JP3778539B2 - トンネル内車両走行制御方法及びその装置 - Google Patents

トンネル内車両走行制御方法及びその装置 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、トンネル内の空気汚染濃度を許容範囲内に維持するために、トンネル内を走行する車両の走行状態を制御するトンネル内車両走行制御方法及びその装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
道路トンネルでは、トンネル内を走行する車両の排気ガスに含まれる煤煙や一酸化炭素(CO)等の汚染物質による空気汚染状態を許容範囲内に維持するために、トンネル内に設置された換気機を用いて換気制御を行っている。従来、このようなトンネル換気制御には、さまざまな方法が提案されているが、代表的な方法を以下に説明する。
【0003】
通常、道路トンネルの近くにはトラフィックカウンタが設置されており、先ず、その計測値に基づいて、統計手法を用いた交通量予測手段により、交通量を一定周期毎に予測する。次に、この交通量予測値に基づいて換気計画手段によって換気機運転量の計画値を算出する。この換気機運転量計画値が次の周期の換気機運転量のベースになる。
【0004】
一方、トンネル内には、空気汚染状態を計測するセンサーとして煙霧透過率計(以下、VI(Visibility Index) 計)、一酸化炭素濃度計(以下、CO計)が設けられており、また、トンネル内の風速を測定する風速計(以下AV(Air Velocity)計)が設けられている。これらVI計、CO計、AV計の計測値に基づいて、換気フィードバック手段により、換気機運転量の修正値を計算する。そして、最後に協調手段によって換気機運転量の計画値と修正値との協調をとり、換気機に対する運転指令を決定するように制御を行っている。
【0005】
ところで、トンネル内を走行する車両は、汚染物質の発生源であると共に、その走行によりトンネル内の風速に影響を及ぼす。この影響は交通換気力と呼ばれている。通常、トンネル内を走行する車両の速度は、各ドライバの意思に依存するため各車まちまちであり、かつ時々刻々と変動する。その結果、交通換気力が大きく変動し、トンネル内における風速及び汚染濃度の変動を激しいものとしている。
【0006】
また、トンネル内を走行する車両から排出される汚染物質は、車両速度やアクセル開度に依存することが知られている。このため、車両速度と同様に、汚染物質発生量の変動も大きく、トンネル内汚染濃度の変動を激しくする一因となっている。
【0007】
このような激しい変動に対し換気機は、起動/停止の制約があるうえ、トンネルの換気プロセスは無駄時間が大きいため(すなわち、換気機の運転量変更が汚染濃度の改善に至るまでの時間が長いため、)換気機をこのような激しい変動に追従して制御することは難しかった。
【0008】
このように、トンネル内を走行する車両の影響により、トンネル内における風速や汚染濃度の変動が激しいため、現状では、安全上、余裕をとって汚染濃度の制御目標値を高めに設定している。このため、換気機の消費電力が増大し、省エネルギー上好ましくない。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
このように、トンネル内を走行する車両の走行速度がまちまちで、しかも時々刻々変化するため、交通換気力を活用することができない。また、汚染発生濃度も激しく変動するため、換気機の運転制御が難しく、消費電力の増大を招いていた。
【0010】
本発明の目的は、トンネル内に風速や汚染濃度を計測し、その結果に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生できる車両の走行速度を計算し、トンネル内を走行する車両に対し、路線側から走行速度指令を与えることにより、高精度で安定した換気制御を可能としたトンネル内車両走行制御方法及びその装置を提供することにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
本発明によるトンネル内車両走行制御方法は、トンネルに設けられたセンサーにより物理現象を計測するステップと、この計測された前記物理現象の計測値を予め定めた基準値と比較し、その結果に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生できる車両の走行速度を計算し、トンネル内を走行する車両に対し、路線側から走行速度指令を与えることを特徴とする。
【0012】
このような構成をとることにより、センサーにより計測された物理現象の計測値に応じて、トンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生できる車両の走行速度を計算して、トンネル内を走行する車両に対し、走行速度指令を与えるため、交通換気力を利用した安定した換気機の運転制御を行うことができる。
【0013】
また、本発明によるトンネル内車両走行制御装置は、トンネルに設けられたセンサーにより空気汚染状態または風速の両方または少なくとも一方を計測し、この計測された計測値が予め定めた空気汚染状態の基準値より悪化した場合、または風速が予め定めた下限値を下回った場合に、換気方向と順方向の交通換気力を増加させるか、換気方向の逆方向の交通換気力を減少させるかの、両方または何れか一方となるような車両の走行速度を計算し、トンネル内を走行する車両に対し、路線側から走行速度指令を与えることを特徴とする。
【0014】
このような構成をとることにより、トンネルで計測された空気汚染状態の計測値が基準値より悪化した場合、または風速が予め定めた下限値を下回った場合に、換気方向と順方向の交通換気力を増加させるか、換気方向の逆方向の交通換気力を減少させるかの、両方または何れか一方となるような車両の走行速度を計算し、トンネル内を走行する車両に対し、路線側から走行速度指令を与えるため、交通換気力を利用した安定した換気機の運転制御を行うことができる。
【0015】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態の一例を図面を参照して説明する。
図1は本発明が対象とする道路用トンネル、及びそのトンネル内を走行する車両の走行制御を行うことにより、トンネル内の換気を行う装置の一実施形態を表している。
【0016】
図1において、11は対面交通用の道路トンネルで、内部に設けられたジェットファン12による縦流換気式を採用している。ここで、対面交通とは、トンネル内の上り方向と下り方向との両方向に車両13が走行する場合を言う。これに対して、一方方向のみに車両が走行する場合は一方通行と呼ばれるが、ここでは、前述のように対面交通の場合を例示している。
【0017】
また、ジェットファン縦流換気式とは、トンネル11内に設けられたジェットファンと呼ばれる送風機12を用いてトンネル11内の汚染空気を、トンネル11の長さ方向に送風して外部に排出する方式であり、日本では最も一般的に用いられている。また、図1には示されていないが、トンネル11が長い場合には、集塵機や走・排風機などが組合わされる場合もある。
【0018】
トンネル11内には各種のセンサーが設けられているが、以下これらについて説明する。これらセンサーを大別すると、交通量の測定に用いられるものと、トンネル内に生じる物理現象を測定するセンサーとに別れる。
【0019】
交通量を測定するものとしてはトラフィックカウンター(以下、TC)14が用いられている。このTC14はトンネル11内を走行する車両の台数及び速度を計測するもので、上り方向/下り方向、大型車/小型車別にそれぞれ測定可能に構成されている。
【0020】
これに対し、トンネル内に生じる物理現象を測定するセンサーとしては、トンネル内の空気汚染状態を計測するものと、トンネル内の風速を計測するものとがある。空気汚染状態を計測するセンサーとしては、従来と同様にVI計15やCO計16が用いられ、トンネル11内の風速を計測するものとしてはAV計17が用いられている。なおVI計15は、トンネル11内のVI値を計測するものであり、VI値とはトンネル内の視界の良さを表す指標である。すなわち、100%は完全にクリアな状態に、0%は真っ暗な状態にそれぞれ対応する。
【0021】
これら各センサー14,15,16,17の信号は、従来と同様に、図示上部に表示されたトンネル換気制御装置に出力される。すなわち、トンネル換気制御装置を構成する交通量予測手段19にはTC14の計測値信号が入力される。交通量予測手段19は、トンネル11内を通る交通量を一定周期毎に予測する。この交通量予測値は換気計画手段20に入力され、後述する車速設定値と共に換気機運転量計画値の計算に用いられる。また、VI計15によるVI測定値、CO計16によるCO測定値、AV計17による風速測定値は換気フィードバック制御手段21に入力され、換気機運転量の修正量演算に用いられる。
【0022】
このようにして求められた換気機運転量の計画値と修正量は協調手段22に入力され、この協調手段によって協調を取られ、換気機であるジェットファン12に対する運転指令値として出力される。
【0023】
次に、本発明の特徴部分であるトンネル11内を走行する車両13の走行制御を行う各手段を説明する。24は車速設定手段で、各センサー15,16,17による計測値、すなわち、トンネル11内の空気汚染状態計測値(VI値やCO値)及びトンネル11内の風速計測値(AV値)を入力し、これらの値に応じてトンネル11内を走行する車両13の走行速度を決定し、車両速度指令値を出力する。
【0024】
この車両速度指令値は、例えば自動運転道路システムにて使用される車両制御手段25に出力され、この車両制御手段25によってトンネル11内を走行する自動運転可能な車両13に走行速度指令として与えられる。また、この車両速度指令値は、換気計画手段20にも出力され、前述したように交通量予測値と共に換気機運転量計画値の算出に用いられる。
【0025】
ここで、自動運転道路システムとは、連続通信により道路を走行する車両の速度や車間距離などを自動制御するシステムであり、テストコースや開通前の高速道路において実験走行が行われ、技術的には確立されており、近い将来実用化される技術である。
【0026】
本発明では、トンネル11内を走行する車両13の車速を制御するだけで良いので、具体的には道路側に漏洩同軸ケーブル(以下、LCXケーブル)を設置し、車両13側にLCXコントローラとスロットルアクチュエータ及びブレーキアクチュエータを設置する。そして、図1で示した車両制御手段25によりLCXケーブルを介して路車間通信を行い、車両13の走行速度を、車速設定手段24によって決定された車両速度指令値に自動制御する。
【0027】
次に、トンネル11内に設けられたVI計15、CO計16、AV計17の計測値に基づいて車速設定手段24により、トンネル11内を走行する車両13の走行速度を設定する方法を説明する。
【0028】
先ず、車両13の走行速度を設定する目的の一つであるトンネル換気制御では、トンネル11内のVI値及びCO濃度が定められた許容範囲内に収まるように換気機であるジェットファン12を制御する必要がある。対面通行トンネルでは、交通換気力の変動により、風速の急激な低下や風向の逆転が発生しやすく、その際には汚染濃度が急激に悪化する。これを防ぐためには最低風速管理機能を設け、汚染濃度の良し悪しに関わらず、常に一定レベル以上の風速を維持するようにしている。この場合の汚染濃度及び風速の管理値を以下の記号で表す。
【0029】
VImin :VI下限値。換気機は、VI値がこの下限値を下回らないように運転制御される。
COmax :CO上限値。換気機は、CO濃度がこの上限値を上回らないように運転制御される。
【0030】
AVmin :AV下限値。換気機は、風速がこの下限値を下回らないように運転制御される。
また、トンネル11内を走行する車両13の速度は次のように表現する。
【0031】
Vt+ :順方向(換気方向と同方向)に走行する車両の速度。
Vt- :逆方向(換気方向と逆方向)に走行する車両の速度。
速度Vt+、Vt-は、通常時は法定速度程度に設定しておく。この際、速度Vt+をVt-に比べ高めに設定しておけば、順方向の交通換気力(換気を助ける方向)が強まり、逆方向の交通換気力(換気を妨げる方向)が弱まるため、換気運転量が削減され、省エネ効果が生じる。ここで、速度Vt+、Vt-の通常時の設定値をそれぞれVtset+ 、Vtset- とする。
【0032】
図1で示した実施の一形態では、VI計、CO計及びAV計の計測値に基づいて速度Vt+及びVt-の設定値を変更する。この変更方法の一例を図2を用いて説明する。
【0033】
図2(a)(b)はVI値の計測値に応じて車速の設定値を変更する方法を示している。すなわち、VI値が、VImin +ΔVIより高い場合は、車速Vt+及びVt-は、図示のように、通常時の設定値であるVtset+ ,Vtset- とする。なお、ΔVIは、図2におけるヒステリシス部を形成するためのパラメータである。これに対し、トンネル11内の汚染濃度が悪化しVI値がVImin +ΔVIを下回った場合は、図2で示すように、順方向の車速Vt+をΔVtVI+だけ増加させ、逆方向の車速Vt-をΔVtVI-だけ減少させる。
【0034】
この場合、図1の上方に示した従来の換気制御手段は、トンネル11内のVI値が目標値以内となるようにジェットファン12の運転制御を行うが、上述のように車速設定値を変更することにより、順方向の交通換気力(換気を助ける)が強まり、逆方向の交通換気力(換気を妨げる)が弱まるので、ジェットファン12による換気力を補助することになる。
【0035】
この車速設定値の変更による交通換気力の操作、及び換気機であるジェットファン12の運転によりトンネル11内のVI値が回復し、下限値であるVImin を上回った場合には、車速Vt+及びVt-を元に戻す。ここで、図2で説明したヒステリシス部は、上述した車速変更の際における、頻繁な変更動作を防止するためのものである。
【0036】
なお、図2の例では、VI値がその下限値VImin を上回った場合に車速Vt+及びVt-を元に戻すようにしているが、より安全サイドとするため、VI値がその下限値を若干上回るVImin +ΔVI´(但し、ΔVI´<ΔVIとする)で車速Vt+及びVt-を元に戻すようにしても良い。
【0037】
また、CO計16の計測値及びAV計17の計測値により車速の設定値変化させる図3及び図4に示す。これらの方法は、基本的に上述したVI計の計測値に応じて車速の設定値を変化させる場合と同様である。
【0038】
すなわち、CO計16の計測値に応じて車速を変化させる場合は、図3(a)(b)で示すように、CO濃度が、COmax −ΔCOより低い場合は、車速Vt+及びVt-は、図示のように、通常時の設定値であるVtset+ ,Vtset- とする。なお、ΔCOは、図3におけるヒステリシス部を形成するためのパラメータである。これに対し、トンネル11内の汚染状態が悪化しCO濃度がCOmAX −ΔCOを上回った場合は、図3で示すように、順方向の車速Vt+をΔVtCO+だけ増加させ、逆方向の車速Vt-をΔVtCO-だけ減少させる。
【0039】
この場合、換気制御手段は、トンネル11内のCO濃度が目標範囲内となるようにジェットファン12の運転制御を行うが、上述のように車速設定値を変更することにより、順方向の交通換気力(換気を助ける)が強まり、逆方向の交通換気力(換気を妨げる)が弱まるので、ジェットファン12による換気力を補助することになる。
【0040】
この車速設定値の変更による交通換気力の操作、及び換気機であるジェットファン12の運転によりトンネル11内のCO濃度が回復し、上限値である。COmax を下回った場合には、車速Vt+及びVt-を元に戻す。
【0041】
同様に、図4において、AV値がAVmin +ΔAVより高い場合は、車速Vt+及びVt-は、図示のように、通常時の設定値であるVtset+ ,Vtset- とする。なお、ΔAVは、図42におけるヒステリシス部を形成するためのパラメータである。これに対し、トンネル11内の風速が低下し、AV値がAVmin +ΔAVを下回った場合は、図4で示すように、順方向の車速Vt+をΔVtAV+だけ増加させ、逆方向の車速Vt-をΔtAV-だけ減少させる。
【0042】
この場合、換気制御手段は、ジェットファン12の運転制御を行うが、上述のように車速設定値を変更することにより、順方向の交通換気力(換気を助ける)が強まり、逆方向の交通換気力(換気を妨げる)が弱まるので、ジェットファン12による換気力を補助することになる。
【0043】
この車速設定値の変更による交通換気力の操作、及び換気機であるジェットファン12の運転によりトンネル11内のAV値が回復し、下限値であるAVmin
を上回った場合には、車速Vt+及びVt-を元に戻す。
【0044】
このように、センサー出力であるAV値、CO濃度及び風速の計測値のチェックを行い、車速の設定値を決定する。その際に、複数の項目について車速設定値の変更が必要になった場合は、より速い変更が必要になるため、それぞれの変更量を考慮する。例えば、VI値がVImin +ΔVIを下回り、かつ風速がAVmin +ΔAVを下回った場合は、車速を次のように変更する。
Vt+=Vtset+ +ΔVtVI++ΔVtAV+
Vt-=Vtset- −ΔVtVI-−ΔVtAV-
【0045】
ただし、車速Vt+及びVt-には上下限リミットVtmin, Vtmaxを設けるものとする。
このようにして決定した車速Vt+及びVt-を図1で示した車両制御手段25に渡し、前述のように、LCXケーブルなどを用いてトンネル11内を走行する車両13との間で路車間通信を行い、これら車両の速度制御を行う。なお、本手段の制御周期はTV 分とし、設定可能とする。
【0046】
また、車速設定手段24で決定した車速Vt+及びVt-は、図1で示すように、換気計画手段20にも出力され換気機運転計画値の算出に用いられる。ここで、換気機計画手段20での換気機計画値の算出に、車速設定手段24で決定した車速Vt+及びVt-を用いる理由を以下に説明する。
【0047】
すなわち、従来のトンネル換気制御装置では車速として実測値や設計速度を用いていたが、これらによる車速の値は変動が激しいため、これらに基づいて算出される換気機運転量計画値は誤差が大きかった。これに対し、車速設定手段24で決定した車速Vt+及びVt-を用いることにより正確な車速を把握できるため、換気機運転計画量の計画精度が著しく向上する。さらに計画時に用いられる煤煙発生量やCO発生量は車速に依存することが知られているため、これらの値についてもより正確な値を設定することが可能になり、計画精度が向上する。
【0048】
このように、トンネル11内を走行する車両13の速度を一定値に制御することが可能になるため、交通換気力の変動が著しく減少し、風速及び汚染濃度の変動幅が小さくなる。その結果、換気機を運転する際のマージンが少なくて済み、運転量を低減することにより省エネルギーを図ることができる。
【0049】
同じく車両速度を一定値に制御可能であることから、車両13からの汚染物質発生量(速度に依存する)の変動が少なくなり、汚染濃度の変動幅が小さくなる。その結果、換気機を運転する際のマージンが少なくて済み、運転量を低減できることにより省エネを図ることができる。
【0050】
また、汚染濃度の悪化や風速の低下が生じた場合は、車速の設定値を変更して順方向の交通換気力(換気を助ける)を強め、逆方向の交通換気力(換気を妨げる)を弱めることにより、換気機の運転を助けることができる。その結果、換気機の運転量が減少し、省エネを図ることができる。
【0051】
このようなトンネル11内を走行する車両13の走行速度を制御することが可能になるため、トンネル11内での事故を著しく低減でき、大惨事の発生を未然に防ぐことができる。同じく、トンネル11内、走行車両13の走行速度を制御できるので、ドライバの視野は最低限に確保できればよく、VI目標値を低めに設定できることにより、換気機の消費電力を著しく低減できると共に、トンネル内の照明設備の能力やその消費電力を低減させることができる。
【0052】
なお、上記実施の形態では、トンネル11内を走行する車両の走行速度のみを制御する場合について説明したが、車間距離の制御なども可能であり、トンネル内の車両の車間距離や台数を制御し、交通換気力をよりきめ細かく制御することにより、上述した各種効果を一層高めることができる。
【0053】
【発明の効果】
以上のように本発明によれば、このセンサーによる計測値を予め定めた基準値と比較し、その結果に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生できる車両速度を決定し、車両速度をトンネル内を走行する車両に対して走行速度指令として与えるため、交通換気力を利用して、換気機の運転制御を安定して行うことができ、省エネルギー効果も増大する。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明によるトンネル内車両走行制御装置の一実施の形態を示すブロック図である。
【図2】 本発明において、VI計測値に応じて車速設定値を変更する方法を説明する特性図である。
【図3】本発明において、CO計測値に応じて車速設定値を変更する方法を説明する特性図である。
【図4】本発明において、AV計測値に応じて車速設定値を変更する方法を説明する特性図である。
【符号の説明】
11…トンネル
12…換気機としてのジェットファン
13…車両
15…空気汚染状態を計測するセンサーである煙霧透過率計(VI計)
16…空気汚染状態を計測するセンサーである一酸化炭素濃度計(CO計)
17…風速を計測するAV計
24…車速設定手段
25…車両制御手段。

Claims (11)

  1. トンネルに設けられたセンサーにより物理現象を計測するステップと、
    この計測された前記物理現象の計測値を予め定めた基準値と比較し、その結果に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生できる車両の走行速度を計算するステップと、
    トンネル内を走行する車両に対し、路線側から走行速度指令を与えるステップと
    を有することを特徴とするトンネル内車両走行制御方法。
  2. 前記センサーで計測される物理現象は、トンネル内の空気汚染状態計測値であり、当該トンネル内の空気汚染状態計測値に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生する車両速度を計算し、車両速度指令値を決定することを特徴とする請求項1に記載のトンネル内車両走行制御方法。
  3. 前記センサーで計測される物理現象は、トンネル内の風速計測値であり、当該トンネル内の風速計測値に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生する車両速度を計算し、車両速度指令値を決定することを特徴とする請求項1に記載のトンネル内車両走行制御方法。
  4. 前記センサーで計測される物理現象は、トンネル内の空気汚染状態計測値及び風速計測値であり、当該トンネル内の空気汚染状態計測値及びトンネル内の風速計測値に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生する車両速度を計算し、車両速度指令値を決定することを特徴とする請求項1に記載のトンネル内車両走行制御方法。
  5. トンネルに設けられたセンサーにより空気汚染状態または風速の両方または少なくとも一方を計測するステップと、
    この計測された計測値が予め定めた空気汚染状態の基準値より悪化した場合、または風速が予め定めた下限値を下回った場合に、換気方向と順方向の交通換気力を増加させるか、換気方向の逆方向の交通換気力を減少させるかの、両方または何れか一方となるような車両の走行速度を計算するステップと、
    トンネル内を走行する車両に対し、路線側から走行速度指令を与えるステップと
    を有することを特徴とするトンネル内車両走行制御方法。
  6. 前記車両の走行速度を計算するステップは、
    トンネル内を換気方向と同方向に走行する車両に対して与える車両速度を上げるか、または換気方向と逆方向に走行する車両に対して与える車両速度を下げるか、両方またはいずれか一方となるように車両速度を決定する、
    ことを特徴とする請求項5に記載のトンネル内車両走行制御方法。
  7. トンネル内に生じる物理現象を測定するセンサーと、
    このセンサーによる計測値を予め定めた基準値と比較し、その結果に応じてトンネル内の物理現象の前記計測値を基準値以内に収めるために必要な交通換気力を発生できる車両速度を決定する車速設定手段と、
    この車速設定手段によって決定された車両速度をトンネル内を走行する車両に対して走行速度指令として与える車両制御手段と、
    を備えたことを特徴とするトンネル内車両走行制御装置。
  8. センサーは、トンネル内の空気汚染状態を計測するものであることを特徴とする請求項5に記載のトンネル内車両走行制御装置。
  9. センサーは、トンネル内の風速を計測するものであることを特徴とする請求項5に記載のトンネル内車両走行制御装置。
  10. トンネル内の空気汚染状態または風速の両方または少なくとも一方を測定するセンサーと、
    このセンサーによる計測値が予め定めた空気汚染状態の基準値より悪化している場合、または風速が予め定めた下限値を下回った場合に、換気方向と順方向の交通換気力を増加させるか、換気方向の逆方向の交通換気力を減少させるかの、両方または何れか一方となるような車両速度を決定する車速設定手段と、
    この車速設定手段によって決定された車両速度をトンネル内を走行する車両に対して走行速度指令として与える車両制御手段と、
    を備えたことを特徴とするトンネル内車両走行制御装置。
  11. 前記車速設定手段で決定される車両速度は、
    トンネル内を換気方向と同方向に走行する車両に対して与える車両速度を上げるか、または換気方向と逆方向に走行する車両に対して与える車両速度を下げるかの、両方またはいずれか一方となるように車両速度を決定する、
    ことを特徴とする請求項10に記載のトンネル内車両走行制御装置。
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