JP3800876B2 - 液晶表示装置の製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、液晶表示装置の製造方法に関し、特に、液晶層を挟持する一対の基板のうちの一方に反射層が設けられた反射型液晶表示装置の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来の反射型液晶表示装置においては、太陽光や照明光などの外光を反射させるための反射板を、液晶層を挟持する一対の基板、偏光板等で構成される液晶パネルの外面(表示面と反対側の面)に外付けしていた。ところが、この構造の場合、視差が大きくなり、画像が2重に映る等の視認性上の問題があった。そこで、アルミニウム等の反射率の高い金属からなる反射層もしくは画素電極を兼ねた反射層(以下、これを反射電極という)を液晶パネルの一方の基板上に作り込む反射層内蔵パネルが提案され、既に実用化されている。しかしながら、この反射層内蔵パネルにおいても、ただ単に鏡面状の反射層を設けただけでは、表示画面に使用者の顔や照明などが映る、いわゆる映り込みと呼ばれる現象が発生し、視認性が悪くなってしまう。このため、反射層の表面に凹凸を形成することによって光を散乱させ、映り込みを防止する対策が採られている。
【0003】
図7は、従来の光散乱機能を有する反射層を備えた基板の製造プロセスを示す工程断面図である。
【0004】
まず図7(a)に示すように、基板100上に有機系絶縁膜101を形成する。次に、図7(b)に示すように、有機系絶縁膜101上にフォトレジスト102を塗布する。次に、図7(c)に示すように、数十μm程度の微細なパターンを有するフォトマスク103を用いて紫外光による露光を行ってフォトレジスト102を感光させ、現像を行うことにより図7(d)に示すようなレジストパターン104を形成する。次に、図7(e)に示すように、レジストパターン104をマスクとして有機系絶縁膜101のウェットエッチングを行い、エッチング後、レジストパターン104を剥離すると、図7(f)に示すように、パターニングされた有機系絶縁膜101からなる凸部105が形成される。次に、図7(g)に示すように、同様の有機系絶縁膜からなるオーバーコート膜106で全面を覆うことにより曲面状の凹凸が形成される。ここでは、凸部105の上をオーバーコート膜106で覆うことにより曲面状の凹凸を形成したが、この方法に代えて、有機系絶縁膜101が熱可塑性を有するものであれば、凸部形成後に熱処理を施すことによって凸部105の角をだれさせて丸め、曲面状の凹凸を形成することもできる。図示を省略するが、最後に曲面状の凹凸に沿ってアルミニウム膜を成膜することにより反射層を形成する。
【0005】
上記構成の基板を液晶パネルの下側基板に用いた場合、上側基板、液晶層を透過してきた光は反射層の表面で反射するが、その際、反射層の表面に凹凸があるために反射光が散乱し、表示画面上の映り込みを防止することができる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
上述したように、上記光散乱機能を有する反射層を備えた基板の製造工程においては、反射層表面に凹凸を付与するために有機系絶縁膜の凸部を形成するが、この凸部の形成に際してレジスト塗布、露光、現像といった通常のフォトリソグラフィー工程が必要であった。このフォトリソグラフィー工程の存在により、製造プロセス全体の工程数が多くなる、製品の納期が長くなる、また、フォトマスクの使用も相俟って製造コストが高騰する、等の不具合が生じていた。
【0007】
本発明は、上記の課題を解決するためになされたものであって、光散乱機能を有する反射層を備えた基板を一方の基板とする液晶表示装置の製造方法において、製造プロセスをより簡略化することができ、工期の短縮、製造コストの低減等に寄与できる液晶表示装置の製造方法を提供することを目的とする。
【0008】
【課題を解決するための手段】
上記の目的を達成するために、本発明の液晶表示装置の製造方法は、対向配置された一対の基板とこれら基板間に挟持された液晶層とを少なくとも備え、一対の基板のうちの一方の基板上に反射層が設けられた液晶表示装置の製造方法であって、一方の基板上に凸部形成用の膜を形成する工程と、凸部形成用膜上にインクジェット用ヘッドから多数の樹脂の液滴を吐出させる工程と、樹脂の液滴を固化させる工程と、固化後の多数の樹脂片をマスクとして凸部形成用膜をエッチングする工程と、エッチング後に残った多数の樹脂片を除去して凸部形成用膜からなる凸部を残存させる工程と、この凸部を基にして基板上面に光を散乱させるための曲面状の凹凸を形成する工程とを有することを特徴とするものである。
【0009】
液晶表示装置の製造方法、特に反射層を形成する側の基板の製造方法において、従来はレジスト塗布、露光、現像工程等を有する半導体製造プロセスでごく一般的なフォトリソグラフィー技術を用いてレジストパターンを形成し、このレジストパターンを基に光散乱用の凸部を形成していた。それに対して、本発明者は、インクジェットプリンタ用のヘッドを用いて基板上に微細な樹脂の液滴を吐出させると、光散乱用凸部に適した寸法の微細なパターン(樹脂片)が形成できることを見いだした。すなわち、インクジェットプリンタ用ヘッドから微細な樹脂の液滴を吐出させ、これを固化させただけで従来のフォトリソグラフィー工程における現像処理が終わった状態と同様になる。以下は従来法と同様にして、この微細パターンをマスクとして凸部形成用膜のエッチングを行えばよい。つまり、本発明の方法によれば、光散乱用凸部の形成に際してフォトリソグラフィー工程が不要になるため、フォトリソグラフィー工程に伴う製品の納期の長期化、製造コストの高騰等の問題を解消することができる。
【0010】
また、前記凸部形成用膜の膜厚は0.5μmないし3μmの範囲とすることが望ましい。
【0011】
その理由は、凸部形成用膜の膜厚を0.5μm未満とした場合、形成される凸部の高さが低すぎて光の散乱効果が低下し、映り込みが防止できない。逆に膜厚が3μmを超えると、表面の凹凸が大きくなり過ぎ、セルギャップがばらつくことになるため、液晶パネルとしての光学特性(コントラスト等)が低下する、ローツイストドメイン、ストライプドメイン等の配向乱れが生じる、といった問題が生じるからである。
【0012】
前記凸部形成用膜の材料としては、有機系絶縁膜を用いることができる。この有機系絶縁膜は熱可塑性を有することが望ましい。具体的には、有機系絶縁膜としてアクリル系樹脂膜を用いることができる。
【0013】
基板上に凸部形成用膜からなる凸部を形成した後、この凸部を基に光散乱用の曲面状の凹凸を形成する方法には、以下の2つの方法が考えられる。一つは、例えばアクリル系樹脂のように熱可塑性を有する膜を凸部形成用膜の材料に用いた場合、凸部形成用膜からなる凸部が表面に形成された基板を熱処理することによって、凸部の角をだれさせて丸め、曲面状の凹凸を形成することができる。
【0014】
他の一つは、凸部形成用膜からなる凸部の上方を含む基板上の全面をオーバーコート膜で覆うことによって、曲面状の凹凸を形成することができる。後者の方法の場合、凸部形成用膜の材料は熱可塑性を有するものに限らない。またこの場合、オーバーコート膜の膜厚を0.5μmないし6μmの範囲とする必要があり、さらには凸部形成用膜の膜厚の1倍ないし1.5倍の範囲とすることが望ましい。
【0015】
その理由は、オーバーコート膜の膜厚を凸部形成用膜の膜厚の1倍未満とした場合、凸部の角が充分に丸くならないために光の散乱効果が低下し、逆に1.5倍を超えると、凹凸が平坦化され過ぎるために光の散乱効果が低下し、ともに映り込みが防止できないからである。
【0016】
前記インクジェット用ヘッドから吐出させる樹脂として、具体的にはフォトレジストを用いることができる。その場合、フォトレジストの液滴1滴分の吐出量を1ナノccないし100ナノccの範囲とすることが望ましい。
【0017】
その理由は、現状のインクジェット技術では1ナノcc未満の吐出量の制御は困難だからである。また、吐出量が100ナノccを超えると、凹凸の径が大きくなり過ぎ、そのパターンが視認されてしまうからである。吐出後のレジストの径で言えば、30μm以下とすることが望ましい。
【0018】
また、インクジェット用ヘッドから吐出させる樹脂の各液滴の吐出量をできるだけランダムに近い状態でばらつかせることが望ましい。同様に、樹脂の液滴間の間隔もできるだけランダムに近い状態でばらつかせることが望ましい。
【0019】
その理由は、樹脂の各液滴の吐出量、すなわち吐出させた樹脂の径が一定であったり、液滴間の間隔が一定だったりすると、画面を見たときにモアレ模様が発生してしまい、視認性が低下するからである。
【0020】
反射層に関しては、曲面状の凹凸の上方に反射層をなす金属膜を形成してもよいし、反射層をなす金属膜の上方に曲面状の凹凸を形成してもよい。
【0021】
【発明の実施の形態】
[第1の実施の形態]
以下、本発明の第1の実施の形態を図1ないし図5を参照して説明する。
【0022】
図1は本実施の形態の方法により製造される液晶表示装置1の構成を示す断面図であり、本実施の形態はパッシブマトリックスSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示装置の例であり、液晶パネル部2、光学補償フィルム3、偏光板4等からなる周知の構成となっている。
【0023】
液晶パネル部2は、例えばガラス基板等からなる第1の基板5と第2の基板6(一対の基板)とが対向配置され、その間に液晶層7が挟持されている。第1の基板5の第2の基板6と対向する対向面上に、アルミニウム膜等の高反射率の金属膜からなる反射電極8(反射層)が直線状に並行して複数形成されている。この反射電極8の表面には曲面状の凹凸が形成されているが、この部分についての詳細は製造方法の説明のところで後述する。
【0024】
一方、第2の基板6の第1の基板5と対向する対向面上には、例えば樹脂ブラックレジスト等からなる遮光膜9が格子状に形成され、遮光膜9間にはR(赤)、G(緑)、B(青)の3原色に対応するカラーフィルター層12が形成されている。カラーフィルター層12を覆うようにオーバーコート膜13が形成され、オーバーコート膜13上には、ITO(Indium Tin Oxide)等の透明導電膜からなる対向電極14が直線状に並行して複数形成されている。これら第1の基板5上の反射電極8と第2の基板6上の対向電極14とは互いに交差して格子状となるように配置されている。したがって、反射電極8表面で外光が反射されると同時に、光が散乱されるようになっている。
【0025】
第1の基板5および第2の基板6の液晶表示領域に対応する範囲は、反射電極8上および対向電極14上の部分も含めて配向膜(図示せず)で覆われている。さらに、第1の基板5と第2の基板6との間には、所定の径を有する複数のギャップ材(図示せず)が分散して配置され、それにより液晶パネルのセルギャップが例えば5.2μmで一定に保たれている。また、第1の基板5および第2の基板6の対向面の縁部にはシール材16が配置され、シール材16により封止された第1の基板5と第2の基板6との間にツイスト角240°のSTN型液晶が封入されて液晶層7が形成され、液晶パネル部2が構成されている。
【0026】
次に、光散乱機能を有する反射電極を備えた第1の基板の製造方法について説明する。図2は、その製造プロセスを示す工程断面図である。
【0027】
まず図2(a)に示すように、第1の基板5となるガラス基板を用意し、その基板上にアクリル系有機絶縁膜17(凸部形成用膜)を成膜する。この時、アクリル系有機絶縁膜17の膜厚は0.5μm〜3μm程度とすることが好ましい。次に、図2(b)に示すように、インクジェット用ヘッド10を用いてアクリル系有機絶縁膜17上にフォトレジスト18(樹脂)の液滴を多数吐出させる。
【0028】
ここで用いるインクジェット用ヘッド10の構造の一例を図3および図4に示す。当該インクジェット用ヘッド10は、図3に示すように、例えばステンレス製のノズルプレート11と振動板13とを備え、両者は仕切部材(リザーバプレート)15を介して接合されている。ノズルプレート11と振動板13との間には、仕切部材15によって複数の空間19と液溜まり21とが形成されている。各空間19と液溜まり21の内部はフォトレジストで満たされており、各空間19と液溜まり21とは供給口23を介して連通している。さらに、ノズルプレート11には、空間19からフォトレジストを噴射するためのノズル孔25が設けられている。一方、振動板13には液溜まり21にフォトレジストを供給するための孔27が形成されている。
【0029】
また、図4に示すように、振動板13の空間19に対向する面と反対側の面上には圧電素子29が接合されている。この圧電素子29は一対の電極31の間に位置し、通電すると圧電素子29が外側に突出するように撓曲し、同時に圧電素子29が接合されている振動板13も一体となって外側に撓曲する。これによって空間19の容積が増大する。したがって、空間19内に増大した容積分に相当するフォトレジストが液溜まり21から供給口23を介して流入する。次に、圧電素子29への通電を解除すると、圧電素子29と振動板13はともに元の形状に戻る。これにより、空間19も元の容積に戻るため、空間19内部のフォトレジストの圧力が上昇し、ノズル孔25から基板に向けてフォトレジストが噴出される。
【0030】
このフォトレジスト18を吐出させる工程では、インクジェット用ヘッド10の動作を適切に制御することにより、フォトレジスト18の液滴1滴分の吐出量を1ナノccないし100ナノccの範囲内に設定することが望ましい。さらに、フォトレジスト18の液滴の吐出量をできるだけランダムに近い状態でばらつかせることが望ましい。同様に、フォトレジスト18の液滴間の間隔もできるだけランダムに近い状態でばらつかせることが望ましい。
【0031】
図5は、フォトレジストの液滴1滴分の吐出量と液滴の径との関係を調べたものである。ここで用いたフォトレジストは、JSR社製NN550である。吐出量が1ナノccの時、レジスト径は約6μmとなり、その後吐出量を増加させるにつれてレジスト径は大きくなり、吐出量が100ナノccの時、レジスト径は約28μmとなる。レジスト径を変えて反射層を形成した基板を実際に作製し、光の散乱効果を評価したところ、レジスト径が30μm以下であれば、凹凸のパターンが視認されることなく、充分な散乱効果が得られることがわかった。また、現状のインクジェット技術では吐出量が1ナノcc以下の制御は困難である。このことから、フォトレジストの液滴1滴分の吐出量は、1ナノccないし100ナノccの範囲内とするのが好ましいことがわかる。
【0032】
次に、温度120℃、時間10分の条件でフォトレジスト18の焼成を行う。この焼成によってフォトレジスト18中の溶剤が揮発し、フォトレジスト18が硬化して次のエッチングに対する耐性が強くなる。焼成温度は60℃〜140℃程度の範囲でよい。次に、図2(c)に示すように、フォトレジスト18をマスクとしてアクリル系有機絶縁膜17のウェットエッチングを行う。
【0033】
次に、図2(d)に示すように、フォトレジスト18を剥離すると、第1の基板5上にアクリル系有機絶縁膜17からなる凸部20のみが残存する。次に、凸部20が形成された第1の基板5を温度200℃で2時間、焼成する。焼成前の凸部20は図2(d)に示したような角張った形状をしているが、アクリル系有機絶縁膜17が熱可塑性を有しているので、この焼成により角がだれて丸くなり、凸部20は図2(e)に示すような形状(符号20’とする)となる。焼成温度は150℃〜200℃程度の範囲でよく、焼成時間は30分以上あればよい。次に、図2(f)に示すように、凸部20’を覆うように基板全面に反射電極形成用膜となるアルミニウム膜22を成膜し、これをパターニングすることにより反射電極8を形成する。最後に、図示しない配向膜を形成することにより一方の基板が完成する。
【0034】
なお、第2の基板6の製造方法、すなわち、カラーフィルター形成、対向電極形成、配向膜形成等の工程は、従来法と何ら変わらないため、説明を省略する。
【0035】
本実施の形態の液晶表示装置1の製造方法によれば、インクジェットプリンタ用ヘッド10を用いてフォトレジスト18の液滴を吐出させることにより凸部形成用のレジストパターンを形成することができ、従来用いていたフォトリソグラフィー工程が不要になるため、フォトリソグラフィー工程に伴う製品の納期の長期化、製造コストの高騰等の問題を解消することができる。また、アクリル系有機絶縁膜17の膜厚、インクジェット用ヘッド10からのフォトレジスト18の吐出量、吐出間隔等の製造条件を最適化することによって、充分な光散乱効果を得て映り込みを確実に防止し、しかも、コントラストの低下、配向乱れ、モアレ模様等の視認性上の問題が生じることのない反射型液晶表示装置を実現することができる。
【0036】
[第2の実施の形態]
以下、本発明の第2の実施の形態を図6を参照して説明する。
【0037】
本実施の形態の液晶表示装置の構成は第1の実施の形態と同一であり、本実施の形態が第1の実施の形態と異なる点は、第1の基板の製造方法のみである。したがって、以下では液晶表示装置の構成の説明は省略し、第1の基板の製造方法のみについて説明する。図6は第1の基板の製造プロセスを示す工程断面図であるが、図2と同じ構成要素には同一の符号を付す。
【0038】
まず図6(a)に示すように、第1の基板5上に膜厚0.5μm〜3μm程度の第1のアクリル系有機絶縁膜17(凸部形成用膜)を成膜する。次に、図6(b)に示すように、インクジェット用ヘッド10を用いて第1のアクリル系有機絶縁膜17上にフォトレジスト18(樹脂)の液滴を吐出させる。この時、フォトレジスト18の液滴1滴分の吐出量を1ナノccないし100ナノccの範囲内に設定し、さらにフォトレジスト18の吐出量をばらつかせ、液滴間隔もばらつかせることが望ましい。次に、フォトレジスト18の焼成を行った後、図6(c)に示すように、フォトレジスト18をマスクとして第1のアクリル系有機絶縁膜17のウェットエッチングを行う。次に、図6(d)に示すように、フォトレジスト18を剥離すると、第1の基板5上に第1のアクリル系有機絶縁膜17からなる凸部20のみが残存する。以上の工程は第1の実施の形態と同様である。
【0039】
次に、図6(e)に示すように、第1のアクリル系有機絶縁膜17からなる凸部20を覆うように第1の基板5全面に第2のアクリル系有機絶縁膜24(オーバーコート膜)を形成する。第2のアクリル系有機絶縁膜24の膜厚は、充分な光散乱効果を得るために0.5μm〜6μmの範囲とする必要があり、さらには第1のアクリル系有機絶縁膜17の膜厚の1倍〜1.5倍の範囲とすることが望ましい。第1のアクリル系有機絶縁膜17からなる凸部20上に第2のアクリル系有機絶縁膜24を形成したことで、第2のアクリル系有機絶縁膜24の表面は曲面状の凹凸が形成された状態となる。次に、図6(f)に示すように、第2のアクリル系有機絶縁膜24上に反射電極形成用膜となるアルミニウム膜22を成膜し、これをパターニングすることにより反射電極8を形成する。最後に、図示しない配向膜を形成することにより第1の基板5が完成する。
【0040】
すなわち、本実施の形態と第1の実施の形態とでは凸部20の角を丸める方法が異なり、第1の実施の形態が熱処理を用いて凸部20の角をだれさせる方法を採っていたのに対し、本実施の形態では凸部20をさらにもう1層の膜で覆う方法を採った。本実施の形態においても、第1のアクリル系有機絶縁膜17の膜厚、インクジェットの条件に加えて第2のアクリル系有機絶縁膜24の膜厚を最適化することによって、映り込みを確実に防止し視認性に優れた反射型液晶表示装置が得られる、という第1の実施の形態と同様の効果を奏することができる。
【0041】
なお、本発明の技術範囲は上記実施の形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲において種々の変更を加えることが可能である。例えば上記実施の形態では凸部形成用の膜としてアクリル系有機絶縁膜を用いたが、これに限ることなく、ポリイミド系有機絶縁膜などを用いることもできる。また、アクリル系有機絶縁膜の上に反射電極を形成して反射電極の表面に凹凸を形成する例を挙げたが、これとは逆に、平坦な反射電極の上にアクリル系有機絶縁膜による凹凸を形成する構成でもよい。この場合でも、アクリル系有機絶縁膜表面の凹凸で光が散乱し、同様な効果を得ることができる。また、第2の実施の形態においては、アクリル系有機絶縁膜による凸部を同一材料のアクリル系有機絶縁膜でオーバーコートする構成を採用したため、当然ながら膜同士のなじみが良くて好ましいが、凸部を形成するための膜とオーバーコートのための膜は必ずしも同一材料である必要はない。
【0042】
その他、上記実施の形態で述べた製造工程上の具体的な条件等はほんの一例に過ぎず、適宜変更が可能なことは勿論である。さらに、本発明の製造方法は、STN型液晶表示装置に限らず、TFD(Thin Film Diode)型液晶表示装置、TFT(Thin Film Transistor)型液晶表示装置等にも適用が可能である。
【0043】
【発明の効果】
以上、詳細に説明したように、本発明によれば、映り込みが生じることのない視認性に優れた反射型液晶表示装置が得られ、光散乱用凸部の形成に際してフォトリソグラフィー工程が不要になるため、製造プロセスが簡略化でき、製品の納期の短縮化、製造コストの低減に寄与することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の製造方法により得られる液晶表示装置の構成を示す断面図である。
【図2】 本発明の第1の実施の形態の製造方法を示す工程断面図である。
【図3】 本方法に用いられるインクジェット用ヘッドの構成例を示す斜視図である。
【図4】 図3に示すインクジェット用ヘッドのノズル部分の断面図である。
【図5】 インクジェット用ヘッドを用いた場合のフォトレジストの吐出量とレジストの径との関係を示すグラフである。
【図6】 本発明の第2の実施の形態の製造方法を示す工程断面図である。
【図7】 本発明の液晶表示装置の製造方法の一例を示す工程断面図である。
【符号の説明】
1 液晶表示装置
5 第1の基板
6 第2の基板
7 液晶層
8 反射電極(反射層)
10 インクジェット用ヘッド
17 (第1の)アクリル系有機絶縁膜(凸部形成用膜)
18 フォトレジスト(樹脂)
20,20’凸部
22 アルミニウム膜(金属膜)
24 第2のアクリル系有機絶縁膜(オーバーコート膜)
Claims (11)
- 対向配置された一対の基板とこれら基板間に挟持された液晶層とを少なくとも備え、前記一対の基板のうちの一方の基板上に反射層が設けられた液晶表示装置の製造方法であって、
前記一方の基板上に凸部形成用の膜を形成する工程と、
該凸部形成用膜上にインクジェット用ヘッドから多数の樹脂の液滴を吐出させる工程と、
該樹脂の液滴を焼成して固化させる工程と、
固化後の多数の樹脂片をマスクとして前記凸部形成用膜をエッチングする工程と、
エッチング後に残った多数の樹脂片を除去して前記凸部形成用膜からなる凸部を残存させる工程と、
該凸部を基にして基板上面に光を散乱させるための曲面状の凹凸を形成する工程と、
前記曲面状の凹凸の上方に前記反射層をなす金属膜を形成する工程とを有し、
前記液滴1滴分の吐出量を1ナノccないし100ナノccの範囲とし、各液滴の吐出量をばらつかせるとともに、前記基板上に吐出された前記液滴間の間隔をばらつかせることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 対向配置された一対の基板とこれら基板間に挟持された液晶層とを少なくとも備え、前記一対の基板のうちの一方の基板上に反射層が設けられた液晶表示装置の製造方法であって、
前記一方の基板上に前記反射層をなす金属膜を形成する工程と、
前記金属膜の上に凸部形成用の膜を形成する工程と、
該凸部形成用膜上にインクジェット用ヘッドから多数の樹脂の液滴を吐出させる工程と、
該樹脂の液滴を焼成して固化させる工程と、
固化後の多数の樹脂片をマスクとして前記凸部形成用膜をエッチングする工程と、
エッチング後に残った多数の樹脂片を除去して前記凸部形成用膜からなる凸部を残存させる工程と、
該凸部を基にして基板上面に光を散乱させるための曲面状の凹凸を形成する工程と を有し、
前記液滴1滴分の吐出量を1ナノccないし100ナノccの範囲とし、各液滴の吐出量をばらつかせるとともに、前記基板上に吐出された前記液滴間の間隔をばらつかせることを特徴とする液晶表示装置の製造方法。 - 前記凸部形成用膜の膜厚を0.5μmないし3μmの範囲とすることを特徴とする請求項1または2に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記凸部形成用膜として有機系絶縁膜を用いることを特徴とする請求項1ないし3のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記有機系絶縁膜が熱可塑性を有することを特徴とする請求項4に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記有機系絶縁膜としてアクリル系樹脂膜を用いることを特徴とする請求項5に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記凸部形成用膜からなる凸部が形成された基板を熱処理することにより前記凸部の角をだれさせて前記曲面状の凹凸を形成することを特徴とする請求項5または6に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記凸部形成用膜からなる凸部の上方を含む基板上の全面をオーバーコート膜で覆うことにより前記曲面状の凹凸を形成することを特徴とする請求項1ないし7のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記オーバーコート膜の膜厚を0.5μmないし6μmの範囲とすることを特徴とする請求項8に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記オーバーコート膜の膜厚を前記凸部形成用膜の膜厚の1倍ないし1.5倍の範囲とすることを特徴とする請求項9に記載の液晶表示装置の製造方法。
- 前記インクジェット用ヘッドから吐出させる樹脂としてフォトレジストを用いることを特徴とする請求項1ないし10のいずれか一項に記載の液晶表示装置の製造方法。
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