JP3798043B2 - 2−チオフラボン誘導体及びその製造方法 - Google Patents

2−チオフラボン誘導体及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、新規な2−チオフラボン誘導体又はその塩、並びにこれを含有し優れた抗腫瘍活性及び発癌抑制活性を有し癌治療に有用な医薬に関する。
【0002】
【従来の技術】
2−フェニルチオフラボン骨格を有する抗腫瘍剤としては、例えば特開平2−6473号公報、Anti-Cancer Drug Des., Vol. 4(2), 161 〜169(1989)、J. Med. Chem., Vol. 24(7), 853〜858(1981)、J. Heterocycl. Chem., Vol. 22(6),1593〜1596及びJ. Heterocycl. Chem., Vol. 22(3), 821 〜824等に記載の化合物が知られている。
【0003】
しかしながら、これらの化合物は抗腫瘍剤として十分に満足できるものではなかった。
【0004】
一方、2−フェニル−5,8−置換チオフラボン誘導体としては、例えば西独国特許公報803803号に2−フェニル−5,8−ジメトキシチオフラボン及び2−(4−メトキシフェニル)−5,8−ジメトキシチオフラボンが記載されている。
【0005】
しかしながら、この公報中には、これらの化合物が抗腫瘍作用を有することについてはなんら記載がない。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
従って本発明の目的は、優れた抗腫瘍活性を有し、医薬として有用な新規化合物を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
斯かる実状に鑑み本発明者らは鋭意研究を重ねた結果、下記一般式(1)で表される新規な2−チオフラボン誘導体が、優れた抗腫瘍作用及び発癌抑制作用を有し、癌治療用の医薬として有用であることを見出し本発明を完成した。
【0008】
すなわち本発明は、次の一般式(1)
【0009】
【化8】
Figure 0003798043
【0010】
〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は同一又は相異なって水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示し、破線はそこが二重結合であってもよいことを示す。〕
で表される2−チオフラボン誘導体又はその塩、その製造方法及びその製造中間体を提供するものである。
【0011】
また、本発明は上記2−チオフラボン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬を提供するものである。
【0012】
【発明の実施の形態】
本発明の2−チオフラボン誘導体は、前記一般式(1)で表されるものであり、式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 で示される各基、更に本明細書に記載する各基は具体的には次の通りである。
【0013】
低級アルキル基としては、例えばメチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、tert−ブチル、n−ペンチル、イソペンチル、n−ヘキシル基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルキル基が挙げられる。
【0014】
アラルキル基としては、例えばベンジル、フェネチル、フェニルプロピル基等の炭素数1〜6のアルキル基にフェニル基が置換したものが挙げられる。
【0015】
低級アルコキシ基としては、例えばメトキシ、エトキシ、n−プロポキシ、イソプロポキシ、n−ブトキシ、イソブトキシ、sec−ブトキシ、tert−ブトキシ、n−ペンチルオキシ、イソペンチルオキシ、n−ヘキシルオキシ基等の炭素数1〜6の直鎖又は分枝鎖状のアルコキシ基が挙げられる。
【0016】
ハロゲン原子としては、例えばフッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が挙げられる。
【0017】
本発明の一般式(1)で表される2−チオフラボン誘導体の塩としては、薬学的に許容される塩基性化合物を作用させた塩基塩が挙げられる。上記塩基塩としては、一般式(1)の化合物の酸性基、特にフェノール性水酸基との塩基、例えばナトリウム、カリウム、マグネシウム、カルシウム等のアルカリ金属及びアルカリ土類金属との塩が挙げられる。また本発明の2−チオフラボン誘導体(1)には複数の異性体が存在する場合があるが、これらの各異性体及びその混合物も本発明に包含される。更に、2−チオフラボン誘導体(1)は、水和物のような溶媒和物として存在していてもよい。
【0018】
本発明の2−チオフラボン誘導体(1)としては、一般式(1)中のR1 、R2 、W1 及びZ1 のすべてが水素原子であるものが好ましい。また、この条件に加え、OW1 がベンゼン環の4位に置換しているものが更に好ましく、特にOW1 及びOZ1 がベンゼン環の3位及び4位に置換しているものが好ましい。
【0019】
本発明の2−チオフラボン誘導体(1)は、例えば次の反応式に従って、製造することができる。
【0020】
【化9】
Figure 0003798043
【0021】
〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は前記と同じものを示し、Yは水素原子、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、nは1〜6の整数を示す。〕
すなわち、アセトキノン(5)と化合物(6)とを反応せしめ、R1 及びR2 が水素原子の化合物(3)を得、必要によりR1 及びR2 をアラルキル又はアルキル基に置換し、次いで化合物(7)を付加せしめて化合物(2)とし、これを脱保護反応を伴った閉環反応に付せば、本発明の2−チオフラバノン誘導体(1−a)を得ることができる。また得られた2−チオフラバノン誘導体(1−a)を脱水素反応に付すことにより、2−チオフラボン誘導体(1−b)とすることができる。
【0022】
各工程の詳細な説明は以下の如くである。
なお、化合物(2)及び(3)は、新規化合物であり、本発明はこれらの化合物も提供するものである。
【0023】
(工程1)
上記一般式(3)のうち、式中のR1 及びR2 が水素原子である化合物は、化学式(5)で表される公知のアセトキノンと一般式(6)で表される化合物を、適当な溶媒中にて反応させることにより製造できる。
【0024】
溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0025】
反応原料は、アセトキノン(5)1モルに対して一般式(6)の化合物を1〜5モル当量、特に1.5〜3モル当量使用するのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度であり、好ましくは5〜40℃である。反応時間は15〜90分であり、好ましくは20〜60分である。
【0026】
更に、一般式(3)で、式中のR1 及びR2 がベンジル基である化合物は、R1 及びR2 が水素原子である化合物(3)を公知慣用の方法でベンジル化することにより製造することができる。
【0027】
ベンジル化に用いる溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。ベンジル化に用いるハロゲン化ベンジルとしては、例えば臭化ベンジル、塩化ベンジル、ヨウ化ベンジル等が挙げられる。
【0028】
ベンジル化に用いる塩基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピリジン等の第三級アミン類等の有機塩基性化合物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属等の無機塩基性化合物が挙げられる。
【0029】
反応原料は、R1 及びR2 が水素原子である化合物(3)1モルに対してハロゲン化ベンジルを1〜10モル当量、特に1.5〜6モル当量、塩基性化合物を1〜12モル当量、特に1.5〜7モル当量使用するのが好ましい。反応温度は0〜100℃程度であり、好ましくは10〜80℃である。反応時間は0.5〜12時間であり、好ましくは1〜5時間である。
【0030】
更に、一般式(3)で式中のR1 及びR2 が低級アルキル基である化合物は、R1 及びR2 が水素原子である化合物(3)を公知慣用の方法、例えば塩基性化合物の存在下、アルキル化剤を用いる方法等でアルキル化することにより製造することができる。
【0031】
ここで用いる溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0032】
ここで用いるアルキル化剤としては、例えば臭化アルキル、塩化アルキル、ヨウ化アルキル等のハロゲン化アルキルや硫酸ジアルキルエステル等が挙げられる。
【0033】
ここで用いる塩基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン等のトリアルキルアミン類;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸銀等の炭酸塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属等の無機塩基性化合物が挙げられる。
【0034】
反応原料は、R1 及びR2 が水素原子である化合物(3)1モルに対してアルキル化剤を1〜5モル当量、特に1〜2モル当量、塩基性化合物を1〜5モル当量、特に1〜2モル当量使用するのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度であり、好ましくは室温〜100℃である。反応時間は1〜48時間であり、好ましくは1〜24時間である。
【0035】
このようにして得られた化合物(3)は、中間原料として単離し、又は単離せずに工程2に用いることができる。
【0036】
(工程2)
上記一般式(2)で表される化合物は、一般式(3)で表される化合物と一般式(7)で表される公知化合物を、例えば、J. Chem. Soc. Perkin I 1646〜1651(1978)に記載の方法に準じて、適当な溶媒中、塩基性条件又は酸性条件で反応させることにより製造できる。
【0037】
ここで用いる溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0038】
塩基性化合物としては、例えばトリエチルアミン、ジイソプロピルアミン、ピペラジン、ピペリジン、ピリジン、4−ジメチルアミノピリジン、DBU等の第三級アミン類等の有機塩基性化合物;炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等のアルカリ金属炭酸塩;炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム等のアルカリ金属炭酸水素塩;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のアルカリ金属水酸化物;水素化ナトリウム、水素化カリウム等の水素化アルカリ金属等の無機塩基性化合物が挙げられる。また、酸性化合物としては、例えばシュウ酸、ギ酸、酢酸、p−トルエンスルホン酸等の有機酸;塩酸、硫酸、リン酸、臭化水素酸等の無機酸が挙げられる。
【0039】
また、反応促進を目的として、例えばテトラブチルアンモニウムブロマイド、テトラブチルアンモニウムクロライド、トリメチルベンジルアンモニウムクロライド、セチルジメチルベンジルアンモニウムクロライド等の四級アンモニウム塩等を触媒として加えることもある。
反応原料は、一般式(3)の化合物1モルに対してベンズアルデヒド誘導体(7)を1〜5モル等量、特に1.1〜2モル当量使用するのが好ましく、触媒は反応試薬の組み合わせにより適宜選択することができ、0.01〜0.7モル当量、特に0.1〜0.5モル当量使用するのが好ましい。なお、触媒の添加は場合によっては必要としない。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度であり、好ましくは5〜80℃である。反応時間は1〜120時間であり、好ましくは12〜36時間である。
また、一般式(2)の化合物は、中間原料として単離し、又は単離せずに工程3に用いることができる。
【0040】
(工程3)
上記一般式(1−a)で表される化合物(チオフラバノン誘導体)は、一般式(2)で表される化合物を、例えば、Chem. Soc. Rev. 345〜371(1977)に記載の方法に準じて、適当な溶媒中、硝酸銀及びセチルトリメチルアンモニウムブロマイド及びp−トルエンスルホン酸を順次反応させることにより製造できる。
【0041】
ここで用いる溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられ、これらは単独で又は混合して使用できる。
【0042】
反応原料は、一般式(2)の化合物1モルに対して硝酸銀を1〜10モル当量、特に2〜5モル当量、セチルトリメチルアンモニウムブロマイドを0.1〜5モル当量、特に0.5〜3モル当量、p−トルエンスルホン酸を1〜10モル当量、特に1.5〜5モル当量使用するのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度であり、好ましくは5〜100℃である。反応時間は1〜12時間であり、好ましくは2〜5時間である。
また、工程3は前記方法の他に、トリフルオロ酢酸中で反応を行うことによっても本発明化合物(1−a)を製造できる。
この場合の反応原料は、一般式(2)の化合物1gに対してトリフルオロ酢酸を5〜50ml、特に10〜30ml使用するのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度であり、好ましくは5〜50℃である。反応時間は0.1〜12時間であり、好ましくは0.5〜5時間である。
【0043】
更に、上記反応で得られたベンジル体(R1 、R2 、W1 又はZ1 のうち少なくとも1つがベンジル基である一般式(1−a)の化合物)は、通常の脱ベンジル化反応により、対応するアルコール体に変換できる。脱ベンジル化の一例としては、適当な溶媒中N,N−ジメチルアニリン及び塩化アルミニウムと反応させる方法が挙げられる。
【0044】
ここで用いる溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒトロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン、キシレン等の芳香族炭化水素類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0045】
反応原料は、ベンジル体の化合物(1−a)の化合物1モルに対してN,N−ジメチルアニリンを0.1〜2モル当量、特に0.2〜1モル当量、塩化アルミニウムを1〜12モル当量、特に3〜10モル当量使用するのが好ましい。反応温度は−30〜50℃程度であり、好ましくは−10〜30℃である。反応時間は0.5〜12時間であり、好ましくは1〜5時間である。
【0046】
また、一般式(1−a)の化合物は、それ自身抗腫瘍活性及び発癌抑制活性を有しているが、中間原料として単離し、又は単離せずに工程4に用いることができる。
【0047】
(工程4)
上記一般式(1−b)で表される化合物は、一般式(1−a)で表される化合物を、適当な溶媒中脱水素化剤の存在下で反応させることにより製造できる。
ここで用いる溶媒としては反応に関与しないものであれば特に制限はなく、例えばメタノール、エタノール、1−プロパノール、2−プロパノール、1−ブタノール、2−ブタノール等のアルコール類;ジクロロメタン、クロロホルム等のハロゲン化炭化水素類;ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン等のエーテル類;酢酸メチル、酢酸エチル、酢酸ブチル等の酢酸エステル類;ベンゼン、トルエン等の芳香族炭化水素類;アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のアルキルケトン類;N,N−ジメチルホルムアミド、アセトニトリル、ジメチルスルホキシド等の非プロトン性極性溶媒等が挙げられる。
【0048】
脱水素化剤としては、例えば2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン(DDQ)、パラジウム炭素等が例示できる。
【0049】
反応原料は、一般式(1−a)の化合物1モルに対して脱水素化剤を1〜5モル当量、特に1〜3モル当量使用するのが好ましい。反応温度は0℃〜溶媒の沸点程度であり、好ましくは10〜130℃である。反応時間は1〜48時間であり、好ましくは1〜24時間である。
【0050】
更に、上記反応で得られたベンジル体(本発明化合物)は、前記と同様の方法で脱ベンジル化反応を行うことにより、アルコール体(本発明化合物)を製造できる。
【0051】
上記方法により得られた本発明化合物(1−a)及び(1−b)は、通常の分離精製手段例えばカラムクロマトグラフィー、再結晶、減圧蒸留等により単離精製可能である。
【0052】
本発明化合物を医薬として用いるに当たっては、予防又は治療の目的に応じて各種の投与形態が採用可能であり、該形態としては、例えば丸剤、錠剤、散剤、カプセル剤、顆粒剤等の経口剤、注射剤、坐剤、軟膏剤、貼付剤、エアゾール剤、点眼剤、点鼻剤等の非経口剤のいずれでも良く、これらの投与形態は、各々当業者に公知慣用の製造方法により製造できる。
【0053】
経口用固形製剤を調製する場合には、本発明化合物に賦形剤、必要に応じて結合剤、崩壊剤、滑沢剤、着色剤、矯味・矯臭剤等を加えた後、常法により錠剤、被覆錠剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤等を製造することができる。そのような添加剤としては、当該分野で一般的に使用されるもので良く、例えば、賦形剤としては乳糖、白糖、塩化ナトリウム、ブドウ糖、デンプン、炭酸カルシウム、カオリン、微結晶セルロース、珪酸等を、結合剤としては、水、エタノール、プロパノール、単シロップ、ブドウ糖液、デンプン液、ゼラチン溶液、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルスターチ、メチルセルロース、エチルセルロース、シェラック、リン酸カルシウム、ポリビニルピロリドン等を、崩壊剤としては、乾燥デンプン、アルギン酸ナトリウム、カンテン末、炭酸水素ナトリウム、炭酸カルシウム、ラウリル硫酸ナトリウム、ステアリン酸モノグリセリド、乳糖等を、滑沢剤としては、精製タルク、ステアリン酸塩、ホウ砂、ポリエチレングリコール等を、着色剤としては、酸化チタン、酸化鉄等を、矯味・矯臭剤としては、白糖、橙皮、クエン酸、酒石酸等が挙げられる。
【0054】
経口用液体製剤を調製する場合には、本発明化合物に矯味・矯臭剤、緩衝剤、安定化剤等を加えて、常法により、内服液剤、シロップ剤、エリキシル剤等を製造することができる。この場合、矯味・矯臭剤としては上記に挙げられたものが例示され、緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはトラガント、アラビアゴム、ゼラチン等が挙げられる。
【0055】
注射剤を調製する場合には、本発明化合物にpH調節剤、緩衝剤、安定化剤、等張化剤、局所麻酔剤等を添加し、常法により皮下、筋肉内、静脈用注射剤を製造することができる。この場合のpH調節剤及び緩衝剤としてはクエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、リン酸ナトリウム等が、安定化剤としてはピロ亜硫酸ナトリウム、EDTA、チオグリコール酸、チオ乳酸等が、等張化剤としては塩化ナトリウム、ブドウ糖等が、局所麻酔剤としては塩酸プロカイン、塩酸リドカイン等が挙げられる。
【0056】
坐剤を調製する場合には、本発明化合物に当業界においての公知の製剤用担体、例えばポリエチレングリコール、ラノリン、カカオ脂、脂肪酸トリグリセライド等を、更に必要に応じてツイーン(登録商標)のような界面活性剤等を加えた後、常法により製造することができる。
【0057】
軟膏剤を調製する場合には、本発明化合物に通常使用される基剤、安定化剤、湿潤剤、保存剤等が必要に応じて配合され、常法により混合、製剤化される。この基剤としては、流動パラフィン、白色ワセリン、サラシミツロウ、オクチルドデシルアルコール、パラフィン等が挙げられる。保存剤としては、パラオキシ安息香酸メチル、パラオキシ安息香酸エチル、パラオキシ安息香酸プロピル等が挙げられる。
【0058】
貼付剤を製造する場合には、通常の支持体に前記軟膏、クリーム、ゲル、ペースト等を常法により塗布すれば良い。支持体としては、綿、スフ、化学繊維からなる織布、不織布や軟質塩化ビニル、ポリエチレン、ポリウレタン等のフィルムあるいは発泡体シートが適当である。
【0059】
上記の各投与単位形態中に配合されるべき本発明化合物の量は、これを適用すべき患者の症状によりあるいはその剤型等により一定でないが、一般に投与単位形態当たり経口剤では1〜1000mg、注射剤では0.1〜500mg、坐剤では5〜1000mgとするのが好ましい。また、上記投与形態を有する薬剤の1日当たりの投与量は、患者の症状、体重、性別等によって一概に決定できないが、通常成人1日当たり0.1〜5000mg、好ましくは1〜1000mgとすれば良く、これを1回又は2〜4回に分けて投与するのが好ましい。
【0060】
【実施例】
以下、実施例を挙げ本発明内容を更に詳細に説明するが、本発明はこれにより限定されるものではない。
【0061】
実施例1
2,5−ジヒドロキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンの合成:
p−メトキシ−α−トルエンチオール0.7mlをエタノール4mlに溶解し、室温でアセトキノン300mgを添加した後、同温で30分間攪拌した。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,5−ジヒドロキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンを550mg(収率90%)得た。
【0062】
1H-NMR(CDCl3):δ
10.9(b.s.,1H), 7.12(d,1H,J=9.1Hz), 6.97(d,1H,J=9.1Hz), 6.87(d,2H,J=8.8 Hz), 6.75(d,2H,J=8.8Hz), 3.78(s,3H), 3.75(s,2H), 2.71(s,3H)
【0063】
実施例2
2,5−ジメトキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンの合成:
実施例1で得られた2,5−ジヒドロキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンを550mgとジメチル硫酸0.45mlを無水炭酸カリウム830mg存在下、アセトン10ml中で30分間加熱還流した。冷後不溶物を濾過し、濾液を濃縮した後、得られた残渣をクロロホルムと水で振り分け、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去した後、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、2,5−ジメトキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンを540mg(収率90%)得た。
【0064】
1H-NMR(CDCl3):δ
6.7〜7.1(m,6H), 3.96(s,3H), 3.85(s,3H), 3.75(s,3H), 3.74(s,2H),
2.17(s,3H)
【0065】
実施例3
2,5−ジベンジロキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンの合成:
実施例1で得られた2,5−ジヒドロキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンを550mgと炭酸カリウム650mg及びベンジルブロマイド0.52mlをアセトン15ml中1.5時間加熱還流した。反応終了後、溶媒を留去し、得られた残渣をクロロホルムと水で振り分け、有機層を分取し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去した後、得られた残渣をメタノールで再結晶し、2,5−ジベンジルオキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノンを576mg(収率66%)得た。
【0066】
融点;115〜117℃
1H-NMR(CDCl3):δ
7.2〜7.5(m,10H), 6.94(d,2H,J=8.8Hz), 6.78(s,2H), 6.65(d,2H,J=8.8Hz),
6.96(s,2H), 6.92(s,2H), 3.94(s,2H), 3.68(s,3H), 2.14(s,3H)
【0067】
実施例4
2′,3,4,5′−テトラベンジロキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物1)の合成:
実施例3で得られた2,5−ジベンジロキシ−6−(p−メトキシベンジルメルカプト)アセトフェノン436mg、3,4−ジベンジロキシベンズアルデヒド429mg及びテトラブチルアンモニウムブロマイド64mgを50%水酸化カリウム水溶液4mlとジクロロメタン4mlの混液に溶解し、室温で60時間攪拌した。反応終了後、ジクロロメタンを加え、有機層を分取した後水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣をクロロホルム−メタノール混液で再結晶し、標記化合物(化合物1)を635mg(収率90%)得た。
【0068】
融点;159〜161℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.45〜7.54(m,30H), 6.66(d,1H,J=15.5Hz), 5.17(s,2H), 5.13(s,2H),
5.07(s,2H), 4.97(s,2H), 3.94(s,2H), 3.57(s,3H)
【0069】
実施例5
適当な出発原料を用い実施例4と同様な方法で化合物2〜6を合成した。
2,2′,4,5′−テトラベンジロキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物2)
【0070】
収率;51%
融点;119〜120℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.45〜7.55(m,31H), 5.08(s,2H), 5.07(s,2H), 4.97(s,2H), 4.89(s,2H),
3.93(s,2H), 3.57(s,3H)
【0071】
2,2′,3,5′−テトラベンジロキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物3)
【0072】
収率;86%
1H-NMR(CDCl3):δ
6.75〜7.60(m,31H), 6.57(d,1H,J=8.7Hz), 5.12(s,2H), 5.07(s,2H),
4.87(s,2H), 4.81(s,2H), 3.94(s,2H), 3.62(s,3H)
【0073】
2′,5′−ジベンジロキシ−3,4−ジメトキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物4)
【0074】
収率;73%
融点;117〜118℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.55〜7.55(m,31H), 5.10(s,2H), 5.01(s,2H), 3.99(s,2H), 3.91(s,3H),
3.90(s,3H), 3.64(s,3H)
【0075】
3,4−ジベンジロキシ−2′,5′−ジメトキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物5)
【0076】
収率;45%
融点;92〜94℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.55〜7.55(m,31H), 5.19(s,2H), 5.16(s,2H), 3.95(s,2H), 3.86(s,3H),
3.70(s,3H), 3.62(s,3H)
【0077】
2′,3,4,5′−テトラメトキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物6)
【0078】
収率;66%
融点;158〜160℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.55〜7.05(m,10H), 6.67(d,1H,J=16.1Hz), 3.91(s,2H), 3.85(s,3H),
3.84(s,3H), 3.80(s,3H), 3.66(s,3H), 3.61(s,3H)
【0079】
実施例6
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,8−ジメトキシチオフラバノン(化合物7)の合成:
実施例5で得られた2′,3,4,5′−テトラメトキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物6)0.96gを90%エタノール50mlに溶解し、硝酸銀1.36gを添加した後、2時間加熱還流した。冷後溶媒を濾去し、得られた残渣をエタノール及び水で洗浄し、銀誘導体を0.66g(収率52%)得た。
次に、得られた銀誘導体0.66g及びセチルトリメチルアンモニウムブロマイド2.07gに酢酸エチル220mlと水88mlの混液を加え、室温で30分間攪拌した。反応終了後、酢酸エチルを加え、有機層を分取した後水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣をメタノールで洗浄し、チオール体を0.22g(収率43%)得た。
【0080】
次に、得られたチオール体0.22g及びp−トルエンスルホン酸0.35gにジクロロメタン22mlを加え、室温で30分間攪拌した。反応終了後、ジクロロメタン及び水を加え、有機層を分取した後水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化合物7)を0.18g(収率50%)得た。
【0081】
融点;134〜135℃
1H-NMR(CDCl3):δ
7.00(dd,1H,J1=8.3Hz,J2=2.4Hz), 6.97(d,1H,J=8.7Hz),
6.97(d,1H,J=2.4Hz), 6.87(d,1H,J=8.3Hz), 6.73(d,1H,J=8.7Hz),
4.60(dd,1H,J1=13.7Hz,J2=2.9Hz), 3.92(s,3H), 3.911(s,3H),
3.908(s,3H), 3.89(s,3H), 3.35(dd,1H,J1=13.7Hz,J2=15.1Hz),
3.14(dd,1H,J1=15.1Hz,J2=3.0Hz)
【0082】
実施例7
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,8−ジメトキシチオフラバノン(化合物7)の合成:
実施例5で得られた2′,3,4,5′−テトラメトキシ−6′−(p−メトキシベンジルメルカプト)カルコン(化合物6)80mgをトリフルオロ酢酸1.5mlに溶解し、室温で1時間攪拌した。反応終了後、反応液を炭酸水素ナトリウム水溶液に注ぎ、クロロホルムで抽出した後水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化合物7)を30mg(収率50%)得た。
【0083】
1H-NMR(CDCl3):δ
7.00(dd,1H,J1=8.3Hz,J2=2.4Hz), 6.97(d,1H,J=8.7Hz),
6.97(d,1H,J=2.4Hz), 6.87(d,1H,J=8.3Hz), 6.73(d,1H,J=8.7Hz),
4.60(dd,1H,J1=13.7Hz,J2=2.9Hz), 3.92(s,3H), 3.911(s,3H),
3.908(s,3H), 3.89(s,3H), 3.35(dd,1H,J1=13.7Hz,J2=15.1Hz),
3.14(dd,1H,J1=15.1Hz,J2=3.0Hz)
【0084】
実施例8
適当な出発原料を用い実施例6と同様な方法で化合物8〜12を合成した。
2−(3,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラバノン(化合物8)
【0085】
収率;61%
融点;168〜169℃
1H-NMR(CDCl3):δ
7.15〜7.60(m,20H), 7.06(d,1H,J=2Hz), 6.97(dd,1H,J1=8.3Hz,J2=2Hz),
6.96(d,1H,J=8.8Hz), 6.94(d,1H,J=8.3Hz), 6.72(d,1H,J=8.8Hz),
5.19(s,4H), 5.16(two d,2H,J=11.7Hz), 5.11(s,2H),
4.55(dd,1H,J1=13.7Hz,J2=2.5Hz), 3.27(dd,1H,J1=15.1Hz,J2=13.7Hz),
3.08(dd,1H,J1=15.1Hz,J2=2.9Hz)
【0086】
2−(2,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラバノン(化合物9)
【0087】
収率;41%
融点;186〜188℃
1H-NMR(CDCl3):δ
7.2〜7.6(m,21H), 6.92(d,1H,J=9Hz), 6.67(d,1H,J=9Hz), 6.57(m,2H)
【0088】
2−(2,3−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラバノン(化合物10)
【0089】
収率;26%
融点;106〜107℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.96〜7.60(m,23H), 6.92(d,1H,J=9Hz), 6.69(d,1H,J=9Hz), 5.15(s,2H),
5.13(s,2H), 5.10(m,3H), 5.06(s,2H), 3.25(dd,1H,J1=15.4Hz,J2=13.3Hz),
2.87(dd,1H,J1=15.3Hz,J2=3.1Hz)
【0090】
2−(3,4−ジメトキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラバノン(化合物11)
【0091】
収率;30%
融点;149〜151℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.9〜7.6(m,13H), 6.83(d,1H,J=8.1Hz), 6.67(d,1H,J=9Hz),
5.05(two d,2H), 5.03(s,2H), 4.56(dd,1H,J1=13.3Hz,J2=3Hz),
3.87(s,3H), 3.86(s,3H), 3.31(dd,1H,J1=15Hz,J2=13.5Hz),
3.08(dd,1H,J1=15.1Hz,J2=3.1Hz)
【0092】
2−(3,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジメトキシチオフラバノン(化合物12)
【0093】
収率;33%
融点;118〜120℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.8〜7.5(m,14H), 6.69(d,1H,J=9.1Hz), 5.15(s,4H),
4.51(dd,1H,J1=13.2Hz,J2=3.3Hz), 3.87(s,3H), 3.85(s,3H),
3.23(dd,1H,J1=15.0Hz,J2=13.3Hz), 3.04(dd,1H,J1=15.0Hz,J2=3.3Hz)
【0094】
実施例9
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5,8−ジヒドロキシチオフラバノン(化合物13)の合成:
実施例8で得られた2−(3,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラバノン(化合物8)1.0g及びN,N−ジメチルアニリン1.1mlを無水ジクロロメタン40mlに溶解し、氷冷下塩化アルミニウム1.6gを加え、アルゴン気流下0℃で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を冷5%塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した後水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣をアセトン−クロロホルム混液で再結晶し、標記化合物(化合物13)を0.14g(収率30%)得た。
【0095】
融点;214〜222℃
1H-NMR(acetone):δ
12.3(s,1H), 8.1(bs,3H), 7.08(d,1H,J=8.8Hz), 7.01(d,1H,J=1.8Hz),
6.86(m,2H), 6.55(d,1H,J=8.8Hz), 4.64(dd,1H,J1=13.2Hz,J2=2.8Hz),
3.40(dd,1H,J1=13.3Hz,J2=16.5Hz), 3.06(dd,1H,J1=16.5Hz,J2=2.9Hz)
【0096】
実施例10
適当な出発原料を用い実施例9と同様な方法で化合物14〜16を合成した。
2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−5,8−ジヒドロキシチオフラバノン(化合物14)
【0097】
収率;28%
融点;267℃(分解)
1H-NMR(acetone):δ
12.3(s,1H), 8.73(s,1H), 8.44(s,1H), 8.39(s,1H), 7.28(d,1H,J=8.3Hz),
7.07(d,1H,J=8.8Hz), 6.54(d,1H,J=8.8Hz), 6.47(d,1H,J=2.4Hz),
6.40(dd,1H,J1=8.3Hz,J2=2.4Hz), 5.00(dd,1H,J1=13.3Hz,J2=3.0Hz),
3.48(dd,1H,J1=16.5Hz,J2=12.9Hz), 3.01(dd,1H,J1=16.5Hz,J2=2.9Hz)
【0098】
2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−5,8−ジヒドロキシチオフラバノン(化合物15)
【0099】
収率;23%
融点;232〜233℃
1H-NMR(acetone):δ
12.3(s,1H), 8.69(s,1H), 8.48(s,1H), 7.77(s,1H), 7.08(d,1H,J=8.8Hz),
6.99(dd,1H,J1=9.4Hz,J2=1.7Hz), 6.85(dd,1H,J1=7.9Hz,J2=1.6Hz),
6.73(t,1H,J=7.7Hz), 6.56(d,1H,J=8.8Hz),
5.13(dd,1H,J1=12.5Hz,J2=2.9Hz), 3.49(dd,1H,J1=16.5Hz,J2=12.5Hz),
3.09(dd,1H,J1=16.6Hz,J2=3.1Hz)
【0100】
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5−ヒドロキシ−8−メトキシチオフラバノン(化合物16)
【0101】
収率;11%
融点;178〜180℃
1H-NMR(acetone):δ
12.3(s,1H), 8.10(s,1H), 8.07(s,1H), 7.23(d,1H,J=9.0Hz), 7.00(s,1H),
6.85(s,1H), 6.65(d,1H,J=8.9Hz), 4.65(dd,1H,J1=13.5Hz,J2=2.9Hz),
3.83(s,3H), 3.41(dd,1H,J1=16.5Hz,J2=13.3Hz),
3.05(dd,1H,J1=12.5Hz,J2=2.9Hz)
【0102】
実施例11
2−(3,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラボン(化合物17)の合成:
実施例8で得られた2−(3,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラバノン(化合物8)266mg及び2,3−ジクロロ−5,6−ジシアノ−1,4−ベンゾキノン109mgを無水トルエン5mlに溶解した後、2時間加熱還流した。冷後クロロホルムを加え不溶物を濾去した後、溶媒を留去し、得られた残渣をシリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、標記化合物(化合物17)を146mg(収率55%)得た。
【0103】
融点;98〜99℃
1H-NMR(CDCl3):δ
7.3〜7.7(m,22H), 7.14(bs,1H), 7.09(d,1H,J=9.0Hz),
7.03(d,1H,J=8.3Hz), 6.96(d,1H,J=8.8Hz), 5.26(s,2H), 5.25(s,4H),
5.23(s,2H)
【0104】
実施例12
適当な出発原料を用い実施例11と同様な方法で化合物18〜19を合成した。
2−(2,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラボン(化合物18)
【0105】
収率;62%
融点;158〜160℃
1H-NMR(CDCl3):δ
7.2〜7.8(m,22H), 7.15(d,1H,J=8.9Hz), 6.93(s,1H), 6.91(d,1H,J=2.3Hz),
6.78(dd,1H,J1=8.6Hz,J2=2.4Hz), 5.31(s,2H), 5.26(s,2H), 5.20(s,4H)
【0106】
2−(2,3−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラボン(化合物19)
【0107】
収率;64%
融点;130〜131℃
1H-NMR(CDCl3):δ
6.96〜7.7(m,25H), 6.92(d,1H,J=8.9Hz), 5.21(s,2H), 5.17(s,2H),
5.16(s,2H), 5.03(s,2H)
【0108】
実施例13
2−(3,4−ジヒドロキシフェニル)−5,8−ジヒドロキシチオフラボン(化合物20)の合成:
実施例11で得られた2−(3,4−ジベンジロキシフェニル)−5,8−ジベンジロキシチオフラボン(化合物17)0.66g及びN,N−ジメチルアニリン1.5mlを無水ジクロロメタン60mlに溶解し、氷冷下塩化アルミニウム2.4gを加え、アルゴン気流下室温で3時間攪拌した。反応終了後、反応液を冷5%塩酸水溶液に注ぎ、酢酸エチルで抽出した後水洗し、無水硫酸マグネシウムで乾燥後溶媒を留去し、得られた残渣をアセトン−クロロホルム混液で再結晶し、標記化合物(化合物20)を0.09g(収率30%)得た。
【0109】
融点;293℃(分解)
1H-NMR(acetone):δ
13.53(s,1H), 9.3(bs,1H), 8.7(bs,1H), 8.5(bs,1H), 7.34(d,1H,J=2.3Hz),
7.27(dd,1H,J1=8.3Hz,J2=2.3Hz), 7.22(d,1H,J=8.8Hz),
7.02(d,1H,J=8.2Hz), 7.02(s,1H), 6.79(d,1H,J=8.8Hz)
【0110】
実施例14
適当な出発原料を用い実施例13と同様な方法で化合物21〜22を合成した。
【0111】
2−(2,4−ジヒドロキシフェニル)−5,8−ジヒドロキシチオフラボン(化合物21)
【0112】
収率;16%
融点;>300℃(分解)
1H-NMR(acetone):δ
13.6(s,1H), 9.2(bs,2H), 9.0(bs,1H), 7.43(d,1H,J=8.4Hz),
7.18(d,1H,J=8.8Hz), 7.17(s,1H), 6.77(d,1H,J=8.8Hz),
6.60(d,1H,J=2.3Hz), 6.55(dd,1H,J1=8.5Hz,J2=2.3Hz)
【0113】
2−(2,3−ジヒドロキシフェニル)−5,8−ジヒドロキシチオフラボン(化合物22)
【0114】
収率;19%
融点;>260℃(分解)
1H-NMR(acetone):δ
13.52(s,1H), 9.24(bs,1H), 8.96(bs,1H), 8.16(bs,1H),
7.25(d,1H,J=8.8Hz), 7.18(s,1H), 7.07(d,2H,J=8.3Hz),
6.90(t,1H,J=7.8Hz), 6.83(d,1H,J=8.8Hz)
【0115】
製剤例
以下に本発明化合物を用いた製剤例を挙げる。
【0116】
【表1】
製剤例1 錠剤
下記の配合割合で常法に従い錠剤を調製した。
Figure 0003798043
【0117】
【表2】
製剤例2 顆粒剤
下記の配合割合で常法に従い顆粒剤を調製した。
Figure 0003798043
【0118】
【表3】
製剤例3 細粒剤
下記の配合割合で常法に従い細粒剤を調製した。
Figure 0003798043
【0119】
【表4】
製剤例4 カプセル剤
下記の配合割合で常法に従いカプセル剤を調製した。
Figure 0003798043
【0120】
【表5】
製剤例5 シロップ剤
下記の配合割合で常法に従いシロップ剤を調製した。
Figure 0003798043
【0121】
【表6】
製剤例6 注射剤
下記の配合割合で常法に従い注射剤剤を調製した。
Figure 0003798043
【0122】
【表7】
製剤例7 坐剤
下記の配合割合で常法に従い坐剤を調製した。
Figure 0003798043
【0123】
試験例1
以下、薬理試験結果を挙げ本発明内容を更に詳細に説明する。
なお、これらの実験においては、各化合物投与群とも死亡例は認められず、また、外観上にも変化は認められなかった。
【0124】
本発明化合物について、その発癌プロモーター抑制作用を測定した。発癌プロモーション過程の機構は現在なお不明な点が多いが、この過程において、細胞のリン脂質代謝の亢進が認められており、この亢進が作用機序の要因の一つと考えられている。そして発癌プロモーターの代表的なものとして知られている12−O−テトラデカノイルホルボール−13−アセテート(TPA)によるリン脂質代謝亢進を抑制する化合物の多くがin vivo における発癌プロモーションを抑制し、腫瘍の発生率を低下させることが明確になっている。従って、抗プロモーター作用の指標としてTPAによる細胞のリン脂質代謝亢進を抑制する効力を測定する方法を用いた。
使用した培養細胞は、ヒト子宮頚癌細胞のHeLa細胞で、10%仔牛血清を含むイーグルMEM液2ml中で培養し、直径35mmの培養容器の全面に単層に生えたものを実験に供した。
【0125】
被検定化合物をジメチルスルホキシドに溶解し、培養液中に加えた。対照にはジメチルスルホキシドのみを同量添加した。1時間後に発癌プロモーターTPA(50nM)及び放射性無機リン酸32Pi(4μCi/ディッシュ)を加え、更に4時間培養を続けた。その後細胞のリン脂質を抽出し、その中へ取り込まれた32Piの放射活性を測定した。抑制率は次式により算出した。結果を表8に示す。
【0126】
【数1】
Figure 0003798043
【0127】
【表8】
Figure 0003798043
【0128】
表8に示すように、本発明化合物(1)はTPAによる培養細胞リン脂質への放射性リン取り込み亢進を抑制した。
【0129】
【発明の効果】
本発明の2−チオフラボン誘導体は抗腫瘍活性及び発癌抑制活性を有し、癌治療剤に代表される医薬として極めて有用である。

Claims (9)

  1. 次の一般式(1)
    Figure 0003798043
    〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は同一又は相異なって水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示し、破線はそこが二重結合であってもよいことを示す。〕
    で表される2−チオフラボン誘導体又はその塩。
  2. 一般式(1)中、R1 、R2 、W1 及びZ1 が水素原子である請求項1記載の2−チオフラボン誘導体又はその塩。
  3. 一般式(1)中、R1 、R2 、W1 及びZ1 が水素原子であり、OW1 がベンゼン環の4位に置換している請求項1記載の2−チオフラボン誘導体又はその塩。
  4. 一般式(1)中、R1 、R2 、W1 及びZ1 が水素原子であり、OW1 及びOZ1 がベンゼン環の3位及び4位に置換している請求項1記載の2−チオフラボン誘導体又はその塩。
  5. 次の一般式(2)
    Figure 0003798043
    〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は同一又は相異なって水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示し、Yは水素原子、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、nは1〜6の整数を示す。〕
    で表される化合物。
  6. 次の一般式(2)
    Figure 0003798043
    〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は同一又は相異なって水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示し、Yは水素原子、低級アルコキシ基又はハロゲン原子を示し、nは1〜6の整数を示す。〕
    で表される化合物に脱保護反応を伴った閉環反応を行うことを特徴とする次の一般式(1−a)
    Figure 0003798043
    〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は前記と同じものを示す。〕
    で表される2−チオフラバノン誘導体の製造法。
  7. 次の一般式(1−a)
    Figure 0003798043
    〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は、同一又は相異なって水素原子、低級アルキル基又はアラルキル基を示す。〕
    で表される2−チオフラバノン誘導体を脱水素反応に付すことを特徴とする次の一般式(1−b)
    Figure 0003798043
    〔式中、R1 、R2 、W1 及びZ1 は前記と同じものを示す。〕
    で表される2−チオフラボン誘導体の製造法。
  8. 請求項1〜4のいずれか1項記載の2−チオフラボン誘導体又はその塩を有効成分とする医薬。
  9. 請求項1〜4のいずれか1項記載の2−チオフラボン誘導体又はその塩を有効成分とする癌治療剤。
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