JP3743200B2 - 放電灯点灯装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプなどの放電灯に高電圧を印加して始動させる始動回路を備えた放電灯点灯装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、図16に示すように、放電灯6に高電圧を印加して始動させる始動回路4を備えた放電灯点灯装置が提供されている。始動回路4は、比較的高い直流電圧を出力する昇圧部4aと、昇圧部4aの出力電圧を用いて高圧のパルス電圧を発生させるパルス発生部4bとを備える。パルス発生部4bにはパルストランスPTが設けられ、パルストランスPTの2次巻線は点灯回路としてのDC−DCコンバータ2と放電灯6との間に挿入される。
【0003】
DC−DCコンバータ2は、直流電源1の両端間に接続されたトランスT1の1次巻線とスイッチング素子S1との直列回路を有する。スイッチング素子S1は図示しない制御回路によって高周波でオンオフされる。また、トランスT1の2次巻線はタップ付き(もしくは2巻線を直列接続したもの)であって、トランスT1の2次巻線の一端とタップとの両端間にはダイオードD1を介してコンデンサC1が接続される。このコンデンサC1の両端電圧がDC−DCコンバータ2の出力電圧になる。
【0004】
始動回路4の昇圧部4aはトランスT1の2次巻線の両端間に接続されたダイオードD2とコンデンサCsとの直列回路からなり、パルス発生部4bはコンデンサCsの両端間に接続された抵抗R4とコンデンサC3との直列回路を備える。コンデンサC3の両端間にはパルストランスPTの1次巻線とギャップ素子SGとの直列回路が接続される。
【0005】
この構成では、スイッチング素子S1のオンオフによって、トランスT1の1次側に断続した電流を流し、トランスT1の2次側から変圧された電圧を取り出すのであり、トランスT1の2次側の電圧をダイオードD1,D2により整流しコンデンサC1,Csで平滑することにより、コンデンサC1,Csの両端電圧として直流電源1とは異なる直流電圧を得ることができるようにしてある。始動回路4は、コンデンサCsの両端電圧が上昇し、抵抗R4を通して充電されるコンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧(閾値電圧)に達すると、ギャップ素子SGが導通してパルストランスPTの1次巻線に電流を流す。このときパルストランスPTの2次巻線に発生する電圧がコンデンサC1の両端電圧に加算して放電灯6に印加される。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、上述した回路では、図17に示す時刻t0において電源を投入すると、図17(a)のように時間の経過に伴ってコンデンサC1の両端電圧Vc1が上昇する。図における電圧Vrはグロー放電からアーク放電に移行させるために必要な電圧、つまり始動点灯させるために必要な電圧を示す。この電圧は放電灯6の種類によっても異なるが、一般には200〜400Vになる。放電灯6は印加電圧V6が電圧Vrを越えている状態で、パルストランスPTの2次巻線にパルス電圧が発生すると始動点灯するのである。放電灯6が始動点灯した後には、放電灯6の印加電圧は低下する。
【0007】
一方、コンデンサC3の両端電圧Vc3は、図17(b)のように図17(a)に示すコンデンサC1の両端電圧Vc1が電圧Vrに達する時間T1よりも短い時間T2でギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに到達する。
【0008】
いま、図17(b)のように、時刻t0における電源投入から時間T2の経過後である時刻tg1においてコンデンサC3の両端電圧Vc3がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達したとすると、この時点で図17(a)のようにパルス電圧Vpが発生し、このパルス電圧VpがコンデンサC1の両端電圧Vc1に加算されて放電灯6に印加されるが、この時点では、コンデンサC1の両端電圧Vc1が電圧Vrに達していないから(Vc1<Vr)、放電灯6を始動しにくい状態であって、パルス電圧Vpが発生しても放電灯6は一瞬光るだけになり、放電灯6を始動点灯させることはできない。設計条件にもよるが、一般には、コンデンサC1の両端電圧が放電灯6の始動点灯を可能とする電圧Vrに達するまでには、コンデンサC3の両端電圧2〜3回程度(時刻tg1,tg2,tg3はパルス電圧Vpの発生時点を示す)はギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達するから、電源投入から放電灯6が始動点灯するまでに、2〜3回は放電灯6が瞬間的に光ることになる。
【0009】
この種の放電灯6を自動車のヘッドライトに用いる場合には、放電灯6の始動点灯前に上述のように瞬間的に光ると、違和感が生じて運転上好ましくないものである。
【0010】
本発明は上記事由に鑑みて為されたものであり、その目的は、電源投入から始動点灯するまでの期間に始動回路からのパルス電圧が放電灯に印加されないようにして一瞬光るのを防止した放電灯点灯装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
請求項1の発明は、直流電源の出力電圧を電圧変換し放電灯の点灯用の電圧をトランスの2次巻線の一端とタップとの間に設けた第1のコンデンサの両端電圧として取り出すD
C−DCコンバータおよびブリッジ接続された4個のスイッチング素子を備えDC−DCコンバータの出力を交番電力に変換するインバータ回路からなり放電灯に点灯用の電圧を印加する点灯回路と、トランスの2次巻線の他端に抵抗を介して一端が接続され他端がインバータ回路の一つのスイッチング素子を介してトランスの2次巻線の前記一端に接続された第2のコンデンサを備えるとともに第2のコンデンサの両端電圧が閾値電圧まで充電されたときに第2のコンデンサの電荷を放出させパルストランスの1次巻線に電流を流してパルストランスの2次巻線に接続された放電灯に高圧のパルス電圧を印加することにより放電灯を始動させる始動回路と、第2のコンデンサと前記抵抗とを有し、直流電源の投入後に第1および第2のコンデンサの充電を開始し、第1のコンデンサの両端電圧が放電灯の始動点灯を可能にする電圧に達するまでの時間よりも、第2のコンデンサの両端電圧が前記閾値電圧に達して始動回路により前記パルス電圧が最初に出力されるまでの時間を長くするように第2のコンデンサと抵抗との定数を設定した遅延手段とを備え、インバータ回路の前記一つのスイッチング素子がオンになっているときにインバータ回路の出力電圧にパルストランスの2次巻線の両端電圧を加算した高圧のパルス電圧を放電灯に印加するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
(基本構成)
本発明の概略構成を図1(a)に示すとともに図1(b)に動作を示す。図1(a)のように、本発明の基本構成は従来構成と同様であって、直流電源1を電圧変換するDC−DCコンバータ2と、DC−DCコンバータ2の出力の一部を用いて始動用のパルス電圧を発生させる始動回路4とを備える。図1(a)ではコンデンサC1をDC−DCコンバータ2とは別に示してあり、パルストランスPTを始動回路4とは別に示しているが、実際には、コンデンサC1はDC−DCコンバータ2に含まれ、パルストランスPTは始動回路4に含まれるものである。また、DC−DCコンバータ2は放電灯6に点灯用の電力を供給する点灯回路として機能する。コンデンサC1はパルストランスPTの2次巻線を介して放電灯6に接続される。つまり、コンデンサC1の両端電圧とパルストランスPTの2次巻線に生じるパルス電圧Vpとが加算されて放電灯6に印加される。
【0013】
ここにおいて、図1(b)のように、時刻t0での電源投入後にコンデンサC1の両端電圧Vc1が放電灯6の始動点灯を可能にする電圧Vrに達するまでの時間T1に対して、電源投入後に始動回路4から最初のパルス電圧Vpが発生するまでの時間T2のほうが長くなるように始動回路4に遅延手段を設けている。要するに、T1<T2の関係になるように始動回路4を構成してある。このことによって、電源投入から最初にパルス電圧Vpが発生するまでには、コンデンサC1の両端電圧Vc1は放電灯6の始動点灯を可能にする電圧Vrに達しているから、パルス電圧Vpが1回発生すると、放電灯6が始動することになる。つまり、電源投入から放電灯6が始動点灯するまでの期間に、放電灯6が一瞬だけ光るのを防止することができる。
【0014】
さらに具体的に説明する。本例では、図2に示すように、図16に示した従来構成において、ダイオードD2とコンデンサCsとの間に抵抗R41を挿入した構成を採用している。従来構成と同様に、本例においても、直流電源1の両端間にトランスT1の1次巻線とスイッチング素子S1との直列回路が接続される。トランスT1の2次巻線にはタップが設けられ(もしくは2次巻線は2個の巻線の直列回路となる)、2次巻線の一端とタップとの間にはダイオードD1を介してコンデンサC1が接続される。このコンデンサC1の両端電圧がDC−DCコンバータ2の出力電圧になる。
【0015】
また、コンデンサC1の両端間には始動回路4に設けたパルストランスPTの2次巻線を介して放電灯6が接続される。始動回路4の昇圧部4aはトランスT1の2次巻線の両端間に接続されたダイオードD2と抵抗R41とコンデンサCsとの直列回路を有する。コンデンサCsの両端間には抵抗R4を介してパルス発生部4bを構成するコンデンサC3が接続される。さらに、コンデンサC3の両端間にはパルストランスPTの1次巻線とギャップ素子SGとの直列回路が接続される。
【0016】
上述の構成では、図16に示した従来構成と比較すると、抵抗R41が追加されたこと
によって、電源投入後にコンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧に達するまでの時間を従来構成よりも長くすることができる。しかして、抵抗R41,R4、コンデンサCs,C3の定数を適宜に設定することによって、図3に示すように、時刻t0での電源投入後にコンデンサC1の両端電圧Vc1が放電灯6を始動点灯することができる電圧Vrに達するまでの時間T1よりも、コンデンサC3の両端電圧Vc3がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達するまでの時間T2(時刻t0と時刻tg1との間の時間)を長くする遅延手段として機能させることが可能になる(T1<T2)。つまり、ギャップ素子SGの導通によってパルストランスPTの2次巻線にパルス電圧Vpが発生する時点までに、コンデンサC1の両端電圧を放電灯6の始動点灯が可能となる電圧Vrよりも高くすることができる。その結果、パルス電圧Vpが発生すると放電灯6をただちに始動点灯させることができ、放電灯6の始動点灯前に放電灯6が一瞬だけ光る現象を防止することができる。
【0017】
(実施の形態)
基本構成では、放電灯6に印加される電圧をDC−DCコンバータ2から出力された直流電圧(つまり、コンデンサC1の両端電圧)としていたが、本実施形態では、図4のように、DC−DCコンバータ2の出力をインバータ回路3によって交番電力に電力変換し、この交番電力をパルストランスPTの2次巻線を介して放電灯6に供給する構成を採用している。
【0018】
インバータ回路3は、ブリッジ接続された4個のスイッチング素子S2〜S5を備え、スイッチング素子S2,S3の直列回路とスイッチング素子S4,S5の直列回路とがコンデンサC1の両端間にそれぞれ接続される。スイッチング素子S2〜S5の各直列回路(つまり、ブリッジ回路の各アーム)におけるスイッチング素子S2〜S5の接続点間には、コンデンサC2が接続される。このコンデンサC2の両端間にはパルストランスPTの2次巻線と放電灯6との直列回路が接続される。インバータ回路3の各スイッチング素子S2〜S5は、各アームにおいて直列接続されている2個ずつのスイッチング素子S2,S3とスイッチング素子S4,S5とは同時にオンにならず、コンデンサC2を挟んで直列接続されている2個ずつのスイッチング素子S2,S5とスイッチング素子S3,S4は同時にオンになる期間が生じるように、図示しない制御回路によってオンオフされる。
【0019】
図4に示す構成においては、コンデンサC2の両端間に印加される電圧はインバータ回路3によって交番し、かつ矩形波状になる。このように矩形波状の電圧がコンデンサC2に印加されている期間において、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧に達するとパルス電圧Vpが発生する。ここで、インバータ回路3において、スイッチング素子S3,S4がオンである期間には、コンデンサC3の両端電圧は、トランスT1の2次巻線においてダイオードD2のアノードが接続されている一端とタップとの間の電圧までしか上昇せず、この電圧ではギャップ素子SGが導通しないように設計されている。
【0020】
一方、スイッチング素子S2,S5がオンになり、インバータ回路3の出力電圧の極性が反転すれば、コンデンサC3の両端電圧はトランスT1の2次巻線の両端電圧まで上昇可能になり、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧に達するとパルス電圧が発生する。またこのとき、スイッチング素子S5がオンになっているから、図2に示した回路構成と同様に動作し、放電灯6にはコンデンサC2の両端電圧とパルストランスPTの2次巻線の両端電圧とを加算した高電圧を印加することができるのである。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0021】
上述の動作から明らかなように、各スイッチング素子Q2〜Q5は放電灯6が始動点灯する前(無負荷時)には、必ずしも交互にオンオフする必要はなく、スイッチング素子Q2,Q5がオンになる期間を有していればよい。また、無負荷停止時にはスイッチング素子Q5はオフにする。
【0022】
(参考例1)
上述した構成例では、DC−DCコンバータ2に設けたトランスT1の2次巻線から始
動回路4の電源を得る構成を採用したことによって、コンデンサC1とコンデンサC3とが同時に充電開始される構成になっていた。ただし、目的を達成するには、コンデンサC1の両端電圧が放電灯6を始動点灯させるのに必要な電圧に達した後に、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧を越えるようにして、パルス電圧Vpを発生させればよいのであるから、コンデンサC1,C3の充電は必ずしも同時に開始する必要はない。
【0023】
そこで、本例では、図5のように、コンデンサC3を含む始動回路4の電源として、DC−DCコンバータ2の出力電圧を用いている。この構成では、DC−DCコンバータ2の出力電圧であるコンデンサC1の両端電圧Vc1が上昇しなければ、始動回路4に設けたコンデンサC3の両端電圧も上昇しないから、電源投入後にコンデンサC3の両端電圧Vc3がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧に達するまでの時間を、コンデンサC1の両端電圧Vc1が放電灯6を始動点灯させることができる電圧Vrに達するまでの時間よりも長くするのが容易になる。便宜上、図では始動回路4とは別にパルストランスPTを示してある。また、始動回路4はコンデンサC1の両端電圧を昇圧してコンデンサC3を充電する機能を備える。
【0024】
しかして、本例では、コンデンサC1の両端電圧Vc1が電圧Vrに達するまでは、始動回路4のコンデンサC3の充電が開始されないように始動回路4を構成することができる。この場合、図6のように、時刻t0において電源を投入してから時間T1が経過した後の時刻t1において、コンデンサC1の両端電圧が電圧Vrに達すると、この時点でコンデンサC3の充電が開始されるから、時刻t1の後の時刻tg1においてコンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達することになる。
【0025】
また、始動回路4においてコンデンサC3の充電を開始するときのコンデンサC1の両端電圧Vc1を、電圧Vrよりも低く設定してもよい。この場合、図7のように、時刻t0において電源を投入してから時間T1が経過する前の時刻t11において、コンデンサC3の充電が開始される。ここで、時刻t11の後にコンデンサC1の両端電圧Vc1が電圧Vrに達するまでの時間よりも、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達するまでの時間を長く設定しておけば、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達する時刻tg1を時刻t1よりも遅らせることができる。
【0026】
あるいはまた、始動回路4においてコンデンサC3の充電を開始するときのコンデンサC1の両端電圧Vc1を、電圧Vrよりも高く設定してもよい。この場合、図8のように、時刻t0において電源を投入してから時間T1が経過した後の時刻t12において、コンデンサC3の充電が開始される。この構成の場合も、図6に示した動作と同様に、電源投入後にコンデンサC1の両端電圧Vc1が電圧Vrに達するまでの時間T1よりも、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgに達するまでの時間T2(時刻t0と時刻tg1との間の時間)を確実に長く設定することができる。
【0027】
他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0028】
(参考例2)
本例は、図9に示すように、始動回路4の電源を直流電源1から直接得るようにしたものである。この構成では、始動回路4の昇圧部4aにおいて直流電源1の電圧を発振回路とトランスT2とを用いて昇圧し、トランスT2の2次出力を整流平滑することによってコンデンサC3を充電するように構成してある。
【0029】
始動回路4を具体的に説明する。始動回路4の昇圧部4aは、直流電源1の両端間に接続された抵抗R42とコンデンサC41との直列回路を備え、コンデンサC41の両端間に双方向2端子サイリスタ(SSSやダイアック)よりなるトリガ素子Q6とトランスT2の1次巻線との直列回路を接続してある。トランスT2の2次巻線の両端間にはダイオードD3を介してコンデンサCtが接続され、トランスT2の2次出力によってコンデンサCtが充電されるようになっている。また、コンデンサCtの両端間には抵抗R4を介してパルス発生部4bのコンデンサC3が接続される。本例では、コンデンサC3の両端間にパルストランスPTの1次巻線と双方向2端子サイリスタよりなるトリガ素子Q7と
の直列回路が接続されている。つまり、ギャップ素子SGに代えてトリガ素子Q7を設けてある。
【0030】
始動回路4におけるコンデンサC41は、抵抗R42を通して直流電源1により充電される。ここで、コンデンサC41の両端電圧がトリガ素子Q6のブレークオーバ電圧に達するとトリガ素子Q6が導通し、コンデンサC41の電荷によりトランスT2の1次巻線に電流が流れる。コンデンサC41の電荷が放出されるとトリガ素子Q6は再びオフになり、上記動作を繰り返す。つまり、抵抗R42とコンデンサC41とにより決まる周波数で発振する発振回路が構成される。このようなコンデンサC41の充放電に伴って得られるトランスT2の2次出力をダイオードD3で整流し、コンデンサCtを充電するのである。コンデンサCtの両端電圧の上昇に伴って抵抗R4を介してコンデンサC3も充電されるから、コンデンサC3の両端電圧がトリガ素子Q7のブレークオーバ電圧に達すると、トリガ素子Q7が導通してパルストランスPTの1次巻線に電流が流れる。このとき、パルストランスPTの2次巻線に発生するパルス電圧がコンデンサC1の両端電圧に加算されて放電灯6に印加され、放電灯6が始動点灯されるのである。
【0031】
しかして、本例では、電源を投入すると始動回路4における発振動作が開始されるのであって、DC−DCコンバータ2の動作は電源投入から規定時間Taが経過した後に開始されるように制御している。つまり、図10に示すように、時刻t0において電源が投入されると、コンデンサC3の両端電圧Vc3はすぐに上昇し始めるが、DC−DCコンバータ2は電源投入から時間Taが経過した時刻t13に動作を開始するから、コンデンサC1の両端電圧は時刻t13から上昇し始めることになる。コンデンサC3の両端電圧がトリガ素子Q7のブレークオーバ電圧に達するまでの時間は、トランスT2の1次巻線に電流を流す周期、トランスT2の昇圧比、抵抗R4、トリガ素子Q7のブレークオーバ電圧などを適宜に設定することによって調節することが可能である。一方、コンデンサC1の両端電圧は比較的短時間で電圧Vrに達するから、電源投入後にコンデンサC1の両端電圧Vc1が電圧Vrに達するまでの時間T1よりも、コンデンサC3の両端電圧Vc3がトリガ素子Q7のブレークオーバ電圧Vgに達するまでの時間T2を長くすることができる。
【0032】
本例の構成では、コンデンサC3を充電する経路が、負荷である放電灯6への給電経路とは別に設けられ、しかも始動回路4の電源として直流電源1を用いているから、コンデンサC3への充電電流をほぼ一定にすることができ、電源の投入からコンデンサC3の両端電圧がトリガ素子Q7のブレークオーバ電圧に達するまでの時間を正確に制御することができる。他の構成は基本構成と同様である。
【0033】
(参考例3)
本例は、参考例2と同様に、始動回路4の電源を直流電源1から直接得るようにしたものである。始動回路4は、図11に示すように、給電後の一定時間を時限するタイマ部4cと、タイマ部4cの時限終了によってオンになるスイッチ要素Saを備えている。また、直流電源1がスイッチ要素Saを介して接続される昇圧部4aを備えるとともに、昇圧部4aに設けたコンデンサCtの両端電圧を電源として充電されるコンデンサC3を備えたパルス発生部4bを備える。パルス発生部4bは、コンデンサC3の両端電圧が所定電圧に達するとギャップ素子あるいはトリガ素子を導通させ、パルストランスを介してパルス電圧を発生させるように構成されている。
【0034】
この構成ではタイマ部4cの時限時間を適宜に設定することによって、電源スイッチSWの投入後に、DC−DCコンバータ1の出力電圧が放電灯6の始動点灯を可能にする電圧Vrに達するまでの時間よりも、スイッチSaがオンになるまでの時間を長く設定することができる。つまり、放電灯6に印加される電圧がVrに達した後に、パルス発生回路4bからパルス電圧を発生させて放電灯6を確実に始動点灯させることができるのである。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0035】
(参考例4)
本例は、パルス発生回路4bにおけるギャップ素子SGのブレークオーバ電圧を、始動回路4における昇圧部4aの出力電圧の最大値よりも低く設定したものである。以下では
、図2に示した基本構成の回路構成に基づいて説明する。
【0036】
一般に、ギャップ素子SGのブレークオーバ電圧は繰り返し使用するうちに上昇する。たとえば、図12に(a)に示すように、ブレークオーバ電圧がVg1からVg2に上昇するものとし、時刻t0においてコンデンサC3の充電が開始されるとすれば、使用開始時には時刻t1においてコンデンサC3の両端電圧がVg1に達することによりパルス電圧が発生していたのに対して、電源投入からパルス電圧が発生するまでの時間が次第に長くなり、やがては図12(a)に破線で示すように時刻t1’でパルス電圧が発生するようになる。このように、ギャップ素子SGのブレークオーバ電圧が上昇すると、パルストランスPTの2次巻線に発生するパルス電圧も上昇するから、放電灯6を始動点灯させるときに印加する電圧が高くなりすぎ、パルストランスPTや他の回路素子に電圧ストレスがかかることになって安全性に問題が生じることがある。
【0037】
そこで、本例では、図12(b)のように、安全性に問題が生じる程度のパルス電圧を発生させる程度にギャップ素子SGのブレークオーバ電圧が上昇しても、ギャップ素子SGが導通することがないように、コンデンサC3の両端電圧の上限値を破線で示すように制限したものである。
【0038】
すなわち、ギャップ素子SGに電圧を印加するコンデンサC3の両端電圧はコンデンサCsの両端電圧Vcsに略等しいから、コンデンサC3の両端電圧が、コンデンサCsの両端電圧Vcsの最大値Vcsmに達したときにパルス電圧が発生しても、安全性が保たれる程度に最大値Vcsmを設定するのである。コンデンサCsの両端電圧Vcsの最大値Vcsmは、トランスT1における2次巻線の両端間電圧のピーク値に略等しいから、トランスT1の2次巻線の両端電圧のピーク値を、パルス電圧の発生時における安全性が確保できる程度に設定すればよいのである。
【0039】
しかして、図13に示すように、使用開始時のギャップ素子SGのブレークオーバ電圧Vgを、放電灯6の始動点灯に必要な最低のパルス電圧を発生させるのに必要なコンデンサC3の両端電圧と、上述のようにトランスT1における2次巻線の両端電圧のピーク電圧を設定したときのコンデンサCsの両端電圧の最大値Vcsmとの間の電圧に設定すれば、ギャップ素子SGのブレークオーバ電圧が上昇しても、安全性を確保できるのである。具体的には、0.63Vcsm≦ギャップ素子SGのブレークオーバ電圧≦Vcsmの関係になるように設定してある。ここに、0.63の係数は1次遅れに対応する値である。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0040】
(参考例5)
本例は、再始動時や電源のオフ後に比較的短い時間でオンにする場合などにおいても1回のパルス電圧の発生で始動点灯を可能にするものである。以下では、図2に示した基本構成の回路構成に基づいて説明する。
【0041】
基本構成では、放電灯6の点灯中において昇圧部4aに設けたコンデンサCsの両端電圧は略一定に保たれており、再始動時やオフ直後にオンにしたときなどには、コンデンサC1の両端電圧が放電灯6の始動点灯を可能にする電圧Vrに達するまでに、コンデンサCsの両端電圧、つまりコンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧に達することになる。この場合、従来構成と同様の問題が生じる。
【0042】
そこで、本例では、図14に示すように、放電灯6が点灯している間に、コンデンサCsの両端電圧を始動時よりも引き下げるリセット回路4dを始動回路4に設けたものである。リセット回路4dとしては、たとえば図14(b)のような回路を採用することができる。このリセット回路4dは、コンデンサCsの両端間にトランジスタQ8のコレクタ・エミッタが接続され、このトランジスタQ8のベース・エミッタにはトランジスタQ9のコレクタ・エミッタが接続されている。トランジスタQ9のベースはツェナダイオードZD1を介してコンデンサC1の一端に接続されている。
【0043】
放電灯6に点灯用の電力を供給するコンデンサC1の両端電圧は、放電灯6の点灯時には点灯していないとき(無負荷時)よりも低いから、放電灯6の点灯中にはツェナダイオードZD1は非導通になる。したがって、トランジスタQ9がオフ、トランジスタQ8がオンになってコンデンサCsは放電される。これに対して、無負荷時にはコンデンサC1
の両端電圧が上昇すれば、ツェナダイオードZD1が導通し、トランジスタQ9がオン、トランジスタQ8がオフになってコンデンサCsへの充電が可能になる。ツェナダイオードZD1のツェナ電圧は、放電灯6の定常点灯時におけるコンデンサC1の両端電圧を100V、無負荷時におけるコンデンサC1の両端電圧を400Vとするときに、150〜300Vに設定する。
【0044】
上述の構成によれば、リセット回路4dの回路定数を適宜に設定すれば、電源投入後にコンデンサC1の両端電圧がツェナダイオードZD1のツェナ電圧に達するまではトランジスタQ8を導通させて、コンデンサCsの両端電圧の上昇を遅らせることができる。したがって、コンデンサC1の両端電圧が電圧Vrに達した後に、コンデンサC3の両端電圧がギャップ素子SGのブレークオーバ電圧に達するような時間関係の設定が容易になる。また同様に、再始動時やオフ直後にオンにするような場合でも、それ以前にトランジスタQ8がオンであってコンデンサCsの電荷が放出されているから(つまり、コンデンサC3の両端電圧が引き下げられている)、コンデンサC1の両端電圧が電圧Vrに達した後に、ギャップ素子SGを導通させるように時間関係を設定することができる。他の構成および動作は基本構成と同様である。
【0045】
上述した各構成例において、DC−DCコンバータ2にはフライバック形のものを例示したが、DC−DCコンバータ2の構成はこれに限定されるものではなく、図15(a)に示す昇圧チョッパ形や図15(b)に示す降圧チョッパ形のものを用いることも可能である。
【0046】
昇圧チョッパ形のDC−DCコンバータ2は、インダクタLとスイッチング素子Sとの直列回路を直流電源1(図2参照)の両端間に接続し、スイッチング素子SにダイオードDを介してコンデンサCを接続した周知の構成を有する。スイッチング素子Sを高周波でオンオフさせると、直流電源1の電圧よりも高い電圧をコンデンサCの両端電圧として出力することができる。
【0047】
また、降圧チョッパ形のDC−DCコンバータ2は、スイッチング素子SとインダクタLとコンデンサCとの直列回路を直流電源1の両端間に接続し、インダクタLとコンデンサCとの直列回路と並列に回生電流を流すためのダイオードDを接続した周知の構成を有する。この構成では、スイッチング素子Sを高周波でオンオフさせると、オン期間とオフ期間との比率に応じて直流電源1の電圧よりも低い電圧をコンデンサCの両端電圧として出力することができる。
【0048】
上述した各構成例における始動回路4の昇圧部4aについても、上述した回路構成に限定されるものではなく、各種回路構成を採用することが可能である。また、パルス発生部4bにおけるギャップ素子SGに代えて双方向性サイリスタ(SSS)のような半導体トリガ素子を用いたり、ダイアックのような半導体トリガ素子とサイリスタとを組み合わせて用いたりしてもよい。
【0049】
【発明の効果】
本発明は、直流電源の出力電圧を電圧変換し放電灯の点灯用の電圧をトランスの2次巻線の一端とタップとの間に設けた第1のコンデンサの両端電圧として取り出すDC−DCコンバータおよびブリッジ接続された4個のスイッチング素子を備えDC−DCコンバータの出力を交番電力に変換するインバータ回路からなり放電灯に点灯用の電圧を印加する点灯回路と、トランスの2次巻線の他端に抵抗を介して一端が接続され他端がインバータ回路の一つのスイッチング素子を介してトランスの2次巻線の前記一端に接続された第2のコンデンサを備えるとともに第2のコンデンサの両端電圧が閾値電圧まで充電されたときに第2のコンデンサの電荷を放出させパルストランスの1次巻線に電流を流してパルストランスの2次巻線に接続された放電灯に高圧のパルス電圧を印加することにより放電灯を始動させる始動回路と、第2のコンデンサと前記抵抗とを有し、直流電源の投入後に第1および第2のコンデンサの充電を開始し、第1のコンデンサの両端電圧が放電灯の始動点灯を可能にする電圧に達するまでの時間よりも、第2のコンデンサの両端電圧が前記閾値電圧に達して始動回路により前記パルス電圧が最初に出力されるまでの時間を長くするように第2のコンデンサと抵抗との定数を設定した遅延手段とを備え、インバータ回路の
前記一つのスイッチング素子がオンになっているときにインバータ回路の出力電圧にパルストランスの2次巻線の両端電圧を加算した高圧のパルス電圧を放電灯に印加するものであり、遅延手段を設けたことによって、放電灯を始動点灯させることができるようになるまでに始動回路からパルス電圧が発生することがなく、放電灯の始動点灯前に放電灯が瞬間的に点滅する現象を防止することができる。その結果、自動車のヘッドライトなどに用いるときにも違和感が生じることがない。また、高圧であるパルス電圧を何度も放電灯に印加することがないから、放電灯へのストレスが比較的少なく、放電灯の電極の消耗が少なく、放電灯の長寿命化が可能になり光束も劣化が少なくなる。さらに、放電灯が始動点灯するまでのパルス電圧の発生回数が少ないから、始動回路にギャップ素子を用いる場合でもギャップ素子の劣化が少なく、長期間に亘って使用することが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の基本構成を示し、(a)はブロック図、(b)は動作説明図である。
【図2】 本発明の基本構成を示す回路図である。
【図3】 同上の動作説明図である。
【図4】 本発明の実施形態を示す回路図である。
【図5】 本発明の参考例1を示す回路図である。
【図6】 同上の動作説明図である。
【図7】 同上の動作説明図である。
【図8】 同上の動作説明図である。
【図9】 本発明の参考例2を示す回路図である。
【図10】 同上の動作説明図である。
【図11】 本発明の参考例3を示す回路図である。
【図12】 本発明の参考例4を説明する図であって、(a)は問題点を示す動作説明図、(b)は改善案を示す動作説明図である。
【図13】 同上の動作説明図である。
【図14】 本発明の参考例5を示し、(a)は全体回路図、(b)は要部回路図である。
【図15】 本発明に用いることができるDC−DCコンバータの例を示し、(a)は昇圧チョッパ形の概略回路図、(b)は降圧チョッパ形の概略回路図である。
【図16】 従来例を示す回路図である。
【図17】 同上の動作説明図である。
【符号の説明】
1 直流電源
2 DC−DCコンバータ
3 インバータ回路
4 始動回路
4b パルス発生部
4d リセット回路
6 放電灯
C1 コンデンサ
Cs コンデンサ
D3 コンデンサ
R4 抵抗
R41 抵抗
Claims (1)
- 直流電源の出力電圧を電圧変換し放電灯の点灯用の電圧をトランスの2次巻線の一端とタップとの間に設けた第1のコンデンサの両端電圧として取り出すDC−DCコンバータおよびブリッジ接続された4個のスイッチング素子を備えDC−DCコンバータの出力を交番電力に変換するインバータ回路からなり放電灯に点灯用の電圧を印加する点灯回路と、トランスの2次巻線の他端に抵抗を介して一端が接続され他端がインバータ回路の一つのスイッチング素子を介してトランスの2次巻線の前記一端に接続された第2のコンデンサを備えるとともに第2のコンデンサの両端電圧が閾値電圧まで充電されたときに第2のコンデンサの電荷を放出させパルストランスの1次巻線に電流を流してパルストランスの2次巻線に接続された放電灯に高圧のパルス電圧を印加することにより放電灯を始動させる始動回路と、第2のコンデンサと前記抵抗とを有し、直流電源の投入後に第1および第2のコンデンサの充電を開始し、第1のコンデンサの両端電圧が放電灯の始動点灯を可能にする電圧に達するまでの時間よりも、第2のコンデンサの両端電圧が前記閾値電圧に達して始動回路により前記パルス電圧が最初に出力されるまでの時間を長くするように第2のコンデンサと抵抗との定数を設定した遅延手段とを備え、インバータ回路の前記一つのスイッチング素子がオンになっているときにインバータ回路の出力電圧にパルストランスの2次巻線の両端電圧を加算した高圧のパルス電圧を放電灯に印加することを特徴とする放電灯点灯装置。
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| JP07643899A JP3743200B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 放電灯点灯装置 |
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|---|---|---|---|
| JP07643899A Expired - Lifetime JP3743200B2 (ja) | 1999-03-19 | 1999-03-19 | 放電灯点灯装置 |
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-
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- 1999-03-19 JP JP07643899A patent/JP3743200B2/ja not_active Expired - Lifetime
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