JP3785751B2 - 10条植え田植機 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
この発明は、10条植えの田植機の技術分野に属する。
【0002】
【従来の技術】
従来、10条植えの田植機のフロ−ト構成は、図8に示すような構成が考えられていた。即ち、左右中央側に2つ中央接地フロ−トA,Aを設け、この2つの中央接地フロ−トA,Aがそれぞれ中央側の植付位置P4〜P7を2箇所づつ整地する幅広部a,aを各フロ−ト前部に形成していた。そして、その左右外側方に植付位置P3,P8を1箇所づつ整地する幅広部b,bを各フロ−ト前部に形成した左右接地フロ−トB,Bを2つ設け、更に、その左右外側方に植付位置P1・P2,P9・P10を2箇所づつ整地する幅広部c,cを各フロ−ト前部に形成した左右接地フロ−トC,Cを2つ設けて、合計6つ接地フロ−トを設けた構成としていた。尚、図8中、FWは走行車体の前輪、RWは走行車体の後輪を示す。
【0003】
そして、苗植装置の昇降制御装置における苗植装置の表土面に対する上下方向の位置変化の検出を、苗植装置の左右の傾きの影響の少ない箇所で行なうため、その検出を左右中央側の接地フロ−トに兼ねるよう設ける。また、10条植えの苗植装置は、その重量が植付条数の少ないものと比べて重いので、水田表土面に接地させた場合の接地フロ−トの接地荷重は大きくなり、そのため、昇降制御装置の表土面位置検出体を兼ねる接地フロ−トが、表土面の上下位置変化に追従して上下に動作するのに必要な荷重も大きくなる。このことから、上記従来の構成のものでは、昇降制御装置の表土面位置検出体を兼ねる中央接地フロ−トを、連結体dで連結した2つの中央接地フロ−トA,Aとすることで、2つ分のフロ−トの接地面積を確保して、良好に表土面の上下位置変化に追従して上下に動作できるようにしている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
上記従来のフロ−ト構成のものは、2つの中央接地フロ−トA,Aで表土面の上下位置変化に追従して上下に動作できるようにしているから、苗植装置の表土面に対する上下方向の位置変化を良好に検出できるものとなるが、接地フロ−トの個数が多く、また、それにより左右側の接地フロ−トの左右間隔が狭くなってその接地フロ−ト間の泥水の後方への流れが良好でなく、その結果、左右外側方への泥押しが多くなって前行程で植付けた苗の姿勢を乱してしまう課題がある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記課題を解決するために、左右一対の前輪(8)及び後輪(10)を備える走行車体(2)の後側に昇降リンク装置(3)を介して昇降動可能に10条植えの苗植装置(4)を装着し、該苗植装置(4)の表土面に対する上下方向の位置を設定高さに維持するよう苗植装置(4)を昇降する昇降制御装置を設けた田植機において、10箇所の植付位置(P1〜P10)を2箇所づつ整地する5つの接地フロ−ト(25,26・26,27・27)を左右に間隔をあけて配置し、該接地フロ−ト(25,26・26,27・27)の左右中央側に位置する中央接地フロ−ト(25)を前記昇降制御装置における苗植装置(4)の表土面に対する上下方向の位置変化を検出するための検出体を兼ねるものとし、且つ、該中央接地フロ−ト(25)の幅広部(25a)の底部の左右方向における接地幅を苗植付条間の幅(W)に対して略々2倍或いは2倍から2.5倍の幅に設定し、前記後輪(10)の機体左右方向内側に補助車輪(10c)を取り付けるとき、該補助車輪(10c)に干渉する前記中央接地フロ−ト(25)の幅広部(25a)の左右端部分(25a’)を取り外しできるように分割構成したことを特徴とする10条植え田植機としたものである。
【0006】
【作用】
この発明の10条植え田植機1は、水田内で苗を植付けながら走行すると、5つの接地フロ−ト25,26・26,27・27が10箇所の植付位置P1〜P10をそれぞれ2箇所づつ整地し、且つ、左右接地フロ−ト26・26,27・27の間で泥水を後方へ良好に流しながら表土面を滑走していく。また、中央接地フロ−ト25は、その幅広部25aの底部の左右方向における接地幅が苗植付条間の幅Wに対して略々2倍或いは2倍から2.5倍の幅に設定されて、中央接地フロ−ト25が表土面の上下方向の位置変化に対して良好に追従して検出動作し、よって、苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置変化を良好に検出するものとなる。その結果、苗の植付深さが高精度に制御され、且つ、良好な整地性となるよう、苗植装置4が昇降制御される。また、旋回時に旋回半径が大きくなるのを回避するために後輪10の機体左右方向内側に補助車輪10cを取り付けるときには、前記中央接地フロ−ト25の幅広部25aの左右端部分25a’を取り外して対応できる。
【0007】
【発明の効果】
この10条植え田植機1においては、10箇所の植付位置P1〜P10を2箇所づつ整地する5つの接地フロ−ト25,26・26,27・27を左右に間隔をあけて配置した構成としているので、従来より接地フロ−トの個数が少なくて簡易な構成となり、しかも、左右接地フロ−ト26・26,27・27間の後方への泥水の流れも良好で左右外側方への泥押しも少なく前行程で植付けた苗の姿勢の乱れも少ないものとなる。更に、左右中央側に位置する中央接地フロ−ト25を昇降制御装置における苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置変化を検出するための検出体を兼ねるものとし、且つ、該中央接地フロ−ト25の幅広部25aの底部の左右方向における接地幅を苗植付条間の幅Wに対して略々2倍或いは2倍から2.5倍の幅に設定しているので、中央接地フロ−ト25が表土面の上下方向の位置変化に対して良好に追従して検出動作するものとなり、その結果、苗の植付深さが高精度に制御され、且つ、整地性も良好なものとなる。また、後輪10の機体左右方向内側に補助車輪10cを取り付けるときには、前記中央接地フロ−ト25の幅広部25aの左右端部分25a’を取り外して対応できる。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の一形態としての10条植え田植機1について説明する。
10条植え田植機1は、乗用型田植機で、走行車体2の後側に昇降リンク装置3を介して昇降動可能に且つロ−リング動可能に10条植えの苗植装置4を装着した構成となっている。また、走行車体2の後部には、施肥装置5の肥料タンク50と肥料繰出装置51を装着している。なお、この施肥装置5は、肥料タンク50の肥料が肥料繰出装置51で繰出され、その繰出された肥料がブロア52からの風を受けて移送ホ−ス53内を通って各接地フロ−トに設けた施肥ガイド54から排出されるようになって土壌に施肥する構成としたものである。
【0009】
走行車体1は、機体フレ−ム6上に設置したエンジンEと、機体フレ−ム6の前端に固着したミッションケ−ス7と、該ミッションケ−ス7の左右両側に前輪伝動フレ−ムを介して設けた前輪8・8と、機体フレ−ム6の後端にロ−リング自在に装着した後輪フレ−ムの左右両側に後輪伝動ケ−ス9・9を介して設けた後輪10・10を備えている。エンジンEの出力軸の回転はベルト伝動装置を介してミッションケ−ス7の入力軸に伝動し、ミッションケ−ス7内に入力された動力はミッションケ−ス7内のギヤ伝動機構や伝動軸を介して前輪8・8、後輪10・10、そして、苗植装置4、施肥装置5に伝達されるようになっている。また、この走行車体1上に、ステップ11を装着し、また、エンジンEの上側を覆うカバ−12を設け、そのカバ−12上に操縦席13を設置している。その操縦席13の前方には、前輪8・8を上下方向の軸回りに回動操作するハンドル14を設けている。
【0010】
昇降リンク装置3は、一本のアッパ−リンク15と2本のロワ−リンク16・16との各前端部を、機体フレ−ム6の後端部に固着した上下方向に延びるリンク支持フレ−ム17に回動自在に取り付け、各後端部を連結リンク18に回動自在に連結したリンク構成であり、連結リンク18の下部に、苗植装置4の伝動ケ−ス19の前部に前方に突出して固着された連結軸20を回動自在に連結して、昇降リンク装置3に苗植装置4をロ−リング自在に連結する構成となっている。また、アッパ−リンク15の走行車体2側には下方に延びるア−ム21を固着していて、該ア−ム21の下端部に、機体フレ−ム6に左右軸芯回りに回動自在にシリンダ部が取り付けられた昇降用油圧シリンダ22のピストン先端部がスプリングケ−ス23内のスプリングSを介して連結し、昇降用油圧シリンダ22が伸縮作動すると、昇降リンク装置3が昇降動し、苗植装置4が昇降する構成となっている。
【0011】
なお、苗植装置4の昇降制御装置は、図2のブロック図に示すような構成の制御装置により作動するものとしている。具体的には、制御装置Cに、昇降制御にかかる制御入力系の信号に応じて昇降制御にかかる制御出力系に信号を出力する昇降制御プログラムCP1をソフトウエアとして備える。そして、その制御装置Cに接続する制御入力系には、操縦席13の右側に設けた第1切換レバ−L1の操作位置を検出するポテンショメ−タPM1と、ハンドル14近傍に設けた第2切換レバ−L2の操作によりオン・オフ切り替わるスイッチSW1,SW2と、苗植装置4の底部側に設けた接地フロ−ト25,26・26,27・27のうち左右中央に設置される中央接地フロ−ト25の前部の上下位置を検出するポテンショメ−タPM2と、前記ポテンショメ−タPM2による中央接地フロ−ト25の位置検出に基づく昇降制御における感度調節を行なう感度調節ダイヤル28の操作位置に応じた信号を出力するボリュ−ム等からなる感度設定器29と、昇降リンク装置3のロア−リンクの角度を検出するポテンショメ−タPM3とを設けている。また、これに対応して制御装置Cに接続する制御出力系には、苗植装置4が上昇作動する側に昇降用油圧バルブ24を切換操作する上昇用ソレノイドSOL1と、苗植装置4が下降作動する側に昇降用油圧バルブ24を切換操作する下降用ソレノイドSOL2とを設けている。なお、感度調節ダイヤル28が操作されて、感度設定器29が調節されると、中央接地フロ−ト25の前部の制御目標となる基準位置Hが上下に変更調節される。中央接地フロ−ト25の前部の基準位置Hが高く設定されると中央接地フロ−ト25の底面が表土面に対して前後方向に迎う角度が小さくなって、中央接地フロ−ト25の表土面の上下位置変化に対する追従性が鈍感となり、昇降制御の感度が鈍感に調節される。逆に、中央接地フロ−ト25の前部の基準位置Hが低く設定されると中央接地フロ−ト25の底面が表土面に対して前後方向に迎う角度が大きくなって、中央接地フロ−ト25の表土面の上下位置変化に対する追従性が敏感となり、昇降制御の感度が敏感に調節される。
【0012】
上記のように構成した苗植装置4の昇降制御装置は、第1切換レバ−L1の人為的な操作、或いは第2切換レバ−L2の人為的な操作に応じて苗植装置4が昇降制御され、また、接地フロ−ト25,26・26,27・27が水田表土に接地滑走する状態で圃場を作業走行するときには、苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置変化に追従した中央接地フロ−ト25の前部の上下動の検出動作に基づいて、苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置が設定位置に維持されるように苗植装置4が昇降制御される。
【0013】
なお、アッパ−リンク15のア−ム21と昇降用油圧シリンダ22との間に介在させたスプリングSの伸縮作動により、苗植装置4が若干の範囲で昇降動するようになっている。これにより、接地フロ−ト25,26・26,27・27が水田表土に接地滑走する状態で圃場を作業走行するときに、苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置変化による接地フロ−ト25,26・26,27・27の接地圧変動に応じてスプリングSが伸縮作動し、接地フロ−ト25,26・26,27・27が所定の接地圧を維持するように苗植装置4が昇降動するものとなって、前記センサフロ−ト25の前部の上下動に基づく苗植装置4の昇降制御装置と併せて、苗植装置4を水田表土面に対して所定の高さに維持される機構となっている。
【0014】
苗植装置4は、苗を水田表土に植付けるロ−タリ−式の植付装置28…を10条分備え、それに対応して各植付装置28…に供給する苗を載置する10条分の苗載置部を備えた苗載せ台29を備えている。苗載せ台29は前側が高く後側が低く前後方向に傾斜した姿勢で設置され、且つ、植付装置28…の作動に連動して左右に往復移動するように設けている。苗載せ台29の下側には、植付装置28…への伝動と、苗載せ台29の左右往復作動機構への伝動と、苗載せ台29の各苗載置部に設けた苗送りベルト30…の苗送り作動機構への伝動を行なう伝動機構を内装する伝動ケ−ス19を設けている。そして、その伝動ケ−ス19の下部にフロ−ト支持パイプ31を回動調節操作可能に設け、該フロ−ト支持パイプ31の各所に固着するフロ−ト支持ア−ム32…の先端に、前記接地フロ−ト25,26・26,27・27を、植付位置の前後方向における位置Pと略々同じ位置に軸芯Xを配置し該軸芯Xが左右方向に向かうように配した軸33回りに回動自在に取り付けている。この接地フロ−ト25,26・26,27・27は、10条植の苗植装置4に対して左右中央位置に1つ、その左右両側方に2つづつで、合計5つ設置したものとなっている。なお、図3〜図8において、植付位置の前後方向における位置Pに沿って各接地フロ−ト上に記した一点鎖線が上記軸33の軸芯X位置を示し、且つ、その位置で軸33回りに回動可能に接地フロ−トが支持していることを示す。
【0015】
上記接地フロ−ト25,26・26,27・27は、機体側面視でソリ状の形態に形成され、また、機体平面視で前部側が後部側に対して幅広で後部側が前部側に対して幅狭に形成され、後部側の幅狭部25b,26b,26b,27b,27bの前側左右両側方に苗植付位置P1〜P10が設定され、その左右の苗植付位置の表土面を前部側の幅広部25a,26a,26a,27a,27aが整地するようになっている。従って、接地フロ−ト25,26・26,27・27は、それぞれ苗植付位置P1〜P10を2箇所づつ整地する構成となっている。
【0016】
そして、上記接地フロ−トのうち左右中央に設置した中央接地フロ−ト25は、前記のとおり、昇降制御装置における苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置変化を検出するための検出体(表土面位置検出体)を兼ねる。この中央接地フロ−ト25は、図3に示すように、その左右両側に設置される同一形状の左右接地フロ−ト26・26,27・27と比べ異なる形状に形成され、特に、中央接地フロ−ト25の前部の幅広部25aは、左右接地フロ−ト26・26,27・27の前部の幅広部26a,26a,27a,27aより幅広く形成されている。なお、接地フロ−ト25,26・26,27・27の左右幅は、その底部接地面の左右幅と略々同幅となるよう設けられている。
【0017】
具体的に、中央接地フロ−ト25は、その幅広部25aの左右両端位置が、中央接地フロ−ト25が整地する苗植付位置P5,P6とその隣の左右接地フロ−ト26,26が整地する苗植付位置P4,P7との苗植付条間W2,W3の左右中央位置W2C,W3Cと、中央接地フロ−ト25の隣の左右接地フロ−ト26,26が整地する苗植付位置P4,P7との間に位置するよう設けている。なお、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの左右両端位置が、前記左右中央位置W2C,W3Cに位置するように設けても良い。
【0018】
一方、左右接地フロ−ト26・26,27・27は、その幅広部26a,26a,27a,27aの左右両端位置が、その接地フロ−トが整地する苗植付位置P1,P2,P3,P4,P7,P8,P9,P10と隣の接地フロ−トが整地する隣の苗植付位置との苗植付条間W1,W2,W3,W4の中央位置W1C,W2C,W3C,W4Cとの間に位置するよう設けている。
【0019】
即ち、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの底部接地幅は、苗植付条間の幅W(各植付位置P1〜P10の間隔で一般的に等間隔に設定され、例えば30cmに、一部地域で33cmに設定されている)に対して、略々2倍、或いは2倍〜2.5倍の幅に設定され、左右接地フロ−ト26・26,27・27の幅広部26a,26a,27a,27aの底部接地幅は、苗植付条間の幅Wに対して略々1.5倍の幅に設定している。更に、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの底部接地幅は、左右接地フロ−ト26・26,27・27の前端位置付近から機体前方側部分25cがその後方側部分25dよりも更に幅広く設定し、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの底部接地面積の拡大を図っている。なお、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの前記後方側部分25dは、隣の左右接地フロ−ト26・26の幅広部26a,26aとの間隔が狭くなりすぎて泥水の後方への流れが悪くなりすぎないように、適宜左右幅に設定してある。
【0020】
また、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの前後幅は、左右接地フロ−ト26・26,27・27の幅広部26a,26a,27a,27aの前後幅よりも幅広く、具体的には略々2倍の前後幅に設定して、よって、中央接地フロ−ト25の接地面前端位置が左右接地フロ−ト26・26,27・27の接地面前端位置より前方に位置し、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの前後方向の接地幅が左右接地フロ−ト26・26,27・27の幅広部26a,26a,27a,27aの前後方向の接地幅より略々2倍或いはそれ以上に幅広くなるよう設けられ、この点からも中央接地フロ−ト25の幅広部25aの底部接地面積の拡大を図っている。
【0021】
なお、左右接地フロ−ト26・26,27・27は、走行車体2の車輪跡の整地も行うように配置されている。即ち、走行車体2の前輪8・8及び後輪10・10のトレッドは略々同じトレッドに設定され、これら前輪8・8及び後輪10・10の車輪跡は、内側の左右接地フロ−ト26・26が行うように配置されている。また、走行車体2の水田圃場内での推進力を向上させるためと圃場(耕盤)の凹凸による走行車体2の左右の傾きを少なくするために、図3に示すように、後輪(後主車輪)10・10の機体左右方向外側に補助車輪10a,10a;10b,10bを設けた場合は、外側の補助車輪10b,10bの車輪跡は、外側の左右接地フロ−ト27・27が行うように配置され、内側の補助車輪10a,10aの車輪跡は、車輪跡用整地体(レ−キ)34,34(泥水の流れをできるだけ妨げないよう板体を機体平面視で櫛状の形状に形成したものが良いが、車輪跡を整地する作用があればその形状等は限定しない)が行うように配置されている。ところで、外側の補助車輪10b,10bを取り付けると旋回時の旋回半径が大きくなるが、これを回避するために外側の補助車輪10b,10bの代わりに後輪(後主車輪)10・10の機体左右方向内側に補助車輪10c,10cを取り付ける場合には、中央接地フロ−ト25の幅広部25aの左右端部に干渉するので、その干渉する部分25a’・25a’を取り外せるように予め分割構成して、補助車輪10c,10cを取り付けるときに、中央接地フロ−ト25の底部接地面積は小さくなるが、前記部分25a’・25a’を取り外して対応できるようにしている。
【0022】
また、機体左右方向最外側の左右接地フロ−ト27・27は、苗植装置4を表土面に対して平行な姿勢に維持するようロ−リング制御するための検出体を兼ねる。この左右接地フロ−ト27・27の左右いずれか一方側が、その前部が設定位置以上に表土面に押し上げられて上動したことを左右のロ−リング検出器35R・35Lの一方側が検出すると、その側が表土面に対して低くなっているとして、その側が高くなるようにロ−リング駆動装置36を駆動して苗植装置4をロ−リング動させるよう制御する。ロ−リング検出器35R・35Lの左右両方側が検出状態にあるとき、或いは、左右両方側が非検出状態にあるときは、苗植装置4は表土面に対して設定範囲内において表土面に平行な姿勢であるとし、ロ−リング駆動装置36は駆動されない。尚、このロ−リング制御の制御プログラムCP2は、前記制御装置Cにソフトウエアとして備えられている。
【0023】
また、各接地フロ−ト25,26・26,27・27の底部左右中央側には、泥水を後方に流すための溝25e,26c・26c,27c・27cが形成されて、フロ−トの泥押しができるだけ少なくなるように設けられている。この溝は、図3に示されるように、前側が左右に扇状に広くなっていて、フロ−トの左右中央側に向かってくる泥水流を受けて、その後方に続く左右に狭い溝に誘導するようになっている。そして、溝の後端はフロ−ト後端まで抜けずにフロ−ト後端手前まで形成されていて、溝内を流れる泥水をフロ−ト接地面の表土へ鎮圧するようになっている。また、これによりフロ−ト後部側が上方に押上られるように作用を受けるが、これがフロ−ト前部側が泥水流れを受けて浮き上がろうとするのをおさえることにもなる。
【0024】
以上のように構成した10条植え田植機1は、水田圃場内に入り、苗植装置4を下降して、接地フロ−ト25,26・26,27・27が表土面に接地する状態で苗植装置4を作動させながら走行すると、苗植装置4は各植付装置28…が苗載せ台29から苗を一株づつとって圃場に植付けていき、10条分の苗を植付けながら作業走行するものとなる。
【0025】
そして、この10条植え田植機1においては、10箇所の植付位置P1〜P10を2箇所づつ整地する5つの接地フロ−ト25,26・26,27・27を左右に間隔をあけて配置した構成としているので、従来より接地フロ−トの個数が少なくて簡易な構成となり、しかも、左右接地フロ−ト26・26,27・27間の後方への泥水の流れも良好で左右外側方への泥押しも少なく前行程で植付けた苗の姿勢の乱れも少ないものとなる。更に、左右中央側に位置する中央接地フロ−ト25を昇降制御装置における苗植装置4の表土面に対する上下方向の位置変化を検出するための検出体を兼ねるものとし、且つ、該中央接地フロ−ト25の幅広部25aの底部の左右方向における接地幅を苗植付条間の幅Wに対して略々2倍或いは2倍から2.5倍の幅に設定しているので、中央接地フロ−ト25が表土面の上下方向の位置変化に対して良好に追従して検出動作するものとなり、その結果、苗の植付深さが高精度に制御され、且つ、整地性も良好なものとなる。
【0026】
以下に、上記構成のものとは別構成のものを示す。
図4において、表土面位置検出体を兼ねる中央接地フロ−ト37は、前記中央接地フロ−ト25と比べると、以下の点で異なる構成を示している。即ち、幅狭部37bの左右外側に位置して植付位置P4・P5の間と植付位置P6・P7の間で、植付位置より前側から後側にかけて接地する後部外側接地部37c・37cが幅広部37aから連続して形成されている。そして、その後部外側接地部37c・37cの左右内側に位置する幅狭部37bの後端位置が後部外側接地部37c・37cの後端位置より前方に位置するよう短く形成されている。また、この中央接地フロ−ト37は、左右の後部外側接地部37c・37cの2箇所で支持されているから、左右に幅広い該フロ−ト37を左右にねじれにくく支持できる。また、この中央接地フロ−ト37が整地する植付位置P5・P6は、後部外側接地部37c・37cと幅狭部37bに左右に囲まれているが、幅狭部37bの後端位置が短く植付位置P付近に位置させ、しかも、フロ−ト底部の左右中央に形成した溝37dの後端が、幅狭部37bの後端まで抜けるように形成されているから、植付位置P5・P6に適度に泥水が存在するようになり、従って、植付位置における水の少なさからくる植付装置の苗の持ち帰り問題が生じにくいものとなっている。
【0027】
図5において、表土面位置検出体を兼ねる中央接地フロ−ト38は、前記中央接地フロ−ト25と比べると、以下の点で異なる構成を示している。即ち、幅狭部38bの左右外側に位置して植付位置P4・P5の間と植付位置P6・P7の間で、植付位置より前側から後側にかけて接地する後部外側接地部38c・38cが幅広部38aから連続して形成されている。そして、その後部外側接地部38c・38cの後端位置が後部外側接地部38c・38cの左右内側に位置する幅狭部38bの後端位置より前方に位置するよう短く形成されている。また、この中央接地フロ−ト38が整地する植付位置P5・P6は、後部外側接地部38c・38cと幅狭部38bに左右に囲まれているが、後部外側接地部38c・38cの後端位置が短く植付位置P付近に位置させ、しかも、フロ−ト底部の左右中央に形成した溝38dの後端が、幅狭部38bの後端まで抜けるように形成されているから、植付位置P5・P6に適度に泥水が存在するようになり、従って、植付位置における水の少なさからくる植付装置の苗の持ち帰り問題が生じにくいものとなっている。
【0028】
図6において、表土面位置検出体を兼ねる中央接地フロ−ト39は、前記中央接地フロ−ト37と比べると、以下の点で異なる構成を示している。即ち、中央接地フロ−ト39は、中央接地フロ−ト37の底部の左右中央に形成した溝37dが上方まで突き抜けて左右のフロ−ト体39R・39Lに分割構成され、その左右のフロ−ト体39R・39Lの上面を連結体40で連結した構成となっている。よって、この中央接地フロ−ト39は、前記中央接地フロ−ト37と比べて、左右中央での泥水の後方への流れが更に良好である。
【0029】
図7に示すものは、前記中央接地フロ−ト25を備えたものと比べると、以下の点で異なる構成を示している。即ち、表土面位置検出体を兼ねる中央接地フロ−ト41・41を前記左右接地フロ−ト26・26と同形状のもの2枚を連結体42で連結した構成とし、該2枚の中央接地フロ−ト41・41の各幅広部41a・41aで植付位置P4〜P7の4箇所を整地するように設けている。なお、植付位置P3とP8は幅狭の整地板43・43で整地するよう設けている。この整地板43・43は、図では、その支持部材43a・43aを中央接地フロ−ト41・41に固着して支持する構成としているが、苗植装置4の伝動ケ−ス19に支持させても良い。また、この整地板43・43の前方で、後主車輪10・10とその左右外側に装着した補助車輪10a・10aとの後方で、中央接地フロ−ト41・41の幅広部41a・41aと左右接地フロ−ト27・27の幅広部27a・27aの左右間に、幅広の車輪跡整地体(レ−キ)44・44を設けていて、後主車輪10・10と補助車輪10a・10aの車輪跡を整地するようになっている。このように4つの接地フロ−ト41・41,27・27と2つの整地板43・43で構成すると、接地フロ−トの個数を従来より少なくできて簡易な構成となり、しかも、接地フロ−ト41・41,27・27の左右間隔が広くなって、泥水の後方への流れが上記のものより更に良好となり、且つ、中央接地フロ−ト41・41の表土面の上下方向の位置変化に対する追従性を充分に確保できて、苗の植付深さを高精度に制御でき、また、整地性も良好なものとなる。
【0030】
なお、図6と図7における、連結体40,42は、金属板や合成樹脂等で構成し、また、連結箇所はフロ−ト前部側で連結しているが、一箇所だけでなく、複数箇所でもよい。また、図3〜図8におけるラインCLは、機体左右中央位置を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】10条植え田植機を示す側面図。
【図2】苗植装置の昇降制御装置のブロック図。
【図3】接地フロ−トの構成を示す平面図。
【図4】接地フロ−トの別の構成を示す平面図。
【図5】接地フロ−トの別の構成を示す平面図。
【図6】接地フロ−トの別の構成を示す平面図。
【図7】接地フロ−トの別の構成を示す平面図。
【図8】接地フロ−トの従来例の構成を示す平面図。
【符号の説明】
1:10条植え田植機
2:走行車体
3:昇降リンク装置
4:苗植装置
8:前輪
10:後輪
10c:補助車輪
25,37,38,39:中央接地フロ−ト(表土面位置検出体)
25a,37a,38a,39a:中央接地フロ−トの幅広部
25a’:干渉する部分
26・26,27・27:左右接地フロ−ト
P1〜P10:植付位置
W:苗植付条間の幅
Claims (1)
- 左右一対の前輪(8)及び後輪(10)を備える走行車体(2)の後側に昇降リンク装置(3)を介して昇降動可能に10条植えの苗植装置(4)を装着し、該苗植装置(4)の表土面に対する上下方向の位置を設定高さに維持するよう苗植装置(4)を昇降する昇降制御装置を設けた田植機において、10箇所の植付位置(P1〜P10)を2箇所づつ整地する5つの接地フロ−ト(25,26・26,27・27)を左右に間隔をあけて配置し、該接地フロ−ト(25,26・26,27・27)の左右中央側に位置する中央接地フロ−ト(25)を前記昇降制御装置における苗植装置(4)の表土面に対する上下方向の位置変化を検出するための検出体を兼ねるものとし、且つ、該中央接地フロ−ト(25)の幅広部(25a)の底部の左右方向における接地幅を苗植付条間の幅(W)に対して略々2倍或いは2倍から2.5倍の幅に設定し、前記後輪(10)の機体左右方向内側に補助車輪(10c)を取り付けるとき、該補助車輪(10c)に干渉する前記中央接地フロ−ト(25)の幅広部(25a)の左右端部分(25a’)を取り外しできるように分割構成したことを特徴とする10条植え田植機。
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Applications Claiming Priority (1)
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| JP17831997A JP3785751B2 (ja) | 1997-07-03 | 1997-07-03 | 10条植え田植機 |
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