JP3715876B2 - 薄膜太陽電池モジュール - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は薄膜太陽電池モジュールに関する。詳しくは、本発明は外観意匠性および施工性に優れた薄膜太陽電池モジュールを提供する。
【0002】
【従来の技術】
近年、地球環境保全の観点から、有害物質を出さないクリーンエネルギーの普及が図られている。数あるクリーンエネルギーのなかでも、太陽光発電は地球上のあらゆる場所で使用可能であることから、その普及の拡大が期待されており、実際、住宅用太陽光発電システム等の形で一般への普及が始まっている。
【0003】
一般に、薄膜太陽電池セルは、例えば、ガラス等の透明な絶縁性基板上に、透明電極層、単層もしくは複数層からなる光電変換層、透明電極層、裏面金属電極層を、スパッタ、CVD等の方法を用いて順次成膜して作製される。また、太陽電池セルの電気出力はその受光面積に比例するため、大面積の薄膜太陽電池セルを作製して、出力効率を向上させている。大面積の薄膜太陽電池セルを作る際には、各層を形成した後に、レーザスクライブ、エッチング等の方法によって各層にパターニングを施すことで集積化を施し、透明電極層の抵抗による特性低下を軽減する。
【0004】
従来の薄膜太陽電池モジュールは、上記のように作製された薄膜太陽電池セルの受光面を内側にして、透明な材質の接着剤等を用いてガラス等の耐候性を有する裏面封止材料に貼り合わせて構成される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
従来の薄膜太陽電池モジュールは、多くの場合、ガラス等のある程度の強度を有する平面基板を用いて作製されているため、受光面側は凹凸が少ない。しかしながら、その反対側は、薄膜太陽電池モジュールの出力瑞子、出力ケーブルおよび他のモジュール、外部電気配線等と接続した際に逆方向の過大な電圧が該モジュールにかかることで破損することを防止するための逆流防止装置、それらを外的要因から保護するための配線保護材がモジュール本体に取付けられており、図3に示す様に必然的に凹凸のある形状にならざるを得ない。従って、建築材料として薄膜太陽電池モジュールを見た場合、まだ多くの改善の余地が残されており、特に、薄膜太陽電池モジュールの凹凸に起因する施工性および外観意匠性の問題を解決することが強く望まれている。
【0006】
この薄膜太陽電池モジュールの凹凸は、外観意匠性を低下させると共に、施工時の取り回し、例えば搬送時に他の部材と位置的に干渉したり、重ねたときに空間ができてぐらつくといった不都合を生じさせる。また、このような薄膜太陽電池モジュールを他の平面状の建築部材と貼合わせて使用する場合には、その凹凸を吸収するために新たな部材の加工や、違う形状の部材を必要とすることになり、施工性の低下および設置コストの上昇を招くことになる。
また、従来の薄膜太陽電池モジュールに逆流防止装置を設ける際には、薄膜太陽電池モジュールのプラス側およびマイナス側の出力端子をある程度隣接させなければならないため、薄膜太陽電池モジュール内で各出力配線を引き回すこととなり、薄膜太陽電池モジュールの製造コストを上昇させる要因となる。
【0007】
また、これとは別に、例えば、ガラスのような加工し難い部材を裏面封止材料として用いた場合、裏面封止部材に出力端子取出し用の穴を設ける必要が生じ、この作業によって生じる手間、製造コストの増大も薄膜太陽電池モジュールの低価格化を考える上で無視できない。
【0008】
そこで、本発明の目的は、上述した課題を解決するために、製造コストを増大させることなく、外観意匠性および施工性を向上させた薄膜太陽電池モジュールを提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、本発明は、裏面封止材料基板上に薄膜太陽電池セル基板および配線保護部材が接着され、該薄膜太陽電池セル基板と該配線保護部材とを合わせた形状は該裏面封止材料基板と同一の形状であり、さらに、電気出力端子および逆流防止装置が該配線保護部材に収納されて、全体として凹凸のない形状をしていることを特徴とする薄膜太陽電池モジュールを提供する。
【0010】
本発明の薄膜太陽電池モジュールの形状は限定されないが、特に、本発明は、長方形の裏面封止材料基板上に、該裏面封止材料基板の幅と同一長の幅および該封止材料基板の長さよりも短い長さを有する薄膜太陽電池セル基板と、該裏面封止基板の幅と同一長の幅、該裏面封止材料基板の長さと薄膜太陽電池セル基板の長さとの差と同一の長さおよび該薄膜太陽電池セル基板の厚さと同一の厚さを有する配線保護部材とが接着され、さらに電気出力端子および逆流防止装置が該配線保護部材に収納されて、全体として凹凸のない形状をしていることを特徴とする薄膜太陽電池モジュールを提供する。
【0011】
本発明の薄膜太陽電池モジュールは、該薄膜太陽電池セル基板の受光面および該配線保護部材が該裏面封止材料基板に接着され、全体として凹凸のない形状をしていることを特徴とする。
【0012】
さらに、本発明の薄膜太陽電池モジュールは、電気出力端子が該薄膜太陽電池セル基板と該裏面封止基板との間から引き出されていることを特徴とする。
【0013】
さらに、本発明の薄膜太陽電池モジュールは、該電気出力端子に接続される出力ケーブルが該配線保護部材のモジュール側面に設置されていることを特徴とする。
【0014】
本発明の薄膜太陽電池モジュールは、該薄膜太陽電池セル基板の受光面がエチレンビニルアセテート製のシート状接着剤により該裏面封止材料基板に接着されていることを特徴とし、該シート状接着材のサイズは該薄膜太陽電池セル基板と同一である。
また、該配線保護部材はシリコーン系接着剤のごとき疎水性接着剤で接着されている。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して、本発明による薄膜太陽電池モジュールの構造の一例を説明する。
図1は、本発明による薄膜太陽電池モジュールの一例を示す概略図であり、図2はその分解図である。
【0016】
まず、ガラス基板のごとき、耐熱性、耐候性、および透光性を有する基板上に、熱CVD、プラズマCVD、スパッタ等を用いて、透明電極層,光電変換層,透明電極層,裏面金属電極層を順次成膜する。大面積化を図る場合には、各層を形成後、レーザスクライブ、エッチング等の手段を用いてパターニングを行い、集積化を施す。
このようにして作製した薄膜太陽電池セル1の金属電極上に、プラス側およびマイナス側の出力端子4および5を、薄膜太陽電池セル1の長辺と平行になるようにしてハンダ付けする。
【0017】
その後、薄膜太陽電池セル1と比較して、短辺が同じ長さで、長辺が薄膜太陽電池1より長い形状を有する裏面封止ガラス2と薄膜太陽電池セル1とを、薄膜太陽電池セル1と同じ大きさ、もしくは短長辺とも数cm程度大きい形状のシート状接着剤3で、ラミネータ等を用いて貼り合わせる。シート状接着剤3としては、EVA(Ethylene Vinyl Acetate)等が主に用いられる。
【0018】
その後、出力端子4および5について、逆流防止装置6を両端子間に設置する。これは、他のモジュールや外部電気配線等から、薄膜モジュールに逆方向電圧が過大に加えられた際、該モジュールがその電圧によって破損することを防ぐことが目的である。
その後、出力端子4、5および逆流防止装置6を覆うのに充分な大きさを持ち、かつ充分な耐候性を有する配線保護部材7を、出力端子4、5および逆流防止装置6の上から、例えば、シリコーン等の疎水性接着剤を用いて貼り付ける。
配線保護部材7の大きさであるが、幅は薄膜太陽電池セル1の短辺の長さと同一、奥行きは薄膜太陽電池セル1と裏面封止ガラス2の各長辺の差と同一、高さは薄膜太陽電池セル1の厚さと同一になるようにすると、作製した薄膜太陽電池モジュールは全体として凹凸のない形状となる。
【0019】
また、配線保護部材7の各側面には、薄膜太陽電池モジュール出力用ケーブル8および9がそれぞれ設けられていて、各ケーブルは配線保護部材の内側にて、薄膜太陽電池モジュールの出力端子4および5とそれぞれ接続される。出力ケーブル8および9を配線保護部材7の側面に設けることにより、薄膜太陽電池モジュールの受光面および裏面に余分な凹凸を生じさせることを避けることができる。
【0020】
薄膜太陽電池モジュールの出力を取出すのにケーブルを用いたが、配線保護部材7に出力取り出し用のコネクタを直接設けることも可能であり、そうすることにより、平面に隙間なく薄膜太陽電池モジュールを敷き詰めることが可能となる。
また、出力ケーブルはプラス側およびマイナス側各1本で合計2本とであるが、出力ケーブルとセルの出力端子の接続方法を工夫することにより、出力ケーブルを2芯ケーブル1本にすることも可能である。
【0021】
以上の方法により作製された薄膜太陽電池モジュールは、従来の薄膜太陽電池モジュールの製造方法と比較して、製造工程の複雑化とそれによる製造コストの上昇を招くことなしに、外観意匠性および施工性に優れた薄膜太陽電池モジュールとなる。
【0022】
【実施例】
以下、図1および2を参照して、本発明の薄膜太陽電池モジュールの製造方法を説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
【0023】
まず、45cm×65cm×0.4cmのガラス基板上に、熱CVD、プラズマCVD、スパッタ等を用いて透明電極層、光電変換層、透明電極層および裏面金属電極層を順次成膜して薄膜太陽電池セル1を得る。本実施例においては、熱CVDにより透明電極層、プラズマCVDにより光電変換層、スパッタにより透明電極層および裏面金属電極層を成膜した。
次いで、薄膜太陽電池セル1の金属電極上に、プラス側およびマイナス側の出力端子4および5をハンダ付けした。このとき、出力端子4および5は、薄膜太陽電池セル1の一方の短辺に長辺と平行になるように配置し、薄膜太陽電池セル1から突出させて付設した。
【0024】
その後、図2に示すように、薄膜太陽電池セル1を受光面側に薄膜太陽電池セル1と同じサイズのエチレンビニルアセテート(EVA)製のシート状接着剤3を重ね、さらに45cm×68cm×0.4cmの裏面封止ガラス2を重ね合わせ、それらをラミネータを用いて貼り合わせた。貼り合わせる際、薄膜太陽電池セル1の短辺のうち出力端子4および5が付設されていない短辺の端面と裏面封止ガラス2の短辺の端面とが一致するように、また、それぞれの長辺2辺の端面が一致するように位置合わせを行った。
【0025】
その後、出力端子4および5の間に逆流防止装置6を設置した。さらに、出力端子4、5および逆流防止装置6を覆うのに充分な大きさを持ち、かつ充分な耐候性を有する配線保護部材7の側面に出力用ケーブル8および9を設けた。この配線保護部材7を、出力端子4、5および逆流防止装置6の上から、疎水性のシリコーン系接着剤を用いて貼り付け、出力用ケーブル8および9を配線保護部材の内側にて、それぞれ、出力端子4および5と接続した。
【0026】
配線保護部材7の大きさは45cm×3cm×0.4cmとした。すなわち、幅は薄膜太陽電池セル1の短辺の長さと同一、奥行きは薄膜太陽電池セル1と裏面封止ガラス2の各長辺の差と同一、高さは薄膜太陽電池セル1の厚さと同一である。さらに、出力ケーブル8および9を配線保護部材7の側面に設けたことにより、作製した薄膜太陽電池モジュールの受光面および裏面に余分な凹凸を生じさせず、全体として凹凸のない形状となった。
【0027】
【発明の効果】
本発明の方法により作製された薄膜太陽電池モジュールは、従来の薄膜太陽電池モジュールの製造方法と比較して、製造工程の複雑化とそれによる製造コストの上昇を招くことなしに、外観意匠性および施工性に優れている。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の薄膜太陽電池モジュールの概略図である。
【図2】 本発明の薄膜太陽電池モジュールの分解図である。
【図3】 従来の薄膜太陽電池モジュールの概略図である。
【符号の説明】
1.薄膜太陽電池セル
2.裏面封止ガラス
3.シート状接着剤
4.プラス側出力端子
5.マイナス側出力端子
6.逆流防止装置
7.配線保護部材
8.プラス側出力用ケーブル
9.マイナス側出力用ケーブル
Claims (9)
- 薄膜太陽電池セル基板、裏面封止材料基板、電気出力端子および逆流防止装置を含む薄膜太陽電池モジュールにおいて、
裏面封止材料基板上に薄膜太陽電池セル基板および配線保護部材が接着され、ここに、該薄膜太陽電池セル基板と該配線保護部材とを合わせた形状は該裏面封止材料基板と同一の形状であり、かつ、前記電気出力端子および逆流防止装置は該配線保護部材に収納されて、全体として凹凸のない形状をしていることを特徴とする薄膜太陽電池モジュール。 - 長方形の裏面封止材料基板上に、
該裏面封止材料基板の幅と同一長の幅および該封止材料基板の長さよりも短い長さを有する薄膜太陽電池セル基板と、
該裏面封止基板の幅と同一長の幅、該裏面封止材料基板の長さと薄膜太陽電池セル基板の長さとの差と同一の長さおよび該薄膜太陽電池セル基板の厚さと同一の厚さを有する配線保護部材とが接着されていることを特徴とする請求項1記載の薄膜太陽電池モジュール。 - 該薄膜太陽電池セル基板の受光面および該配線保護部材が該裏面封止材料基板に接着されていることを特徴とする請求項1または2記載の薄膜太陽電池モジュール。
- 電気出力端子が該薄膜太陽電池セル基板と該裏面封止基板との間から引き出されていることを特徴とする請求項1ないし3いずれか1記載の薄膜太陽電池モジュール。
- 該電気出力端子に接続される出力ケーブルが該配線保護部材のモジュール側面に設置されていることを特徴とする請求項4記載の薄膜太陽電池モジュール。
- 該薄膜太陽電池セル基板の受光面がエチレンビニルアセテート製のシート状接着剤により該裏面封止材料基板に接着されていることを特徴とする請求項3ないし5いずれか1記載の薄膜太陽電池モジュール。
- 該シート状接着材のサイズが該薄膜太陽電池セル基板と同一である請求項6記載の薄膜太陽電池モジュール。
- 該配線保護部材が疎水性接着剤で接着されている請求項6または7記載の薄膜太陽電池モジュール。
- 該疎水性接着剤がシリコーン系接着剤である請求項8記載の薄膜太陽電池モジュール。
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