JP3802033B2 - 射出又はブロー成形品の染色又は改質方法 - Google Patents

射出又はブロー成形品の染色又は改質方法 Download PDF

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Description

本発明は、射出圧縮成形あるいブロー成形の表面を染色又は改質する方法に関するもので、更に詳しくは、射出又はブロ成形用金型内において成形品の表面を染色又は改質する方法に関する。
プラスチック成形品の表面を染色又は改質する方法として、塗料や改質材をコーティングする方法の場合、耐摩耗性、コスト等の面において問題があると共にこのコーティングを行う場合には、一般に、有機溶剤が用いられているため、作業環境に併せて、成形品が廃棄物化した時の環境への問題が危惧されている。
そこで、有機溶剤を使用しないで成形品の表面を染色したり、改質したりする技術の提案が望まれていて、現在、僅かではあるが、次のような技術が開示されている。
特開2001−226884号公報 この発明は、超臨界二酸化炭素中で行う染料による樹脂成形体、ゴム成形体、繊維など被染色材の非水系染色方法であって、被染色材を超臨界二酸化炭素中で染色する非水系染色方法において、超臨界二酸化炭素とその共溶媒を染液に用いる超臨界染液による染色方法であり、被染色材が樹脂成形体、ゴム成形体、繊維のいずれかである。超臨界二酸化炭素の共溶媒が水又は極性有機溶媒の1種又は2種以上の混合液であり、超臨界二酸化炭素に対する共溶媒の量が0.01〜10%である。水又は極性有機溶媒のアルコールやジメチルフォルムアミドなどと超臨界二酸化炭素の混合液中で染色する非水系染色方法である。しかし、この技術は、染色のためにオートクレーブを使用しており、このオートクレーブ中に被処理物を搬入したり、これから搬出したりするのに手間がかかり、また、オートクレーブの場合、消費する染料量が多くなり、無駄がある。また、オートクレーブを高圧、高温に保つ必要があるため、エネルギーの消費が大きい。
特開平6−081277号公報 この発明は、真空雰囲気とするなどの煩雑さがなく、着色光学部品の表裏両面からの染色が可能で、比較的低い加熱温度でも短時間で高濃度の染色が可能であり、混合色に着色された光学部品も容易に製造できる方法であって、光学部品と粉粒体状の樹脂着色剤が接触した状態でこれらを加熱し、光学部品と樹脂着色剤との均一接触を可能とするために、密閉容器内に光学部品と粉粒体状の樹脂着色剤を入れ、回転などの動きを加えながら加熱して着色する方法である。しかし、この方法は、被着色部品に着色剤が浸透する訳ではなく、表面に着色層が形成されるだけのため、剥離等の問題が発生したり、摩擦の発生しやすい成形品には不向きである。
特表平8−506612号公報 この発明は、種々のポリマー基材を含浸剤で含浸する方法であって、ポリマー基材、含浸剤、キャリアー液体および超臨界流体を同時に接触させることによる方法を提供する。含浸剤は実質的に超臨界流体中に不溶性であり、且つ、キャリアー体は好ましくは実質的に超臨界流体中に不溶性である。しかし、この発明は、キャリアーとして液体が使用され、この液体は超臨界の二酸化炭素であり、圧力容器が用いられている。そして、添加剤を混合したキャリアー中に被処理物を圧力容器内で含浸させており、特許文献1の場合と同様、添加剤の消費も多くなる。また、圧力容器を高圧、高温に保つため、エネルギーの消費量も大きい。
本発明の第1の目的は、成形品の表面に能率的に染色又は改質浸透層を形成して染色又は改質を行う方法を提供することである。
更に、第2の目的は、斑のない、高品質に染色又は改質された成形品を低コストにより製造することができる成形品の染色又は改質方法を提供することである。
更に、第3の目的は、有機溶剤を用いない染色又は改質方法を提供することである。
更に、第4の目的は、染色濃度又は改質を自由に制御できる成形品の染色又は改質方法を提供することである。
上記目的を達成するため、請求項1に記載の発明においては、射出成形用金型内に熱可塑性樹脂を充填後、この充填された樹脂と金型との間に二酸化炭素ガスに染色材又は改質材を混合して得た混合気体を注入することにより、樹脂と金型との間に混合気体層を形成し、この間に樹脂の表面に混合気体の浸透層を形成して射出成形品の表面に染色層又は改質層を形成する射出成形品の染色又は改質方法において、前記金型内に熱可塑性樹脂を充填した後、この充填された樹脂と金型との間に不活性ガスを注入することにより、樹脂と金型との間に空隙を形成し、その後、この空隙内に前記混合気体を注入して前記不活性ガスと置換して行うことを特徴とするものである。
更に、請求項2に記載の発明においては、射出成形用金型内に熱可塑性樹脂を充填後、この充填された樹脂と金型との間に二酸化炭素ガスに染色材又は改質材を混合して得た混合気体を注入することにより、樹脂と金型との間に混合気体層を形成し、この間に樹脂の表面に混合気体の浸透層を形成して射出成形品の表面に染色層又は改質層を形成する射出成形品の染色又は改質方法において、金型内に熱可塑性樹脂を充填する工程、保圧工程、冷却工程終了後、微小の型開きを行うことにより、成形品と金型間に空隙を形成し、その後、この空隙内に二酸化炭素ガスに染色材又は改質材を混合して得た混合気体を注入して、この混合気体圧を一定圧に保持し、この間に成形品の表面に混合気体の浸透層を形成して射出成形品の表面に染色層又は改質層を形成することを特徴とするものである。
更に、請求項3に記載の発明においては、請求項2に記載の射出成形品の染色又は改質方法において、微小に型開きを行うことにより熱可塑性樹脂と金型間に空隙を形成し、この空隙内に不活性ガスを注入し、その後混合気体を空隙内に注入して前記不活性ガスと置換して行うことを特徴とするものである。
更に、請求項4に記載の発明においては、請求項1〜3の何れか1項に記載した射出成形品の染色又は改質方法において、注入する混合気体を成形品の温度以上に加熱して空隙内に注入することを特徴とするものである。
更に、請求項5に記載の発明においては、請求項1〜4の何れか1項に記載した射出成形品の染色又は改質方法において、二酸化炭素ガスに染色材及び改質材を混合して得た複合混合気体を用いて行うことを特徴とするものである。
更に、請求項6に記載の発明においては、ブロー成形用金型において、ブロー成形後、このブロー成形品と金型間に、二酸化炭素ガスと染色材又は改質材又はこれらの複合材を混合して得た混合気体を注入することにより、この混合気体を成形品の表面に浸透させて成形品の表面に染色浸透層又は改質浸透層を形成し、その後型開きを行うことを特徴とするものである。
更に、請求項7に記載の発明においては、請求項1〜6の何れか1項に記載した射出成形品又はブロー成形品の染色又は改質方法において、一度成形品の表面に染色浸透層又は改質浸透層又はこれらの複合層を形成したのち、更に、この上に重ねて染色又は改質層形成することを特徴とするものである。
[作用]
混合気体は、二酸化炭素ガスと染料又は(及び)改質材の混合気体又は複合混合気体であることから、二酸化炭素ガスが樹脂の表面を軟化させ、ここに圧力が加わるため、染料又は改質材は樹脂中に浸透し、樹脂の表面に着色浸透層又は改質浸透層が形成される。この着色浸透層又は改質層は、染料又は改質材の混合比率又は浸透深さ等により自由に変更して、染色濃度、改質度を制御することができる。この染色又は改質は、一度で終っても良いが、同一材又は別材を用いて2度又は3度以上の重ね染色又は改質を行なうこともできる
請求項1〜に記載した本発明の効果は次のとおりである。
1.成形品の表面には染色又は改質された浸透層が形成されるため、耐摩耗性、耐剥離性 が向上する。
2.成形用金型内において、染色又は改質を行うため、特別にオートクレーブや圧力容器 が要らない。このため、成形品の搬入、搬出作業がなくなり、生産性が向上する。
3.圧力装置、加熱装置等を別に設けないため、エネルギーの消費量が少なく、省エネに 貢献できる。
4.有機溶剤を用いないため、作業環境に併せて自然環境の保全に寄与できる。
5.染色浸透層又は改質浸透層の深さは、圧力と時間の制御により、自由に調整できるの で、例えば染色浸透層を深くすることで濃い色を出現し、浅くすることで、薄い色を出 現することができる。
6.混合気体を注入する前に、不活性ガスを空隙内に注入し、その後混合気体を注入して 不活性ガスと置換するため、混合気体の急激な圧力降下に起因する染色材や改質材など が二酸化炭素から分離又は析出するのを防止して高品質の成形品を得ることができる。
本発明における成形品の染色又は改質方法は金型内への熱可塑性樹脂充填後、不活性ガスを樹脂と金型との間に注入して空隙を形成し、この空隙内に不活性ガスと置換するようにして二酸化炭素ガスと染色材との混合気体、又は二酸化炭素ガスと改質材との混合気体を注入し、この混合気体を樹脂表面に溶解させる。
この混合気体の注入は、保圧中又は保圧後又は冷却中又は冷却終了後のタイミングの何れでも良い
あるいは、請求項記載に関しては、樹脂の充填・保圧・冷却工程完了後、微小に型開きして、空隙を形成させるとともに、その空隙内に前記混合気体を注入し、その空隙内のガス圧力を一定に保持し、前記混合気体を樹脂表面に溶解させる。次に、前記混合気体の樹脂表面への溶解工程後、前記空隙にある溶解せず残存した余分な混合気体を排出し、成形体を取り出す。また、請求項3に記載の発明に関しては、前記空隙内に前記混合気体の注入する前工程として、その空隙内に不活性ガスを注入して、その空隙内の圧力を一定に保持する。次に空隙内の不活性ガスの圧力よりも高い圧力に保持しておいた前記混合気体を空隙に注入し、不活性ガスと置換する。
この不活性ガスの注入と置換を行う目的は、混合気体を金型キャビティ及び注入ラインへ注入した場合、高い気圧の混合気体発生装置から急に圧力が低い空間へ気体が放たれるため、圧力降下を原因とした、染色材や改質材などが二酸化炭素から分離または析出することを防止するためである。
そこで、予め、金型キャビティ及び注入ラインへ混合ガスより気圧が低い不活性ガスを注入しておき、次に混合ガスを注入して置換を行うようにすると、気圧の変化を少なくとどめることができる。その結果、混合気体の濃度をより安定に保持する事ができるようになる。
なお、不活性ガスと混合ガスとの気圧差は3〜5MPaが望ましい。
記混合気体の樹脂表面への溶解工程後、前記空隙にある溶解せず残存した余分な混合気体排出し、その上で成形体を取り出すことが望ましい
この方法により、金型キャビティ内への注入ラインの間で生じる圧力降下を低減でき、金型キャビティ内へ注入される前記混合気体の濃度安定に保持する事ができる。
このように、樹脂充填直後、あるいは微小に型開きを行った後、前記混合気体を注入して、空隙を形成し、成形すると、樹脂表面に染色、又は機能性を付与する改質が可能となり、またそれが斑のない、均一な表面に仕上げることができる。
本発明が実施される成形品の材質となる熱可塑性樹脂は、例えばスチレン系樹脂、(例えば、ポリスチレン、ブタジエン・スチレン共重合体、アクリロニトリル・スチレン共重合体、アクリロニトリル・ブタジエン・スチレン共重合体等)、ABS樹脂、ポリエチレン、ポリプロピレン、エチレン−プロピレン樹脂、エチレン−エチルアクリレート樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリブテン、ポリカーボネート、ポリアセタール、ポリフェニレンオキシド、ポリビニルアルコール、ポリメチルメタクリレート、飽和ポリエステル樹脂(例えば、ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート等)、生分解性ポリエステル樹脂(例えば、ポリ乳酸のようなヒドロキシカルボン酸縮合物、ポリブチレンサクシネートのようなジオールとジカルボン酸の縮合物等)ポリアミド樹脂、ポリイミド樹脂、フッ素樹脂、ポリサルフォン、ポリエーテルサルフォン、ポリアリレート、ポリエーテルエーテルケトン、液晶ポリマー等の1種または2種以上の混合物、さらに無機物や有機物の各種充填材が混合された樹脂が挙げられる。これらの熱可塑性樹脂中では、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリプロピレンが好ましい。
また、本発明における、染料、又は改質材との混合に用いるガス体は、樹脂表面に溶解するガスであれば、その種類を問わないが、もっとも溶解性の高い二酸化炭素ガスまたは超臨界状態の二酸化炭素ガスが望ましい。
また、本発明における、あらかじめ空隙に注入しておく不活性ガスは、他の溶媒に対して引火性の問題がない(不燃性)、環境中に有害に存在しない、無臭性、化学的に不活性な二酸化炭素、又はアルゴン、ヘリウム、窒素、酸素を用いてもよい。
また、本発明で用いる染色材、又は改質材は、樹脂表面を着色、耐摩耗性、導電性、硬度、輝度、コーティング、分光特性、帯電防止効果などの機能性を付与する有機質粉体、無機質粉体、導電性粉体、、帯電防止剤あるいは反応性モノマーであれば、その種類を問わない。具体的には、樹脂表面を着色し、分光特性を付与する染料として、ニトロ染料、メチン染料、キノリン染料、アミノナフトキノン染料、クマリン染料、好ましくはアントラキノン染料、トリシアノビニル染料、アゾ染料、ジニトロジフェニルアミンなどの有機質粉体、およびそれらの組み合わせからなる群、更にはシルバーホワイト、アイボリーブラック、ピーチブラック、ランプブラック、カーボンブラックなどの無機質粉体、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。また、樹脂表面を改質し、高輝度、および耐摩耗性や表面硬度を付与する改質材として、雲母チタン、酸化チタン、金粉、炭酸カルシウムなどの無機質粉体、またはフッ素粒子などが挙げられる。また、樹脂表面を被膜して、導電性を付与する改質材として、亜鉛末、銀粉、ニッケル粉、マイカ又はセリサイト等の無機粉体を良導電性金属で被覆した粉体、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。また、樹脂表面と結合や架橋反応を起し、表面に弾性的性質や耐薬品性や様々な機能を発現する改質材として、タンパク質、ポリペプチド、ヌクレオチド、薬剤、またはアクリル酸、エチレン、スチレン、イソブチルビニルエーテル、酢酸メチル、塩化ビニル、プロピレン、アミノ酸エステル、ポリフェノール、シリコーンなどの反応性モノマー、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。また、帯電防止剤としては、水溶性界面活性剤、ポリオキシアルキレンエーテル、ポリオキシエチレン誘導体、ソルビタン脂肪酸エステル、中純度モノグリセライドステアリン系、ポリエチレングリコールジステアレート、およびそれらの組み合わせからなる群などが挙げられる。また、改質材として、前記有機質粉体と無機質粉体、帯電防止剤のいずれかとの組み合わせからなる群を用いてもよい。
以下に、本発明の実施例、比較例を、図面を用いて詳しく説明するが、本発明はこれらの実施例のみに限定されるものではなく、また、これら実施例の組み合わせであってもよい。
図1及び図2に基づいて実施例を説明する。
図1に本発明を実施するための金型と注入装置を示す。符号の1は固定側金型2bと可動側金型2aを型締めして形成されたキャビティ、3はキャビティ内ガス圧力を保持し、キャビティ外部へのガス漏れを防ぐオーリングであって、9a、9b、9c、9dは各ガスラインの注入、及び排出の制御を行う電磁切換制御弁、18は圧力ゲージ、6はキャビティ、又は各容器内のガス圧力を所定の圧力以上の圧力になった場合のみ、外部にガスを排出する背圧弁である。また、4は前記背圧弁とキャビティ1内のガスを排出するガス排出口22を結ぶガス排出ラインである。この排出ライン4を通じて、電磁切換制御弁9aに
より金型キャビティ内1に残存した余分な二酸化炭素と染料(染色材)、又は改質材の混
合気体を外部に排出する。
次に、7はガス注入装置であって、このガス注入装置7について説明すると、15aは
二酸化炭素ガスを充填したガスボンベ、及び15bは不活性ガスを充填したガスボンベ15bである。このガスボンベ15と前記可動側金型2aは、可視面側のキャビティ面1a
に形成された1又は2ヶ所以上のガス注入口20に接続したガス注入ライン5とを結んでいる。このガス注入ライン5の間では、不活性ガス注入ライン14と二酸化炭素と染料、又は改質材の混合気体注入ライン11と2方向に分岐し、その一方の前記不活性ガス注入ラインとして、ガス圧力調整器13と、電磁切換制御弁9bとを結び、もう一方では、二酸化炭素ガスと染料、又は改質材8とを混合して、圧力保持しておく混合気体発生容器10が接続し、そのライン間を電磁切換制御弁9cが接続して成る。
更に、前記混合気体発生容器10への改質材注入ライン21では、改質材圧送ポンプ12と、電磁切換制御弁9dとを接続し、混合気体発生容器10への改質材8の一定排出を行い、混合体発生容器10内の二酸化炭素ガスと改質材8の溶解濃度を安定させて成る。また、前記混合気体発生容器と二酸化炭素ガスを充填した15aを結ぶ二酸化炭素ガス注入ライン16は、前記混合気体発生容器10内の二酸化炭素ガス温度を常時、染料、又は改質材と溶解する最適な温度に調整する為のガス加温機17とから成る。
次に、図2(A)(B)(C)(D)に基づいて、実施例1の射出成形方法を説明する。
図1に示したガス注入装置7は自社製で、射出成形機は、型締め圧力220tの成形機(日本製鋼所株式会社製;J220E2−P−2M)を用いた。有機質粉体として、アゾ分散染料(住友化学工業株式会社Sumikaron Blue E-FBL)、改質材として、無機質粉体のカーボンブラック(三菱化学株式会社;ダイアブラックN550M)、導電性粉体の亜鉛末(ハクスイテック株式会社; R末)を用いて行った。樹脂には、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社;H3000)を用いた。このとき、成形した成形品は、長さ32mm、幅32mm、厚さ2mmの平板状である。また、この成形品を射出圧力56MPa、充填時間0.5sec、溶融樹脂温度280℃で、加圧熱水により、70℃に設定した金型キャビティ1内(材質S45C、入れ子型)に充填した。
溶融樹脂を充填し、完了直後、図2(B)に示すように、ガス注入口5から、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体、または、二酸化炭素ガスとカーボンブラックの混合気体、または、二酸化炭素ガスと亜鉛末の混合気体のいずれかを圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を2秒間、ガス注入装置7→ガス注入口5からスキン面とこれに接するキャビティ面1a間に注入し、さらに、その空隙内のガス圧力を一定に保持する。
次に圧力90MPaで5秒間保圧し、空隙19を圧縮し、前記混合気体をスキン面に溶解させてこのスキン面を軟化させながら保圧をかけて成形を行った(C)。次に、金型キャビティ1内に蓄圧された前記混合気体を排出する(D)。なお、スキン層内に溶解しきれなかった二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体、二酸化炭素ガスとカーボンブラックの混合気体、二酸化炭素ガスと亜鉛末との混合気体等については、注入時の逆の経路を経由して電磁切換制御弁9a側に排気した。
得られた染色、及び改質した成形品は、それぞれ斑のない表面であり、それを目視で判断し、官能評価したものを表1に示す。ここで、評価の○印は、全く斑がない事を意味し、△は僅かに斑が存在する事を意味する。また、製品断面をCCDカメラズームレンズ(株
式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色、及び改質の深さを評価した。
実施例1の中で、ガスの注入方法において、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合体の温度、及び注入時間、注入圧力などの条件を振り、成形を行った。それぞれ、ガスの温度は50、60、70℃、ガスの注入時間は0.5,1.0,2.0秒、注入圧力は5、10、15MPaに振って行った。これにより、得られた成形品は、前期混合体の温度、圧力、注入時間に強く影響し、各パラメーターとも、最も高い温度、圧力、時間が、良好な染色、及び改質した成形品を得た。また、それぞれの成形品の断面をCCDカメラズー
ムレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色、及び改質の深さを評価
したものを表2に示す。
〔比較例1〕
実施例1の中で、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体の注入方法において、注入時間を2.0秒、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの温度を20、30、40
℃に条件を振り、成形を行った。また、金型温度キャビティ1温度を70℃に固定して行った。なお、ガスの温度70℃以上の温度、80、90、100℃で行った結果、70℃で行った染色深さと殆ど変わらず、それぞれ同一程度の染色深さとなった。その結果、得られた成形品は、実施例2の成形品と比較して、全く染色していない事が確認された。この時の製品表面を目視で判断し、官能評価したものを表2に示す。また、この製品断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色の深さを評価した。
〔比較例2〕
実施例1の中で、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体の注入方法において、ガスの温度を70℃、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの注入時間秒を0.1,0.3秒に条件を振り、成形を行った。また、金型温度キャビティ1温度を70℃に固定して行った。その結果、得られた成形品は、実施例2の成形品と比較して、全く染色していない事が確認された。この時の製品表面を目視で判断し、官能評価したものを表2に示す。また、この製品断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色の深さを評価した。
図3(A)〜(D)は、請求項に対応するもので、樹脂には、ポリカーボネート(三菱エンジニアリングプラスチックス株式会社;H3000)を用いた。このとき、成形した成形品は、長さ32.0mm、幅32.0mm、厚さ2.0mmの平板状である。また、この成形品を射出圧力56MPa、充填時間0.5秒、溶融樹脂温度280℃で、加圧熱水により、70℃に設定した金型キャビティ1内(材質S45C、入れ子型)に充填した。この成形方法の場合は、溶融樹脂を充填・保圧・冷却工程後直後、可動側金型2aを後退させて金型型締め圧力を解放し、可視面側のスキン層とキャビティ面1a間に強制的に約0.1mm、又は0.1mm以上で1.0mm以下の空隙19を形成し(A)、圧力15.0MPaに設定した前記実施例1のいずれかの混合気体を、圧力15MPaに設定し、それらの温度を70℃で、注入時間を30.0秒間、ガス注入装置7→ガス注入口5から空隙19内に注入した(B)。
次に、前記混合気体をスキン層内に溶解させてこのスキン層を軟化させた後、前記空隙にある溶解せず残存した余分な混合気体を排出し(C)、その後、型開きを行い、成形体を取り出す(D)。その結果、得られた成形品は、それぞれ斑のない表面であり、それを目視で判断し、官能評価したものを表1に示す。また、この製品断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色、及び改質の深さを評価した。
実施例3の中で、ガスの注入方法において、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体の温度、及び注入時間、注入圧力などの条件を振り、成形を行った。それぞれ、ガスの温度は50、60、70℃、ガスの注入時間は10.0,20.0,30.0秒、注入圧力は5、10、15MPaに振って行った。これにより、得られた成形品は、前記混合気体の温度、圧力、注入時間に強く影響し、各パラメーターとも、最も高い温度、圧力、時間が、良好な染色、及び改質した成形品を得た。また、それぞれの成形品の断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色、及び改質の深さを評価したものを表2に示す。
〔比較例3〕
実施例3の中で、金型微小開きにより空隙19を形成した後のガスの注入方法において、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体の注入時間を2秒、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの温度を20、30、40℃に条件を振り、成形を行った。また、金型温度キャビティ1温度を70℃に固定して行った。なお、ガスの温度70℃以上の温度、80、90、100℃で行った結果、70℃で行った染色深さと殆ど変わらず、それぞれ同一程度の染色深さとなった。これにより、得られた成形品は、全く染色しない成形品を得た。また、それぞれの成形品の断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色の深さを評価したものを表2に示す。
〔比較例4〕
実施例3の中で、金型微小開きにより空隙19を形成した後のガスの注入方法において、二酸化炭素ガスと有機質アゾ分散染料の混合気体のガス温度を70℃、注入圧力を15MPaに固定し、ガスの注入時間を3.0,5.0秒に条件を振り、成形を行った。また、金型温度キャビティ1温度を70℃に固定して行った。その結果、得られた成形品は、実施例2の成形品と比較して、全く染色していない事が確認された。この時の製品表面を目視で判断し、官能評価したものを表2に示す。また、この製品断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色の深さを評価した。
図4及び図5(A)〜(D)は、請求項に対応するもので、この成形方法の場合は、請求項において共通し、不活性ガスと混合気体を多段式に注入するものである。具体的には、溶融樹脂を充填完了後、保圧開始前、あるいは樹脂充填・保圧・冷却工程後、可動側金型2aを後退させて金型型締め圧力を解放し、可視面側のスキン層とキャビティ面1a間に強制的に約0.1mm、又は0.1mm以上で1.0mm以下の空隙19を形成した後、圧力10MPaに設定した不活性ガスを、ガス注入装置7→ガス注入口5から2秒間空隙19内に注入した(図4A、図5A)。
次に、その空隙19内のガス圧力よりも高い圧力15MPa、且つその温度を70℃で保持していた前記混合気体を請求項3では、2秒間、請求項では、30.0秒間注入し、それぞれ置換する(図4B、図5B)。その後、請求項3記載においては、圧力90MPaで5.0秒間保圧し、空隙19を圧縮しながら前記混合気体をスキン層内に溶解させてこのスキン層を軟化させ、再度スキン層をキャビティ面に密着させ(図4C)、その後前記空隙にある溶解せず残存した余分な混合気体を排出し、その後、型開きを行い、成形体を取り出す(図4D)。
また、請求項記載においては、前記空隙にある溶解せず残存した余分な混合気体を排出し(図5C)、その後、型開きを行い、成形体を取り出す(図5D)。その結果、得られた成形品は、それぞれ極めて斑のない表面であり、これを目視で判断し、官能評価したものを表1に示す。また、この製品断面をCCDカメラズームレンズ(株式会社キーエンス;VH-Z150)により観察し、染色、及び改質の深さを評価した。
Figure 0003802033
Figure 0003802033
本実施例6は、請求項に対応するもので、ブロー成形において、実施例3〜5に記述した方法を成形品の染色又は改質方法に採り入れたもので、染色又は改質条件はすべて実施例3〜5と同一条件で行い、同一の目的を達成できた。
本実施例は、請求項に対応するもので、一度染色又は改質を行ったのち、再び同一又は別の染色材、改質材を同一条件で浸透させるもので、この重ね染色又は改質は、複雑な色、あるいは複合された改質効果により成形品の性能、機能を高める場合に有効である。
本実施例は、実施例1では、樹脂の充填後に二酸化炭素と染料、又は改質材の混合気体を注入しているが、保圧中、又は保圧後、又は冷却中、又は冷却終了後に注入して行った結果、それぞれ実施例1とほぼ同様の結果得られた。
染色方法は、射出又はブロー又は圧縮成形品全般に利用できる。改質方法は、導電性の細かな粒子を用いることにより、電子デバイス関連、フィルムや平板として用いることにより、電磁シールド関係などの分野で利用できる。但し、この利用分野は、ほんの一例にすぎない。
本発明を実施するためのガス注入装置と金型の説明図。 本発明に係るガス注入圧で空隙を形成する実施例の説明図。 本発明に係る金型を後退させて空隙を形成する実施例の説明図。 樹脂充填後、保圧開始前に、不活性ガスを利用した多段式に注入して改質す る実施例の説明図。 微小型開き完了後、不活性ガスを利用した多段式に注入して改質する実施例 の説明図。
符号の説明
1 プラスチック成形体
2 金型
3 オーリング
4 ガス排出ライン
5 ガス注入ライン
6 ガス圧調整背圧弁
7 ガス注入装置
8 改質材
9 電磁切換制御弁
10 混合体発生容器
11 混合体注入ライン
12 改質材充填容器
13 ガス圧力調整器
14 不活性ガス注入ライン
15 高圧ガス装置又はガスボンベ
16 二酸化炭素ガス注入ライン
17 ガス加温機
18 圧力ゲージ
19 空隙
20 ガス注入口
21 改質材注入ライン
22 ガス排出口

Claims (7)

  1. 射出成形用金型内に熱可塑性樹脂を充填後、この充填された樹脂と金型との間に二酸化炭素ガスに染色材又は改質材を混合して得た混合気体を注入することにより、樹脂と金型との間に混合気体層を形成し、この間に樹脂の表面に混合気体の浸透層を形成して射出成形品の表面に染色層又は改質層を形成する射出成形品の染色又は改質方法において、前記金型内に熱可塑性樹脂を充填した後、この充填された樹脂と金型との間に不活性ガスを注入することにより、樹脂と金型との間に空隙を形成し、その後、この空隙内に前記混合気体を注入して前記不活性ガスと置換して行う射出成形品の染色又は改質方法。
  2. 射出成形用金型内に熱可塑性樹脂を充填後、この充填された樹脂と金型との間に二酸化炭素ガスに染色材又は改質材を混合して得た混合気体を注入することにより、樹脂と金型との間に混合気体層を形成し、この間に樹脂の表面に混合気体の浸透層を形成して射出成形品の表面に染色層又は改質層を形成する射出成形品の染色又は改質方法において、金型内に熱可塑性樹脂を充填する工程、保圧工程、冷却工程終了後、微小の型開きを行うことにより、成形品と金型間に空隙を形成し、その後、この空隙内に二酸化炭素ガスに染色材又は改質材を混合して得た混合気体を注入して、この混合気体圧を一定圧に保持し、この間に成形品の表面に混合気体の浸透層を形成して射出成形品の表面に染色層又は改質層を形成する射出成形品の染色又は改質方法。
  3. 微小に型開きを行うことにより熱可塑性樹脂と金型間に空隙を形成し、この空隙内に不活性ガスを注入し、その後混合気体を空隙内に注入して前記不活性ガスと置換して行う請求項2に記載の射出成形品の染色又は改質方法。
  4. 注入する混合気体を成形品の温度以上に加熱して空隙内に注入する請求項1〜3の何れか1項に記載した射出成形品の染色又は改質方法。
  5. 二酸化炭素ガスに染色材及び改質材を混合して得た複合混合気体を用いて行う請求項1〜4の何れか1項に記載した射出成形品の染色又は改質方法。
  6. ブロー成形用金型において、ブロー成形後、このブロー成形品と金型間に、二酸化炭素ガスと染色材又は改質材又はこれらの複合材を混合して得た混合気体を注入することにより、この混合気体を成形品の表面に浸透させて成形品の表面に染色浸透層又は改質浸透層を形成し、その後型開きを行うブロー成形品の染色又は改質方法。
  7. 一度成形品の表面に染色浸透層又は改質浸透層又はこれらの複合層を形成したのち、更に、この上に重ねて染色又は改質層形成する請求項1〜6の何れか1項に記載した射出成形品又はブロー成形品の染色又は改質方法。
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