JP3702191B2 - 岩盤掘削機の切削粉処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、岩盤内に推進管を泥水方式によって埋設する岩盤推進工法において、切削された切削粉を泥水によって効率良く、搬出するための岩盤掘削機の切削粉処理方法に関するものである。
【0002】
【従来技術】
泥水方式による岩盤推進工法は、先端に複数個のトリコンビット等の切削ビットを装着した岩盤掘削機で前方の岩盤を切削しながら、発進立坑内に設置した元押しジャッキで推進管列の後端を押圧することによって、岩盤掘削機及び推進管を所定の位置に埋設していく方法である。切削された切削粉は、泥水とともに岩盤掘削機内のチャンバ内に取り込まれ、泥水とともに排泥管によって推進管内から立坑外まで流体輸送される。通常、岩盤推進の場合、岩盤掘削機の外径より数ミリから数十ミリのオーバカットをして周辺の岩盤と岩盤掘削機や推進管外周に間隙を設けて、摩擦力の低減が図られている。
【0003】
しかし、切削された切削粉の一部が泥水とともに岩盤掘削機の背面に廻り、岩盤掘削機や推進管外周の間隙に次第に堆積されて固化し、推進管外周と切削粉に摩擦力が発生し、推進力が増大して推進施工が困難になったり、切削粉が水の比重より重く下方に堆積しやすく、推進管が堆積した切削粉に乗り上げ、施工精度の悪化を招来することが度々発生していた。
【0004】
このため、岩盤掘削機の後部で、送泥管から分岐した分岐菅を岩盤掘削機の外殻まで貫通させて泥水を間隙に噴出させることによって、切削粉を泥水とともに強制的に岩盤掘削機前方までの流し、チャンバ内に取り込んで処理する方法が採用されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
上記した技術では、分岐菅から間隙に送泥される泥水によって、間隙に溜まった岩盤の切削粉は、岩盤掘削機の前方に流されて撤去されるが、泥水が分岐菅の後方にも流れることによって切削粉は後方にも送られ、泥水圧の減少とともに後方の推進管外周の間隙に堆積されて推進管の摩擦力を増大させることとなる。特に、推進延長が長くなるにつれてその影響範囲は大きくなり、推進施工を非常に困難にさせるという問題がある。そのため、第1の分岐菅の後方に所定の間隔を置いて複数の分岐菅を設け、泥水を前方に環流させる方法が考えられているが、後方に向かう泥水圧と前方に向かう泥水圧が打ち消し合い、あまり効果が発揮できていないのが現状である。
【0006】
このため、本発明は、泥水方式の岩盤掘削機によって岩盤内に推進管を推進埋設する工法において、切削された切削粉を岩盤切削機や推進管の外周の間隙に堆積させることなく効率良く搬出する方法を提供するものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
すなわち本発明は、先端に切削ビットを装備した掘削機で岩盤を切削し、切削した切削粉を隔壁で形成されたチャンバ内に泥水を環流することによって、切削粉を流体輸送して搬出する泥水方式による岩盤掘削機の切削粉処理方法において、
送泥管に設けられた送泥管開閉バルブより後方に、分岐管開閉バルブを有した分岐管を接続し、その分岐菅の他端は岩盤掘削機または後続管の外殻を貫通して設け、送泥管から送られてくる泥水をチャンバ内及び地山と岩盤掘削機または後続管の外殻で形成された間隙に送泥するとともに、少なくとも分岐菅の設置位置よりも後方に位置する後続管または推進管の内壁を貫通して注入孔を設け、注入孔から地山と後続管または推進管の外壁で形成された間隙に高粘性の滑材を注入充填させて、前方の間隙に送泥された泥水を後方に流れるのを遮断する岩盤掘削機の切削粉処理方法である。
【0008】
推進管内には、送泥管と排泥管が配置され、岩盤掘削機の前方の隔壁に各々連通されている。泥水は送泥管を通してチャンバ内に送泥され、チャンバ内の泥水と掘削土は排泥管を通して環流され、立坑外に流体輸送される。隔壁の後方の送泥管と排泥管には、送泥管開閉バルブと排泥管開閉バルブが設けられている。その後方には、中間にバイパス開閉バルブを装備したバイパス管が設けられ、送泥管と排泥管を連絡している。推進施工中は、バイパス開閉バルブは閉じられ、送泥管開閉バルブ及び排泥管開閉バルブは開放されて、泥水は送泥管からチャンバ内に送られ、泥水圧によって岩盤掘削機前面の切羽地盤を保持するとともに、チャンバ内に取り込まれた掘削土を泥水とともに排泥管で坑外に流体輸送する。推進施工中断時には、バイパス開閉バルブが開けられ、送泥管開閉バルブ及び排泥管開閉バルブは閉じられて、送泥管から送られた泥水はチャンバ内には入らず、バイパス管を通って排泥管へと返される機構となっている。この時、チャンバ内には一定の泥水圧が保持されて切羽地盤を保持している。
【0009】
分岐菅は、送泥管開閉バルブより後方に位置していればよく、バイパス管の前後のどちらに設置してもよい。岩盤掘削機または後続管の外殻に分岐菅を取り付ける位置としては、切削粉の堆積しやすい下方に設けるのが有効である。分岐菅開閉バルブとしては、泥水の流れを開閉できるものであればよく、従来用いられている開閉バルブを使用することができる。分岐菅の先端部分には、管外から泥水や切削分等が逆流しないように、逆止弁を設けておくと有効である。
【0010】
後続管または推進管に設けられる注入孔には、前方の分岐菅から送泥された泥水や切削粉及び高粘性の滑材が管内に流入しないように逆止弁を装備している。推進管の場合は、管本体に設置されている滑材注入孔を使用すればよい。
【0011】
注入孔から注入される高粘性の滑材としては、推進管との摩擦抵抗を低減でき、かつ、地下水や泥水等に影響されることなく高粘度を維持できる滑材であればよく、従来推進工法において使用されている高粘性の滑材等が使用できる。具体的には、膨張させたベントナイトとぬめり成分を混合した高粘性の滑材等が使用される。
【0012】
推進施工開始とともに、分岐菅の分岐菅開閉バルブが開けられ、送泥管より送られてくる泥水は分岐菅を通って、岩盤掘削機の外周に送泥される。また、推進施工開始とともに後方の推進管の注入孔からも高粘性の滑材が、周辺の岩盤と推進管外壁との間にできた間隙に注入充填されていく。このため、分岐菅から岩盤掘削機の外周に噴出された泥水は、高粘性の滑材に阻止されて後方に流れることはできず、前方の岩盤掘削機先端へと流れる。この時、前方に流れる泥水は、岩盤掘削機の外周に入り込んだ岩盤の切削粉を先端の切羽側へと流し出す。このように分岐菅から送泥される泥水と後方に充填される高粘性の滑材により、切削粉が岩盤掘進機や推進管の外周の間隙に堆積することがなくなり、低い推進力で長距離の岩盤推進施工を可能とする。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施形態を図面を基に説明する。図1は、本発明の岩盤掘削機の切削粉処理方法を説明する縦断面図である。先端に複数の切削ビット2を装備した泥水式の岩盤切削機1の後方に推進管14が嵌接されている。切削ビット2の後方には隔壁4が設けられ、チャンバ3を形成している。チャンバ3には、推進管14内に設置された送泥管5が隔壁4を貫通して設けられ、泥水が送泥管5からチャンバ3内に送られる。チャンバ3内に送られた泥水は、切削ビット2面板の開口部から岩盤切削機1の先端の切羽部及びチャンバ3内に充満される。通常の土質の場合の泥水は、泥水圧によって切羽の土圧や水圧に対抗して切羽地山Gを保持する。岩盤の場合には、岩盤切削時の切削ビット2の発熱防止や切削された切削粉をチャンバ3内に取り込む役割をする。チャンバ3内に取り込まれた切削粉は、泥水とともに隔壁4に貫通して取り付けられた排泥管10を通じて坑外へと搬送される。隔壁4の後方の送泥管5と排泥管10には、送泥管開閉バルブ6と排泥管開閉バルブ11が設けられている。その後方には、中間にバイパス開閉バルブを装備したバイパス管(図示省略)が設けられ、送泥管5と排泥管10を連絡している。推進施工中は、バイパス開閉バルブは閉じられ、送泥管開閉バルブ6と排泥管開閉バルブ11は開けられ、送泥管5から送られた泥水はチャンバ3内に送られ、排泥管10を通って坑外へと環流される。推進施工中断時には、バイパス開閉バルブが開けられ、送泥管開閉バルブ6と排泥管開閉バルブ11は閉じられ、送泥管5から送られた泥水はチャンバ3内には入らず、倍バス管を通って排泥管10へと返される機構となっている。この時、チャンバ3内には一定の泥水圧が保持されている。
【0014】
外周部の切削ビット2は、岩盤掘削機1の外殻径よりも大きな径で穿孔できるように装備されている。外殻径よりも大きなトンネル孔を穿孔することにより、岩盤掘削機1及び推進管14との外周に間隙を形成し、摩擦力を低減させる。
【0015】
送泥管開閉バルブ6の後方には、送泥管5から分岐して岩盤掘削機1の外殻を貫通して設けた分岐菅7が設けられている。分岐菅7には、分岐菅開閉バルブ8が設けられ、その開閉によって泥水を外殻の外に送ったり停止したりする。分岐菅7の先端部には、逆止弁9が設けられ、外殻外からの泥水や切削分の逆流を防止する。
【0016】
推進管14には、内壁を貫通して設けた注入孔12が設けられ、推進管14内から岩盤と推進管14外周で形成された間隙に高粘性の滑材15が注入充填される。通常の推進管14を使用するときは、管本体に設置されている滑材注入孔を使用すればよい。
【0017】
図2は、分岐菅の取り付け方法を詳細に説明する横断面図である。送泥管5から分岐された分岐菅7は、下方に向かって左右対称方向に岩盤掘削機1の外殻を貫通して設けられている。分岐菅7の途中には分岐菅開閉バルブ8が設けられ、送泥管5から送られてくる泥水を、岩盤掘削機1外殻の間隙に送泥したり停止する。各分岐菅7の先端には、逆止弁9が設けられ、間隙に注入された泥水や切削粉が岩盤掘削機1内に逆流するのを防止する。本実施形態では、分岐菅7を2ヶ所設置する方法を開示したが、推進管14の径によって1ヶ所にすることも可能である。
【0018】
図3は、注入孔を説明する横断面図である。推進管14の内壁を貫通して注入孔12が設けられている。注入孔12には、前方で注入された泥水や切削粉及び高粘性の滑材15が流入しないように、逆止弁9が設けられている。注入孔12には、推進管14内から高粘性の滑材15を送る注入管16が接続されている。注入管16には、高粘性の滑材15の注入、停止を調整する注入孔開閉バルブ13が設置されている。
【0019】
次に、本発明の岩盤切削機の切削粉処理方法について説明する。説明については、図1により説明する。推推進施工開始とともに、バイパス開閉バルブが閉じられ、送泥管開閉バルブ6及び排泥管開閉バルブ11が開放され、送泥管5から送られてくる泥水は、チャンバ3内を通って切羽地山Gに充満される。先端の切削ビット2で切削された岩盤の切削粉は、泥水とともにチャンバ3内に取り込まれ、排泥管10を通じて坑外に流体輸送される。外周に装備した切削ビット2は、岩盤掘削機1外周より大きなトンネル孔を穿孔するため、周辺の岩盤と外殻に形成された間隙に、泥水とともに切削粉が流れ込む。この時、分岐菅7の分岐菅開閉バルブ8も開けられ、泥水は分岐菅7を通って岩盤掘進機1外殻に送泥される。また、後方の推進管14内からも高粘性の滑材15が、岩盤と推進管外壁との間にできた間隙に注入充填されていく。このため、分岐菅7から噴出された泥水は、高粘性の滑材15に阻止されて後方には流れることができず、前方の岩盤掘削機1先端へと圧送され、前方から泥水とともに間隙に入り込んだ切削粉を先端の切羽部へと送り出す。
【0020】
【発明の効果】
以上のように、本発明の岩盤掘削機の切削粉処理方法により、岩盤切削機の外周に廻り込んだ切削粉を、後方の推進管側に流すことなく、岩盤掘削機部分の短い距離で確実に前方に送り出すことができ、効率の良い岩盤推進施工が可能となった。また、先頭の推進管から高粘性の滑材を充填することにより、推進管外周の摩擦力が著しく低減でき、長距離の岩盤推進施工でも低推進力で施工が行え、工期の短縮、工事費の低減が可能となった。
【0021】
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の岩盤掘削機の切削粉処理方法を説明する縦断面図である。
【図2】分岐菅の取り付け方法を詳細に説明する横断面図である。
【図3】注入孔を説明する横断面図である。
【符号の説明】
1 岩盤掘削機
2 切削ビット
3 チャンバ
4 隔壁
5 送泥管
6 送泥管開閉バルブ
7 分岐菅
8 分岐菅開閉バルブ
9 逆止弁
10 排泥管
11 排泥管開閉バルブ
12 注入孔
13 注入孔開閉バルブ
14 推進管
15 高粘性の滑材
16 注入管
G 切羽地山
Claims (1)
- 先端に切削ビットを装備した掘削機で岩盤を切削し、切削した切削粉を隔壁で形成されたチャンバ内に泥水を環流することによって、切削粉を流体輸送して搬出する泥水方式による岩盤掘削機の切削粉処理方法において、
送泥管に設けられた送泥管開閉バルブより後方に、分岐管開閉バルブを有した分岐管を接続し、その分岐菅の他端は岩盤掘削機または後続管の外殻を貫通して設け、送泥管から送られてくる泥水をチャンバ内及び地山と岩盤掘削機または後続管の外殻で形成された間隙に送泥するとともに、少なくとも分岐菅の設置位置よりも後方に位置する後続管または推進管の内壁を貫通して注入孔を設け、注入孔から地山と後続管または推進管の外壁で形成された間隙に高粘性の滑材を注入充填させて、前方の間隙に送泥された泥水を後方に流れるのを遮断することを特徴とする岩盤掘削機の切削粉処理方法。
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