JP3737886B2 - プローブ装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンタクトプローブがプリント基板に組み込まれて、半導体ICチップやLSIチップ等の被検査部材の各端子に接触させて電気的なテストを行うために用いられるプローブ装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、ICチップやLSIチップ等の半導体チップ等の被検査部材の電気的なテストを行うために、コンタクトピンが備えられたコンタクトプローブがプリント基板に装着されたプローブ装置が用いられている。
このようなプローブ装置の一例として、例えば図9及び図10に示すようにコンタクトプローブとしてタングステン針を用いたものがある。このプローブ装置1では、プリント基板2は略円板形状をなし、その中央部に開口部3が形成されている。そしてプリント基板1の一方の面であるデバイス面4には、開口部3の外周部に例えば略90°間隔で4方向にコンタクトプローブ5が配設され開口部3で向かい合っている。
コンタクトプローブ5は、複数本のタングステン針6…が配列されてなり、その一端はプリント基板2のパターン配線(図示せず)にはんだ等で接続されており、他端である先端部6a…はコンタクトピンとして開口部3から突出してICチップなどの被検査部材と接触させられる。
【0003】
ここで、各タングステン針6は先端部6aに向けてプリント基板2のデバイス面4から次第に離間するように下方に傾斜配置され、デバイス面4の開口部3付近に取り付けられた樹脂からなる保持部7で所定角度の傾斜位置に固定されている(図10参照)。
またプリント基板2のデバイス面4と反対側の面であるテスターとの接続を行う接続面8には、補強用のリング状の金属板9がネジなどで取り付けられて開口部3の周囲に配設されている。
【0004】
ところで、ICチップなどの高集積化及び微細化に伴ってプローブ装置に用いられるコンタクトピンの多ピン狭ピッチ化が要望されており、タングステン針6…のコンタクトプローブではこのような多ピン狭ピッチ化への対応が困難となっていた。
これに対して図11に示すようなコンタクトプローブの技術が例えば特公平7−82027号公報で提案されている。このコンタクトプローブ11は、複数のパターン配線13が樹脂フィルム12上に形成され、これらのパターン配線13の各先端が樹脂フィルム12から突出状態に配されてコンタクトピン13aとされている。
この技術では、例えばフォトリソ法で製造された複数のパターン配線13の先端をコンタクトピン13aとすることによって、多ピン狭ピッチ化を図るものである。
このようなコンタクトプローブ11をプローブ装置に組み込んでICチップ等のテストに供される。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、前者のようなプローブ装置1を80℃〜150℃程度の高温テストに供して高温下で用いると、プリント基板2は通常ガラスエポキシ樹脂等で構成されているために熱膨張することになり、特にその厚み方向(図10で矢印z方向)に膨張してタングステン針6…がICチップのパッドと位置ずれを起こし接触不良を生じるという問題が生じる。
また後者のコンタクトプローブ11を用いたプローブ装置の場合でも、同様に高温テストに用いると、プリント基板の配線パターンにハンダなどで接続されているコンタクトプローブ11に位置ずれが生じ、その先端部であるコンタクトピン13aがICチップのパッド等の端子と位置ずれを起こし接触不良を生じるという同様な問題が生じる。
【0006】
タングステン針6…を用いたプローブ装置1では、プリント基板2の熱膨張を抑制するために補強用の金属板9が固定治具として取り付けられているが、プリント基板2の接続面8にのみ設けられているために、プリント基板2の熱膨張による変形を抑制できず、タングステン針6の位置ずれを防止できなかった。特にデバイス面4には配線パターンが設けられているために接続面8よりも高温になり一層膨張しやすいために、プリント基板2の変形を助長することになる。
しかも、金属板9の下面9bはプリント基板2に接するために、デバイス面4に設けられた配線パターンの発熱を受けて高温になり上面9aよりも膨張して湾曲してしまう。そのため、プリント基板2も熱変形して湾曲を生じてしまう。またプローブ装置1について高温状態にして、タングステン針6…をICチップのパッドなどと位置合わせしても、温度が常温に低下すると、プリント基板2は熱膨張しているために収縮率が小さくて元の寸法には戻らないが、金属板9は収縮して元の寸法に戻ってしまうために針先がずれてしまい、室温でのテストができない。その後、再度高温にしてもプリント基板2の変形等のために良好なテストができないという問題が残る。
【0007】
特に近年、ICチップやLSIチップ等の検査条件は高温化が進み、150℃程度にまで達しているために、プリント基板の熱変形によってコンタクトピンはICチップなどの被検査部材との位置ずれが一層生じ易くなっている。
本発明は、上述のような課題に鑑みて、プリント基板の熱変形を抑えて高温下での電気的テストを良好に行えるようにしたプローブ装置を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明によるプローブ装置は、プリント基板にコンタクトプローブが接続され、該コンタクトプローブの先端部をなすコンタクトピンがプリント基板の開口部から突出してなるプローブ装置において、プリント基板の上下面にはプリント基板の熱膨張を抑制する固定治具がそれぞれ固定され、プリント基板のコンタクトプローブが接続される側で、かつ配線パターンが設けられている側である一方の面に固定された第一の固定治具は、他方の面に固定された第二の固定治具よりも熱膨張係数が小さいことを特徴とする。
【0009】
また固定治具はプリント基板よりも熱膨張係数の小さい金属からなっていてもよい。高温状態のテストにおいて、熱膨張係数の小さい金属の固定治具によってプリント基板の熱膨張を抑制できるから、プリント基板に接続されたコンタクトピンが被検査部材の端子と位置ずれを起こすことを確実に抑制できる。
第一の固定治具は、プリント基板の熱膨張の大きい配線パターンが設けられた面、すなわちコンタクトプローブが接続される面に設ける。
またプリント基板のコンタクトプローブが接続される側である一方の面に固定された第一の固定治具は、他方の面に固定された第二の固定治具よりも熱膨張係数が小さいので、プリント基板の熱膨張の大きい方の面に熱膨張係数の小さい第一の固定治具を配設することで、プリント基板の熱膨張と熱変形を確実に抑制できる。
【0010】
また、被検査部材の電気的なテストで予定されている温度以上の温度で前もって加熱処理して熱膨張させた前記プリント基板を組み込んでもよい。
プリント基板は予め熱膨張させておくと温度が低下しても収縮が小さいから、高温テストの温度以上の温度で熱膨張させたものを用いてプローブ装置に組み込んでアライメントを行えば、高温状態でのテストの際に、プリント基板が改めて大きく熱膨張することが避けられ、コンタクトピンと被検査部材との位置ずれを確実に防止できる。好ましくは、固定治具の熱膨張係数は熱処理したプリント基板の熱膨張係数より小さいものとする。
また固定治具は、プリント基板とコンタクトプローブとの接続部を囲うように固定されていてもよい。高温状態でのテストの際、固定治具より内側でのプリント基板の熱膨張を抑えることができるから、コンタクトピンと被検査部材との位置ずれを防止できる。
【0011】
また本発明によるプローブ装置では、コンタクトプローブはフィルムが装着された配線パターンの先端部が突出してコンタクトピンとされた構成を備え、固定治具は、コンタクトプローブをプリント基板のパターン配線に接続するメカニカルパーツの外周側で、プリント基板に固定されていてもよい。
尚、固定治具はメカニカルパーツと一体または別体に構成されている。
固定治具によって、メカニカルパーツでコンタクトプローブが固定されたプリント基板の開口部側領域の熱変形や熱膨張を防止できる。
また、コンタクトプローブは先端がコンタクトピンとされたタングステン針とされ、一方の固定治具は、プリント基板のパターン配線及びコンタクトプローブの接続部と、コンタクトプローブを固定保持する保持部との間で、プリント基板に固定されていてもよい。他方の固定治具は一方の固定治具に対向して取り付けられている。
固定治具によってプリント基板の保持部が設けられた領域の熱膨張を防止でき、同時に固定治具の外周側に隣接するコンタクトプローブの接続部の熱膨張も抑制できる。
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を添付図面により説明する。
図1乃至図4は第一の実施の形態に関するもので、図1は実施の形態によるプローブ装置の分解斜視図、図2は図1に示すプローブ装置の縦断面図、図3は図1に示すコンタクトプローブの平面図、図4は図3に示すコンタクトプローブのA−A線縦断面図である。
図1及び図2に示すプローブ装置20は、例えばガラスエポキシ樹脂からなる円盤形のプリント基板22に、全体が柔軟で曲げやすいフレキシブルなコンタクトプローブ23がメカニカルパーツ24で装着されて概略構成されている。
コンタクトプローブ23は、例えばICプローブを示すものであり、図3及び図4に示すように、樹脂フィルム25(フィルム)の片面にNiまたはNi合金等で形成されるパターン配線26が接着剤で張り付けられた構成とされ、樹脂フィルム25の端部からパターン配線26の先端が突出してコンタクトピン26aとされている。尚、樹脂フィルム25の両側には位置決め孔25a,25aが穿孔されている。
【0013】
樹脂フィルム25はポリイミド樹脂PIに金属フィルム(銅箔)27が一体に設けられた二層テープである。この金属フィルム27はグラウンドとして用いることができ、これにより、プローブ装置の先端近くまでインピーダンスマッチングをとる設計が可能となり、高周波域でのテストを行う場合にも悪影響を防ぐことができる。
また樹脂フィルム25には、パターン配線26から得られた信号を引き出し用配線28を介してプリント基板22に伝えるための窓29が設けられている。
尚、コンタクトプローブ23はICチップIのパッドの配列方向に応じて複数枚配置でき、図1に示すプローブ装置20では4枚配設されている。
【0014】
そして図1及び図2に示すプローブ装置20において、円盤形のプリント基板22の中央部に例えば略四角形状の開口部31が形成されており、開口部31付近の上部に略四角形枠形状のトップクランプ32が取り付けられている。
コンタクトプローブ23は位置決めピン34を位置決め孔25aに挿入して略四角形枠形状のマウンティングベース33の下面に位置決めされて接着剤等で貼着されており、このマウンティングベース33の上面が開口部31の内側でトップクランプ32の下面にボルト35でネジ止めされている。これによって、パターン配線26とICチップIとを正確に位置合わせできる。しかもコンタクトプローブ23はマウンティングベース33の先端部がプリント基板22から離間する方向(図2で下方)に傾斜させられ、その延長上にコンタクトピン26aが突出している。
またコンタクトプローブ23に設けられた窓部29の部分の引き出し用配線28に、ボトムクランプ36の弾性体37を押しつけて、引き出し用配線28をプリント基板22の内側電極38に接触させている。
【0015】
しかもこのプローブ装置20のプリント基板22において、コンタクトプローブ23が装着される側の内側電極38が設けられた面をデバイス面40Aとし、その反対側の面を接続面40Bとしている。接続面40Bにおいて、その外周側には図示しないテスターとの接続用の外側電極41が周方向に配設されている。
またこの外側電極41はコード配線42やプリント基板22上の図示しない放射状の配線パターンを介して、コンタクトプローブ23の引き出し用配線28に接続させられる内側電極38に導通させられており、コンタクトプローブ23のパターン配線26から得られた信号を外側電極41を通して外部のテスターに伝達できるようになっている。
【0016】
またプローブ装置20において、 図1及び図2に示すように、プリント基板22のデバイス面40Aにはボトムクランプ36の外側に例えば補強用の略リング状の第一金属板45が第一の固定治具として装着されている。プリント基板22の接続面40Bにはトップクランプ32とコード配線42との間に第一金属板45と同様の補強用の略リング状の第二金属板46が第二の固定治具として装着されている。
そして両金属板45,46は好ましくは対向する位置に設けられ、締結ボルト47でプリント基板22を挟んで互いに連結固定されている。ここで、各金属板45,46は熱膨張係数の小さい材質の金属を用いるものとし、例えばFe基低熱膨張合金であるコバールを用いるとよい。
またプリント基板22のデバイス面40Aはパターン配線が設けられているために接続面40Bよりも高温になりやすいので、デバイス面40Aに装着する第一金属板45は接続面40Bに装着する第二金属板46よりも熱膨張係数の小さい材質にする。
【0017】
またプリント基板22は例えばガラスエポキシ樹脂等からなっていて予め熱処理して熱膨張させたものをプローブ装置20に組み込んで、メカニカルパーツ24を介してコンタクトプローブ23やICチップI等とのアライメントをとるようになっている。ここで、熱処理とは、高温下でのテストなどにプローブ装置20を用いる際、予定されている温度以上の温度で前もって加熱処理してプリント基板22を熱膨張させておくことをいう。その後に温度低下しても熱収縮の度合いが小さくなって元の寸法には戻らず、再度高温状態に置いても熱膨張の度合いが小さくなる。好ましくは、金属板45,46はこの熱処理されたプリント基板22より熱膨張係数が小さい。
【0018】
本実施の形態によるプローブ装置20は上述のように構成されているから、このようなプローブ装置20の開口部31から突出するコンタクトピン26a…を被検査部材であるICチップIにオーバードライブをかけて接触させ、例えば高温下で電気的テストを行う。この場合、温度は例えば150℃とする。この時、プリント基板22は予め熱処理されているために、例えば150℃の高温下に置かれても更に熱膨張する割合は小さい。しかもプリント基板22の両面に金属板45,46が配置されてボルト止めされている。
しかも、第一金属板45が装着されているプリント基板22のデバイス面40Aは反対側の接続面40Bよりも高温になり易く、従って熱膨張し易いが、両金属板45,46は熱膨張係数が小さく且つデバイス面40Aの第一金属板45の方がより小さい熱膨張係数とされており、しかも同時に膨張するために、プリント基板22が一方の面側に湾曲することはなくその厚み方向及び径方向に微少量膨張するにすぎない。また、より熱膨張係数の小さい金属板45,46によってプリント基板22の熱膨張が抑えられる。
【0019】
そして、高温テストの後に、温度低下させても、プリント基板22は既に熱膨張しているために収縮の度合いが小さい。しかもプリント基板22の両面に固定された金属板45,46はより熱膨張係数が小さいために、収縮する際もプリント基板22の寸法の収縮は抑制される。そのため、高温時においても、その後に常温状態に戻した際にも、コンタクトプローブ23のコンタクトピン26aはその位置ずれが微少にすぎず、ICチップIのパッドと接触不良を起こすことはない。
【0020】
上述のように本実施の形態によれば、高温下でプローブ装置20を用いたとしても、プリント基板22の厚み方向及び径方向の熱膨張を抑制して、高温時においても、その後の常温時においてもコンタクトピン26aが被検査部材であるICチップIのパッドと位置ずれを起こすことはなく接触不良も生じない。
特に本実施の形態では、リング状の金属板45,46がメカニカルパーツ24でプリント基板22に固定されたコンタクトプローブ23の外周側に固定されているから、プリント基板22のコンタクトプローブ23を装着した領域からその開口部31側のコンタクトピン26aにかけて、高温状態でのテストなどの際、温度変化による位置ずれを確実に防止できる。しかもより高温になるデバイス面40Aの第一金属板45を接続面40Bの第二金属板46よりも熱膨張係数の小さい材質に設定したから、プリント基板22のそりや湾曲を確実に防止できる。
【0021】
次に本発明の第二の実施の形態を図5乃至図7により説明する。図5は第二の実施の形態によるプリント基板のデバイス面を示す平面図、図6は図5に示すプリント基板の接続面を示す平面図、図7は図5に示すプリント基板の中央縦断面図である。
本第二の実施の形態はタングステン針を用いたプローブ装置に関するものであり、このプローブ装置50において、プリント基板51は例えば円盤形をなしていて、プリント基板51の一方の面はデバイス面52Aとされ、反対側の面はテスターとの接続面52Bとされている。プリント基板51の中央部には例えば略四角形の開口部53が形成されている。そして、デバイス面52Aには開口部53の周囲から外周方向に向けて放射状に図示しない配線パターンが配設されている。
このプリント基板51においても、第一の実施の形態によるプリント基板22と同様に予め高温テストなどにおける加熱温度以上の高温に加熱して熱膨張させておいたものをプローブ装置50に用いるものとする。
【0022】
デバイス面52Aには、複数のタングステン針54…が開口部53の周囲に配列されており、これのタングステン針54…がコンタクトプローブ55を構成する。コンタクトプローブ55において、タングステン針54…の一端部54bがデバイス面52A上の図示しない配線パターンの電極にはんだ等で接続固定されており、他端に向けて漸次デバイス面52Aから離間する方向(図7で下方)に漸次傾斜して、その先端部であるコンタクトピン54a…が平面視で開口部53内に突出している。
【0023】
そして、デバイス面52Aには、開口部53の周囲に開口部53を囲うように適宜の樹脂材料からなる略四角形筒状の保持枠(保持部)56が形成されており、この保持枠56によってタングステン針54…の途中部分が所定角度で固定保持されている。即ち、この保持枠56は図7に示すように第一保持枠57上に傾斜状態で配列されているタングステン針54…が当接し、第一保持枠57の上部にはこれらタングステン針54…を固定する第二保持枠58が接着固定されている。各タングステン針54はコンタクトピン54aが保持枠56から内側に突出しており、このコンタクトピン54aで、平面視で開口部53に配設されたICチップIのパッドに接続させられるようになっている。しかも、デバイス面52Aにおいて、配線パターンに接続されたタングステン針54…の一端部54b…とその内側の保持枠56との間にリング状で熱膨張係数の小さい第一金属板60が固定されている。また、デバイス面52Aと反対側の接続面52Bにも同様にリング状で熱膨張係数の小さい第二金属板61が固定されており、プリント基板51を挟む両金属板60,61は例えば締結ボルト62によって互いに緊密に固定されている。この金属板60,61は第一の実施の形態に示す金属板45,46とそれぞれ同一の材質のものを用い、その熱膨張係数は熱処理されたプリント基板51より小さく、しかも第一金属板60の熱膨張係数は第二金属板61の熱膨張係数より小さいものとする。
【0024】
本実施の形態によるプローブ装置50は上述のように構成されているから、第一の実施の形態と同様に、プリント基板51の開口部53に突出するコンタクトピン54aを被検査部材であるICチップIのパッドにオーバードライブをかけて接触させ、例えば150℃程度の高温下で電気的テストを行う。この時、プリント基板22は予め熱処理されているために、高温下に置かれても熱膨張の度合いが小さく、補強用の金属板60,61は一層熱膨張係数が小さいから金属板60,61でプリント基板22の厚み方向及び径方向の熱膨張を抑制できる。しかも両金属板60,61は同時に膨張し且つ第一金属板60の方が熱膨張係数が小さいために、プリント基板22が接続面52B側に湾曲することはなくその径方向に微少量膨張するにすぎない。
【0025】
特に本実施の形態では、リング状の金属板60,61がタングステン針54…と配線パターンとの接続部54b…に隣接してその内側に位置し、更に金属板60,61の内側にタングステン針54…を保持する保持枠56が設けられているから、プリント基板51のコンタクトプローブ55を装着した領域からその内周側にかけて二枚の金属板60,61で堅固に固定され、プリント基板51の熱膨張を防止して高温状態でのテストなど、温度変化による位置ずれを確実に防止できる。そして、高温下でのテストの後に、温度低下させても、プリント基板51は既に熱膨張しているために収縮率が小さく、しかもプリント基板51の両面に固定された金属板60,61は熱膨張係数がより小さいために、プリント基板51の収縮を金属板60,61で抑制できる。そのため、高温時においても、その後に常温状態に戻した際にも、コンタクトプローブ55のタングステン針54…の位置ずれは微少にすぎず、ICチップIのパッドと接触不良を起こすことはない。
【0026】
次に図8は第一の実施の形態の変形例を示すプローブ装置を示す分解斜視図である。 図8に示すプローブ装置70において、トップクランプ71は第一の実施の形態における第二の金属板46とトップクランプ32とが一体に形成されたものであり、ボトムクランプ72は同じく第一の金属板45とボトムクランプ36とが一体に形成されている。そのため、トップクランプ71はマウンティングベース33を支持するトップクランプ部71Aと第二の金属部71Bとからなり、ボトムクランプ72はボトムクランプ部72Aと第一の金属部72Bとで構成されている。しかもトップクランプ71とボトムクランプ72はいずれも熱膨張係数の小さい材質の金属、例えばFe基低熱膨張合金であるコバールで構成されている。またボトムクランプ72はトップクランプ71よりも熱膨張係数の小さい材質とされていてもよい。このような構成を採用すれば、上述の実施の形態のものよりも構成及び組立が容易になり、しかもプリント基板22との接触面積が大きくなるために熱膨張を一層抑制できる。
【0027】
尚、図3に示すようなコンタクトプローブ23を備えた図1及び図2に示すプローブ装置において、コンタクトプローブ23を支持するトップクランプ32とボトムクランプ36をFe基低熱膨張合金であるコバール等の低熱膨張係数の金属で構成すると共に、第一及び第二の金属板45,46を設けない構成にしてもよい。この場合には、トップクランプ32とボトムクランプ36が熱膨張抑制用の第一及び第二の金属板45,46(固定治具)を兼用することになる。
【0028】
尚、上述の各実施の形態に用いられた金属板45,46、60,61、金属部71B,72Bは絶縁層等でプリント基板の配線と絶縁されている。また、上述の実施の形態では、予め熱処理したプリント基板22,51の両側に金属板45,46、60,61を固定することとしたが、必ずしもこれに限定されることはなく、熱処理していないプリント基板の両側を熱膨張係数の小さい金属板45,46、60,61で挟んで互いに連結固定するようにしてもよい。この場合にも、金属板でプリント基板の熱膨張を抑制できる。また各実施の形態で用いたコンタクトプローブ23,55はICチップの四辺に対応して設けられていたが、これに限定されることなく2辺等任意の配列の端子を備えたICチップ,LSIチップ等の被検査部材に対応して任意の配列のコンタクトプローブ23、55を配設できることはいうまでもない。また本発明は上述の実施の形態に限定されることなく各種のプローブ装置に採用できる。
【0029】
【発明の効果】
上述のように、本発明に係るプローブ装置は、プリント基板の上下面にはプリント基板の熱膨張を抑制する固定治具がそれぞれ固定されているから、高温下で電気的テストに供されるとプリント基板は熱膨張するが、固定治具によってプリント基板の熱変形が抑制され、プリント基板に接続されたコンタクトプローブのコンタクトピンが被検査部材の端子と位置ずれを起こすことを抑制できる。
【0030】
また固定治具は熱膨張係数の小さい金属からなっているから、固定治具によってプリント基板の熱膨張を抑制でき、コンタクトピンの位置ずれを確実に抑制できる。
またプリント基板のデバイス面(コンタクトプローブが接続され、熱膨張の大きい配線パターンが設けられた面である)に固定された第一の固定治具は、他方の面、すなわち接続面に固定された第二の固定治具よりも熱膨張係数が小さいように構成した。このように構成することにより、プリント基板のデバイス面は反対側の接続面よりも高温になりやすく熱膨張し易いにも関わらず、プリント基板の熱変形を確実に抑制して高温下での電気的テストを良好に行なうことができる。またプリント基板は予め熱膨張させられているから、プリント基板は温度が低下しても収縮の度合いが小さくなり、高温状態でのテストの際における熱膨張の度合いも小さくなる。また固定治具は、プリント基板とコンタクトプローブとの接続部を囲うように固定されているから、高温状態でのテストの際、固定治具より内側でのプリント基板の熱膨張を確実に抑えることができ、コンタクトピンと被検査部材との位置ずれを防止できる。
【0031】
また本発明によるプローブ装置では、コンタクトプローブはフィルムが装着された配線パターンの先端部が突出してコンタクトピンとされた構成を備え、固定治具は、コンタクトプローブをプリント基板のパターン配線に接続するメカニカルパーツの外周側でプリント基板に固定されているから、 固定治具によって、メカニカルパーツでコンタクトプローブが固定されたプリント基板の熱変形や熱膨張を防止できる。
また、コンタクトプローブは先端がコンタクトピンとされたタングステン針とされ、一方の固定治具は、プリント基板のパターン配線及びコンタクトプローブの接続部と、コンタクトプローブを固定保持する保持部との間で、プリント基板に固定されているから、固定治具によって、プリント基板の保持部が設けられた領域の熱膨張を防止でき、同時に固定治具の外周側に隣接するコンタクトプローブの接続部の熱膨張も抑制できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の第一の実施の形態によるプローブ装置の分解斜視図である。
【図2】 実施の形態によるプローブ装置の中央縦断面図である。
【図3】 実施の形態によるプローブ装置に用いられるコンタクトプローブの平面図である。
【図4】 図3に示すコンタクトプローブのA−A線断面図である。
【図5】 本発明の第二の実施の形態によるプローブ装置のプリント基板のデバイス面を示す平面図である。
【図6】 図5に示すプローブ装置のプリント基板の接続面を示す平面図である。
【図7】 図5に示すプローブ装置の中央縦断面図である。
【図8】 第一の実施の形態の変形例によるプローブ装置の分解斜視図である。
【図9】 従来のタングステン針を用いたプローブ装置のプリント基板のデバイス面を示す平面図である。
【図10】 図9に示すプローブ装置の中央縦断面図である。
【図11】 従来のコンタクトプローブの先端側部分の斜視図である。
部縦断面図である。
【符号の説明】
20,50 プローブ装置
22,51 プリント基板
23,55 コンタクトプローブ
24 メカニカルパーツ
26a コンタクトピン
45,60 第一金属板
46,61 第二金属板
54 タングステン針
I ICチップ
Claims (6)
- プリント基板にコンタクトプローブが接続され、該コンタクトプローブの先端部をなすコンタクトピンが前記プリント基板の開口部から突出してなるプローブ装置において、前記プリント基板の上下面にはプリント基板の熱膨張を抑制する固定治具がそれぞれ固定され、前記プリント基板の前記コンタクトプローブが接続される側で、かつ配線パターンが設けられている側である一方の面に固定された第一の固定治具は、他方の面に固定された第二の固定治具よりも熱膨張係数が小さいことを特徴とするプローブ装置。
- 前記固定治具は、前記プリント基板よりも熱膨張係数が小さい金属からなることを特徴とする請求項1記載のプローブ装置。
- 被検査部材の電気的なテストで予定されている温度以上の温度で前もって加熱処理して熱膨張させた前記プリント基板を組み込んでいることを特徴とする請求項1又は2に記載のプローブ装置。
- 前記固定治具は、前記プリント基板とコンタクトプローブとの接続部を囲うように固定されていることを特徴とする請求項1乃至3のいずれか記載のプローブ装置。
- 前記コンタクトプローブはフィルムが装着された配線パターンの先端部が突出してコンタクトピンとされた構成を備え、前記固定治具は、前記コンタクトプローブをプリント基板のパターン配線に接続するメカニカルパーツの外周側で、前記プリント基板に固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のプローブ装置。
- 前記コンタクトプローブは先端がコンタクトピンとされたタングステン針とされ、一方の前記固定治具は、プリント基板のパターン配線及びコンタクトプローブの接続部と、前記コンタクトプローブを固定保持する保持部との間で、前記プリント基板に固定されていることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか記載のプローブ装置。
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