JP3828065B2 - ダイカスト用金型 - Google Patents

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Description

【0001】
【技術分野】
本発明は,3つの型を使用して,薄肉のダイカスト品又は複雑な形状を有するダイカスト品の成形を可能にする3枚型構造のダイカスト用金型に関する。
【0002】
【従来技術】
ダイカスト品を成形するダイカスト用金型としては,溶湯を注湯する連結スリーブを有する固定型とこの固定型に対して移動可能な可動型とを有し,上記固定型と可動型との間に形成したキャビティにダイカスト品を成形する2枚型構造のものがほとんどである。これに対し,発明者は,上記固定型と可動型との間に中間型を設けた3枚型構造のダイカスト用金型を発明した。
【0003】
そして,この3枚型構造のダイカスト用金型においては,上記連結スリーブより注湯した溶湯を,上記固定型と上記中間型との間に形成したランナー及び,上記中間型に形成したピンゲートを介して,上記中間型と上記可動型との間に形成したキャビティに充填する。その後,上記固定型に対して中間型を移動させ,次いで,中間型に対して可動型を移動させて,上記キャビティに成形したダイカスト品を取り出している。
【0004】
なお,この出願の発明に関連する先行技術文献情報としては次のものがある。
【特許文献1】
特開昭58−199131号公報
【特許文献2】
特開平3−136822号公報
【0005】
【解決しようとする課題】
上記3枚型構造のダイカスト用金型は,肉厚が例えば1.5〜4mmの薄肉のダイカスト品又は形状が複雑なダイカスト品を,鋳込み不良の発生を防止して,成形することができるものである。そのため,肉厚が例えば4mmを超える厚肉のダイカスト品又は形状があまり複雑でないダイカスト品を成形する場合には適していない。そして,この場合には,従来の2枚型構造のダイカスト用金型を使用した方が構造が単純であるため,取扱いが容易であり,メンテナンス等を容易にする。
すなわち,上記2枚型構造のダイカスト用金型と上記3枚型構造のダイカスト用金型とは,いずれも一長一短がある。そのため,これらの長所を合わせ持つダイカスト用金型が望まれている。
【0006】
本発明は,かかる従来の問題点に鑑みてなされたもので,各ダイカスト品の形状に合わせて,3枚型構造と2枚型構造との間で適宜変更することができ,各ダイカスト品に対して最適な成形を行うことができるダイカスト用金型を提供しようとするものである。
【0007】
【課題の解決手段】
第1の発明は,溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,上記中間型と上記可動型との間には,上記延設スリーブと上記キャビティとを接続するための第2ランナーが形成してあり,かつ上記延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあると共に,上記第2ランナーにはこれを埋める第2ランナー用入子が嵌入してあり,
また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
上記ダイカスト用金型は,上記固定型を取り外すと共に,上記延設スリーブ及び上記第2ランナーにそれぞれ嵌入した上記延設スリーブ用入子及び上記第2ランナー用入子を取り外し,また,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して他のキャビティを形成することにより,上記中間型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型にある(請求項1)。
【0008】
本発明のダイカスト用金型は,成形するダイカスト品の形状に合わせて,上記3枚型構造と上記2枚型構造とに変更可能にするものである。また,これを実現するために,3枚型構造を形成した際に,上記キャビティを取替え可能な入子に形成すると共に,2枚型構造を形成した際に使用する所定の位置に入子構造を形成している。
【0009】
すなわち,上記3枚型構造のダイカスト用金型は,上記固定型,中間型及び可動型よりなり,上記中間型に設けた上記延設スリーブと,上記中間型と上記可動型との間に設けた上記第2ランナーとには,それぞれ上記延設スリーブ用入子と上記第2ランナー用入子とが嵌入してある。また,上記キャビティは,上記中間型用入子と上記可動型用入子との間に形成してある。こうして,上記3枚型構造のダイカスト用金型においては,上記連結スリーブから上記第1ランナーを介して上記キャビティへと連通する溶湯の湯路が形成されている。
【0010】
そして,上記ダイカスト用金型は,上記2枚型構造を形成する際には,上記固定型を取り外すと共に上記延設スリーブ用入子及び上記第2ランナー用入子を取り外し,上記ピンゲートを上記ピンゲート部入子により埋める。また,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を,他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して他のキャビティを形成する。こうして,上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成した際には,上記延設スリーブから上記第2ランナーを介して上記第2キャビティへと連通する溶湯の湯路を形成することができる。
【0011】
上記のようにして,上記3枚型構造を形成した際の固定型及び中間型を用いて,3枚型構造形成時に成形するダイカスト品とは異なるダイカスト品を成形するための2枚型構造を形成することができる。そのため,同じダイカスト用金型を用いて,異なる形状のダイカスト品を成形することができる。
【0012】
ところで,肉厚が例えば1.5〜4mmの薄肉のダイカスト品又は形状が複雑なダイカスト品を成形する際には,一般に鋳込みが困難である。そこで,この際には,上記3枚型構造のダイカスト用金型を形成し,鋳込みが困難なキャビティの各部に上記ピンゲートを介して直接溶湯を充填することができる。そのため,この際には,鋳込み不良の発生を防止して,高品質なダイカスト品を成形することができる。
【0013】
一方で,肉厚が例えば4mmを超える厚肉のダイカスト品又は形状があまり複雑でないダイカスト品を成形する際には,一般に鋳込みがそれほど困難ではない。そこで,この際には,構造が単純である上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成し,その取扱いを容易にしてメンテナンス性等を向上させることができる。
【0014】
このように,本発明のダイカスト用金型は,上記3枚型構造を形成した際の優れた特徴と,上記2枚型構造を形成した際の優れた特徴とを合わせ持つことができる。すなわち,本発明のダイカスト用金型によれば,各ダイカスト品の形状に合わせて,上記3枚型構造と2枚型構造との間で適宜変更することができ,各ダイカスト品に対して最適なダイカスト用金型を形成することができる。
【0015】
第2の発明は,溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,該延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあり,
また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
上記ダイカスト用金型は,上記固定型を取り外すと共に,上記延設スリーブに嵌入した上記延設スリーブ用入子を取り外し,また,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して,他のキャビティ及びこれと上記延設スリーブとを接続する第2ランナーを形成することにより,上記中間型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型にある(請求項2)。
【0016】
本発明においては,上記第2ランナーは,上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成する際に,上記他の中間型用入子又は上記他の可動型用入子の少なくとも一方により形成する。つまり,本発明においては,上記3枚型構造のダイカスト用金型における上記中間型と上記可動型との間に直接上記第2ランナーを形成していないため,上記第1の発明で示したような第2ランナー用入子を設ける必要がなく,入子構造が簡単である。その他,本発明においても,上記第1の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0017】
第3の発明は,溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,上記中間型と上記可動型との間には,上記延設スリーブと上記キャビティとを接続するための第2ランナーが形成してあり,かつ上記延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあると共に,上記第2ランナーにはこれを埋める第2ランナー用入子が嵌入してあり,
また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
上記ダイカスト用金型は,上記延設スリーブ及び上記第2ランナーにそれぞれ嵌入した上記延設スリーブ用入子及び上記第2ランナー用入子を取り外し,また,上記固定型に嵌入する固定型用入子により上記第1ランナーを埋めると共に,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して他のキャビティを形成することにより,上記固定型と上記中間型との間は閉じた状態で両者に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型にある(請求項3)。
【0018】
本発明のダイカスト用金型もまた,成形するダイカスト品の形状に合わせて,上記3枚型構造と上記2枚型構造とに変更可能にするものである。
そして,本発明では,上記2枚型構造は,上記固定型,上記中間型及び上記可動型を用いて形成する。また,上記固定型及び上記中間型を固定して,これらに対して上記可動型を移動させる。
【0019】
本発明においては,上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成する場合に,上記3枚型構造のダイカスト用金型と同じように上記固定型,中間型及び可動型を用いるため,上記3枚型構造から2枚型構造への変更が容易である。
本発明のダイカスト用金型によっても,上記発明と同様に,上記3枚型構造と2枚型構造とに適宜変更することができ,各ダイカスト品に対して最適なダイカスト用金型を形成することができる。
【0020】
第4の発明は,溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,該延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあり,
また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
上記ダイカスト用金型は,上記延設スリーブに嵌入した上記延設スリーブ用入子を取り外し,また,上記固定型に嵌入する固定型用入子により上記第1ランナーを埋めると共に,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して,他のキャビティ及びこれと上記延設スリーブとを接続する第2ランナーを形成することにより,上記固定型と上記中間型との間は閉じた状態で両者に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型にある(請求項4)。
【0021】
本発明においては,上記第2ランナーは,上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成する際に,上記他の中間型用入子及び上記他の可動型用入子により形成する。つまり,本発明においては,上記3枚型構造のダイカスト用金型における上記中間型と上記可動型との間に直接上記第2ランナーを形成していないため,上記第3の発明で示したような第2ランナー用入子を設ける必要がなく,入子構造が簡単である。その他,本発明においても,上記第3の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0022】
第5の発明は,溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
上記中間型と上記可動型との間には,上記連結スリーブと上記キャビティとを接続するための第2ランナーが形成してあると共に,該第2ランナーにはこれを埋める第2ランナー用入子が嵌入してあり,
また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあると共に,上記第1ランナーは,上記固定型に対して着脱可能に嵌入した固定型用入子と,上記中間型との間に形成してあり,
上記ダイカスト用金型は,上記中間型を取り外すと共に上記第2ランナーに嵌入した上記第2ランナー用入子を取り外し,かつ,上記固定型用入子の他の固定型用入子への交換,又は上記固定型用入子及び上記可動型用入子のそれぞれ他の固定型用入子及び他の可動型用入子への交換を行って,上記第1ランナーを埋めると共に他のキャビティを形成することにより,上記固定型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型にある(請求項5)。
【0023】
本発明のダイカスト用金型もまた,成形するダイカスト品の形状に合わせて,上記3枚型構造と上記2枚型構造とに変更可能にするものである。
そして,本発明においては,上記2枚型構造は,上記中間型を取り外して,上記固定型と上記可動型とを用いて形成する。また,本発明においては,上記第1ランナーは,上記固定型用入子を用いて形成されており,2枚型構造形成時には,上記固定型用入子と上記他の固定型用入子とを交換する。
【0024】
また,本発明の3枚型構造のダイカスト用金型においては,上記中間型には,上記延設スリーブが形成されておらず,上記延設スリーブ用入子が不要である。そのため,本発明によれば,極めて容易に上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができる。
本発明のダイカスト用金型によっても,上記第1の発明と同様に,上記3枚型構造と2枚型構造とに適宜変更することができ,各ダイカスト品に対して最適なダイカスト用金型を形成することができる。
【0025】
第6の発明は,溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあると共に,上記第1ランナーは,上記固定型に対して着脱可能に嵌入した固定型用入子と,上記中間型との間に形成してあり,
上記ダイカスト用金型は,上記中間型を取り外し,かつ,上記固定型用入子の他の固定型用入子への交換,又は上記固定型用入子及び上記可動型用入子のそれぞれ他の固定型用入子及び他の可動型用入子への交換を行って,上記第1ランナーを埋めると共に,他のキャビティ及びこれと上記連結スリーブとを接続する第2ランナーを形成することにより,上記固定型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型にある(請求項6)。
【0026】
本発明においては,上記第2ランナーは,上記2枚型構造のダイカスト用金型を形成する際に,上記他の中間型用入子及び上記他の可動型用入子により形成する。つまり,本発明においては,上記3枚型構造のダイカスト用金型における上記中間型と上記可動型との間に直接上記第2ランナーを形成していないため,上記第5の発明で示したような第2ランナー用入子を設ける必要がなく,入子構造が簡単である。その他,本発明においても,上記第5の発明と同様の作用効果を得ることができる。
【0027】
【発明の実施の形態】
上述した本発明における好ましい実施の形態につき説明する。
上記第1〜第6の発明において,上記ダイカスト用金型は,アルミニウム製のダイカスト品を成形することができる。この場合には,上記3枚型構造の形成時においては,例えば,1.5〜4mmの厚みを有する薄肉のダイカスト品を容易に成形することができ,ダイカスト品の軽量化を図ることもできる。
【0028】
また,上記可動型には,上記キャビティに成形したダイカスト品を該キャビティから押し出す複数の押出しピンと,上記3枚型構造を形成した際と上記2枚型構造を構成した際とにおいて,上記複数の押出しピンのうち使用する押出しピンを変更する使用ピン変更手段とが設けてあることが好ましい(請求項7)。
この場合には,上記3枚型構造形成時において成形したダイカスト品又は上記2枚型構造形成時において成形したダイカスト品の各ダイカスト品に合わせて,所定の位置の押出しピンを使用することができる。そのため,成形時のダイカスト品の形状にできるだけ影響を及ぼさない位置に上記押出しピンを配置することができる。
【0029】
また,上記ダイカスト用金型は,上記キャビティの周辺に該キャビティにおける表面温度を調節するためのバーナユニットを有していることが好ましい(請求項8)。この場合には,成形前あるいは成形初期(成形回数が少ない段階)においてキャビティの表面温度が低くなっているときでも,上記バーナユニットにより上記キャビティの表面を加熱して,良好な成形を行うことができる。
【0030】
また,上記バーナユニットを配設する際には,上記キャビティの周辺には,上記バーナユニットを挿入配置可能な挿入配置穴が複数形成してあり,上記バーナユニットは,上記各挿入配置穴同士の間で配置変更可能であることが好ましい(請求項9)。この場合には,上記バーナユニットは,上記3枚型構造形成時のキャビティ又は上記2枚型構造形成時のキャビティの形状に合わせて,各挿入配置穴同士の間で配置変更をすることができる。そのため,上記キャビティの表面温度を一層最適に調節することができる。
【0031】
また,上記ダイカスト用金型には,上記3枚型構造を形成した際に上記中間型より上記第1ランナーに成形した鋳造物を離型するときに,該鋳造物を加圧することにより,これを上記ピンゲートに成形した鋳造物より切断する加圧シリンダーが設けてあることが好ましい(請求項10)。
この場合には,上記3枚型構造形成時に,上記固定型に対して上記中間型を移動させたときに現れる上記第1ランナーに成形した鋳造物を,上記ピンゲートに成形した鋳造物より確実に離型することができる。
【0032】
また,上記キャビティにおいて成形するダイカスト品は,自動車の前方において自動車用部品を取り付けると共にエンジンを支持するためのフロントエンドパネルであることが好ましい(請求項11)。
この場合には,複数種類のフロントエンドパネルを,上記3枚型構造を用いたキャビティ又は上記2枚型構造を用いたキャビティにより,高品質又は短時間のいずれかの特徴を生かして成形することができる。
【0033】
また,上記3枚型構造を形成した際には,本体部と,該本体部を貫通するように設けられた中空穴部と,該中空穴部内において上記本体部から離隔して配設された島状部と,該島状部と上記本体部とを接続する骨部とを有するダイカスト品を成形することができる。この場合には,鋳込み不良が生じやすい上記島状部及び骨部を成形するキャビティの部分に上記ピンゲートを介して溶湯を直接導入することができる。そのため,上記のように複雑な形状を有するダイカスト品であっても,高品質な成形を行うことができる。
【0034】
一方で,上記2枚型構造を形成した際には,上記中空穴部,島状部及び骨部を有しないダイカスト品を成形することができる。この場合には,このダイカスト品の形状はあまり複雑でないので,短時間で鋳込み不良の発生がほとんどないダイカスト品の成形を行うことができる。
【0035】
【実施例】
以下に,図1〜図18を用いて本発明の3枚型構造のダイカスト用金型にかかる実施例につき説明する。
(実施例1)
本例の3枚型構造のダイカスト用金型1は,図1に示すごとく,溶湯7を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブ52を有する固定型2と,この固定型2に対して移動可能な中間型3と,この中間型3に対して移動可能な可動型4とを有する。そして,上記ダイカスト用金型1は,上記中間型3と上記可動型4との間には上記溶湯7を充填して第1ダイカスト品61を成形する第1キャビティ51を有している。また,上記固定型2と上記中間型3との間には上記連結スリーブ52に接続された第1ランナー53を有しており,上記中間型3内には上記第1ランナー53と上記第1キャビティ51とを接続するピンゲート54を有している。
【0036】
また,図1,図6に示すごとく,上記中間型3には,上記連結スリーブ52の延長上に設けた延設スリーブ57が形成してあると共に,この延設スリーブ57にはこれを埋める延設スリーブ用入子33が嵌入してある。
また,上記第1キャビティ51は,上記中間型3に対して着脱可能に嵌入した中間型用第1入子31と,上記可動型4に対して着脱可能に嵌入した可動型用第1入子41との間に形成してある。
【0037】
上記ダイカスト用金型1は,以下の入子及び入子の交換及び配置を行うことにより,上記3枚型構造を,上記中間型3と上記可動型4とを用いた2枚型構造に変更することができる。すなわち,この2枚型構造を形成する際には,図7に示すごとく,上記固定型2を取り外すと共に,上記延設スリーブ57に嵌入した上記延設スリーブ用入子33を取り外す。そして,上記中間型3に嵌入するピンゲート部入子36により上記ピンゲート54を埋める。さらに,上記中間型用第1入子31及び上記可動型用第1入子41を,それぞれ他の中間型用第2入子32及び他の可動型用第2入子42に交換する。
【0038】
これにより,図8に示すごとく,第2ダイカスト品62を成形する第2キャビティ56を形成し,かつ,上記中間型用第2入子32と上記可動型用第2入子42との間に形成した第2ランナー58により上記延設スリーブ57と上記第2キャビティ56とを接続する。
こうして,上記中間型3に対して上記可動型4を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型1を形成することができる。
【0039】
次に,上記第1ダイカスト品61及び第2ダイカスト品62につき詳説する。図12に示すごとく,本例のダイカスト用金型1によって成形する第1,第2ダイカスト品61,62は,自動車用のフレームを構成する部品の1つであるフロントエンドパネルである。このフロントエンドパネルは,自動車の前方においてラジエータ,コンデンサ,バンパ及びライト等を取り付けるためのフレーム部品である。また,本例のフロントエンドパネルは,自動車のエンジンを支持するためのエンジン支持部としての機能も有している。
また,本例のダイカスト用金型1では,アルミダイカストを行い,アルミニウム製のフロントエンドパネルを成形する。
【0040】
同図に示すごとく,上記3枚型構造のダイカスト用金型1における第1キャビティ51に成形する第1フロントエンドパネル(第1ダイカスト品61)は,本体部63と,この本体部63を貫通するように設けられた中空穴部64と,この中空穴部64内において上記本体部63から離隔して配設された島状部641と,この島状部641と上記本体部63とを接続する骨部642とを有するものである。上記中空穴部64は,ファンを取り付ける部分であり,上記島状部641は上記ファンのモータを取り付ける部分である。また,上記骨部642は,上記ファンのモータを支持するステーである。また,上記中空穴部64の周辺には,滑らかな曲面を有するシュラウド631が形成されている。
【0041】
図13に示すごとく,上記2枚型構造のダイカスト用金型1における第2キャビティ56に成形する第2フロントエンドパネル(第2ダイカスト品62)は,上記島状部641及び骨部642を有しておらず,その他は上記第1フロントエンドパネルと同様である。
【0042】
次に,本例の3枚型構造のダイカスト用金型1につき詳説する。
図14は,上記3枚型構造のダイカスト用金型1における第1キャビティ51に成形した第1ダイカスト品61の一部分と,ダイカスト時に溶湯7の湯路に形成された各鋳物73,74とが繋がれている状態の説明図であり,ダイカスト用金型1における第1キャビティ51,第1ランナー53及び連結スリーブ52の一部(図14中カッコ書きで示す。)等の符号も示した図である。
【0043】
同図に示すごとく,上記第1キャビティ51は,上記第1ダイカスト品61の本体部63を成形する本体部キャビティ511と,上記第1ダイカスト品61の中空穴部64内の島状部641及び骨部642を成形する中空穴部キャビティ513とよりなる。
また,上記第1ランナー53は,上記本体部キャビティ511に溶湯7を導くための本体部ランナー531と,上記中空穴部キャビティ513に溶湯7を導くための中空穴部ランナー532とよりなる。また,上記本体部ランナー531は,上記本体部キャビティ511の外形形状に沿って形成されており,上記中空穴部ランナー532は,その先端部分が上記中空穴部64の円形状に倣って円弧状に形成されている。
【0044】
図14に示すごとく,上記ピンゲート54は,上記本体部ランナー531に開口する本体部ピンゲート541と,上記中空穴部ランナー532に開口する中空穴部ピンゲート542とよりなる。これらのピンゲート541,542は,上記本体部キャビティ511又は上記中空穴部キャビティ513にできるだけ均一に溶湯7を導くために,それぞれ複数設けてある。
また,図1に示すごとく,上記各ピンゲート541,542は,上記固定型2から可動型4に向かって,すなわち第1キャビティ51に向かって流路面積が拡大するテーパ状に形成した。
【0045】
図14に示すごとく,上記本体部キャビティ511及び上記中空穴部キャビティ513には,これらへの溶湯7の入口となる本体部ゲート512及び中空穴部ゲート514がそれぞれ形成してある。これらのゲート512,514は,それぞれ複数形成してある。そして,上記本体部キャビティ511には後述するバランスランナー55より長尺状の本体部ゲート512が接続してあり,上記中空穴部キャビティ513には上記中空穴部ピンゲート542より複数に分岐した上記中空穴部ゲート514が接続してある。
【0046】
また,上記複数の本体部ピンゲート541は,上記本体部キャビティ511の側方,すなわち上記中間型3と上記可動型4との間に設けたバランスランナー55に開口している。このバランスランナー55は,上記複数の本体部ピンゲート541を流れる溶湯7が,上記各本体部ゲート512から上記本体部キャビティ511に対してできるだけタイミングを合わせて充填されるようにするためのものである。
そして,上記本体部ランナー531を流れる溶湯7は,上記複数の本体部ピンゲート541を介して上記バランスランナー55に流れ,このバランスランナー55から上記本体部ゲート512を介して上記本体部キャビティ511に充填される。
【0047】
また,上記複数の中空穴部ゲート514は,上記中空穴部キャビティ513の側方,すなわち上記中間型3と上記可動型4との間に形成されている。そして,上記中空穴部ランナー532を流れる溶湯7は,上記複数の中空穴部ピンゲート542より上記各中空穴部ゲート514に分岐して流れ,この各中空穴部ゲート514を介して上記中空穴部キャビティ513に充填される。
【0048】
図6に示すごとく,上記ピンゲート54は,上記中間型3に対して着脱可能に嵌入したピンゲート形成入子35内に形成してある。また,上記第1ランナー53は,上記固定型2に対して着脱可能に嵌入した固定型用第1入子21に形成してある。
また,上記延設スリーブ用入子33は,上記中間型3に対して着脱可能に嵌入した中間型用スリーブ入子34内に形成してある。
【0049】
また,上記連結スリーブ52は,固定型2に着脱可能に嵌入した固定型用スリーブ入子23に形成してあり,射出スリーブ11に対して連結されている。
また,射出スリーブ11には,これに溶湯7を注湯する注湯口111が連通している。そして,上記射出スリーブ11には,この射出スリーブ11及び上記連結スリーブ52に対して移動を行って,射出スリーブ11内に注湯された溶湯7を上記第1キャビティ51又は第2キャビティ56へ向けて押し出す射出プランジャー12が配設されている。
【0050】
なお,同図に示すごとく,上記第1キャビティ51は,上記中間型用第1入子31において上記可動型用第1入子41と対向する対向面311と,上記可動型用第1入子41において上記中間型用第1入子31と対向する対向面411とにそれぞれ設けた凹部312,412を対向させることにより形成される。このことは,後述する第2キャビティ56についても同様である。
また,上記第1ランナー53は,上記固定型用第1入子21において上記中間型3と対向する対向面211に形成した凹部212により形成されている。
【0051】
また,図1に示すごとく,上記可動型4には,上記第1キャビティ51又は第2キャビティ56に成形した各ダイカスト品61,62をそれぞれ第1キャビティ51又は第2キャビティ56から押し出す複数の押出しピン43が設けてある。この複数の押出しピン43は,複数の押出しプレート44にそれぞれ配設してある。図示は省略するが,3枚型構造形成時と2枚型構造形成時とにおいて使用する押出しピン43の位置が異なり,上記押出しプレート44は複数に分割してある。また,この押出しプレート44は,加圧手段(図示略)により移動するよう構成してある。
【0052】
また,上記可動型4には,上記3枚型構造を形成した際と上記2枚型構造を形成した際とにおいて,上記複数の押出しピン43のうち使用する押出しピン43を変更する使用ピン変更手段(図示略)が設けてある。この使用ピン変更手段は,上記複数に分割した押出しプレート44の連結及び連結の解除を行う連結手段である。
【0053】
本例では,図14に示すごとく,上記3枚型構造を形成した際には,上記複数の押出しピン43(図14中破線で示す。)は,上記本体部ピンゲート541に接続された上記バランスランナー55等に接触するものと,上記中空部ゲート514に成形した鋳物又は上記中空穴部ピンゲート542に成形したピンゲート鋳物74等に接触するものとがある。また,上記バランスランナー55等に接触する押出しピン43の多くは,バランスランナー55において本体部ピンゲート541に成形したピンゲート鋳物74に対応する位置に接触させることができる。
【0054】
一方で,図15に示すごとく,上記2枚型構造を形成した際には,上記複数の押出しピン43(図15中破線で示す。)は,上記第2ランナー58及び延設スリーブ57の一部に成形した第2ランナースリーブ鋳物77に接触するよう構成してある。
【0055】
また,図1に示すごとく,上記3枚型構造のダイカスト用金型1は,上記第1キャビティ51の周辺にこの第1キャビティ51における表面温度を調節するためのバーナユニット14を有している。
また,上記第1キャビティ51の周辺には,上記バーナユニット14を挿入配置可能な挿入配置穴59が複数形成してあり,上記バーナユニット14は,上記各挿入配置穴59同士の間で配置変更可能になっている。
【0056】
そして,成形前あるいは成形初期(成形回数が少ない段階)において第1キャビティ51の表面温度が低くなっているとき,上記バーナユニット14により上記第1キャビティ51の表面を加熱して,その温度を成形に適した温度(本例では,150〜250℃)にすることができる。また,上記バーナユニット14は,各挿入配置穴59同士の間で配置変更をすることができ,上記第1キャビティ51の表面温度を一層最適に調節することができる。
なお,上記バーナユニット14による効果は,上記2枚型構造のダイカスト用金型1において第2キャビティ56を形成した場合にも同様に得られる。
【0057】
また,図1,図6に示すごとく,上記中間型3には,上記第1ランナー53及び連結スリーブ52の一部に成形した第1ランナースリーブ鋳物73を加圧することができる加圧シリンダー15が設けてある。そして,この加圧シリンダー15により,上記3枚型構造を形成した際に上記中間型3より上記第1ランナースリーブ鋳物73を離型するときに,この第1ランナースリーブ鋳物73を加圧して,これを上記ピンゲート54に成形したピンゲート鋳物74より切断することができる。これにより,上記第1ランナースリーブ鋳物53を,上記ピンゲート鋳物74より確実に離型することができる。
【0058】
また,図示は省略するが,上記3枚型構造形成時及び上記2枚型構造形成時のダイカスト用金型1は,従来のダイカスト金型と同様にして,上記第1キャビティ51又は第2キャビティ56内を真空状態にするための真空装置を有している。また,上記ダイカスト用金型1は,上記溶湯7を充填する際に,上記第1キャビティ51又は第2キャビティ56よりガスを外部に排気するためのガス抜き口,及び上記第1キャビティ51又は第2キャビティ56の容積に対して過剰な量の溶湯7が上記ガス抜き口に流れ出ないようにするためのカットオフピン等も有している。
【0059】
また,上記固定型2と上記可動型4とは,それぞれベースプレート13に固定してある。また,上記ダイカスト用金型1は,ダイカストマシン(図示略)に配設して上記中間型3及び可動型4の移動が可能になる。
なお,本例では,上記加圧シリンダー15は,上記中間型3に設けてあるが,これは上記ダイカストマシンに設けてあっても勿論よい。
【0060】
次に,図1〜図5及び図14を用いて,上記3枚型構造のダイカスト用金型1により第1ダイカスト品61を成形する方法につき詳説する。
図1に示すごとく,まず,上記射出スリーブ11及び上記連結スリーブ52内に,上記注湯口111を介して溶湯7を注湯する。そして,図2に示すごとく,この溶湯7を射出プランジャー12により上記第1ランナー53,すなわち上記本体部ランナー531及び中空穴部ランナー532へと押し出す。
【0061】
上記溶湯7は,図14に示すごとく,上記本体部ランナー531より上記本体部ピンゲート541及びバランスランナー55を流れて,本体部ゲート512より上記本体部キャビティ511に充填される。また,上記溶湯7は,上記中空穴部ランナー532より上記中空穴部ピンゲート542を流れて,中空穴部ゲート514より上記中空穴部キャビティ513に充填される。
【0062】
こうして,同図に示すごとく,上記溶湯7は,上記本体部キャビティ511と上記中空穴部キャビティ513とのいずれにも直接充填することができる。そのため,とくに,湯路断面積が小さく溶湯7が流れ難い上記中空穴部キャビティ513に優先的に溶湯7を充填することができる。
そのため,上記島状部641及び骨部642を成形するための複雑な形状の中空穴部キャビティ513に溶湯7を充填する際においても,上記ピンゲート54を形成した3枚型構造の形成により,鋳込み不良等の発生を防止して,高品質な第1ダイカスト品61を成形することができる。
【0063】
そして,上記のようにして,上記第1キャビティ51への鋳込みを行い,上記第1フロントエンドパネルの形状を有する第1ダイカスト品61が成形される。また,上記第1ランナー53及び上記連結スリーブ52の一部には,これらの形状に沿った第1ランナースリーブ鋳物73が成形され,上記各ピンゲート541,542には,これらの形状に沿った各ピンゲート鋳物74が成形される。また,上記バランスランナー55にはバランスランナー鋳物75が成形される。
【0064】
次いで,上記第1ダイカスト品61を成形した後には,図3に示すごとく,上記固定型2に対して,上記中間型3及び可動型4を一体的に移動させて,固定型2と中間型3との間を開く。このとき,上記第1ランナースリーブ鋳物73は,上記ピンゲート鋳物74に繋がったまま中間型3及び可動型4と共に移動する。
【0065】
次いで,図4に示すごとく,上記中間型3における上記加圧シリンダー15により,上記第1ランナースリーブ鋳物73を加圧して,これを上記各ピンゲート鋳物74より切断し,落下させる。
次いで,同図に示すごとく,上記中間型3に対して上記可動型4を移動させ,中間型3と可動型4との間を開く。このとき,上記各ピンゲート鋳物74が上記中間型3より離型され,この各ピンゲート鋳物74,上記バランスランナー鋳物75及び上記第1ダイカスト品61が上記可動型4と共に移動する。また,上記各ピンゲート鋳物74の離型は,上記各ピンゲート541,542の形状が上記第1キャビティ51に向かって流路面積が拡大するテーパ状であることにより円滑に行われる。
【0066】
なお,本例では,上記第1ランナースリーブ鋳物73を上記各ピンゲート鋳物74より確実に切断するために,上記加圧シリンダー15を用いて上記切断を行った。これに対して,この切断は,上記可動型4を上記中間型3より移動させるときに,上記第1ランナースリーブ鋳物73を上記中間型3に引っ掛けることにより行ってもよい。
【0067】
次いで,図5に示すごとく,上記押出しプレート44に配設した複数の押出しピン43を同時に移動させる。そして,上記ピンゲート鋳物74が繋がったままの第1ダイカスト品61を,上記可動型4より離型させる。その後,図12に示すごとく,第1ダイカスト品61より上記ピンゲート鋳物74及び上記バランスランナー鋳物75等の不要部分を除去して最終の第1ダイカスト品61が得られる。
【0068】
次に,上記3枚型構造のダイカスト用金型1(図6参照)より,2枚型構造のダイカスト用金型1(図7参照)を形成する方法につき詳説する。
図7に示すごとく,上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する際には,上記固定型2を上記ベースプレート13より取り外し,替わりに上記中間型3をこのベースプレート13に取り付ける。また,上記ピンゲート54を形成したピンゲート形成入子35を上記中間型3より取り外し,替わりに上記ピンゲート54を形成していないピンゲート部入子36を上記中間型3に嵌入する。これにより,上記ピンゲート54を埋める。
また,上記中間型3より上記延設スリーブ用入子33を取り外し,この中間型3に上記連結スリーブ52に繋がる上記延設スリーブ57を形成する。
【0069】
また,上記第1キャビティ51を形成するための中間型用第1入子31及び可動型用第1入子41を,それぞれ上記第2キャビティ56を形成するための中間型用第2入子32及び他の可動型用第2入子42に交換する。
また,本例の第2ランナー58は,上記可動型用第2入子42において上記中間型3と対向する対向面421に形成した凹部422により形成されている。
このようにして,図8に示すごとく,上記連結スリーブ52から上記延設スリーブ57及び上記第2ランナー58を介して上記第2キャビティ56へと連通する溶湯7の湯路を形成することができ,上記中間型3に対して上記可動型4を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型1を形成することができる。
【0070】
図15は,上記2枚型構造のダイカスト用金型1における第2キャビティ56に成形した第2ダイカスト品62の一部分と,ダイカスト時に溶湯7の湯路に形成された各鋳物75,77とが繋がれている状態の説明図であり,ダイカスト用金型1における第2キャビティ56,第2ランナー58及び延設スリーブ57(図15中カッコ書きで示す。)等の符号も示した図である。
【0071】
次に,図8〜図11及び図15を用いて,上記2枚型構造のダイカスト金型により第2ダイカスト品62を成形する方法につき詳説する。
図8に示すごとく,まず,上記射出スリーブ11及び上記延設スリーブ57内に,上記注湯口111を介して溶湯7を注湯する。そして,図9に示すごとく,この溶湯7を射出プランジャー12により上記第2ランナー58へと押し出す。そして,上記溶湯7は,図15に示すごとく,上記第2ランナー58を流れて,上記第2キャビティ56に充填される。
【0072】
こうして,上記溶湯7は,上記3枚型構造のダイカスト用金型1において形成したピンゲート54やバランスランナー55等を介すことなく,上記第2キャビティ56に充填される。そのため,この充填を行う際に要する時間を短縮して,短時間で上記第2ダイカスト品62を成形することができる。
上記のようにして,上記第2キャビティ56に鋳込みを行い,上記第2フロントエンドパネルの形状を有する第2ダイカスト品62が成形される。また,上記第2ランナー58と上記延設スリーブ57の一部には,これらの形状に沿った第2ランナースリーブ鋳物77が成形される。
【0073】
次いで,上記第2ダイカスト品62を成形した後には,図10に示すごとく,上記中間型3に対して,上記可動型4を移動させて,中間型3と可動型4との間を開く。次いで,図11に示すごとく,上記押出しプレート44に配設した複数の押出しピン43を同時に移動させる。そして,上記第2ランナースリーブ鋳物77が繋がったままの第2ダイカスト品62を,上記可動型4より離型させる。その後,図13に示すごとく,第2ダイカスト品62より上記第2ランナースリーブ鋳物77等の不要部分を除去して最終の第2ダイカスト品62が得られる。このように,上記2枚型構造のダイカスト用金型1においては,上記成形後の第2ダイカスト品62を上記第2キャビティ56より離型する時間も短縮することができる。
【0074】
上記のようにして,上記3枚型構造を形成した際の固定型2及び中間型3を用いて,3枚型構造形成時に成形する第1ダイカスト品61とは異なる第2ダイカスト品62を成形するための2枚型構造を形成することができる。そのため,同じダイカスト用金型1を用いて,異なる形状の各ダイカスト品61,62を成形することができる。
【0075】
そして,上記のごとく,島状部641及び骨部642を有する複雑な形状の第1ダイカスト品61を成形する際には,上記3枚型構造のダイカスト用金型1を形成する。これにより,鋳込みが困難な上記中空部キャビティ513に上記中空部ピンゲート542を介して直接溶湯を充填することができる。そのため,この際には,鋳込み不良の発生を防止して,高品質な第1ダイカスト品61を成形することができる。
【0076】
一方で,上記のごとく,島状部641及び骨部642を有していないあまり複雑でない形状の第2ダイカスト品62を成形する際には,上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する。これにより,鋳込みに要する時間及び離型に要する時間等を短縮して,短時間で第2ダイカスト品62を成形することができる。また,2枚型構造形成時には,ダイカスト用金型1の構造が単純であるため,その取扱いを容易にして,メンテナンス性等を向上させることができる。
【0077】
このように,本例のダイカスト用金型1は,上記3枚型構造を形成した際の優れた特徴と,上記2枚型構造を形成した際の優れた特徴とを合わせ持つことができる。すなわち,本例のダイカスト用金型1によれば,各ダイカスト品61,62の形状に合わせて,上記3枚型構造と2枚型構造との間で適宜変更することができ,各ダイカスト品61,62に対して最適な成形を行うことができる。
【0078】
本例においては,上記第2ランナー58は,上記中間型用第2入子32と上記可動型用第2入子42との間に形成しておいた。
これに対して,図16に示すごとく,上記第2ランナー58は,上記中間型用第1入子31と上記可動型用第1入子41との間に形成し,上記3枚型構造形成時には,当該第2ランナー58には第2ランナー用入子45を嵌入しておくことができる。そして,上記2枚型構造形成時には,上記第2ランナー用入子45を取り外して上記第2ランナー58を形成することができる。この場合においても,上記ダイカスト用金型1を,上記3枚型構造から上記2枚型構造に変更する方法は,上記説明と同様である。
また,このような第2ランナー58に第2ランナー用入子45を嵌入した状態の3枚型構造は,以下の実施例2,3においても同様に採用することができる。
【0079】
(実施例2)
本例は,図17に示すごとく,上記固定型2,上記中間型3及び上記可動型4を用いて上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する例である。そして,本例の2枚型構造のダイカスト用金型1においては,上記固定型2と上記中間型3との間は閉じた状態で,すなわち上記固定型2及び上記中間型3を固定して,これらに対して上記可動型4を移動させる。なお,本例の3枚型構造のダイカスト用金型1における構成は,上記実施例1と同様である。
【0080】
本例において,上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する際には,上記中間型3における延設スリーブ57に嵌入した上記延設スリーブ用入子33を取り外す。これにより,上記中間型3に上記連結スリーブ52に繋がる上記延設スリーブ57を形成する。
【0081】
また,上記実施例1と同様にして,上記ピンゲート54を形成したピンゲート形成入子35を上記中間型3より取り外し,替わりに上記ピンゲート54を形成していないピンゲート部入子36を上記中間型3に嵌入する。これにより,上記ピンゲート54を埋める。
また,上記第1ランナー53を形成した固定型用第1入子21を固定型用第2入子22に交換することにより,第1ランナー53を埋める。また,上記中間型用第1入子31及び可動型用第1入子41を,それぞれ中間型用第2入子32及び可動型用第2入子42に交換する。また,本例の第2ランナー58は,上記可動型用第2入子42において上記中間型3と対向する対向面421に形成した凹部422により形成している。
【0082】
こうして,第2キャビティ56を形成すると共に,これと上記延設スリーブ57とを上記第2ランナー58により接続した2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する。また,こうして,上記連結スリーブ52から上記延設スリーブ57及び上記第2ランナー58を介して上記第2キャビティ56へと連通する溶湯7の湯路を形成することができ,上記固定型2及び中間型3に対して上記可動型4を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型1を形成することができる。
【0083】
本例においては,上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する場合に,上記3枚型構造のダイカスト用金型1と同じように上記固定型2,中間型3及び可動型4を用いるため,上記3枚型構造から2枚型構造への変更が容易である。
その他,本例においても,上記3枚型構造及び2枚型構造を形成した際の各ダイカスト品61,62の成形方法については上記実施例1と同様であり,これらによって得られる作用効果についても上記実施例1と同様である。
【0084】
(実施例3)
本例は,図18に示すごとく,上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する際に,上記中間型3を取り外して,上記固定型2と上記可動型4とを用いて形成する例である。そして,本例の2枚型構造のダイカスト用金型1においては,上記固定型2に対して上記可動型4を移動させる。
また,図示は省略するが,本例の3枚型構造のダイカスト用金型1においては,上記中間型3には,上記延設スリーブ57が形成されておらず,上記延設スリーブ用入子33を有していない。その他の3枚型構造のダイカスト用金型1における構成は,上記実施例1と同様である。
【0085】
本例において,上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する際には,上記中間型3を上記ダイカスト用金型1より取り外す。
また,上記可動型用第1入子41を上記第2キャビティ56の一部を形成する可動型用第2入子42に交換し,上記第1ランナー53を形成した固定型用第1入子21を,上記第2キャビティ56の残部を形成する固定型用第2入子22に交換する。
【0086】
また,本例の第2ランナー58は,上記可動型用第2入子42において上記中間型3と対向する対向面421に形成した凹部422により形成している。
こうして,第2キャビティ56を形成すると共に,これと上記連結スリーブ52とを上記第2ランナー58により接続した2枚型構造のダイカスト用金型1を形成する。また,こうして,上記連結スリーブ52から上記第2ランナー58を介して上記第2キャビティ56へと連通する溶湯7の湯路を形成することができ,上記固定型2に対して上記可動型4を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型1を形成することができる。
【0087】
本例の3枚型構造のダイカスト用金型1においては,上記中間型3には,上記延設スリーブ57が形成されておらず,上記延設スリーブ用入子33が不要である。そのため,本発明によれば,極めて容易に上記2枚型構造のダイカスト用金型1を形成することができる。
その他,本例においても,上記3枚型構造及び2枚型構造を形成した際の各ダイカスト品61,62の成形方法については上記実施例1と同様であり,これらによって得られる作用効果についても上記実施例1と同様である。
【図面の簡単な説明】
【図1】実施例1における,溶湯を注湯した状態の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図2】実施例1における,溶湯を充填した状態の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図3】実施例1における,固定型に対して中間型及び可動型を移動させた状態の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図4】実施例1における,第1ランナースリーブ鋳物を切断し,中間型に対して可動型を移動させた状態の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図5】実施例1における,押出しピンにより第1ダイカスト品を払い出した状態の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図6】実施例1における,各部を分解した状態の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図7】実施例1における,各部を分解した状態の2枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図8】実施例1における,溶湯を注湯した状態の2枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図9】実施例1における,溶湯を充填した状態の2枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図10】実施例1における,中間型に対して可動型を移動させた状態の2枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図11】実施例1における,押出しピンにより第2ダイカスト品を払い出した状態の2枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図12】実施例1における,第1ダイカスト品を示す説明図。
【図13】実施例1における,第2ダイカスト品を示す説明図。
【図14】実施例1における,第1ダイカスト品及び各鋳物を示すと共に,第1キャビティ,連結スリーブ,第1ランナー及びピンゲート等を示す斜視説明図。
【図15】実施例1における,第2ダイカスト品及び各鋳物を示すと共に,第2キャビティ,延設スリーブ及び第2ランナー等を示す斜視説明図。
【図16】実施例1における,他の3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図17】実施例2における,固定型,中間型及び可動型によって2枚型構造を形成するタイプの3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【図18】実施例3における,固定型及び可動型によって2枚型構造を形成するタイプの3枚型構造のダイカスト用金型を示す説明図。
【符号の説明】
1...ダイカスト用金型,
11...射出スリーブ,
111...注湯口,
12...射出プランジャー,
13...ベースプレート,
14...バーナユニット,
15...加圧シリンダー,
2...固定型,
21...固定型用第1入子,
22...固定型用第2入子,
23...固定型用スリーブ入子,
3...中間型,
31...中間型用第1入子,
32...中間型用第2入子,
33...延設スリーブ用入子,
34...中間型用スリーブ入子,
35...ピンゲート形成入子,
36...ピンゲート部入子,
4...可動型,
41...可動型用第1入子,
42...可動型用第2入子,
43...押出しピン,
44...押出しプレート,
45...第2ランナー用入子,
51...第1キャビティ,
511...本体部キャビティ,
513...中空穴部キャビティ,
52...連結スリーブ,
53...第1ランナー,
54...ピンゲート,
55...バランスランナー,
56...第2キャビティ,
57...延設スリーブ,
58...第2ランナー,
59...挿入配置穴,
61...第1ダイカスト品(第1フロントエンドパネル),
62...第2ダイカスト品(第2フロントエンドパネル),
63...本体部,
64...中空穴部,
641...島状部,
642...骨部,
7...溶湯,
73...第1ランナースリーブ鋳物,
74...ピンゲート鋳物,
75...バランスランナー鋳物,
77...第2ランナースリーブ鋳物,

Claims (11)

  1. 溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
    上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,上記中間型と上記可動型との間には,上記延設スリーブと上記キャビティとを接続するための第2ランナーが形成してあり,かつ上記延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあると共に,上記第2ランナーにはこれを埋める第2ランナー用入子が嵌入してあり,
    また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
    上記ダイカスト用金型は,上記固定型を取り外すと共に,上記延設スリーブ及び上記第2ランナーにそれぞれ嵌入した上記延設スリーブ用入子及び上記第2ランナー用入子を取り外し,また,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して他のキャビティを形成することにより,上記中間型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型。
  2. 溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
    上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,該延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあり,
    また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
    上記ダイカスト用金型は,上記固定型を取り外すと共に,上記延設スリーブに嵌入した上記延設スリーブ用入子を取り外し,また,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して,他のキャビティ及びこれと上記延設スリーブとを接続する第2ランナーを形成することにより,上記中間型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型。
  3. 溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
    上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,上記中間型と上記可動型との間には,上記延設スリーブと上記キャビティとを接続するための第2ランナーが形成してあり,かつ上記延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあると共に,上記第2ランナーにはこれを埋める第2ランナー用入子が嵌入してあり,
    また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
    上記ダイカスト用金型は,上記延設スリーブ及び上記第2ランナーにそれぞれ嵌入した上記延設スリーブ用入子及び上記第2ランナー用入子を取り外し,また,上記固定型に嵌入する固定型用入子により上記第1ランナーを埋めると共に,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して他のキャビティを形成することにより,上記固定型と上記中間型との間は閉じた状態で両者に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型。
  4. 溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
    上記中間型には,上記連結スリーブの延長上に設けた延設スリーブが形成してあると共に,該延設スリーブにはこれを埋める延設スリーブ用入子が嵌入してあり,
    また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあり,
    上記ダイカスト用金型は,上記延設スリーブに嵌入した上記延設スリーブ用入子を取り外し,また,上記固定型に嵌入する固定型用入子により上記第1ランナーを埋めると共に,上記中間型に嵌入するピンゲート部入子により上記ピンゲートを埋め,かつ,上記中間型用入子又は上記可動型用入子の少なくとも一方を他の中間型用入子又は他の可動型用入子に交換して,他のキャビティ及びこれと上記延設スリーブとを接続する第2ランナーを形成することにより,上記固定型と上記中間型との間は閉じた状態で両者に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型。
  5. 溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
    上記中間型と上記可動型との間には,上記連結スリーブと上記キャビティとを接続するための第2ランナーが形成してあると共に,該第2ランナーにはこれを埋める第2ランナー用入子が嵌入してあり,
    また,上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあると共に,上記第1ランナーは,上記固定型に対して着脱可能に嵌入した固定型用入子と,上記中間型との間に形成してあり,
    上記ダイカスト用金型は,上記中間型を取り外すと共に上記第2ランナーに嵌入した上記第2ランナー用入子を取り外し,かつ,上記固定型用入子の他の固定型用入子への交換,又は上記固定型用入子及び上記可動型用入子のそれぞれ他の固定型用入子及び他の可動型用入子への交換を行って,上記第1ランナーを埋めると共に他のキャビティを形成することにより,上記固定型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型。
  6. 溶湯を注湯する射出スリーブに連結する連結スリーブを有する固定型と,該固定型に対して移動可能な中間型と,該中間型に対して移動可能な可動型とを有しており,上記中間型と上記可動型との間には上記溶湯を充填してダイカスト品を成形するキャビティを有し,上記固定型と上記中間型との間には上記連結スリーブに接続された第1ランナーを有し,上記中間型内には上記第1ランナーと上記キャビティとを接続するピンゲートを有する3枚型構造のダイカスト用金型であって,
    上記キャビティは,上記中間型に対して着脱可能に嵌入した中間型用入子と,上記可動型に対して着脱可能に嵌入した可動型用入子との間に形成してあると共に,上記第1ランナーは,上記固定型に対して着脱可能に嵌入した固定型用入子と,上記中間型との間に形成してあり,
    上記ダイカスト用金型は,上記中間型を取り外し,かつ,上記固定型用入子の他の固定型用入子への交換,又は上記固定型用入子及び上記可動型用入子のそれぞれ他の固定型用入子及び他の可動型用入子への交換を行って,上記第1ランナーを埋めると共に,他のキャビティ及びこれと上記連結スリーブとを接続する第2ランナーを形成することにより,上記固定型に対して上記可動型を移動させる2枚型構造のダイカスト用金型を形成することができるよう構成してあることを特徴とするダイカスト用金型。
  7. 請求項1〜6のいずれか一項において,上記可動型には,上記キャビティに成形したダイカスト品を該キャビティから押し出す複数の押出しピンと,上記3枚型構造を形成した際と上記2枚型構造を構成した際とにおいて,上記複数の押出しピンのうち使用する押出しピンを変更する使用ピン変更手段とが設けてあることを特徴とするダイカスト用金型。
  8. 請求項1〜7のいずれか一項において,上記ダイカスト用金型は,上記キャビティの周辺に該キャビティにおける表面温度を調節するためのバーナユニットを有していることを特徴とするダイカスト用金型。
  9. 請求項8において,上記キャビティの周辺には,上記バーナユニットを挿入配置可能な挿入配置穴が複数形成してあり,上記バーナユニットは,上記各挿入配置穴同士の間で配置変更可能であることを特徴とするダイカスト用金型。
  10. 請求項1〜9のいずれか一項において,上記ダイカスト用金型には,上記3枚型構造を形成した際に上記中間型より上記第1ランナーに成形した鋳造物を離型するときに,該鋳造物を加圧することにより,これを上記ピンゲートに成形した鋳造物より切断する加圧シリンダーが設けてあることを特徴とするダイカスト用金型。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項において,上記キャビティにおいて成形するダイカスト品は,自動車の前方において自動車用部品を取り付けると共にエンジンを支持するためのフロントエンドパネルであることを特徴とするダイカスト用金型。
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