JP3822801B2 - コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置および打撃方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、コンクリートの健全度評価、特に、コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、これに用いる打撃装置および打撃方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、覆工コンクリートの厚さや品質の違い等を、あるいは、コンクリート構造物における内部亀裂や空隙等の内部欠陥の状況を、非破壊で評価する技術として、
1.コンクリートの表面を打診し、その打診音を空気振動としてマイクロフォンにより直接採取し、該採取した打診音を解析する構成(特公平4−10987号公報に記載)、あるいは、
2.球形ヘッドを有するハンマーによりコンクリートの表面を打撃し、コンクリート自体を伝播した伝播打撃音をマイクロフォンにより採取し、該採取した伝播打撃音を解析する構成(特開平5−322861号公報に記載)が知られている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、コンクリート表面の打撃については、前記従来技術▲1▼には具体的な記載がなく、また前記従来技術▲2▼には、一般的なハンマーの他、球形ヘッドを有するハンマー等でもよく、機械的に打撃を行うことが好ましいと記載されている。すなわち、該ハンマーが、回転自在に支持された棒体と、該棒体に固定された球体と、該棒体に回転力を付与するバネないしゴムと、回転力が付与された状態の棒体を着脱自在に係止する係止手段により構成されるため、以下のような問題がある。すなわち、
【0004】
1.棒体が機械的に回転自在に支持されているため、該機械部分から音または振動(以下、雑音と総称する)が発生し、該雑音が健全度評価の障害になる。特に、強く打撃する場合には、該障害が顕在化する。
【0005】
2.棒体の軌跡が形成する面(球体の軌跡が形成する面に同じ、以下、回転面と称す)が鉛直でない場合、前記機械部分には該回転面の面外方向の扁荷重がかかるため、打撃姿勢によって打撃エネルギがバラツクおそれがある。また、該扁荷重が、前記機械部分の磨耗ないし損傷、ひいては前記雑音発生の一因になる。
3.鋼球がコンクリートの表面と垂直に衝突しないため、前記機械部分には棒体の長さ方向の力が作用し、この力が、前記機械部分の磨耗ないし損傷、ひいては前記雑音発生の一因になる。
4.鋼球の打撃点が一箇所に限定されるため、該打撃点が局部磨耗して、打撃エネルギがバラツク。
【0006】
本発明は、このような従来の問題に鑑みてなされたもので、機械的な回転部分を排除した構成により、雑音の発生および打撃エネルギのバラツキを抑えることができる、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置および打撃方法を提供することを目的とするものである。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明は上記課題を解決すべく以下に掲げる構成とした。
請求項1記載の発明の要旨は、コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、前記コンクリートの表面に対峙する前面板と、該前面板に支柱を介して設置された支持板と、打撃点が球状で、前記コンクリートの表面を打撃する打撃ヘッドと、前記前面板と該打撃ヘッドに両端が設置されて、引っ張られたゴム体と、前記支持板に設置され、前記打撃ヘッドを吸引して該打撃ヘッドを前記前面板から遠ざける電磁石を有し、該電磁石の吸引の停止により、前記打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃することを特徴とする、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置に存する。
請求項2記載の発明の要旨は、前記打撃ヘッドが、鋼球と、球面状または円錐状の凹部を有す吸引板とから構成され、前記ゴム体の両端が、それぞれ該吸引板と前記前面板に設置され、かつ、該鋼球が回転自在であることを特徴とする請求項1記載の、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置に存する。
請求項3記載の発明の要旨は、コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、前記コンクリートの表面に対峙する前面板と、該前面板に支柱を介して設置された支持板と、打撃点が球状で、前記コンクリートの表面を打撃する打撃ヘッドと、前記支持板と該打撃ヘッドの間に配置されて、圧縮された圧縮バネと、前記支持板に設置され、前記打撃ヘッドを吸引して該打撃ヘッドを前記前面板から遠ざける電磁石を有し、該電磁石の吸引の停止により、前記打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃することと併せて、前記打撃ヘッドが、鋼球と、球面状または円錐状の凹部を有す吸引板とから構成され、前記圧縮バネが、該吸引板と前記支持板の間に配置され、かつ、該鋼球が回転自在であることを特徴とするコンクリートの健全度評価に用いる打撃装置に存する。
請求項4記載の発明の要旨は、前記打撃音を採取する円筒状フードを有すマイクロフォンが、緩衝材を介して設置され、該円筒状フードが、塩化ビニール管と、該塩化ビニール管の内部に装入された、中間にゴム管が挟まれた硬質スポンジ管と、該硬質スポンジ管の内部に装入されたコルク管よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置に存する。
請求項5記載の発明の要旨は、コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、打撃点が球状である打撃ヘッドを、ゴム体により前記コンクリートの表面に向けて引っ張る工程、または該表面と平行で放射状に複数の方向に引っ張る工程と、該引っ張られた状態の打撃ヘッドを電磁石に吸引させて、前記コンクリートの表面から遠ざける工程と、該電磁石の吸引を停止することにより、該遠ざけられていた打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃する工程を有す、コンクリートの健全度評価に用いる打撃方法に存する。
請求項6記載の発明の要旨は、コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、前記コンクリートの表面に対峙する前面板と、該前面板に支柱を介して設置された支持板と、打撃点が球状で、前記コンクリートの表面を打撃する打撃ヘッドと、前記前面板と該打撃ヘッドに両端が設置されて、引っ張られたゴム体と、前記支持板に設置され、前記打撃ヘッドを吸引して該打撃ヘッドを前記前面板から遠ざける電磁石を有し、該電磁石の吸引の停止により、該ゴム体による引張力の前記前面板に対する法線方向分力により前記打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃することを特徴とする、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置に存する。
【0008】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態に係わる、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置および打撃方法を、図面に基づいて詳細に説明する。
【0009】
[実施の形態1]
(打撃装置1)
図1および図2は、それぞれ本発明の一実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置1を示す断面図および正面図である。図1および図2において、支持板10に支柱11が立設され、該支柱11により円環状の前面板12が支持板10と平行に設置されている。前面板12には、前面板12に設けられた貫通穴13と同心円上で等間隔に、ゴム支持部14が設置され、ゴム支持部14に後記ゴム体30の一端が設置されている。
【0010】
また、鋼製の概ね半球21と、半球21に固定された強磁性材料により形成された円盤状の吸引板22により、打撃ヘッドが形成されている。また、吸引板22の外周に沿ってゴム取付部23が等間隔に設置され、ゴム取付部23に後記ゴム体30の一端が設置されている。
ゴム体30は、その両端が、それぞれゴム支持部14とゴム取付部23に設置されて、引っ張られた状態(伸びた状態)で放射状に配置され、打撃ヘッドを弾性的に支持している。つまり、打撃ヘッドは、前面板12と平行な面内で放射状に複数の方向(45°間隔で8方向)に引っ張られた状態にあって平衡している。
【0011】
このとき、吸引板22とゴム体30は、貫通穴13内に位置し、前面板12と略同一面内にある。一方、打撃ヘッドの半球21の先端(以下、打撃点と称す)は、貫通穴13の中心軸上に略位置し、該打撃点は、貫通穴13を貫通して、前面板12の支持板10とは反対の側に突出している。
【0012】
さらに、支持板10には、その中心が貫通穴13の中心と略一致する線上を移動自在な電磁石40が設置されている。電磁石40に設置されたピニオン41は、支持板10に設置されたラック42と噛み合って、図示しないピニオン回転手段により回転される。
したがって、電磁石40は、ピニオン41の回転(正転)により前面板12の位置にまで前進して吸引板22を吸引し、さらに、ピニオン41の回転(逆転)により該吸引状態のまま所定の距離だけ後退することができる。
【0013】
さらに、支柱11のひとつに固定腕52が設置され、固定腕52に緩衝材58を介して、打撃音を採取するためのマイクロフォン50が設置されている。緩衝材58は、後記する打撃音の採取(概ね2.2kHz以上をターゲットにしている)を阻害しないよう、比較的高い周波数の振動が伝搬されない程度の堅さで、略円錐台状である。
また、マイクロフォン50(可聴域20kHzまで)には、円筒状のフード51が設置されている。フード51は、外径70mmmの塩化ビニール管53と、塩化ビニール管53の内部に装入された、中間に厚さ2mmのゴム管54を挟さんだ外側の硬質スポンジ管55および内側の硬質スポンジ管56と、内側の硬質スポンジ管56(内径32mm)の内部に装入されたコルク管57(内径21mm、肉厚13mm)より形成されている(以下、図1の状態を初期状態と称す)。
なお、固定腕52、緩衝材58、フード51の数量や形状、材質等は前記するものに限定するものではない。また、マイクロフォン50は、支持板10あるいは前面板13に設置されてもよい。さらに、固定腕52を設けずに緩衝材58のみを介して設置してもよい。
【0014】
(打撃方法)
図3および図4は、本発明の一実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃方法を説明する断面図であって、図3は打撃直前の状態を、図4は打撃時の状態を示す。なお、前記図1の初期状態で説明したものと同じ部分には、これと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。
図3は、前記図1に示す初期状態にあった電磁石40が、ピニオン41の回転(正転)により前面板12の位置にまで前進して打撃ヘッド(半球21および吸引板22により形成されている)を吸引し、さらに、ピニオン41の回転(逆転)により吸引状態のまま所定の距離だけ後退した状態、すなわち、打撃直前の状態を示している(以下、図3の状態を待機状態と称す)。
【0015】
すなわち、打撃ヘッドは、初期状態から待機状態になることにより、所定の距離だけ移動することになるから、あらかじめ引っ張られたゴム体30は、初期状態において前面板12と平行であるものの、待機状態においては前面板12に対し所定の角度を形成して傾斜している。
したがって、待機状態において、ゴム体30の引張力は前面板12の法線方向(図3において、水平右方向)の分力を生じ、該分力(以下、打撃力と称す)が打撃ヘッドを前面板12の方向に引き寄せる力となる。このとき、ゴム体30は所定の長さだけ、さらに伸ばされているから、ゴム体30には、より大きな引張力が付与されている。
【0016】
なお、前記打撃力の大きさは、初期状態においてあらかじめ付与された引張力の大きさ、ゴム体30の数量やバネ係数、および伸ばされたゴム体30が前面板12に対して傾斜する角度、すなわち、電磁石40の後退距離等により決定されるもので、設計的事項である。
【0017】
なお、初期状態から待機状態(電磁石が励磁された状態)に移行するタイミングは、前面板12をコンクリートの表面90の打撃されるべき位置に、図示しないマニュプレータにより対峙させる前であっても、対峙させた後であってもよい。
なお、待機状態において、マイクロフォン50のフード51の前端面は、コンクリートの表面90に当接し、打撃音の採取を助けている。
【0018】
図4は、前記図3に示す待機状態にあったものが、電磁石40の励磁の停止に伴い、打撃ヘッドが、コンクリートの表面90を打撃している状態を示す断面図である。(以下、図4の状態を打撃状態と称す)。なお、前記図1の初期状態で説明したものと同じ部分には、これと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。すなわち、
【0019】
図4において、前面板12はコンクリートの表面90の打撃される位置に、図示しないマニュプレータにより対峙させられ、待機状態において電磁石40に吸引されて引き戻され打撃力が付与されている打撃ヘッドは、電磁石40の励磁が停止したため、電磁石40の吸引から開放され、前記打撃力によって、コンクリートの表面90に向けて飛び出し、やがて、半球21の打撃点がコンクリートの表面90に衝突している。
【0020】
なお、コンクリートの表面90を打撃した打撃ヘッドは、撥ね返えって、再度あるいは繰り返し打撃することになるが、健全度評価のための打撃音を採取する採取時間が短い場合(例えば、20msec程度の場合)には、2度目の打撃の前に該採取が完了するから、健全度評価の障害にならない。
【0021】
前記のように、本発明は、機械的な回転支持部を具備しないから、回転に伴う雑音の発生がない。また、打撃ヘッドの重量に比較してゴム体30の引張力を十分大きくしているため、打撃姿勢(打撃ヘッドの飛び出し方向、あるいは前面板12の法線方向に同じ)の如何にかかわらず、一定の打撃エネルギを保証することができる。
さらに、本発明は、電磁石40を前進させ励磁した後、後退して該励磁を停止するだけで、打撃ヘッドがコンクリートの表面を打撃するから、容易かつ迅速に、繰り返し多量のデータを採取することできる。
【0022】
なお、本発明は、引張力付与手段をゴム体に限定するものではなく、ゴム体に代えて、金属製あるいは樹脂製の引張バネを設置してもよい。
また、打撃ヘッドは、半球21と吸引板22を別個に成形して組み立てても、あるいは、一体成形してもよい。さらに、半球21に代えて、先端のみ球状に成形された略円柱や略円錐、あるいは、凸レンズ状の扁平体にしてもよい。
さらに、電磁石の駆動手段はラック/ピニオンに限定するものではなく、エンコーダや電動シリンダ等、あるいは、油圧シリンダと機械的ロック手段を組み合わせたものであってもよい。
【0023】
(データ採取方法)
次ぎに、本発明のコンクリートの健全度評価に用いる打撃装置1を使用した、コンクリート自体を伝播した伝播打撃音のデータ採取方法を説明する。
1.前記待機状態において、マイクロフォン50は、これを包囲したフード51がコンクリートの表面90に押し当てられ、採音可能な待機状態にある。
2.次ぎに、電磁石40の励磁の停止に伴い、打撃ヘッドが飛び出し、やがて、コンクリートの表面90を打撃する。
3.そして、該打撃に伴う打撃音をトリガーにして、所定時間(例えば、20msec)の間だけに、データを採取し、該採取したデータを健全度評価のための演算手段に送信する。
なお、該データの採取は、前記所定時間に代えて、初回の打撃の時から、撥ね返った打撃ヘッドが、コンクリートの表面90をゴム体30の引張力により2度打ちをするまでの間であってもよい。また、前記トリガーは、前記打撃音に代えて、電磁石40の励磁停止の信号を用いてもよいし、該信号から別途定める時間だけ遅れたタイミングであってもよい。
【0024】
[実施の形態2]
(打撃装置1)
図5は、本発明の他の実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置1を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。図5は、前記図1(前記実施の形態1)と略同じ構成であって、略同じ打撃方法により使用するものである。なお、前記図1で説明したものと同じ部分には、これと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。すなわち、
【0025】
図5において、あらかじめ引っ張られたゴム体30は、初期状態においても、前面板12に対し所定の角度を形成して傾斜している。このとき、ゴム体30の引張力は前面板12の法線方向(図5において、水平右方向)の分力を生じ、吸引板22は前面板12に設置されたストッパ15に押し当てられている。また、電磁石40は支持板10に固定されて前後進しない。したがって、電磁石40を励磁するだけで、初期状態から待機状態に移行する。
【0026】
次ぎに、待機状態(電磁石40が励磁した状態)においては、ゴム体30と前面板12が形成する角度がさらに大きくなり、かつ、ゴム体30はさらに伸ばされるから、該ゴム体30の前面板12の法線方向の分力(以下、打撃力と称する)は、初期状態に比較して大きなものになる。
また、ゴム体30と前面板12が形成する角度を、初期状態において比較的大きくしておけば、初期状態と待機状態との該角度の差が小さくなるため、待機状態(打撃開始時に同じ)から初期状態に至る間、特に、待機状態から打撃状態に至る間で、前記打撃力の減少が小さくなる。
したがって、本発明は、前記実施の形態1と同じ打撃方法によって使用することができ、かつ、同じ作用、効果を奏すものである。なお、電磁石40は、固定するものに限定するものではなく、前記実施の形態1と同様に前後進自在なものでもよい。
【0027】
[実施の形態3]
(打撃装置1)
図6は、本発明の他の実施の形態に係るコンクリートの健全度評価に用いる打撃装置1を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。図6において、前記図5(前記実施の形態2)で説明したものと同じ部分には、これと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。すなわち、
【0028】
図6は、前記図5におけるゴム体30を撤去して、代わりに、圧縮バネ60を支持板10と吸引板22の間で、貫通穴13と同心円上で等間隔に配置したものである。吸引板22の外径は、前面板12の貫通穴13の内径より大きいため、打撃ヘッドが前面板12を貫通して抜け出ることがない。図6に示す初期状態(電磁石40が励磁されていない状態)において、圧縮バネ60は圧縮された状態(反発力が付与された状態)で、吸引板22を前面板12側に押し出し、吸引板22を前面板12に設置されたストッパ15に押し付けている。
【0029】
すなわち、前記実施の形態2が、ゴム体30の引張力により打撃のための力が付与されたのに対し、本発明は、圧縮バネ60の反発力により打撃のための力が付与されるものである。したがって、前記実施の形態2に記載したゴム体30および引張力を、それぞれ圧縮バネ60および反発力と読みかえることができるから、本発明は、前記実施の形態2と同じ打撃方法によって使用することができ、かつ、同じ作用、効果を奏すものである。
なお、圧縮バネの材質は、ゴム、合成樹脂、金属等何れであってもよい。
さらに、電磁石40は、前記実施の形態1と同様に前後進自在なものでもよい。
【0030】
[実施の形態4]
(打撃装置1)
図7は、本発明の他の実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置1を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。図7において、前記図1(前記実施の形態1)で説明したものと同じ部分には、これと同じ符号を付し、一部の説明を省略する。すなわち、
【0031】
図7において、打撃ヘッドは、鋼球71と、球面状または円錐面状の凹部を具備する円盤状の吸引板72とから構成され、該二者は分離自在である。そして、吸引板72の外周に沿って等間隔に、後記引張バネ80の一端が設置されるバネ取付部73が設けられ、また、前面板12の貫通穴13と同心円上で等間隔に、後記引張バネ80の一端が設置されるバネ支持部16が設けられている。
引張バネ80は、その両端が、それぞれバネ取付部73とバネ支持部16に設置されて、引っ張られた状態(伸びた状態)で放射状に配置され、吸引板72を弾性的に支持している。つまり、吸引板72は、前面板12と平行な面内で放射状に複数の方向(例えば、45°間隔で8方向)に引っ張られた状態にあって平衡している。
【0032】
このとき、前記鋼球71の一部が、前記貫通穴13を貫通して、前記前面板12の支持板10とは反対の側に突出しているものの、前記鋼球71の外径が、前記前面板12の貫通穴13の内径より大きいため、前記鋼球71自体が前記前面板12を貫通して抜け出すことがない。すなわち、鋼球71は、初期状態においては、吸引板72の凹部と貫通穴13の内縁が形成する懐内に抱持され、待機状態においては、吸引板72を介して電磁石40に吸引され、打撃に際しては、吸引板72の凹部に押し付けられて飛び出すから、本打撃装置1から離脱することがない。
【0033】
したがって、▲1▼初期状態にあった電磁石40をピニオン41の回転(正転)により前記吸引板72の位置にまで前進させ、▲2▼電磁石40を励磁して鋼球71および吸引板72を吸引し、さらに、▲3▼ピニオン41の回転(逆転)により該吸引状態のまま所定の距離だけ後退し、そして、▲4▼電磁石40の励磁を停止する。との工程により、鋼球71がコンクリートの表面90を打撃するから、本発明は、前記実施の形態1と同じように使用することができ、かつ、同じ作用、効果を奏すものである。
特に、鋼球71が、回転自在であるから、打撃点が一箇所に限定されることがない。したがって、多数回の打撃によっても局部磨耗が抑えられるから、一定した打撃エネルギによる長期間の使用が可能になる。
【0034】
なお、本発明は、吸引板72を強磁性材料により形成されたものに限定するものではなく、ステンレスや樹脂等の非磁性材料によって形成されてもよい。このとき、吸引板72は、鋼球71とともに吸引される。さらに、引張バネの材質は、ゴム、合成樹脂、金属等何れであってもよい。
さらに、電磁石40は前後進自在なものに限定するものではなく、支持板10に固定されたものでもよい。
【0035】
【発明の効果】
本発明によれば、打撃のための力を、ゴム等の引張力または反発力により直接打撃ヘッドに付与し、かつ機械的な回転支持部を具備しない構成としたため、打撃に際して、雑音の発生がなく、かつ、打撃エネルギのバラツキを抑えることができるとの顕著な効果が得られる。
また、電磁石を励磁した後該励磁を停止するだけで、打撃ヘッドがコンクリートの表面を打撃するから、容易かつ迅速に、繰り返し多量のデータを採取することできる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。
【図2】本発明の一実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置を示す正面図であって、打撃方法における初期状態を示す。
【図3】本発明の一実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃方法を説明する断面図であって、打撃方法における打撃直前の状態(待機状態)を示す。
【図4】本発明の一実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置を示す断面図であって、打撃方法における打撃状態を示す。
【図5】本発明の他の実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。
【図6】本発明の他の実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。
【図7】本発明の他の実施の形態に係る、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置を示す断面図であって、打撃方法における初期状態を示す。
【符号の説明】
1 打撃装置
10 支持板
11 支柱
12 前面板
13 貫通穴
14 ゴム支持部
15 ストッパ
16 バネ支持部
21 半球
22 吸引板
23 ゴム取付部
30 ゴム体
40 電磁石
41 ピニオン
42 ラック
50 マイクロフォン
51 フード
52 固定腕
53 塩化ビニール管
54 ゴム管
55 外側の硬質スポンジ管
56 内側の硬質スポンジ管
57 コルク管
58 緩衝材
60 圧縮バネ
71 鋼球
72 吸引板
73 バネ取付部
80 引張ゴム
90 コンクリートの表面
Claims (6)
- コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、
前記コンクリートの表面に対峙する前面板と、
該前面板に支柱を介して設置された支持板と、
打撃点が球状で、前記コンクリートの表面を打撃する打撃ヘッドと、
前記前面板と該打撃ヘッドに両端が設置されて、引っ張られたゴム体と、
前記支持板に設置され、前記打撃ヘッドを吸引して該打撃ヘッドを前記前面板から遠ざける電磁石を有し、
該電磁石の吸引の停止により、前記打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃することを特徴とする、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置。 - 前記打撃ヘッドが、鋼球と、球面状または円錐状の凹部を有す吸引板とから構成され、
前記ゴム体の両端が、それぞれ該吸引板と前記前面板に設置され、かつ、該鋼球が回転自在であることを特徴とする請求項1記載の、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置。 - コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、
前記コンクリートの表面に対峙する前面板と、
該前面板に支柱を介して設置された支持板と、
打撃点が球状で、前記コンクリートの表面を打撃する打撃ヘッドと、
前記支持板と該打撃ヘッドの間に配置されて、圧縮された圧縮バネと、
前記支持板に設置され、前記打撃ヘッドを吸引して該打撃ヘッドを前記前面板から遠ざける電磁石を有し、
該電磁石の吸引の停止により、前記打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃し、前記打撃ヘッドが、鋼球と、球面状または円錐状の凹部を有す吸引板とから構成され、
前記圧縮バネが、該吸引板と前記支持板の間に配置され、かつ、該鋼球が回転自在であることを特徴とするコンクリートの健全度評価に用いる打撃装置。 - 前記打撃音を採取する円筒状フードを有すマイクロフォンが、緩衝材を介して設置され、
該円筒状フードが、塩化ビニール管と、該塩化ビニール管の内部に装入された、中間にゴム管が挟まれた硬質スポンジ管と、該硬質スポンジ管の内部に装入されたコルク管よりなることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置。 - コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、
打撃点が球状である打撃ヘッドを、ゴム体により前記コンクリートの表面に向けて引っ張る工程、または概表面と平行で放射状に複数の方向に引っ張る工程と、
該引っ張られた状態の打撃ヘッドを電磁石に吸引させて、前記コンクリートの表面から遠ざける工程と、
該電磁石の吸引を停止することにより、該遠ざけられていた打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃する工程
を有す、コンクリートの健全度評価に用いる打撃方法。 - コンクリートの表面を打撃した際に発する打撃音を解析することにより、該コンクリートの健全度を評価するコンクリートの健全度評価において、
前記コンクリートの表面に対峙する前面板と、
該前面板に支柱を介して設置された支持板と、
打撃点が球状で、前記コンクリートの表面を打撃する打撃ヘッドと、
前記前面板と該打撃ヘッドに両端が設置されて、引っ張られたゴム体と、
前記支持板に設置され、前記打撃ヘッドを吸引して該打撃ヘッドを前記前面板から遠ざける電磁石を有し、
該電磁石の吸引の停止により、該ゴム体による引張力の前記前面板に対する法線方向分力により前記打撃ヘッドが前記コンクリートの表面を打撃することを特徴とする、コンクリートの健全度評価に用いる打撃装置。
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