JP3787748B2 - 数値解析用メッシュ作成装置 - Google Patents

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Description

【発明の属する技術分野】
【0001】
本発明は、計算機を用いた数値シミュレーションにより設計業務を最適化し合理化するCAE(Computer Aided Engineering)システムに係り、特に、形状モデル作成の履歴を利用して、複雑な形状モデルに対応する解析メッシュを効率よく作成する技術に関する。
【従来の技術】
【0002】
解析メッシュを作成するための従来の技術には、次のような方法がある。
特開平1−311373号公報および特開平2−236677号公報は、形状モデルの座標値から求めた絶対角度,各線分間の隣接角度,各線分の長さなどから、直交座標軸に平行な線分のみで構成される唯一の写像モデルを作成し、写像モデル上の直交格子を元の形状に写像し、メッシュを作成する方法(第1方法)を示している。
【0003】
特開平5−073647号公報は、解析対象形状モデルをモデルデータと対応付けられた立体写像に分割したデータを作成した後、立体写像に基づき解析メッシュを作成する方法(第2方法)を記載している。
【0004】
「HyperMeshの概要」(日本数値流体力学会『最先端のメッシュ生成技術』講習会講演集p39〜p59,1996年9月12日〜13日)は、2次元メッシュをスイープして3次元メッシュを作成する方法(第3方法)を記載している。
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
上記従来の解析メッシュ作成方法には、以下の問題があった。
第1方法では、形状モデルの幾何情報に基づき、形状モデルと位相的に等しく幾何的に最も近い写像モデルが作成される。そのため、形状の特徴を反映したメッシュを作成できない場合がある。図18に示すような解析対象形状では、部分221のように、メッシュの内角が180°に近く解析上好ましくない歪んだメッシュが作成されてしまう場合がある。また、境界が三本の稜線で構成された面を含む形状モデルや複雑な形状では、写像モデルを作成できず、メッシュも作成できない場合があった。
【0006】
第2方法では、システム使用者が、形状モデルと対応付けできるように立体写像の形状を定義する必要があり、メッシュ作成の工数および時間がかかるという問題があった。
【0007】
第3方法では、システム使用者が、解析対象形状モデルについて、2次元メッシュをスイープさせて3次元メッシュを作成できるように考えながらメッシュを作成していく必要があり、解析メッシュ作成の工数および時間がかかるという問題があった。
【0008】
本発明の目的は、高精度解析のための良質な6面体メッシュを効率よく作成でき、トータルの計算コストを削減できる数値解析用メッシュ作成装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
本発明は、上記目的を達成するために、解析対象形状モデルを作成する手段と、形状モデルを格子で近似した写像モデルを作成する手段と、写像モデルの格子点を形状モデルに写像して数値解析用メッシュを作成する手段と、形状モデルと写像モデルと数値解析用メッシュとを対応付けて登録するデータベースとを有する数値解析用メッシュ生成装置において、データベースに登録された二つの形状モデルを選択させる手段と、選択された二つの形状モデルに対して施す集合演算の種類を選択させる手段とを備え、形状モデル作成手段が、選択された二つの形状モデルに対して選択された集合演算を実行し新たな形状モデルを作成する手段を含み、写像モデル作成手段が、二つの形状モデルに対応するそれぞれの写像モデルに対して選択された集合演算を実行し新たな写像モデルを作成する手段を含み、数値解析用メッシュ作成手段が、集合演算された写像モデルの格子点を集合演算された形状モデルに写像して新たな数値解析用メッシュを作成する手段を含む数値解析用メッシュ作成装置を提案する。
【0010】
モデルデータベースは、複数の面形状モデルとそれぞれの写像モデルとを対応付けて登録するデータベースを含み、形状モデル作成手段は、登録されている面形状モデルをスイープ変換して立体形状モデルを作成する手段を含み、写像モデル作成手段は、対応する写像モデルをスイープ変換して立体写像モデルを作成する手段を含み、モデルデータベースは、複数の立体形状モデルとそれぞれの立体写像モデルとを対応付けて登録するモデルデータベースを含むことができる。
【0011】
いずれの数値解析用メッシュ作成装置においても、形状モデル作成手段が、形状モデルの寸法値を変更した場合に対応する写像モデルの格子の並びを変更せずに分割数のみを変更する手段を含み、写像モデル作成手段が、寸法値変更後の形状モデルに対応する写像モデルを作成する手段を含むようにしてもよい。
【0012】
さらに、モデルデータベースは、集合演算された形状モデルと集合演算された写像モデルとを対応付けて追加登録するモデルデータベースである。
【0013】
いずれの数値解析用メッシュ作成装置においても、登録された形状モデルの相互関係および集合演算の手順を形状モデル作成履歴図として表示する手段を備えて、登録された写像モデルの相互関係および集合演算の手順を写像モデル作成履歴図として表示する手段を備えることが望ましい。
【0014】
本発明においては、形状モデル作成手段が、モデルデータベースに登録されている二つの形状モデルの集合演算を実行し新たな形状モデルを作成し、写像モデル作成手段が、二つの形状モデルに対応する写像モデルの集合演算を実行し新たな写像モデルを作成し、解析メッシュ作成手段が、集合演算された写像モデルの格子点を集合演算された形状モデルに写像して新たな数値解析用メッシュを作成し、モデルデータベースが、集合演算された形状モデルと集合演算された写像モデルとを対応付けて追加登録し、モデル作成履歴を表示する手段が、集合演算の要素モデルと演算順序とを登録しモデル作成履歴図として表示するので、単純な形状を組み合わせて次第に複雑な形状とし、形状モデルの作成手順に応じて写像モデルを作成することになり、モデル作成履歴を参照しながら、歪みの少ない高精度な数値解析用メッシュを迅速に作成できる。
【発明の実施の形態】
【0015】
次に、図1〜図22を参照して、本発明による数値解析用メッシュ作成方法およびメッシュ作成装置を説明する。
【0016】
その前に、比較対象として、従来の写像法によるメッシュ作成の基本アルゴリズムを説明しておく。
【0017】
《従来の写像法によるメッシュ作成の基本アルゴリズム》
図19は、従来の写像法による解析メッシュ作成の処理手順の一例を示すフローチャートであり、図20は、図19の各処理段階で作成される解析対象形状モデル,写像モデル,解析メッシュの一例を示す図である。
【0018】
ステップ21:解析メッシュ作成装置は、システム使用者に解析メッシュを作成する形状モデルの入力を要求する。システム使用者は、入出力装置を用いて命令や数値を入力し、解析対象形状モデル(図20(a))を作成する。
【0019】
ステップ22:解析メッシュ作成装置は、システム使用者に作成する解析メッシュの1辺の長さの目標値である標準メッシュサイズの入力を要求する。システム使用者は、入出力装置を用いて、標準メッシュサイズを入力する。
【0020】
ステップ23:解析メッシュ作成装置は、システム使用者によって入力された図20(a)のような解析対象形状モデルに対し、形状モデルの稜線長,稜線間角度などの形状の幾何パラメータに基づき、解析対象形状モデルと位相的に等しく幾何的に最も近い形状の写像モデル(図20(b))を作成する。写像モデルとは、3軸例えば(ξ,η,ζ)からなる直交座標軸に平行に解析対象形状モデルの各稜線を配置し、標準メッシュサイズに基づいて、例えば立方格子状に分割したモデルである。写像モデルは、図21に示すように、稜線の始終点を考慮に入れた稜線の写像モデルでの配置方向,写像モデルでの分割数,面の写像モデルでの配置方向によって表現される。
【0021】
ステップ24:写像モデル(図20(b))の格子点を解析対象形状モデル(図20(a))に写像し、解析メッシュ(図20(c))を作成する。解析メッシュは、図22に示すように、総節点数および節点の座標値からなる節点データと、総要素数および要素を構成する節点群からなる要素データとで表現される。
【0022】
ステップ25:作成された解析メッシュを出力する。
【0023】
しかし、この従来の写像法によるメッシュ作成の基本アルゴリズムでは、形状モデルと幾何的に最も近い写像モデルが作成されてしまうために、形状の特徴を反映したメッシュを作成できない場合があり、解析上好ましくない歪んだメッシュが作成されてしまう場合がある。また、境界が三本の稜線で構成された面を含む形状モデルや、複雑な形状の場合には、写像モデルを作成できず、メッシュも作成できない場合があった。
【0024】
本発明は、従来の写像法による解析メッシュ作成アルゴリズムのうち、ステップ23の写像モデル作成手順に、形状モデル作成の履歴情報を利用して写像モデルを作成する機能を追加し、上記問題を解決する。
【0025】
《本発明による数値解析用メッシュ作成装置の全体構成》
図1は、本発明による数値解析用メッシュ作成装置の一実施例の構成を示すブロック図である。本実施例の数値解析用メッシュ作成装置は、入出力装置1と、形状モデル作成部2と、写像モデル作成部3と、解析メッシュ作成部4と、形状モデルを構成する面や稜線の形状を定義する幾何情報,面や稜線のつながりを示す位相情報などの形状モデルデータと写像モデルデータと解析メッシュデータとを対応付けモデル番号を付けて登録するモデルデータベース5と、形状モデルおよび写像モデル作成の履歴情報を登録しておくモデル作成履歴データベース6とからなる。
【0026】
すなわち、本実施例の数値解析用メッシュ作成装置は、従来の写像法によるメッシュ作成装置に、モデル作成履歴データベース6を増設し、形状モデル作成履歴情報を利用して写像モデルを作成する機能を写像モデル作成部3に追加した装置である。
【0027】
《本手法による解析メッシュ作成例》
一般に複雑な形状モデルは、単純な形状モデルを集合演算すると作成できる。図2は、形状モデル作成履歴図の一例を示す図である。すなわち、形状モデルを作成する集合演算の順序を示す図である。形状モデル79は、単純な形状モデル71,72,73,74,75を集合演算することより作成できる。集合演算の種類としては、例えば、図2に示す形状モデル71と72が存在する領域の和を新たな形状モデル76とする和の集合演算(+)、基準となる形状モデル76が存在する領域から形状モデル73が存在する領域を取り除いた領域を新たな形状モデル77とする差の集合演算(−)などがある。
【0028】
なお、本明細書では、集合演算の対象となる形状モデルを下位形状モデル、集合演算により作成された形状モデルを上位形状モデルとよぶことにする。例えば、形状モデル71と72との和の集合演算を実行し、新たな形状モデル76が作成された場合は、形状モデル71と72とが下位形状モデル、形状モデル76が上位形状モデルである。
【0029】
従来の手法では、図19のフローチャートに従い、最終的に作成される形状モデル79に対応する写像モデルを直接作成しようとしていたために、形状モデルが複雑な場合は、写像モデルを作成できない場合があった。
【0030】
図3は、本実施例による解析メッシュ作成の処理手順を示すフローチャートである。本実施例においては、形状モデルの作成コマンドの入力に基づき、単純な形状モデルとこれに対応する写像モデルとを作成し、集合演算コマンドの入力に基づき、二つの形状モデルとこれに対応する二つの写像モデルについて集合演算して新たな形状モデルと写像モデルとを作成することを繰り返し、最終的に作成される形状モデルと写像モデルとを作成する。
【0031】
このように、単純な形状を組み合わせて次第に複雑な形状とし、形状モデルの作成手順に応じて写像モデルを作成すると、モデル作成履歴を参照しながら、歪みの少ない高精度な数値解析用メッシュを迅速に作成できる。
【0032】
なお、これらの形状モデルの作成履歴を登録するため、モデル作成履歴データベース6は、作成された形状モデル毎に、形状モデル番号データ,形状モデルの作成方法,下位形状モデル番号配列,下位形状モデル数,形状モデル作成時の数値パラメータデータなどを保持している。
【0033】
次に、図3のフローチャートに従い、図2の解析対象形状モデルに対応する数値解析用メッシュ作成を例にとり、本発明を説明する。
【0034】
ステップ61:解析メッシュ作成装置は、システム使用者に作成する解析メッシュ1辺の長さの目標値である標準メッシュサイズの入力を要求する。システム使用者は、図1の入出力装置1を用いて、標準メッシュサイズを入力する。
【0035】
ステップ62:解析メッシュ作成装置は、システム使用者にコマンドの入力を要求する。コマンド入力要求画面の一例を図4に示す。「形状作成」ボタン81が選択された場合には、形状作成コマンドが入力され、「集合演算」ボタン82が選択された場合には、集合演算コマンドが入力され、「メッシュ作成」ボタン83が選択された場合には、最終的に作成された形状モデルに対応する写像モデルから解析メッシュを作成する。
【0036】
ステップ63:形状作成コマンドが入力された場合には、以下の方法により、形状モデルとこれに対応する写像モデルを作成する。
【0037】
ステップ631:解析メッシュ作成装置は、システム使用者に形状モデルの入力を要求する。形状モデル入力要求画面の一例を図5に示す。ここでは形状モデルの入力方法として、「プリミティブ法」「スイープ法」「バウンダリ法」が用意されている。システム使用者は、131〜133のいずれかのボタンを選択した後、入出力装置1のキーボード1bやマウス1cを用いて、数値を入力し、形状モデルを入力する。形状モデル作成部2は、作成された形状モデルをディスプレイ1a上に表示し、作成された形状モデルにモデル番号を付け、モデルデータベース5に登録する。
【0038】
ステップ632:写像モデル作成部3は、作成された形状モデルに対応する写像モデルを作成し、モデルデータベース5に登録する。
【0039】
次に、形状モデルを入力する方法と、これに対応する写像モデルの作成方法について詳細に説明する。
【0040】
プリミティブ法とは、モデルデータベース5に登録されている形状モデルをシステム使用者が選択し、選択された形状モデルデータを読み込んで形状モデルを作成する方法である。本手法により形状モデルが作成された場合は、モデルデータベース5から、選択された形状モデルに対応する写像モデルデータを読み込んで、写像モデルを作成する。
【0041】
図6は、プリミティブ法による形状モデル作成画面の一例を示す図である。システム使用者は、この際、「全モデル」ボタン91を選択してモデルデータベース5に登録されている全てのモデルデータを表示してもよいし、「基本モデル」ボタン92を選択して、モデル番号が負の値で登録されているモデルデータのみを表示してもよい。システム使用者は、モデルデータベース5に登録されている形状モデルと写像モデルとを同時に表示して、形状モデルおよび写像モデルの形状を確認しながら選択できる。また、一つの基本モデルに対して複数の写像モデルが登録されている場合には、図6のように、表示されている写像モデルをシステム使用者が選択して写像モデルを作成することもできる。
【0042】
図2の形状モデル71,72,73をプリミティブ法によって作成する例を示す。形状モデル71は直方体、形状モデル72は三角柱、形状モデル73は円柱を選択して、形状モデルおよび写像モデルを作成する。
【0043】
図7〜図9は、直方体,三角柱,円柱を選択した時の画面の一例を示す。このように、形状モデル,写像モデル,解析メッシュを同時に表示して、作成される解析メッシュを確認しながら作業を進めることができる。画面中の形状モデルにアルファベットと数字の組み合わせで示してあるL1,M1,N1,R1などは、形状モデルを規定する数値パラメータである。システム使用者は、図1の入出力装置1を用いてパラメータを選択し、数値を入力して形状モデルを作成する。これに対し、画面中の写像モデルにアルファベットで示してある写像モデルの稜線の分割数L,M,Nが、写像モデルを規定する数値パラメータである。
【0044】
ここで、写像モデルの数値パラメータの決定方法について説明する。例えば分割数Lには、写像モデルにおいて分割数Lの稜線と同じ軸方向に配置される稜線L1,L2,...の形状モデルでの稜線長の平均値をシステム使用者が入力した標準メッシュ寸法で割った値を例えば小数以下は四捨五入し整数化した値が、標準値として決定され、写像モデル上に表示される。ただし、円柱の写像モデルのパラメータL,Mについては、入力された円の半径Rに基づいて、次式で決定された値を例えば小数以下は四捨五入し整数化した値が、
L=2.0×R1/4.0
M=L/2.0
標準値として決定される。
【0045】
システム使用者は、決定された分割数を変更したい場合には、写像モデル上に表示された分割数を選択し、キーボード1bやマウス1cを用いて、分割数を対話的に入力することもできる。
【0046】
画面中の三角柱,円柱の写像モデルに○で対応付けた点は、実形状においては、それぞれ同一座標値となる点であり、解析メッシュでは、同一節点となる。画面中●△▲で対応付けた点に付いても、同様である。
【0047】
従来の写像法による解析メッシュ作成方法では作成できなかった境界が三辺で構成される面を含む形状モデルに対しても、この手順によれば、メッシュを作成でき、円柱形状に対しても歪みが少ない解析メッシュを作成できる。
【0048】
このような拡張した写像モデルを用いると、従来と同様の方法で写像モデルを取り扱うことができる。
【0049】
なお、プリミティブ法により形状モデルが作成された場合は、モデル作成履歴データベース6の形状モデル番号データに作成された形状モデルの番号を登録し、形状モデル作成方法にプリミティブ法を示す「P」を登録し、数値パラメータデータに形状モデル作成時の数値パラメータL1,L2,・・を登録する。
【0050】
スイープ法とは、面形状をスイープ変換して形状モデルを作成する方法である。図10にスイープ法により形状モデル74を作成した場合の写像モデルの作成例を示す。システム使用者は、解析メッシュ作成装置の入力要求に従い、スイープ変換対象形状モデル141を入力する。写像モデル作成部3は、入力された形状モデルの写像モデル142を作成し、入力された形状モデルとともに、モデルデータベース5に登録する。
【0051】
続いて、システム使用者は、解析メッシュ作成装置の入力要求に従い、スイープ変換の方向および移動量を入力し、形状モデル143を作成する。写像モデル作成部3は、写像モデル142を写像モデルの法線方向にスイープ変換して形状モデル143に対応する写像モデル144を作成し、形状モデル143とともにモデルデータベース5に登録する。
【0052】
法線方向の写像モデルの分割数Lには、スイープ面を構成する頂点をスイープさせたことによって作成される稜線の長さの平均値をシステム使用者が入力した標準メッシュサイズで割り、例えば小数以下は四捨五入し整数化した値が標準値として決定される。法線方向の写像モデルの分割数Lは、システム使用者がキーボード1bやマウス1cを使用して、対話的に変更することもできる。
【0053】
図10の写像モデル144に基づき作成した解析メッシュを図11に示す。このようにスイープ変換という形状モデル作成方法を反映させると、従来の手法の課題であった歪みの大きい要素の作成を回避できる。
【0054】
なお、スイープ法により形状モデルが作成された場合は、モデル作成履歴データベース6の形状モデル番号データに作成された形状モデルの番号を登録し、形状モデル作成方法データにスイープ法を示す「S」を登録し、下位形状モデル番号配列にスイープ対象の面の番号を登録し、下位形状モデル数に1を登録し、数値パラメータデータにスイープ変換の方向および移動量を登録する。
【0055】
バウンダリ法とは、面形状で領域を囲み、囲まれた領域を立体形状化して形状モデルを作成する方法である。システム使用者は、解析メッシュ作成装置の入力要求に従い、面形状を作成する。形状モデル作成部2は、面形状によって囲まれた領域が作成された場合には、囲まれた領域を形状モデルとしてモデルデータベース5に登録する。写像モデル作成部3は、図20に示した従来の手法で形状モデルの写像モデルを作成する。
【0056】
なお、バウンダリ法により形状モデルが作成された場合には、モデル作成履歴データベース6の形状モデル番号データに作成された形状モデルの番号を登録し、形状モデル作成方法データにバウンダリ法を示す「B」を登録し、下位形状モデル番号配列に立体形状を囲う面の番号を登録し、下位形状モデル数に立体形状を囲う面の数を登録する。
【0057】
こうして、プリミティブ法,スイープ法,バウンダリ法で新たに作成された形状モデルと写像モデルとは、新たな基本モデルとしてモデル番号に負の値を付してモデルデータベース5に登録しておくこともできる。
【0058】
ステップ64:集合演算コマンドが入力された場合には、次の手順により、二つの形状モデルの集合演算とこれに対応する二つの写像モデルの集合演算とを実行し、新たな形状モデルと写像モデルとを作成する。
【0059】
ステップ641:解析メッシュ作成装置は、システム使用者に、集合演算のパラメータの入力を要求する。パラメータとしては、集合演算対象の下位形状モデル間の配置位置や、例えば和,差などの集合演算の種類がある。
【0060】
図12に形状モデルの集合演算時の画面表示例を示す。システム使用者は、キーボード1bやマウス1cを用いて、集合演算対象の二つの形状モデルを指定した後、集合演算和ボタン161,集合演算差ボタン162を選択し、集合演算を実行する。
【0061】
また、システム使用者は、図12の画面表示例のように、形状モデルと写像モデルとを同時に表示し、写像モデルの形状を確認しながら作業を実行することもできる。
【0062】
ステップ642:形状モデル作成部2は、システム使用者が入力した集合演算パラメータに従い、二つの下位形状モデルの集合演算を実行し、新たな上位形状モデルを作成し、モデルデータベース5に登録する。
【0063】
なお、集合演算により形状モデルが作成された場合には、モデル作成履歴データベース6の形状モデル番号データに作成された形状モデルの番号を登録し、形状モデル作成方法データに和の集合演算の場合には「J」を登録し、差の集合演算の場合には「C」を登録し、下位形状モデル番号配列に二つの下位形状モデルの番号を登録し、下位形状モデル数に2を登録し、数値パラメータデータに二つの形状モデルの配置位置を登録する。
【0064】
ステップ643:写像モデル作成部3は、集合演算における二つの下位形状モデルに対応する写像モデルについて、形状モデルと同様の集合演算を実行し、上位形状モデルに対応する写像モデルを作成し、モデルデータベース5に登録する。
【0065】
歪みの少ない品質のよい解析メッシュを作成するためには、二つの写像モデルを形状モデルと幾何的に近い位置に配置しなければならない。ここでは、図2の形状モデル76および形状モデル73の写像モデルの最適な配置決定方法について、図13のフローチャートと図14とを用いて説明する。
【0066】
ステップ171:接合する二つの形状モデル76,73について、接続面が存在するかを確認する。この場合、ハッチングで示す面が接続面なので、ステップ1721に進む。
【0067】
ステップ1721:接続面が存在する場合には、形状モデル73について、図14(c)に●で示す写像モデルの角に当たる接続面上点(接続面上のコーナー点)の座標値を求める。
【0068】
ステップ1731:形状モデル76の写像モデル上に接続面が一致するように、形状モデル73の写像モデルを任意位置に配置し、図14中に○で示す形状モデル76での座標値を求める。ここでは図14(d)に示す位置に形状モデルを配置したとする。
【0069】
なお、形状モデル76の座標値は、形状モデル76の写像モデルの格子点を形状モデルに写像して求めることができる。
【0070】
ステップ1741:ステップ1721で求めた座標値とステップ1731で求めた座標値の距離を全ての接続面上コーナー点について計算し、距離の2乗和を求める。この図14(d)では、L12+L22+L32+L42が距離の2乗和である。
【0071】
ステップ1751:ステップ1741で求めた距離の2乗和が最小になるまでステップ1731からステップ1741までを繰り返し、配置を決定する。この結果、本実施例では、図14(e)に示す位置が、距離の2乗和が最小になるため最適であると判断され、図14(f)に示す写像モデル77が、形状モデル77に対応する写像モデルとして作成される。
【0072】
接続面が存在しない場合も、上記手法を3次元に拡張した以下に示す方法で、最適な位置に写像モデルを配置できる。
【0073】
ステップ1722:接続面が存在しない場合には、形状モデル73の写像モデルについて、写像モデルの角に当たる点(コーナー点)の座標値を求める。
【0074】
ステップ1732:形状モデル76の写像モデルの任意位置に形状モデル73の写像モデルを配置し、形状モデル76での座標値を求める。
【0075】
ステップ1742:ステップ1722で求めた座標値とステップ1732で求めた座標値の距離を全てのコーナー点について計算して、距離の2乗和を求める。
【0076】
ステップ1752:ステップ1742で求めた距離の2乗和が最小になるまでステップ1732からステップ1742までを繰り返し、配置を決定する。
【0077】
このような手順で写像モデルについて集合演算を実行すると、図2の形状モデルの作成履歴図に対応する図15の写像モデルの作成履歴を作成できる。
【0078】
こうして、集合演算により新たに作成された形状モデルと写像モデルも、新たな基本モデルとしてモデル番号に負の値を付してモデルデータベース5に登録しておくこともできる。
【0079】
なお、システム使用者は、必要に応じて、図2の形状モデル作成履歴図または図15の写像モデル作成履歴図の形式で、モデル作成履歴データベース6に登録されたモデルの作成履歴を表示することもできる。
【0080】
表示した形状モデル作成履歴図について、図16に示すように、システム使用者は、図中の形状モデルを選択したのち、削除ボタン101を選択して、モデルの一部分の形状を削除したり、寸法変更ボタン102を選択して、画面上に形状モデル作成時に入力した数値パラメータを表示し、パラメータの数値を対話的に変更し、形状モデルの寸法を変えることもできる。
【0081】
形状モデル作成部2は、形状モデルを指定し削除ボタンが選択された場合、選択された形状モデルに対する下位形状モデルを全てモデルデータベース5から削除するとともに、削除された形状モデルのモデル番号が含まれるデータをモデル作成履歴データベース6から全て削除する。その後、変更されたモデル作成履歴データベース6に従って、形状モデルの集合演算を再び実行し、解析対象形状モデルを再構築する。
【0082】
これにともない、写像モデル作成部3は、変更されたモデル作成履歴データベース6に従い、写像モデルの集合演算を実行し、解析対象形状モデルの写像モデルを再構築する。再構築された形状モデルおよび写像モデルは、モデルデータベース5に登録される。
【0083】
形状モデル作成部2は、集合演算で作成された以外の形状モデルを指定し、寸法変更ボタンが選択された場合、指定された形状モデルの数値パラメータを表示し、システム使用者が数値パラメータを指定して形状モデルの寸法を変更できるようにする。形状モデル作成部2は、変更された数値パラメータに基づき、形状モデルの寸法を変更した後、モデル作成履歴データベース6に従って、形状モデルの集合演算を再び実行し、形状モデルを再構築する。
【0084】
これにともない、写像モデル作成部3は、変更された形状モデルの数値パラメータに従って、写像モデルの数値パラメータ(稜線の分割数)を変更した後、モデル作成履歴データベース6に従い、写像モデルの集合演算を実行し、解析対象形状モデルの写像モデルを再構築する。再構築された形状モデルおよび写像モデルは、モデルデータベース5に登録する。
【0085】
形状モデル作成部2は、集合演算により作成された形状モデルを指定し、寸法変更ボタンが選択された場合、指定された形状モデルの下位形状モデルの接合位置に関する数値パラメータを表示し、システム使用者が数値パラメータを指定しモデルの配置位置を変更できるようにする。形状モデル作成部2は、変更された数値パラメータに基づき、モデル作成履歴データベース6を変更した後、変更されたモデル作成履歴データベース6に従って、形状モデルの集合演算を再び実行し、解析対象形状モデルを再構築する。
【0086】
これにともない、写像モデル作成部3は、変更されたモデル作成履歴データベース6に従って、写像モデルの集合演算を実行し、写像モデルの配置位置を変更して、解析対象形状モデルの写像モデルを再構築する。再構築された形状モデルおよび写像モデルは、モデルデータベース5に登録する。
【0087】
このように、本発明においては、形状モデルの一部分が削除されたり、一部分の寸法が変更された時にも、効率よく写像モデルを作成できる。
【0088】
ステップ65:解析メッシュ作成コマンドが入力された場合、解析メッシュ作成部4は、写像モデル作成部3で作成された最終的な写像モデルをモデルデータベース5から読み込み、写像モデルの格子点を解析対象形状モデルに写像し、数値解析用6面体メッシュを作成し、モデルデータベース5に登録する。解析対象形状モデルの写像モデルと作成された解析メッシュとを図17に示す。こうして作成された解析メッシュは、規則的な配置となるため、解析精度・計算効率の点で優れている。
【発明の効果】
【0089】
本発明によれば、従来の写像法によるメッシュ作成装置に、形状モデル作成の履歴情報を登録しておくモデル作成履歴データベース6を設置し、形状モデル作成履歴情報を利用して写像モデルを作成する機能を写像モデル作成部3に追加したので、解析に適した良好なメッシュを効率よく作成できる。また、形状モデルが変更された場合にも、高精度な解析メッシュを容易に作成できる。その結果、良質な解析メッシュを効率よく作成し、設計業務の効率を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【0090】
【図1】 本発明による数値解析用メッシュ作成装置の一実施例の構成を示すブロック図である。
【図2】 形状モデル作成履歴図の一例を示す図である。
【図3】 本発明による解析メッシュ作成の処理手順を示すフローチャートである。
【図4】 コマンド入力要求画面の一例を示す図である。
【図5】 形状モデル入力要求画面の一例を示す図である。
【図6】 プリミティブ法による形状モデル作成画面の一例を示す図である。
【図7】 直方体を形状モデルとして選択した場合の表示の一例を示す図である。
【図8】 三角柱を形状モデルとして選択した場合の表示の一例を示す図である。
【図9】 円柱を形状モデルとして選択した場合の表示の一例を示す図である。
【図10】 スイープ法により形状モデルを作成した場合に写像モデルを作成する例を示す図である。
【図11】 写像モデルに基づき作成される解析メッシュの一例を示す図である。
【図12】 形状モデルの集合演算時の画面表示の一例を示す図である。
【図13】 写像モデル集合演算時の配置位置を決定する処理手順を示すフローチャートである。
【図14】 写像モデル集合演算時の配置位置を決定する方法を説明する図である。
【図15】 写像モデル作成履歴図の一例を示す図である。
【図16】 モデルの削除・寸法変更画面の表示の一例を示す図である。
【図17】 解析メッシュの表示の一例を示す図である。
【図18】 メッシュの内角が180°に近く解析上好ましくない歪んだメッシュが作成されてしまう例を示す図である。
【図19】 従来の写像法による解析メッシュ作成の処理手順の一例を示すフローチャートである。
【図20】 図19の各処理段階で作成される解析対象形状モデル,写像モデル,解析メッシュの一例を示す図である。
【図21】 写像モデルデータの一例を示す図である。
【図22】 解析メッシュデータの一例を示す図である。
【符号の説明】
【0091】
1 入出力装置
1a ディスプレイ
1b キーボード
1c マウス
2 形状モデル作成部
3 写像モデル作成部
4 解析メッシュ作成部
5 モデルデータベース
6 モデル作成履歴データベース

Claims (6)

  1. 解析対象形状モデルを作成する手段と、前記形状モデルを格子で近似した写像モデルを作成する手段と、前記写像モデルの格子点を前記形状モデルに写像して数値解析用メッシュを作成する手段と、前記形状モデルと前記写像モデルと前記数値解析用メッシュとを対応付けて登録するデータベースとを有する数値解析用メッシュ生成装置において、
    データベースに登録された二つの形状モデルを選択させる手段と、前記選択された二つの形状モデルに対して施す集合演算の種類を選択させる手段とを備え、
    前記形状モデル作成手段が、前記選択された二つの形状モデルに対して選択された集合演算を実行し新たな形状モデルを作成する手段を含み、
    前記写像モデル作成手段が、前記二つの形状モデルに対応するそれぞれの写像モデルに対して前記選択された集合演算を実行し新たな写像モデルを作成する手段を含み、
    前記数値解析用メッシュ作成手段が、集合演算された写像モデルの格子点を集合演算された形状モデルに写像して新たな数値解析用メッシュを作成する手段を含むことを特徴とする数値解析用メッシュ作成装置。
  2. 請求項1に記載の数値解析用メッシュ作成装置において、
    前記モデルデータベースが、複数の面形状モデルとそれぞれの写像モデルとを対応付けて登録するデータベースを含み、
    前記形状モデル作成手段が、登録されている面形状モデルをスイープ変換して立体形状モデルを作成する手段を含み、
    前記写像モデル作成手段が、対応する写像モデルをスイープ変換して立体写像モデルを作成する手段を含み、
    前記モデルデータベースが、複数の前記立体形状モデルとそれぞれの前記立体写像モデルとを対応付けて登録するモデルデータベースを含む
    ことを特徴とする数値解析用メッシュ作成装置。
  3. 請求項1または2に記載の数値解析用メッシュ作成装置において、
    前記形状モデル作成手段が、前記形状モデルの寸法値を変更した場合に対応する写像モデルの格子の並びを変更せずに分割数のみを変更する手段を含み、
    前記写像モデル作成手段が、寸法値変更後の形状モデルに対応する写像モデルを作成する手段を含む
    ことを特徴とする数値解析用メッシュ作成装置。
  4. 請求項1ないし3のいずれか一項に記載の数値解析用メッシュ作成装置において、
    前記モデルデータベースが、前記集合演算された形状モデルと前記集合演算された写像モデルとを対応付けて追加登録するモデルデータベースである
    ことを特徴とする数値解析用メッシュ作成装置。
  5. 請求項1ないし4のいずれか一項に記載の数値解析用メッシュ作成装置において、
    登録された形状モデルの相互関係および集合演算の手順を形状モデル作成履歴図として表示する手段を備えた
    ことを特徴とする数値解析用メッシュ作成装置。
  6. 請求項1ないし5のいずれか一項に記載の数値解析用メッシュ作成装置において、
    登録された写像モデルの相互関係および集合演算の手順を写像モデル作成履歴図として表示する手段を備えた
    ことを特徴とする数値解析用メッシュ作成装置。
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