JP3730367B2 - 有機性排水処理方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、有機性排水の処理方法に関する。さらに詳しくは、排水の受け入れと生物学的処理は連続的な操作で行い、処理液の排出は回分式の操作により短時間で行う有機性排水の処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
有機性排水には、連続的に排出される産業排水、農業集落排水、家庭雑排水などの他、昼間だけ排出される排水がある。昼間だけ排出される産業排水、農業集落排水、家庭雑排水などは一般的に負荷変動が大きく、従来、このような負荷変動の大きな有機性排水の処理は、例えば図2に示すように、排水1を流量調整用の貯溜槽3に受け入れて貯溜し、流量を調整しながら、負荷変動を吸収して活性汚泥法や微生物担体を用いて連続的に生物学的処理を行う方法により実施されている。
【0003】
しかしながら、この方法では大きな貯溜槽を必要とするうえ、流量調整をするものの、負荷変動には対応しきれないきらいがあった。また、これらの生物学的処理方法では余剰汚泥の生成量が多く、この処理が大きな負担となっている。
【0004】
一方、一定時間の排水を貯溜しておいて、回分式で処理する方法も行われている。図3は、このような従来の回分式の有機性排水の処理方法を示すフロ−チャ−トである。3は貯溜槽であり、ここに1日分(又は1バッチ分)以上の流入水の貯溜を行う。貯溜した液は回分式処理槽13に送り、回分式処理槽で散気装置8により瀑気を行い、好気性処理により排水中のBOD成分を分解させるとともに、アンモニア性窒素の硝化を行う。その後、瀑気を止めて嫌気性処理により脱窒を行い、沈殿槽12又は回分式処理槽13で汚泥を沈降分離して処理水を得る。
【0005】
さらに別の回分式処理装置として、特開平7−136681号公報には、瀑気工程中は処理水とともに自由に浮遊移動し、沈殿工程では汚泥とともに沈降する移動型の担体を処理槽内に多数投入した汚水処理装置で、上澄水のみを容易に排出することが可能な汚水処理装置が開示されている。
【0006】
しかしながら、この処理装置を使用する場合でも、処理中に出てくる排水を貯溜するための大きな貯溜槽が必要となる。また、1槽の接触曝気方式では脱窒は必ずしも十分ではない。
【0007】
さらに、回分式の操作で脱窒を行う方法として、同一の槽で間欠曝気を行うことにより、硝化処理と脱窒処理を繰り返す方法が知られているが、好気性条件と嫌気性条件の切り替えに一定の時間を要するため、効率が悪い。この点を改良したものとして、特開平3−213197公報には、回分槽を脱窒区域と硝化区域に区画し、硝化区域に硝化菌を担持した担体を流動させる汚水処理装置が開示されており、担体が流出しないように、流出口が流入口より上方に位置するように設けられている。
【0008】
しかしながら、この方法においても、脱窒に関しては改善されるものの、処理中に出てくる排水を貯溜するための大きな貯溜槽は依然として必要である。また、この汚水処理装置の硝化槽の上部出口の傾斜板にはスクリーンやウエッジワイヤーなどが設けられており、曝気用空気と硝化担体が衝突して、目詰まりを少なくする工夫がなされているが、傾斜板は散気装置から離れた槽の上方に設けられているため、衝突の勢いが弱く、目詰まりの解消には至っていない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
上記方式はいずれも、負荷変動の大きい排水の処理において水質の維持に寄与するものではあるが、この種の排水処理には処理水質の高品質化だけでなく、余剰汚泥の発生が少ないことが要求されてきており、また、処理装置としては、設置スペースが小さいものが要求されてきており、かかる点を満足する排水処理方法や処理装置は未だ見当たらない。したがって、本発明の目的は、上記のような欠点を解消した、処理能力が高く、しかも余剰汚泥の発生量の少ない有機性排水の処理方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、鋭意検討を重ね、負荷変動の大きな有機性排水を生物学的に処理するに当たり、排水の受入れと生物学的処理は連続的な操作で行い、処理液の排出は排水の受入れが少ない時に回分式の操作で短い時間で行い、処理液の排出を行っている間は有機性排水を貯溜槽に受け入れることにより、上記課題が解決されることを見出だし、本発明に至った。すなわち、本発明は、負荷変動の大きな有機性排水を微生物担体を用いて生物学的に処理するにあたり、排水の受入れと生物学的処理は連続的な操作で行い、処理液の排出は排水の受入れが少ない時に回分式の操作で行い、処理液の排出を行っている間は有機性排水を貯溜槽に受け入れることを特徴とする有機性排水の処理方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、図により、本発明の有機性排水の処理方法をさらに具体的に説明する。本発明の方法において、負荷変動の大きな有機性排水は微生物担体により生物学的に処理される。生物学的処理は、少なくとも脱窒槽と硝化槽から構成される装置を設け、これらの槽に、微生物を固定化した担体を充填して行うのが好ましい。図1は本発明の有機性排水の処理方法を示すフローチャートの一例であり、図1に記載の処理装置は、上記のように構成された例である。
【0012】
窒素化合物を含む有機性排水1はまずスクリーン2などで大きな浮遊物などが除かれ、脱窒槽4に流入する。脱窒槽4と硝化槽7には、それぞれ硝化菌と脱窒菌を固定化した微生物担体9を運転下限水量で予め流動させておく。脱窒槽4において、微生物担体9は、脱窒槽4の底部に設けられた攪拌装置5で流動させるか、硝化槽7からの循環液の流入エネルギーにより流動させればよい。また、硝化槽7における微生物担体9は、散気装置8から空気を散気させて流動させればよい。排水は、脱窒槽4において嫌気条件下で処理される。
【0013】
脱窒菌を固定化するための担体としては、高分子担体、多孔質無機化合物などを例示することができるが、後述のように沈降性の担体を使用するのが好ましい。沈降性の担体としては、比重が1に近すぎるものは沈降性が十分ではなく、またあまり大きいと流動性が悪くなるので、1.01〜1.20の比重を有するものが好ましい。かかる点で、ポリビニルアルコ−ルゲルは、比重が1.03と流動エネルギーが小さくてすみ、かつ沈降過程で短時間で担体が沈降するので好ましい担体であり、しかも、耐久性、耐機械磨耗性の点でも優れており、攪拌下での使用に適した担体である。
【0014】
脱窒槽4の底部水中にはスクリーン10が設けられ、該スクリーンにより、担体が処理液へ流出するのを防ぐことができる。脱窒槽4の液は連通管又はポンプ(図示せず)で硝化槽7に送られ、脱窒槽4の水量が増加したのに見合うだけ硝化槽7の水量が増加するように保たれる。
【0015】
脱窒槽4から硝化槽7に導入された処理液は、硝化槽7で好気性条件下で処理される。硝化槽7には、硝化菌を固定化した微生物担体9が充填される。該担体は脱窒菌を固定化したものと通常は同じものが使用されるが、別であってもよい。微生物担体9として、ポリビニルアルコ−ルゲルなどに予め脱窒菌及び硝化菌を固定化したものを使用してもよいが、ポリビニルアルコ−ルゲルなどの担体粒子を槽に投入して、菌が自然に付着したものを利用してもよい。硝化槽7の底部水中にもスクリーン10を設けることにより、脱窒槽と同様、担体が処理液へ流出するのを防ぐことができる。スクリーン10の下部には散気装置8が設けられており、硝化に必要な酸素を供給するとともに、担体を流動させる。
【0016】
硝化槽7のスクリーンの下部にはエアリフトポンプ(図示せず)など硝化液を脱窒槽4に循環する設備が設けられる。この際、脱窒槽4から連通管で硝化槽7へ送液される場合は邪魔板6を設けて、液の短絡を防止するのがよい。硝化槽7で処理された液は脱窒槽4へ循環される。
【0017】
本発明の処理方法において、排水の受入れと生物学的処理は連続的な操作で行い、処理液の排出は回分式の操作で行われる。すなわち、本発明の処理方法を実施する場合、通常排水の受入れと生物学的処理は昼間行われ、処理液の排出は夜間など排水の受入れが少ない時に行われる。したがって、硝化槽7から処理液の排出を行っている間、排水の受入れを停止できる場合は受入れを停止するが、受入れを停止できない場合は、別に貯溜槽を設けて排水の受入れを連続的にしておく方が排水の発生源への影響が少なくて済むので、好ましい。
【0018】
本発明の処理方法においては、排水を受け入れながら、排出をせずに脱窒槽4と硝化槽7を循環しながら処理が行われるので、大きな貯溜槽は不要であり、処理液の排出は0.5〜1時間程度の短時間で行われるので、貯溜槽を設ける場合でもせいぜい0.5〜1時間程度の貯溜に耐える小さな貯溜槽を設ければよい。加えて処理が不十分な排水が排出されることもないので、良好な水質が維持される。
【0019】
さらに、生物による有機物の酸化処理における余剰汚泥の発生は菌の存在量に対する有機物負荷が小さいと少なくなることが知られているので、BOD(kg)/MLSS(kg)を小さくすることが重要である。標準活性汚泥法ではMLSSは通常2000〜3000と言われており、これ以上高くすると汚泥の沈降性が悪くなって、沈降処理した後の水質が悪化する問題がある。担体を用いるとMLSS濃度を高くとれるが、あまり高濃度とすると費用がかかる。本発明では、液の受け入れとともに担体の濃度は下がっていくが、初期を中心に担体濃度の高い範囲が広くとれるので、余剰汚泥の発生を通常の1/3と大幅に削減することができる。
【0020】
上記処理を続けた後、排水負荷の低い時間帯を選んで、適当な頻度で担体の流動を停止する。脱窒槽4に攪拌装置を用いている場合は、これを停止する。硝化槽7では散気を停止する。これにより、担体は速やかに沈降する。沈降した担体は浮遊汚泥の濾過材としての機能も果たすことができる。すなわち、担体の流動停止後、一定時間硝化液の脱窒槽への循環を継続して、硝化槽のスクリーン下部の処理液を清澄とした後、脱窒槽、硝化槽とも運転可能な下限液量まで処理液を排出する。一連の排出操作は0.5〜1時間で実施することができる。この間に排水の流入があった場合、脱窒槽および硝化槽に有機性物質、窒素ともに十分除去された液が多量にあるので、通常は放流規格を満足するのでそのまま希釈して放流してもよいが、前述のように、この間の排水を受け入れるための小さな貯溜槽を設けることも有効である。
【0021】
脱窒槽4と硝化槽7に投入された微生物担体9は濾過材としても使用されるが、処理液の排出が終わると、微生物担体9の流動を開始し、排出期間中に排水を貯溜している場合は、脱窒槽4へ排水の受け入れを開始する。脱窒槽及び/又は硝化槽の処理液を排出したときに、運転可能な下限液量の処理液を残すか、新たに液を入れて微生物担体9を流動させると、スム−ズに運転が再開され、好ましい。また、濾過材として用いた担体は、1回の排出操作ごとに解きほぐされるので、通常の濾過槽のように特別な逆洗をすることなく、継続して使用できるのも本発明の方法のメリットである。
【0022】
硝化槽7で担体と処理液とを分離するスクリーン10のすぐ下には散気装置8が設けられているので、スクリーンは目詰まりすることなく運転することができる。脱窒槽4に攪拌装置を設ける場合もスクリーンのすぐ下に攪拌装置5を設けることにより、スクリーンの目詰まりを防止することができる。
【0023】
【発明の効果】
本発明により、昼間だけ運転される産業排水や、農業集落排水、家庭雑排水など負荷変動の大きな有機性排水を効率よく処理する方法が提供される。本発明の処理方法によれば、排水の受入れと生物学的処理は連続的な操作で行われ、処理液の排出は回分式の操作で行われるので、処理水質の高品質化が可能で、余剰汚泥の発生は少なく、使用する処理装置の設置スペースも小さくて済む。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の有機性排水処理方法を示すフローチャートの一例である。
【図2】従来の連続式の有機性排水処理方法を示すフローチャートである。
【図3】従来の回分式の有機性排水処理方法を示すフローチャートである。
【符号の説明】
1 排水
2 スクリーン
3 貯溜槽
4 脱窒槽
5 攪拌装置
6 邪魔板
7 硝化槽
8 散気装置
9 微生物担体
10 スクリーン
11 処理液
12 沈殿槽
13 回分式処理槽

Claims (5)

  1. 負荷変動の大きな有機性排水を微生物担体を用いて生物学的に処理するにあたり、排水の受入れと生物学的処理は連続的な操作で行い、処理液の排出は、排水の受入れが少ない時に回分式の操作で行い、処理液の排出を行っている間は有機性排水を貯溜槽に受け入れることを特徴とする有機性排水の処理方法。
  2. 生物学的処理が、少なくとも脱窒槽と硝化槽から構成される装置を設け、処理液を循環させて処理する請求項の処理方法。
  3. 脱窒槽及び/又は硝化槽に微生物担体を充填して生物処理を行う請求項の処理方法。
  4. 微生物担体が沈降性の担体である請求項1〜いずれかの処理方法。
  5. 微生物担体がポリビニルアルコールゲルに菌を固定化した担体である請求項1〜いずれかの処理方法。
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