JP3786228B2 - ドアクローザにおけるアーム間の継手装置 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、ドアクローザにおけるアーム間の継手装置に関する。更に具体的には、クローザ本体、2つのアーム及びブラケットを備えて成るドアクローザにおける2つのアーム間を連結させる継手装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のこの種の継手装置の一例を図5を参照して説明する。同図に示されたドアクローザは、クローザ本体1、2つのアーム2、3及びブラケット4で構成され、一方のアーム2と他方のアーム3とを連結する継手装置は、一方のアーム2の端部に固設された突軸91の回りにフランジ付きの弾性高分子材料製のブッシュ92を介し、他方のアーム3の端部をその嵌め孔をもって嵌め込む。
【0003】
更に、前記ブッシュ92及び他方のアーム3の端部が抜け出さないように、フランジ付きの止めねじ93を突軸91の先端部の雌ねじ孔にねじ合せて構成されている。
【0004】
前述したような従来の継手装置においては、次に示すようになお改善すべき点が見られる。すなわち、一つには、2つのアーム2、3間はドアクローザが工場から出荷される時は通常仮止めされていて、ドアクローザの取付け現場において、止めねじ93を取り外すことにより両アーム2、3を一旦分離させて、クローザ本体1及びブラケット4を扉10及び扉枠20にそれぞれ固定させた後、再び両アーム2、3を止めねじ93で結合させる。
【0005】
その為、止めねじのねじ戻し並びにねじ込み作業を要しなかなか面倒であり、また、ドアクローザの使用中における止めねじの緩みの問題がある。
【0006】
加えて、クローザ本体1及びブラケット4の垂直方向の相対位置が設計値よりずれると継手装置にこじりが生じるので、通常、図5に示すようにアーム3の先端部に水平回動軸94を設け、これによりこじりを吸収するようにしている。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】
この発明に係るドアクローザにおけるアーム間の継手装置は、前記の問題点を悉く解決するために提案されたものである。すなわち、この発明は、アーム間の結合において、止めねじの使用を廃し、作業性の向上を計ると共に、ねじの緩みの問題を解消し、更には、部品数を減少させながら継手装置のこじりを吸収させることを目的として提案されたものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するため、この発明に係る請求項1の継手装置は、クローザ本体、2つのアーム及びブラケットを備えて成るドアクローザの一方のアーム端部に球面部とを有する突軸を設けると共に、この突軸の軸線方向における球面部の両側に夫々小径部を形成し、一方、筒状の胴部とその一端に一体に形成されたフランジ部を有する弾性高分子材料製のブッシュの内側に、前記球面部と可動に接する球面状の受部を形成し、他方、ドアクローザの他方のアームの端部に前記ブッシュの胴部と嵌合する嵌め孔を開口させて成り、前記ブッシュを介して2つのアームの端部を回動可能に接続するものであって、前記ブッシュの胴部の長さを他方のアームの端部の厚さよりも大きく設定すると共に、その胴部の延出部分に相当するブッシュの他端部外周面に他方のアームの端部の抜け出しを阻止する突出部を形成し、また、ブッシュの両端に、それぞれその母線に沿って、フランジ部及び胴部の突出部を切り欠く少なくとも1つのスリットを形成し、以て、前記突軸にブッシュをその一端から嵌め込んだときフランジ部が拡開し易くなるようにすると共に、ブッシュの他端を他方のアームの嵌め孔に押込んだとき、ブッシュの他端が内側に弾性変形して嵌め孔を通り易くなるようにしたことを特徴とする。
【0009】
【発明の実施の形態】
以下、図面に示す実施例に基いて、この発明について説明する。
図1及び図2において、符号2は他端部をクローザ本体又はブラケット(いずれも図示しない)に可動に取り付けた一方のアーム、3は他端部をブラケット又はクローザ本体(いずれも図示しない)に可動に取り付けた他方のアーム、6は後に詳述する突軸、7は同じく後に詳述するブッシュをそれぞれ示している。
【0010】
一方のアーム2の一端部には、先端側から順に後記のブッシュ7を嵌め込むための嵌込み誘導部61、外に凸の球面部62、本体部63、取付用のフランジ部64及び取付用の小径部65より成る突軸6がかしめ付けその他任意の固定手段により固設してある。
【0011】
前記の突軸6における各部分61、62、63、64、65は全体として一体に作るのが普通であるが、球面部62及びフランジ部64は本体部63に対し別体として製作することもできる。
【0012】
前記の突軸6の回りには、比較的大きい硬度のポリアミド樹脂その他の弾性高分子材料で形成されたブッシュ7が可動な状態で嵌め込まれている。
【0013】
ブッシュ7の内側(内面部)には内に凹の球面状をなす受部72を有し、この受部72が突軸6の球面部62に可動に接している。従って、ブッシュ7は突軸6の軸線の回りの回動、すなわち水平方向の回動の他、遊びsを利した鉛直方向の回動も可能である。
【0014】
前記ブッシュ7の胴部71における長さ方向(軸線方向)の一端側(下端側)には、一体に形成され又は別体の金属等で作られたフランジ部73を備えている。
【0015】
そして、前記ブッシュ7における胴部71の長さ(フランジ部73を除いた胴部71のみの長さ)は、該胴部71に嵌め孔31をもって嵌め込まれる他方のアーム3の一端部の厚さよりも大きく形成してあり、その胴部71の延出部分71aの周囲には、他方のアーム3の端部の抜け出しを阻止する、例えば縦断面が山形状をなす環状の突出部74が一体に形成してある。
【0016】
前記のフランジ部73並びに突出部74はブッシュ7の外周に沿って連続的又は断続的に設けることができる。
【0017】
一方、他方のアーム3の一端部には円形の嵌め孔31が設けてあって、この他方のアーム3の一端部は該嵌め孔31をもってブッシュ胴部71の回りに嵌め込まれており、上記のフランジ部73と突出部74とによって上下から挟まれた状態で抜け出しが阻止されている。
【0018】
ブッシュ胴部71とそれに嵌め込まれた他方のアーム3の端部との間は、相互に回動不能に固定されるのが普通であるが、他方のアーム3がブッシュ胴部71の回りで回動するようにしてもドアクローザ全体としての作動に何んら支障を来たすことはない。
【0019】
図中、符号74a、74bはブッシュ7における突出部74の山の稜線を挟み外方側の斜面及び内方側の斜面をそれぞれ示しており、前者の外方側の斜面74aは他方のアーム3を嵌め孔31をもって嵌め込む時の誘導案内面の役割を果たし、また、後者の内方側の斜面74bとブッシュ71との接続部は、他方のアーム3の嵌め孔31から突き抜けて外側に拡開するので、ブッシュ7の抜け止めとなる。
【0020】
更に、ブッシュ7の長さ方向(軸線方向)の両端部又は一端部にはそれぞれ少なくも1つのスリット75及び/又は76を形成する。
【0021】
これらのスリット75、76は、ブッシュ7を一方のアーム2の突軸6の回りに嵌め込み又はそれから抜き取る時、あるいは、ブッシュ7の回りに他方のアーム3を嵌め孔31をもって嵌め込み又はそれから抜き取る時、ブッシュ71及び突出部74の弾性変形を容易にして、その着脱を容易に行えるようにするためのものである。
【0022】
実施例におけるブッシュ7の長さ方向の両端部には90°の間隔を隔ててそれぞれ4つのスリット75、76が設けてある。言い換えると、ブッシュ7の長さ方向の両端部は共に4つ割りにしてある。
【0023】
ブッシュ7の一端側[図2(B)、(D)及び(E)において下端側]のスリット75及び他端側[図2(B)、(D)及び(E)において上端側]のスリット76は、長さ方向については、共に球面状をなす受部72の最大内径位置に至るまで延ばして有り、角度的には相互に45°ずつずらして形成してある。
【0024】
なお、図示はしないが、一方のアーム2の突軸6における球面部62を図示例のものとは逆にして外に凹の球面状とし、また、それに対応させてブッシュ7における球面状の受け部72を内に凸に球面状としてもよい。
【0025】
次にこの発明に係る図示例のアーム間の継手装置において、その組付けの概要を説明する。
【0026】
一方のアーム2の突軸6に対し、弾性高分子材料製のブッシュ7を嵌め込むには、図3(A)に矢印Pで示すように、ブッシュ7を突軸6の軸線方向に強制的に押し込む。
【0027】
ここに、ブッシュ7はそれ自体が持つ弾性及び一端側(下端側)のスリット75の存在により、一端側を拡開させつつ突軸6に嵌め込まれ、図3(B)に示すようにブッシュ7の球面状をなす受部72と突軸6の球面部62とが合致するに至って装着が完了し、拡開状態にあったブッシュ7の一端側はその弾性により当初の状態に戻る。
【0028】
前記のようにして一方のアーム2にブッシュ7を取り付けたものに対し、他方のアーム3の一端部を嵌め込むには、図4(A)に矢印Qで示すように、そのアーム3を嵌め孔31をもってブッシュ7の外側に嵌め込むように強制的に押し付ける。
【0029】
ここに、ブッシュ7はそれ自体が持つ弾性及び他端側(上端側)のスリット76の存在により、図4(B)に示すように他端側を縮閉させつつ他方のアーム3の嵌め孔31の嵌まり込みを許容し、図4(C)に示すように他方のアーム3の嵌め孔31がブッシュ7の突出部74を超えて該アーム3の一面(下面)がフランジ部73に当接するにいたって装着が完了し、縮閉状態にあったブッシュ7の他端側(延出部分)はその弾性により当初の状態に戻る。
【0030】
そして、図1は図4(C)の組付け状態においては、この継手装置に垂直方向の格別大きな力が加えられない限り、一方のアーム2上の突軸6とブッシュ7との間は球面部62と受部72との嵌まり合いにより装着状態が保持され、またブッシュ7と他方のアーム3との間は嵌め孔31の直径よりも大きな直径を有する突出部74の存在により装着状態が保持される。
【0031】
ドアクローザの作動時、2つのアーム2、3に対し水平方向について付与される相対的な変位(揺動運動)は一方のアーム2の突軸6における球面部62と他方のアーム3に固定的に装着されたブッシュ7における受部72との間の水平方向の相対的な滑り作用により、それが許容される。
【0032】
また、ドアクローザの長期の使用において、扉の垂れ下がり等によって生ずる2つのアーム2、3間のこじり作用は、他方のアーム3に固定的に装着されたブッシュ7における受部72に対する一方のアーム2の突軸6における球面部62の遊びsに基く垂直方向の滑り作用並びにブッシュ7の弾縮作用によって吸収される。
【0033】
【発明の効果】
以上に説明したこの発明に係るドアクローザにおけるアーム間の継手装置は、止めねじを廃したので、ブッシュを介した2つのアーム間の着脱を押し込み作業及び引き抜き作業だけで行うことができることとなり、製作工場並びに取付け現場において作業性の向上が計れる。
【0034】
また、同じ理由により、ドアクローザの使用中における継手装置のねじの緩みの問題を解消できるばかりでなく、部品点数を減少させることができる。
【0035】
更にまた、継手装置が球面同志の接合による一種のユニバーサルジョイントを構成している為、ブラケットとクローザ本体の垂直方向の相対位置のずれによる継手装置のこじりを吸収できる、等種々の効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 この発明に係る継手装置の実施例における要部を示す図で、(A)は正面図、(B)は部分縦断正面図。
【図2】 図1の継手装置から取り外したブッシュを示す図で、(A)は平面図、(B)は正面図、(C)は底面図、(D)は図2(A)のIID−IID線による縦断正面図、(E)は図2(A)AのIIE−IIE線による断面図。
【図3】 (A)及び(B)は図1に示す継手装置の組立において、一方のアームの突軸にブッシュを嵌め込む過程を順次示している説明図。
【図4】 (A)〜(C)は図1に示す継手装置の組立において、一方のアームの突軸に組み付けたブッシュに対し、更に他方のアームを嵌め孔をもって嵌め合せる過程を順次示している説明図。
【図5】 従来のドアクローザにおけるアーム間の継手装置を使用状態において例示する正面図。
【符号の説明】
2 一方のアーム
3 他方のアーム
6 突軸
62 球面部
7 ブッシュ
71 胴部
71a 延出部分
74 突出部
75 スリット
76 スリット

Claims (1)

  1. クローザ本体、2つのアーム及びブラケットを備えて成るドアクローザの一方のアーム端部に球面部を有する突軸を設けると共に、この突軸の軸線方向における球面部の両側に夫々小径部を形成し、一方、筒状の胴部とその一端に一体に形成されたフランジ部を有する弾性高分子材料製のブッシュの内側に、前記球面部と可動に接する球面状の受部を、形成し、他方、ドアクローザの他方のアームの端部に前記ブッシュの胴部と嵌合する嵌め孔を開口させて成り、前記ブッシュを介して2つのアームの端部を回動可能に接続するものであって、前記ブッシュの胴部の長さを他方のアームの端部の厚さよりも大きく設定すると共に、その胴部の延出部分に相当するブッシュの他端部外周面に他方のアームの端部の抜け出しを阻止する突出部を形成し、また、ブッシュの両端に、それぞれその母線に沿って、フランジ部及び胴部の突出部を切り欠く少なくとも1つのスリットを形成し、以て、前記突軸にブッシュをその一端から嵌め込んだときフランジ部が拡開し易くなるようにすると共に、ブッシュの他端を他方のアームの嵌め孔に押込んだとき、ブッシュの他端が内側に弾性変形して嵌め孔を通り易くなるようにしたことを特徴とするドアクローザにおけるアーム間の継手装置。
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