JP3776437B2 - 介護用ベッドの部品の洗浄装置 - Google Patents

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Description

本発明は、洗浄装置に関する。具体的には介護用ベッドの部品等の洗浄に使用される洗浄装置に関する。
従来、洗浄装置として噴射ノズルを用いたものが知られている。例えば、(特許文献1)には、洗浄液を噴霧状態で円錐形状に拡がるように供給する円錐型噴射ノズルを固定位置に設置して、被洗浄物を移動させながら洗浄液を噴射して洗浄する洗浄装置が開示されている。また、(特許文献2)には、フルコーン型、Vノズル型等の噴射ノズルを固定位置に設け、搬送された被洗浄物に対して洗浄液を噴射して洗浄する洗浄装置が開示されている。
しかしながら、上記の各洗浄装置は、固定位置に設置された噴射ノズルにより被洗浄物を洗浄する方法であるため、被洗浄物全体を洗浄するための移動スペースを大きくする必要がある問題があった。
また、噴射ノズルを固定位置に設置しているため、一つの噴射ノズルでできるだけ広範囲の吹き付け面積が得るためには円錐型噴射ノズルを用いる必要があった。しかし、このような噴射ノズルは洗浄液の噴射力が十分でないため、洗浄を十分に行うことができず、洗い残しや洗浄ムラが発生するという問題点があった。
そして、特に介護用ベッドの各部品は複雑な形状を有しているため、上述のような洗浄装置では洗い残しや洗浄ムラが生じやすく、実際の使用に耐えられるものではなかった。このため、介護用ベッドの各部品の洗浄は手作業により行われるのが現状であった。
また、(特許文献3)には、洗浄用の台車に備えた噴射ノズルを用いて被洗浄物に洗浄液を噴射して洗浄する洗浄装置が開示されている。この洗浄装置は、被洗浄物を移動させる代わりに、噴射ノズルを移動させたものに過ぎず結局上述のような問題点を解決するものではなかった。
特開平10−216653号公報 特開2001−152377号公報 特開平7−251120号公報
そこで、本発明は上述のような課題を解決するため、少数の噴射ノズルで高い洗浄力を有し、かつ広範囲の吹き付け面積を有する洗浄装置を提供することを目的とする。さらには、介護用ベッドの部品等の複雑な形状を有する被洗浄物を洗浄した場合にも、洗い残しや洗浄ムラなく洗浄可能な洗浄装置を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明の介護用ベッドの部品の洗浄装置は、請求項1として、被洗浄物が出入可能となるように左右に分割して開閉されるケースと、前記被洗浄物に洗浄液を噴射する少なくとも1以上の噴射ノズルと、前記ケースに設けられ前記噴射ノズルを回転させつつ前記噴射ノズルに前記洗浄液を供給する回転アームと、前記回転アームを前記被洗浄物の洗浄面に対して略々平行に回転させる回転手段、及び前記回転アームを前記洗浄面に沿って一方向あるいは往復方向に移動させる移動手段からなる回転移動手段と、前記被洗浄物を少なくとも前後左右のいずれかに傾斜するように支持し、前記被洗浄物の洗浄面と前記噴射ノズルとが対向するように前記被洗浄物を支持した被洗浄物支持部と、を備え、前記被洗浄物支持部は前記ケースの内部に出入り自在となるようにレールに移動可能に設置されるとともに、前記ケースが開かれて前記被洗浄物支持部が搬入された後、前記ケースが閉じられて前記被洗浄物が洗浄されることを特徴とする。
上記構成によれば、噴射ノズルを被洗浄物の洗浄面に対して略々平行に回転させながら洗浄面に沿って移動させるので、少ない噴射ノズル数で広い洗浄面を効率良く洗浄することができる。また、被洗浄物の洗浄面が確実に噴射ノズルと対向するように支持される。さらには、被洗浄物の水切りが促進される。
また、本発明は、請求項2として、請求項1記載の洗浄装置において、回転アームの回転中心に対して複数の噴射ノズルを非対称に配置したことを特徴とする。
上記構成によれば、複数の噴射ノズルの噴射洗浄領域がそれぞれ異なるため、各噴射洗浄領域を効率よく洗浄することが可能となる。
また、本発明は、請求項3として、請求項2記載の洗浄装置において、各噴射ノズルから噴射される洗浄液により回転アームに生じる回転モーメントの総和が0となるように、複数の噴射ノズルを配置したことを特徴とする。
上記構成によれば、回転中心に対して一方と他方に設けられた噴射ノズルから洗浄液を噴射する際に回転アームに生じる回転モーメントを打ち消すことができるため、回転軸に対して掛かる負荷が均等になる。
また、本発明は、請求項4として、請求項1記載の洗浄装置において、回転アームの回転中心に対して複数の噴射ノズルを対称となるように配置したことを特徴とする。
上記構成によれば、洗浄液が噴射される際にかかる回転アームへの負荷が均等になる。
また、本発明は、請求項5として、請求項1〜4のいずれか記載の洗浄装置において、噴射ノズルが、洗浄液を略々直進させる直進ノズルであることを特徴とする。
上記構成によれば、洗浄力の強い噴射ノズルが選択される。
また、本発明は、請求項6として、請求項1〜5のいずれか記載の洗浄装置において、被洗浄物を洗浄した後の使用済洗浄液を回収する回収部と、前記回収部により回収された前記使用済洗浄液に含まれる異物を除去するストレーナと、前記ストレーナにより異物が除去された前記使用済洗浄液を噴射ノズルに供給する循環装置と、を備えたことを特徴とする。
上記構成によれば、洗浄液を循環して使用するので、洗浄液が有効利用される。
また、本発明は、請求項7として、請求項1〜6のいずれか記載の洗浄装置において、洗浄液を加熱するヒータを設けたことを特徴とする。
上記構成によれば、洗浄液が加熱され洗浄能力の高い温水となる。
本発明の洗浄装置によれば、少ないノズル数で高い洗浄効果及び広い噴射洗浄領域が得られる。また、複数の噴射ノズルを回転アームの回転中心に対して非対称に配置しているため、各噴射ノズルの噴射洗浄領域がそれぞれ異なり、洗い残しや洗浄ムラがより確実に防止されることとなる。また、噴射ノズルから洗浄液を噴射する際に回転アームに生じる回転モーメントを打ち消すことができるため、回転軸に対して掛かる負荷が均等になり、円滑な回転が得られるとともに回転アーム、回転軸、回転手段等の機械的寿命を延ばすことが可能となる。また、洗浄液を略々直進させる直進ノズルを噴射ノズルとして使用することで、高い洗浄力が得られるだけでなく、介護用ベッドの部品等のように凹凸部や穴部等の複雑な形状を有する被洗浄物を洗浄した場合にも、洗い残しや洗浄ムラなく洗浄することが可能となる。さらに、被洗浄物を少なくとも前後左右に傾斜するように支持するため、被洗浄物に付着した洗浄液の水切りが促進され、乾燥作業が容易となる。
以下、本発明を実施するための最良の形態について詳細に説明する。まず、本発明の実施の形態(1)に係る洗浄装置を図1〜図6に基づいて説明する。
実施の形態(1)に係る、図1、図2に示すように、洗浄装置1は、洗浄液Wを噴射する少なくとも1以上の噴射ノズル11を回転させつつ、噴射ノズル11に洗浄液を供給する回転アーム12と、被洗浄物Sの洗浄面Pと噴射ノズル11とが対向するように被洗浄物Sを支持する被洗浄物支持部14と、前記回転アームを洗浄面Pに対して略々平行に回転させながら、洗浄面Pに沿って移動させる回転移動手段13と、を備え、回転アーム12が設けられ介護用ベッド部品などの被洗浄物Sを挿入するケース10とを備える。
ケース10は、図3に示すように左ケース101と右ケース102とからなり、中央で左右に分割可能となるように構成される。ケース10には、前ケース101と後ケース102とを開閉するための開閉手段108が備えられ、被洗浄物Sが出入可能となっている。開閉手段108としては、エアシリンダなどが使用される。
そして、左ケース101は、図4に示すように底面101aと、底面101aに続いて傾斜して形成される側面101bと,底面101aに続いて垂直に形成される正面101cと、底面101aに続いて正面101cと対向するように形成される後面101dと、側面101bに続いて底面101aと対向するように形成される上面101eとから形成される。そして、左ケース101が右ケース102と向き合う面は開口されている。
また、右ケース102は、左ケース101と同様に底面102a、正面102c、後面102d、上面102eが形成される。そして、側面102bは左ケース101の側面101bと傾斜角が等しくなるように形成される。
また、各ケース101、102の側面101b、102bには、回転アーム12が被洗浄物の洗浄面Pに沿って移動できるようにスリット103が設けられている。各ケース101、102は、それぞれ噴射ノズル11を備えた回転アーム12を備え、被洗浄物Sの両側表面を同時に洗浄することが可能となっている。そして、回転アーム12は傾斜した側面101b、102bに略々平行となるように設けられる。また、回転アーム12は、各ケース101、102に対して上下2段に設けられており、被洗浄物Sが大きい場合にも洗浄することが可能となる。さらに、スリット103には、洗浄液Wがケース101、
102の外部に漏出しないように防水カバー104が設けられている。
さらに、側面101b、102bは、傾斜して設けられているが、垂線に対して15°〜50°程度の角度で傾斜していることが好ましく、20〜40°程度が特に好ましい。
また、底面101a、102a、及び上面101e,102eには、各ケース101、102を閉じた際に被洗浄物支持部13によって隙間が生じないようにそれぞれ凹部105が設けられている。また、底面101a、102aには、被洗浄物Sに噴射した後の使用済洗浄液Uを排出、回収するための回収部として排出口106が設けられている。そして、底面101a、102aは,使用済洗浄液Uの排出口106への排出を促進するために、排出口106に向かって低くなるように傾斜させて形成されている。また、底面101a、102aの互いに向き合う位置には、噴射した後の使用済み洗浄液Uが、ケース101、102の外部に漏出しないように防水壁107が設けられる。
回転アーム12は、図5に示すように回転軸121を回転中心として噴射ノズル11を回転させつつ噴射ノズル11に洗浄液Wを供給するためのもので、回転軸121に固定して設けられる。そして、回転アーム12には、被洗浄物Sの洗浄面Pと対向するように各噴射ノズル11A、11B、11Cが設けられている。なお、回転軸121は、回転アーム12の回転中心となるもので、スリット103に設置される。また、回転アーム12は、噴射ノズル11へ洗浄液Wを送水するための供給管としても機能する。
噴射ノズル11Aは、噴射ノズル11B、11Cとは回転軸121に対して反対側となるように配置されている。そして、各噴射ノズル11A、11B、11Cは、回転中心となる回転軸121からの長さが異なるように設けられ、回転中心に対して非対称に配置されている。
なお、各噴射ノズル11A、11B、11Cの配置位置は、それぞれ回転軸121からの長さがL1、L2、L3の位置である。そして、各噴射ノズルの配置位置の関係は、洗浄装置1の大きさ等に応じて適宜設定することができるが、噴射ノズル11が洗浄液Wを噴射した際に回転アーム12に生じる反力Fによる回転モーメントの総和Mが0となるように、L1=L2+L3とすることが好ましい。すなわち、高圧洗浄の場合には、噴射圧が1〜10MPaと大きく、各噴射ノズル11A、11B、11Cからの噴射力は等しくなる。このため、各噴射ノズル11から洗浄液Wを噴射した際に噴射により回転アーム12に発生する回転モーメントの総和Mは、M=F×L1−(F×L2+F×L3)=0となるため、回転軸121に対して偏重した力がかかることがない。
また、回転軸121から一番遠い位置に配置された噴射ノズル11Aの回転移動の軌跡を図6に示す。なお、図6は、回転アーム12が1回転する当たりの回転アーム12の移動速度mが、被洗浄物Sの位置における洗浄液Wの噴射直径dと等しいときの噴射ノズル11Aの回転移動の軌跡を表した図である。図6に示すように、噴射ノズル11Aにより洗浄される領域は被洗浄物Sの全面に渡るが、洗浄液の噴射洗浄領域Rの側縁部R1に対して密に洗浄液Wが噴射されるのに対して、中央部R2への洗浄液Wの噴射量は少なくなる。実施の形態(1)では、洗浄液Wの噴射量が少ない中央部R2に対応して噴射ノズル11B、11Cが設けられており、中央部R2に対しても十分に洗浄液Wを噴射することができる。このため、中央部R2から側縁部R1までの噴射洗浄領域Rの全面に渡って均等に洗浄液Wを噴射することが可能となる。噴射ノズル11B、11Cを配置する位置としては、被洗浄物Sの位置における洗浄液Wの噴射直径dよりも各噴射ノズル11A、11B、11Cの間の長さが大きいことが好ましい。具体的には、効率良く被洗浄物Sの全面に渡って均等に洗浄液Wを噴射する観点からL2/L1=0.2〜0.4、L3/L1=0.6〜0.8となるように配置することが好ましい。
噴射ノズル11としては、円錐ノズル、扇形ノズル、直進ノズル等の各種ノズルを用いることができるが、洗浄液を略々直進させる直進ノズルを用いることが好ましい。直進ノズルは、洗浄液の噴射直径が殆ど拡がることなく被洗浄物の洗浄面に洗浄液を噴射するもので、これにより高い噴射力が得られる。直進ノズルを用いた場合には洗浄液の拡散が小さいため噴射洗浄領域が小さいが、本発明では回転アーム12により噴射ノズル11を回転移動させるので、広い面積を洗浄することができる。また、噴射ノズル11として直進ノズルを用いた場合、洗浄液は噴射直径が殆ど拡がることなくかつ高い噴射力により被洗浄物Sの洗浄面Pに供給されるため、付着力の強い汚れについても効果的に落とすことができ、凹凸部や穴部等を含む細部に対しても洗浄を行うことが可能となる。また、高い噴射力を有するため被洗浄物Sの中でも側面等の噴射ノズル11に対向しない部位に対しても、洗浄を行うことができる。噴射ノズル11から洗浄液Wを噴射する際の噴射圧は、特に限定されないが、1〜10MPaが好ましく、2〜7MPaが特に好ましい。また、噴射ノズル11として直進ノズルを用いる場合、直進ノズルとしては洗浄液Wの拡散角度が0〜5°となるものが好ましく、1〜3°となるものが特に好ましい。
回転移動手段13は、噴射ノズル11が被洗浄物Sの洗浄面Pと対向するように、回転アーム12を被洗浄物Sの洗浄面Pに対して略々平行に回転させながら洗浄面Pに沿って移動させるためのもので、回転手段131と移動手段132とから構成される。
回転手段131は、回転軸121を回転させ、回転軸121に固定設置された回転アーム12を洗浄面Pに対して略々平行に回転させるためのもので、噴射ノズル11による洗浄液Wの噴射が洗浄面Pの広範囲に渡って行われる。この際、噴射ノズル11が洗浄面Pに対して常に対向するように回転アーム12は回転される。回転手段131としては、各種モータ等を用いることができ、回転軸121への負荷等を考慮して減速機付のモータ等が好ましく用いられる。
移動手段132は、噴射ノズル11が洗浄面Pに対して対向するように回転アーム12を被洗浄物Sの洗浄面Pに沿って一方向あるいは往復方向に移動させるためのもので、噴射ノズル11による洗浄液Wの吹き付けが洗浄面Pの全面に渡って行われる。具体的には、回転アーム12の回転中心となる回転軸121を、ロッドレスエアシリンダ等の各種移動手段を用いてスリット103に沿って移動させる。
被洗浄物支持部14は、被洗浄物Sを支持するためのもので、レール141、142上に移動可能に設置されており、ケース10の内部に出入り自在となっている。被洗浄物支持部14は、種々の形状のものを用いることが可能であるが、被洗浄物Sとの接触部が小さく、洗浄液Wが吹き付けられる面積が大きくなるような形状であることが好ましい。実施の形態(1)では、フレーム状の枠体143を用いており、両側の噴射ノズル11から洗浄可能なような形状となっている。また、枠体143はレール141、142に対してそれぞれ可動取付部146、147を介して移動可能に設置されている。
そして、被洗浄物支持部14は、被洗浄物Sに付着した洗浄液Wの水切りを促進するために、被洗浄物Sを少なくとも前後左右のいずれかに傾斜するように支持する構成となっている。フレーム状の枠体143は、支持された被洗浄物Sの洗浄面Pが噴射ノズル11と対向するように、ケース101、102の側面101b、102bと傾斜角が同じとなるように形成される。これにより、被洗浄物Sは左右に傾斜して設置されることとなり、被洗浄物Sに付着した洗浄液の水切りが促進される。特に、介護用ベッドの各部品のように凹凸部や穴部等の複雑な形状を有する被洗浄物Sを洗浄する際に傾斜させることが好ましい。また、枠体143の上部にはフック144が設けられており、被洗浄物Sを吊り下げて支持することが可能となっている。さらに、枠体143の下部には被洗浄物Sの下端
を支持するための受け部145が設けられている。フック144としては、長さの異なるものを用いる等して被洗浄物Sを前後に傾斜させて設置することも可能である。これにより、枠体143により被洗浄物Sを傾斜させたのと同様に被洗浄物Sに付着した洗浄液の水切りを促進することができる。
噴射ノズル11への洗浄液Wの供給は、図3に示すように、洗浄液タンク15に投入された洗浄液Wを循環ポンプ18により送液することで行なわれる。洗浄液タンク15には洗浄液Wを加熱できるようにヒータ16が備えられている。そして、循環ポンプ18の前段には、循環ポンプ18の保護と噴射ノズル11の閉塞防止のために、洗浄液Wの中に含まれる異物を取り除くストレーナ17が設けられている。また、循環ポンプ18の後段には、排圧調整弁19と出口弁20とが設けられている。洗浄液Wの供給圧力が一定値以上となった場合には、排圧調整弁19の作用により洗浄液Wの一部が出口弁20には送られず、洗浄液Wの供給圧力が一定に保たれる。また、出口弁20に送られなかった洗浄液Wは洗浄液タンク15に戻り、洗浄液Wとして再利用されるように構成されている。そして、出口弁20には、洗浄液Wを噴射ノズル11まで供給するための供給管21が設けられている。
また、図4に示すように、移動手段132には、エアコンプレッサー24から空気がエア供給管26を介して供給される。これにより、回転アーム12を被洗浄物Sの洗浄面に沿って一方向あるいは往復方向に移動させることができる。なお、エアコンプレッサー24の後段には、空気の供給方向を切り替えるための電磁弁25が設けられている。
ここで、噴射ノズル11に供給する洗浄液Wとしては、被洗浄物Sの材質等に応じて、有機溶剤、水系洗浄剤等の各種洗浄液を用いることができるが、泡立ちが殆ど生じない無機系の洗浄剤からなる洗浄液を用いることが好ましい。具体的には、炭酸ナトリウムや塩化ナトリウムを含有するイオン化水等を用いることが好ましい。また、被洗浄物Sからの水切りを促進するために洗浄液Wにエタノール等のアルコール類を添加することも可能である。アルコール類を添加することで水のもつ表面張力が小さくなり被洗浄物Sからの水切りが容易となる。
また、ケース10の排出口106には、被洗浄物Sを洗浄した後の使用済洗浄液Uを洗浄液タンク15に還流させるための排水管22が備えられている。排水管22には、洗浄液タンク15に還流する途中に使用済洗浄液Uの中に含まれる異物等を取り除くためのストレーナ23が設けられている。異物等を取り除かれた使用済洗浄液Uは、洗浄液Wとして再利用される。
実施の形態(1)に係る洗浄装置1によれば、噴射ノズル11を被洗浄物Sの洗浄面Pに対向するように回転させながら、洗浄面Pに沿って移動させるので、少ないノズル数で高い洗浄効果及び広い噴射洗浄領域Rが得られる。また、複数の噴射ノズル11を回転アーム12の回転中心に対して非対称に配置しているため、各噴射ノズル11の噴射洗浄領域がそれぞれ異なり、洗い残しや洗浄ムラがより確実に防止されることとなる。また、噴射ノズル11から洗浄液Wを噴射する際に回転アーム12に生じる回転モーメントMを打ち消すことができるため、回転軸121に対して掛かる負荷が均等になり、円滑な回転が得られるとともに回転アーム12、回転軸121、回転手段131等の機械的寿命を延ばすことが可能となる。また、洗浄液を略々直進させる直進ノズルを噴射ノズル11として使用することで、高い洗浄力が得られるだけでなく、介護用ベッドの部品等の複雑な形状を有する被洗浄物を洗浄した場合にも、洗い残しや洗浄ムラなく洗浄することが可能となる。
さらに、被洗浄物支持部14が、被洗浄部Sを前後左右に傾斜させているため介護用ベ
ッド部品等の凹凸部や穴部等からの洗浄液Wの水切りが促進される。また、被洗浄物Sを洗浄した後の使用済洗浄液Uを、ストレーナ23に導入することで使用済洗浄液Uに含まれる異物等を取り除くことができ、洗浄液Wとして再利用できる。また、洗浄液Wをヒータ16により加熱するため、脂性の汚れ等を効果的に落とすことが可能となる。
以上の洗浄装置を用いた洗浄方法について以下で詳細に説明する。
まず、介護用ベッドの部品等の被洗浄物Sを、被洗浄物支持部14により支持する。具体的には、被洗浄物Sをフック144に引っ掛け、被洗浄物Sの下端を受け部145により支持し、枠体143に設置する。そして、ケース10を開閉手段108により開いて、被洗浄物Sが設置された被洗浄物支持部14をレール141、142に沿ってケース10の内部に搬入する。そして、開閉手段108により、ケース10を閉じて密閉とする。
次に、噴射ノズル11が設けられた回転アーム12を回転手段131により被洗浄物Sの洗浄面Pに対して略々平行に回転させる。そして、噴射ノズル11に、ヒータ16により予め所定温度に加熱された洗浄液Wを循環ポンプ18により供給する。そして、洗浄液Wを噴射ノズル11から噴射させる。
なお、噴射ノズル11から洗浄液Wを噴射する際の噴射圧は、特に限定されないが、1〜10MPaが好ましく、2〜7MPaが特に好ましい。例えば、噴射圧が3MPaの場合には、噴射速度は約77m/sとなり、被洗浄物Sに直角に当たった際の打力は0.4kgに達する。これにより凹凸部や穴部等を含む細部に対しても洗浄を行うことが可能となる。
また、洗浄液Wは加熱して用いることが好ましいが、特に加熱することに限定されるものではなく、加熱せずに常温の洗浄液Wを使用することも可能である。また、洗浄液Wの加熱は通常のヒータを用いて行なうことができる。洗浄液Wは40〜70℃程度の温水となるように加熱することが好ましく、50〜60℃程度の温水となるように加熱することが特に好ましい。洗浄液Wとして温水を用いた場合には、噴射ノズル11からの噴射圧Fを3〜4MPa程度の中圧で洗浄を行った場合にも十分な洗浄効果が得られる。そして、3〜4MPa程度の噴射圧で洗浄を行なうと、被洗浄物Sをソフトに洗浄することができ、微細な傷等を与えることがないため好ましい。
続いて、噴射ノズル11が設けられた回転アーム12を移動手段132により被洗浄物Sの洗浄面Pに沿って一方向あるいは往復方向にスリット103上で移動させる。
回転アーム12の回転速度は被洗浄物Sの大きさ、形状、汚れ等に応じて適宜設定可能であるが、0.1〜5回/sec程度が好ましく、1〜3回/sec程度が特に好ましい。回転速度が小さい場合には洗浄速度が遅くなり、回転速度が大きい場合には回転軸121への負荷が大きくなる。また、回転速度が大きい場合には、一回の回転当たりに与えられる洗浄液Wの量が小さくなり洗浄が十分に行われない場合がある。
また、回転アーム12が1回転する当たりの回転アーム12の移動速度mは、被洗浄物Sの位置における洗浄液Wの噴射直径dとの関係でm/d=0.1〜5であることが好ましく、m/d=0.5〜3であることが特に好ましい。移動速度mが噴射直径dよりも大きい場合でも、噴射ノズル11Aの内側に噴射ノズル11B、11Cが設けられているため、洗い残しなく洗浄することが可能となる。なお、m/dが1以下の場合には、図6に示すように噴射ノズル11Aのみで、洗浄液Wを被洗浄物Sの洗浄面P全ての面に当てることが可能となる。
噴射ノズル11により被洗浄物Sに噴射された洗浄液Wは、使用済洗浄液Uとしてケース10の底面101a、102aの傾斜に沿って流れ、排出口106よりケース10の外部に排出される。そして、排出された使用済洗浄液Uは排水管22によりストレーナ23に送液され、異物等が取り除かれる。異物等が取り除かれた使用済洗浄液Uは、洗浄液Wとして再利用し循環ポンプ18により噴射ノズル11に供給する。
そして、所定時間洗浄した後、あるいは回転アーム12を所定回数往復させた後に被洗浄物Sの洗浄を終了する。洗浄終了後は、ケース10を開閉手段108により開いて、被洗浄物Sを設置した被洗浄物支持部14をレール141、142に沿ってケース10の外部へ搬出する。次に、被洗浄物Sを被洗浄物支持部14から取り外し、水切り作業を行なう。なお、図2では図示していないが、被洗浄物支持部14はレール141、142上に2個設置され、往復可能となっている。このため、一方の被洗浄物支持部14を用いて被洗浄物Sをケース10内で洗浄している間に、他方の被洗浄物支持部14を用いて洗浄済の被洗浄物と未洗浄の被洗浄物との取り替えを行なうことができ、効率の良い洗浄を行うことができる。
なお、上記実施の形態(1)では、被洗浄物支持部14はレール141、142を往復可能に設置されているが、レール141、142と平行にさらにレールを併設すること等により被洗浄物支持部14を一方向に循環させることも可能である。この場合には、洗浄済の被洗浄物の取り外しと未洗浄の被洗浄物の設置とを分離した位置で行うことができるため、衛生上好ましい。
続いて、本発明の実施の形態(2)について、図7、図8に基づいて説明する。
実施の形態(2)に係る洗浄装置は、実施の形態(1)において、複数の噴射ノズル11が回転アーム12の回転中心に対して対称となるように設けられている。そして、噴射ノズル11E、11Gは、回転軸121からの長さがL4となる位置に配置されている。また、噴射ノズル11F、11Hは、回転軸121からの長さがL5となる位置に配置されている。
そして、隣接して設けられる噴射ノズル11E、11Fの設置位置は、噴射された洗浄液Wの被洗浄物Sの位置における噴射領域が近接するような長さL4、L5とすることが好ましい。
なお、ケース10、回転アーム12、回転移動手段13、被洗浄物支持部14等のその他の構成については実施の形態(1)に準ずる。
上記実施の形態(2)によれば、実施の形態(1)と同様の効果を奏すとともに、噴射ノズル11を回転軸121に対して対称に設置しているため、各噴射ノズルの設置位置に関係なく洗浄液Wを噴射した際の回転アーム12への負荷を均等とすることができる。また、噴射ノズル11E、Fと11G、11Hとがそれぞれ隣接して配置されているため、図8に示すように、回転アーム12が1回転する当たりの回転アーム12の移動速度mを大きく設定することが可能となる。実施の形態(2)においては、被洗浄物Sの位置における洗浄液Wの噴射直径dとの関係でm/d=0.05〜3であることが好ましく、m/d=0.2〜2であることが特に好ましい。
本発明の実施の形態(1)に係る洗浄装置の要部斜視図である。 本発明の実施の形態(1)に係る洗浄装置全体の斜視図である。 本発明の実施の形態(1)に係る洗浄装置の概略構成を示す正面図である。 本発明の実施の形態(1)に係る洗浄装置の概略構成を示す側面図である。 回転アームの側面図である。 回転アームの回転速度と移動速度の関係を表す図である。 本発明の実施の形態(2)に係る洗浄装置に用いる回転アームの側面図である。 回転アームの回転速度と移動速度の関係を表す図である。
符号の説明
1 洗浄装置
10 ケース
101 左ケース
102 右ケース
101a、102a 底面
101b、102b 側面
101c、102c 正面
101d、102d 後面
101e、102e 上面
103 スリット
104 防水カバー
105 凹部
106 排出口
107 防水壁
108 開閉手段
11、11A、11B、11C 噴射ノズル
12 回転アーム
121 回転軸
13 回転移動手段
131 回転手段
132 移動手段
14 被洗浄物支持部
141、142 レール
143 枠体
144 フック
145 受け部
146、147 可動取付部
15 洗浄液タンク
16 ヒータ
17、23 ストレーナ
18 循環ポンプ
19 排圧調整弁
20 出口弁
21 供給管
22 排水管
24 エアコンプレッサー
25 電磁弁
26 エア供給管
F 反力
P 洗浄面
R 噴射洗浄領域
R1 側縁部
R2 中央部
S 被洗浄物
U 使用済洗浄液
W 洗浄液
d 噴射直径
m 移動速度

Claims (7)

  1. 被洗浄物が出入可能となるように左右に分割して開閉されるケースと、前記被洗浄物に洗浄液を噴射する少なくとも1以上の噴射ノズルと、前記ケースに設けられ前記噴射ノズルを回転させつつ前記噴射ノズルに前記洗浄液を供給する回転アームと、前記回転アームを前記被洗浄物の洗浄面に対して略々平行に回転させる回転手段、及び前記回転アームを前記洗浄面に沿って一方向あるいは往復方向に移動させる移動手段からなる回転移動手段と、前記被洗浄物を少なくとも前後左右のいずれかに傾斜するように支持し、前記被洗浄物の洗浄面と前記噴射ノズルとが対向するように前記被洗浄物を支持した被洗浄物支持部と、を備え、前記被洗浄物支持部は前記ケースの内部に出入り自在となるようにレールに移動可能に設置されるとともに、前記ケースが開かれて前記被洗浄物支持部が搬入された後、前記ケースが閉じられて前記被洗浄物が洗浄されることを特徴とする介護用ベッドの部品の洗浄装置。
  2. 請求項1記載の洗浄装置において、回転アームの回転中心に対して複数の噴射ノズルを非対称に配置したことを特徴とする洗浄装置。
  3. 請求項2記載の洗浄装置において、各噴射ノズルから噴射される洗浄液により回転アームに生じる回転モーメントの総和が0となるように、複数の噴射ノズルを配置したことを特徴とする洗浄装置。
  4. 請求項1記載の洗浄装置において、回転アームの回転中心に対して複数の噴射ノズルを対称となるように配置したことを特徴とする洗浄装置。
  5. 請求項1〜4のいずれか記載の洗浄装置において、噴射ノズルが、洗浄液を略々直進させる直進ノズルであることを特徴とする洗浄装置。
  6. 請求項1〜5のいずれか記載の洗浄装置において、被洗浄物を洗浄した後の使用済洗浄液を回収する回収部と、前記回収部により回収された前記使用済洗浄液に含まれる異物を除去するストレーナと、前記ストレーナにより異物が除去された前記使用済洗浄液を噴射ノズルに供給する循環装置と、を備えたことを特徴とする洗浄装置。
  7. 請求項1〜6のいずれか記載の洗浄装置において、洗浄液を加熱するヒータを設けたことを特徴とする洗浄装置。
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