JP3698703B2 - プロジェクタ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プロジェクタ、さらに詳しくは、映像の階調認識の向上すなわち映像の輝度レベルの高精度の認識を可能にしたプロジェクタに関する。
【0002】
【従来の技術】
プロジェクタ、特にフロントプロジェクタの良好な投映環境は、反射率の高いスクリーンを設け周囲を暗くすることである。特に、映画などの映像を見る場合、黒の表現が重要であるとされ、フロントプロジェクタ自体のコントラスト性能、すなわち社団法人日本事務機械工業会データプロジェクタ部会で定めた100%全白パターン映像と100%全黒パターン映像の輝度比で示すコントラスト比を高めることが進んでいる。前記コントラスト比が高いということは、黒以外の部分の画像の輝度を同一にしたとき、黒の部分がより黒く暗く観察されることを意味する。2002年10月現在、最もコントラスト比の高いものは、日本マランツ株式会社製造のプロジェクタVP−12S2の2600:1である。
【0003】
白いスクリーン上に投映された映像の黒い部分は、いくら輝度を低下させてもプロジェクタから幾らかの光が到達していること及び反射率の差から、周囲の白くない物体よりも明るい。従って、実際に投映を行っている環境において、映像の黒い部分は、スクリーンの周縁の黒枠部分、壁面、椅子、机等の白くない物体よりも明るく認識されてしまう問題がある。
さらに、明るい投映環境においては、投映された映像の黒い部分は周囲の光の影響を受け本来の輝度よりも高くなってしまう問題がる。
【0004】
一方、投映環境は、安全性の面やその他生活面への配慮から、完全に暗くすることはできない。仮に完全な暗室とすることができたとしても、暗い映像が続くと、目の光彩が開いて光量を多くしたり、視覚神経の感度が上昇する。その結果、最初は黒く見えていた画面が次第に明るく感じられるようになってしまう問題がある。
【0005】
【発明の目的】
本発明は、従来技術のプロジェクタに関する上述した問題点に鑑みてなされたものであって、映像の周囲に輝度の基準となる部分を設けることによって、映像内の暗い領域を相対的に黒として認識することができるプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明はまた、比較的明るい投映環境において投映された映像の黒部分の輝度が高くなった場合においても、相対的により明るい枠部分が存在することによって、黒部分の輝度が上昇しても黒として認識できるプロジェクタを提供することを目的とする。
本発明はまた、比較的暗い投映環境において投映された映像の黒部分の輝度が十分低くなった場合においても、明るい枠部分が存在することによって映像の黒部分が明るく感じられる現象を防止することができるプロジェクタを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明は、スクリーン上のプロジェクタ投映領域の中心に映像部分を形成し、周縁部に前記映像部分の最大輝度の10%ないし30%の平均輝度の基準部分を形成するように投映することを特徴とするプロジェクタである。
【0007】
本発明の実施態様は以下のとおりである。
前記基準部分が前記映像部分の周囲の枠部分であることを特徴とする。このように構成することにより、基準部分の効果を最も高めることができる。すなわち、人間の視覚(細胞)は、撮像素子と異なり、光の強度そのものよりも光の強度の変化を敏感に認識すると言われている。すなわち、人間が対象物を認識するに、眼球すなわち視線を常に細かく動かして網膜に形成される像の位置を移動させている。スクリーンを見ている場合は、視線を投映領域外から投映写領域内へ移動を繰り返すため、どの方向における投映領域外から投映写領域内への視線移動においても基準部分を通過するように、枠部分であることが望ましい。
前記枠部分の輝度が、可変であることを特徴とする。このように構成することによって、枠部分の輝度を投映環境や投映映像の明るさを考慮して最適に調整することができる利点がある。
【0008】
前記枠部分の幅が、映像部分の上下幅の小さい方の幅の1%以上であることを特徴とする。1%に満たない場合は、映像観察者に有効な輝度標準を提供できない問題がある。
前記枠部分の寸法が、映像信号に含まれる画像サイズ情報に基づいて決定されることを特徴とする。このように構成することによって、枠部分の幅を画像サイズを考慮して最適に調整することができる利点がある。
前記枠部分が、映像信号によって形成される画像の外部に形成されることを特徴とする。このように構成することによって、映像信号を有効に使用できる利点を有する。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明の実施形態のプロジェクタを図に基づいて説明する。
第1実施形態のプロジェクタによる映像は、図1に示すように、投映された映像1の周囲に枠部分10を設ける。枠部分10の幅は、映像1の縦幅、横幅のうち小さい方の1%以上である。1%に満たない場合、枠部分10が観察者に視野の十分な強さの明るさ基準を提供することができない。枠部分10の輝度は、映像1の最大輝度の50%以下であり、望ましくは10%ないし30%である。枠部分10の輝度が、映像1の最大輝度の50%を超えると、枠部分10が目ざわりになり、集中して映像1を観ることの妨げとなる。
【0010】
枠部分10の輝度と投映環境との関係は、投映環境が明るい場合においては、映像1の黒部分を明瞭に認識できるようにするために高輝度とする。投映環境が暗い場合においては、映像1の黒部分が周囲より明るく認識されることを防止するために高輝度とする。
【0011】
第2実施形態のプロジェクタによる映像は、図2に示すように、第1実施形態と同一の条件を満たす枠部分20の上下枠部分21、22及び左右枠部分23、24の幅が異なる。横長の映像1の場合、上下枠部分21、22の幅を左右枠部分23、24の幅よりはるかに広くする。このようにすることによって、映像の輝度基準を強く提供することに加えて、ワイド感を高めることができる。さらに、広い上枠部分21の幅と広い下枠部分22の幅を異ならせて、広い幅の方にキャプション(字幕)を表示することもできる。
【0012】
第3実施形態のプロジェクタによる映像は、図3に示すように、第1実施形態と同一の幅条件を満たす枠部分30に複数の暗黒斜線部32を設ける。枠部分30の暗黒斜線部32を除く部分の輝度は、第1実施形態の輝度条件を満さなければならない。暗黒斜線32に換えて、大理石模様、木目模様、標章の繰り返し模様を設けることもできる。その場合、枠部分30の平均輝度は、第1実施形態の輝度条件を満たさなければならない。
【0013】
実施形態の投映信号回路は、図4のブロック図に示すように、撮像管(図示せず)等から出力された映像信号Sは、A/Dコンバータ104及び映像形式判別部101に入力される。映像信号Sがデジタル信号の場合は、A/Dコンバータ104は設けられない。
【0014】
映像形式判別部101は、アナログ映像信号が入力の場合は映像信号Sから垂直・水平同期信号の周期等を判別し(このような機能を備えた映像用半導体も市販されている)、デジタル映像信号の場合は信号のヘッダー等に記録されている垂直・水平同期信号の周期等を読み取る。映像形式判別部101の出力は、映像信号Sがアナログ信号の場合は、枠画像作成部112に入力され、画像伸縮回路部110及びA/Dコンバータ104に入力される。画像伸縮回路部110には、画像サイズ信号が入力され、A/Dコンバータ104には同期信号が入力される。
【0015】
画像伸縮回路部110は、映像信号Sの画像サイズから、表示素子124に表示するために必要な画像の伸縮率を演算し、画像サイズの伸縮を行い、表示素子1242に表示できる画像サイズの映像信号を出力する。枠画像作成部112は、画像伸縮回路部110によって伸縮された画像の外側に映像枠部分10、20、30の画像信号を形成する。枠画像作成部112には、画像枠の寸法等を入力するための入力手段114が連結される。画像伸縮回路部110及び枠画像作成部112の出力は、キーストン補正部120に入力される。
【0016】
キーストン補正部120は、入射された映像信号Sをキーストン補正すなわち斜め投映による映像の台形化歪みの補正を行う。キーストン補正部120からの出力は、表示素子コントローラ122を介して表示素子124に入力され、所定画像をスクリーン(図示せず)上に投映する。
【0017】
【発明の効果】
本発明のプロジェクタによれば、映像の周囲に輝度の基準となる部分を設けることによって、映像内の暗い領域を相対的に黒として認識することができる効果を有する。
本発明によればまた、比較的明るい投映環境において投映された映像の黒部分の輝度が高くなった場合においても、相対的により明るい枠部分が存在することによって、黒部分の輝度が上昇しても黒として認識できる効果を有する。
本発明によればさらに、比較的暗い投映環境において投映された映像の黒部分の輝度が十分低くなった場合においても、明るい枠部分が存在することによって映像の黒部分が明るく感じられる現象を防止することができる効果を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第1実施形態のプロジェクタによる映像の構成説明図である。
【図2】 本発明の第2実施形態のプロジェクタによる映像の構成説明図である。
【図3】 本発明の第3実施形態のプロジェクタによる映像の構成説明図である。
【図4】 本発明の実施形態のプロジェクタの投映信号回路のブロック図である。
【符号の説明】
S 映像信号
1 映像
10 枠部分
20 枠部分
21 上枠部分
22 下枠部分
23 左枠部分
24 右枠部分
30 枠部分
32 暗黒斜線
101 映像形式判別部
104 A/Dコンバータ
110 画像伸縮回路部
112 枠画像作成部
120 キーストン補正部

Claims (8)

  1. スクリーン上のプロジェクタ投映領域の中心に映像部分を形成し、周縁部に前記映像部分の最大輝度の10%ないし30%の平均輝度の基準部分を形成するように投映することを特徴とするプロジェクタ。
  2. 前記基準部分が前記映像部分の周囲の枠部分であることを特徴とする請求項1に記載のプロジェクタ。
  3. 前記枠部分の輝度が、可変であることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
  4. 前記枠部分の幅が、映像部分の上下幅の1%以上であることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
  5. 前記枠部分の寸法が、映像信号に含まれる画像サイズ情報に基づいて決定されることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
  6. 前記枠部分が、映像信号によって形成される画像の外部に形成されることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
  7. 前記枠部分が、上下枠部分及び左右枠部分でその幅が異なることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
  8. 前記枠部分が、複数の暗黒斜線部、大理石模様、木目模様、標章の繰り返し模様のいずれか一つを設けていることを特徴とする請求項2に記載のプロジェクタ。
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