JP3770876B2 - 暖房手袋 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、暖房機能を備えた暖房手袋に関し、特に冷凍物を対象とする作業に好適な暖房手袋に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の暖房機能を備えた暖房手袋としては、電熱線などのヒータを内蔵した手袋等が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
従来の暖房手袋を冷凍物を対象とする作業に適用した場合には、以下のような問題が生じることがある。
すなわち、たとえば冷凍マグロなどの切断などの生鮮物の作業に適用した場合には、暖房手袋に内臓されたヒータの熱によって生鮮物の表面が局所的に解凍されてしまうことによって、解凍部分の変色や鮮度の劣化を生じてしまうことがある。
【0004】
また、一般の冷凍物の作業においても、暖房手袋に内臓されたヒータの熱による冷凍物の局所的な解凍と再凍結によって冷凍物と手袋や冷凍物間の貼り付きなどが生じてしまうことがある。
そこで、本発明は、冷凍物の局所解凍を防ぐことができる効率的な暖房手袋を提供することを課題とする。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題達成のために、本発明は、使用者の手を覆う手カバー部と、前記手カバー部に内設した、ペル チェ効果によって発熱面で発熱し吸熱面で吸熱する、前記発熱面で発熱した熱で手袋内側を暖房し、前記吸熱面による吸熱によって手袋外側の少なくとも一部を冷却する電熱素子とを備えた暖房手袋を提供する。
【0006】
このように熱移動を行う電熱素子を手袋内側の暖房に用いることによって、同時に手袋外側の少なくとも一部冷却を行うことが可能となり、この結果、単に暖房手袋使用者の手を暖房するのみならず、暖房手袋との接触による冷凍物の局所解凍をも防止することができるようになる。すなわち、本発明によれば、単一の熱電素子を手袋内部の暖房と手袋外側の冷却の双方に共用する、冷凍物を扱う作業に適した効率的な暖房手袋を提供することができる。
【0007】
ここで、前記手カバー部には、前記電熱素子の発熱面に接して設けた、前記発熱面から伝導される熱を手袋内側に拡散する放熱部材の層を少なくとも部分的に設けることが、使用者の手の一様な暖房を行う上で好ましい。
また、このように放熱部材を設ける場合には、前記放熱部材として、各々が各指の末節を覆うキャップ形状の金属部材と、各々が各指の残りの節を覆う円筒形状の金属部材と、各々が掌を覆う複数の金属部材とを設けるようにすることも好ましい。
【0008】
このようにすることにより、放熱部材を、使用者の手の一様暖房と、切削作業時の刃物からの保護等の使用者保護の双方に兼用することができる。すなわち、本発明によれば、このような刃物等からの保護も必要とされる暖房手袋を、効率的な構造によって実現することができる。
また、以上の暖房手袋においては、前記電熱素子は、少なくとも手袋外側の各指先腹部分を冷却するようにするのが良い。このようにすることにより、様々の形態の作業において冷凍物に触れることが多い指先部分による、冷凍物の局所解凍を防ぐことができる。
【0009】
また、さらに、手袋内側の温度に応じて、前記電熱素子への給電のオン/オフを制御する温度制御部を備えるようにすれば、適当温度の暖房を行うことができ、過度の暖房を行って使用者がやけどや低温やけどを負ってしまうことを防ぐことができるようになる。
【0010】
【発明の実施の形態】
以下、本発明に係る暖房手袋の一実施形態について説明する。
図1に、本実施形態に係る暖房手袋の外観を示す。
図中aは手の甲側から見た左手用の暖房手袋のようすを、bは掌側か見た左手用の暖房手袋のようすを示している。なお、右手用の暖房手袋は左手用の暖房手袋と左右対称の構成を有している。
図示するように、暖房手袋1は、全体として、表地に合成ゴムを使用した一般的な水廻り作業用の手袋の形状を有している。ただし、手の甲側手首部分に暖房制御ユニット2が取り付けられている。また、五本の指の各指先の腹、第2指から第5指の中節の腹(遠位指節間関節と近位指節間関節の間の節の腹)、手相学で言う金星丘と月丘の11カ所に、滑り止めのエンボスが形成された金属製の冷却板3が、手袋の表地に固着されている。そして、手袋の手首側端から延びる給電用のケーブル4が、図示を省略した身体装着型のバッテリボックスに連結されている。
【0011】
ここで、以上の冷却板3の配置は、冷凍マグロの切断、研削作業を想定した配置であり、各冷却板3の位置は、これらの作業時に作業者が冷凍マグロのブロックを持つときに冷凍マグロと暖房手袋1が接する位置となっている。
次に、図2aに、暖房手袋1の層構造を示す。
図示するように、暖房手袋1は、断熱性の合成ゴム製の表地21と熱伝導性ある合成ゴムその他の素材による裏地22との間に、金属製の可撓性ある連結部材25で連結した金属製の放熱板23を部分的に挿入した多層構造を有している。そして、放熱板23の表地21側には所定の配置でサーモモジュール24の一方の面が固着されている。また、表地21にはサーモモジュール24の他方の面が表地21より露出するように穴が設けられており、この表地21の穴を覆ってサーモモジュール24を裏地22との間に密閉するように、冷却板3が表地21とサーモモジュール24に固着されている。また、放熱板23の裏側の所定の位置には温度センサ26が固着されている。
【0012】
ここで、サーモモジュール24とは、図3に示すように、交互に配列したN型半導体55とP型半導体34と、これらを順次 - - - ...の順に接続する電導体とをシリコン基盤31間に形成したものである。このようなサーモモジュール24は、電流を流すことにより電熱素子として働き、N型半導体35とP型半導体34との接合部に生じるペルチェ効果により、一方の面から他方の面への熱移動が生じる。また、熱移動の方向は、電流を流す方向によって切り替えることができる。本実施形態では、放熱板23側を暖房し冷却板3側を冷却するようにサーモモジュール24に通電することにより、手袋の内側を暖房し、外側の冷却板3部分を冷却する。
【0013】
ここで、図4に前述した放熱板23とサーモモジュール24と温度センサ26の配置を示す。図中aは手の甲側から見た左手用の暖房手袋1における配置を、bは掌側か見た左手用の暖房手袋1における配置を示している。
図示するように、前述した温度センサ26は掌の中央部分に配置されている。また、本実施形態の暖房手袋1では、各指と掌を、それぞれの動きを阻害しないように分割した複数の放熱板23で覆っている。ここで、各放熱板23は連結部材25で隣接する放熱板23に順次連結されている。より具体的には、図示するように、各指の末節毎に設けた5個のキャップ形状の放熱板23と、各指の残りの節毎に設けた9個の円筒形状の放熱板23と、掌を覆う左右に分割した3つの放熱板23を設けている。
また、図示した例は、以上の構成に加え、手の背側の部分で、表地21と裏地22との間に保護用に金属製の3つの保護板40と、各保護板間または保護板と放熱板23間を連結する金属メッシュ41をも、冷凍物の切削作業時における手の背側の保護用に設けている。
【0014】
さて、各放熱板23は、サーモモジュール24から伝導された熱の手袋内側全体への拡散及び放熱の役割と、冷凍物の切削作業時の暖房手袋使用者の手の刃物からの保護の役割を果たしている。また、連結部材25は、各放熱板23の間の熱の伝導と、放熱板23の間の隙間の刃物からの保護の役割を果たしている。なお、図4に示すように保護板40を設けた場合には、この保護板40も放熱板23と同様の機能を奏することになる。
【0015】
次に、図5に、暖房手袋1の電気的な構成について示す。
図示するように、暖房制御ユニット2は、バッテリボックス51からの電力の各サーモモジュール24への供給をオン/オフする各サーモモジュール24に並列接続された給電スイッチ201と、給電制御部202とより構成され、給電制御部202は、温度センサ26の検出した温度に応じて、給電スイッチ201の動作を制御する。すなわち、給電制御部202は、温度センサ26の検出温度が36.5度未満の場合にサーモモジュール24へ給電を行うように給電スイッチ201を制御し、温度センサ26の検出温度がたとえば36.5度以上の場合にサーモモジュール24への給電を停止するように給電スイッチ201を制御する。そして、このような温度制御により暖房手袋使用者のやけどや低温やけどを防止する。
【0016】
なお、バッテリボックス51は、たとえば直列または並列接続した市販乾電池の直流定電圧電力を出力するものであってよい。
以上、本発明の実施形態について説明した。
本実施形態によれば、手袋内側の暖房と手袋外側の冷凍物の接触部の冷却を、サーモモジュール24を用いることにより効率的に行うことができる。
ところで、以上では暖房手袋1に切削作業における保護の機能をも併せ持たせたが、暖房手袋1が、このような切削作業に適用されたない場合、たとえば、単に冷凍物の運搬などにのみ適用されるものである場合には、暖房手袋1の層構造を、たとえば、図2bに示すように構成してもよい。
【0017】
図2bに示した構成では、暖房手袋1を、合成ゴム製の表地21と熱伝導性ある合成ゴムその他の素材による裏地22との間に、2つの金属フィルム層61.62を配置すると共に、この2つの金属フィルム層61.62の間に断熱素材63と、各面が2つの金属フィルム層61.62のそれぞれに接したサーモモジュール24を配置したものである。このような構成によれば、より軽快な作業性を備えると共に、手袋内側の一様な暖房と、手袋外側の一様な冷却を行うことができる暖房手袋1を得ることができる。
【0018】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、冷凍物の局所解凍を防ぐことができる効率的な暖房手袋を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施形態に係る手袋の外観を示す図である。
【図2】本発明の実施形態に係る手袋の層構造を示す図である。
【図3】本発明の実施形態に係るサーモモジュールの構造を示す図である。
【図4】本発明の実施形態に係る放熱板の配置を示す図である。
【図5】本発明の実施形態に係る手袋の電気的構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
1…暖房手袋、2…暖房制御ユニット、3…冷却板、4…ケーブル、21…表地、22…裏地、23…放熱板、24…サーモモジュール、25…連結部材、26…温度センサ、40…保護板、41…金属メッシュ、51…バッテリボックス、201…給電スイッチ、202…給電制御部。

Claims (3)

  1. 手袋内側を暖房する暖房手袋であって、
    使用者の手を覆う手カバー部と、
    前記手カバー部に内設した、ペルチェ効果によって発熱面で発熱し吸熱面で吸熱する、前記発熱面で発熱した熱で手袋内側を暖房し、前記吸熱面による吸熱によって手袋外側の少なくとも一部を冷却する電熱素子とを有し、
    前記手カバー部には、前記電熱素子の発熱面に接して設けた、前記発熱面から伝導される熱を手袋内側に拡散する放熱部材の層が少なくとも部分的に設けられており 、かつ、
    前記放熱部材は、各々が各指の末節を覆う全体的形状がキャップ状の金属部材と、各々が各指の残りの節を覆う全体的形状が筒状の金属部材と、各々が掌を覆う複数の金属部材とを含み、各金属部材は、各々が覆う使用者の手の部分を外部から加わる力から保護することを特徴とする暖房手袋。
  2. 請求項記載の暖房手袋であって、
    前記電熱素子は、少なくとも手袋外側の各指先腹部分を冷却することを特徴とする暖房手袋。
  3. 請求項1または2記載の暖房手袋であって、
    手袋内側の温度に応じて、前記電熱素子への給電のオン/オフを制御する温度制御部を有することを特徴とする暖房手袋。
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