JP3761983B2 - 埋設管の交換工法 - Google Patents

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Description

【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、ガス,水道等の供給用パイプラインとして地中に敷設されている埋設管の引抜き撤去時に、撤去跡に新しい樹脂のポリエチレン管を同時引込みする埋設管の交換工法に関する。
【0002】
【従来の技術】
ガス,水道等の供給用パイプラインは、道路の下に埋設されている低圧導管の本管,支管より需要先に対してガス,水道等を引込む供給管が分岐された配管系になっている。
上述の供給管については、需要先の家屋の建替え等に起因して地中に管路を埋設した状態のまま、不使用状態で放置しているものがある。このような不使用の管路は、これを放置状態にしておくと漏洩の発生原因となったり地盤沈下の原因となるので、引き抜いて撤去することが定められている。
【0003】
従来、このような不使用の管路の引抜き撤去には、例えば特開平2ー292590号公報,特開平3ー9188号公報等に開示されている先行技術が提案されている。この先行技術は、撤去対象となる管を、導管から切離し、撤去する管の末端を引抜き装置に把持して引抜く作業を行うものである。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従来、上述の先行技術を用いて行う管路の処理は、埋設管を単に引抜いて撤去する作業を行うのみであった。
また最近、白ガス管と呼ばれている鋼管を埋設した供給管は、地震対策上よりこれを樹脂製のポリエチレン管(以下PE管という)に入替える作業が行われている。
この場合、従来工法では、埋設管を引抜いた後、別の工程により新しいPE管の引込みを行う方式を採用しているが、このような工法によると、引抜き作業とは別の引込みに要する作業時間が必要となってその交換作業に多大の時間がかかる上に、一旦埋設管を引抜いた後では、引抜によって生じた土中の空洞内に周辺の土が崩れることから、新しいPE管の引込み作業が適性に行われず作業性が極めて悪いという問題点も派生する。
【0005】
また地中に埋設されている旧い管を、新しい管に入替える工法として、例えば特開昭57−120789号公報,特開平1−126484号公報等に記載されている先行技術が知られているが、この工法による場合は、旧い埋設管をパイプスプリッターと称する破断装置で管軸方向に切り開きつつ新しい管を引込む方式であるので、旧い埋設管が地中に残留するという問題点がある。
【0006】
本発明は、上述した問題点に鑑み、地中に敷設されている埋設管の引抜き撤去時に、同時的に新しい樹脂管の引込みが達成できる埋設管の交換工法を提供することを目的としている。
【0007】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明は、第1の作業ピットと、第2の作業ピットとの間に敷設されている埋設管に対し、第1の作業ピット内に所要の引抜き装置を設置して埋設管の一端を上記引抜き装置に挟持させ、また第2の作業ピット内に露出する埋設管の他端には連結手段を介して交換用の樹脂管を連結してなり、上記第1の作業ピットの側より、上記引抜き装置に挟持させた埋設管の一端を通して埋設管の管内に滑材成分を含むモルタル等の充填材を導入する充填材供給手段を備える共に、この充填材を、埋設管の他端より流出させる開口を有し、上記引抜き装置により埋設管を引き抜く工程時に、上記連結手段により埋設管の他端に連結されて埋設管の引抜き経路に引き込まれる交換用樹脂管の外周と、埋設管の引き抜きにより生じた空洞部内壁との間に上記充填材を注入しつつ埋設管の引抜き動作と樹脂管の引込み動作とを同時的に行うように施工し、上記連結手段は、上記充填材の吐出孔を有すると共に上記埋設管の他端に係止された係止部材に連結され、上記吐出孔から吐出された充填材は上記連結手段の外周面形状に沿って流動し、交換用樹脂管と上記空洞部内壁との間の隙間に入り込むことを特徴とするものである。
【0008】
また本発明は、上記交換用の樹脂管は、埋設管の外径に比して僅かに小さい外径とされ、この外径寸法の差が上記充填材の注入空間になっていることを他の特徴の1つとするものである。
【0009】
【作用】
本発明による工法によると、埋設管の引抜き工程時に、引抜き経路に交換用の樹脂管が同時的に引き込まれて埋設管の撤去作業と、新しいPE管の引込み作業とが同時に達成される。
この際に、交換用の樹脂管は、埋設管の引抜き直後に引込まれ、引抜き経路の地中の空洞内が崩れないうちに樹脂管が引込まれるから、交換用樹脂管の引込み抵抗が極めて少ない状態で引込みが行われる。
しかも、この樹脂管の引込み動作時に、引抜かれる埋設管の管内を通路として滑材成分を含むモルタル等の充填材が、埋設管の他端より流出して、引込まれる樹脂管の外周と地中の空洞内との間に注入され、この充填材が、滑り作用を発揮することで摺動抵抗が小さく、交換用樹脂管の引込み抵抗を大巾に低減することができる。
この結果、従来の引抜き装置を大きく変更することなく、埋設管の引抜き撤去作業とPE管の引込み作業とが同時的に達成できるようになる。
【0010】
また上述の充填材が、引き込まれる樹脂管の外周と、空洞部内壁との間に注入されることで、引き込まれる樹脂管の外周に空洞部が発生しなくなり、引込んだ樹脂管周辺の不等沈下や地盤沈下を防止できる。
【0011】
さらに請求項2に記載の発明では、交換用の新しい樹脂管と撤去する埋設管との外径に差が設定されることによって、樹脂管の引込み抵抗を軽減できると同時に、埋設管の引抜き空洞部内に十分な充填材の注入空間が形成されて空洞部の崩れによる地盤沈下の発生を確実に防止することができる。
【0012】
【実施例】
以下、図示の実施例により本発明の詳細を説明する。
図1は、本発明による埋設管交換工法の一実施例を示す概要図であり、図1において、符号1は、本発明に係る交換工法において引抜きの対象となる埋設管であり、この埋設管1は、ガス供給用パイプラインとして道路下に埋設されている導管路2(本管または支管)より分岐されて需要先に引き込まれている供給管である。以下の説明ではこの埋設管1を撤去管と称する。
【0013】
撤去管1の引抜きに際しては、まず導管路2との接続を適宜の手段により切り離しておく。この方法としては、道路側を掘削して作業ピットBを開削し、そのピットB内に露出する導管路2と撤去管1との接続部を分離させる。
導管路2と切り離された撤去管1の延長方向他端側は、需要先の宅地内に開削された作業ピットA内に露出させ、この作業ピットA内には後述する引抜き装置7を設置して撤去管1の端部を、同引抜き装置7に挾持させる。
前記作業ピットB内に露出された撤去管1の一端には、後述する連結手段3を介して交換用の新しい管4の端部が連結される。本実施例では、交換用の新しい管4として、耐腐食性が高いポリエチレン管(PE管)が用いられ、その新しい管(以下この管をPE管4と称する)の外径は、撤去管1の外径よりも僅かに小さい外径のPE管4が用いられる。
これにより撤去管1が引き抜かれた後の地中の空洞部Cには、交換用PE管4の外周面と空洞部Cの内壁面との間には、図2において符号Sで示す隙間が形成され、この隙間Sが後述する充填材の注入空間とされている。
【0014】
連結手段3は、図2に示すようにその長手方向の両端に連結部をなす回転自在のフック部材3Aが設けられている。このフック部材3Aには撤去管1の端末部と交換用PE管4の端末部とにそれぞれ固定された係止部材5、6のフック部材が掛け止められ、連結手段3を介して撤去管1と交換用PE管4とが一体的に連動するようにしている。
【0015】
上記撤去管1側の係止部材5は、撤去管1の端末部を塞ぐことができると共に厚さ方向に貫通する吐出孔5Aが周方向に沿って複数形成されている。本実施例では、吐出孔5Aの断面形状が、撤去管1の長手方向に沿って連結手段3側が小径をなすテーパ状とされ、吐出孔5Aの内部を流動する充填材が吐出される際の速度を高めることができるようになっている。
【0016】
交換用のPE管4側に設ける係止部材6は、連結手段3のフック部材3Aに係合するフック部材を有する円錐頭部が形成され、その頭部の一部が連結手段3の内部に入り込むことで交換用PE管4と外周面を連続させた状態にされている。交換用PE管4の端末部は係止部材6と一体化されており、撤去管1が引抜かれる方向(図1中、矢印Dで示す方向)に移動すると、連結手段3を介して係止部材6が牽引されることによって撤去管1にPE管4が連動して移動できるようになっている。
【0017】
作業ピットA内に露出する撤去管1の末端は、同作業ピットA内に設置された引抜き装置7に挾持される。
本実施例の引抜き装置7は、油圧シリンダにより所定の挾持力が得られる上下一対のクランプロール7A,7Bを有し、そのクランプロール7A,7B間に撤去管1の末端が挾持され、ロールの回転により撤去管1が、図1の矢印Dに示す方向に引抜き移動できるようにしている。
なお引抜き装置7に装備されるクランプロール7A,7Bについてはその詳細を示していないが、撤去管1を引抜く際、図1中、円内に点線で示しているように管1の管体は楕円形に押し潰されるが、撤去管1の内部に通路空間を形成できる形態で引抜き動作される構造とされている。
【0018】
引抜き装置7により引き抜かれる撤去管1の末端には、撤去管1の管内を通路とする充填材の供給経路8Aが接続される。この充填材の供給経路8Aは、作業ピットA側の地上部に配置された充填材注入機8に接続するホースで構成されており、充填材注入機8からの充填材を、撤去管1の管内に順次導入できるようになっている。
ここに充填材は、本実施例の場合、ベントナイト等の滑剤成分を含むモルタルが用いられ、充填材注入機8に付設されているコンプレッサ9からの圧力(図2中矢印Fで示す方向の圧力)によって撤去管1の引抜き動作が開始されるのにあわせて撤去管1の管内に導入される構成としている。
【0019】
撤去管1の管内に導入された充填材は、図2において矢印Pで示すように係止部材5の吐出孔5Aから流出されるようになっている。係止部材5から流出された充填材は、連結手段3の外形に沿って流動し、撤去管1よりも外径寸法が小さい交換用PE管4の外周面と、空洞部Cの内壁面との間の隙間Sによって形成されている注入空間を利用して空洞部C内に流入される。
【0020】
本実施例は、以上のような構成であるから埋設管(撤去管1)の交換作業に際しては、次のような手順が実行される。
まず、交換作業に際して、撤去管1を導管路2と切り離すための作業ピットBが掘削により開削され、撤去管1の端部が、導管路2から切り離されて露出し端末部が開口される。なお撤去管1を切り離した導管路2は分離口となるサービスチーが気密に封止される。
【0021】
次いで作業ピットB内に露出している撤去管1の管端に、連結手段3の一端が固定される。連結手段3を撤去管1の管端に固定する方法としては、本実施例の場合、交換後に連結手段3の回収を可能にするために締結手段が用いられる。連結手段3には、予め交換用のPE管4が連結されており、撤去管1の管端に連結手段3が締結されることにより撤去管1と交換用PE管4とが連動可能に連結される。
【0022】
撤去管1および交換用PE管4の連結が終了すると、撤去管1を引抜き装置7によって埋設位置から引抜く動作を行う。この場合、引抜き装置7は、クランプロール7A,7Bの回転により埋設位置から順次引き抜かれる。
撤去管1が埋設位置から引抜かれ始めると、この引抜きに連動して連結手段3により連結されている交換用のPE管4が、引抜きによって生じた地中の空洞部C内に順次引き込まれる。
【0023】
一方、撤去管1の引抜き作業が行われる時期にあわせて充填材注入機8およびコンプレッサ9の動作で充填材が、充填材供給経路8Aを介して撤去管1の管内に順次圧送される。充填材はコンプレッサ9からの圧力によって撤去管1の管内で加圧され、係止部材5に備える吐出孔5Aから流出される。
係止部材5の吐出孔5Aから吐出された充填材は、連結手段3の外周面形状に沿って流動し、撤去管1と交換用PE管4との外径寸法の差により形成されている隙間S(図2参照)内に入り込み、撤去管1が引抜かれた後に生じる空洞部C内に注入される。
空洞部C内に注入された充填材は、交換用PE管4の外周面と接触することによりPE管4の摺動抵抗が軽減され、また、PE管4の引込み後に充填材が硬化すると空洞部Cの崩れを防止する作用が果される。
【0024】
引抜き装置7は、撤去管1の全長が引抜かれて作業ピットA内に交換用PE管4の先端部が露出した時点で動作を停止させる。作業ピットAに露出した交換用PE管4は、その先端部から連結手段3が外され、新しい管として使用可能な状態にされる。
【0025】
【発明の効果】
以上に述べたように請求項1記載された本発明によると、撤去管の引抜き工程時に、引抜き経路に交換用のPE管が同時的に引き込まれて撤去管の撤去作業と新しいPE管の引込み作業とが同時に達成できる。
この際に、交換用のPE管は、撤去管の引抜き直後に引込まれ、引抜き経路の地中に生じる空洞内が崩れないうちにPE管の引き込みが行われるから、交換用PE管の引込み抵抗が少ない状態で引込みが行われ、しかもこのPE管の引込み動作時に、引抜かれる撤去管の管内を通路として滑材成分を含むモルタル等の充填材が、撤去管の他端より流出して、引込まれるPE管の外周と地中の空洞部内壁との間に注入される結果、この充填材が、滑り作用を発揮することで摺動抵抗が大巾に小さくなり、交換用PE管の引込み抵抗を大巾に低減した状態でPE管の引込みが達成できる。
この結果、従来の引抜き装置を大きく変更することなく、撤去管の引抜き撤去作業とPE管の引込み作業とが同時的に達成できるようになる。
【0026】
また上述の充填材が、引込まれるPE管の外周と空洞部内壁との間に注入されることで、引込まれるPE管の外周に空洞部が発生しなくなり、引込んだPE管周辺の不等沈下や地盤沈下を防止できる。
【0027】
さらに請求項2に記載の発明では、交換用の新しいPE管と撤去する撤去管との外径に差が設定されることによって、PE管の引込み抵抗を軽減できると同時に、撤去管の引抜き空洞部内に十分な充填材の注入空間が形成されて空洞部の崩れによる地盤沈下の発生を確実に防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明に係る埋設管の交換態様を説明するための概要図である。
【図2】 図1に示した埋設管の交換の際に用いられる連結手段の構成を説明するための部分的な断面図である。
【符号の説明】
1 引抜き対象の埋設管(撤去管)
3 連結手段
4 交換用のPE管
5、6 係止部材
5A 充填材の吐出孔
8 充填材注入機
9 コンプレッサ
A、B 作業ピット

Claims (2)

  1. 第1の作業ピットと、第2の作業ピットとの間に敷設されている埋設管に対し、第1の作業ピット内に所要の引抜き装置を設置して埋設管の一端を上記引抜き装置に挟持させ、また第2の作業ピット内に露出する埋設管の他端には連結手段を介して交換用の樹脂管を連結してなり、上記第1の作業ピットの側より、上記引抜き装置に挟持させた埋設管の一端を通して埋設管の管内に滑材成分を含むモルタル等の充填材を導入する充填材供給手段を備える共に、この充填材を、埋設管の他端より流出させる開口を有し、上記引抜き装置により埋設管を引き抜く工程時に、上記連結手段により埋設管の他端に連結されて埋設管の引抜き経路に引き込まれる交換用樹脂管の外周と、埋設管の引き抜きにより生じた空洞部内壁との間に上記充填材を注入しつつ埋設管の引抜き動作と樹脂管の引込み動作とを同時的に行うように施工し、
    上記連結手段は、上記充填材の吐出孔を有すると共に上記埋設管の他端に係止された係止部材に連結され、
    上記吐出孔から吐出された充填材は上記連結手段の外周面形状に沿って流動し、交換用樹脂管と上記空洞部内壁との間の隙間に入り込むことを特徴とする埋設管の交換工法。
  2. 請求項1に記載の埋設管の交換工法において、上記交換用の樹脂管は、埋設管の外径に比して僅かに小さい外径とされ、この外径寸法の差が上記充填材の注入空間になっていることを特徴とする埋設管の交換工法。
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