JP3699314B2 - ロールクランプ装置付フォークリフト - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、ロール紙等の円筒形の荷物をクランプするロールクランプ装置付フォークリフトに係り、特に、部品変更を要することなく、荷物の径の大形化に対応可能とする技術に関する。
【0002】
【従来の技術】
この種のロールクランプ装置は、前傾動作(チィルト)機能を持つ、いわゆるカウンタ型フォークリフトに適用することを前提に製作されている。従来のカウンタ型フォークリフトを図8に示す。このフォークリフト40は、マスト43を車体41に傾動可能に装着し、車体41前方に配したシリンダ44のロッドの伸縮動によって、マスト43を前・後傾倒させる機能を持っており、マスト43の前方に回転装置45を介してロールクランプ装置46を装着している。ロールクランプ装置46は傾動アームと固定アームからなる。図8(a)はマスト43が前傾動作していない状態、図8(b)はマスト43が前傾動作している状態を示している。同図に示されるように、マスト43の前傾動作により傾動アームの先端部が、固定アームの先端部と荷物Rの中心とを結ぶ直線の延長線と荷物Rの外周縁との交点により近接した位置で荷物Rと接荷することができる。従って、前傾動作により、安定した荷役作業が行われていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記のようなカウンタ型フォークリフト40に装着されるロールクランプ装置46と同等物を、前傾動作機能を持たないリーチ型フォークリフトに装着した場合、傾動アームの先端部が、固定アームの先端部と荷物Rの中心とを結ぶ直線の延長線と荷物Rの外周縁との交点に近接した位置で荷物Rと接荷することが難しくなる。従来のこの種のリーチ型フォークリフトを図7に示す。フォークリフト30は、車体31の両幅端部下方に前方へ突出するアウトリガー32をガイドとして前後方向に水平移動するマスト33を有し、このマスト33に昇降動可能にリフトブラケット35が係止され、このリフトブラケット35に回転装置36を介して、カウンタ型フォークリフトに装着したのと同じロールクランプ装置37が装着されている。
【0004】
上記のようなフォークリフトにおいては、マスト33はアウトリガー32によって水平移動動作しか行えず、さらに、クランプ装置37を回転装置36共々前傾させることができない。従って、図7に示したように、傾動アームの先端部が、固定アームの先端部と荷物Rの中心とを結ぶ直線の延長線と荷物Rの外周縁との交点に近接した位置、すなわち、把かみ角が小さい位置で荷物と接荷する(深く把かむ)ことができない。
【0005】
本発明は、上記問題を解消するものであり、ブラケットを1つ追加するだけで、その他の部品は変更することなく、前傾動作機能を持たないリーチ型フォークリフトに、前傾動作機能を持つカウンタ型フォークリフトに装着することを前提として製作されたロールクランプ装置を装着しても、カウンタ型フォークリフトと同等の作業性が得られ、荷物の大径化に対応可能で、低コストなロールクランプ装置付フォークリフトを提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明は、フォークリフトの車体前方に配置したマストにリフトブラケットを昇降動可能に装着し、そのリフトブラケットに、固定アームと、この固定アームに対して傾動可能な傾動アームと、この傾動アームを傾動させる傾動用シリンダからなるロールクランプ装置を係止し、このロールクランプ装置によってロール紙などの円筒形の荷物を挟持し、運搬するフォークリフトにおいて、該フォークリフトは、マストが前傾動作機能を持たないリーチ型であり、前記ロールクランプ装置は、マストが前傾動作機能を持つカウンタ型フォークリフトと共用の構成であり、前記固定アームと傾動アームとの間に、傾動アームを前方側にオフセットするためのブラケットを着脱自在に介在させ、前記ブラケットは、前記固定アームと傾動アームにより荷物を挟持した時に、前記傾動アームの先端部が、前記固定アームの先端部と前記荷物の中心とを結ぶ直線の延長線と前記荷物の外周縁との交点に近接し、又はそれを越えるようにオフセットするものであり、前記固定アームは前記リフトブラケットに装着され、前記傾動アームは前記オフセット用のブラケットを介して固定アームに装着され、前記傾動用シリンダは前記傾動アームの傾動側端とオフセット用のブラケットとの間に連結されており、前記ブラケットを介在させることでカウンタ型フォークリフトと同等の機能が得られるようにしたものである。
【0008】
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載のフォークリフトにおいて、ブラケットは、固定アームと傾動アームにより荷物を挟持した時に、傾動アームの先端部が、固定アームの先端部と荷物の中心とを結ぶ直線の延長線と荷物の外周縁との交点に近接し、又はそれを越えるようにオフセットするものである。
【0009】
さらにまた、傾動アームと傾動用シリンダとをオフセット用のブラケットに共に装着することができ、固定アームにオフセット用のブラケットを装着するための取り付け手段を新たに設ける必要がない。従って、新たにオフセット用のブラケットを製作するのみで、カウンタ型フォークリフト仕様のロールクランプ装置であっても、そのロールクランプ装置をリーチ型フォークリフトに簡単に装着替えができ、ロールクランプ装置の共通化が図れる。
【0010】
【発明の実施の形態】
本発明の一実施形態によるロールクランプ装置付フォークリフトについて、図1乃至図6を参照して説明する。図1乃至図6において、リーチ型フォークリフト1は、車体2と、車体2の幅方向両側で車体2の前方方向へ突出形成されたアウトリガー3と、車体2の前方に配置され、アウトリガー3の間を車体2の前後方向に移動可能なマスト4と、このマスト4に昇降動可能に装着されたリフトブラケット5と、このリフトブラケット5に回転装置6を介して係止されたロールクランプ装置7とを備えている。
【0011】
ロールクランプ装置7は、固定アーム8と、この固定アーム8に対向して傾動する傾動アーム9と、この傾動アーム9を傾動させる傾動用シリンダ11と、固定アーム8の車体前方側の先端に取り付けられたクランプパッド12と、傾動アーム9の先端に取り付けられたクランプパッド10から成り、固定アーム8と傾動用シリンダ11で傾動させた傾動アーム9によってロール紙などの円筒状の荷物Rを挟持し、運搬する。
【0012】
そして、クランプ装置7は前記固定アーム8と傾動アーム9との間に、傾動アーム9を前方側にオフセットするためのブラケット13を介在させた構成としている。ロールクランプ装置7には、2種類の構造があり、一つは、固定アーム8が荷物Rの挟持部と傾動用アーム9を装着する装着部を共有する一体型のものと、他は、傾動用アーム9と固定アーム8とが支持部材に別々に装着されるものとがある。ここに、ブラケット13を介在するとは、前者の一体型の場合には、固定アーム8にブラケット13を装着することをいい、後者のように別々の構造の場合には、支持部材にブラケット13を装着することをいう。本実施形態においては、ブラケット13が固定アーム8に装着されている一体型構造で説明する。なお、傾動アーム9は、固定アーム8に対して2個が並設される構造が一般的であり、図では固定アーム8に対する傾動アーム9の連結状態は一方のみが示されている。
【0013】
固定アーム8は、ロールクランプ装置7が挟持しうるロール紙などの円筒物の最大径よりも大きい曲率半径を持つ湾曲面と、後方の湾曲面終端から車体高さ方向に垂直な面を有する板材からなり、板材の背面両端には、所定の間隔をおいて補強部材を兼ねた補強板材が厚み方向を車体前後方向に向け固着され、この補強板材には、ブラケット13を装着するための貫通孔8c,8dが形成され、上方の貫通孔8dが下方の貫通孔8cより車体2近傍に形成されている。この補強板材に回転装置6と結合させるための取付板8a,8bが上下方向に所定の間隔をおいて固定されている。湾曲面を有する板材の車体幅方向側両端の先端には、クランプパッド12を回動可能に支承するパイプ状部材8fが固定されている。
【0014】
傾動アーム9は、ロールクランプ装置7が挟持しうるロール紙などの円筒物の最大径よりも大きい曲率半径を持つ湾曲面が形成された板材からなり、板材の背面両端には、所定の間隔をおいて補強部材を兼ねた補強板材が厚み方向を車体上下方向(ロールクランプ装置をリーチ型フォークリフトに装着した状態を想定して方向付けしている。)に向け固着され、この補強板材の下端には、ブラケット13を装着するための貫通孔9aが形成され、同板材のほぼ中央に伸縮用シリンダ装着のための貫通孔9bが形成されている。湾曲面を有する板材の車体幅方向側両端の先端には、クランプパッド10を回動可能に支承するパイプ状部材9eが固定されている。
【0015】
固定アーム8と傾動アーム9を連結するブラケット13は、固定アーム8装着側の一対の板部材13eと傾動アーム装着側の一対の板部材13fとからなり、部材片13eには上下方向に間隔をおいて孔13c,13dが形成され、各部材片13eの孔13c,13dが側方からみて相重なるようにパイプ状部材13gにより連結される。また、部材片13fには上下方向に間隔をおいて孔13b,13aが形成され、各孔13b,13aとパイプ状部材13hの孔とが側方からみて相重なるようにパイプ状部材13hにより連結される。ブラケット13は、固定アーム装着側の板部材13eに傾動アーム装着側の板部材13fを挿入重ね合わせて固定形成される。
【0016】
ブラケット13の固定アーム装着側の板部材13eの二つの孔13c,13dに固定アーム8をピンにて連結すると共にブラケット13の傾動アーム装着側の板部材13fの下方の孔13aに傾動アーム9をピンにて、さらに、上方の孔13bと傾動用シリンダ11の一端とをそれぞれ傾動可能に連結し、同シリンダ11の他端は傾動アーム9の貫通孔9bに傾動可能に連結する。こうして、傾動アーム9はブラケット13を介して固定アーム8に連結される。
【0017】
前記ブラケット13の固定アーム装着側の板部材13eに設けられた孔13c,13dのうち、上方の孔13dは下方の孔13cより車体2側寄りに形成されている。また、傾動アーム装着側の板部材13fに設けられた孔13a,13bのうち、下方の孔13aは固定アーム装着側の板部材13eの下方の孔13cより高めに、上方の孔13bは下方の孔13aより車体2側寄りに形成されている。即ち、ブラケット13に形成された4個の孔13a,13b,13c,13dを結ぶ形状は、上方を車体2側寄りに偏った平行四辺形となっている。
【0018】
上述のような、ブラケット13の一方を固定アーム8(あるいは、別個の支持体)に装着し、他方を傾動アーム9と傾動用シリンダ11の一端に装着するという簡単な構成で、図2に示すように、固定アーム8と傾動アーム9により荷物Rを挟持した時に、傾動アーム9の先端部が、固定アーム8の先端部と荷物Rの中心とを結ぶ直線の延長線と荷物Rの外周縁との交点に近接、又は、それを越えて(角度θ分)深く把むことができ、荷物Rの径が大きくなっても安定した作業を行なうことができる。なお、上記荷物Rの中心は重心と一致する。
【0019】
また、ロールクランプ装置7を構成する固定アーム8及び傾動アーム9は、前傾動作機能を持つカウンタ型フォークリフトに適用されるものを、そのまま使用すればよく、前傾動作機能の付加が難しいリーチ型フォークリフトに固定アーム8及び傾動アーム9を変更することなく、ブラケット13を用いることで、カウンタ型と同等の作業性を確保することができ、荷物Rの大径化にも対応可能で、しかも安価で済む。
【0020】
【発明の効果】
以上説明したように本発明のロールクランプ装置付フォークリフトによれば、固定アームと傾動アームとの間にオフセット用のブラケットを介在させる構成としたので、固定アームと傾動アームにより荷物を挟持した時に、荷物を深く把かむことができる。従って、ロールクランプ装置自体を変更することなく、リーチ型フォークリフトにカウンタ型フォークリフト向け仕様のロールクランプ装置を装着しても、カウンタ型フォークリフトに当該ロールクランプ装置を装着したのと同等の作業性が確保できる。しかもロールクランプ装置の共通化が図れ、低コスト化が図れる。さらに、リーチ型フォークリフトでのオフセット用のブラケットの装着位置とカウンタ型フォークリフトでの傾動アームと傾動用シリンダの装着位置とを共通化することができるので、オフセット用のブラケットのみで、ロールクランプ装置を簡単に装着替えができ、客先の荷物の大径化にも迅速に対応できる。
【0021】
また、ブラケットは、傾動アームの先端部が、固定アームの先端部と荷物の中心とを結ぶ直線の延長線と荷物の外周縁との交点に近接し、又はそれを越えるように、オフセットするものとすることで、作業の安定性が高まる。また、固定アームにブラケットを介して傾動アーム及び傾動用シリンダを傾動可能に設けることで、少ない部品点数で、各種タイプに対応可能で、低コスト化が図れる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施形態によるフォークリフトの側面図である。
【図2】 同フォークリフトのロールクランプ装置の拡大側面図である。
【図3】 同クランプ装置の固定アームとブラケットと傾動アームとの連結関係を示す側面図である。
【図4】 (a)は固定アームの側面図、(b)は固定アームの正面半裁図である。
【図5】 (a)は傾動アームの側面図、(b)は傾動アームの平面半裁図である。
【図6】 ブラケットの平面図である。
【図7】 オフセット用ブラケットを装着していない従来のリーチ型フォークリフトの側面図である。
【図8】 (a)はカウンタ型フォークリフトで前倒動作なしにクランプした状態を示す側面図、(b)は前倒動作をした状態を示す側面図である。
【符号の説明】
1 リーチ型フォークリフト
2 車体
4 マスト
5 リフトブラケット
7 ロールクランプ装置
8 固定アーム
9 傾動アーム
11 傾動用シリンダ
13 ブラケット
R 荷物
Claims (1)
- フォークリフトの車体前方に配置したマストにリフトブラケットを昇降動可能に装着し、そのリフトブラケットに、固定アームと、この固定アームに対して傾動可能な傾動アームと、この傾動アームを傾動させる傾動用シリンダからなるロールクランプ装置を係止し、このロールクランプ装置によってロール紙などの円筒形の荷物を挟持し、運搬するフォークリフトにおいて、
該フォークリフトは、マストが前傾動作機能を持たないリーチ型であり、
前記ロールクランプ装置は、マストが前傾動作機能を持つカウンタ型フォークリフトと共用の構成であり、
前記固定アームと傾動アームとの間に、傾動アームを前方側にオフセットするためのブラケットを着脱自在に介在させ、
前記ブラケットは、前記固定アームと傾動アームにより荷物を挟持した時に、前記傾動アームの先端部が、前記固定アームの先端部と前記荷物の中心とを結ぶ直線の延長線と前記荷物の外周縁との交点に近接し、又はそれを越えるようにオフセットするものであり、
前記固定アームは前記リフトブラケットに装着され、
前記傾動アームは前記オフセット用のブラケットを介して固定アームに装着され、前記傾動用シリンダは前記傾動アームの傾動側端とオフセット用のブラケットとの間に連結されており、
前記ブラケットを介在させることでカウンタ型フォークリフトと同等の機能が得られるようにしたことを特徴とするロールクランプ装置付フォークリフト。
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