JP3730007B2 - バルブタイミング制御式内燃機関の構造 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、吸気弁又は吸気弁及び排気弁に対するバルブタイミング制御装置を備えた内燃機関の構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
先行技術としての特開平4−109007号公報における第6図には、この種のバルブタイミング制御式内燃機関において、シリンダヘッドの上面における動弁機構室内に配設したカム軸を、シリンダヘッドの上面に一体的に設けた軸受け部と、前記シリンダヘッドの上面に締結されるヘッドカバーに一体的に設けた軸受けキャップ体とで軸支して、このカム軸と、このカム軸に被嵌した入力用動力伝達輪(例えば、タイミングプーリ等)との間に、油圧式のバルブタイミング可変機構を設ける一方、前記ヘッドカバーのうち軸受けキャップ体の箇所に、油圧源からの油圧を当該軸受けキャップ体に設けた油圧通路及びカム軸の内部に設けた油圧通路を介して前記バルブタイミング可変機構に供給する状態と、前記油圧源からの油圧及びバルブタイミング可変機構の油圧を油圧逃がしポートに開放する状態とに切り換えるための油圧切換弁を設けると言う構成にすることが記載されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、この先行技術のものは、シリンダヘッドの上面に、その動弁機構室を密閉するように取付けられる比較的大型のヘッドカバーに、カム軸に介する軸受けキャップ体を一体的に設け、この軸受けキャップ体に、バルブタイミング制御用の油圧切換弁の弁ケースを一体的に設けると共に、カム軸におけるバルブタイミング可変機構への油圧通路及び油圧逃がしポートを設けたものであることにより、軸受けキャップ体を含めたヘッドカバーの全体の形状及び構造が可成り複雑になるばかりか、このヘッドカバーが更に大型になるから、このヘッドカバーの製造に多大の手数を必要として、価格が大幅にアップすることに加えて、内燃機関の全体の大型化を招来すると言う問題があった。
【0004】
本発明は、これらの問題を解消することを技術的課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この技術的課題を達成するため本発明の請求項1は、
「シリンダブロックに締結のシリンダヘッドの上面に軸支したカム軸と、このカム軸と当該カム軸への入力用スプロケットとの間に設けた油圧式のバルブタイミング可変機構と、前記入力用スプロケットとクランク軸上の出力用スプロケットとの間に巻掛けしたタイミングチエンと、前記シリンダブロック及びシリンダヘッドの側面に前記タイミングチエンを覆うように取付けたチエンカバーとから成る内燃機関において、
前記バルブタイミング可変機構に対する油圧の給排を行うための油圧切換弁を、前記チエンカバーに取付ける一方、前記チエンカバーには、前記油圧切換弁に油圧を供給する油圧ポートと、前記油圧切換弁からの油圧逃がしポートとを設けて、前記チエンカバーを前記シリンダヘッドに対して取付けるとき、前記油圧ポートが前記シリンダヘッド側に設けた前記バルブタイミング可変機構に対する油圧通路に連通するように構成し、更に、前記油圧逃がしポートを、前記チエンカバー内に、当該油圧逃がしポートからの潤滑油にてチエンカバー内における前記タイミングチエンを潤滑するように開口する。」
という構成にした。
【0006】
また、本発明の請求項2は、
前記請求項1の記載において、前記チエンカバー内に、前記油圧逃がしポートからの潤滑油を前記タイミングチエンに誘導するようにしたガイド板を設ける。」
という構成にした。
【0007】
更にまた、本発明の請求項3は、
前記請求項1又は2の記載において、前記チエンカバー内に、前記タイミングチエンにおける引っ張り側と緩み側とのうち緩み側の部分に、当該タイミングチエンを前記入力用スプロケットの下部内側に入り込むようにガイドするチエンガイドを設ける一方、前記油圧切換弁を、前記チエンカバーのうち前記入力用スプロケットの下部の部分に設ける。」という構成にした。
【0008】
加えて、本発明の請求項4は
前記請求項1の記載において、前記チエンカバー内に、前記タイミングチエンにおける引っ張り側と緩み側とのうち緩み側の部分に、当該タイミングチエンを前記入力用スプロケットの下部内側に入り込むようにガイドするチエンガイドを設ける一方、前記油圧切換弁を、前記チエンカバーのうち前記入力用スプロケットの下部の部分に設け、更に、前記 チエンカバーの内面に、前記油圧逃がしポートからの潤滑油を前記タイミングチエンのうち引っ張り側の部分に導くようにしたガイド板を、前記クランク軸の方向から見て、当該ガイド板が前記タイミングチエンのうち緩み側を横切って引っ張り側に向かって延びるように設ける。」
という構成にした。
【0009】
【発明の作用・効果】
このように、バルブタイミング可変機構に対する油圧切換弁を、タイミングチエンに対するチエンカバーに設けるものであることにより、前記先行技術のように、前記油圧切換弁を設けることのためにシリンダヘッドの上面を覆うヘッドカバーの全体の形状及び構造が複雑になること及びこのヘッドカバーが大型化することを回避できる。
【0010】
また、前記油圧切換弁における油圧逃がしポートが前記チエンカバー内に開口したことにより、前記油圧切換弁から排出される潤滑油によってタイミングチエンを潤滑するものであるから、前記タイミングチエンに対する潤滑油の供給経路を別に設けることを省略できるのである。
【0011】
従って、本発明によると、前記したように、ヘッドカバーの全体の形状及び構造が複雑になること及びこのヘッドカバーが大型化することを回避できることと、タイミングチエンに対する潤滑油の供給経路を別に設けることを省略できることが相俟って、製造コストの低減と、内燃機関の小型化とを達成できる効果を有する。
【0012】
この場合において、請求項2に記載した構成にすることにより、タイミングチエンに対する潤滑性をより向上できると共に、前記油圧逃がしポートから排出される潤滑油が、チエンカバー内の全体にわたって飛散することによる潤滑油の劣化を低減できる。
【0013】
また、請求項3に記載した構成にすることにより、前記入力用スプロケットの下部における空間を、油圧切換弁を設けることに利用できる。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を、図1〜図3の図面について説明する。
【0015】
この図において符号1は、シリンダブロックを、符号2は、このシリンダブロック1の上面に締結したシリンダヘッドを各々示す。このシリンダヘッド2の上面には、吸気弁用のカム軸3と、排気弁用のカム軸4とが平行に配設され、且つ、軸受け部5にて回転自在に軸支され、また、前記シリンダヘッド2の上面には、その上面を覆うヘッドカバー6が着脱自在に取付けられている。
【0016】
前記吸気弁用カム軸3上の入力用スプロケット7及び排気弁用カム軸4上の入力用スプロケット8と、前記シリンダブロック1下部のクランク軸9上の出力用スプロケット10との間には、クランク軸9の回転を前記両カム軸3,4に伝達するためのタイミングチエン11が巻掛けされている。
【0017】
この場合において、前記タイミングチエン11のうち前記吸気弁用カム軸3上の入力用スプロケット7とクランク軸9上の出力用スプロケット10との間の部分、つまり、当該タイミングチエン11における緩み側の部分は、薙刀状のチエンガイド12にて、前記入力用スプロケット7の下部内側に入り込むようにガイドされ、前記シリンダブロック1及びシリンダヘッド2の側面には、前記タイミングチエン11の全体を覆うチエンカバー13が着脱自在に取付けられている。なお、前記チエンガイド12の上端は、チエンテンショナー28により内向きに押圧付勢されている。
【0018】
また、前記吸気弁用カム軸3と、当該カム軸3上の入力用スプロケット7との間には、例えば、特開平4−109007号公報及び特開平8−210158号公報等に記載されている油圧式のバルブタイミング可変機構14が設けられ、このバルブタイミング可変機構14への油圧の供給により、吸気弁のバルブタイミングを進角方向又は遅角方向に制御するように構成されている。
【0019】
そして、前記チエンカバー13のうち前記吸気弁用カム軸3上の入力用スプロケット6の略真下部分には、弁ケース15を一体的に設けて、この弁ケース15に、電磁式のアクチェータ17を備えた油圧切換弁16を設ける。
【0020】
一方、前記チエンカバー13の内面のうち前記弁ケース15の箇所には、油圧ポート用のボス部18を、チエンカバー13のシリンダヘッド2に対する取付けにより当該ボス部18の先端面がシリンダヘッド2の側面に密着するように一体的に設けることにより、このボス部18に穿設した前記油圧切換弁16に対する三つの油圧ポート19,20,21のうち一つの油圧ポート19を、シリンダヘッド2側に穿設した潤滑油ポンプ(図示せず)からの油圧源通路(図示せず)に、残りの二つの油圧ポート20,21をシリンダヘッド2側に穿設した油圧通路22,23の各々に連通するように構成することにより、前記シリンダヘッド2側における油圧源通路から油圧ポート19を介して供給される油圧を、電磁式のアクチェータ17にて切換え作動する油圧切換弁16により、前記一つの油圧ポート20、シリンダヘッド2側に設けた油圧通路22及びカム軸3に穿設した油圧通路24を介して前記バルブタイミング可変機構14における進角室に油圧を供給する状態と、前記一つの油圧ポート21、シリンダヘッド2側に設けた油圧通路23及びカム軸3に穿設した油圧通路25を介して前記バルブタイミング可変機構14における遅角室に供給する状態と、油圧逃がしポート26に開放する状態とに切り換えるように構成する一方、前記油圧逃がしポート26を、前記チエンカバー13の内部に、当該油圧逃がしポート26からの潤滑油にて前記タイミングチエン11を潤滑するように開口するという構成にする。
【0021】
このように構成することにより、吸気弁用カム軸3に設けたバルブタイミング可変機構14に対する油圧の給排を行うための油圧切換弁16を、タイミングチエン11の全体を覆うチエンカバー13に取付けることができるから、前記先行技術のように、この油圧切換弁16を設けることのためにシリンダヘッド2の上面を覆うヘッドカバー6の全体の形状及び構造が複雑になること及びこのヘッドカバーが大型化することを回避できる。
【0022】
また、前記油圧切換弁16における油圧逃がしポート26を、前記チエンカバー13内に開口したことにより、前記油圧切換弁16から排出される潤滑油によってタイミングチエン11を潤滑するから、前記タイミングチエン11に対する潤滑油の供給経路を別に設けることを省略できるのである。
【0023】
この場合において、チエンケース13の内面にガイド板27を、前記クランク軸9の方向から見た図1において、当該ガイド板27が前記タイミングチエン11のうち緩み側を横切って引っ張り側に向かって延びるように設け、前記油圧逃がしポート26から排出される潤滑油を、このガイド板27に沿って、前記タイミングチエン11のうち前記排気弁用カム軸4上の入力用スプロケット8とクランク軸9上の出力用スプロケット10との間の部分、つまり、当該タイミングチエン11における引っ張り側の部分に導くように構成することにより、タイミングチエン11に対する潤滑性をより向上できると共に、前記油圧逃がしポート26から排出される潤滑油が、チエンカバー13内の全体にわたって飛散することによる潤滑油の劣化を低減できる利点がある。
【0024】
特に、前記したように、前記タイミングチエン11のうち前記吸気弁用カム軸3上の入力用スプロケット7とクランク軸9上の出力用スプロケット10との間の部分、つまり、緩み側の部分を、薙刀状のチエンガイド12にて、前記入力用スプロケット7の下部内側に入り込むようにガイドするように構成して、前記入力用スプロケット7の下部の部分に、前記油圧切換弁16を設けることにより、前記入力用スプロケット7の下部における空間を、油圧切換弁16を設けることに利用できる利点がある。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態を示す縦断正面図である。
【図2】 図1のII−II視拡大断面図である。
【図3】 図1のIII −III 視拡大断面図である。
【符号の説明】
1 シリンダブロック
2 シリンダヘッド
3 吸気弁用カム軸
4 排気弁用カム軸
5 軸受け部
6 ヘッドカバー
7 スプロケット
9 クランク軸
11 タイミングチエン
13 チエンカバー
14 バルブタイミング可変機構
15 弁ケース
16 油圧切換弁
17 アクチェータ
18 ボス部
19,20,21 油圧ポート
22,23 油圧通路
24,25 油圧通路
26 油圧逃がしポート

Claims (4)

  1. シリンダブロックに締結のシリンダヘッドの上面に軸支したカム軸と、このカム軸と当該カム軸への入力用スプロケットとの間に設けた油圧式のバルブタイミング可変機構と、前記入力用スプロケットとクランク軸上の出力用スプロケットとの間に巻掛けしたタイミングチエンと、前記シリンダブロック及びシリンダヘッドの側面に前記タイミングチエンを覆うように取付けたチエンカバーとから成る内燃機関において、
    前記バルブタイミング可変機構に対する油圧の給排を行うための油圧切換弁を、前記チエンカバーに取付ける一方、前記チエンカバーには、前記油圧切換弁に油圧を供給する油圧ポートと、前記油圧切換弁からの油圧逃がしポートとを設けて、前記チエンカバーを前記シリンダヘッドに対して取付けるとき、前記油圧ポートが前記シリンダヘッド側に設けた前記バルブタイミング可変機構に対する油圧通路に連通するように構成し、更に、前記油圧逃がしポートを、前記チエンカバー内に、当該油圧逃がしポートからの潤滑油にてチエンカバー内における前記タイミングチエンを潤滑するように開口することを特徴とするバルブタイミング制御式内燃機関の構造。
  2. 前記チエンカバー内に、前記油圧逃がしポートからの潤滑油を前記タイミングチエンに導くようにしたガイド板を設けることを特徴とする前記請求項1に記載したバルブタイミング制御式内燃機関の構造。
  3. 前記チエンカバー内に、前記タイミングチエンにおける引っ張り側と緩み側とのうち緩み側の部分に、当該タイミングチエンを前記入力用スプロケットの下部内側に入り込むようにガイドするチエンガイドを設ける一方、前記油圧切換弁を、前記チエンカバーのうち前記入力用スプロケットの下部の部分に設けることを特徴とする前記請求項1又は2に記載したバルブタイミング制御式内燃機関の構造。
  4. 前記チエンカバー内に、前記タイミングチエンにおける引っ張り側と緩み側とのうち緩み側の部分に、当該タイミングチエンを前記入力用スプロケットの下部内側に入り込むようにガイドするチエンガイドを設ける一方、前記油圧切換弁を、前記チエンカバーのうち前記入力用スプロケットの下部の部分に設け、更に、前記チエンカバーの内面に、前記油圧逃がしポートからの潤滑油を前記タイミングチエンのうち引っ張り側の部分に導くようにしたガイド板を、前記クランク軸の方向から見て、当該ガイド板が前記タイミングチエンのうち緩み側を横切って引っ張り側に向かって延びるように設けることを特徴とする前記請求項1に記載したバルブタイミング制御式内燃機関の構造。
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