purif Vol 3 1992 p263-281)、固定化免疫グロブリン上での精製を可能にするプロテインAドメイン、FLAGS延長/アフィニティー精製系に利用されるドメイン(Immunex Corp, Seatle, WA, USA)が挙げられるが、これらに限定されない。精製ドメインとPFI-017との間の開裂可能リンカー配列、例えばXA因子またはエンテロキナーゼ(Invitrogen, San Diego, CA, USA)の含入は、精製を促進するのに有用である。
一旦、上記タンパク質が精製されれば、Science 289, 739-745 (2000)中にPalczewski et alにより記載された方法に類似の方法を用いて結晶を得ることができ、そしてその構造を次に、上記文献又は他の生物物理学技術中に記載されたX線結晶学により解析することができる。あるいは、又はさらに、本発明に係るポリペプチドの3次元構造を、ホモロジー・モデリングであって、本発明のポリペプチドの配列を既知の構造をもつ類似のポリペプチド、好ましくはロドプシン(rhodopsin)の配列とアラインメントし、上記既知の構造上に上記配列の相違をマッピングし、それにより本発明のポリペプチドの3次元構造に関するモデルを得るステップを含むものによりモデル化することもできる。構造決定又はホモロジー・モデリングにより得られた3次元構造を、次に、本発明のポリペプチドに結合することができる化合物をデザインし、又は化合物がそれに結合するであろうかどうかを予想するために使用することができる。
本発明のポリペプチドのためのアミノ酸配列に関して「変異体」、「相同体」、「断片」、「類似体」または「誘導体」という用語は、結果的に生じるポリペプチドがGPCR活性を有し、好ましくは、添付の配列番号2に示されたポリペプチドと同様に少なくとも生物学的に活性であるという条件で、その配列からのまたは配列への1つ(またはそれ以上)のアミノ酸のあらゆる置換、変異、修飾、交替、欠失または付加を含む。特に、「相同体」という用語は、構造および/または機能に関する相同を包含する。配列相同性に関しては、配列番号2に示された配列との少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%の相同が認められる。最も好ましくは、配列番号2で示された配列との少なくとも98%の相同が存在する。
【0029】
典型的には、本発明の変異体、相同体または断片に関しては、作製され得るアミノ酸置換の種類は、アミノ酸配列の疎水性/親水性を保持すべきである。アミノ酸置換は、例えば1、2または3〜10、20または30置換から作製され得るが、但し、修飾化配列は本発明のGPCRとして作用する能力を保持する。アミノ酸置換は、非天然類似体の使用を含み得る。
PFI-017ポリペプチド及び/又はそのコーディング配列及び/又はそれにハイブリダイズすることができる配列は、異なるGPCRs間の医薬候補の選択性をテストするために有用である。
PFI-017は、リューコトリエン・レセプターに最も類似し、そしてPFI-017がそのリガンドがシステイニル・リューコトリエン、例えばLTC4及びLTD4である新規GPCRをコードすることが(本明細書中に)証明された。PFI-017は、配列番号2を含む配列、又はその変異体、断片、同族体、又は誘導体をいい;PFI-017*は特に、Heise, C.E. et al (2000) J. Biol. Chem. 275, 30531-30539及びTakasaki,J. et al, (2000) Biochem.Biophys.Res. Commun. 274, 316-322;(両者が本願の優先日後に公開された)中に公表されたコーディング配列及び/又は翻訳産物をいう。この配列を配列番号5に示す。
本発明のヌクレオチド配列
「ヌクレオチド配列」という用語は、本明細書中で用いる場合、オリゴヌクレオチド配列またはポリヌクレオチド配列、ならびにその変異体、相同体、断片、類似体および誘導体(例えばその一部)を指す。ヌクレオチド配列は、センス鎖を表わそうとまたはアンチセンス鎖を表わそうと、二本鎖または一本鎖であり得るゲノムまたは合成または組換え起源のものであり得るDNAまたはRNAであり得る。
【0030】
好ましくは、「ヌクレオチド配列」という用語は、DNAを意味する。
さらに好ましくは、「ヌクレオチド配列」という用語は、組換えDNA技術の使用により調製されたDNA(即ち、組換えDNA)を意味する。
好ましい実施態様では、本発明のヌクレオチド配列は、それ自体、それが同じくその天然環境にあるそのネイティブプロモーターの制御下にある場合にその天然環境中で本発明のネイティブヌクレオチドコード配列を包含しない。参照を容易にするために、この好ましい実施態様を「非ネイティブヌクレオチド配列」と我々は呼んでいる。
【0031】
本発明のヌクレオチド配列は、その中に合成または修飾化ヌクレオチドを含み得る。オリゴヌクレオチドに対する多数の異なる種類の修飾が当業界で知られている。これらの例としては、メチルホスホネートおよびホスホロチオエート主鎖、分子の3’および/または5’末端でのアクリジンまたはポリリジンの付加が挙げられる。本発明の目的のために、本明細書中に記載されたヌクレオチド配列は、当業界で利用可能なあらゆる方法により修飾され得る、と理解されるべきである。このような修飾は、本発明のヌクレオチド配列のin vivo活性または寿命を増強するために実行され得る。
【0032】
本発明は、本明細書中に示された配列と相補的であるヌクレオチド配列、あるいはそのあらゆる変異体、相同体、類似体、断片または誘導体も包含する。配列がその断片と相補的である場合には、その配列は他の生物体等における同様のコード配列を同定するためのプローブとして用いられ得る。
本発明は、本明細書中に示された配列とハイブリダイズし得るヌクレオチド配列、あるいはそのあらゆる変異体、相同体、類似体、断片または誘導体も包含する。
【0033】
本明細書中に示された配列と相補的である配列とハイブリダイズし得るヌクレオチド配列、あるいはそのあらゆる変異体、相同体、類似体、断片または誘導体も包含する。好ましくは、上記ヌクレオチド配列は、緊縮条件(例えば、65℃および0.1 x SSC{1 x SSC=0.15 MNaCl、0.015Na3クエン酸塩、pH7.0})下で本明細書中に示されたヌクレオチド配列とハイブリダイズし得る配列と相補的である配列を包含する。
代表的な核酸は、PFI-017タンパク質をコードし、そして配列番号1で示されるDNA配列とハイブリダイズするヌクレオチド配列として二者択一的に特性化され得る。好ましいのは、高緊縮条件下で配列番号1で示される配列またはその相補体とハイブリダイズするPFI-017をコードするような配列である。
【0034】
本発明は、緊縮条件下で、配列番号1で示される配列またはその相補体の断片とハイブリダイズし得る核酸配列を提供するのが有益である。好ましくは、断片は、15〜50塩基長である。それは約25塩基長であると有益である。
本発明の好ましいポリペプチドをコードするヌクレオチド配列に関して「変異体」、「相同体」、「類似体」、「誘導体」または「断片」という用語は、結果的に生じるヌクレオチド配列がPFI-017受容体活性を有し、好ましくは、配列番号1で示された配列によりコードされるポリペプチドと同様に少なくとも生物学的に活性であるという条件で、その配列からのまたは配列への1つ(またはそれ以上)の核酸のあらゆる置換、変異、修飾、交替、欠失または付加を含む。特に、「相同体」という用語は、結果的に生じるヌクレオチド配列がPFI-017GPCRと同様の活性を有するポリペプチドをコードし得るという条件で、構造および/または機能に関する相同を包含する。配列相同性に関しては、配列番号2で示された配列との少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%の相同が認められる。最も好ましくは、配列番号2で示されたアミノ酸配列をコードするヌクレオチド配列との少なくとも98%の相同が存在する。配列相同性に関しては、配列番号1で示されたヌクレオチド配列との少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%の相同が認められる。最も好ましくは、配列番号1で示されたヌクレオチド配列との少なくとも98%の相同が存在する。
【0035】
前記のように、本発明は、PFI-017をコードするDNA配列(好ましくはcDNA配列)に関する。特に、本発明はPFI-017をコードするcDNA配列に関する。一連の異なるポリヌクレオチドは遺伝暗号の縮重の結果として所定のアミノ酸配列をコードする、と理解される。
本発明は、配列番号1で示されるDNA配列またはその対立遺伝子変異を包含するDNAセグメントにも関する。
【0036】
本発明は、前記のDNA配列またはその対立遺伝子変異を組み入れられた宿主細胞中での発現により産生されるポリペプチドにも関する。
本発明は、配列番号1で示されるDNA配列またはその対立遺伝子変異を包含する、DNA、好ましくは、非天然DNA、より好ましくは組換えDNAに関する。
【0037】
本明細書中に記述されたアミノ酸配列の知識により、本発明のポリペプチドをコードするcDNAおよび/またはゲノムクローンのような部分および全長核酸配列を考案し得る。例えば、本発明のポリヌクレオチドは、本明細書中に示されたアミノ酸配列をコードする配列を標的化するよう意図されたプライマーを用いる縮重ポリメラーゼ連鎖反応(PCR)を用いて得られる。プライマーは、典型的には、多縮重位置を含有する。しかしながら、縮重を最小限にするために、1つのトリプレットだけによりコードされるメチオニンのようなアミノ酸を含有する本明細書中に示されたアミノ酸配列の領域をコードする配列が選択される。さらに、その核酸がPCR法のための鋳型DNAとして用いられる生物体中でのコドン使用法を考慮するよう配列が選択される。PCRは、既知の配列に対する単一配列(非縮重)プライマーを用いた配列のクローニングのために用いられるものより低い緊縮条件で用いられる。
【0038】
本発明のポリペプチド断片をコードするPCRにより得られる核酸配列は、次に、ハイブリダイゼーションライブラリースクリーニング技法を用いてより大きい配列を得るために用いられ得る。例えば、PCRクローンは、放射性原子で比しされ、その他の種、好ましくはその他の哺乳類種からのcDNAまたはゲノムライブラリーをスクリーニングするために用いられ得る。ハイブリダイゼーション条件は、典型的には、中〜高緊縮(例えば、0.03 M塩化ナトリウムおよび0.03
Mクエン酸ナトリウム、約50℃〜60℃)の条件である。
【0039】
全部または一部のアミノ酸配列をコードする縮重核酸プローブも、他の種、好ましくは他の哺乳類種からのcDNAおよび/またはゲノムライブラリーをプローブするために用いられる。しかしながら、さらなるスクリーニング操作で用いるための単一配列を最初に得るためにPCR法を実行するのが好ましい。
本発明によれば、PFI-017、ポリペプチドの断片、融合タンパク質またはその機能的等価物をコードするポリヌクレオチド配列を用いて、適切な宿主細胞中でのPFI-017の発現を指図する組換えDNA分子を生成し得る。遺伝暗号の固有の縮重のために、実質的に同一のまたは機能的に等価のアミノ酸配列をコードするその他のDNA配列を用いて、PFI-017をクローン化し、発現し得る。当業者に理解されるように、非天然コドンを保有するPFI-017コードヌクレオチド配列を産生するのが有益であり得る。特定の原核生物または真核生物宿主に選ばれるコドン(Murray E et al.(1989)Nuc Acids Res 17:477-508)は、例えばPFI-017発現の速度を増大するよう、または望ましい特性、例えば天然配列から産生される転写体より長い半減期を有する組換えRNA転写体を産生するよう選択され得る。
【0040】
前記の技法を用いて得られる本発明のポリヌクレオチド配列は、前記の技法を用いてさらに別の相同配列および変異体を得るために用いられ得る。それらはさらに、ポリヌクレオチド配列が発現されている特定の宿主細胞に関するコドン選択を最適化するために、種々の宿主細胞系における本発明のポリペプチドの発現において用いるために修飾され得る。その他の配列変化は、制限酵素認識部位を導入するために、またはポリヌクレオチドによりコードされるポリペプチドの特性または機能を変えるために、望まれ得る。
【0041】
本発明に従って用いられ得るPFI-017ポリヌクレオチド配列の変更としては、同一のまたは機能的等価のPFI-017をコードするポリヌクレオチドを生じる異なるヌクレオチド残基の欠失、挿入または置換が挙げられる。タンパク質は、サイレント変化を生じ、機能的等価PFI-017をもたらすアミノ酸残基の欠失、挿入または置換も有する。意図的アミノ酸置換は、PFI-017の生物学的活性が保持される限りは、残基の極性、電荷、溶解度、疎水性、親水性および/または両親媒性における類似性を基礎にして成され得る。例えば、負荷電アミノ酸としてはアスパラギン酸およびグルタミン酸が挙げられ;正荷電アミノ酸としてはリジンおよびアルギニンが挙げられ;そして同様の親水性値を有する非荷電極性ヘッド基を有するアミノ酸としてはロイシン、イソロイシン、バリン、グリシン、アラニン、アスパラギン、グルタミン、セリン、トレオニン、フェニルアラニンおよびチロシンが挙げられる。
【0042】
PFI-017の対立遺伝子は本発明の範囲内に含まれる。本明細書中で用いる場合、「対立遺伝子」または「対立遺伝子配列」とは、PFI-017の代替的形態である。対立遺伝子は、突然変異、即ち核酸配列における変化に起因し、一般に、その構造または機能が変更されることもされないこともあるmRNAまたはポリペプチドの変更を生じる。あらゆる所定の遺伝子は、全く対立遺伝子形態を有さないか、1つまたは多数の対立遺伝子形態を有し得る。対立遺伝子を生じる共通の突然変異的変化は、一般に、アミノ酸の欠失、付加または置換の結果である。これらの種類の変化の各々は、単独で、またはその他のものと所定の配列内で1回またはそれ以上組み合わされて、起こり得る。
【0043】
本発明のヌクレオチド配列は、種々の理由、例えば遺伝子生成物のクローニング、プロセッシングおよび/または発現を修飾する変更(これらに限定されない)のためにPFI-017コード配列を変えるために工学処理され得る。例えば、突然変異は、当業界で周知の技法、例えば新制限部位を挿入するための、グリコシル化パターンを変更するための、またはコドン選択を変えるための特定部位の突然変異誘発を用いて導入され得る。
【0044】
本発明のポリヌクレオチドは、プライマー、例えばPCRプライマー、代替的増幅反応のためのプライマー、例えば放射性または非放射性標識を用いた慣用的手段により明示標識を用いて標識されるプローブを製造するために用いられ得るか、あるいはポリヌクレオチドは、ベクター中でクローン化される。このようなプライマー、プローブまたはその他の断片は、少なくとも15、好ましくは少なくとも20、例えば少なくとも25、30または40ヌクレオチド長であり、そして本明細書中で用いられるような本発明のポリヌクレオチドという用語によっても包含され得る。
【0045】
本発明のポリヌクレオチドまたはプライマーは、明示標識を保有し得る。適切な標識としては、放射性同位体、例えば32Pまたは35S、酵素標識、あるいはその他のタンパク質、例えばビオチンが挙げられる。このような標識は、本発明のポリヌクレオチドまたはプライマーに付加され、そして当業界で既知の技法を用いて検出され得る。
【0046】
本発明のポリヌクレオチド、例えばDNAポリヌクレオチドおよびプライマーは、組換え的に、合成的にまたは当業者が利用可能なあらゆる手段により生成され得る。それらは、標準技法によりクローン化もされ得る。
概して、プライマーは、一度に一ヌクレオチドでの所望の核酸配列の段階的製造を含めた合成的手段により産生される。自動技法を用いてこれを成し遂げるための技術は、当業界で容易に利用可能である。
【0047】
組換え手段を用いて、例えばPCRクローニング技術を用いて、より長いポリヌクレオチドが一般に生成される。これは、クローン化されるのが望ましいヌクレオチド配列の領域に対するプライマー対(例えば、約15〜30ヌクレオチドの)を作製して、プライマーを真核生物または原核生物細胞から得られたmRNAまたはcDNAと接触させて、所望の領域の増幅を成し遂げる条件下でポリメラーゼ連鎖反応を実行し、増幅断片を単離して(例えば、アガロースゲル上で反応混合物を精製することにより)、そして増幅DNAを回収する。プライマーは、増幅DNAが適切なクローニングベクター中にクローン化され得るように、適切な制限酵素認識部位を含有するよう設計され得る。
【0048】
DNA分子は修飾されて、細胞内安定性および半減期を増大し得る。考え得る修飾としては、分子の5’および/または3’末端のフランキング配列の付加、あるいは分子の主鎖内のホスホジエステラーゼ結合よりむしろホスホロチオエートまたは2’O−メチルの使用が挙げられるが、これらに限定されない。
前記のように、本発明は、配列番号1で示される配列の全部または一部、あるいはその対立遺伝子変異とハイブリダイズし得るヌクレオチド配列にも関する。これらのヌクレオチド配列は、PFI-017発現を修飾するためのアンチセンス技法に用いられ得る。あるいは、これらの配列(またはその一部)は、プローブとして、あるいはPCRプライマーとして用いられる場合にはこのような配列の全部または一部を増幅するために用いられ得る。
【0049】
組換えDNA配列の他に、ゲノム配列は、薬剤発見の場面で有益でもある。その翻訳化タンパク質を阻害するというよりむしろ、特定のアイソフォームのmRNA転写を阻害することが有益であり得る。これは、スプライス変異体が存在する場合に、そしてそれらの異なるスプライス変異体が異なるプロモーターから転写され得る場合に、PFI-017に関して言える。
【0050】
本発明の別の実用性は、DNA配列は、一旦分かれば、アイソフォームまたはスプライス変異体を特異的に検出するための検定を設計するのに必要な情報を提供することである。アイソフォーム特異的PCRプライマー対は、アイソフォームまたはスプライス変異体の特定のDNA配列の知識に完全によっている検定の単なる一例である。このような検定は、各アイソフォームの組織分布および生物学的関連性を特定の疾患状態にアクセスするためのアイソフォームに関するmRNAの検出を可能にする。特異的PFI-017アイソフォームが特定の疾患状態と関連することが示された場合には、本発明は、アイソフォームmRNAの存在を検出するための診断検定の設計に有益である。
【0051】
生物学的標本中のPFI-017受容体をコードするヌクレオチド配列の異常レベルは、染色体異常、例えば核酸の欠失または突然変異を反映し得る。したがって、PFI-017受容体をコードするヌクレオチド配列は、PFI-017をコードする遺伝子における欠失、突然変異または染色体転座のような染色体異常を検出するために診断的に用いられ得る。PFI-017遺伝子発現はこのような疾患状態で変更され得るか、またはPFI-017をコードする遺伝子の領域に存在する染色体異常が認められ得る。
【0052】
本発明の代替的実施態様では、PFI-017のコード配列は、当業界で周知の化学的方法を用いて、全体的にまたは部分的に、合成され得る(Caruthers MH et al(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 215-23, Horn T et al(1980)Nuc Acids Res Symp Ser 225-232参照)。
天然
本明細書中で用いる場合、「天然」とは、天然に見出されるアミノ酸配列を有するPFI-017を指す。
【0053】
単離/精製
本明細書中で用いる場合、「単離」および「精製」という用語は、それらの天然環境から取り出され、そしてそれらが天然に会合される少なくとも1つのその他の構成成分から単離または精製される核酸またはアミノ酸配列を指す。
生物学的に活性
本明細書中で用いる場合、「生物学的に活性」とは、天然PFI-017の同様の構造的機能(しかし必ずしも同程度とは限らない)、および/または同様の調節機能(しかし必ずしも同程度とは限らない)、および/または同様の生化学的機能(しかし必ずしも同程度とは限らない)、および/または免疫学的活性(しかし必ずしも同程度とは限らない)を有する本発明のPFI-017−例えば組換えPFI-017−を指す。特に、本発明のPFI-017はGPCRとして作用する能力を有し、これは本発明のPFI-017ポリペプチドの特徴的活性の1つである。
【0054】
免疫学的活性
本明細書中で用いる場合、「免疫学的活性」は、適切な動物または細胞中での特異的免疫応答を誘導する、そして特異的抗体と結合する天然、組換えまたは合成PFI-017あるいはそのあらゆるオリゴペプチドの能力と定義される。
誘導体
「誘導体」という用語は、アミノ酸配列に関連して本明細書中で用いられる場合、PFI-017の化学的修飾を含む。このような修飾の例は、アルキル、アシルまたはアミノ基による水素の置換である。
【0055】
類似体
「類似体」という用語は、アミノ酸配列(またはそのコード配列)と関連して本明細書中で用いられる場合、PFI-017またはそのコード配列の化学的修飾を含む。このような修飾の例は、非天然アミノ酸残基(例えば、D−アミノ酸、β−アラニン、ヒドロキシプロリン)または非天然ヌクレオチド(例えば、イノシン、デメチル−シチジン)による天然アミノ酸残基または天然ヌクレオチドの置換である。
【0056】
欠失
本明細書中で用いる場合、「欠失」は、それぞれ1つ又はそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基が存在しないヌクレオチドまたはアミノ酸配列における変化と定義される。
挿入/付加
本明細書中で用いる場合、「挿入」または「付加」は、天然PFI-017と比較した場合に、それぞれ1つ又はそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸残基の付加を生じたヌクレオチドまたはアミノ酸配列における変化である。
【0057】
置換
本明細書中で用いる場合、「置換」は、それぞれ異なるヌクレオチドまたはアミノ酸による1つ又はそれ以上のヌクレオチドまたはアミノ酸の取り換えに起因する。
相同体(同族体)
本発明のヌクレオチド配列および本発明のアミノ酸配列に関する「相同体」という用語は、配列の対立遺伝子変異と同義語であり得る。
【0058】
ここで、本発明のヌクレオチド配列および本発明のアミノ酸配列に関する配列相同性は、2またはそれ以上の配列間の相同性パーセンテージ(%)を算出し得る市販のコンピュータープログラムによっても確定され得る。このようなコンピュータープログラムの典型例は、FASTAまたはBLASTである。
【0059】
これは非常に簡単且つ着実な方法であるが、しかし例えば、そうでなければ同一対の配列において、一挿入または欠失がその後のアミノ酸残基をアラインメントから取り除かせ、したがって全体的アラインメントが実行される場合に、相同性%の大きい低減を引き起こす可能性がある、ということを考慮に入れることができない。その結果、ほとんどの配列比較方法は、全体的相同スコアを不当に不利な立場に置くことなく、考え得る挿入および欠失を考慮に入れる最適アラインメントを生成するよう意図される。これは、局所相同性を最大にしようとして配列アラインメント中に「ギャップ」を挿入することにより、成し遂げられる。
【0060】
しかしながら、これらのより複雑な方法は、同一数の同一アミノ酸に関して、できるだけ少数のギャップを有する配列アラインメント−2つの比較配列間のより高い関連性を反映する−が多数のギャップを有するものより高いスコアを達成するように、アラインメント中に生じる各ギャップに「ギャップペナルティー」を割り当てる。ギャップの存在に関して相対的に高いコストを、そしてギャップ中の各々のその後の残基に関してより小さいペナルティを負荷する「擬似ギャップコスト」が、典型的には、用いられる。高ギャップペナルティは、もちろん、より少数のギャップを有する最適化アラインメントを生成する。ほとんどのアラインメントプログラムは、ギャップペナルティを修正させる。しかしながら、配列比較のためにこのようなソフトウェアを用いる場合、デフォルト値を用いるのが好ましい。例えば、GCG Wisconsin Bestfitパッケージ(下記参照)を用いる場合、アミノ酸配列に関するデフォルトギャップペナルティは、ギャップに関しては-12そして各延長に関しては-4である。
【0061】
2つの配列間の相同性%の計算は、まず、最適アラインメントを達成するために必要なギャップを導入する、最適アラインメントの生成を要する。このようなアラインメントを実行するための適切なコンピュータープログラムは、GCGパッケージ(University of Wisconsin, U.S.A.; Devereux et al., 1984, Nucleic Acids Research 12:387)、例えば、Gap又はBesfitである。配列比較を実施し得るその他のソフトウェアの例としては、BLASTパッケージ、好ましくはBlast 2(Ausubel et al., 1999同書−第18章参照)、FASTA(Altschul et al., 1990, J. Mol. Biol., 403-410)、Clustalw (Thompson, J.D. et al (1994) Nucl. Acids Res. 22, 4673-80)、および比較道具のGENEWORKSスイートが挙げられるが、これらに限定されない。BLASTとFASTAはともに、オフラインおよびオンライン探索として利用可能である(Ausubel et al., 1999同書、pp7-58〜7-60参照)。しかしながら、いくつかの用途に関しては、GCG Bestfitプログラムを用いるのが好ましい。
【0062】
最終相同性%は、いくつかの場合には、同一性に換算して測定され得るが、しかしアラインメント工程それ自体は、典型的には、オールオアナッシング対比較を基礎にしているわけではない。その代わり、化学的類似性または進化距離を基礎にした各対方式比較にスコアを割り当てる基準化類似性スコアマトリックスが一般に用いられる。一般的に用いられるこのようなマトリックスの例は、BLOSUM62マトリックス−BLASTスイートのプログラムに関するデフォルトマトリックス−である。GCG Wiscnsinプログラムは一般に、公開デフォルト値、または供給される場合には慣習的記号比較のいずれかを用いる(さらなる詳細に関しては、ユーザーマニュアル参照)。GCGパッケージに関しては公開デフォルト値を用いるのが、あるいは他のソフトウェアの場合には、BLOSUM62のようなデフォルトマトリックスを用いるのが好ましい。
【0063】
ソフトウェアが最適アラインメントを生成したならば、相同性%、好ましくは配列同一性%を算出できる。ソフトウェアは、典型的には、配列比較の一部としてこれをおこない、数値結果を生じる。
前記のように、いくつかの用途に関しては、配列相同性(または同一性)は、あらゆる適切な相同性算法を用いて、例えばデフォルトパラメーターを用いて、確定され得る。配列データベースの類似性探索における基本的論点の考察に関しては、Altschul et al.,(1994)Nature Genetics 6:119-129を参照していただきたい。いくつかの用途に関しては、BLAST算法が、デフォルト値に対するパラメーター組を用いて、使用される。BLAST算法は、http://www.ncbi.nih.gov/BLAST/blast help.html.に詳細に説明されている。「実質的相同性」は、BLASTにより査定される場合には、少なくとも約e-7、好ましくは少なくとも約e-9,最も好ましくはe-10またはそれ以下のEXPECT値と適合する配列と一致するのが有益である。BLAST探索におけるEXPECTに関するデフォルト閾値は、通常は10である。
【0064】
上記アラインメントを最適化するために上記プログラムが導入するであろうギャップ長の数をユーザーがコントロールすることを可能にするギャップペナルティーが、配列同一性を決定するために用いられる場合、好ましくは、上記ソフトウェアのデフォルト・パラメーターが使用される。
ハイブリダイゼーション
「ハイブリダイゼーション」という用語は、本明細書中で用いる場合、「核酸の鎖が塩基対を介して相補鎖と連結する方法」(Coombs J(1994)Dictionary of Biotechnology, Stockton Press, New York, NY, USA)、ならびにDieffenbach CW and GS Dveksler(1995, PCR Primer, a Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Press, Plainview, NY, USA)に記載されているようなPCR技法で実行されるような増幅方法を含む。
【0065】
ハイブリダイゼーション条件は、Berger and Kimmel(1987, Guide to Molecular Cloning Techniques, Methods in Enzymology, Vol. 152, Academic Press, San Diego, CA, USA)に教示されているような核酸結合複合体の融点(Tm)を基礎にし、以下で説明されるような限定「緊縮」を付与する。
ハイブリダイゼーションのストリンジェンシー(緊縮)は、ポリ核酸ハイブリッドが安定である条件を示す。このような条件は、当業者には明らかである。当業者には既知であるように、ハイブリッドの安定性は、配列相同性の1%の低減につき約1〜1.5℃低減するハイブリッドの融点(Tm)に反映される。概して、ハイブリッドの安定性は、ナトリウムイオン濃度および温度の一関数である。典型的には、ハイブリダイゼーション反応は、より高い緊縮の条件下で実行され、その後種々の緊縮の洗浄が成される。
【0066】
本明細書中で用いる場合、高緊縮とは、1 MNa+で65〜68℃で安定ハイブリッドを形成する核酸配列のみのハイブリダイゼーションを可能にする条件を指す。最大緊縮は、典型的には、約Tm−5℃(プローブのTmより5℃低い温度)で起こる。
高緊縮は、プローブのTmより約5℃〜10℃低い温度で起こる。高緊縮条件は、例えば、6 x SSC、5 x Denhardt液、1%SDS(ドデシル硫酸ナトリウム)、0.1Na+ピロリン酸塩および非特異的競合物としての0.1 mg/ml変性サケ精子DNAを含有する水性溶液中でのハイブリダイゼーションにより提供され得る。ハイブリダイゼーション後、高緊縮洗浄が数工程で成され、最終洗浄(約30分間)は0.2〜0.1 x SDS、0.1% SDS中でハイブリダイゼーション温度で成される。
【0067】
中等度または中間緊縮は、典型的には、プローブのTmより約10℃〜20℃低い温度で起こる。中等度緊縮とは、前記の溶液中での、しかし約60〜62℃でのハイブリダイゼーションと等価の条件を指す。その場合、最終洗浄は、1 x SSC、0.1% SDS中でハイブリダイゼーション温度で実行される。
低緊縮は、典型的には、プローブのTmより約20℃〜25℃低い温度で起こる。低緊縮とは、前記の溶液中での、しかし約50〜52℃でのハイブリダイゼーションと等価の条件を指す。その場合、最終洗浄は、2 x SSC、0.1% SDS中でハイブリダイゼーション温度で実行される。
【0068】
当業者に理解されるように、最大緊縮ハイブリダイゼーションは同一ポリヌクレオチド配列を同定または検出するために用いられ得るが、一方、中間(または低)緊縮ハイブリダイゼーションは同様または関連ポリヌクレオチド配列を同定または検出するために用いられ得る。
【0069】
これらの条件は、種々の緩衝液、例えばホルムアミドベースの緩衝液および温度を用いて適合されそして繰り返される、と理解される。Denhardt溶液およびSSCは、その他の適切なハイブリダイゼーション緩衝液(例えば、Sambrook, et al., eds.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, NY, USAまたはAusubel, et al., eds,(1990)Current Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sond, Inc.参照)と同様に、当業者には周知である。最適ハイブリダイゼーション条件は、プローブの長さおよびGC含量もある役割を演じるので、経験的に確定されねばならない。
【0070】
本明細書中に示されたヌクレオチド配列またはそれらの相補体と選択的にハイブリダイズし得る本発明のポリヌクレオチドは、一般に、少なくとも20、好ましくは少なくとも25または30、例えば少なくとも40、60または100あるいはそれ以上の連続ヌクレオチドの領域の全面において本明細書中に示された対応するヌクレオチド配列と少なくとも70%、好ましくは少なくとも75%、さらに好ましくは少なくとも80%、さらに好ましくは少なくとも85%、さらに好ましくは少なくとも90%、さらに好ましくは少なくとも95%、最も好ましくは少なくとも98%相同である。
【0071】
「選択的にハイブリダイズ可能」という用語は、プローブとして用いられるポリヌクレオチドが、本発明の標的ポリヌクレオチドがバックグラウンドより有意に上のレベルでプローブとハイブリダイズすることが見出される条件下で用いられることを意味する。バックグラウンドハイブリダイゼーションは、例えばスクリーニング中のcDNAまたはゲノムDNAライブラリー中に存在する他のポリヌクレオチドのために起こり得る。この場合、バックグラウンドは、標的DNAを用いて観察される特異的相互作用の強度の10倍未満、好ましくは100倍未満である、プローブとライブラリーの非特異的DNA成員との間の相互作用により生成される信号のレベルを暗示する。相互作用の強度は、例えば、プローブを、例えば32Pで放射能標識することにより測定され得る。
【0072】
好ましい局面では、本発明は、緊縮条件(例えば、65℃および0.1 x SSC)下で本発明のヌクレオチド配列のいずれか1つまたはそれ以上とハイブリダイズし得るヌクレオチド配列を包含する。
調節配列
好ましくは、本発明のポリヌクレオチドは、例えば選定宿主細胞によりコード配列の発現を提供し得る調節配列と操作可能的に連結される。例として、本発明は、このような調節配列と操作可能的に連結される本発明のポリヌクレオチドを包含するベクターを包含する。即ちベクターは発現ベクターである。
【0073】
「操作可能的に連結される」という用語は、記載された構成成分がそれらの意図された方法で機能させられ得る関係である並置状態を指す。コード配列と「操作可能的に連結される」調節配列は、コード配列の発現が制御配列と適合する条件下で達成されるような方法で結紮される。
「調節配列」という用語は、プロモーターおよびエンハンサーならびにその他の発現調節信号を含む。「プロモーター」という用語は、当業界で普通の意味で、例えばRNAポリメラーゼ結合部位の意味で用いられる。
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの発現増強は、異種調節領域、例えば発現を、そして所望により選定発現宿主からの当該タンパク質の分泌レベルを増強するのに、および/または本発明のポリペプチドの発現の誘導性制御を提供するのに役立つプロモーター、分泌リーダーおよびターミネーター領域の選択によっても成し遂げられ得る。好ましくは、本発明のヌクレオチド配列は、少なくとも1つのプロモーターと操作可能的に連結され得る。
本発明のポリペプチドをコードする遺伝子由来のプロモーターの他に、他のプロモーターを用いて、本発明のポリペプチドの発現を指図し得る。プロモーターは、所望の発現宿主中での本発明のポリペプチドの発現を指図する場合にその有効性に関して選択され得る。
【0074】
別の実施態様では、構成的プロモーターは、本発明の所望のポリペプチドの発現を指図するために選択され得る。このような発現構築物は、それが誘導基質を含有する培地上の発現宿主を培養する必要性をなくするため、付加的利点を提供し得る。
適切なプロモーターの例は、哺乳類計におけるLTR、SV40およびCMV;細菌系における大腸菌lacまたはtrp;昆虫系におけるバキュウロウイルスポリヘドロンプロモーター(polh)ならびに真核生物および原核生物細胞またはそれらのウイルスにおける発現を制御することが知られているその他のプロモーターである。
【0075】
真菌発現宿主中で用いるために好ましい強力な構成性および/または誘導性プロモーターの例は、キシラナーゼ(xlnA)、フィターゼ、ATP−シンセターゼ、サブユニット9(oliC)、トリオースホスフェートイソメラーゼ(tpi)、アルコールデヒドロゲナーゼ(AdhA)、α−アミラーゼ(amy)、アミログルコシダーゼ(AG−glaA遺伝子から)、アセトアミダーゼ(amdS)およびグリセルアルデヒド−3−ホスフェートデヒドロゲナーゼ(gpd)プロモーターに関する真菌遺伝子から得られるものである。強力な酵母菌プロモーターの例は、アルコールデヒドロゲナーゼ、ラクターゼ、3−ホスホグリセレートキナーゼおよびトリオースホスフェートイソメラーゼに関する遺伝子から得られるものである。
強力な細菌プロモーターの例は、α−アミラーゼおよびSP02プロモーターならびに細胞外プロテアーゼ遺伝子からのプロモーターである。
【0076】
ハイブリッドプロモーターも、発現構築物の誘導性調節を改良するために用いられ得る。
プロモーターは、適切な宿主中での発現を保証し、または増大するための特徴を付加的に含み得る。例えば、特徴は、PribnowボックスまたはTATAボックスのような保存領域であり得る。プロモーターは、本発明のヌクレオチド配列の発現のレベルに影響を及ぼすために(例えば、保持し、増強し、または低減するために)他の配列を含有することさえある。例えば、適切なその他の配列としては、Sh1−イントロンまたはADHイントロンが挙げられる。その他の配列としては、誘導性要素−例えば温度、化学物質、光またはストレス誘導性要素が挙げられる。さらに、転写または翻訳を増強するための適切な要素が存在し得る。後者の素子の例は、TMV5’シグナル配列(Sleat, Gene 217 [1987]217-225;およびDawson, Plant Mol. Biol.23 [1993]97参照)である。
【0077】
発現ベクターは、発現を増幅するためにプロモーターに作用する配列も含有する。例えば、SV40、CMVおよびポリオーマシス作用要素(エンハンサー)ならびに選択可能マーカーは、選択のための表現型特質(例えば、哺乳類細胞に関してはジヒドロフォレートレダクターゼまたはネオマイシン耐性、または大腸菌に関してはアンピシリン/テトラサイクリン耐性)を提供し得る。適切なプロモーターおよび選択マーカーを含有する適切なベクターの選択は、当業者のレベル内で十分である。
【0078】
構築物
「構築物」−例えば「接合体」、「カセット」および「ハイブリッド」という用語と同義語である−という用語は、プロモーターと直接または間接的に結合した本発明のヌクレオチド配列を含む。間接結合の例は、本発明のプロモーターおよびヌクレオチド配列に介在する適切なスペーサー基、例えばイントロン配列、例えばSh1−イントロンまたはADHイントロンの提供である。同じことは、直接または間接的結合を含む本発明に関して「融合化」という用語に対しても言える。各々の場合、用語は、それらがその天然環境にともに存在する場合、普通では野生型遺伝子プロモーターと会合するタンパク質をコードするヌクレオチド配列の天然の組合せを包含しない。
【0079】
構築物は、例えば哺乳類、酵母菌、昆虫、真菌または細菌細胞中での遺伝子構築物の選択を可能にするマーカーを含有または発現することさえある。例えば、G418,ヒグロマイシン、ブレオマイシン、カナマイシンおよびゲンタマイシンに対する抗生物質耐性を提供するもののような、用いられ得る種々のマーカーが存在する。
【0080】
好ましくは、本発明の構築物は、プロモーターと操作可能的に連結される本発明のヌクレオチド配列を少なくとも包含する。
ベクター
「ベクター」という用語は、発現ベクターおよび形質転換ベクターならびにシャトルベクターを含む。「発現ベクター」という用語は、in vivoまたはin vitro発現が可能な構築物を意味する。
「形質転換ベクター」という用語は、ある実体から別の実体に移入され得る構築物を意味する−これは同一種であるかまたは異なる種であり得る。構築物がある種から別の種に−例えばウイルスベクター、例えばMMLVまたはFIVからヒトまたは哺乳類一次細胞または細胞系統に移入され得る場合には、形質転換ベクターは時として「シャトルベクター」と呼ばれる。
【0081】
多様な発現系が、異なる宿主中で用いられ得る。例えば、エピソーム、染色体およびウイルス由来系(例えば細菌プラスミド、バクテリオファージ、パポバウイルス、例えばSV40、ワクシニアウイルス、アデノウイルスおよびレトロウイルス由来のベクター)。
DNA配列は、種々の技法によりベクター中に挿入され得る。概して、DNA配列は、当業界で既知の手法により適切な制限エンドヌクレアーゼ部位に挿入され、当業者の範囲内であるとみなされる。発現ベクター中のDNA配列は、mRNA合成を指図する適切な制御配列(即ち、プロモーター)と操作可能的に連結される。
【0082】
本発明のベクターは、下記のように適切な宿主中に形質転換されて、本発明のポリペプチドの発現を提供し得る。したがって、さらに別の局面では、本発明は、本発明のポリペプチドの製造方法であって、ポリペプチドをコードするコード配列のベクターによる発現を提供するための条件下で前記のように発現ベクターで形質転換またはトランスフェクトされた宿主細胞を培養し、そして発現ポリペプチドを回収する方法を提供する。
【0083】
ベクターは、例えば複製の起源を、任意にポリヌクレオチドの発現のためのプロモーターを、そして任意にプロモーターのレギュレーターを備えたプラスミド、ウイルスまたはバクテリオファージ(ファージ)ベクターであり得る。
本発明のベクターは、1つ又はそれ以上の選択可能マーカー遺伝子を含有し得る。工業微生物のための最も適切な選択系は、宿主生物中での突然変異を必要としない選択マーカーの群により構成されるものである。真菌選択マーカーの例は、アセトアミダーゼ(amdS)、ATP−シンセターゼ、サブユニット9(oliC)、オロチジン−5’−ホスフェート−デカルボキシラーゼ(pvrA)、フレオマイシンおよびベノミル耐性(benA)に関する遺伝子である。非真菌選択マーカーの例は、細菌G418耐性遺伝子(これは哺乳類細胞、酵母菌でも用いられ得るが、しかし糸状真菌では用いられない)、アンピシリン耐性遺伝子(大腸菌)、ネオマイシン耐性遺伝子(哺乳類細胞)ならびにβ−グルクロニダーゼ(GUS)をコードする大腸菌uidA遺伝子である。
【0084】
ベクターは、例えばRNAの産生のためにin vitroで用いられ得るし、または宿主細胞をトランスフェクトまたは形質転換するために用いられ得る。
したがって、本発明のポリヌクレオチドは、組換えベクター(典型的には、複製可能ベクター)、例えばクローニングまたは発現ベクター中に組み入れられ得る。ベクターは、適合性宿主細胞中で核酸を複製するために用いられ得る。したがって、さらに別の実施態様では、本発明は、本発明のポリヌクレオチドを複製可能ベクター中に導入し、ベクターを適合性宿主細胞中に導入し、そしてベクターの複製を引き起こす条件下で宿主細胞を増殖させることによる本発明のポリヌクレオチドの製造方法を提供する。ベクターは、宿主細胞から回収され得る。適切な宿主細胞は、発現ベクターとともに、以下に記載される。
【0085】
本発明は、PFI-017のモジュレーター(例えば、拮抗薬または作動薬)の同定のためのスクリーニング方法におけるPFI-017ポリペプチドあるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体を発現する遺伝子工学処理宿主細胞の使用にも関する。このような遺伝子工学処理宿主細胞は、PFI-017活性を調節し得るペプチドライブラリーまたは有機分子をスクリーニングするために用いられ得る。抗体、ペプチドまたは小有機分子のようなPFI-017ポリペプチドのモジュレーター(例えば拮抗薬)は、例えばPFI-017に関連した疾患の治療のための製剤組成物のための基礎を提供する。このようなモジュレーター(例えば、拮抗薬)は、このような疾患の治療のために、単独で、またはその他の療法と組合せて投与され得る。
【0086】
本発明は、PFI-017タンパク質のin vivoまたはin vitro産生のための、あるいはPFI-017発現または活性に影響を及ぼし得る作用物質に関してスクリーニングするためのPFI-017をコードするポリヌクレオチド配列、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体を包含する発現ベクターおよび宿主細胞にも関する。
【0087】
組織
「組織」という用語は、本明細書中で用いる場合、組織それ自体および器官を含む。
宿主細胞
「宿主細胞」−本発明に関して−という用語は、本発明の組換えタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られる生成物を包含し得るが、この場合、プロモーターは、宿主細胞中に存在する場合には、本発明のヌクレオチド配列の発現を可能にする。
【0088】
したがって、本発明のさらに別の実施態様は、本発明のポリヌクレオチドで形質転換またはトランスフェクトされる宿主細胞を提供する。好ましくは、前記のポリヌクレオチドは、前記のポリヌクレオチドの複製および発現のためにベクター中に保有される。細胞は、前記のベクターと適合性であるよう選択され、そして、例えば原核細胞(例えば、細菌細胞)または真核細胞(即ち、哺乳類、真菌、昆虫および酵母菌細胞)であり得る。
【0089】
宿主細胞中へのポリヌクレオチドの導入は、Sambrook, et al., eds.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, NY, USAに記載されたような方法により実行され得る。これらの方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、陽イオン性脂質媒介性トランスフェクション、電気穿孔、トランスベクション、マイクロインジェクション、形質導入、切傷負荷および弾道導入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0090】
代表的宿主の例としては、細菌細胞(例えば大腸菌、ストレプトミセス属);真菌細胞、例えば酵母菌細胞およびアスペルギルス属;昆虫細胞、例えばショウジョウバエS2およびSpodoptera SF9細胞;動物細胞、例えばCHO、COS、HEK、HeLaおよび3T3細胞が挙げられる。適切な宿主の選択は、当業者の範囲内とみなされる。
【0091】
本発明のポリペプチドをコードするポリヌクレオチドの性質、および/または発現タンパク質のさらなるプロセッシングの望ましさによって、真核生物宿主、例えば酵母菌またはその他の真菌が選ばれ得る。概して、酵母菌細胞が、それらの操作容易性のために、真菌細胞の中で選ばれる。しかしながら、いくつかのタンパク質は、酵母菌からは不十分に発現または分泌され、あるいはいくつかの場合には、適正にプロセッシングされない(例えば、酵母菌における高グリコシル化)。これらの場合、異なる真菌宿主生物が選択されるべきである。
【0092】
本発明の範囲内の適切な発現宿主の例は、真菌、例えばアスペルギルス種(例えば、欧州特許出願第0184438号および第0284603号に記載されているもの)およびトリコデルマ種;細菌、例えば大腸菌種、ストレプトミセス種およびシュードモナス種;ならびに酵母菌、例えばKluyveromyces種(例えば、欧州特許出願第0096430号および第0301670号に記載されているもの)およびサッカロミセス種である。例として、典型的発現宿主は、黒色アスペルギルスAspergillus niger、Aspergillus niger var. tubigenis、Aspergillus niger var. awamori、Aspergillus aculeatis、Aspergillus nidulans、Aspergillus orvzae、トリコデルマ属のTrichoderma reesei、クルイベロミセス属のKluyveromyces lactis、シゾサッカロミセス属のShizosaccharomyces pombe、Pichia pastorisおよびビール酵母菌Saccharomyces cerevisiaeから選択され得る。
【0093】
適切な宿主細胞−例えば哺乳類、酵母菌、昆虫および真菌宿主細胞−の使用は、本発明の組換え発現生成物に最適生物活性を付与する必要がある場合に、翻訳後修飾(例えば、ミリストイル化、グリコシル化、切頭化、lapidation、ならびにチロシン、セリンまたはトレオニンリン酸化)を提供し得る。
生物体
「生物体」という用語は、本発明に関しては、本発明の組換えタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られる生成物を包含し得る、ヒト以外のあらゆる生物を含み、この場合、プロモーターは、生物体中に存在する場合、本発明のヌクレオチド配列の発現を可能にし得る。生物体の例としては、真菌、酵母菌または原生動物が挙げられ得る。
【0094】
「トランスジェニック生物」という用語は、本発明に関しては、本発明のタンパク質をコードするヌクレオチド配列および/またはそれから得られる生成物を包含し得る、ヒト以外のあらゆる生物を含み、この場合、プロモーターは、生物体内の本発明のヌクレオチド配列の発現を可能にし得る。好ましくは、ヌクレオチド配列は生物体のゲノム中に組み入れられる。
【0095】
本発明のトランスジェニック生物は、本発明のアミノ酸をコードするヌクレオチド配列、本発明の構築物(それらの組合せを含む)、本発明のベクター、本発明のプラスミド、本発明の細胞および本発明の組織またはそれらの生成物のいずれか1つまたはその組合せを包含する生物を含む。形質転換細胞または生物は、細胞または生物から容易に回収可能である許容可能量の所望の化合物を調製し得る。
【0096】
宿主細胞/宿主生物の形質転換
前記のように、宿主生物は原核生物または真核生物であり得る。適切な原核生物宿主の例は大腸菌である。原核生物宿主の形質転換に関する教示は、当業界で十分実証されている(例えば、Sambrook et al.(Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd edition, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, NY, USA)およびAusubel et al.(Current Protocols in Molecular Biology(1995),John Wiley & Sons, Inc.)参照)。
【0097】
好ましい実施態様では、形質転換宿主は哺乳類細胞または、例えば昆虫細胞であり、この場合、前記の宿主細胞中へのポリヌクレオチドの導入は、例えば、 Sambrook et al.(Molecular Cloning:A Laboratory Manual, 2nd edition, 1989, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, NY, USA)に記載されたような方法により実行され得る。これらの方法としては、リン酸カルシウムトランスフェクション、DEAE−デキストラン媒介性トランスフェクション、陽イオン性脂質媒介性トランスフェクション、電気穿孔、トランスベクション、マイクロインジェクション、形質導入、切傷負荷および弾道導入が挙げられるが、これらに限定されない。
【0098】
別の実施態様では、トランスジェニック生物は酵母菌であり得る。この点で、酵母菌は、異種遺伝子発現のためのビヒクルとしても広範に用いられ得る。ビール酵母菌種は、異種遺伝子発現のための使用を含めた、工業的使用の長い歴史を有する。ビール酵母菌中での異種遺伝子の発現は、Goodey等(1987, Yeast Biotechnology, D R Berry et al, eds, pp401-429, Allen and Unwin, London)およびKing等(1989, Molecular and Cell Biology of Yeasts, E F Walton and G T Yarronton, eds, pp 107-133, Blackie, Glasgow)により再検討されている。
【0099】
ビール酵母菌における異種遺伝子発現および遺伝子生成物の分泌の原理の再検討は、E HinchcliffeとE Kenny(“Yeast as a vehicle for the expression of heterologous genes", 1993, Yeasts, Vol 5, Anthony H Rose and J Stuart Harrison, eds, 2ng edition, Academic Press Ltd.)により示されている。それらの保持のために宿主ゲノムによる組換えを必要とする組込みベクターおよび自己複製プラスミドベクターを含めた、いくつかの種類の酵母菌ベクターが利用可能である。
【0100】
トランスジェニックサッカロミセスを調製するために、発現構築物は、酵母菌中での発現を意図された構築物中に本発明のヌクレオチド配列を挿入することにより調製される。異種発現のために用いられる数種類の構築物が開発されてきた。構築物は、本発明のヌクレオチド配列と融合された酵母菌中で活性なプロモーターを含有し、通常は、酵母菌起源のプロモーター、例えばGAL1プロモーターが用いられる。普通は、酵母菌起源のシグナル配列、例えばSUC2シグナルペプチドをコードする配列が用いられる。酵母菌中で活性なターミネーターが発現系を終了する。
【0101】
酵母菌の形質転換のために、いくつかの形質転換プロトコールが開発されてきた。例えば、本発明のトランスジェニックサッカロミセスは、Hinnen等(1978, Proceedings of the National Acacemy of Sciences of the USA, 75:1929);Beggs, J D(1978, Nature, London, 275:104)およびIto, H等(1983, J. Bacteriology 153:163-168)の教示にしたがって調製され得る。
【0102】
形質転換酵母菌細胞は、種々の選択マーカーを用いて選択される。形質転換のために用いられるマーカーの中でもとりわけ、多数の栄養要求性マーカー、例えばLEU2、HIS4およびTRP1、そして優勢な抗生物質耐性マーカー、例えばアミノグリコシド抗生物質マーカー、例えばG418である。
したがって、本発明は、配列番号1で示されるヌクレオチド配列、あるいはそれらの誘導体、相同体、変異体、類似体または断片を用いて宿主細胞を形質転換する方法も提供する。
【0103】
PFI-017ヌクレオチドコード配列で形質転換される宿主細胞は、細胞培養からコード化タンパク質(細胞膜中)の発現および回収に適した条件下で培養され得る。組換え細胞により産生されるタンパク質は、用いられる配列および/またはベクターによって、細胞表面で発現され、分泌され、あるいは細胞内に含有され得る。当業者に理解されるように、PFI-017コード配列を含有する発現ベクターは一般に、細胞膜内での発現を可能にする。その他の組換え構築は、タンパク質精製/同定を促すポリペプチドドメインをコードするヌクレオチド配列にPFI-017コード配列を接合し得る(Kroll DJ et al.(1993)DNA Cell Biol Vol 12 P441-53,前記の融合タンパク質を含有するベクターの考察も参照)。
【0104】
遺伝子工学処理または遺伝子修飾
「遺伝子修飾」される細胞、好ましくは動物細胞は、遺伝子工学により細胞中に、または前駆細胞中に導入される修飾に関してヘテロ接合性またはホモ接合性である。修飾を導入するために利用可能な遺伝子工学の標準的方法としては、相同組換え、ウイルスベクター遺伝子トラッピング、放射線照射、化学的突然変異誘発、およびアンチセンスRNAをコードするヌクレオチド配列の単独でのまたは触媒リボザイムと組合せたトランスジェニック発現が挙げられる。遺伝子修飾のための好ましい方法は、相同的組換えおよびウイルスベクター遺伝子トラッピングであって、これらはともに、遺伝子座に外来核酸配列を挿入することにより、内因性遺伝子を修飾する。遺伝子に対して外来性である核酸配列は、遺伝子中で非天然である外因性配列である。外来DNAのこの挿入は、PFI-017遺伝子のあらゆる領域で、例えばエンハンサー、プロモーター、レギュレーター領域、非コード領域、コード領域、イントロンまたはエキソンで起こり得る。遺伝子工学の最も好ましい方法は、外来核酸配列が標的化方式で、単独で、または内因性遺伝子配列の一部の欠失と組合せて挿入される相同的組換えである。
【0105】
機能的崩壊
「機能的に崩壊される」PFI-017遺伝子とは、崩壊化遺伝子によりコードされるPFI-017ポリペプチドの細胞活性が、通常では野生型バージョンのPFI-017遺伝子を発現する細胞中で低減されるように、遺伝子修飾されるPFI-017遺伝子を意味する。遺伝子修飾が細胞中のPFI-017遺伝子のすべての野生型コピーを有効に排除する場合には(例えば、遺伝子修飾細胞、好ましくは動物細胞がPFI-017遺伝子崩壊に関してホモ接合性であり、または元々存在するPFI-017遺伝子の野生型コピーだけが直ちに崩壊される)、遺伝子修飾は、野生型PFI-017遺伝子を発現する適切な対照細胞と比較した場合、PFI-017ポリペプチド活性の低減(即ち、受容体発現の低減)を引き起こす。PFI-017ポリペプチド活性のこの低減(即ち、受容体発現の低減)は、PFI-017遺伝子発現の低減(即ち、PFI-017mRNAレベルが有効に低減され、PFI-017ポリペプチドのレベル低下を生じる)に、および/または、野生型ポリペプチドと比較した場合に、機能または安定性低減を伴う突然変異化ポリペプチドを崩壊PFI-017遺伝子がコードすることに起因する。好ましくは、遺伝子修飾細胞中のPFI-017ポリペプチドの活性(即ち受容体発現の低下)は、野生型レベルの50%またはそれ以下に、さらに好ましくは25%またはそれ以下に、さらに好ましくは10%またはそれ以下に低減される。最も好ましくは、PFI-017遺伝子崩壊は、ゼロ突然変異をもたらす。
【0106】
遺伝子修飾化動物細胞
機能的崩壊PFI-017遺伝子を含有する「遺伝子修飾動物細胞」とは、機能的崩壊化PFI-017遺伝子を含有するために遺伝子工学処理により作製されるヒト細胞を含めた動物細胞、ならびに崩壊化PFI-017遺伝子を受け継ぐ娘細胞を意味する。これらの細胞は、当業界で既知のあらゆる標準的方法にしたがって培養中で遺伝子修飾され得る。培養中の細胞を遺伝子修飾するための代替物として、PFI-017遺伝子崩壊を含有する遺伝子修飾化非ヒト哺乳類から、非ヒト哺乳類細胞が単離され得る。本発明の動物細胞は、一次細胞または組織調製物、ならびに培養適合化、腫瘍形成性、または形質転換化細胞株から得られる。これらの細胞および細胞株は、例えば、内皮細胞、上皮細胞、島細胞、ニューロンおよびその他の神経組織由来細胞、中皮細胞、骨細胞、リンパ球、軟骨細胞、造血細胞、免疫細胞、主要な腺または器官(例えば、肝臓、肺、心臓、胃、膵臓、腎臓および皮膚)の細胞、筋細胞(骨格筋、平滑筋および心筋からの細胞を含む)、外分泌または内分泌細胞、繊維芽細胞ならびに胚およびその他の分化全能性または多能性幹細胞(例えば、胚幹(ES)細胞、ES様細胞および胚原基系列(EG)細胞、ならびにその他の幹細胞、例えば前駆細胞および組織由来幹細胞)から得られる。好ましい遺伝子修飾化細胞は、ES細胞であり、さらに好ましくはマウスまたはラットES細胞、最も好ましくはヒトES細胞である。
【0107】
PFI-017遺伝子を用いた相同組換えのために標的化ベクターにおいて用いられる「相同領域」とは、PFI-017遺伝子の一部、または当業界で既知の標準低緊縮条件下で相同領域とPFI-017遺伝子配列との間にハイブリダイゼーションを起こさせるのに十分な程度にPFI-017遺伝子と側面を接する配列に関する(即ち相補的)(例えば、Current Protocols in Human Genetics, unit 4.1, John Wiley & Sons, New York, NY, 2000に記載されている)。
【0108】
「ES細胞」または「ES様細胞」とは、無限自己再生を、ならびに3つの胚原基層のすべてを代表する細胞型への分化を可能にする胚から、始原幹細胞からまたは奇形癌から得られる多能性幹細胞を意味する。
「低減」とは、統計学的有意の減少(即ち、p<0.1)を意味する。
本発明の遺伝子修飾化動物細胞、例えばヒト細胞は、PFI-017遺伝子を機能的に崩壊する修飾に関してヘテロ接合またはホモ接合性である。動物細胞は、培養中の遺伝子工学処理により誘導され、あるいは非ヒト哺乳類細胞の場合には、細胞は遺伝子修飾化非ヒト哺乳類から単離され得る。
【0109】
PFI-017遺伝子座は、当業界で既知の遺伝子修飾のためのいくつかの技法の一つにより機能的に崩壊され、その例としては、化学的突然変異誘発(Rinchik, Trends in Genetics 7:15-21, 1991, Russell, Environmental & Molecular Mutagenesis 23(Suppl. 24)23-29, 1994)、放射線照射(Russell, 同上)、PFI-017遺伝子アンチセンスRNAの、単独での、または触媒的RNAリボザイム配列と組合せたトランスジェニック発現(Luyckx et al., Proc. Natl. Acad. Sci. 96:12174-79, 1999; Sokol et al., Transgenic Research 5:363-71, 1996; Efrat et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 91:2051-55, 1994; Larsson et al., Nucleic Acids Research 22:2242-48, 1994)、ならびに下記でさらに考察されるように、PFI-017遺伝子座への外来核酸配列の挿入によるPFI-017遺伝子の崩壊が挙げられる。好ましくは、外来配列は、相同的組換えにより、またはウイルスベクターの挿入により挿入される。最も好ましくは、PFI-017遺伝子崩壊の方法は、相同的組換えであり、内因性PFI-017遺伝子配列の一部の欠失を含む。
【0110】
外来配列の組込みは、1つ又はそれ以上の以下のメカニズムによりPFI-017遺伝子を機能的に崩壊する:PFI-017遺伝子転写または翻訳工程をさまたげることにより(例えば、プロモーター認識を妨げることにより、または転写終止部位または翻訳終止コドンをPFI-017遺伝子に導入することにより);あるいは正常受容体機能を有するPFI-017ポリペプチドをもはやコードしないようにPFI-017遺伝子コード配列をゆがめることによる(例えば、PFI-017遺伝子コード配列中に外来コード配列を挿入することにより、フレームシフト突然変異またはアミノ酸(単数または複数)置換を導入することにより、あるいは二重交差事象の場合には、機能性受容体タンパク質の発現に必要なPFI-017遺伝子コード配列の一部を欠失することによる)。
【0111】
細胞のゲノム中のPFI-017遺伝子座に外来配列を挿入するために、当業界で既知の標準的方法、例えば電気穿孔、リン酸カルシウム沈降法、レトロウイルス感染、マイクロインジェクション、biolistics、リポソームトランスフェクション、DEAE−デキストラントランスフェクションまたはトランスフェリンフェクションにより、外来DNA配列が細胞中に導入される(例えば、Neumann et al., EMBO J. 1:841-845, 1982; Potter et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 81:7161-65, 1984; Chu et al., Nucleic Acids Res. 15: 1311-26, 1987; Thomas and Capecchi, Cell 51:503-12, 1987; Baum et al., Biotechniques 17:1058-62, 1994; Biewenga et al., J. Neuroscience Methods 71:67-75, 1997; Zhang et al., Biotechniques 15: 868-72, 1993; Ray and Gage, Biotechniques 13: 598-603, 1992; Nickoloff et al., Mol. Biotech. 10:93-101, 1998; Linney et al., Dev. Biol.(Orlando)213:207-16, 1999; Zimmer and Gruss, Nature 338:150-153, 1989; およびRobertson et al., Nature 323:445-48, 1986参照)。細胞中への外来DNAの導入のための好ましい方法は、電気穿孔である。
【0112】
相同的組換え
相同的組換えの方法は、PFI-017遺伝子を含有する細胞中にPFI-017遺伝子ターゲッティングベクターを導入することにより崩壊のためにPFI-017遺伝子を標的化する。崩壊のためにPFI-017遺伝子を標的化するベクターの能力は、PFI-017遺伝子と相同であるベクター中のヌクレオチド配列を用いることに起因する。この相同領域は、ベクターとPFI-017遺伝子の内因性配列との間のハイブリダイゼーションを促す。ハイブリダイゼーション時に、ターゲッティングベクターとゲノム配列との間の交差事象の確率は、大いに増大する。この交差事象は、PFI-017遺伝子座へのベクター配列の組込みおよびPFI-017遺伝子の機能的崩壊を引き起こす。
【0113】
ターゲッティングのために用いられるベクターの構築に関する一般原理は、Bradley等(Biotechnol. 10:534, 1992)に再検討されている。2つの異なる例示的型のベクター:挿入ベクターまたは組換えベクターを用いて、相同的組換えによりDNAを挿入し得る。挿入ベクターは、二本鎖化切れ目とのPFI-017遺伝子相同性の領域を含有する環状DNAである。相同領域と内因性PFI-017遺伝子との間のハイブリダイゼーション後、二本鎖化切れ目での1回交差事象が、交差の部位での内因性遺伝子中への全ベクター配列の挿入を生じる。
【0114】
相同的組換えに用いるためのさらに好ましいベクターは交替ベクターであり、これは環状というよりむしろ共線的である。PFI-017遺伝子への交替ベクター組込みは、二重交差事象、即ちターゲッティングベクターとPFI-017遺伝子との間のハイブリダイゼーションの2つの部位での交差を必要とする。この二重交差事象は、PFI-017遺伝子中への交差の2つの部位間に挟まれるベクター配列の組込、ならびに交差の2つの部位の間に元々またがって存在した対応する内因性PFI-017遺伝子配列の欠失を引き起こす(例えば、Thomas and Capecchi et al., Cell 51:503-12, 1987; Mansour et al., Nature 336:348-52, 1988; Mansour et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 87:7688-7692, 1990; およびMansour, GATA 7: 219-227, 1990参照)。
【0115】
ターゲッティングベクター中の相同の領域は、一般に少なくとも100ヌクレオチド長である。最も好ましくは、相同領域は、少なくとも1〜5キロベース(Kb)長である。相同領域に必要とされる最小長または最小度の関連性は実証されていないけれども、相同的組換えのためのターゲッティング効率は、一般に、ターゲッティングベクターとPFI-017遺伝子座との間の関連性の長さおよび程度に対応する。交替ベクターが用いられる場合には、そして内因性PFI-017遺伝子の一部が相同的組換え時に欠失される場合には、付加的に考えられることは、内因性PFI-017遺伝子の欠失部分のサイズである。内因性PFI-017遺伝子のこの部分が1 Kb長より長い場合には、組換えの効率を増強することが推奨される。相同的組換えに有効な配列の選択および使用に関するさらなる指針は、文献に記載されている(例えば、Deng and Capecchi, Mol. Cell. Biol. 12: 3365-3371, 1992; Bollag et al., Annu. Rev. Genet. 23:199-225, 1989;およびWaldman and Liskay, Mol. Cell. Biol. 8:5350-5357, 1988参照)。
【0116】
広範な種々のクローニングベクターは、PFI-017遺伝子ターゲッティングベクターの構築におけるベクター主鎖として用いられ得る。それらの例としては、pBluescript関連プラスミド(例えば、Bluescript KS+11)、pQE70、pQE60、pQE-9、pBS、Pd10、ファージスクリプト、phi-X174、pBKファジミド、pNH8A、 pNH16a、pNH18Z、Pnh46A、ptrc99a、pKK223-3、pKK233-3、pDR540およびpRIT5PWLNEO、PsV2CAT、pXT1、pSG(Stratagene)、pSVK3、PBPV、PMSGおよびpSVL、pBR322およびpBR322−ベースのベクター、pBM9、pBR325、pKH47、pBR328、pHC79、ファージCharon 28、pKB11、pKSV-10、pK19関連プラスミド、pUCプラスミドおよびpGEMシリーズのプラスミドが挙げられる。これらのベクターは、種々の商業的供給元(例えば、Boehringer Mannheim Biochemicals, Indianapolis, IN; Qiagen, Valencia, CA; Stratagene, La Jolla, CA; Promega, Madison, WI;およびNew England Biolabs, Beverly, MA)から入手可能である。しかしながら、あらゆるその他のベクター、例えばプラスミド、ウイルスまたはその一部は、それらが所望の宿主中で複製可能且つ生存可能である限り、用いられ得る。ベクターは、そのゲノムが修飾される宿主中でそれを複製させ得る配列も包含する。このようなベクターの使用は、組換えが起こり、ターゲッティングの効率を増大する間の相互作用期間を延長し得る(Molecular Biology, ed. Ausubel et al., Unit 9. 16,図9.16.1参照)。
【0117】
前記のターゲッティングベクターを増殖させるために用いられる特定の宿主は重要ではない。例としては、大腸菌K12 RR1(Bolivar et al., Gene 2:95, 1977)、大腸菌K12 HB101(ATCC No. 33694)、大腸菌MM21(ATCC No. 336780)、大腸菌DH1(ATCC No. 33849)、大腸菌DH5α株および大腸菌STBL2株が挙げられる。あるいは、C. cerevisiaeのような宿主が用いられ得る。前記の宿主は市販されている(例えば、Stratagene, La Jolla, CA;およびLife Technologies, Rockville, MD)。
【0118】
ターゲッティングベクターを作製するために、PFI-017遺伝子ターゲッティング構築物が前記のベクター主鎖に付加される。前記のPFI-017遺伝子ターゲッティング構築物は、少なくとも1つのPFI-017遺伝子相同領域を有する。PFI-017遺伝子相同領域を作製するために、PFI-017遺伝子関連配列がポリメラーゼ連鎖反応(PCR)プライマーを生成するための基礎として用いられる。これらのプライマーは、高忠実度PCR増幅によりPFI-017配列の所望の領域を増幅するために用いられる(Mattila et al., Nucleic Acids Res. 19: 4967, 1991; Eckert and Kunkel 1:17, 1991;および米国特許第4,683,202号)。ゲノム配列は、ゲノムクローンライブラリーから、またはゲノムDNAの調製から、好ましくはPFI-017遺伝子崩壊のために標的化されるべき動物種から得られる。
【0119】
好ましくは、前記のターゲッティング構築物は、陽性マーカータンパク質をコードする外因性ヌクレオチド配列も含む。ベクター組込後の陽性マーカーの安定発現は、細胞生存可能性を危うくすることなく、細胞に同定可能特性を付与する。したがって、交替ベクターの場合、マーカー遺伝子は、二重交差事象後にPFI-017遺伝子中に組み込まれるように、2つのフランキング相同領域間に置かれる。
【0120】
陽性マーカータンパク質は選択可能タンパク質であるのが好ましい。細胞中でのこのようなタンパク質の安定発現は、選択可能発現型特徴を付与し、即ち、その特徴はそうでなければ致死的な条件下での細胞の生存を増強する。したがって、選択可能条件を課することにより、生存可能性に基づいて、ベクター配列をうまく組み込んでいなかったその他の細胞からの陽性選択可能マーカーを安定的に発現する細胞の単離が可能になる。陽性選択可能マーカータンパク質(および選択性を有するそれらの作用物質)の例としては、Neo(G418またはカノマイシン)、Hyg(ヒグロマイシン)、HisD(ヒスチジノール)、Gpt(キサンチン)、Ble(ブレオマイシン)およびHprt(ヒポキサンチン)が挙げられる(例えば、Capecchi and Thomas,米国特許第5,464,764号およびCapecchi, Science 244:1288-92, 1989参照)。選択可能マーカーの代替物としても用いられ得るその他の陽性マーカーとしては、レポータータンパク質、例えばβ−ガラクトシダーゼ、ホタルルシフェラーゼまたはグリーン蛍光タンパク質(例えば、Current Portocols in Cytometry, Unit 9.5 およびCurrent Protocols in Molecular Biology, Unit 9.6, John Wiley & Sons, New York, NY, 2000)が挙げられる。
【0121】
前記の陽性選択計画は、PFI-017遺伝子座での標的化相同的組換えによりベクターを組込んだ細胞と、任意の染色体位置へのベクター配列の無作為非相同的組込とを識別しない。したがって、相同的組換えのために交替ベクターを用いる場合、陰性選択可能マーカータンパク質をコードするヌクレオチド配列を含むことも好ましい。陰性選択可能マーカーの発現は、ある種の作用物質にされされた場合に、マーカーを発現する細胞に生存可能性を失わせる(即ち、マーカータンパク質はある種の選択可能条件下では細胞に対して致死的になる)。陰性選択可能マーカー(および致死性を有するそれらの作用物質)の例としては、単純ヘルペスウイルスチミジンキナーゼ(ガンシクロビルまたは1,2−デオキシ−2−フルオロ−α−d−アラビノフランシル−5−ヨードウラシル)、Hprt(6−チオグアニンまたは6−チオキサンチン)、ならびにジフテリア毒素、リシン毒素およびシトシンデアミナーゼ(5−フルオロシトシン)が挙げられる。
【0122】
陰性選択可能マーカーをコードするヌクレオチド配列は、交替ベクターの2つの相同領域の外側に置かれる。この位置決定が示されたとすると、組込が無作為非相同的組換えにより起こる場合、細胞は陰性選択可能マーカーを組み込み、そして安定的に発現するだけである。ターゲッティング構築物中のPFI-017遺伝子と相同性を有する2つの領域との間の相同的組換えは、組込みから陰性選択可能マーカーをコードする配列を排除する。したがって、陰性条件を課することにより、無作為非相同的組換えによりターゲッティングベクターを組み込んだ細胞は生存可能性を失う。
【0123】
一連の陽性および陰性選択工程は、相同的組換えによりベクター組込を受けた、したがって潜在的崩壊化PFI-017遺伝子を有する細胞だけをより効率よく選択するよう意図され得るため、陽性および陰性選択可能マーカーの前記の組合せが好ましい。陽性−陰性選択計画、選択可能マーカーおよびターゲッティング構築物のさらに別の例は、例えば、米国特許第5,464,764号、WO94/06908、ならびにValancius and Smithies, Mol. Cell. Biol. 11: 1402, 1991に記載されている。
【0124】
マーカータンパク質がベクター組込時に安定的に発現されるために、ターゲッティングベクターは、マーカーコード配列がベクター組込時に操作可能的に内因性PFI-017遺伝子プロモーターに連結されるよう設計され得る。次に、マーカーの発現は、通常はPFI-017遺伝子を発現する細胞中のPFI-017遺伝子プロモーターにより駆動される。あるいは、ベクターのターゲッティング構築物中の各マーカーは、PFI-017遺伝子プロモーターとは無関係に発現を駆動するそれ自身のプロモーターを含有し得る。この後者の計画は、典型的にはPFI-017遺伝子を発現しない細胞中でのマーカーの発現を可能にするという利点を有する(Smith and Berg, Cold Spring Harbor Symp. Quant. Biol. 49:171, 1984; Sedivy and Sharp, Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)86:227, 1989; Thomas and Capecchi, Cell 51:503, 1987)。
【0125】
マーカー遺伝子発現を駆動するために用いられ得る外因性プロモーターとしては、細胞特異性または段階特異性プロモーター、構成性プロモーターおよび誘導性または調節性プロモーターが挙げられる。これらのプロモーターの例としては、単純ヘルペスチミジンキナーゼプロモーター、サイトメガロウイルス(CMV)プロモーター/エンハンサー、SV40プロモーター、PGKプロモーター、PMC1−ネオ、メタロチオネインプロモーター、アデノウイルス後期プロモーター、ワクシニアウイルス7.5Kプロモーター、鳥βグロビンプロモーター、ヒストンプロモーター(例えば、マウスヒストンH3-614)、βアクチンプロモーター、ニューロン特異的エノラーゼ、筋肉アクチンプロモーターおよびカリフラワーモザイクウイルス35Sプロモーターが挙げられるが、これらに限定されない(一般に、 Sambrook, et al.,Molecular Cloning, Vols I-III, Cold Spring Harbor Laboratory Press, Cold Spring Harbor,NY, 1989およびCurrent Protocols in Molecular Biology, John Wiley & Sons, New York, NY, 2000; Stratagene, La Jolla, CA参照)。
【0126】
細胞が標的化PFI-017遺伝子座にベクター配列を組み込んだか否かを確証するために、所望のベクター組込事象に特異的なプライマーまたはゲノムプローブをPCRまたはサザンブロットと組合せて用いて、PFI-017遺伝子座への所望のベクター組込の存在を同定し得る(Erlich et al., Science 252:1643-51, 1991; Zimmer and Gruss, Nature 338:150, 1989; Mouellic et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)87:4712, 1990;およびShesely et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)88:4294, 1991)。
【0127】
遺伝子トラッピング
PFI-017遺伝子を機能的に崩壊するためにPFI-017遺伝子座に外来核酸配列を挿入するために利用可能なもう一つの方法は、遺伝子トラッピングである。この方法は、無作為方式で遺伝子中に遺伝子トラップベクターコード配列を挿入するためにmRNAにエキソンをスプライスするすべての哺乳類細胞中に存在する細胞機構を利用する。一旦挿入されれば、遺伝子トラップベクターは、トラップ化PFI-017遺伝子を機能的に崩壊し得る突然変異を生じる。相同的組換えに対比して、突然変異誘発のためのこの系は、非常に無作為な突然変異を作り出す。したがって、機能的崩壊化PFI-017遺伝子を含有する遺伝子修飾化細胞を得るためには、この特定の突然変異を含有する細胞は、種々の遺伝子における無作為突然変異を含有する細胞のプールから同定され、そして選択されねばならない。
【0128】
遺伝子トラッピング系およびベクターは、遺伝子修飾ネズミ細胞およびその他の種類の細胞での使用に関して記載されている(例えば、Allen et al., Nature 333:852-55, 1988; Bellen et al., Genes Dev. 3: 1288-1300, 1989; Bier et al., Genes Dev. 3: 1273-1287, 1989; Bonnerot et al., J. Virol. 66:4982-91, 1992; Brenner et al., Proc. Nat. Acad. Sci.USA 86:5517-21, 1989; Chang et al., Virology 193:737-47, 1993; Friedrich and Soriano, Methods Enzymol. 225:681-701, 1993; Friedrich and Soriano, Genes Dev. 5:1513-23, 1991; Goff, Methods Enzymol. 152:469-81, 1987; Gossler et al., Science 244:463-65, 1989; Hope, Develop. 113:399-408, 1991; Kerr et al., Cold Spring Harb. Symp. Quant. Biol. 2: 767-776, 1989; Reddy et al., J. Virol. 65:1507-1515, 1991; Reddy et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 89:6721-25, 1992; Skarnes et al., Genes Dev. 6:903-918, 1992; von Melchner and Ruley, J. Virol. 63:3227-3233, 1989;およびYoshida et al., Transgen, Res. 4:277-87, 1995参照)。
【0129】
プロモータートラップ(5’トラップ)ベクターは、5’〜3’の順序で、スプライス受容体そしてその後にエクソンを含有するが、これは、典型的には翻訳開始コドンおよび開放読み取り枠(ORF)および/または内部リボソーム侵入部位により特性化される。概して、これらのプロモータートラップベクターはプロモーターまたは操作可能的連結スプライス供与配列を含有しない。その結果、宿主細胞の細胞ゲノム中への組込後、プロモータートラップベクター配列は、上流遺伝子の正常スプライシングを妨げ、末端エキソンとして作用する。ベクターコード配列の発現は、適正な読み取り枠内の崩壊遺伝子のイントロン中に組み込まれるベクターによっている。このような場合、細胞スプライシング機構は、ベクターコード配列の上流のトラップ化遺伝子からエキソンをスプライスする(Zambrowicz et al., WO99/50426)。
【0130】
前記のプロモータートラップベクターと同様の効果を生じるための代替的方法は、プロモータートラップベクターのスプライス受容体と翻訳開始コドンまたはポリアデニル化配列との間の領域に存在するか、そうでなければそこに工学処理される入れ子式の一組の終止コドンを組み入れるベクターである。コード配列は、宿主細胞ゲノム内の組込の部位とは大いに無関係な方式で発現されるように、別々のリボソーム侵入部位(IRES)を含有するよう工学処理され得る。典型的には、IRESは入れ子式の一組の終止コドンとともに用いられるが、しかし必ずというわけではない。
【0131】
別の種類の遺伝子トラッピング計画は、3’遺伝子トラップベクターを用いる。この種類のベクターは、有効な組合せで、隣接コード配列の発現を媒介するプロモーター領域、コード領域、およびコード配列エキソンの3’末端を限定するスプライス供与配列を含有する。宿主細胞ゲノムへの組込後、ベクタープロモーターにより発現される転写体は、組込遺伝子トラップベクター配列の下流に位置するトラップ遺伝子からスプライス受容配列にスプライスされる。したがって、ベクターの組込は、3’遺伝子トラップカセットのコード配列およびあらゆる下流細胞エキソン、例えば末端エキソンおよびそのポリアデニル化信号を包含する融合転写体の発現を生じる。このようなベクターが遺伝子に組み込まれた場合、細胞スプライシング機構は、トラップ化遺伝子の3’エキソンの上流のベクターコード配列をスプライスする。このようなベクターの一利点は、3’遺伝子トラップベクターの発現が遺伝子トラップカセット内のプロモーターにより駆動され、宿主細胞中で通常は発現される遺伝子への組込を必要としないことである(Zambrowicz et al., WO99/50426)。3’遺伝子トラップベクター中に組み入れられ得る転写プロモーターおよびエンハンサーの例としては、ターゲッティングベクターに関して前記したものが挙げられる。
【0132】
プロモーターまたは3’遺伝子トラップベクターのための構造的構成成分として用いられるウイルスベクター主鎖は、標的細胞のゲノムに挿入され得る広範囲のベクターから選択され得る。適切な種鎖ベクターとしては、単純ヘルペスウイルスベクター、アデノウイルスベクター、アデノ関連ウイルスベクター、レトロウイルスベクター、レンチウイルスベクター、仮性狂犬病ウイルス、α−ヘルペスウイルスベクター等が挙げられるが、これらに限定されない。ウイルスベクター、特に非複製性細胞を修飾するのに適したウイルスベクターの徹底的再検討、ならびに外因性ポリヌクレオチド配列の発現を伴うこのようなベクターの使用方法は、Viral Vectors: Gene Therapy and Neuroscience Applications, Eds. Caplitt and Loewy, Academic Press, San Diego, 1995に見出される。
【0133】
好ましくは、レトロウイルスベクターは、遺伝子トラッピングのために用いられる。これらのベクターは、米国特許第5,449,614号に記載されているものと同様のレトロウイルスパッケージング細胞株とともに用いられ得る。遺伝子修飾のための標的細胞として非ネズミ哺乳類細胞が用いられる場合、適切なベクターをパッケージするために両親和性または汎親和性パッケージング細胞株が用いられ得る(Ory et al., Proc. Natl. Acad. Sci., USA 93:11400-11406, 1996)。前記の3’遺伝子トラップベクターを作製するために適合され得る代表的レトロウイルスベクターは、例えば、米国特許第5,521,076号に記載されている。
【0134】
遺伝子トラッピングベクターは、相同的組換えに用いられるターゲッティングベクターに関して前記で考察した1つ又はそれ以上の陽性マーカー遺伝子を含有し得る。ターゲッティングベクターにおけるそれらの使用と同様に、これらの陽性マーカーは、細胞ゲノムにベクターを組み込まれた細胞を同定し、選択するために遺伝子トラッピングベクターに用いられる。マーカー遺伝子は、ベクターが標的細胞ゲノムに組み込まれた場所とは無関係な方式でマーカーが発現されるように、別々のリボソーム侵入部位(IRES)を含有するよう工学処理され得る。
【0135】
遺伝子トラップベクターがかなり無作為的方式で感染宿主細胞のゲノム中に組み込むとすると、崩壊PFI-017遺伝子を有する遺伝子修飾化細胞は、無作為ベクター組込を受けた細胞の集団から同定されねばならない。好ましくは、細胞の集団における遺伝子修飾は、細胞のゲノム中に見出される本質的にすべての遺伝子における突然変異を集団が示すよう、十分な無作為性および頻度を有して、崩壊PFI-017遺伝子を有する細胞が集団から同定されるようにする(Zambrowicz et al., WO99/50426; Sands et al., WO98/14614参照)。
【0136】
崩壊PFI-017遺伝子を含有する個々の突然変異体細胞株は、例えば、PFI-017遺伝子配列中の集団を同定するための逆転写およびPCR(RT−PCR)を用いて、突然変異化細胞の集団中で同定される。この方法は、プールクローンにより能率的にされ得る。例えば、崩壊PFI-017遺伝子を含有する個々のクローンを見出すために、遺伝子トラップベクター中でアンカー化されたプライマーとPFI-017遺伝子配列中に置かれた他方のプライマーを用いて、RT−PCRが実行される。陽性RT−PCR結果は、ベクター配列がPFI-017遺伝子転写体中でコード化されることを示すが、これは、PFI-017遺伝子が遺伝子トラップ組込事象により崩壊されていたことを示す(例えば、Sands et al. WO98/14614参照)。
【0137】
時間的、空間的および誘導性遺伝子崩壊
内因性PFI-017遺伝子の機能的崩壊は、特定の発生または細胞周期段階(時間的)で、または特定の細胞型(空間的)で起こり得る。PFI-017遺伝子崩壊は、ある条件が存在する場合には、誘導性でもあり得る。組換え酵素切り出し系、例えばCre-Lox系を用いて、特定の発生段階で、特定の組織または細胞型において、あるいは特定の環境条件下で、PFI-017遺伝子を活性化または不活性化し得る。一般に、Cre-Lox技法を用いる方法は、Torres and Kuhn, Laboratory Protocols for Conditional Gene Targeting, Oxford University Press, 1997に記載されているようにして実行される。Cre-Lox系に関して記載されたのと同様の方法は、FLP-FRT系を利用しても、用いられ得る。相同的組換えまたはウイルス挿入により遺伝子を条件付きで崩壊するための組換え酵素切り出し系の使用に関する別の指針は、例えば米国特許第5,626,159号、米国特許第5,527,695号、米国特許第5,434,066号、WO98/29533、Orban et al., Proc. Nat. Acad. Sci. USA 89:6861-65, 1992; O'Gorman et al., Science 251:1351-55, 1991; Sauer et al., Nucleic Acids Research 17:147-61, 1989; Barinaga, Science 265:26-28,1994;ならびにAkagi et al.,Nucleic Acids Res. 25:1766-73, 1997に提示されている。1つより多い組換え酵素系を用いて、動物細胞を遺伝子修飾し得る。
【0138】
時間的、空間的または誘導性方式で、組換え酵素系、例えばCre-Lox系を用いてPFI-017遺伝子を崩壊するために相同的組換えを用いる場合、PFI-017遺伝子コード領域の一部は、loxP部位が側面に接するPFI-017遺伝子コード領域を包含するターゲッティング構築物に置き換えられる。この遺伝子修飾を保有する動物細胞は、機能的loxPフランク化PFI-017遺伝子を含有する。PFI-017遺伝子崩壊の時間的、空間的または誘導性局面は、それぞれ所望の空間的調節化、時間的調節化または誘導性プロモーターの制御下で動物細胞中で発現される付加的トランスジーン、Cre組換酵素えトランスジーンの発現パターンにより引き起こされる。Cre組換え酵素は、組換えのためのloxP部位を標的にする。したがって、Cre発現が活性化されると、LoxP部位は、サンドイッチ化PFI-017遺伝子コード配列を切り出すために組換えを施されて、PFI-017遺伝子の機能的崩壊を生じる(Rajewski et al., J. Clin. Invest. 98:600-03, 1996; St.-Onge et al., Nucleic Acids Res. 24:3875-77, 1996; Agah et al., J. Clin. Invest. 100:169-79, 1997; Brocard et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 94:14559-63, 1997; Feil et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 93:10887-90, 1996; およびKuehn et al., Science 269:1427-29, 1995)。
【0139】
Cre組換え酵素トランスジーンおよびloxp−フランク化PFI-017遺伝子の両方を含有する細胞は、標準トランスジェニック技法により生成され得る。PFI-017遺伝子を時間的、空間的または条件付きに崩壊するための組換え酵素系特異的プロモーターの使用に関するさらに別の指針は、例えば、Sauer, Meth. Enz. 225:890-900, 1993; Gu et al., Science 265:103-06, 1994; Araki et al., J. Biochem. 122:977-82, 1997; Dymecki, Proc. Natl. Acad. Sci. 93:6191-96, 1996およびMeyers et al., Nature Genetics 18: 136-41, 1998に見出される。
【0140】
PFI-017遺伝子の誘導性崩壊は、テトラサイクリン応答性バイナリー系を用いることによっても成し遂げられ得る(Gossen and Bujard, Proc. Natl. Acad. Sci. USA 89:5547-51, 1992)。この系は、内因性PFI-017遺伝子調節要素、ならびにテトラサイクリン制御可能レプレッサー(TetR)を発現するトランスジーン中にTetプロモーターを導入するために細胞を遺伝子修飾することを包含する。このような細胞では、テトラサイクリンの投与はTetRを活性化し、これが順次、PFI-017遺伝子発現を阻害し、したがってPFI-017遺伝子を機能的に崩壊する(St.-Onge et al., Nucleic Acids Res. 24:3875-77, 1996、米国特許第5,922,927号)。
【0141】
PFI-017遺伝子の時間的、空間的および誘導性崩壊のための前記の系は、例えば、WO98/29533に記載されているような遺伝子修飾の方法として遺伝子トラッピングを用いる場合にも適合され得る。
遺伝子修飾動物細胞の作製
遺伝子修飾のための前記の方法を用いて、動物から得られる事実上あらゆる種類の体細胞または幹細胞中のPFI-017遺伝子を機能的に崩壊し得る。本発明の遺伝子修飾化動物細胞としては、哺乳類細胞、例えばヒト細胞およびトリ細胞が挙げられるが、これらに限定されない。これらの細胞は、あらゆる動物細胞株、例えば培養適合化、腫瘍形成性、または形質転換化細胞株を遺伝子工学処理することから得られるか、またはそれらは所望のPFI-017遺伝子修飾を保有する遺伝子修飾化非ヒト哺乳類から単離され得る。
【0142】
細胞は、崩壊化PFI-017遺伝子に関してヘテロ接合性またはホモ接合性であり得る。PFI-017遺伝子崩壊に関してホモ接合性である細胞(PFI-017-/-)を得るためには、両方の対立遺伝子の直接連続ターゲッティングが実行され得る。この方法は、陽性選択可能マーカーを再循環することにより促進され得る。この計画によれば、陽性選択可能マーカーをコードするヌクレオチド配列は、Cre-Lox P系を用いて、一方の対立遺伝子の崩壊後に除去される。したがって、その後の回のターゲッティングに同一ベクターを用いて、2回目のPFI-017遺伝子の対立遺伝子を崩壊し得る(Abuin and Bradley, Mol. Cell. Biol. 16: 1851-56, 1996; Sedivy et al., T.I.G. 15:88-90, 1999; Cruz et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)88: 7170-74, 1991; Mortensen et al., Proc. Natl. Acad. Sci.(USA)88:7036-40, 1991; te Riele et al., Nature(London)348:649-651, 1990)。
【0143】
PFI-017-/-であるES細胞を得るための代替的戦略は、PFI-017遺伝子崩壊に関してヘテロ接合性である細胞(PFI-017+/-)の集団からの細胞のホモ接合体化である。その方法は、選択可能薬剤耐性マーカーを発現するPFI-017+/-標的化クローンが非常に高濃度に対して選択される計画を用いる。この選択は、薬剤耐性マーカーをコードする配列の2つのコピーを発現する細胞を好み、したがってPFI-017遺伝子崩壊に関してホモ接合性である(Mortensen et al., Mol. Cell. Bio. 12:2391-95, 1992)。
【0144】
所望の細胞または細胞株の遺伝子修飾後、PFI-017遺伝子座は、当業界で既知の標準PCRによるPCR分析またはサザンブロッティング法により修飾の部位として確証され得る(例えば、米国特許第4,683,202号およびErlich et al., Science 252:1643, 1991参照)。PFI-017遺伝子の機能的崩壊のさらなる立証は、PFI-017遺伝子メッセンジャーRNA(mRNA)レベルおよび/またはPFI-017ポリペプチドレベルがPFI-017遺伝子を正常に発現する細胞中で低減される場合にも、成され得る。PFI-017遺伝子mRNAレベルの測定値は、逆転写酵素媒介性ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)、ノーザンブロット分析、またはin-situハイブリダイゼーションにより得られる。細胞により生成されるPFI-017ポリペプチドレベルの定量は、例えば当業界で既知の標準イムノアッセイ法により成され得る。このようなイムノアッセイとしては、ラジオイムノアッセイ、ELISA(酵素結合イムノソルベント検定)、「サンドイッチ」イムノアッセイ、免疫放射能測定検定、ゲル拡散沈降反応、免疫拡散検定、in-situイムノアッセイ(コロイド金、酵素または放射性同位元素標識を使用)、ウエスタンブロット、二次元ゲル分析、沈降反応、免疫蛍光検定、プロテインA検定および免疫電気泳動検定といった技術を用いる競合的および非競合的検定系が挙げられるが、これらに限定されない。
【0145】
好ましい遺伝子修飾化動物細胞は、胚幹(ES)細胞およびES様細胞である。これらの細胞は、種々の種、例えばマウス(Evans et al., Nature 129:154-156, 1981; Martin, Proc. Natl. Acad. Sci. USA, 78:7634-7638, 1981)、ブタおよびヒツジ(Notanianni et al., J. Reprod. Fert. Suppl., 43:255-260, 1991; Campbell et al., Nature 380: 64-68, 1996)ならびにヒトを含めた霊長類(Thomson et al.、米国特許第5,843,780号、Thomson et al., Science 282:1145-1147, 1995;およびThomson et al., Proc. Natl. Acad. Sci. USA 92:7844-7848, 1995)の予備移植胚および芽細胞から得られる。
【0146】
これらの種類の細胞は、多能性である。即ち、適正条件下では、それらは、3つの胚原基層:外胚葉、中胚葉および内胚葉のすべてから得られる広範な種々の細胞型に分化する。培養条件により、ES細胞の標本は、幹細胞として無限に培養され、単一標本内の広範な種々の異なる細胞型への分化を可能にし、あるいは特定の細胞型、例えばマクロファージ様細胞、ニューロン細胞、心筋細胞、脂肪細胞、平滑筋細胞、内皮細胞、骨格筋細胞、ケラチノサイトおよび造血細胞、例えば好酸球、マスト細胞、赤芽球前駆細胞または巨核細胞への分化を指図される。分化指図は、例えば以下に記載されているような培養条件に特定の増殖因子またはマトリックス構成成分を含めることにより成し遂げられる:Keller et al., Curr. Opin. Cell Biol. 7:862-69, 1995; Li et al., Curr. Biol. 8:971, 1998; Klug et al., J. Clin. Invest. 98:216-24, 1996; Lieschke et al., Exp. Hematol. 23:328-34, 1995; Yamane et al.,Blood 90:3516-23, 1997; 及びびHirashima et al., Blood 93:1253-63, 1999。
【0147】
遺伝子修飾のために用いられる特定の胚幹細胞株は、重要ではない。ネズミES細胞株の例としては、AB−1(McMahon and Bradley, Cell 62:1073-85, 1990)、E14(Hooper et al., Nature 326:292-95, 1987)、D3(Doetschman et al., J. Embriol. Exp. Morph. 87:27-45, 1985)、CCE(Robertson et al., Nature 323:445-48, 1986)、RW4(Genome Systems, St. Louis, MO)およびDBA/1IacJ(Roach et al., Exp. Cell Res. 221:520-25, 1995)が挙げられる。
【0148】
ポリペプチドの産生
本発明によれば、本発明のポリペプチドの産生は、本発明の1つ又はそれ以上のポリヌクレオチドで形質転換された真核生物または原核生物発現宿主の慣用的栄養発酵培地中での培養により実行され得る。適切な培地の選択は、発現宿主の選定を基礎にし、および/または発現構築物の調節要件を基礎にし得る。このような培地は、当業者には周知である。培地は、所望により、汚染している可能性のある他微生物より形質転換化発現宿主を好む付加的構成成分を含有し得る。
【0149】
したがって、本発明は、PFI-017活性を有するポリペプチドの製造方法であって、(a)配列番号1で示されるヌクレオチド配列、あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片で宿主細胞を形質転換し、そして(b)前記ポリペプチドの発現に適した条件下で形質転換化宿主細胞を培養する工程から成る方法も提供する。
【0150】
本発明は、PFI-017活性を有するポリペプチドの製造方法であって、(a)前記ポリペプチドの発現に適した条件下で、配列番号1で示されるヌクレオチド配列、あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片で形質転換された宿主細胞を培養し、そして(b)宿主細胞培養から前記のポリペプチドを回収する工程から成る方法にも関する。
【0151】
本発明は、PFI-017活性を有するポリペプチドの製造方法であって、(a)配列番号1で示されるヌクレオチド配列、あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片で宿主細胞を形質転換し、(b)前記のポリペプチドの発現に適した条件下で形質転換化宿主細胞を培養し、そして(c)宿主細胞培養から前記のポリペプチドを回収する工程から成る方法にも関する。
【0152】
リボザイム
リボザイムは、RNAの特異的切断を触媒し得る酵素性RNA分子である。リボザイム作用のメカニズムは、相補的標的RNAとのリボザイム分子の配列特異的ハイブリダイゼーションと、その後の核酸分子内分解性切断を包含する。PFI-017にRNA配列の核酸分子内分解性切断を特異的且つ有効に触媒する工学処理化ハンマーヘッドモチーフリボザイム分子は、本発明の範囲内である。
【0153】
考え得るあらゆるRNA標的内の特異的リボザイム切断部位は、以下の配列:GUA、GUUおよびGUCを含むリボザイム切断部位に関して標的分子を走査することにより、最初に同定される。一旦同定されれば、切断部位を含有する標的遺伝子の領域に対応する15〜20リボヌクレオチドの短いRNA配列は、オリゴヌクレオチド配列を操作不可能にさせ得る二次構造特徴に関して評価され得る。候補標的の適切性は、リボヌクレアーゼ防御検定を用いた相補的オリゴヌクレオチドによるハイブリダイゼーションに対する許容可能性を検査することによっても評価され得る。
【0154】
本発明のアンチセンスRNAおよびDNA分子ならびにリボザイムはともに、RNA分子の合成に関して当業界で既知のあらゆる方法により調製され得る。これらの例としては、オリゴヌクレオチドを化学的に合成するための技術、例えば固相ホスホラミダイト化学合成が挙げられる。あるいは、RNA分子は、アンチセンスRNA分子をコードするDNA配列のin vitroまたはin vivo転写により生成され得る。このようなDNA配列は、T7またはSP6のような適切なRNAポリメラーゼプロモーターを有する広範な種々のベクター中に組み入れられ得る。
【0155】
検出
PFI-017ポリヌクレオチドコード配列の存在は、配列番号1で示される配列のプローブ、一部または断片を用いたDNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーションまたは増幅により検出され得る。核酸増幅ベースの検定は、PFI-017DNAまたはRNAを含有する形質転換体を検出するためのPFI-017コード配列をベースにしたオリゴヌクレオチドまたはオリゴマーの使用を包含する。本明細書中で用いる場合、「オリゴヌクレオチド」または「オリゴマー」とは、プローブまたはアンプリマーとして用いられ得る、少なくとも約10ヌクレオチド、そして60ヌクレオチドという多くの、好ましくは約15〜30ヌクレオチドの、さらに好ましくは約20〜25ヌクレオチドの核酸配列を指す。好ましくは、オリゴヌクレオチドは、配列番号1で示されるヌクレオチド配列の3’領域から得られる。
【0156】
例えば、タンパク質に特異的なポリクローナルまたはモノクローナル抗体を用いることによりPFI-017ポリペプチドの発現を検出し、測定するための種々のプロトコールは、当業界で既知である。例としては、酵素結合イムノソルベント検定(ELISA)、ラジオイムノアッセイ(RIA)および蛍光活性化細胞分類(FACS)が挙げられる。PFI-017ポリペプチド上の2つの非干渉性エピトープに反応性のモノクローナル抗体を用いる二部位モノクローナルベースイムノアッセイが好ましいが、しかし競合的結合検定も用いられ得る。これらのおよびその他の検定は、特に、Hampton R et al.(1990, Serological Methods, A Laboratory Manual, APS Press, St Paul, MN, USA)およびMaddox DE et al.(1983, J. Exp. Med. 15, 8:1211)に記載されている。
【0157】
広範な種々の標識および接合技術は当業者には既知であって、種々の核酸およびアミノ酸検定に用いられ得る。PFI-017ポリヌクレオチド配列を検定するための標識化ハイブリダイゼーションまたはPCRプローブを生成するための手段としては、標識化ヌクレオチドを用いたオリゴラベリング、ニックトランスレーション、末端ラベリングまたはPCR増幅が挙げられる。あるいは、PFI-017コード配列またはそのあらゆる部分は、mRNAプローブの生成のためにベクター中にクローン化され得る。このようなベクターは当業界で既知であり、市販されており、そして適切なRNAポリメラーゼ、例えばT7、T3またはSP6および標識化ヌクレオチドの付加により、RNAプローブをin vitroで合成するために用いられ得る。
【0158】
多数の会社、例えば、Pharmacia Biotech(Piscataway, NJ, USA)、Promega(Madison, WI, USA)およびUS Biochemical Corporation(Cleveland, OH, USA)が、これらの手法のための市販キットおよびプロトコールを供給する。適切なレポーター分子または標識としては、放射性核種、酵素、蛍光物質、化学発光物質または色原性作用物質、ならびに基質、補助因子、阻害剤、磁気粒子などが挙げられる。このような標識の使用を教示する特許としては、米国特許出願第3817837号、米国特許出願第3850752号、米国特許出願第3939350号、米国特許出願第3996345号、米国特許出願第4277437号、米国特許出願第4275149号および米国特許出願第4366241号が挙げられる。組換え免疫グロブリンも、米国特許出願第4816567号に示されているようにして産生され得る。
【0159】
特定の分子の発現を定量するためのもう一つの方法としては、放射能標識(Melby PC et al., 1993, J. Immunol. Methods Vol.159 P235-44)またはビオチニル化(Duplaa C et al., 1993, Aanl. Biochem. Vol.229 P36)ヌクレオチド、対照核酸の同時増幅、ならびに実験結果が挿入される標準曲線が挙げられる。多標本の定量は、当該オリゴマーが種々の稀釈液中に存在し、分光測光的または熱量測定的応答が迅速な定量を提供するELISAフォーマットで検定を実行することにより、スピードアップされ得る。
【0160】
マーカー遺伝子発現の存在/非存在は当該遺伝子が存在することも示唆するが、しかし、その存在および発現は、確証される必要がある。例えば、PFI-017コード配列がマーカー遺伝子配列内に挿入された場合、PFI-017コード領域を含有する組換え細胞は、マーカー遺伝子機能の非存在により同定され得る。あるいは、マーカー遺伝子は、単一プロモーターの制御下でPFI-017コード配列と並列に置かれ得る。誘導または選択に応答するマーカー遺伝子の発現は、通常は、同様にPFI-017の発現を示す。
【0161】
あるいは、PFI-017に関するコード配列を含有し、PFI-017コード領域を発現する宿主細胞は、当業者に既知の種々の手法により同定され得る。これらの手法としては、核酸またはタンパク質の検出および/または定量のための膜ベースの、溶液ベースの、またはチップベースの技法を含む、DNA−DNAまたはDNA−RNAハイブリダイゼーション、およびタンパク質バイオアッセイまたはイムノアッセイ技術が挙げられるが、これらに限定されない。
【0162】
抗体
本発明のアミノ酸配列は、アミノ酸配列に対する抗体を生成する−例えば、標準技法の使用により−ためにも用いられ得る。
当業界で周知の手法が、PFI-017ポリペプチドに対する抗体の産生のために用いられ得る。このような抗体としては、ポリクローナル、モノクローナル、キメラ、一本鎖、Fab断片、及びFab又は一本鎖(sc)Fv発現ライブラリーにより産生される複数の断片が挙げられるが、これらに限定されない。中和抗体、すなわち、PFI-017ポリペプチドの生物学的活性に拮抗する抗体が診断及び治療のために特に好ましい。
【0163】
抗体産生のためには、種々の宿主、例えばヤギ、ウサギ、ラット、マウス等が、PFI-017ポリペプチドまたはそのあらゆる部分、変異体、相同体、断片、類似体または誘導体、あるいは免疫原特性を保持するオリゴペプチドを用いた注射により免疫感作され得る。このような断片又はオリゴペプチドは本分野において周知の方法を用いて担体に結合されうる。宿主種によって、免疫応答を増大するために種々のアジュバントが用いられ得る。このようなアジュバントとしては、フロイントアジュバント、無機ゲル、例えば水酸化アルミニウム、ならびに界面活性物質、例えばリソレシチン、プルロニックポリオール、ポリアニオン、ペプチド、油エマルション、カギアナカサガイヘモシアニンおよびジニトロフェノールが挙げられるが、これらに限定されない。BCG(Bacilli Calmette-Guerin)およびコリネバクテリウム属のCorynebacterium parvumも用い得るおそらくは有用なヒトアジュバントである。
【0164】
アミノ酸配列に対するモノクローナル抗体は、培養中の連続細胞株による抗体分子の産生を提供するあらゆる技法を用いて調製され得る。これらの例としては、KoehlerとMilstein(1975, Nature Vol.256 P495-497)により初めて記載されたハイブリドーマ技法、ヒトB細胞ハイブリドーマ技法(Kosbor et al.(1983)Immunol. Today Vol.4 p72; Cote et al.(1983)Proceedings of the National Academy of Science(USA)Vol.80 p2026-2030)およびEBV−ハイブリドーマ技法(Cole et al.(1985)Monoclonal Antibodies and Cancer Therapy, Alan R Liss Inc. pp.77-96)が挙げられるが、これらに限定されない。さらに、「キメラ抗体」の産生のために開発された技法、適切な抗原特異性および生物学的活性を有する分子を得るためのヒト抗体遺伝子へのマウス抗体遺伝子のスプライシングが用いられ得る(Morrison et al.(1984)Proceedings of the National Academy of Sciences(USA)Vol 81 p6851-6855; Neuberger et al.(1984)Nature Vol312 p604-608; Takeda et al.(1985)Nature Vol 314 p452-454)。あるいは、一本鎖抗体の製造に関して記載された技法(米国特許出願第4946779号)は、ポリペプチド特異的一本鎖抗体を製造するために適合され得る。
【0165】
抗体は、Orlandi et al.(1989, Proc. Natl. Acad. Sci (USA) Vol.86 p3833-3837)およびWinter G and Milstein C(1991; Nature 349 p293-299)に開示されているように、リンパ球集団におけるin vivo産生を誘導することにより、またはの高特異的結合試薬の組換え免疫グロブリンライブラリーまたはパネルのスクリーニングよっても産生され得る。
【0166】
PFI-017に関する特異的結合部位を含有する抗体断片も生成され得る。例えば、このような断片としては、抗体分子のペプシン消化により産生され得るF(ab’)2断片、および上記抗体分子のパパイン消化により作製されうるFab断片が挙げられるが、これらに限定されない。あるいは、Fab発現ライブラリーは、所望の特異性を有するモノクローナルFab断片の迅速且つ容易な同定を可能にするために構築され得る(Huse WD et al.,(1989)Science Vol 256 p1275-1281)。
【0167】
代替的技法は、例えばファージが非常に種々の相補性決定領域(CDR)を有するその被膜上にscFv断片を発現するファージ表示ライブラリーのスクリーニングを包含する。この技法は、当業界で周知である。
PFI-017特異的抗体は、PFI-017受容体の発現に関連した症状および疾患の診断に有用である。競合的結合のための種々のプロトコールまたは確立された特異性を有するポリクローナルまたはモノクローナル抗体を用いたイムノラジオメトリックアッセイは、当業界で周知である。このようなイムノアッセイは、典型的には、PFI-017ポリペプチドとその特異的抗体(または同様のPFI-017結合分子)との間の複合体の形成、ならびに複合体形成の測定を包含する。特定のPFI-017タンパク質上の2つの非干渉性エピトープに反応性のモノクローナル抗体を用いた二部位モノクローナルベースイムノアッセイが好ましいが、しかし競合的結合検定も用いられ得る。これらの検定は、Maddox DE et al.(1983, Journal of Experimental Medicine Vol 158 p1211)に記載されている。
【0168】
抗PFI-017抗体は、異常信号伝達を含めた障害、またはPFI-017受容体の異常発現を特徴とするその他の障害または疾患の診断に有用である。PFI-017に関する診断検定としては、ヒト体液、細胞、組織、あるいはこのような組織の切片または抽出物中のPFI-017ポリペプチドを検出するために抗体および標識を用いる方法が挙げられる。本発明のポリペプチドおよび抗体は、修飾を伴って、または伴わずに用いられ得る。しばしば、ポリペプチドおよび抗体は、受容体分子を用いて、共有的にまたは非共有的に、それらを接合することにより標識される。広範な種々の受容体分子は、当業者に既知である。
【0169】
抗体は、以下の(a)本発明の抗体を提供し、(b)抗体−抗原複合体の形成を可能にする条件下で前記の抗体とともに生物学的標本をインキュベートし、そして(c)前記の抗体を包含する抗体−抗原複合体が形成されたか否かを確定する工程を包含する方法により、生物学的標本中に存在する本発明のポリペプチドを検出する方法に用いられ得る。
【0170】
本発明の抗体は、固体支持体に結合されるか、および/または適切な試薬、対照、使用説明書等とともに適切な容器中のキットに包装され得る。
検定/同定方法
本発明は、細胞(例えばヒト細胞)中のPFI-017の存在を検出するための検定方法であって、(a)配列番号1で示されるDNA配列またはその対立遺伝子変異から確定されるようなPFI-017特異的であるPCRプライマー対を用いて、このような細胞からのRNA(例えば総RNA)で逆転写酵素−ポリメラーゼ連鎖反応(RT−PCR)を実施し、そして(b)例えばアガロースゲル電気泳動により適切にサイジングされたPCR断片の出現を検定する工程からなる方法にも関する。
【0171】
本発明のポリペプチドを用いてポリペプチドのモジュレーター(拮抗薬または作動薬)に関してスクリーニングし得る多数の検定がある。このような検定の例としては、以下のものが挙げられる:
機能検定−その拮抗薬を同定するための受容体のスクリーニング方法の一例は、cAMPまたはアデニレートシクラーゼ蓄積に及ぼす抑制または刺激作用をモニタリングすることである。このような検定は、細胞表面発現のために本発明の受容体で哺乳類細胞をトランスフェクトすることを包含する。次に細胞は、推定上の拮抗薬に曝露され、cAMP蓄積の量が測定される。推定拮抗薬が受容体と結合すると、受容体媒介性cAMPまたはアデニレートシクラーゼ活性のレベルは増大または低減する。
【0172】
蛍光測光的画像形成平板読取器(FlipR(商標))を用いた機能検定−スクリーニングのために用いられる技法は、受容体活性化により引き起こされる細胞内カルシウムまたは細胞外pH変化を測定する系における本発明の受容体を発現する細胞(例えば、トランスフェクト化HEK293細胞)の使用を含む。この技法では、本発明の受容体を発現する細胞は、二次メッセンジャー応答、例えば信号伝達、カルシウムレベルの変化またはpH変化を引き起こす化合物(例えば、小分子、ペプチド、脂質、ヌクレオチドまたは糖タンパク質)と接触され得る。これらの変化は、考え得る化合物が受容体を活性化するかまたは阻害するかを確定するために用いられる。
【0173】
配位子結合検定−この種類の検定は、酵母化合物の結合を検査し得るが、この場合、本発明の受容体を含有する細胞との付着が、候補化合物と直接または間接的に会合した標識により、または標識化競合物との競合を包含する検定で検出される。化合物が受容体を活性化するかまたは阻害するかを確定するスクリーニングを実行するための標準検定は、当業者には十分理解される。
【0174】
したがって、本発明は、PFI-017の活性および/またはその発現に影響を及ぼす(例えば拮抗し、作動しまたはそうでなければ修飾する)作用物質(例えば、化合物、その他の物質またはそれを包含する組成物)を同定する方法であって、PFI-017またはそれをコードするヌクレオチド配列を作用物質と接触させて、次にPFI-017の活性および/またはその発現を測定する工程を包含する方法にも関する。
【0175】
本発明は、PFI-017の活性および/またはその発現に選択的に影響を及ぼす(例えば拮抗し、作動しまたはそうでなければ修飾する)作用物質(例えば、化合物、その他の物質またはそれを包含する組成物)を同定する方法であって、PFI-017またはそれをコードするヌクレオチド配列を作用物質と接触させて、次にPFI-017の活性および/またはその発現を測定する工程を包含する方法にも関する。
【0176】
本発明は、PFI-017の活性および/またはその発現に影響を及ぼす(例えば拮抗し、作動しまたはそうでなければ修飾する)作用物質(例えば、化合物、その他の物質またはそれを包含する組成物)を同定する方法であって、(a)配列番号1で示されるDNA配列またはその対立遺伝子変異を包含する組換えDNAを組み入れられた細胞系、あるいは(b)天然に選択的にPFI-017を発現する細胞集団または細胞株中で、作用物質の存在下で、または作用物質の付加後に、PFI-017の活性および/またはその発現を測定する工程を包含する方法にも関する。好ましくは、PFI-017の活性は、前記の検定方法により確定される。
【0177】
本発明は、PFI-017の活性および/またはその発現に選択的に影響を及ぼす(例えば拮抗し、作動しまたはそうでなければ修飾する)作用物質(例えば、化合物、その他の物質またはそれを包含する組成物)を同定する方法であって、(a)配列番号1で示されるDNA配列またはその対立遺伝子変異を包含する組換えDNAを組み入れられた細胞系、あるいは(b)天然に選択的にPFI-017を発現する細胞集団または細胞株中で、作用物質の存在下で、または作用物質の付加後に、PFI-017の活性および/またはその発現を測定する工程を包含する方法にも関する。好ましくは、PFI-017の活性は、前記の検定方法により確定される。
【0178】
本発明は、PFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)活性またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)の発現の調節(好ましくは特異的調節)のための作用物質のスクリーニング方法であって、(a)候補作用物質を提供し、(b)適切な条件下で調節を可能にするのに十分な時間、PFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)を候補作用物質と併合し、そして(c)候補作用物質がPFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)活性またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)の発現を調節したか否かを確証するために、PFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)に対する候補作用物質の調節を検出する工程を包含する方法にも関する。
【0179】
本発明は、PFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)との特異的結合親和性に関して作用物質をスクリーニングする方法であって、(a)候補作用物質を提供し、(b)適切な条件下で結合を可能にするのに十分な時間、PFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)を候補作用物質と併合し、そして(c)候補作用物質がPFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)活性またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)と結合したか否かを確証するために、PFI-017(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)またはそれをコードするヌクレオチド配列(あるいはその誘導体、相同体、変異体、類似体または断片)との候補作用物質の結合を検出する工程を包含する方法にも関する。
【0180】
したがって、本発明のある種の実施態様では、PFI-017あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体、および/またはPFI-017あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体を発現する細胞株を用いて、PFI-017活性のモジュレーター(例えば、拮抗薬または作動薬)として作用する抗体、ペプチドまたはその他の作用物質、例えば有機または無機分子に関して、あるいはその発現に関してスクリーニングし、それにより受容体を調整し得る治療薬を同定し得る。あるいは、組換え的に発現されたPFI-017あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体、もしくはPFI-017あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体を発現する細胞株を用いた組合せ化学により作製されるペプチドライブラリーまたは有機ライブラリーのスクリーニングは、受容体を調整することにより機能する治療薬の同定に有用である。合成化合物、天然生成物、ならびに考え得る生物学的に活性な物質のその他の供給源は、当業者にはルーチンであると思われる多数の方法で、スクリーニングされ得る。例えば、PFI-017のN−末端領域をコードするヌクレオチド配列は、PFI-017活性のアロステリックモジュレーター(作動薬または拮抗薬)のスクリーニングのために用いられ得る細胞株中で発現され得る。
【0181】
PFI-017ポリペプチド、その免疫原性断片またはそのオリゴペプチドは、種々の薬剤スクリーニング技法のいずれかにおいて、治療化合物をスクリーニングするために用いられ得る。このような検定に用いられるポリペプチドは、溶液中に遊離され、固体支持体に添付され、細胞表面に保持され、または細胞内に置かれる。PFI-017ポリペプチドと検査される作用物質との間の結合複合体の形成は、測定され得る。
【0182】
したがって、本発明は、PFI-017のまたはPFI-017の、あるいはその一部の、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体の発現の調整(好ましくは特異的調整、例えば特異的結合親和性)のための1つまたは複数の化合物のスクリーニング方法であって、1つ又は複数の化合物を提供し;適切な条件下で調整を可能にするのに十分な時間、PFI-017またはそれをコードするヌクレオチド配列、あるいはその一部、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体を1つまたは複数の各々の化合物と併合し;そしてPFI-017あるいはその一部、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体の、複数の各々の化合物との結合を検出して、それによりPFI-017またはそれをコードするヌクレオチド配列を調節する単数または複数の化合物を同定する方法に関する。このような検定においては、複数の化合物は、当業者に既知の組合せ化学技法により製造され得る。
【0183】
薬剤スクリーニングのための別の技法は、PFI-017ポリペプチドとの適切な結合親和性を有する化合物の高スループットスクリーニング(HTS)を提供し、Geysen, WO 84/03564(1984年9月13日公開)に詳細に記載されている方法を基礎にする。要するに、多数の異なる小ペプチド被験化合物が固体基質、例えばプラスチックピンまたは何らかのその他の表面に合成される。ペプチド被験化合物をPFI-017断片と反応させ、洗浄する。次に、例えば、当業界で周知の方法を適切に適合させることにより、結合PFI-017を検出する。精製PFI-017は、前記の薬剤スクリーニング法に用いるために、プレート上に直接被覆され得る。あるいは、非中和抗体を用いてペプチドを捕獲し、それを固体支持体上に固定化し得る。
【0184】
本発明は、 PFI-017ポリペプチドを結合し得る中和抗体が、PFI-017を結合するために被験化合物と特異的に競合する競合的薬剤スクリーニング検定の使用も意図する。このようにして、抗体を用いて、1つ又はそれ以上の抗原決定基をPFI-017と共有する任意のペプチドの存在を検出し得る。
本発明の検定方法は、高スループットスクリーン(HTS)であり得る。この点で、WO84/03564の教示は、本発明のPFI-017に関して適合され得る。米国特許出願第5738985号の教示も、本発明の検定方法に適合され得る。
作用物質(agents)
本発明は、本発明の検定方法および同定方法により同定される1つ又はそれ以上の作用物質も提供する。
本発明の作用物質は、例えば有機化合物または無機化合物であり得る。作用物質は、例えば配列番号1で示される配列の全部または一部に対するアンチセンスであるヌクレオチド配列であり得る。
【0185】
本発明はさらに、薬剤として用いるための、本発明の作用物質(あるいは製薬上許容可能なその塩、または製薬上許容可能なその溶媒和物)または前記のいずれかを含有する医薬組成物を提供する。
本発明は、PFI-017活性に影響を及ぼす(例えば、そのGPCR活性を拮抗し(antagonise)、調節し(modalate)、または作動する(agonise))作用物質の使用にも関する。
【0186】
診断薬
本発明は、PFI-017ポリヌクレオチド配列の検出のための診断用組成物も提供する。診断用組成物は、配列番号1で示される配列、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体またはその誘導体、あるいは配列番号1で示されるヌクレオチド配列の全部または一部、あるいはその対立遺伝子変異とハイブリダイズし得る配列を包含し得る。
【0187】
疾患の診断のための基礎を提供するために、PFI-017ポリペプチド発現からの正常または標準値が確定される必要がある。これは、動物またはヒトの正常被験者から採取した体液または細胞抽出物を、当業界で周知の複合体形成に適した条件下でPFI-017ポリペプチドに対する抗体と併合することにより成し遂げられる。標準複合体形成の量は、それを陽性対照の稀釈シリーズと比較することにより定量され得るが、この場合、既知量の抗体が既知濃度の精製PFI-017ポリペプチドと併合される。次に、正常標本から得られた標準値を、PFI-017ポリペプチド発現に関連する障害または疾患に罹患した可能性のある被験者からの標本から得られた値と比較する。標準値と被験者基との間の偏差は、疾患状態の存在を確定する。
【0188】
PFI-017ポリヌクレオチド、あるいはその任意の一部は、診断および/または治療用化合物に関する基礎を提供し得る。診断目的のために、PFI-017ポリヌクレオチド配列を用いて、PFI-017活性が関連し得る症状、障害または疾患における遺伝子発現を検出し、定量し得る。
PFI-017コードポリヌクレオチド配列は、PFI-017の発現に起因する疾患の診断のために用い得る。例えば、PFI-017をコードするポリヌクレオチド配列は、PFI-017発現における異常を検出するために、生検または剖検からの組織、あるいは生物学的流体、例えば血清、滑液または腫瘍剖検のハイブリダイゼーションまたはPCR検定に用いられ得る。このような定性的または定量的方法の形態としては、サザンまたはノーザン分析、ドットブロットまたはその他の膜ベースの技法;PCR技法;浸漬、ピンまたはチップ技法;ならびにELISAまたはその他の多標本フォーマット技法が挙げられる。これらの技法はすべて、当業界で周知であって、実際、多数の市販の診断キットの基礎である。
【0189】
このような検定(assays)は、特定の療法的治療レジメの効力を評価するために適合させ得るし、動物試験に、臨床試験にまたは個々の患者の治療のモニタリングに用いられ得る。疾患の診断のための基礎を提供するために、PFI-017発現に関する正常または標準値が確定される必要がある。これは、動物またはヒトの正常被験者から採取した体液または細胞抽出物を、ハイブリダイゼーションまたは増幅に適した条件下でPFI-017またはその一部と併合することにより成し遂げられる。標準ハイブリダイゼーションは、正常被験者に関して得られた値を、既知量の精製PFI-017が用いられる同一実験で実行された陽性対照の稀釈シリーズと比較することにより定量され得る。正常標本から得られた標準値を、PFI-017コード配列の発現に関連する障害または疾患に罹患した可能性のある被験者からの標本から得られた値と比較する。標準値と被験者基との間の偏差は、疾患状態の存在を確定する。疾患が確定された場合、既存の治療薬が投与され、治療プロフィールまたは値が生成される。最後に、定期的ベースで検定を反復して、その値が正常または標準パターンに向かって進行するか逆戻りするかを評価し得る。連続して治療プロフィールを用いて、数日間または数ヶ月間の治療効果を示し得る。
【0190】
したがって、本発明は、例えば、疾患状態におけるPFI-017レベルを検出し、定量するために診断的に用いられる抗PFI-017抗体を産生するための、PFI-017ポリペプチド、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体の使用に関する。
本発明はさらに、陽性対照および抗PFI-017抗体として用いられ得る精製PFI-017を包含する細胞および組織中のPFI-017の検出のための診断検定およびキットに関する。このような抗体は、PFI-017タンパク質の発現または欠失、あるいはその変異体、相同体、断片、類似体または誘導体の発現に関連したあらゆる疾患状態または症状を検出するために、溶液ベース、膜ベースまたは組織ベースの技法に用いられ得る。
【0191】
プローブ
本発明の別の局面は、PFI-017コード領域をコードする、ゲノム配列を含めたポリヌクレオチド配列、または密接に関連した分子、例えば対立遺伝子を検出し得る核酸ハイブリダイゼーションまたはPCRプローブの提供である。プローブの特異性、即ち、それが高保存、保存または非保存領域またはドメインのいずれから得られるか、そしてハイブリダイゼーションまたは増幅の緊縮度(高、中または低)は、プローブが天然PFI-017コード配列だけを同定するか、あるいは関連配列を同定するかを確定する。関連核酸配列の欠失に関するプローブは、PFI-017ポリヌクレオチドの保存または高保存ヌクレオチド領域、例えば3’領域から選択され、このようなプローブは、縮重プローブのプール中で用いられる。同一核酸配列の検出のためには、あるいは最大特異性が望ましい場合には、核酸プローブは非保存ヌクレオチド領域またはPFI-017ポリヌクレオチドの独特の領域から選択される。本明細書中で用いる場合、「非保存ヌクレオチド領域」とは、本明細書中に開示されたPFI-017コード配列に独特であり、そして関連配列では生じないヌクレオチド領域を指す。
【0192】
米国特許出願第4683195号、米国特許出願第4800195号および米国特許出願第4965188号に記載されているようなPCRは、PFI-017配列を基礎にしたオリゴヌクレオチドに関する付加的用途を提供する。このようなオリゴマーは一般に、キメラ合成されるが、しかしそれらは酵素的に生成され、または組換え体供給源から生成され得る。オリゴマーは一般に、特定の遺伝子または条件の同定のために最適化された条件下で用いられる、一方はセンス配向(5’→3’)を有し、もう一方はアンチセンス配向(3’←5’)である2つのヌクレオチド配列を包含する。入れ子式の組のオリゴマーかあるいはオリゴマーの縮重プールでもある、同一の2つのオリゴマーは、密接に関連したDNAまたはRNA配列の検出および/または定量のために、低緊縮条件で用いられ得る。
【0193】
PFI-017に関する核酸配列は、内因性ゲノム配列をマッピングするために、前記と同様のハイブリダイゼーションプローブを生成するためにも用いられ得る。配列は、周知の技法を用いて、特定の染色体に、または染色体の特定の領域にマッピングされ得る。これらの例としては、染色体スプレッドとのin-situハイブリダイゼーション(Verma et al.(1988)Human Chromosomes: A Manual of Basic Techniques, Pergamon Press, New York City, USA)、フローソーテッド染色体調製、または人工染色体構築、例えば、酵母菌人工染色体(YAC)、細菌人工染色体(BAC)、細菌PI構築、または単一染色体cDNAライブラリーの構築が挙げられる。
【0194】
染色体調製物のin-situハイブリダイゼーションおよび物理的マッピング技法、例えば確立された染色体マーカーを用いた連鎖分析は、遺伝子地図を拡張するには有益でない。遺伝子地図の例は、Science(1995; 270:410f and 1994; 265:1981f)に見出され得る。しばしば、別の哺乳類種の染色体上の遺伝子の配置は、特定のヒト染色体の数または腕が分からない場合でも、関連マーカーを明示し得る。新規の配列は、物理的マッピングにより、染色体腕またはその一部に割り当てられ得る。これは、位置クローニングまたはその他の遺伝子発見技術を用いて疾患遺伝子を探索している研究者に有益な情報を提供する。疾病または症候、例えば毛細血管拡張性運動失調(AT)が遺伝子連鎖により特定のゲノム領域、例えばAT−1lq22-23(Gatti et al(1988)Nature 336:577-580)に大まかに局限されると、その領域に対するあらゆる配列マッピングはさらなる研究のための関連または調節遺伝子を示し得る。本発明のヌクレオチド配列は、正常、キャリアまたは罹患個体間の翻訳、逆位等による染色体位置の差を検出するために用いられ得る。
【0195】
製剤
本発明は、PFI-017活性のためにそれを必要とする個体を治療するための製剤組成物であって、前記の活性を調整する(例えば拮抗するかまたは作動する)治療的有効量の作用物質、ならびに製薬上許容可能な担体、希釈剤、賦形剤またはアジュバントを包含する組成物も提供する。
【0196】
したがって、本発明は、本発明の作用物質(本発明のヌクレオチド配列の発現パターンまたはその発現生成物の活性を調整し得る作用物質、および/または本発明の検定により同定される作用物質)を包含する製剤組成物も包含する。これに関して、そして特にヒト治療に関しては、本発明の薬剤が単独で投与され得る場合でも、それらは一般に、意図された投与経路および標準製薬実施に関して選択される製剤担体、アジュバント、賦形剤または希釈剤との混和物で投与される。
【0197】
例として、本発明の製剤組成物中では、本発明の作用物質は、あらゆる適切な単数または複数の結合剤、滑剤、沈澱防止剤、コーティング剤または可溶化剤と混和され得る。
概して、本発明の作用物質の治療的に有効な毎日の経口または静脈内用量は、治療される被験者の体重1kg当たり0.01〜50 mg、好ましくは0.1〜20 mg/kgの範囲であると思われる。本発明の作用物質は、0.001〜10 mg/kg/時間の範囲であると思われる用量で、静脈内注入によっても投与され得る。
【0198】
したがって、本発明は、PFI-017活性による、それを必要とする個体を治療するための方法であって、有効量の本発明の製剤組成物を前記の個体に投与することを包含する方法も提供する。
典型的には、医者は、個々の患者に最も適した実際投与量を確定する。それは、特定の患者の年齢、体重、性別および応答に伴って変わる。前記の投与量は、平均的な場合の例である。もちろん、より高い用量がよい、あるいはより低い用量がよいといった個々の場合があり得るが、これらは本発明の範囲内である。
【0199】
適切な場合には、製剤組成物は、吸入により、座薬またはペッサリーの形態で、皮膚パッチの使用により、ローション、溶液、クリーム、軟膏または散粉の形態で局所的に、賦形剤、例えばデンプンまたはラクトースを含有する錠剤の形態で、あるいは単独でまたは賦形剤との混和物でカプセルまたは小卵中に、あるいは風味剤または着色剤を含有するエリキシル、溶液または懸濁液の形態で経口的に、投与され得るし、あるいはそれらは非経口的に、例えば洞内、静脈内、筋内、または皮下的に注入され得る。非経口投与に関しては、組成物は、多の物質、例えば血液と等張の溶液を作るのに十分な塩または単糖を含有し得る滅菌水性溶液の形態で最良に用いられ得る。頬または舌下投与のためには、組成物は、慣用的頬で処方され得る錠剤または舐剤の形態で投与され得る。
【0200】
被験者(例えば患者)への経口、非経口、頬および舌下投与のためには、本発明の作用物質の1日投与レベルは、典型的には10〜500 mg(1回または何回かに分けた用量)であり得る。したがって、そして例として、錠剤またはカプセルは、5〜100 mgの、単一であるいは適切な場合には2つまたはそれ以上を同時に投与するための作用物質を含有し得る。持放性処方物で本発明の作用物質を投与することもできる。
【0201】
いくつかの用途においては、一般にヒトでは、本発明の作用物質の経口投与が好ましい経路であり、最も便利であり、そしていくつかの場合には、他の投与経路、例えば洞内(i.c.)投与に関連した欠点を回避し得る。受容者が経口投与後の嚥下障害または薬剤吸収障害に罹患している状況では、薬剤は、非経口的、舌下または頬に投与し得る。
【0202】
獣医学的使用のためには、本発明の作用物質は、典型的には、通常獣医学業務にしたがって適切に許容可能な処方物として投与され、獣医師は、特定の動物に最も適した投与レジメンおよび経路を確定する。しかしながら、ヒト治療の場合と同様に、獣医学的処置のために作用物質単独で投与することができる。
典型的には、製剤組成物−ヒトまたは動物用途のためであり得る−製薬上許容可能な稀釈剤、担体、賦形剤またはアジュバントのいずれか1つまたはそれ以上を包含する。製薬上許容可能な担体、賦形剤、アジュバントまたは稀釈剤の選定は、意図される投与経路および標準製薬実施に関して選択され得る。前記のように、製剤組成物は、担体、賦形剤、アジュバントまたは稀釈剤として、またはその他に、あらゆる適切な単数または複数の結合剤、滑剤、沈澱防止剤、コーティング剤または可溶化剤と混和され得る。
【0203】
本発明のいくつかの実施態様では、製剤組成物は、1つ又はそれ以上の:本発明の検定によりスクリーニングされた作用物質;その誘導体、断片、相同体、類似体または変異体、あるいは配列番号1で示されるヌクレオチド配列とハイブリダイズし得る配列を含めた配列番号1または配列番号2と相互作用し得る作用物質を包含する。
【0204】
PFI-017mRNAを脱安定化し、またはPFI-017の翻訳を阻害するよう機能する、オリゴヌクレオチド配列、アンチセンスRNAおよびDNA分子、ならびにリボザイムは、本発明の範囲内に含まれる。
PFI-017アンチセンス分子は、例えばPFI-017活性の増大に関連した種々の異常症状の治療のための基礎を提供し得る。
【0205】
レトロウイルス、アデノウイルス、ヘルペスまたはワクシニアウイルスから、あるいは種々の細菌プラスミドから得られる発現ベクターは、標的化細胞集団への組換えPFI-017センスまたはアンチセンス分子のデリバリーのために用いられ得る。当業者に周知の方法を用いて、PFI-017を含有する組換えベクターを構築し得る。あるいは、組換えPFI-017は、リポソーム中で標的細胞にデリバリーされ得る。
【0206】
全長cDNAおよび/またはその調節要素は、遺伝子機能のセンス(Youssoufian H and HF Lodish(1993)Mol Cell Biol. 13:98-104)またはアンチセンス(Eguchi et al(1991)Annu Rev Biochem. 60:631-652)研究における道具としてPFI-017を研究者が用い得るようにする。cDNAから設計されたオリゴヌクレオチド、またはゲノムDNAから得られた制御配列は、発現を阻害するためにin vitroまたはin vivoで用いられ得る。このような技法は、目下当業界で周知であり、センスまたはアンチセンスオリゴヌクレオチドまたはそれより大きい断片は、コードまたは制御領域に沿った種々の位置から設計され得る。20ヌクレオチド長であり得る適切なオリゴヌクレオチドは、ヒトライブラリーからPFI-017配列または密接に関連した分子を単離するために用いられ得る。
【0207】
さらに、PFI-017発現は、PFI-017活性を遮断するのが好ましい条件で高レベルのPFI-017断片を発現する発現ベクターを用いて細胞または組織をトランスフェクトすることにより、調整され得る。このような構築物は、非翻訳可能センスまたはアンチセンス配列で細胞を見たし得る。DNA中への組込の非存在下でも、このようなベクターは、ベクターのすべてのコピーが内因性ヌクレアーゼにより無力化されるまで、RNA分子を転写し続け得る。このような一過性発現は、非複製ベクターにより1ヶ月またはそれ以上存続し、そして適切な複製要素がベクター系の一部である場合には、それより長いことさえある。
【0208】
遺伝子発現の修飾は、PFI-017遺伝子の制御領域、例えばプロモーター、エンハンサーおよびイントロンに対するアンチセンス配列を設計することにより得られ得る。
転写開始部位、例えばリーダー配列の-10〜+10領域から得られるオリゴヌクレオチドが好ましい。アンチセンスRNAおよびDNA分子は、転写体がリボソームと結合できないようにすることにより、mRNAの翻訳を遮断するよう設計され得る。同様に、「三重らせん」塩基対合としても知られているHogeboom塩基対合を用いて、阻害は成し遂げられ得る。三重らせん対合は、ポリメラーゼ、転写因子または調節分子の結合のために十分に開く二重らせんの能力を危うくする。
【0209】
したがって、本発明は、本発明の作用物質(または製薬上許容可能なその塩、または製薬上許容可能なその溶媒和物)を、製薬上許容可能な稀釈剤、アジュバント、賦形剤または担体とともに包含する製剤組成物を提供する。製剤組成物は、獣医学的(即ち動物)用途のためまたはヒト用途のためであり得る。
【0210】
したがって、本発明は、製薬上許容可能な希釈剤、担体、賦形剤またはアジュバント(その組合せを含む)との混和物中のPFI-017タンパク質(アンチセンス核酸配列を含む)の有効量のモジュレーター(例えば、拮抗薬または作動薬)を包含する製剤組成物にも関する。
本発明は、PFI-017ポリヌクレオチド配列の全部または一部、PFI-017アンチセンス分子、PFI-017生物活性を有するPFI-017ポリペプチド、タンパク質、ペプチドまたは有機モジュレーター、例えば拮抗薬(抗体を含む)または作動薬、を単独で、または少なくとも1つのその他の作用物質、例えば安定化化合物と組合せて包含し得る、そしてあらゆる滅菌性、生物適合性の製剤担体、例えば食塩水、緩衝食塩水、デキストロースおよび水(これらに限定されない)中で投与され得る製剤組成物に関する。
【0211】
一般的方法参照
概して、本明細書で述べた技法は、当業界で周知であり、Sambrook, et al., Molecular Cloning:A Laboratory Manual(1989)およびAusubel, et al., Short Protocols in Molecular Biology(1999)4th Ed,John Wiley & Sond, Inc.に対して特に参照が成される。PCRは、米国特許出願第4683195号、米国特許出願第4800195号および米国特許出願第4965188号に記載されている。
【0212】
寄託
ブダペスト条約にしたがって、認可保管所であるNational Collections of Industrial and Marine Bacteria Limited(NCIMB)(23 St. Machar Drive, Aberdeen, Scotland, AB2 1RY, United Kingdom)に、2000年8月23日に、以下の標本を寄託した。
【0213】
NCIMB番号NCIMB 41074は、大腸菌Pfi-017である。
寄託者は、Pfizer Central Research, Pfizer Limited, Ramsgate Road, Sandwich, Kent, CT13 9NJ, United Kingdomであった。
当業者は、アンピシリンを含有するルリアブロス中で、前記の大腸菌クローン(NCIMB 41074)を容易に増殖し、そしてSambrook, et al., eds.(1989)Molecular Cloning:A Laboratory Manual, Cold Spring Harbor Laboratory Press, New York, NY, USAに記載されたアルカリ溶解法を用いてクローンのプラスミドDNAを単離し得る。Sanger等(Proceedings of the National Academy of Sciences(USA)(Dec. 1977), 74(12):5463-5467)により記載され、蛍光検出に関してApplied Biosystems(Applied Biosystems社の文献参照)により修正されたジーデオキシ・ターミネーション法を次に用いてDNAをシーケンシングし、PFI-017を同定し得た。このE. coliクローン内に含まれるプラスミドは、配列番号5に示すような、PFI-017*をコードする配列を含む。
本発明は、寄託物から誘導可能および/または発現可能な配列、ならびにそれを包含する実施態様も包含する。本発明は、寄託物から誘導可能および/または発現可能な部分配列、ならびにそれを包含する実施態様も包含するが、この場合、その部分配列は活性ポリペプチドをコードする。本発明は、寄託物から誘導可能および/または発現可能な配列を包含するタンパク質、ならびにそれを包含する実施態様も包含する。寄託物から誘導可能および/または発現可能な部分配列を包含するタンパク質、ならびにそれを包含する実施態様も包含するが、この場合、それらの部分配列は、活性ポリペプチドをコードする。
【0214】
実施例
ここでは、添付の配列表を参照しながら、実施例のみにより、本発明を説明する。
配列番号1は、PFI-017をコードするヌクレオチド配列を示す。
【0215】
配列番号2は、PFI-017をコードする対応のアミノ酸配列を示す。
配列番号3と4は、実施例全体で用いられたPCRプライマーを示す。
配列番号5は、GenBank寄託番号AF254664に対応する、PFI-017*のためのヌクレオチド配列、及びその翻訳産物を示す。
本発明のGPCRをコードするポリヌクレオチドをクローン化し、そしてそのDNAとアミノ酸配列をさまざまなバイオインフォマティクスのツールを用いて分析した。本明細書中に記載する配列によりコードされるGPCRをPFI-017という。
実施例
PFI-017の同定
上記BLASTアルゴリズムを用いたGプロテイン共役レセプター(GPCR)ファミリーの既知メンバーを用いた配列のスクリーニングにより、Genome Sequencing Centersにより公表された非注釈ゲノム配列情報内で、PFI-017を同定した。
【0216】
バイオインフォーマティクス試験(Bioinformatics study)
PFI-017がGPCRファミリーの一成員である、ということを確証するために、多数の生物情報的アプローチを実施した。
(a)Swissprotに対するBLAST探索
BLAST算法(Basic Local Alignment Search Tool(Altshul SF(1993)J. Mol. Evol.36:290-300; Altshul, SF et al(1990)J. Mol. Biol. 215:403-410))を用いて、 Swissprotに対してPFI-017のアミノ酸配列(配列番号2)を探索し、最も近いタンパク質適合を同定した。この場合、トップヒットはヒト・システイニル・リューコトリエン・レセプターであった。
これらの結果は、PFI-017がGPCRファミリーの一成員であることを示す。
【0217】
(b)システイニル・リューコトリエン・レセプターとのPFI-017のClustal W整列
これらの結果を、図2に示す。
(c)非冗長性ヒトGPCRデータベースに対するBLAST検索
この受容体に対する作動薬の種類を同定するために、GenbankおよびDenuent Geneseqデータベースからの配列を主に包含する非冗長性ヒトGPCRデータベースに対しても、PFI-017アミノ酸配列を探索した。トップテンヒットは以下の通りであった:
AF119711 システイニル・リューコトリエン・レセプター(CYSLT1)
GPRH HUMAN Gプロテイン共役レセプターGPR17
EB12 HUMAN EBV誘導Gプロテイン共役レセプター
P2YR HUMAN P2Yプリノセプター1(P2Y1)
P2UR HUMAN P2Uプリノセプター1(P2U1)
P2Y5 HUMAN P2Yプリノセプター5(P2Y5)
P2Y9 HUMAN P2Yプリノセプター9(P2Y9)
PAFR HUMAN 血小板活性化因子レセプター
PAR2 HUMAN プロテアーゼ活性化レセプター2(PAR-2)
AF118670 Gプロテイン共役レセプターGRP34
以上の結果は、PFI-017がシステイニル・リューコトリエン・レセプターに最も類似することを証明し、そしてそれらは、そのリガンドがエイコサノイド(eicosanoid)分子であると推定される新規GPCRを、PFI-017がコードするということを示唆する。
配列番号1のヌクレオチド配列上にマッピングされる多数のESTsが、喘息を患う患者から単離されたエオシン好性白血球に基づくcDNAライブラリー内で発見された。
【0218】
PFI-017を含むBAC(バクテリア人工染色体)は、13q14.12-21.1に由来するものとして注釈されている。この領域(図3参照)は、オーストラリア集団(Daniels et al., 1996 Nature 383:247-)及び日本集団(Kimura et al., 1999 Hum. Mol. Genet. 8:1487-)内のアトピー性喘息に強く関連することも示されているマーカー、D13S153を含む。左側のボックス(図3)は、マーカーD13S153を示す。右側のボックスは、それからPFI-017 BACが得られたところの領域を示す。それ故、本発明のレセプターは、免疫応答、特に喘息に関連する機能をもつようである。さらに、このレセプターのアゴニスト又はアンタゴニストは、免疫応答、特に喘息に関連する疾患の治療において有用であろう。
PFI-017の単離
PFI-017*の全長コーディング配列が、PCRを用いてヒト・ゲノムDNA(Promega)からクローン化された。
PCR反応:PCR反応を以下のように設定した:dNTPs (10mM)−1μl、前進プライマー(10μM)−1μl、後退プライマー(10μM)−1μl、5×反応バッファー−10μl、Elongase (Life Technologies, Inc.)−1μl、ゲノムDNA−1μg;水で50μlに調製した。
前進プライマー(=PFI-017前進):
5'-ACCATGGAGAGAAAATTTATGTCC-3'(配列番号3)
後退プライマー(=PFI-017後退):
5'-TTATACTCTTGTTTCCTTTCTC-3'(配列番号4)
PCR条件:94℃−3分間。次に、30サイクルの、94℃−1分間、58℃−1分間、72℃−2分間。最終サイクル=72℃−10分間。
機能アッセイ:PFI-017*のリューコトリエン活性
蛍光イメージング・プレート・リーダー(FLIPR(商標))技術を、細胞−ベースのアッセイにおけるリューコトリエンC4とD4によるPFI-017*の活性化を検出する手段として使用した。
【0219】
マウスGα15遺伝子を発現する5×106のチャイニーズ・ハムスター卵巣(CHO)細胞を、製造者のプロトコールに従ってLipofectamine Plus(商標)試薬(Gibco BRL)を用いて、7.5μgのPFI-017*cDNA(pcDNA 3.1/V5-His-TOPO (Invitrogen)プラスミド内に含まれる)ベクター、又はベクター単独で過渡的にトランスフェクトさせた。トランスフェクションから24時間後、上記細胞を、トリプシン/EDTA溶液(LTI)を用いて上記フラスコから脱着させ、そして5×104細胞/ウェルの密度で、黒い側をもった透明底の96ウェル・プレート(Corning Costar)内に接種した。上記プレートを一夜放置して上記細胞を上記ウェルの底に付着せしめた。上記培地を上記細胞から除去し、そして20μl DMSO中の100μlの温い(37℃の)染料ローディング溶液(50μg Fluo4 (Molecular Probes)+1×Probenecidを含む11mlのダルベッコ修飾イーグル培地に添加されたDMSO中の20%プルロン酸で置換した。(100×Prebenecid−0.71gのPrebenecidを、プレート当り、5mlの1M NaOHと5ml Dulbeccos'ホスフェート緩衝液化生理食塩水(PBS)中に溶解させた。Prebenecid (Molecular Probes)は、アニオン輸送タンパク質の活性を阻害し、こうして染料ローディングを改善する)。次に上記プレートを37℃で1時間インキュベートした。プレートを次に、3回、ウェル当り150μlの洗浄バッファー(5mlの100×Probenecid保存溶液+495ml PBS、pH7.4)で洗浄した。このプレートを、FLIPR(商標)装置内で処理する前15分間、37℃/5% CO2インキュベーターに戻した。FLIPR(商標)処理は2分間にわたる全サンプルについての蛍光の読みを含んでいた;この時間の間、上記蛍光ベースラインを10秒間決定した。次に、所望量の化合物(すなわち、リューコトリエンC4又はD4)が上記ウェルに自動的に、移され、そして上記蛍光が上記時間の残りの間にわたり連続的にモニターされた。還元状態に上記化合物を維持するために、上記リューコトリエンを、1mMジチオトレオトールを含む洗浄バッファー中で希釈した。
リューコトリエンC4に関する投与量応答曲線を図4に示す;観察されたED50は約1.2μMである。リューコトリエンD4に関する投与量応答曲線を図5に示す;観察されたED50は約0.41μMである。しかしながら、リューコトリエンはきわめて不安定であり、完全に無傷のリューコトリエンC4とD4に対するED50は、ナノモル・レンジ内にあるようである。
それ故、PFI-017はリューコトリエン・レセプターを表すようであり、そしてそれは今日CysLT2レセプターともいわれている(Heise, C.E. et al (2000) J. Biol. Chem. 275, 30531-30539, Takasaki, J. et al. (2000) Biochem. Biophys. Res. Commun. 274, 316-322;両者が本願の優先日後に公表された)。以上は例としてのみ提供され、細目の修正が本発明の範囲から逸脱せずに行いうることが理解されるであろう。
【0220】
【配列表】
Figure 0003694246
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【図面の簡単な説明】
【図1】 PFI-017の生物情報分析に関する模式図を示す(db=データベース)。
【図2】システイニル・リューコトリエン・レセプター1とのPFI-017のClustal W整列を示す。
【図3】 PFI-017のための遺伝子が置かれるところの第13染色体の領域の細胞遺伝子マップを示す。
【図4】図4は、リューコトリエンC4に対するPFI-017*の投与量応答曲線を示す。
【図5】図5は、リューコトリエンD4に対するPFI-017*の投与量応答曲線を示す。

Claims (19)

  1. 1以上の下記:
    (a)配列番号2に示すポリペプチドをコードするポリヌクレオチド;
    (b)配列番号1のポリヌクレオチド;
    (c)上記(a)又は(b)のポリヌクレオチドに対する相補体;あるいは
    (d)Gタンパク質共役型受容体(GPCR)をコードする、上記(a)〜(c)のいずれか1のポリヌクレオチドのポリヌクレオチド断片、ここで上記ポリヌクレオチド断片は少なくとも15の長さのヌクレオチドである、
    から成る単離及び/又は精製されたポリヌクレオチド。
  2. 請求項1に記載のポリヌクレオチドを含むベクター。
  3. 請求項2に記載のベクターで形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞。
  4. 哺乳動物、昆虫、真菌、細菌又は酵母細胞である、請求項3に記載の形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞。
  5. 請求項1に記載のポリヌクレオチドの転写されたRNA産物。
  6. 請求項5に記載のRNA産物に対してアンチセンスであり、かつ、それにハイブリダイズすることができるRNA分子又はその断片。
  7. 請求項1に記載の単離及び/又は精製されたポリヌクレオチドによりコードされたポリペプチド又はその断片の製造方法であって、当該ポリペプチド又は断片の発現に好適な条件下で請求項3又は4に記載の形質転換又はトランスフェクトされた宿主細胞を培養することを含む、前記方法。
  8. 前記ポリペプチド又は断片が前記細胞の表面で発現される、請求項7に記載の方法。
  9. 前記培養物から前記ポリペプチド又は断片を回収することをさらに含む、請求項7又は8に記載の方法。
  10. ポリペプチド又はその断片を発現することができる細胞の製造方法であって、請求項2に記載のベクターで細胞を形質転換又はトランスフェクトすることを含む方法。
  11. 請求項10に記載の方法により製造された細胞。
  12. 請求項7〜のいずれか1項に記載の方法により製造されたポリペプチド又はその断片。
  13. 以下の:
    (a)配列番号1に示すポリヌクレオチド配列から翻訳される演繹アミノ酸配列を有するポリペプチド;
    (b)配列番号2のポリペプチド;又は
    (c)上記(b)に定義したポリペプチドにおいて1又は数個のアミノ酸が置換、修飾、欠失又は付加されたポリペプチドであって、CysLT2受容体活性を有するもの;
    から成るポリペプチド。
  14. 請求項13に記載のポリペプチドに対する抗体。
  15. 請求項13に記載のポリペプチドに結合し、かつ、それを調節する化合物の同定方法であって、前記ポリペプチドを候補化合物と接触させ、そして調節が生じたか否かを測定することを含む方法。
  16. 以下の:
    (a)化合物を、請求項13に記載のポリペプチドをその表面で発現する細胞と接触させ、ここで、前記ポリペプチドは、化合物と前記ポリペプチドとの結合に応答して検出可能なシグナルを提供することができる第2構成成分と会合し、上記接触は、化合物と前記ポリペプチドとの結合を許容するために十分な条件下にあり;及び
    (b)上記第2構成成分により生成されるシグナルを検出することにより前記ポリペプチドに結合することができる化合物を同定する、
    を含む、請求項15に記載の方法。
  17. 以下の:
    (a)(i)請求項13に記載のポリペプチドに結合することが知られている検出可能な第1構成成分、及び(ii)化合物を、請求項13に記載のポリペプチドをその表面で発現する細胞と接触させ、ここで、前記ポリペプチドは、化合物と前記ポリペプチドとの結合に応答して検出可能なシグナルを提供することができる第2構成成分と会合し、上記接触は、化合物と前記ポリペプチドとの結合を許容するために十分な条件下にあり;そして
    (b)上記第1構成成分と前記ポリペプチドとの相互作用から生成されるシグナルの不存在又は存在を検出することにより上記第1構成成分が前記ポリペプチドに結合するか否かを測定する
    を含む、請求項16に記載の方法。
  18. 前記化合物が請求項13に記載のポリペプチドに結合し、かつ、拮抗(antagonises)するか又は選択的に拮抗する、請求項1517のいずれか1項に記載の方法。
  19. 前記化合物が請求項13に記載のポリペプチドに結合し、かつ、作動(agonises)する、請求項1517のいずれか1項に記載の方法。
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