JP3800575B2 - 金型用亜鉛合金、金型及び金型用ブロック - Google Patents
金型用亜鉛合金、金型及び金型用ブロック Download PDFInfo
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、自動車業界、家電業界等で広く利用されている少量生産用金型の製作に用いる亜鉛合金及びその合金からなる金型及び金型用ブロックに関し、より詳しくは、硬度が向上しており、凝固開始温度が低下しており、且つポロシティの発生の抑制された金型用亜鉛合金及びこの合金を用いて鋳造で製作された金型及び金型用ブロックに関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、プラスチックの射出成形及び鋼板のプレス成形に用いられる金型としては、鋳鉄製、鋳鋼製の数十万ショットを越える大量生産に適した金型、及び亜鉛基合金を410〜450℃で砂型鋳造することにより製作された量産前の少量試作に適した金型が知られている。この亜鉛基合金としてはZAS(Zn−4.1Al−3.0Cu−0.04Mg)が一般的であるが、最近、更に高強度化した亜鉛基合金も開発されている(特公平6−75814号公報、特公平6−15698号公報、特公平7−41399号公報、特公平7−72313号公報等)。しかしながら、これらの高強度化亜鉛基合金はいずれも汎用のZASと比べて鋳造性が微妙に変化、特に融点が僅かにせよ上昇する方向に変化するという問題があった。
【0003】
一方、本出願人は、先に、アルミニウムを含有する亜鉛合金又はアルミニウム及び銅を含有する亜鉛合金にマグネシウムを添加することによって融点を下げ、硬度を上げた合金(Zn−3〜10.5Al−0〜10.5Cu−1〜4Mg)を提案した(特開平4−143238号公報)。しかし、この先に提案した合金は、融点が下がるものの引けの発生状況等が変化するので使い易い合金とは言えず、同時に衝撃強さが大幅に低下し、またポロシティが発生するという問題があった。それでこの先に提案した合金は肉盛等により表面硬質層の形成に用いるという方向で検討されてきた(特開平5−84591号公報、特開平5−123858号公報)。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、より硬質にすることで耐久性が向上しており、より凝固開始温度を下げることで鋳造の際の注湯温度が下がり、エネルギーコストが下がり、鋳造、加工が容易であり、また溶解ポットの寿命が延伸され、加えて注湯後の凝固時間が短縮しており、しかもポロシティの発生が抑制された金型用亜鉛合金及びこれを用いて鋳造で製作された金型及び金型ブロックを提供することを課題としている。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、マグネシウムを添加したZn−Al−Cu系亜鉛合金は硬質であると共に融点が低下する傾向にあることに着目して、Zn−Al−Cu−Mg系亜鉛合金の鋳造性、耐衝撃性が改善でき、ポロシティの発生が抑制される成分組成範囲を探索した。その結果、アルミニウム含有量が3〜5質量%であり、銅含有量が2〜4質量%であり、マグネシウム含有量が1.5〜2.5質量%である場合に限り、凝固開始温度がZASの410℃から390℃以下に低下するにも関わらず、型の形状再現性が向上すると共にポロシテイの発生が著しく減少すること、即ち、ZAS以上の鋳造性が得られること、また、この範囲では亜共晶となることもあり、ZnMg化合物が微細化する傾向にあり、衝撃強さはZASに比べて1/2程度に低下するものの金型用途に問題ない程度に押さえられることを見いだし、本発明を完成した。
【0006】
即ち、本発明の金型用亜鉛合金は、マグネシウム1.5〜2.5質量%、アルミニウム3〜5質量%及び銅2〜4質量%を含み、残部が亜鉛と不可避の不純物からなり、凝固開始温度が390℃以下、ビッカース硬さが150以上で、ポロシティの発生の抑制された、金型用亜鉛合金である。
また、本発明の金型用亜鉛合金は、更に、チタン0.03〜0.2質量%、ジルコニウム0.03〜0.2質量%、ポロン0.03〜0.2質量%及びランタノイド0.03〜0.2質量%のいずれか1種以上を含むことができる。
【0007】
【発明の実施の形態】
本発明の亜鉛合金において、アルミニウムは亜鉛合金の引張強さ等の機械的強度を増大させる働きがあり、その添加効果を発揮させるためには3質量%以上含有することが好ましい。しかし、その添加量が5質量%を超えると逆引け等の鋳造性の問題が生じやすく、また、マグネシウム含有量との関連でポロシティ発生の原因となる傾向があるので好ましくない。
【0008】
本発明の亜鉛合金において、銅は亜鉛合金の引張強さ等の機械的強度を更に増大させる働きがあり、その添加効果を発揮させるためには2質量%以上含有することが好ましい。しかし、その添加量が4質量%を超えると逆引け等の鋳造性の問題が生じやすく、また、マグネシウム含有量との関連でポロシティ発生の原因となる傾向があるので好ましくない。
【0009】
本発明の亜鉛合金において、マグネシウムは亜鉛合金の硬さを上昇させる働きがあり、1質量%以上の添加で硬さが急上昇し、150以上のビッカース硬さを得ることができる。また、マグネシウムは亜鉛合金の凝固開始温度、実用鋳造温度を低下させる働きがあり、その添加効果を発揮させるためには1質量%以上含むことが必要である。しかし、マグネシウムの添加量が1.5質量%以下である場合には、共晶点から遠いためポロシテイが発生しやすくなる。一方、その添加量を共晶の2.5質量%以上にした場合はZnMg系化合物が粗大になり衝撃強さが極端に低下する。また、こうした化合物の存在がポロシテイの原因になりやすい。従って、ポロシティの発生を抑制するためにはマグネシウム含有量が1.5〜2.5質量%である必要がある。
【0010】
本発明の亜鉛合金においては、亜鉛合金の機械的強度を更に増大させるためにチタン0.03〜0.2質量%、ジルコニウム0.03〜0.2質量%、ポロン0.03〜0.2質量%及びランタノイド0.03〜0.2質量%のいずれか1種以上を含むことができる。それらの添加量が0.03質量%未満の場合には添加効果が不十分であり、また0.2質量%を超えて添加してもそれ以上の添加効果は得られない。
【0011】
本発明の金型用亜鉛合金は凝固開始温度が390℃以下であり、ビッカース硬さが150以上であり、ポロシティの発生が抑制されたものであるので、鋳造の際の注湯温度が低くてすみ、エネルギーコストが低減され、また溶解ポットの寿命が延長され、加えて注湯後の凝固時間が短縮され、更に、この亜鉛合金を用いて鋳造で製作された金型は耐久性が向上している。
【0012】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例に基づいて本発明を説明する。
実施例1及び比較例1〜5
下記組成の亜鉛合金を用意した。
Zn−4.1Al−3.0Cu−0.04Mg(比較例1)
Zn−4.1Al−3.0Cu−0.5Mg(比較例2)
Zn−4.1Al−3.0Cu−1.0Mg(比較例3)
Zn−4.1Al−3.0Cu−2.0Mg(実施例1)
Zn−4.1Al−3.0Cu−3.0Mg(比較例4)
Zn−4.1Al−3.0Cu−5.0Mg(比較例5)
【0013】
上記の各亜鉛合金を430℃で、引け量測定用のコニカルシェルモールドに鋳造して鋳物を得た。それらの鋳物の縦断面の状態を図1〜図6の写真に示す。実施例1の鋳物の写真は図4であり、比較例1〜5の鋳物の写真はそれぞれ図1、図2、図3、図5及び図6である。図1〜図6から明らかなように、マグネシウム添加量が2質量%である実施例1においてはポロシティの発生は観察されなかったが、マグネシウム添加量が0.04質量%、0.5質量%、1.0質量%、3.0質量%、5.0質量%である場合にはポロシテイの発生が観察された。
【0014】
実施例2及び比較例6
下記組成の亜鉛合金を用意した。
Zn−4.1Al−3.0Cu−2.0Mg(実施例2)
Zn−4.1Al−3.0Cu−0.04Mg(比較例6)
上記の各亜鉛合金について、凝固開始温度、ビッカース硬さ、ブリネル硬さ、圧縮強度、引張強度及びシャルピー衝撃値を求めた。それらの測定結果を第1表に示す。
【0015】
第1表から明らかなように、本発明の亜鉛合金(実施例2の亜鉛合金)はZAS合金(比較例6の亜鉛合金)に比べて衝撃値と引張強度は少し低下するものの硬さ、圧縮強度はZASを上回っている。
【0016】
実施例3及び比較例7
下記組成の亜鉛合金を用意した。
Zn−4.1Al−3.0Cu−2.0Mg(実施例3)
Zn−4.1Al−3.0Cu−0.04Mg(比較例7)
上記の各亜鉛合金を用いてR部が3mm、5mm又は7mmとなるプレス用金型を製作した。それらの金型を用いて1mm厚の鋼板をそれぞれ100枚プレス成形した後、それらの金型のR部の形状の変化を調べて磨耗量を測定した。磨耗量の測定は図7に示す部分についての値である。それらの測定結果を第2表に示す。
【0017】
第2表から明らかなように、本発明の亜鉛合金(実施例3の亜鉛合金)はZAS合金(比較例7の亜鉛合金)に比べて6倍から12倍のプレス耐久性を有している。
【0018】
【発明の効果】
本発明の金型用亜鉛合金は凝固開始温度が低く、ビッカース硬さが高く、ポロシティの発生が抑制されたものであるので、鋳造の際の注湯温度が低くてすみ、エネルギーコストが低減され、また溶解ポットの寿命が延長され、加えて注湯後の凝固時間が短縮され、更に、この亜鉛合金を用いて鋳造で製作された金型は耐久性が向上していて型寿命が長い。
【図面の簡単な説明】
【図1】 比較例1の亜鉛合金鋳物の縦断面の状態を示す写真である。
【図2】 比較例2の亜鉛合金鋳物の縦断面の状態を示す写真である。
【図3】 比較例3の亜鉛合金鋳物の縦断面の状態を示す写真である。
【図4】 実施例1の亜鉛合金鋳物の縦断面の状態を示す写真である。
【図5】 比較例4の亜鉛合金鋳物の縦断面の状態を示す写真である。
【図6】 比較例5の亜鉛合金鋳物の縦断面の状態を示す写真である。
【図7】 金型のR部の磨耗量の測定を説明する概略図である。
Claims (2)
- マグネシウム1.5〜2.5質量%、アルミニウム3〜5質量%及び銅2〜4質量%を含み、残部が亜鉛と不可避の不純物からなり、凝固開始温度が390℃以下、ビッカース硬さが150以上で、ポロシティの発生の抑制された、金型用亜鉛合金。
- 請求項1記載の合金からなる金型又は金型用ブロック。
Priority Applications (1)
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|---|---|---|---|
| JP08436598A JP3800575B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 金型用亜鉛合金、金型及び金型用ブロック |
Applications Claiming Priority (1)
| Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
|---|---|---|---|
| JP08436598A JP3800575B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 金型用亜鉛合金、金型及び金型用ブロック |
Publications (2)
| Publication Number | Publication Date |
|---|---|
| JPH11279673A JPH11279673A (ja) | 1999-10-12 |
| JP3800575B2 true JP3800575B2 (ja) | 2006-07-26 |
Family
ID=13828511
Family Applications (1)
| Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
|---|---|---|---|
| JP08436598A Expired - Fee Related JP3800575B2 (ja) | 1998-03-30 | 1998-03-30 | 金型用亜鉛合金、金型及び金型用ブロック |
Country Status (1)
| Country | Link |
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| JP (1) | JP3800575B2 (ja) |
Families Citing this family (2)
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| KR101910868B1 (ko) * | 2017-02-28 | 2018-10-23 | 창원대학교 산학협력단 | 방향성 결정립을 갖는 아연-알루미늄 합금 및 그 제조방법 |
-
1998
- 1998-03-30 JP JP08436598A patent/JP3800575B2/ja not_active Expired - Fee Related
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