JP3764397B2 - 有機性廃棄物の処理方法及び装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、し尿、家畜糞尿、浄化槽汚泥、生ゴミ等の有機性廃棄物を処理する方法及び装置に関するものであり、詳しくは、これらの有機性廃棄物をメタン発酵により処理する方法及び装置に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
有機性廃棄物を処理する技術として、従来、メタン発酵処理した後、膜分離処理する処理方法が知られている(例えば特開平10−286591号公報)。この処理方法では、高分子の有機性物質が低分子の有機酸に分解され、更にメタンガス(CH4)と炭酸ガス(CO2)とに分解されるので、固形廃棄物の減量化が可能である。また、生成するメタンガスを発電や熱供給の燃料として利用することができるので、資源回収プロセスとしても注目されている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、夾雑物を多量に含むし尿、家畜糞尿、浄化槽汚泥、生ゴミ等の有機性廃棄物を上記従来の処理方法により処理する場合には、以下に示す問題があった。
【0004】
すなわち、メタン発酵処理における有機性物質の分解率は必ずしも十分とは言えず、有機性物質を高濃度で含有するこれらの有機性廃棄物を処理すると発酵溶液中に残存する夾雑物が多くなり、メタン発酵槽内での夾雑物の蓄積、配管の閉塞、膜の目詰まりや破損などの現象が起こりやすくなる。また、十分な有機性物質の分解率を得るためには、メタン発酵槽内での有機性廃棄物の滞留時間を非常に長くする必要があり、その結果メタン発酵槽の容量が非常に大きくなる。
【0005】
本発明は、上記従来技術の有する課題に鑑みてなされたものであり、有機性物質を高濃度で含有する有機性廃棄物を効率よく且つ確実に処理することが可能な有機性廃棄物の処理方法及び装置を提供することを目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段】
上記課題を解決するために、本発明の有機性廃棄物の処理方法は、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水工程と、脱水分離液をメタン発酵槽でメタン発酵処理して発酵処理液を得るメタン発酵工程と、発酵処理液を膜分離して膜分離液と濃縮汚泥とを得る膜分離工程と、膜分離工程で得られた前記濃縮汚泥を脱水工程とメタン発酵工程とに返送する返送工程とを含むことを特徴とする。
【0007】
本発明の処理方法によれば、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物から分離された脱水分離液が、メタン発酵処理されて発酵処理液となり、さらには膜分離されて清澄な膜分離液となる。このとき、膜分離工程により得られる濃縮汚泥を脱水工程とメタン発酵工程とに返送することによって、メタン発酵槽内における夾雑物の濃度を十分に低減することができ、その結果、膜分離装置における膜の目詰まりや破損等を防ぐことができる。
【0008】
また、従来法ではメタン発酵槽内の夾雑物濃度が高くなると膜分離によるメタン発酵汚泥の濃縮が非常に困難となるが、本発明によれば上述のように夾雑物濃度が低減されるため、高濃度の発酵処理液を膜分離してメタン発酵汚泥を十分に濃縮することができる。
【0009】
また、本発明の処理方法は、脱水工程からメタン発酵工程への脱水分離液の供給量、返送工程から脱水工程への濃縮汚泥の返送量、返送工程からメタン発酵工程への濃縮汚泥の返送量、並びに膜分離工程からの膜分離液の流出量を制御することにより、メタン発酵槽内における固形物滞留時間を制御することを特徴としてもよい。これにより、メタン発酵槽の容量を大きくすることなく当該固形物滞留時間を十分に長くすることができ、その結果、有機性物質の分解率向上効果がより高水準で達成される。
【0010】
なお、本発明でいう固形物滞留時間(Solids Retention Time、SRT)とは、有機性物質等の浮遊物がメタン発酵槽内に滞留する平均時間をいい、本発明においては、メタン発酵槽内の全浮遊物の質量を、1日当たりに脱水工程から排出される脱水汚泥の質量で除して得られるものである。
【0011】
また、本発明の第1の有機性廃棄物処理装置は、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水手段と、脱水分離液をメタン発酵処理して発酵処理液を得るメタン発酵槽と、発酵処理液を膜分離して膜分離液と濃縮汚泥とを得る膜分離手段と、膜分離手段で得られた濃縮汚泥を脱水手段とメタン発酵槽とに返送する返送手段とを備えることを特徴とする。
【0012】
また、本発明の第2の有機性廃棄物処理装置は、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水手段と、脱水分離液をメタン発酵処理して発酵処理液を得るメタン発酵槽と、メタン発酵槽内に収容されており、発酵処理液を膜分離して膜分離液と濃縮汚泥とを得る膜分離手段と、膜分離手段で得られた前記濃縮汚泥を前記脱水手段に返送する返送手段とを備えることを特徴とする。
【0013】
このような第1及び第2の処理装置によれば、上記本発明の処理方法を有効に実施することができる。
【0014】
なお、上記第2の処理装置においては、膜分離手段で得られた濃縮汚泥はメタン発酵槽内に滞留して再びメタン発酵工程に供されるため、濃縮汚泥をメタン発酵槽に返送する返送手段を別個に設けることなく本発明の処理方法にかかる返送工程を実現することができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照しつつ、本発明の好適な実施形態について詳細に説明する。なお、図面中、同一又は相当部分には同一符号を付することとし、重複する説明は省略する。
【0016】
図1は本発明の第1実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。図1に示した有機性廃棄物処理装置は膜分離装置の後段側を吸引して発酵処理液を膜分離するもので、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水装置1、脱水分離液中の有機性物質をメタン発酵処理するメタン発酵槽2、発酵処理液を膜分離液と濃縮汚泥とに分離する膜分離装置3aを備えており、脱水装置1とメタン発酵槽2、メタン発酵槽2と膜分離装置3aはそれぞれラインL2、L3によって接続されている。
【0017】
脱水装置1には、ラインL1、L4bが接続されており、し尿、家畜糞尿、浄化槽汚泥、生ゴミ等の有機性廃棄物がラインL1、後述する膜分離装置3aで分離された濃縮汚泥がラインL4bを通ってそれぞれ脱水装置1に移送される。そして、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物が脱水処理により脱水分離液と脱水汚泥とに分離され、当該混合物中に含まれる粗大な固形物(例えば家畜糞尿に含まれるわらやおが粉等)は脱水汚泥に含まれてラインL5から排出される。このような脱水装置1としては、遠心分離機、ベルトプレス、フィルタープレス、多重円盤脱水機等が用いられる。
【0018】
メタン発酵槽2は、脱水分離液を貯留し、嫌気性条件下でメタン発酵させて脱水分離液中に含まれる有機性物質を分解するものである。メタン発酵槽2には、前述のラインL2の他、メタン発酵後の発酵処理液を膜分離装置3aに移送するラインL3と、膜分離装置3aで分離された濃縮汚泥をメタン発酵槽2に返送するラインL4aとが接続されている。また、メタン発酵槽2は、内容物の液位を計測するレベルゲージG1を備えている。
【0019】
膜分離装置3aは、前述の通り、その後段側(ラインL6側)を吸引して膜分離する装置で、これによりメタン発酵槽2からの発酵処理液は膜分離液と濃縮汚泥とに膜分離される。膜分離装置3aの詳細は図示しないが、膜分離装置3aは発酵処理液を貯留する膜分離槽と該膜分離槽内に配置された分離膜とを備えるもので、かかる分離膜としては、回転平膜、浸透膜等が好適に用いられる。
【0020】
膜分離装置3aには、ラインL3の他、ラインL4、L5が接続されており、分離された清澄な膜分離液はラインL5から流出する。一方、ラインL4は所定の位置でラインL4aとラインL4bとに分岐しており、ラインL4aは脱水装置1、ラインL4bはメタン発酵槽2にそれぞれ接続されている。膜分離装置3aからラインL4に引き抜かれた濃縮汚泥はラインL4aを介して脱水装置1、ラインL4bを介してメタン発酵槽2にそれぞれ返送される。
【0021】
ラインL2、L3、L4b、L6のそれぞれにはポンプP1、P2、P3、P4が設けられ、さらにラインL2、L4b、L6のそれぞれには流量計F1、F2、F3が設けられている。そして、ポンプP1により脱水装置1からメタン発酵槽2への脱水分離液の供給量、ポンプP2によりメタン発酵槽2から膜分離装置3aへの発酵処理液の供給量、ポンプP3により分離膜を通ってラインL6に流出する膜分離液の流出量、ポンプP4により膜分離装置3aから脱水装置1に返送される濃縮汚泥の返送量が制御される。なお、ポンプP4により脱水装置1に返送される濃縮汚泥の返送量を制御することで、同時にメタン発酵槽2に返送される濃縮汚泥の返送量をも制御することができ、これによりメタン発酵槽2内の液位を調節することができる。
【0022】
より具体的には、流量計F1で計測される脱水分離液の供給量が流量計F3で計測される膜分離液の流出量よりも多くなるようにポンプP1、P3が調節される。また、ポンプP2は、その流量がポンプP3の流量の2〜10倍となるように調節される。さらに、ポンプP4は、メタン発酵槽2内の液位が所定の範囲内となるように調節される。
【0023】
メタン発酵槽2内の液位(すなわちメタン発酵槽2の内容物の量)は、メタン発酵槽2内の固形物滞留時間を決定する因子の一つである。ここで、ラインL6から流出する膜分離液は十分に清澄であり、脱水装置1に返送される濃縮汚泥に比べて固形物濃度が非常に低いものであるため、メタン発酵槽2内における固形物滞留時間は、下記式(1):
SRT=(VM×DM)/(VS×DS) (1)
[式(1)中、SRTは固形物滞留時間(日)を表し、VM及びDMはそれぞれメタン発酵槽内の内容物の量(l)及び固形物濃度(mg/l)を表し、VS及びDSはそれぞれ脱水装置から排出される脱水汚泥の1日当たりの排出量(L/日)及び固形物濃度(mg/l)を表す。]
に従って求めることができる。この固形物滞留時間は30日以上に設定されることが好ましい。
【0024】
また、メタン発酵槽2内の水理学的滞留時間は10日以上に設定されることが好ましい。なお、ここでいう水理学的滞留時間(Hydraulic Retention Time、HRT)とは、メタン発酵槽2内の容量(m3)を、脱水装置1に供給される有機性廃棄物の1日当たりの供給量(m3/日)で除した値(日)をいう。
【0025】
このように第1実施形態では、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物から分離された脱水分離液が、メタン発酵処理されて発酵処理液となり、さらには膜分離されて清澄な膜分離液となる。このとき、膜分離装置3aにより得られる濃縮汚泥を脱水工程とメタン発酵工程とに返送することによって、メタン発酵槽2内における夾雑物の濃度を十分に低減することができ、その結果、膜分離装置3aにおける膜の目詰まりや破損等を防ぐことができる。また、このように夾雑物濃度を低減することによって、メタン発酵汚泥の十分な濃縮が可能となる。
【0026】
さらに、図1に示した装置では、ラインL4(L4a、L4b)及びポンプP4により膜分離装置3aから脱水装置1、メタン発酵槽2のそれぞれに濃縮汚泥を返送する返送手段が実現されている。また、ポンプP1〜P4、あるいはさらに流量計F1〜F3及びレベルゲージG1は、固形物滞留時間の制御手段としての機能を有している。すなわち、脱水装置1からメタン発酵槽2への脱水分離液の供給量、膜分離装置3aから脱水装置1への濃縮汚泥の返送量、膜分離装置3aからメタン発酵槽2への濃縮汚泥の返送量、並びに膜分離装置3aからの膜分離液の流出量を上述のように制御することによって、メタン発酵槽2内における十分に長い固形物滞留時間が達成されるので、有機性物質の分解率を向上させることが可能となる。
【0027】
なお、本実施形態では、メタン発酵槽2からの発酵処理液をそのまま膜分離装置3aに導入して膜分離を行ってもよいが、発酵処理液を膜分離装置3aに移送する際に凝集剤を添加して微量の未分解物を除去することにより、分離膜の目詰まりや破損をより確実に防止することができる(後述する他の実施形態においても同様である)。
【0028】
また、膜分離装置3aからの濃縮汚泥は、脱水装置1及びメタン発酵槽2に返送され、脱水装置1に返送された濃縮汚泥の一部は脱水性が良好な脱水汚泥として脱水装置1から排出される。このように本実施形態により、汚泥の生成量の低減及び焼却又はコンポスト化に適した汚泥(含水率が低い汚泥)を回収することもできる。
【0029】
図2は本発明の第2実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。図2に示した装置は、ラインL4aにポンプP4が設けられておらず、ラインL4aとラインL4bとの分岐点に三方弁V1が設けられている点が異なるだけで、他の構成は図1に示した装置と同様である。
【0030】
すなわち図2に示した装置においては、ラインL4(L4a、L4b)及び三方弁V1により膜分離装置3aから脱水装置1、メタン発酵槽2のそれぞれに濃縮汚泥を返送する返送手段が実現されている。そして、メタン発酵槽2内の液位が所定の範囲内となるように三方弁V1の切り替え及びポンプP1〜P3の流量調節を行うことで、脱水装置1からメタン発酵槽2への脱水分離液の供給量、膜分離装置3aから脱水装置1への濃縮汚泥の返送量、膜分離装置3aからメタン発酵槽2への濃縮汚泥の返送量、並びに膜分離装置3aからの膜分離液の流出量が制御される。
【0031】
このように第2実施形態では、ポンプP4の代わりに三方弁V1を用いた点が異なるだけで、メタン発酵槽2内における十分に長い固形物滞留時間を容易に且つ確実に達成でき、有機性物質の分解率の向上及びそれによる処理精度の向上、更には膜の目詰まりや破損の防止、汚泥の生成量の低減及び焼却又はコンポスト化に適した汚泥の回収といった効果が奏される点は第1実施形態と同様である。
【0032】
図3は本発明の第3実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。図3に示した装置は、前段側(ラインL3側)を加圧して発酵処理液を膜分離する膜分離装置3bを備えるもので、ラインL3には分離膜の表面が加圧されるように発酵処理液を供給するポンプ2及びその供給量を計測する流量計F4が設けられている。このような膜分離装置3bの分離膜としては、チューブラー膜、スパイラル膜、プレート膜等が好ましく用いられる。なお、脱水装置1、メタン発酵槽2、ラインL1〜L4(L4a、L4b)、ポンプP1、P4、流量計F1、F2及びレベルゲージG1の構成は図1に示した装置と同様である。
【0033】
すなわち図3に示した装置においては、ラインL4a、L4b及びポンプP4により膜分離装置3bから脱水装置1、メタン発酵槽2のそれぞれに濃縮汚泥を返送する返送手段が実現されている。そして、ポンプP1、P2、P4により脱水装置1からメタン発酵槽2への脱水分離液の供給量、膜分離装置3aから脱水装置1への濃縮汚泥の返送量、膜分離装置3aからメタン発酵槽2への濃縮汚泥の返送量、並びに膜分離装置3aからの膜分離液の流出量が制御される。
【0034】
このように第3実施形態では、加圧式の膜分離装置3bを用いている点が異なるだけで、メタン発酵槽2内における十分に長い固形物滞留時間を容易に且つ確実に達成することができ、その結果、有機性物質の分解率の向上及びそれによる処理精度の向上、更には膜の目詰まりや破損の防止、汚泥の生成量の低減及び焼却又はコンポスト化に適した汚泥の回収といった効果が奏される点は上記の実施形態と同様である。
【0035】
なお、図3にはラインL4aにポンプP4が設けられた装置を示したが、第2実施形態とラインL4aとラインL4bとの分岐点に三方弁を配設して返送装置を構成してもよい。
【0036】
図4は本発明の第4実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。図4に示す装置において、脱水装置1の後段には槽内に膜分離装置3aが収容されたメタン発酵槽2が設けられており、メタン発酵槽3と脱水装置1とはラインL7を介して接続されている。また、ラインL2にポンプP1及び流量計F1、ラインL6にポンプP3及び流量計F3がそれぞれ設けられている点は第1実施形態と同様であり、さらにラインL7にもポンプP5及び流量計F5が設けられている。
【0037】
図4に示した装置では、脱水装置1からの脱水処理液がメタン発酵槽3においてメタン発酵処理された後、ポンプP3により膜分離装置3aの後段側が吸引されて膜分離液がラインL6に流出する。一方、この膜分離により生じる濃縮汚泥はメタン発酵槽2内に蓄積し、ポンプP5によりラインL7に引き抜かれて脱水装置1に返送される。
【0038】
ここで、ポンプP1、P3は、流量計F1で計測される脱水分離液の供給量が流量計F3で計測される膜分離液の流出量よりも多くなるように調節される。また、ポンプP5は、流量計F5で計測される濃縮汚泥の返送量が上記脱水汚泥の供給量と膜分離液の流出量との差に等しくなるように、あるいはレベルゲージG1で計測されるメタン発酵槽2内の液位が所定の範囲内となるように調節される。
【0039】
このように第4実施形態では、ラインL7及びポンプP5によりメタン発酵槽2から脱水装置1に濃縮汚泥を返送する返送手段が実現されている。そして、ポンプP1、P3、P5の流量調節により脱水装置1からメタン発酵槽2への脱水分離液の供給量、メタン発酵槽2から脱水装置1への濃縮汚泥の返送量、並びに膜分離装置3aからの膜分離液の流出量を制御することによって、メタン発酵槽2内における十分に長い固形物滞留時間を容易に且つ確実に達成することができる。従って本実施形態においても、有機性物質の分解率の向上及びそれによる処理精度の向上、更には膜の目詰まりや破損の防止、汚泥の生成量の低減及び焼却又はコンポスト化に適した汚泥の回収といった上記実施形態と同様の効果が奏される。
【0040】
図5は本発明の第5実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。図5に示した装置は、夾雑物が比較的少ない有機性廃棄物(し尿の余剰汚泥等)の処理に好適に用いられるもので、図1に示した装置の膜分離装置3aの後段に高度水処理装置4、固液分離槽5をこの順序で備えており、高度水処理装置4と固液分離槽5とはラインL8を介して接続されている。また、固液分離槽5にはそれぞれラインL9、L10が接続されており、さらにラインL10はラインL4と接続されている。
【0041】
高度水処理装置4は、アンモニアストリッピング処理、活性汚泥処理、凝集沈殿処理、あるいはこれらの2以上を組み合わせた処理を行う装置であり、かかる処理により膜分離液中に含まれるTS(Total Solid)、窒素分(例えばアンモニア性窒素分)、BOD、色度成分、リン等が十分に除去される。高度水処理装置4からの処理液は活性汚泥、凝集汚泥等を含んでおり、当該処理液は固液分離槽5で処理水と分離汚泥とに分離される。分離された処理水はライン9を介して系外に流出し、他方、ラインL10に引き抜かれた分離汚泥は膜分離装置3aからの濃縮汚泥と混合されて脱水装置1又はメタン発酵槽2に返送される。
【0042】
このように第5実施形態では、第1実施形態で得られる有機性物質の分解性向上効果等に加えて、処理水のさらなる水質向上効果を得ることができる。
【0043】
なお、図5に示した装置では、膜分離装置3aからの濃縮汚泥に加えて高度水処理装置4からの活性汚泥、凝集汚泥等が生成するので、装置全体での汚泥生成量が増加する。この場合、脱水装置1での脱水処理の際に高分子凝集剤等の薬剤を注入すると、固形物の回収率を向上させることができる。
【0044】
【実施例】
以下、実施例に基づき本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は以下の実施例に何ら限定されるものではない。
【0045】
[実施例1]
図1に示した装置を用いて有機性廃棄物(家畜糞尿)の処理を行った。すなわち、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物について表1に示す処理条件で脱水処理、メタン発酵処理、膜分離処理を順次行い、膜分離で生じた濃縮汚泥を脱水装置1及びメタン発酵槽2に返送した。このときの有機性物質の分解率を表1に示す。
【0046】
[比較例1]
処理条件を表1に示す通りとし、膜分離で生じた濃縮汚泥を脱水装置1及びメタン発酵槽に返送しなかったこと以外は実施例1と同様にして、有機性廃棄物の処理を行った。このときの有機性物質の分解率及び脱水処理で生じた脱水汚泥の含水率を表1に示す。
【0047】
【表1】
Figure 0003764397
表1に示したように、実施例1では、脱水分離液が有機性物質を高濃度で含む場合(固形物濃度:5.55%)であっても、メタン発酵槽内の固形物滞留時間を十分に長くすることができ、高い分解率で効率よく有機性物質を分解することができた。また、これらの処理の際に、分離膜の目詰まりや破損等は認められなかった。
【0048】
[実施例2]
図5に示した装置を用いて有機性廃棄物の処理を行った。なお、脱水処理、メタン発酵処理及び膜分離処理における処理条件は実施例1の場合と同様であり、高度水処理装置においてはアンモニアストリッピング、活性汚泥処理、凝集沈殿処理を順次行った。このときの脱水分離液、発酵処理液、膜分離液及び放流水(処理水を2倍希釈したもの)の水量及びそれらのTS濃度、BOD濃度、全窒素分濃度を表2に示す。
【0049】
【表2】
Figure 0003764397
表2に示したように、実施例2では、膜分離液に上述の高度水処理を行うことによりBOD、全窒素等が除去され、より良好な水質の処理水が得られた。
【0050】
【発明の効果】
以上説明した通り、本発明の処理方法及び装置によれば、有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物について脱水工程、メタン発酵工程、膜分離工程を順次行い、膜分離処理で生じる濃縮汚泥を脱水工程とメタン発酵工程に返送することによって、膜の目詰まり等を防止すると共に高濃度の発酵処理液を処理してメタン発酵汚泥を十分に濃縮することが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。
【図2】本発明の第2実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。
【図3】本発明の第3実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。
【図4】本発明の第4実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。
【図5】本発明の第5実施形態にかかる有機性廃棄物処理装置を示すフロー図である。
【符号の説明】
1…脱水装置、2…メタン発酵槽、3a、3b…膜分離装置、4…高度水処理装置、5…固液分離槽、L1〜L10…ライン、P1〜P5…ポンプ、F1〜F5…流量計、G1…レベルゲージ、V1…三方弁。

Claims (4)

  1. 有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水工程と、
    前記脱水分離液をメタン発酵槽でメタン発酵処理して発酵処理液を得るメタン発酵工程と、
    前記発酵処理液を膜分離して膜分離液と濃縮汚泥とを得る膜分離工程と、
    前記膜分離工程で得られた前記濃縮汚泥を前記脱水工程と前記メタン発酵工程とに返送する返送工程と
    を含むことを特徴とする有機性廃棄物の処理方法。
  2. 前記脱水工程から前記メタン発酵工程への前記脱水分離液の供給量、前記返送工程から前記脱水工程への前記濃縮汚泥の返送量、前記返送工程から前記メタン発酵工程への前記濃縮汚泥の返送量、並びに前記膜分離工程からの前記膜分離液の流出量を制御することにより、前記メタン発酵槽内における固形物滞留時間を制御することを特徴とする、請求項1に記載の有機性廃棄物の処理方法。
  3. 有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水手段と、
    前記脱水分離液をメタン発酵処理して発酵処理液を得るメタン発酵槽と、
    前記発酵処理液を膜分離して膜分離液と濃縮汚泥とを得る膜分離手段と、
    前記膜分離手段で得られた前記濃縮汚泥を前記脱水手段と前記メタン発酵槽とに返送する返送手段と
    を備えることを特徴とする有機性廃棄物処理装置。
  4. 有機性廃棄物と濃縮汚泥との混合物を脱水分離液と脱水汚泥とに分離する脱水手段と、
    前記脱水分離液をメタン発酵処理して発酵処理液を得るメタン発酵槽と、
    前記メタン発酵槽内に収容されており、前記発酵処理液を膜分離して膜分離液と濃縮汚泥とを得る膜分離手段と、
    前記膜分離手段で得られた前記濃縮汚泥を前記脱水手段に返送する返送手段と
    を備えることを特徴とする有機性廃棄物処理装置。
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