JP3780708B2 - 親子シールド掘進機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなる親子シールド掘進機に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来より、一台の掘進機で大口径トンネルに連続して小口径トンネルを掘削するために、親シールド機の内部にその親シールド機の径よりも小さな径の子シールド機を内蔵させるようにした親子シールド掘進機が知られている。
【0003】
従来公知の親子シールド掘進機の一例として特開平3 −59292 号公報に開示されているものがある。この公報に開示されているシールド掘進機では、子シールド機を前胴部と後胴部とに分割できる構造とし、この子シールド機を親シールド機内に納めて大径トンネルを掘削するときには子シールド機には後胴部を取り付けない状態にしておき、子シールド機を発進させる際の発進準備時に筒状の後胴部を坑外より搬入して前胴部に溶接等により接続するようにしている。
【0004】
ところが、このような構造の親子シールド掘進機では、子シールド機の発進準備時に狭い坑内において筒状の後胴部の搬入作業をしなければならず、特に大径トンネルと小径トンネルの径の差が小さい場合には、筒状の後胴部を搬入するスペースが狭く大変な作業となる。
【0005】
このような問題点を解決するものとして、特許第2693137号公報に掲載された親子シールド掘進機の発明がある。この発明に係る親子シールド掘進機は、大径の親シールド機と小径の子シールド機とを組み合わせてなる親子シールド掘進機において、前記子シールド機を、前胴部と後胴部とがテレスコピック状に摺動可能な二重構造としたものである。
この親子シールド掘進機において、親シールド機と子シールド機とを一体にして掘進する際にはその子シールド機の前胴部と後胴部とを互いに縮めた状態で掘進が行われ、子シールド機を単独で掘進する際には前記前胴部と後胴部とを互いに所定の機長まで伸長させた後に掘進が行われる。
【0006】
そして、この親子シールド掘進機によれば、子シールド機の前胴部と後胴部とが初めから親シールド機内に収納されており、子シールド機の掘進準備時に前胴部もしくは後胴部を伸長して接続すればよいので、子シールド機の掘進準備時における後胴部の搬入作業等が不必要となり、掘進準備作業を極めて簡略化することが可能となるとしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記従来例の場合には、子シールド機を、前胴部と後胴部とがテレスコピック状に摺動可能な二重構造としているので、前胴部と後胴部とを精度よく製作する必要があり、非常に手間とコストがかかるという問題があった。
【0008】
本発明はかかる問題点を解決するためになされたものであり、簡易な構造で、かつ子シールド機の発進準備時に後胴部の搬入作業の不要な親子シールド掘進機を得ることを目的としている。
【0009】
【課題を解決するための手段】
本発明に係る親子シールド掘進機は、大径の親シールド機と該親シールド機内に収容された小径の子シールド機とを組み合わせてなる親子シールド掘進機において、前記親シールド機の内部に収容された前記子シールド機の前胴と、該子シールド機の前胴の後端に接合することによって前記子シールド機の後胴を構成することとなる複数に分割された外殻とを備え、該複数の外殻を、前記親シールド機と前記子シールド機の前胴との間に設けた隙間に引き出し可能状態で設置したものである。
【0010】
また、大径の親シールド機と該親シールド機内に収容された小径の子シールド機とを組み合わせてなる親子シールド掘進機において、前記親シールド機の内部に収容された前記子シールド機の前胴と、該子シールド機の前胴の後端に接合することによって前記子シールド機の後胴を構成することとなる軸方向全長に亘ってスリットを有する筒状外殻とを備え、該筒状外殻を、前記親シールド機と前記子シールド機の前胴との間に設けた隙間に引き出し可能状態で設置したものである。
【0011】
さらに、前記子シールド機の前胴後端部に中折れ機構を有していることを特徴とするものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
実施の形態1.
図1は本発明の実施の形態1にかかる親子シールド掘進機の縦断面図、図2そのは正面図、図3は図1における矢視A−A,B−B断面図(図中左半分が矢視A−Aで、右半分がB−B断面図)である。以下、図1〜図3に基づいて実施の形態1にかかる親子シールド掘進機の構造について説明する。
親子シールド掘進機は大径の円筒体からなる親シールド機1と、該親シールド機1に内蔵された小径の円筒体からなる小シールド機30とを備えている。
【0013】
まず、親シールド機1の構成を概説すると、親シールド機1は前胴部3(後述する子シールド機の前胴と区別するため「親前胴3」という。)と後胴5(子シールド機の後胴と区別するため「親後胴5」という 。)からなり、これら親前胴3と親後胴5が屈曲可能に連結されたいわゆる中折れ構造となっている。
親前胴3の前端部には第1カッタヘッド7が設けられ、該第1カーターヘッド7の側面部にはコピーカッタ9が設置されている。
親前胴3の後部寄りには推進用のシールドジャッキ11及び、中折れ用の中折れジャッキ13が設置されている。
【0014】
親後胴5の後端部にはワイヤーブラシからなるテールシール15が設置されている。また、親後胴5の前端部内周壁にはリングカーダー17が設置され、該リングカーダー17の後方にはセグメント組立用のエレクタ19が設置されている。
【0015】
次に、子シールド機30の構造について概説する。子シールド機30は、組立後の状態(単独で掘進できる状態)においては前胴31(「子前胴31」という。)と後胴(「子後胴」という。)からなり、これら子前胴31と子後胴が屈曲可能に連結されたいわゆる中折れ構造となるものである。
しかし、子シールド機30は親シールド機1に収納されて大径のトンネルを掘削する状態では、子前胴31のみが保持部32によって親前胴3に一定の隙間を介して保持されており、子後胴の部分を備えていない。そして、組立後の状態で子後胴となる外殻33を、親前胴3と子前胴31の間に設けられた隙間に引き出し可能状態で保持している。
【0016】
図4及び図5は外殻33の保持状態及び形状を説明するための説明図であり、図4は図1における矢視A−A断面に相当する断面を示しており、外殻33を黒塗りで示している。また、図5は外殻33の片側の斜視図を示している。外殻33は図4及び図5に示すように円筒体を半割りした半割状円筒板から構成されている。
なお、外殻33の後端部には、図1に示すように、ワイヤブラシからなるテールシール34が設けられている。
また、親前胴3と子前胴31の隙間に設置された外殻33が、振動等で抜け出したりしないように、図示しない保持部材が設けられている。
【0017】
子前胴31の前端部には第2カッタヘッド35が設けられ、該第2カーターヘッド35の側面部には、第2カーターヘッド35と第1カッタヘッド7とを連結するための内外カッタ連結ジャッキ37が設置されている。そして、第2カッタヘッド35の後方には、隔壁39が設けられ、該隔壁39と第2カッタヘッド35との間に圧力室41が形成されている。また、隔壁39の後方側には第2カッタヘッド35を駆動するためのカッタ駆動用の油圧モータ43が設置されている。
【0018】
子前胴31の後部寄りには子シールド機30を推進させるためのシールドジャッキ45が設置されている。また、子前胴31の後端部には中折れ機構47が設置されている。この中折れ機構47は、子前胴31の内壁面に屈曲可能状態で挿入された円弧面状部と、子前胴31の後端から後方に延出した円筒状部からなる連結部材49と、一端側が子前胴31に、他端側が連結部材49にそれぞれ接合された中折れジャッキ51とを備えている。
なお、子シールド機30の後胴を構成する外殻33は連結部材49の円筒状部に接続されることになる。
【0019】
子前胴31の内部には、前端側を圧力室41に延出させ、後端側を親後胴5に延出させたスクリュウコンベア53が設置されている。このスクリュウコンベア53は、圧力室41に溜まった掘削土を排出するものである。
【0020】
以上のように構成された親子シールド機における、大径トンネルの掘削から小径トンネルの掘削にかけての一連の動作を説明する。
大径トンネルを掘削する際には、図1に示す状態で親シールド機1と子シールド機30を一体として掘進する。このときカッタ駆動用の油圧モータ43により第2カッタヘッド及び第1カッタヘッドを駆動して地盤を掘削し、圧力室41に溜まった掘削土をスクリュウコンベア53によって親シールド機1の後端側に搬送し、親シールドジャッキ11で大径トンネルのセグメント55を押すことによって前進する。
【0021】
大径トンネル掘削後に小径トンネルを掘削する際には、半割り状態の外殻33を子前胴31の後方に引き出して、外殻33を子前胴31の後方に接合することによって子シールド機30の後胴部を組み立てる。
【0022】
子シールド機30の後胴部の組立手順は以下の通りである。
抗外よリチェーンブロック等を搬入し、該チェーンブロック等を用いて、外殻33の一個を後方に引き出し、子前胴31の後端に設置された連結部材49の円筒状部に仮付け溶接する。
次に、チェーンブロック等用いて、残りの外殻33を引き出し、前記と同様に子前胴31の後端に仮付け溶接する.
そして、仮付けされた外殻33の内側から、外殻33同士の溶接及び連結部材49の円筒状部と外殻33との本溶接を行なう。
【0023】
図6は外殻33を設置して後胴を備えた状態の子シールド機30の縦断面図、図7は子シールド機の正面図、図8は図6における矢視A−A,B−B断面図(図中左半分が矢視A−Aで、右半分がB−B断面図)である。
図6に示すように子シールド機30の後胴を組み立てた後は、子シールド機30を親シールド機から切り離し、子シールド機30のみ子シールドジャッキ45により推進力を得て掘進する。
なお、子シールド機30を発進する際の反力は、親シールド機1又は大径トンネルのセグメントに取るようにする。
【0024】
以上のように、本実施の形態によれば、簡易な構造で、かつ子シールド機の発進準備時に後胴部の搬入作業の不要な親子シールド掘進機を得ることができる。
【0025】
なお、上記の実施の形態においては半割状の外殻33を1枚づつ子前胴31に接合する例を示したが、親シールド機1と子シールド機30の間隙が大きく作業スペースがとれる場合には、チェーンブロック等を用いて、2つの外殻33を後方に引き出し、引き出した2つの外殻33を円筒状にして外側から外殻33同士を溶接し、円筒状にした外殻33を子前胴31の後端側に接合するようにしてもよい。
【0026】
また、上記の実施の形態においては、円筒体を半割りにした2枚の外殻33を用いた例を示したが、本発明はこれに限られるものではなく、外殻33を3枚以上から構成してもよい。
また、組立後の形状も円筒体に限るものではなく、シールド掘進機の外形に合わせた形状、例えば矩形筒体であってもよい。
【0027】
実施の形態2.
本実施の形態においては、実施の形態1で示した半割状の外殻33に代えて、図9に示すような軸方向全長に亘ってスリットを有する略円筒状外殻61を、親前胴3と子前胴31の隙間に引き出し可能状態で設置したものである。
この略円筒状外殻61は、外力を加えてスリット閉じることによって子前胴31と同径の円筒状になるものである。
【0028】
子シールド機30の後胴部の組立に際しては、略円筒状外殻61を、チェーンブロック等を用いて、子前胴31の後方に引き出して、略円筒状外殻61のスリットを引き寄せ金物等を用いて両側から引き寄せてスリットを閉じて子前胴31と同径の円筒状にして、該円筒状にしたものを子前胴31の後端に溶接すると共にスリット部を溶接する。
【0029】
本実施の形態によれば、子シールド機30の後胴部の組立に際しての溶接箇所が実施の形態1の場合よりも少なくなるので、溶接作業が軽減される。
【0030】
なお、上記の例ではスリットを入れた外殻とした略円筒形状のものを示したが、円筒体形状に限るものではなく略矩形筒体であってもよい点は実施の形態1と同様である。
【0031】
【発明の効果】
本発明は、以上説明したように構成されているので、以下に示すような効果を奏する。
【0032】
子シールド機の前胴の後端に接合することによって子シールド機の後胴を構成することとなる複数に分割された外殻を備え、該複数の外殻を親シールド機と子シールド機の前胴との間に設けた隙間に引き出し可能状態で設置したので、簡易な構造で、かつ子シールド機の発進準備時に後胴部の搬入作業の不要な親子シールド掘進機を得ることができる。
【0033】
また、子シールド機の前胴の後端に接合することによって子シールド機の後胴を構成することとなる、軸方向全長に亘ってスリットを有する筒状外殻を備え、該筒状外殻を親シールド機と子シールド機の前胴との間に設けた隙間に引き出し可能状態で設置したので、上記の効果に加えて、子シールド機の後胴部の組立時における接合作業を軽減することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施の形態にかかる親子シールド掘進機の縦断面図である。
【図2】 本発明の一実施の形態にかかる親子シールド掘進機の正面図である。
【図3】 図1における矢視A−A,B−B断面図(図中左半分が矢視A−Aで、右半分がB−B断面図)である。
【図4】 本発明の一実施の形態にかかる外殻の保持状態の説明図である。
【図5】 本発明の一実施の形態にかかる外殻の形状の説明図である。
【図6】 本発明の一実施の形態にかかる子シールド機の縦断面図である。
【図7】 本発明の一実施の形態にかかる子シールド機の正面図である。
【図8】 図6における矢視A−A,B−B断面図(図中左半分が矢視A−Aで、右半分がB−B断面図)である。
【図9】 本発明の他の実施の形態にかかる外殻の形状の説明図である。
【符号の説明】
1 親シールド機
3 親前胴
5 親後胴
30 子シールド機
31 子前胴
33 外殻
47 中折れ機構
Claims (3)
- 大径の親シールド機と該親シールド機内に収容された小径の子シールド機とを組み合わせてなる親子シールド掘進機において、
前記親シールド機の内部に収容された前記子シールド機の前胴と、
該子シールド機の前胴の後端に接合することによって前記子シールド機の後胴を構成することとなる複数に分割された外殻とを備え、
該複数の外殻を、前記親シールド機と前記子シールド機の前胴との間に設けた隙間に引き出し可能状態で設置したことを特徴とする親子シールド掘進機。 - 大径の親シールド機と該親シールド機内に収容された小径の子シールド機とを組み合わせてなる親子シールド掘進機において、
前記親シールド機の内部に収容された前記子シールド機の前胴と、
該子シールド機の前胴の後端に接合することによって前記子シールド機の後胴を構成することとなる軸方向全長に亘ってスリットを有する筒状外殻とを備え、
該筒状外殻を、前記親シールド機と前記子シールド機の前胴との間に設けた隙間に引き出し可能状態で設置したことを特徴とする親子シールド掘進機。 - 前記子シールド機の前胴後端部に中折れ機構を有していることを特徴とする請求項1又は2記載の親子シールド掘進機。
Priority Applications (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21235598A JP3780708B2 (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 親子シールド掘進機 |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP21235598A JP3780708B2 (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 親子シールド掘進機 |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JP2000045682A JP2000045682A (ja) | 2000-02-15 |
| JP3780708B2 true JP3780708B2 (ja) | 2006-05-31 |
Family
ID=16621181
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP21235598A Expired - Fee Related JP3780708B2 (ja) | 1998-07-28 | 1998-07-28 | 親子シールド掘進機 |
Country Status (1)
| Country | Link |
|---|---|
| JP (1) | JP3780708B2 (ja) |
Families Citing this family (1)
| Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
|---|---|---|---|---|
| JP4674711B2 (ja) * | 2009-09-04 | 2011-04-20 | 伊藤忠建機株式会社 | 掘進機 |
-
1998
- 1998-07-28 JP JP21235598A patent/JP3780708B2/ja not_active Expired - Fee Related
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| Publication number | Publication date |
|---|---|
| JP2000045682A (ja) | 2000-02-15 |
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