JP3779866B2 - 沸騰水型原子炉の制御棒及び制御棒用ユニット並びに沸騰水型原子炉の制御棒の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、沸騰水型原子炉の出力を制御する沸騰水型原子炉の制御棒及び制御棒用ユニット並びに沸騰水型原子炉の制御棒の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、略十字型形状のブレードを備えたこの種の沸騰水型原子炉の制御棒の一例として、例えば、特開平5−2092号公報や特開平9−61576号公報に記載のものがある。
【0003】
これら従来技術による制御棒は、横断面略十字形のタイロッドの軸方向上部にハンドルを取り付けるとともにタイロッドの軸方向下部に下部支持部材(または落下速度リミッタ、以下同様)を取り付け、また横断面略楕円形の楕円管に構成した上部ハフニウムをハンドルに固定するとともに同様に楕円管に構成した下部ハフニウムを下部支持部材に固定し、さらにこれら反応度制御材としての上部及び下部ハフニウムをそれぞれ内包させた4つのシースをハンドル、下部支持部材、及びタイロッドの略十字形端部にそれぞれ固定した構造となっている。
【0004】
このとき、上記制御棒の製造手順は、上記公報中には特に明確には示されていないが、通常、以下のようにして行われる。
すなわち、まず予め、タイロッドの軸方向上部に、下方に向かって伸びる上部舌状部位がハンドル本体と一体に形成されたハンドルを取り付ける。また、タイロッドの軸方向下部に、上方に向かって伸びる下部舌状部位が下部支持部材本体と一体に形成された下部支持部材を取り付ける。これによってハンドル、タイロッド、及び下部支持部材の組立体(フレームともいう)が完成する。
【0005】
そして、ハンドルの上部舌状部位を上部ハフニウム楕円管の上方より内部に挿入した後、その挿入した上部舌状部位と上部ハフニウム楕円管とを、お互いを貫通して取り付けられる固定ピンによって係合する。一方、下部支持部材の下部舌状部位についても、上記同様、下部ハフニウム楕円管の下方より内部に挿入し、下部舌状部位と下部ハフニウム楕円管とを固定ピンによって係合する。
【0006】
以上のようにして上部・下部ハフニウム楕円管を固定させてから、横断面U字形のステンレス鋼製シースのU字開口側からシース内部にそれら上部・下部ハフニウム楕円管を順次取り込み、すべての上部・下部ハフニウム楕円管がシース内に配設されるように包含する。
【0007】
その後、前述のシースU字開口側端部を横断面十字型のタイロッドの対応する十字形端面に溶接固定し(例えば長手方向複数箇所)、最後にシースの上・下端部をハンドルの下部及び下部支持部材の上部にそれぞれ溶接し固定する。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来技術には以下の課題が存在する。
【0009】
一般に、略十字型形状のブレードを備える沸騰水型原子炉の制御棒は、適用する沸騰水型原子炉の仕様や性能等に応じて複数種類が存在し、それぞれによって反応度制御材の形状やその固定構造が異なる。上記の特開平5−2092号公報や特開平9−61576号公報では、前述のように反応度制御材(中性子吸収材)としてハフニウム楕円管を用いている。そして、ハンドルに一体的に設けた上部舌状部位と上部ハフニウム楕円管をピン結合するとともに、下部支持部材に一体的に設けた下部舌状部位と下部ハフニウム楕円管とをピン結合することにより、上下両側からハフニウム楕円管を固定している。
【0010】
一方、他のタイプの制御棒としては、例えば特開平11−94975号公報に記載のように、反応度制御材として、例えばステンレス製被覆管内に炭化ホウ素(B4C)を充填した中性子吸収棒を用いる構造が提唱されている。この場合、各中性子吸収棒とハンドル及び下部支持部材側との係合又は固定構造は一切設けられず、各中性子吸収棒はシース内で自重により下部支持部材の上に載置されているのみとなっている。
【0011】
さらに他のタイプの制御棒としては、反応度制御材としてハフニウム中実棒(略丸棒状)を用い、各ハフニウム棒の上部に設けた凸型構造とハンドル側に設けたカーテンレール状の凹型構造とを係合させることにより、シース内にてハフニウム棒を支持する構造も既に提唱されている。この場合、各ハフニウム棒と下部支持部材側との係合又は固定構造は設けられない。
【0012】
上記特開平5−2092号公報や特開平9−61576号公報に記載のハフニウム楕円管を用いる制御棒は、横断面十字型のタイロッドの上・下にハンドル及び下部支持部材をそれぞれ取り付け、ハンドルと下部支持部材との間の空間に、反応度制御材を内包したシースを配設するという基本構造の点で、上記した特開平11−94975号公報に記載のB4C充填中性子吸収棒を用いる制御棒や、カーテンレール状構造にてハフニウム中実棒を係合支持する制御棒と極めて類似しており、異なるのは、その反応度制御材側の構造のみである。したがって、その類似構造部分を共通部品化できれば、その共通部品を上記3種類の制御棒のすべてに適用できることとなる。
【0013】
しかしながら、上記特開平5−2092号公報や特開平9−61576号においては、このような点に配慮されていない。すなわち、ハンドル、タイロッド、下部支持部材の組立体を予め組み立てたとき、ハンドルの下部には上部ハフニウム楕円管を取り付けるための上部舌状部位が既に一体に形成され、また下部支持部材の上部には下部ハフニウム楕円管を取り付けるための下部舌状部位が既に一体に形成されている。このため、このような舌状部位による固定構造を用いない、前述のB4C充填中性子吸収棒を用いる制御棒やハフニウム中実棒を係合支持する制御棒に適用することができなかった。
【0014】
この結果、比較的類似構造の部分が多いにもかかわらず、上記2つの他のタイプの制御棒とは別の工程・設備にて製造を行う必要があり、生産工程や生産設備の増大、及び生産効率(生産性)の低下を招いていた。またあまり大きな違いのない制御棒がそれぞれのタイプ毎に製造され流通、保管されていたため、流通上の無駄が増大したり、保管スペースが広く必要となるという課題もあった。
【0015】
本発明の目的は、略十字形状のブレードを備えた沸騰水型原子炉の制御棒において、複数種類のタイプにおいて部品の共通化を図り、工程及び設備を縮小し生産性を向上できる構造を提供することにある。
【0016】
【課題を解決するための手段】
(1)上記目的を達成するために、本発明は、横断面十字型のタイロッドの軸方向上部にハンドルを取り付けると共に、前記タイロッドの軸方向下部に下部支持部材または落下速度リミッタを取り付けて、前記タイロッドとハンドルと下部支持部材または落下速度リミッタとを横断面十字型の構造体として一体に組み立てた第1ユニットと、各々が、反応度制御材を内包したシースの軸方向上部に上部エンドプレートの下部を溶接により固定すると共に、前記シースの軸方向下部に下部エンドプレートの上部を溶接により固定した4つのユニット構成要素からなる第2ユニットとを備え、各ユニット構成要素の前記上部エンドプレートの上部を前記ハンドルに溶接により固定し、前記下部エンドプレートの下部を前記下部支持部材または落下速度リミッタに溶接により固定することにより、前記第1ユニットの十字型の4辺に対して前記4つのユニット構成要素を前記第1ユニットに溶接固定して、前記第1ユニットと第2ユニットとの結合体として構成する。
【0017】
本発明においては、ハンドルのうち、従来反応度制御材を取り付けていた側である下部側領域を上部エンドプレートとして分離して別部材とし、同様に下部支持部材(又は落下速度リミッタ、以下同様)上部側領域を下部エンドプレートとして分離して別部材とする。そして、それら下部側領域を分離したハンドル及び上部領域を分離した下部支持部材をタイロッドの上下にそれぞれ取り付けて、タイロッドとハンドルと下部支持部材とを横断面十字型の構造体として一体に組み立てた第1ユニットとする一方で、前述のようにハンドル及び下部支持部材から分離した上部エンドプレート及び下部エンドプレートを、反応度制御材を内包するシースに溶接により取り付けて第2ユニットとする。
【0018】
これにより、上部・下部ハフニウム楕円管を用いる制御棒に対しては、上部・下部エンドプレートに上部・下部舌状部位を固定しこれらに上部・下部ハフニウム楕円管をピン結合させさらにシースで覆った専用の第2ユニットを準備し、B4Cを充填した中性子吸収棒を用いる制御棒に対しては、下部エンドプレート上に中性子吸収棒を載置しシースで覆った専用の第2ユニットを準備し、ハフニウム中実棒を用いる制御棒に対しては、上部エンドプレートの下部にカーテンレール状の凹型構造を設けこれに各ハフニウム棒上部の凸型構造を係合させてシースで覆った専用の第2ユニットを準備しておくことで、ハンドル、下部支持部材、及びタイロッドの組立体からなる第1ユニットは上記3タイプのすべてに対し共通に用いること(共有化)ができる。
【0019】
したがって、各タイプ毎に別々の工程・設備にて製造を行う必要があった従来に比べ、工程及び設備を縮小し、生産性を向上することができる。また共通化した第1ユニットについては同一の流通ルートで同一の場所に保管し、互いに異なる第2ユニットについてのみ別々の場所に保管すれば足りるので、流通上の無駄をなくし、保管スペースを低減できるという効果もある。
【0020】
(2)上記(1)において、好ましくは、前記シースを、略楕円形の横断面形状を備えた楕円管で構成する。
【0021】
これにより、反応度制御材を内包させる閉空間をシースのみで形成することができるので、従来構造のようにシースU字開口側端部を横断面十字型のタイロッドの十字型端面に溶接固定する必要がなくなる。すなわち、全長数mにも及ぶ長尺のタイロッドの長手方向複数箇所における煩雑な溶接作業を省略することができるので、工程を簡素化でき、また信頼性を向上できる。
【0022】
(3)上記(1)又は(2)において、また好ましくは、前記反応度制御材を、略楕円形の横断面形状を備えたハフニウム楕円管、ハフニウム棒、及び炭化ホウ素を包含した中性子吸収棒の少なくとも1つで構成する。
【0024】
(4)さらに上記目的を達成するために、本発明の沸騰水型原子炉の制御棒の製造方法では、横断面十字型のタイロッドの軸方向上部にハンドルを取り付けると共に、前記タイロッドの軸方向下部に下部支持部材または落下速度リミッタを取り付けて、前記タイロッドとハンドルと下部支持部材または落下速度リミッタとを横断面十字型の構造体として一体に組み立てることにより第1ユニットを構成し、反応度制御材を内包したシースの軸方向上部に上部エンドプレートの下部を溶接により固定すると共に、前記シースの軸方向下部に下部エンドプレートの上部を溶接により固定して第2ユニットの構成要素を構成し、その後、前記第2ユニットの構成要素を4つ用意し、各構成要素における前記上部エンドプレートの上部を前記ハンドルに溶接により固定し、前記下部エンドプレートの下部を前記下部支持部材または落下速度リミッタに溶接により固定することにより、前記第1ユニットの十字型の4辺に対応して前記4つのユニット構成要素を前記第1ユニットに溶接固定して前記第1ユニットと第2ユニットとを結合させる。
【0025】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の一実施形態を図面を参照しつつ説明する。
本実施形態による制御棒は、沸騰水型原子炉炉心の制御セルに配置され、原子炉運転中は出力調整用として炉心に挿入されるものであり、反応度制御材としてハフニウム楕円管を用いたものである。
【0026】
図1は、この本発明の一実施形態の制御棒の全体構造を表す一部分解して示す破断斜視図であり、図2は、図1中II−II断面による横断面図である。
【0027】
これら図1及び図2において、制御棒1は、横断面形状が略十字形をしており、軸心から四方に延びる4つのブレードを有している。ブレードの下方には、下部支持部材6(または公知の落下速度リミッタ、例えば特開平11−94975号公報の図5参照、以下同様)が設けられ、ハンドル5はブレードの上端に取り付けられる構造である。
【0028】
そして、この制御棒1は、タイロッド4にハンドル5及び下部支持部材6を取り付けた部品(第1ユニット)1Aと、反応度制御材を包含した横断面略楕円形状の楕円管のステンレス鋼製シース10に上部エンドプレート9U及び下部エンドプレート9Lを取り付けた部品(第2ユニット)1Bとを結合した構造となっている。
【0029】
以下、その製造手順を順を追って説明する。
【0030】
まず、第1ユニット1Aを組み立てる。すなわち、タイロッド4の上端部にハンドル5の下部を溶接固定すると共に、タイロッド4の下端部に下部支持部材6を溶接固定し、横断面十字形の構造体として組み立てる。
【0031】
このとき、一方で、第2ユニット1Bを構成する4つのユニット構成要素1Baを組み立てる。すなわち、上部エンドプレート9Uの下側に、下方に向かって伸びるように舌状部位7Uが予め一体的に設けられており(一体成形でも良いし溶接接合しておいても良い)、この舌状部位7Uを反応度制御材である上部ハフニウム楕円管2Uの上方からその内部に挿入し、上部ハフニウム2Uと舌状部位7Uを、お互いを貫通して取り付けられる固定ピン8Uによって係合する。
またこのとき、下部エンドプレート9Lの上側にも、舌状部位7Lが上方に向かって伸びるように予め一体的に設けられており、この舌状部位7Lを反応度制御材である下部ハフニウム楕円管2Lの下方から挿入させ、下部ハフニウム2Lと舌状部位7Lとを、お互いを貫通して取り付けられる固定ピン8Lによって係合する。
【0032】
そして、上記のように上部・下部エンドプレート9U,9Lとそれぞれピン結合した上部・下部ハフニウム楕円管2U,2Lをシース10中に挿入配置し、上部・下部エンドプレート9U,9Lの下縁部・上縁部をシース10の上縁部・下縁部にそれぞれ溶接固定する(図1中太実線で示す溶接線参照)。これにより、上部エンドプレート9U、上部ハフニウム楕円管2U、シース10、下部ハフニウム楕円管2L、及び下部エンドプレート9Lが互いに一体に組み立てられ、第2ユニット1Bを構成する各ユニット構成要素1Baが完成する。
【0033】
そして、ハンドル5、タイロッド4、及び下部支持部材6の組立体となっている第1ユニット1Aのハンドル5の下端部及び下部支持部材6の上端部に、各第2ユニット構成要素1Baの上部エンドプレート9Uの上端部及び下部エンドプレート9Lの下端部を溶接して接合固定する(図1中太実線で示す溶接線参照)。これにより、第1ユニット1Aと、4つの構成要素1Baからなる第2ユニット1Bとが結合され、制御棒1が完成する。
【0034】
以上のように構成した本実施形態の制御棒1の効果を以下詳細に説明する。
【0035】
(1)部品共通化による生産性向上
本実施の形態の最も大きな効果は、ハンドル5、下部支持部材6、及びタイロッド4の組立体からなる第1ユニット1Aを異なるタイプの制御棒に対し共通に用いることにより、生産性を向上することである。
【0036】
そこで、この効果を説明するにあたり、上記共通に用いることのできる他のタイプの制御棒の例を示す。
【0037】
(1−A)B4C入り中性子吸収棒を用いる制御棒
図3は、B4C入り中性子吸収棒を用いるタイプの制御棒に本発明を適用し共通化を図る場合の第2ユニットの構成要素1Ba′の構造を表す一部分解して示す破断斜視図である。図1及び図2と同等の部分には同一の符号を付す。
【0038】
図3において、この第2ユニット構成要素1Ba′は、沸騰水型原子炉炉心の非制御セルに配置され原子炉運転中は原子炉停止用として炉心に挿入される制御棒を構成するためのものであり、シース10内に配置する反応度制御材として、例えばステンレス製被覆管内に炭化ホウ素(B4C)を充填した中性子吸収棒14を用いるものである。
【0039】
この場合、各中性子吸収棒14とハンドル5側の上部エンドプレート9U及び下部支持部材6側の下部エンドプレート9Lとの係合又は固定構造は一切設けられず、各中性子吸収棒14はシース10内で自重により下部エンドプレート9Lの上に載置されているのみとなっている。
【0040】
(1−B)ハフニウム中実棒を用いる制御棒
図4は、ハフニウム中実棒を用いるタイプの制御棒に本発明を適用し共通化を図る場合の第2ユニットの構成要素1Ba″の構造を表す一部分解して示す破断斜視図である。図1〜図3と同等の部分には同一の符号を付す。
【0041】
図4において、この制御棒は沸騰水型原子炉炉心の制御セルに配置され、原子炉運転中は出力調整用として炉心に挿入される制御棒を構成するためのものであり、シース10内に配置する反応度制御材として、ハフニウム中実棒(略段付き丸棒状)13を用いるものである。
【0042】
このとき、各ハフニウム棒13の上部にカーテンレール状の凸型構造部12を設けており、これら凸型構造部12と上部エンドプレート9U側に設けたカーテンレール状の凹型構造11とを挿入係合させることにより、シース10内にてハフニウム棒13を支持するようになっている。この場合、各ハフニウム棒13と下部エンドプレート9L側との係合又は固定構造は設けられない。
【0043】
(1−C)第1ユニットの共通化
ここで、先に図1及び図2に示した本実施の形態の制御棒1においては、ハンドル5のうち、従来構造において反応度制御材を取り付けていた側である下部側領域を上部エンドプレート9Uとして分離して別部材とし、同様に下部支持部材(又は落下速度リミッタ、以下同様)6の上部側領域を下部エンドプレート9Lとして分離して別部材とする。そして、それら下部側領域を分離したハンドル5及び上部側領域を分離した下部支持部材6をタイロッド4の上下にそれぞれ取り付けて第1ユニット1Aとする一方で、前述のようにハンドル5及び下部支持部材6から分離した上部エンドプレート9U及び下部エンドプレート9Lを、反応度制御材を内包するシース10に取り付けて第2ユニット1Bの構成要素1Baとする。
【0044】
これにより、図1及び図2に示したように、上部・下部ハフニウム楕円管2U,2Lを用いる制御棒1に対しては、上部・下部エンドプレート9U,9Lに上部・下部舌状部位7U,7Lを固定しこれらに上部・下部ハフニウム楕円管8U,8Lをピン結合させさらにシース10で覆った専用の構成要素1Baからなる第2ユニット1Bを準備し、上記(1−A)で説明したようなB4Cを充填した中性子吸収棒14を用いる制御棒に対しては、図3に示したような下部エンドプレート9L上に中性子吸収棒14を載置しシース10で覆った専用の構成要素1Ba′からなる第2ユニットを準備し、上記(1−B)で説明したようなハフニウム中実棒13を用いる制御棒に対しては、上部エンドプレート9Uの下部にカーテンレール状の凹型構造部11を設けこれに各ハフニウム棒13上部の凸型構造部12を係合させてシース10で覆った専用の構成要素1Ba″からなる第2ユニットを準備しておくことで、各タイプにおいて制御棒主要寸法(制御棒1全長、制御棒1全体の幅、ブレードの厚さ、及び上部・下部ハフニウム2U,2Lの長さ等)を予め統一しておけば、ハンドル5、下部支持部材6、及びタイロッド4の組立体からなる第1ユニット1Aは上記3タイプのすべてに対し共通に用いること(共有化)ができる。
【0045】
したがって、各タイプ毎に別々の工程・設備にて製造を行う必要があった従来に比べ、工程及び設備を縮小し、生産性を向上することができる。
【0046】
また共通化した第1ユニット1Aについては同一の流通ルートで同一の場所に保管し、互いに異なる第2ユニット構成要素1Ba,1Ba′,1Ba″についてのみ別々の場所に保管すれば足りるので、流通上の無駄をなくし、保管スペースを低減できるという効果もある。
【0047】
さらに、従来構造の制御棒と主要寸法を同一にしておけば、従来の既存の制御棒を置き換えるときに、制御棒まわりの他の部分(制御棒駆動機構を含む他の周囲部材、構造物等)の改造の必要がなく、また従来の制御棒の生産工程・設備の一部を流用できる効果もある。
【0048】
(2)組立作業における作業性・作業効率向上、及び工程簡素化
従来構造では、横断面十字形の構造体としてハンドル、タイロッド、及び下部支持部材を組み立てた後、その組立体に対して、その十字形に備えた4辺の1辺1辺について、上部・下部舌状部位へ上部・下部ハフニウム楕円管ピン結合にて取り付け→U字型シース内へ上部・下部ハフニウム楕円管取り込み→シースとタイロッドとの溶接固定→シースとハンドル・下部支持部材との溶接という手順を順次行っていく必要があった。
【0049】
これに対し、上記本実施形態の制御棒1においては、横断面十字形の構造体として組み上がるハンドル5、タイロッド4、及び下部支持部材6の第1ユニット1Aの製造とは別個独立して、第2ユニット1Bを構成する4つの各構成要素(上記十字形の4辺に対応)1Baごとに、上述したように上部・下部舌状部位7U,7Lへ上部・下部ハフニウム楕円管8U,8Lピン結合にて取り付け→シース10内へ上部・下部ハフニウム楕円管8U,8L挿入→シース10と上部・下部エンドプレート9U,9Lとの溶接固定を行える。
【0050】
そして、以上のように第1ユニット1Aと、4つの第2ユニット構成要素1Baとを別々に製造しておき、最後に、各第2ユニット構成要素1Baの上部・下部エンドプレート9U,9Lを、第1ユニット1Aのハンドル5下部及び下部支持部材6上部にまとめて溶接固定すれば足りるので、組立部品の取り回しを容易にでき、組立作業の作業性及び作業効率を著しく向上することができる。
【0051】
また、上記本実施形態の制御棒1においては、第2ユニット1Bに備えられるシース10を楕円管としている。これにより、反応度制御材を内包させる閉空間をシース10のみで形成することができるので、従来構造のようにシースU字開口側端部を横断面十字型のタイロッドの十字型端面に溶接固定する必要がなくなる。すなわち、全長数mにも及ぶ長尺のタイロッド4の長手方向複数箇所における煩雑な溶接作業を省略することができるので、工程を簡素化でき、また信頼性を向上できる。
【0052】
【発明の効果】
本発明によれば、略十字形状のブレードを備えた沸騰水型原子炉の制御棒において、複数種類のタイプにおいて部品の共通化を図り、工程及び設備を縮小し生産性を向上することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態の制御棒の全体構造を表す一部分解して示す破断斜視図である。
【図2】図1中II−II断面による横断面図である。
【図3】B4C入り中性子吸収棒を用いるタイプの制御棒に本発明を適用し共通化を図る場合の第2ユニットの構成要素1Ba′の構造を表す一部分解して示す破断斜視図である。
【図4】ハフニウム中実棒を用いるタイプの制御棒に本発明を適用し共通化を図る場合の第2ユニットの構成要素1Ba″の構造を表す一部分解して示す破断斜視図である。
【符号の説明】
1 制御棒
1A 第1ユニット
1B 第2ユニット
1Ba 第2ユニットの構成要素
1Ba′ 第2ユニットの構成要素
1Ba″ 第2ユニットの構成要素
2L 下部ハフニウム楕円管(反応度制御材)
2U 上部ハフニウム楕円管(反応度制御材)
4 タイロッド
5 ハンドル
6 下部支持部材
7L 下部舌状部位
7U 上部舌状部位
9L 下部エンドプレート
9U 上部エンドプレート
10 シース
13 ハフニウム棒(反応度制御材)
14 中性子吸収棒(反応度制御材)
Claims (4)
- 横断面十字型のタイロッドの軸方向上部にハンドルを取り付けると共に、前記タイロッドの軸方向下部に下部支持部材または落下速度リミッタを取り付けて、前記タイロッドとハンドルと下部支持部材または落下速度リミッタとを横断面十字型の構造体として一体に組み立てた第1ユニットと、
各々が、反応度制御材を内包したシースの軸方向上部に上部エンドプレートの下部を溶接により固定すると共に、前記シースの軸方向下部に下部エンドプレートの上部を溶接により固定した4つのユニット構成要素からなる第2ユニットとを備え、
各ユニット構成要素の前記上部エンドプレートの上部を前記ハンドルに溶接により固定し、前記下部エンドプレートの下部を前記下部支持部材または落下速度リミッタに溶接により固定することにより、前記第1ユニットの十字型の4辺に対応して前記4つのユニット構成要素を前記第1ユニットに溶接固定して、前記第1ユニットと第2ユニットとの結合体として構成したことを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。 - 請求項1記載の沸騰水型原子炉の制御棒において、前記シースを、略楕円型の横断面形状を備えた楕円管で構成したことを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
- 請求項1又は2記載の沸騰水型原子炉の制御棒において、前記反応度制御材を、略楕円形の横断面形状を備えたハフニウム楕円管、ハフニウム棒、及び炭化ホウ素を包含した中性子吸収棒の少なくとも1つで構成したことを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒。
- 横断面十字型のタイロッドの軸方向上部にハンドルを取り付けると共に、前記タイロッドの軸方向下部に下部支持部材または落下速度リミッタを取り付けて、前記タイロッドとハンドルと下部支持部材または落下速度リミッタとを横断面十字型の構造体として一体に組み立てることにより第1ユニットを構成し、
反応度制御材を内包したシースの軸方向上部に上部エンドプレートの下部を溶接により固定すると共に、前記シースの軸方向下部に下部エンドプレートの上部を溶接により固定して第2ユニットの構成要素を構成し、
その後、前記第2ユニットの構成要素を4つ用意し、各構成要素における前記上部エンドプレートの上部を前記ハンドルに溶接により固定し、前記下部エンドプレートの下部を前記下部支持部材または落下速度リミッタに溶接により固定することにより、前記第1ユニットの十字型の4辺に対応して前記4つのユニット構成要素を前記第1ユニットに溶接固定して前記第1ユニットと第2ユニットとを結合させたことを特徴とする沸騰水型原子炉の制御棒の製造方法。
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