JP3770064B2 - 光ディスク - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、固有番号であるバーコードが付された光ディスクに係り、特にバーコード形成機器及びディスク自体の偏芯による読み取りの不安定性を改善することができる記録再生型の光ディスクに関する。
【0002】
【従来の技術】
一般に、光ディスクには、記録情報の不正コピーや海賊版等の出現を防止するなどの目的で、ディスク自体の固有の識別番号を付す場合がある。光ディスクに固有番号を付与する方式としては様々提案されているが、その中でバーコードをディスク自体に形成し、これを固有番号とする方式がCD−ROMやDVD−ROMで用いられている。例えば特開平10−233019号公報に代表される方式では、加工精度が高いYAGレーザ等のパルスレーザを使用して反射膜を溶融除去することで、バーコードを形成するようになっている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、このYAGレーザを用いた方式は、光ディスクの反射膜がAl単独であるROM媒体の場合には有効であるが、記録型のディスク媒体では、反射膜以外の膜があるため、ROM媒体の場合と同様のバーコードを形成できない場合が生ずるのみならず、YAGレーザの装置が高価となる欠点がある。
更には、加工精度が高いYAGレーザを使用してバーコードを作製したとしても、ディスク自体の偏芯やこれを回転させるスピンドルの偏芯によるバーコードのトラックまたぎが発生する場合があった。
【0004】
このトラックまたぎとは、記録したバーコードが本来あるべきバーコード領域からディスクの偏芯やスピンドルの偏芯によりはみ出してしまう事であり、バーコード領域の境界部分をトラック単位で分離できないために発生する。このようなトラックまたぎが発生した部分は、本来1回転完全に使用可能な状況にあるはずのトラックが、バーコード部分がかかるために、一部分記録再生ができなくなってしまう。
記録型の光ディスクの場合、上述したようにバーコードの形成により一部の記録領域が記録に使用不能となることは好ましくない。本発明の目的は、バーコードが記録領域に侵入した状態で付されることを防止することができる光ディスクを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは偏芯の影響を除くための方法を検討した結果、トラックまたぎの発生原因がディスク自体の偏芯及びバーコード形成時に使用するスピンドルの偏芯が原因であること及びバーコード領域の内外周側に緩衝領域を形成することで偏芯によるトラックまたぎが記録領域に侵入することを防止することが可能となる、ということを見い出すことにより本発明に至ったものである。
【0006】
請求項1に係る本発明は、幅広いリング状の記録領域の内部に、そのトラック方向に沿って形成されたバーコード領域を有する光ディスクにおいて、前記バーコード領域と前記バーコード領域の内周側にある記録領域との間、及び、前記バーコード領域と前記バーコード領域の外周側にある記録領域との間に緩衝領域をそれぞれ設けたことを特徴とする光ディスクである。
【0007】
この場合、請求項2に規定するように、例えば前記緩衝領域は、半径方向に50μm以上の幅を有しているように設定すればよい。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下に、本発明に係る光ディスクの一実施例を添付図面に基づいて詳述する。
図1は本発明に係る光ディスクを示す平面図、図2は図1中のA部を示す拡大模式図、図3は記録用単盤の拡大大面図である。
図1に示すようにこの光ディスクDは、書き換え可能な記録再生型のディスクであり、その中心部には、中心孔2が形成され、その周囲に幅広いリング状の記録領域4が設けられている。この記録領域4には、図示しない多数のリング状或いは螺旋状のトラックが形成されている。
【0009】
そして、この記録領域4の一部に区画されて、図示例では略半円弧状のバーコード領域6が形成されており、図2にも示すようにこの内周側と外周側にそれぞれ本発明の特徴とする所定の幅の緩衝領域8、10が形成されている。尚、図示例では各領域を円弧状ではなく直線状に記している。また、バーコードが形成可能な領域としては円周全体が確保されている。上記緩衝領域8、10は、通常の情報の記録には何も用いないようにしている領域である。また、上記バーコード領域6は、この光ディスクDの固有の番号が適宜離間されたバー部分12Aの集合体として表されるバーコード12を形成することを目的として設けられるが、実際には、後述するようにディスク自体の偏芯やスピンドルの偏心に起因して、緩衝領域8、10にはみ出して形成されてしまう場合もあるが、緩衝領域8、10によりバー部分12Aが記録領域4に侵入した状態で形成されることを防止することができる。
【0010】
すなわち、緩衝領域8、10を設けることによりバーコード領域6の内外周側に記録に用いないエリアを形成し、その範囲内に偏芯成分を納めることで、バーコードが記録領域4にかかることを防止するものである。
上記のように、この緩衝領域8、10は、記録には使用できない領域のことであって、溝のない領域を設けることによっても形成でき、あるいは溝を形成した場合でも、物理アドレスをつけないことによって、あるいは書き込み禁止の物理アドレスを設けることによっても形成することができる。最も望ましくは、緩衝領域8、10においてはその前後から溝及びアドレスの連続性は確保しながら、書き込み可能アドレスとしては指定外とすることである。
【0011】
上記緩衝領域8、10は、ディスクやスピンドルの偏芯量によりその幅L1が決まるがディスクの偏芯量,スピンドルの機械精度等を検討した結果、この幅L1は半径方向に50μm以上あれば十分であり、その上限はトラックまたぎの面からは制限されないが、ディスクの利用効率から考慮すると実用上は200μm以下に抑えるのが好ましい。緩衝領域8、10の幅L1が半径方向に200μmを超えると、ディスク容量低下など利用効率に悪影響を及ぼすので好ましくない。
また、上記緩衝領域8、10の幅L1が50μmを下回る場合には、トラックまたぎ部分が記録トラックに影響するので、緩衝領域8、10の内周側或いは外周側にある記録トラックに記録できない部分が発生してしまうので好ましくない。尚、ここではバーコード領域6の幅L2は、2mm程度である。
【0012】
また、バーコードの形成方法として光記録媒体の特性である結晶化部分とアモルファス部分の反射率差を利用することでバーコードを形成することが可能であるか検討した結果、結晶化部分の反射率が18%以上,アモルファス部分の反射率が4%以下であれば安定してバーコード信号として読み出せた。この場合、バー部分12Aがアモルファス部分となる。
上記結晶化部分の反射率は、18%〜30%にあるのが好ましい。なぜなら、結晶化部分の反射率が18%を下回ると、目的とする記録再生型の光デスクの反射率に達しないために、バーコードの読み出しが不安定になるからである。
【0013】
また、アモルファス部分の反射率は、低いほどよく4%以下にあるのが好ましい。なぜなら、アモルファス部分の反射率が4%を越えると、バーコード信号として読み出した際に低反射部分の敷居値を越えてしまい、信号として成立しなくなってバーコードの読み出しができなくなるからである。
ここで、実際に本発明の実施例と比較例を作製し、その評価を行なったので、評価結果について説明する。
【0014】
<実施例1>
バーコード領域6をディスク半径22.00mmから24.00mmとし、この領域6にの隣接するそれぞれディスク半径21.95mmから22.00mmの範囲とディスク半径24.00mmから24.05mmの範囲に緩衝領域8、10を形成した。従って、バーコード領域6の幅L2は2.00mmとなり、各緩衝領域8、10の幅L1はそれぞれ0.05mmとなる。ここでの緩衝領域8、10は溝を設けない方法で形成し、溝を形成しない部分はミラー状態となっている。
【0015】
上記した領域以外は、通常の光ディスクと同様に0.75μmピッチで溝幅0.4μm、溝深さ40nmの溝を作製したスタンパーを用いて成形した0.6mm厚の基板を使用し、記録に必要な膜を順次スパッタ法により形成し、図3に示すような記録用単盤を形成した。
膜の構成は記録層24の組成としてAgInSbTeの4成分を使用し、それぞれの比率が10/10/50/30(atm%)となるようなターゲットを使用して20nmの厚みで成膜した。
この記録層24の上下に、誘電体であるZnS−SiO2 をそれぞれ下側(基板20側)を80nm、上側を20nmの厚みで成膜して誘電体膜22、26を形成した。また、反射膜28としてAl−Ti(Al97atm%に対してTiが3atm%)を200nmの厚みで成膜した。
この成膜後、保護膜30としてUV(紫外線)硬化樹脂を5μmの厚みで塗布し、これを硬化して記録用単盤とした。この記録用単盤は、0.6mm厚のダミ−基板と粘着シートを使用して1.2mm厚みとなる様に接着して対象ディスクとした。このようにして作製した光ディスクの偏芯量は12μmであった。
【0016】
次に、バーコード領域とその他の領域を連続して初期化できるように改造した初期化装置を使用し、記録部分の初期化とバーコード作製を連続して行った。
今回はバーコードの形成部分以外は、通常の初期化装置を用いて結晶化させているが、同一の初期化装置を用いて、連続的に初期化とバーコード作製を行うことももちろん可能である。使用したバーコード作製機の偏芯及び送りピッチむらを合計した偏芯成分は14μmである。
こうして光ディスクを100枚作成し、記録トラックへの影響を評価するために、バーコードの再生評価を行った。バーコードの再生評価はバーコードを記録した範囲の中央部分で評価し、フォーカスサーボのみを行った際のピックアップヘッドの出力を使用し、バーコード部分の反射率を評価した。また、記録トラックへの影響は、緩衝領域と最も近いトラックを使用し、スチル状態で反射率変動の確認及び記録再生を行い、バーコード作製部分による反射率変動があるか、記録が出来ない場合をNGとした。
【0017】
ディスク特性及びバーコードの評価はパルステック製ディスク評価装置を用いた。また、この時のバーコード部分の結晶化部分の反射率は21%であり、非結晶化部分の反射率は3.5%あった。以降の例のサンプルの反射率調整は記録膜を構成する誘電体の膜厚を調整することで行い、それぞれの目標反射率になるように膜厚構成を最適化している。
【0018】
<実施例2>
バーコード領域6に隣接する溝を形成しない領域、すなわち緩衝領域8、10をそれぞれディスク半径21.80mmから22.00mmの範囲とディスク半径24.00mmから24.20mmとした以外は実施例1と同様に作製し、同様に評価した。
【0019】
<実施例3>
初期化時のパワーを、実施例1の初期化パワーを100%とするとその80%とし、結晶化部分の反射率を18%とした、アモルファス部分の反射率は記録層24の上下に形成した誘電体膜26、22のうち下側(基板20側)の誘電体膜22の厚みを、実施例1の80nmに対して75nmとして反射率を3%とした以外は実施例1と同様にして作製した。
【0020】
<実施例4>
下側の誘電体膜22の厚みを85nmとし、アモルファス部分の反射率を4%とした以外は実施例3と同様にして作製した。
<実施例5>
バーコード領域6に隣接する溝を形成しない領域、すなわち緩衝領域8、10をそれぞれディスク半径21.93mmから22.00mmの範囲とディスク半径24.00mmから24.07mmとした以外は実施例1と同様に作製した。
<実施例6>
ディスク最内周より、PCA(Power Calibration Area)などの管理領域を、それにアドレスを付与した溝領域として設け、その外側に50ミクロン幅の緩衝領域8を設け、その外周側にバーコード領域6を設け、その外側に50ミクロン幅の緩衝領域10を設け、更にその外側にデータ記録領域を設ける。ディスク内周より、バーコード領域6、緩衝領域8、10を含め溝・アドレスは連続的に付与する。最内周のスタートアドレスをA、内周の管理領域の終端アドレスをB、データ記録領域4の開始アドレスをCとすると、書き込み可能アドレスをA〜B、および、C〜外終端アドレスとして、B〜C間は、書き込み可能アドレスと指定せず、B〜C間でBより外周に50ミクロン、Cより内周に50ミクロンの半径を空けてその間にバーコード領域6を設けることにより、実質的にバーコードの前後50ミクロンの幅を緩衝領域8、10として機能させる。
なお、緩衝領域8、10におけるアドレスはランドプリピットとして形成し、ランドプリピット及び緩衝領域における溝も基板成形時に形成する。
【0021】
<比較例1>
バーコード領域6に隣接する溝を形成しない領域、すなわち緩衝領域8、10をそれぞれディスク半径21.98mmから22.00mmの範囲とディスク半径24.00mmから24.02mmとした以外は実施例1と同様に作製した。
<比較例2>
バーコード領域6に隣接する溝を形成しない領域、すなわち緩衝領域8、10をそれぞれディスク半径21.96mmから22.00mmの範囲とディスク半径24.00mmから24.04mmとした以外は実施例1と同様に作製した。
<比較例3>
上記実施例6において、緩衝領域8、10の幅をそれぞれ40μmとし、B〜C間を書き込み可能アドレスとして指定し、それ以外は実施例6と同様に作製した。
【0022】
これらの光ディスクを使用してバーコードの読み取り及び記録トラックに対する影響を確認した結果を以下の表1及び表2に示す。
バーコードの再生評価はバーコードを記録した範囲の中央部分で評価し、フォーカスサーボのみを行った際のピックアップヘッドの出力を使用し、バーコード部分の反射率を評価した。また、記録トラックへの影響は、緩衝領域と最も近いトラックを使用し、スチル状態で反射率変動の確認及び記録再生を行い、バーコード作製部分による反射率変動があるか、記録が出来ない場合をNGとした。
【0023】
【表1】
【0024】
【表2】
【0025】
この結果から明らかなように、比較例1は緩衝領域が20μmと狭いため、ディスクの偏芯及びバーコード作製機の偏芯が重なった部分で記録トラックに影響を及ぼしてしまう。また、比較例2は記録トラックに影響が及ぶ限界であり、影響が及ばないものも出るが完全になくすことは困難である。また、比較例3の場合も、緩衝領域が40μmと狭いため、NG数は29枚にも達している。
これに対して、実施例1〜6は、緩衝領域の幅は全て50μm以上であってNG数は無しである。従って、溝を有しない緩衝領域8、10を半径方向に50μm以上の幅とすることで、記録トラックへの影響を防止することが可能となることが判明した。
【0026】
【発明の効果】
以下に、本発明の光ディスクによれば、次のように優れた作用効果を発揮することができる。
本発明によれば、バーコードの形成時にバーコードがバーコード領域よりもはみ出しても、その内外周側に緩衝領域を設けてあるので、バーコードが記録領域に侵入して形成されることを防止できる。従って、記録トラックに悪影響を与えることを防止できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る光ディスクを示す平面図である。
【図2】図1中のA部を示す拡大模式図である。
【図3】記録用単盤の拡大大面図である。
【符号の説明】
4…記録領域、6…バーコード領域、8,10…緩衝領域、12…バーコード、12A…バー部分、D…光ディスク。
Claims (1)
- 幅広いリング状の記録領域の内部に、そのトラック方向に沿って形成されたバーコード領域を有する光ディスクにおいて、
前記バーコード領域と前記バーコード領域の内周側にある記録領域との間、及び、前記バーコード領域と前記バーコード領域の外周側にある記録領域との間に緩衝領域をそれぞれ設けたことを特徴とする光ディスク。
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