JP3799461B2 - パルス停止機能付き始動器を内蔵したメタルハライドランプ - Google Patents

パルス停止機能付き始動器を内蔵したメタルハライドランプ Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、パルス停止機能を備えた非線形セラミックコンデンサと半導体スイッチを含む始動器を内蔵したメタルハライドランプに関し、特に消灯直後の再始動の性能を向上させた始動器内蔵型のメタルハライドランプに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、メタルハライドランプの始動器として、高圧パルス発生回路を備えた始動器の動作の安定性や寿命等の問題点を解消するため、非線形V−Q特性を有するチタン酸バリウム等を主体とする強誘電体からなる非線形セラミックコンデンサ(FECと略称されている)を用いたものが、使用されるようになってきている。これは、非線形セラミックコンデンサの飽和特性を利用して、この非線形セラミックコンデンサに直列に接続した安定器等のインダクタンスにより半サイクル毎にパルス電圧を発生させ、これをメタルハライドランプに印加して始動させるようにするものであり、次にかかる始動器を備えたメタルハライドランプの構成例を図2に基づいて説明する。
【0003】
図2において、1はメタルハライドランプ発光管で、石英ガラス管の両端に主電極2a,2bを封着し、更に少なくとも一方の主電極2aに近接して補助電極3が封着されており、そして内部には始動補助ガスと共に水銀及びスカンジウム,ナトリウム等の金属ハロゲン化物が封入されている。また、補助電極3と対向する主電極2aとの間には、始動補助抵抗4と常閉のバイメタルスイッチ5とを直列に接続した始動補助回路が設けられており、且つ発光管1と並列に、非線形セラミックコンデンサ6とカレントダンパー7とSSS素子のような双方向性半導体スイッチ8との直列回路が、バイメタルスイッチ5を介して接続されており、更に半導体スイッチ8と並列に位相安定化用抵抗体9が接続されている。そして、以上の各構成要素が外球11内に収容され、メタルハライドランプを構成しており、チョークコイル等の安定器21を介して交流電源22に接続され、点灯されるようになっている。
【0004】
次に、このように構成されたメタルハライドランプの動作について説明する。電源22が投入されると、安定器21を介して交流電源電圧が、非線形セラミックコンデンサ6とカレントダンパー7と半導体スイッチ8の直列回路に印加され、交流電源電圧の正の半サイクルにおいて半導体スイッチ8のブレークオーバ電圧を越えた時点で、非線形セラミックコンデンサ6の急激な充電が行われ、その充電電流は充電電荷が飽和する時点、すなわち非線形セラミックコンデンサ6の飽和電圧に達した時点で急激に零になる。このとき安定器21のインダクタンスにより大きな正のパルス電圧が発生し、電源電圧と共に主電極2aと補助電極3の間及び主電極2aと2bとの間に印加される。次の負の半サイクルにおいても同様にして負のパルス電圧が発生し、これらのパルス電圧により、まず主電極2aと補助電極3との間にグロー放電が生じた後、主電極2aと2bとの間にアーク放電が生じる。このように、主電極2aと補助電極3との間の狭いギャップから放電が始まるため、比較的低いパルス電圧で容易に始動することができる。
【0005】
ところで、上記のように非線形セラミックコンデンサを含む始動器を内蔵したメタルハライドランプにおいて、ランプの不点が発生することがあり、ランプの不点時には内蔵始動器によるパルスが発生し続ける。このようにランプ不点時にパルスが発生し続けると、安定器の絶縁や照明器具の絶縁の劣化を招くばかりでなく、ランプの口金等にパルス電圧が印加され続け、人体に危険である。
【0006】
このような問題点を解消するため、図3に示すように、発光管1に非線形セラミックコンデンサ6を含む始動器を並列に接続してなる始動器内蔵形のメタルハライドランプにおいて、前記非線形セラミックコンデンサ6を含む直列回路に並列に接続され、前記始動器動作時に前記非線形セラミックコンデンサ6の温度をキュリー温度(通常は90℃)まで加熱可能なパルス停止用抵抗体10を、前記非線形コンデンサ6に接近して配置して構成したものが提案されている。
【0007】
このように構成したメタルハライドランプにおいては、非線形セラミックコンデンサ6を含む始動器が動作しても発光管1が点灯しない場合、始動器により高圧パルスが発生し続けることになるが、非線形セラミックコンデンサ6の自己発熱と共に、非線形セラミックコンデンサ6に接近して配置されたパルス停止用抵抗体10の発熱を受け、非線形セラミックコンデンサ6の温度は短時間でキュリー温度に達し、非線形セラミックコンデンサ6は常誘電性になって、非線形特性が消滅する。したがって、不点時における高圧パルスの発生を短時間で停止させることが可能となる。
【0008】
このパルス停止用抵抗体10は、上記のように高圧パルスの発生を停止させる機能ばかりでなく、ランプ点灯中に非線形セラミックコンデンサ6にかかる電圧を低下させ、また該非線形セラミックコンデンサ6が約90℃のキュリー温度を超える際に発生する焦電流を流して、その特性劣化を防止する機能を有するものである。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、非線形セラミックコンデンサを含む始動器を内蔵したメタルハライドランプにおいて、上記のようにパルス停止用抵抗体を接続してパルス停止機能を付加すると、非線形セラミックコンデンサを含む始動器の発生パルス電圧は低下する。これによる発生パルス電圧の低下は通常の始動時には問題はないが、再始動時においては、再始動のための始動器によるパルス電圧の発生が消灯後早期に行われる場合、ランプが再始動しないことがある。これは、パルス停止用抵抗体を接続することにより、パルス電圧が減衰させられることと、再始動時には始動器を構成する非線形セラミックコンデンサの温度が高くなっており、非線形セラミックコンデンサの温度特性によって、発生するパルス電圧が低くなることによる。また再始動のためのパルス電圧発生時間を遅くした場合にはランプは再始動するが、ランプ消灯後15分以上経過しなければならない場合がある。
【0010】
消灯後に再始動動作が開始されるまでの時間は、ランプ内蔵の始動器に接続されているバイメタルスイッチの閉成動作時間に依存しているため、その閉成動作時間のばらつきにより上記問題点が生じる。また、ランプ内蔵の始動器に接続されているパルス停止用抵抗体の値を大きくすれば、パルス電圧の減衰が小さくなるため、再始動のためのパルス電圧の発生が消灯後早期に行われる場合でも、再始動させることができるが、該パルス停止用抵抗体の値を大きくすると、通常の始動時におけるパルス停止機能が完全には働かなくなってしまうという問題点が生じる。
【0011】
本発明は、パルス停止機能を備えた非線形セラミックコンデンサを含む始動器を内蔵したメタルハライドランプにおける上記問題点を解消するためになされたもので、通常の始動時におけるパルス停止機能を維持しながら、消灯直後の再始動性能を向上させることの可能な始動器内蔵型のメタルハライドランプを提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記問題点を解決するため、本発明は、石英管の端部にそれぞれ第1及び第2の主電極と、少なくとも第2の主電極に近接して補助電極とを封着し、内部に始動補助ガスと共に金属ハロゲン化物を封入してなる発光管と、直列接続した少なくとも第1のバイメタルスイッチと非線形セラミックコンデンサと半導体スイッチとからなり、前記発光管の第1及び第2の主電極間に接続した始動回路と、前記第1のバイメタルスイッチと非線形セラミックコンデンサの接続点と前記補助電極との間に接続した始動補助抵抗と、少なくとも前記非線形セラミックコンデンサに並列に接続した該非線形セラミックコンデンサの温度をキュリー温度まで加熱可能なパルス停止用抵抗体と第2のバイメタルスイッチの直列回路と、少なくとも前記非線形セラミックコンデンサに並列に接続した該非線形セラミックコンデンサの劣化防止用抵抗体とを、不活性ガスを封入してなる外球内に収納すると共に、前記第1及び第2のバイメタルスイッチは始動時には閉成されており、点灯時には開放され、消灯直後であり、非線形セラミックコンデンサがランプの再始動に必要なパルス電圧を供給できない温度状態にある期間(消灯後0〜 15 分)には、第1のバイメタルスイッチは第2のバイメタルスイッチが閉成する前に閉成して、前記パルス停止用抵抗体が切り離された状態で再始動されるように始動器内蔵型のメタルハライドランプを構成するものである。
【0013】
このように構成された始動器内蔵型のメタルハライドランプにおいては、通常の始動時には第1のバイメタルスイッチと共に第2のバイメタルスイッチも閉成されていて、パルス停止用抵抗体は少なくとも非線形セラミックコンデンサに並列に接続されており、したがって不点時には該パルス停止用抵抗体の発熱を受けて非線形セラミックコンデンサの温度は短時間でキュリー温度に達し、高圧パルスの発生を短時間で停止させることができる。一方、消灯直後であり、非線形セラミックコンデンサがランプの再始動に必要なパルス電圧を供給できない温度状態にある期間(消灯後0〜 15 分)においては、第2のバイメタルスイッチが開放されていてパルス停止用抵抗が切り離された状態で再始動動作が行われるため、パルス停止用抵抗によるパルス電圧の減衰がなくなり、容易に再始動が行われ、消灯直後の再始動性能を向上させることができる。
【0014】
【発明の実施の形態】
次に、実施の形態について説明する。図1は、本発明に係る始動器内蔵型のメタルハライドランプの実施の形態を示す回路構成図で、図2及び図3に示した従来例と同一又は対応する構成要素には同一符号を付して示している。図1において、1は 700Wのメタルハライドランプ発光管で、内容積約40ccの石英ガラス管の両端に主電極2a,2bと、一方の主電極2aに近接して補助電極3が封着されており、そして内部には始動補助ガスとしてアルゴンガスを約2600Pa ,水銀を約65mg,金属ハロゲン化物としてスカンジウムとナトリウムのヨウ化物を約60mgを封入している。補助電極3と対向する主電極2aとの間には、 100kΩの始動補助抵抗4と常閉(ランプ点灯時開放)の第1のバイメタルスイッチ5とを直列に接続した始動補助回路が接続されている。また、円板状非線形セラミックコンデンサ6と、カレントダンパー7と、ブレークオーバ電圧約170 VのSSS素子からなる半導体スイッチ8との直列回路が、第1のバイメタルスイッチ5を介して発光管1に並列に接続されており、更にこれらの非線形セラミックコンデンサ6とカレントダンパー7と半導体スイッチ8の直列回路に並列に、非線形セラミックコンデンサ6をキュリー温度まで加熱するための15kΩ(1/4W規格)のパルス停止用抵抗体10と常閉(ランプ点灯時開放)の第2のバイメタルスイッチ12の直列回路と、 100kΩ(1/4W規格)の非線形セラミックコンデンサ6の劣化防止用抵抗体13とが接続されており、また半導体スイッチ8と並列に55kΩの位相安定化用抵抗体9が接続されている。
【0015】
上記非線形セラミックコンデンサ6としては、直径18mm,厚さ 1.0mmのチタン酸バリウムを主体とする強誘電体セラミック基板の両面に直径16mmの金属電極膜を形成し、基板の両面中央部にピン状の端子リードを溶接して突出形成したものを用い、そして、非線形セラミックコンデンサ6の端子リードと前記パルス停止用抵抗体10の端部との距離を3mmとし、また前記端子リードの溶接点と前記パルス停止用抵抗体10のリードとの距離を4mmに設定して配置している。そして、以上の各構成要素を従来のものと同様に外球11内に収容すると共に、ランプ消灯直後であり、非線形セラミックコンデンサがランプの再始動に必要なパルス電圧を供給できない温度状態にある期間(消灯後0〜 15 分)には、第2のバイメタルスイッチ12が閉成する前に第1のバイメタルスイッチ5が閉成して、前記パルス停止用抵抗体10が切り離された状態で再始動動作が行われるように、第1及び第2のバイメタルスイッチ5,12の動作特性を設定して、始動器内蔵型のメタルハライドランプを構成している。
【0016】
このように構成したメタルハライドランプを 700Wの水銀灯用安定器21を介して、 200V,50Hz の交流電源22を投入して始動点灯を行うと、始動時には第1及び第2のバイメタルスイッチ5,12は共に閉成されており、非線形セラミックコンデンサ6はパルス停止用抵抗体10あるいは発光管1によって未だ加熱されておらず、図3に示した従来例と同様に、高いパルス電圧を発生させ、パルス停止用抵抗体10によって若干パルス電圧は低減されるが、容易に始動点灯を行わせることができる。
【0017】
始動時不点状態となった場合には、非線形セラミックコンデンサ6に接近して配置されたパルス停止用抵抗体10の発熱を受けて、非線形セラミックコンデンサ6の温度は短時間でキュリー温度に達し、高圧パルスの発生を短時間で停止させることができる。
【0018】
また、消灯直後であり、非線形セラミックコンデンサがランプの再始動に必要なパルス電圧を供給できない温度状態にある期間(消灯後0〜 15 分)には、点灯中開放状態の第1及び第2のバイメタルスイッチ5,12が、次に述べるような順序で動作し、ランプを再始動させる。
(1)消灯直後電源が再投入されると、まずランプの冷えに伴って第1のバイメタルスイッチ5が閉成し、発光管1内で補助電極3とこれに接近配置されている主電極2aとの間で放電が生じる。
(2)第2のバイメタルスイッチ12の開放によりパルス停止用抵抗体10が切り離されているので、非線形セラミックコンデンサ6が発光管の冷えに伴い時間と共に90℃以下に冷えて(消灯後約9分)、非線形特性を回復しパルス電圧(約 500V)を発生する。
(3)発光管1も時間と共に冷えて、再始動に必要なパルス電圧が小さくなる。
(4)非線形セラミックコンデンサ6は時間と共に更に冷えて、発生パルス電圧が上昇し、再始動に必要なパルス電圧までになり、ランプが再始動する。
(5)第2のバイメタルスイッチ12は再始動した発光管の熱を受けて開放状態を継続し、パルス停止用抵抗体10を切り離した状態を持続する。
【0019】
次に、上記実施の形態で示した構成のメタルハライドランプの始動器部分、すなわち、第1のバイメタルスイッチ5,非線形セラミックコンデンサ6,カレントダンパー7,半導体スイッチ8,位相安定化用抵抗体9,パルス停止用抵抗体10,第2のバイメタルスイッチ12,劣化防止用抵抗体13からなる始動器部分を、外球内を想定した窒素ガス雰囲気中の容器内に保持し、 700Wの水銀放電灯用安定器を介して、 200V,50Hz の交流電圧を印加した場合のパルス停止の機能を測定したところ、いずれの実験用始動器も第1及び第2のバイメタルスイッチの閉成状態は維持され、パルス発生の停止までの時間については、表1に示すような結果が得られ、全数が正常に機能することが確認された。
【0020】
【表1】
Figure 0003799461
【0021】
また、上記実施の形態を示した構成のメタルハライドランプを20本試作し、該試作ランプに対して消灯直後の再始動時間の測定を行ったところ、表2に示すような結果が得られ、全数が良好な消灯直後の再始動性能を備えていることが確認された。
【0022】
【表2】
Figure 0003799461
【0023】
【発明の効果】
以上実施の形態に基づいて説明したように、本発明によれば、パルス停止機能を備えた非線形セラミックコンデンサを含む始動器を内蔵したメタルハライドランプにおいて、非線形セラミックコンデンサの温度をキュリー温度まで加熱可能なパルス停止用抵抗体を第2のバイメタルスイッチを介して接続すると共に、該第2のバイメタルスイッチによりパルス停止用抵抗体を切り離した状態で、消灯直後の再始動動作を行わせるように構成したので、通常の始動時におけるパルス停止機能を維持しながら、消灯直後の再始動性能を向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に係る始動器内蔵型のメタルハライドランプの実施の形態を示す回路構成図である。
【図2】従来の非線形セラミックコンデンサを有する始動器を内蔵したメタルハライドランプの構成例を示す回路構成図である。
【図3】図2に示した従来例を改良した従来のメタルハライドランプを示す回路構成図である。
【符号の説明】
1 発光管
2a,2b 主電極
3 補助電極
4 始動補助抵抗体
5 第1のバイメタルスイッチ
6 非線形セラミックコンデンサ
7 カレントダンパー
8 半導体スイッチ
9 位相安定化用抵抗体
10 パルス停止用抵抗体
11 外球
12 第2のバイメタルスイッチ
13 非線形セラミックコンデンサ劣化防止用抵抗体
21 安定器
22 交流電源

Claims (1)

  1. 石英管の端部にそれぞれ第1及び第2の主電極と、少なくとも第2の主電極に近接して補助電極とを封着し、内部に始動補助ガスと共に金属ハロゲン化物を封入してなる発光管と、直列接続した少なくとも第1のバイメタルスイッチと非線形セラミックコンデンサと半導体スイッチとからなり、前記発光管の第1及び第2の主電極間に接続した始動回路と、前記第1のバイメタルスイッチと非線形セラミックコンデンサの接続点と前記補助電極との間に接続した始動補助抵抗と、少なくとも前記非線形セラミックコンデンサに並列に接続した該非線形セラミックコンデンサの温度をキュリー温度まで加熱可能なパルス停止用抵抗体と第2のバイメタルスイッチの直列回路と、少なくとも前記非線形セラミックコンデンサに並列に接続した該非線形セラミックコンデンサの劣化防止用抵抗体とを、不活性ガスを封入してなる外球内に収納すると共に、前記第1及び第2のバイメタルスイッチは始動時には閉成されており、点灯時には開放され、消灯直後であり、非線形セラミックコンデンサがランプの再始動に必要なパルス電圧を供給できない温度状態にある期間(消灯後0〜 15 分)には、第1のバイメタルスイッチは第2のバイメタルスイッチが閉成する前に閉成して、前記パルス停止用抵抗体が切り離された状態で再始動されるように構成したことを特徴とする始動器内蔵型メタルハライドランプ。
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