JP3831904B2 - 地層岩盤判別方法 - Google Patents

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  • Investigation Of Foundation Soil And Reinforcement Of Foundation Soil By Compacting Or Drainage (AREA)

Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、例えば、ロータリパーカッションドリルによる地盤の削孔時に用いられる地層岩盤判別方法に関するものであり、特に、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地層岩盤の判別精度を高めることができる地層岩盤判別方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来より、地下空洞等の施工に際して、施工範囲における地層岩盤を的確に評価予測することは、施工を進める上で極めて重要である。このことから従来においては、様々な地層岩盤の判別方法が提案されている。
【0003】
例えば、特公平7−49756号公報には、ピストン打撃による油圧式パーカッションドリルで地盤を削孔し、単位孔長あたりの平均破壊エネルギを算出した後、確率・統計的手法により岩盤等級と破壊エネルギとの対応付けを行い、破壊エネルギによる岩盤評価を実施し、大型コンピュータによる画像処理を行い、破壊エネルギの分布状態を把握して切羽前方の地層岩盤の評価や予測を行う方法が開示されている。
【0004】
ここで、破壊エネルギは、油圧式パーカッションドリルが削孔に要した、つまり、岩盤を破壊するのに要したエネルギであり、破壊エネルギをEv、ピストン打撃エネルギをEs、ピストン打撃回数をNs、掘進速度をVd、掘孔断面積をArとすると、つぎの(1)式で表される。
Ev=(Es×Ns)/(Vd/Ar)・・・(1)
【0005】
また、同公報の従来例では、例えば、地下石油備蓄基地工事のうち、水封トンネル工事における水封ボーリング孔の削孔時に、事前に試験削孔を行い、岩盤等級毎の破壊エネルギを確率・統計的手法を用いて把握することにより、破壊エネルギをパラメータとした岩盤評価を行っている。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところで、従来の削孔においては、ドリルロッドの先端に推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギという三種類のエネルギを作用させることにより地盤を削孔するロータリパーカッションドリルが用いられる。
【0007】
ここで、ロータリパーカッションドリルにおいても、施工範囲における地層岩盤を的確に評価予測することが望まれる。しかしながら、特公平7−49756号公報に開示された方法をロータリパーカッションドリルに適用した場合には、地層岩盤の判別精度が低下するという問題点が発生する。
【0008】
すなわち、ロータリパーカッションドリルにおいては、削孔対象の地盤特性に応じて、削孔に対する三種類のエネルギの寄与度が変化する。すなわち、比較的柔らかい地盤では、推進力エネルギや回転エネルギの寄与度が高くなる傾向を示す。これに対して、硬い地盤では、打撃エネルギの寄与度が高くなる傾向を示す。
【0009】
従って、破壊エネルギ(ピストン打撃エネルギ、ピストン打撃回数、掘進速度、掘孔断面積)という限定されたパラメータから地層岩盤を判別する従来の方法では、硬い地盤の判別には有利であるが、ロータリパーカッションドリルにおける推進力エネルギおよび回転エネルギという重要なパラメータが考慮されないため、柔らかい地盤の判別が難しくなる。
【0010】
このように、従来の方法は、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地盤地層の判別に適さないのである。
【0011】
本発明は、上記に鑑みてなされたもので、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地層岩盤の判別精度を高めることができる地層岩盤判別方法を提供することを目的とする。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記目的を達成するために、請求項1にかかる発明は、地盤削孔時に削孔装置の削孔部に作用している推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギをセンサ検出パラメータに基づいて算出する工程と、前記推進力エネルギ、前記回転エネルギおよび前記打撃エネルギの合計に基づいて単位体積削孔エネルギを算出する工程と、算出した単位体積削孔エネルギと深度/柱状図データとの相関に基づいて、地層岩盤の判別基準を設定する工程と、実削孔時に得られた推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギと前記判別基準との比較結果より削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別する工程と、を含むことを特徴とする。
【0013】
この発明によれば、地盤削孔時に削孔装置の削孔部に作用している推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギの合計に基づいて単位体積削孔エネルギを算出し、実削孔時に得られた推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギと判別基準との比較結果より削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別することとしたので、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地層岩盤の判別精度を高めることができる。
【0024】
【発明の実施の形態】
以下、図面を参照して本発明にかかる地層岩盤判別方法の一実施の形態について詳細に説明する。
【0025】
図1は、本発明にかかる一実施の形態が適用される削孔システム100の構成を示す側面図である。同図に示した削孔システム100は、前述したロータリパーカッション方式が採用されており、ドリルロッド103の先端(ビット104)に、回転エネルギ、打撃エネルギおよび推進力エネルギという三種類のエネルギを複合的に作用させて、地盤Gを削孔し孔Hを形成するためのシステムである。
【0026】
また、削孔システム100は、推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギの合計から求められる単位体積削孔エネルギEits(または削孔エネルギP)に基づいて、施工範囲における地層岩盤を判別する機能を備えている。
【0027】
削孔システム100において、ベースマシン101は、ロータリパーカッションドリル装置102を垂直に支持する。ロータリパーカッションドリル装置102は、ロータリパーカッション方式のドリル装置である。ドリルロッド103は、先端に刃先部としてのビット104が取り付けられており、ロータリパーカッションドリル装置102に垂直方向に進退自在に設けられている。
【0028】
このドリルロッド103は、推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギという三種類のエネルギが複合的に与えられつつ、ロータリパーカッションドリル装置102に沿って進退されることにより、地盤Gを削孔し孔Hを形成する。
【0029】
回転駆動用モータ105は、ドリルロッド103に回転エネルギを付与することにより、ドリルロッド103を回転駆動させるモータである。送水ポンプ106は、ロータリパーカッションドリル装置102へ送水するためのポンプである。ピストン107は、ドリルロッド103に打撃エネルギを付与するものである。
【0030】
削孔制御装置108は、ベースマシン101に設けられており、削孔作業に際して、ロータリパーカッションドリル装置102の各部を制御する。操作盤109は、削孔制御装置108に接続されており、オペレータにより操作される。
【0031】
地層岩盤判別装置200は、図2に示した各パラメータを用いて、図3に示した推進力エネルギPf 、回転エネルギPr および打撃エネルギPs の合計である削孔エネルギPから求められる単位体積削孔エネルギEits に基づいて、ロータリパーカッションドリル装置102の削孔範囲における地層岩盤をリアルタイムで判別し、判別結果を表示する装置であり、ベースマシン101に設けられている。
【0032】
図3に示したように、地層岩盤判別装置200においては、事前の調査削孔で得られた単位体積削孔エネルギEits と、深度に応じた地層岩盤の状況を表す深度/柱状図データとの相関に基づいて、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC が予め求められる。
【0033】
第1の判別基準LB は、岩種(地層岩盤)のAとBとを判別するための基準である。第2の判別基準LC は、岩種のBとCとを判別するための基準である。
【0034】
そして、地層岩盤判別装置200においては、実際に削孔システム100で削孔されている間の単位体積削孔エネルギEits と、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC (>第1の判別基準LB )との比較結果から岩種(地層岩盤)をリアルタイムで判別し、判別結果を表示する。
【0035】
具体的には、単位体積削孔エネルギEits が第1の判別基準LB 未満である場合には、岩種(地層岩盤)がAとして判別される。また、単位体積削孔エネルギEits が第1の判別基準LB 以上第2の判別基準LC 未満である場合には、岩種(地層岩盤)がBとして判別される。また、単位体積削孔エネルギEits が第2の判別基準LC 以上である場合には、岩種(地層岩盤)がCとして判別される。
【0036】
また、岩種A、BおよびCにおける柔らかさは、岩種A>岩種B>岩種Cの順である。つまり、岩種A、BおよびCの中では、岩種Aが最も柔らかく、岩種Cが最も硬い。同図からわかるように、ロータリパーカッション方式においては、柔らかい岩種では、推進力エネルギPf や回転エネルギPr の寄与度が高くなる傾向を示す。これに対して、硬い岩種では、打撃エネルギPs の寄与度が高くなる傾向を示す。
【0037】
図2は、地層岩盤の判別に際して用いられる各パラメータを示す図である。同図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。同図において、Tは、ドリルロッド103の先端(ビット104)に作用する回転トルク[Nm]である。NT は、ドリルロッド103の回転数[回/sec]である。Fは、ドリルロッド103の先端(ビット104)に作用する推進力[N]である。
【0038】
Sは、ピストン107の打撃によりドリルロッド103の先端(ビット104)に作用するピストン打撃エネルギ[Nm]である。Ns は、ピストン107がドリルロッド103へ打撃した単位時間あたりのピストン打撃回数[回/sec]である。
【0039】
dδは、ドリルロッド103による削孔長[m]である。dtは、削孔長dδを削孔するのに要した所要時間[sec]である。Sp(=dδ/dt)は、ドリルロッド103による単位時間あたりの削孔速度である。Aは、孔Hの孔断面積[m2]である。rは、孔Hの孔半径[m]である。
【0040】
図1に戻り、磁気センサ201は、ロータリパーカッションドリル装置102に設けられており、回転駆動用モータ105の回転数NT (図2参照)を検出するセンサである。
【0041】
削孔長センサ202は、ロータリパーカッションドリル装置102に設けられており、ドリルロッド103の変位量、すなわち、削孔長dδ(図2参照)を検出するセンサである。圧力センサ203は、ベースマシン101に設けられており、推進力F、回転トルクTおよびピストン打撃回数Ns(図2参照)を検出するセンサである。
【0042】
これらの磁気センサ201、削孔長センサ202および圧力センサ203の各出力データは、センサ検出パラメータとして、地層岩盤判別装置200に入力される。
【0043】
図4は、図1に示した地層岩盤判別装置200の構成を示すブロック図である。同図において、図1の各部に対応する部分には同一の符号を付ける。同図に示した入出力インタフェース206は、地層岩盤判別装置200内の各部と、磁気センサ201、削孔長センサ202、圧力センサ203、入力部204および表示部205との入出力のインタフェースをとる。
【0044】
磁気センサ201、削孔長センサ202および圧力センサ203(図1参照)は、前述した回転数NT 、削孔長dδ、推進力F、回転トルクTおよびピストン打撃回数Ns という各センサ検出パラメータのデータを入出力インタフェース206へ出力する。
【0045】
入力部204は、各種データの入力に用いられる。表示部205は、リアルタイムで地層岩盤の判別結果(図3参照)等を表示するためのLCD(Liquid Crystal Display)やCRT(Cathode Ray Tube)等である。
【0046】
制御部207は、地層岩盤判別装置200の各部を制御する。推進力エネルギ算出部208は、入出力インタフェース206を介して各パラメータを取得し、後述する算出式に基づいて、ドリルロッド103(図1および図2参照)の先端(ビット104)に作用する推進力エネルギを算出する。
【0047】
回転エネルギ算出部209は、入出力インタフェース206を介して各パラメータを取得し、後述する算出式に基づいて、ドリルロッド103(図1および図2参照)の先端(ビット104)に作用する回転エネルギを算出する。
【0048】
打撃エネルギ算出部210は、入出力インタフェース206を介して各パラメータを取得し、後述する算出式に基づいて、ドリルロッド103(図1および図2参照)の先端(ビット104)に作用する打撃エネルギを算出する。
【0049】
削孔エネルギ算出部211は、推進力エネルギ算出部208、回転エネルギ算出部209および打撃エネルギ算出部210でそれぞれ算出される推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギから、後述する算出式に基づいて、削孔エネルギを算出する。
【0050】
判別基準設定部212は、前述したように、事前の調査削孔で得られた上記削孔エネルギと、深度/柱状図データとの相関に基づいて、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC (図3参照)を求め、これを地層岩盤判別部213に設定する。
【0051】
地層岩盤判別部213は、図3に示したように、実際に削孔システム100で削孔されている間の削孔エネルギと、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC との比較結果から岩種(地層岩盤)をリアルタイムで判別し、判別結果を表示部205に表示させる。
【0052】
調査用エネルギデータ格納部220は、判別基準の設定の際に調査用として算出されるエネルギ(推進力エネルギ、回転エネルギ、打撃エネルギおよび削孔エネルギ)に関する調査用エネルギデータを格納する。
【0053】
深度/柱状図データ格納部230は、調査用として作成される深度/柱状図データを格納する。地層岩盤判別データ格納部240は、地層岩盤判別部213の判別結果である地層岩盤判別データを格納する。
【0054】
つぎに、一実施の形態の動作について、図5〜図7に示したフローチャートを参照しつつ説明する。図5に示したステップSA1では、調査削孔が実施され、地層岩盤の判別基準、すなわち、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC を地層岩盤判別部213に設定するための判別基準設定処理が実行される。
【0055】
具体的には、図6に示したステップSB1では、入力部204より、パラメータとして、孔半径r、ピストン打撃エネルギSおよび孔断面積A(いずれも固定値)が入力される。これにより、回転エネルギ算出部209には、孔半径rが初期設定される。打撃エネルギ算出部210には、ピストン打撃エネルギSが初期設定される。また、削孔エネルギ算出部211には、孔断面積Aが初期設定される。
【0056】
以後、削孔システム100により調査削孔され、磁気センサ201、削孔長センサ202および圧力センサ203からセンサ検出パラメータのデータが地層岩盤判別装置200に出力される。また、調査削孔においては、コアサンプリング等により、深度/柱状図データが作成される。
【0057】
ステップSB2では、推進力エネルギ算出部208、回転エネルギ算出部209、打撃エネルギ算出部210および削孔エネルギ算出部211のそれぞれは、磁気センサ201、削孔長センサ202および圧力センサ203より調査用のセンサ検出パラメータ(回転数NT 、削孔長dδ、推進力F、回転トルクTおよびピストン打撃回数Ns )を取得する。
【0058】
ステップSB3では、推進力エネルギ算出部208は、各パラメータに基づいて、調査用の推進力エネルギを算出する。具体的には、推進力エネルギ算出部208は、次の(2)式に、推進力F、削孔長dδおよび所要時間dtを代入することにより、単位時間あたりの推進力エネルギPf を算出する。
【0059】
f =F×dδ/dt[Nm/sec] ・・・(2)
【0060】
ここで、(2)式におけるdδ/dtが削孔速度Sp(図2参照)であるため、(2)式はつぎの(3)式で表される。
【0061】
f =F×Sp [Nm/sec] ・・・(3)
【0062】
ステップSB4では、回転エネルギ算出部209は、各パラメータに基づいて、調査用の回転エネルギを算出する。具体的には、回転エネルギ算出部209は、次の(4)式に回転トルクT、孔半径rおよび回転数NT を代入することにより、単位時間あたりの回転エネルギPr を算出する。
【0063】
r =(T/r)×2πr×NT
=2π×T×NT [Nm/sec]・・・(4)
【0064】
ステップSB5では、打撃エネルギ算出部210は、各パラメータに基づいて、調査用の打撃エネルギを算出する。具体的には、打撃エネルギ算出部210は、次の(5)式にピストン打撃エネルギSおよびピストン打撃回数Ns を代入することにより、単位時間あたりの打撃エネルギPs を算出する。
s =S×Ns [Nm/sec]・・・(5)
【0065】
ステップSB6では、削孔エネルギ算出部211は、推進力エネルギ算出部208、回転エネルギ算出部209および打撃エネルギ算出部210で算出された推進力エネルギPf 、回転エネルギPr および打撃エネルギPs を次の(6)式に代入することにより、単位時間あたりの削孔エネルギPを算出する。
【0066】
P=Pf +Pr +Ps [Nm/sec]・・・(6)
【0067】
つぎに、削孔エネルギ算出部211は、単位体積の地盤を削孔するのに必要な単位体積削孔エネルギEits を算出する。ここで、単位体積削孔エネルギEits は、単位時間あたりの削孔エネルギをP((6)式参照)、単位時間あたりの掘削体積をdV/dtとすると、つぎの(7)式で表される。
【0068】
its =P/(dV/dt)・・・(7)
【0069】
ここで、(7)式に示した削孔エネルギPを(3)式〜(6)式で表し、(dV/dt)を孔断面積Aおよび削孔速度Sp で表すと、(7)式は、つぎの(8)式に変形される。
【0070】
its =((F×Sp )+(2π×T×NT )+(S×Ns ))/(A×Sp) ・・・(8)
【0071】
削孔エネルギ算出部211は、推進力F、削孔速度Sp 、回転トルクT、回転数NT 、ピストン打撃エネルギS、ピストン打撃回数Ns 、孔断面積A 、削孔速度Sp という各パラメータを(8)式に代入することにより、単位体積削孔エネルギEits を算出する。
【0072】
ステップSB7では、制御部207は、推進力エネルギ算出部208、回転エネルギ算出部209、打撃エネルギ算出部210、削孔エネルギ算出部211でそれぞれ算出された推進力エネルギPf 、回転エネルギPr 、打撃エネルギPs 、削孔エネルギPおよび単位体積削孔エネルギEits を深度に対応付けて調査用エネルギデータとして、調査用エネルギデータ格納部220に格納する。なお、深度は、削孔長dδに対応している。
【0073】
ステップSB8では、調査削孔が終了したか否かが判断され、この場合、判断結果が「No」とされる。
【0074】
以後、ステップSB8の判断結果が「Yes」になるまで、調査削孔が進み、ステップSB2〜ステップSB7が繰り返し実行される。これにより、調査用エネルギデータ格納部220には、深度に対応付けて調査用エネルギデータが順次格納される。また、調査削孔が進むにつれて、深度/柱状図データも順次作成される。
【0075】
そして、ステップSB8の判断結果が「Yes」になると、ステップSB9では、制御部207は、入力部204および入出力インタフェース206を介して、上記作成された深度/柱状図データを取得する。ステップSB10では、制御部207は、深度/柱状図データを深度/柱状図データ格納部230に格納する。
【0076】
ステップSB11では、判別基準設定部212は、調査用エネルギデータ格納部220から調査用エネルギデータとして単位体積削孔エネルギEits のデータを取得するとともに、深度/柱状図データ格納部230より深度/柱状図データを取得する。
【0077】
つぎに、判別基準設定部212は、図3に示したように、単位体積削孔エネルギEits と深度/柱状図データとの相関を調べ、判別基準として、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC を求める。
【0078】
ステップSB12では、判別基準設定部212は、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC を地層岩盤判別部213に設定する。これにより、一連の判別基準設定処理が終了する。
【0079】
図5に示したステップSA2では、削孔システム100による深度0からの削孔が開始され、判別基準設定処理で設定された第1の判別基準LB および第2の判別基準LC に基づいて、実際に地層岩盤を判別するための地層岩盤判別処理が実行される。
【0080】
具体的には、図7に示したステップSC1では、推進力エネルギ算出部208、回転エネルギ算出部209、打撃エネルギ算出部210および削孔エネルギ算出部211のそれぞれは、磁気センサ201、削孔長センサ202および圧力センサ203より判別用のセンサ検出パラメータ(回転数NT 、削孔長dδ、推進力F、回転トルクTおよびピストン打撃回数Ns )を取得する。
【0081】
ステップSC2では、推進力エネルギ算出部208は、前述した(2)式に、推進力F、削孔長dδおよび所要時間dtを代入することにより、単位時間あたりの判別用の推進力エネルギPf を算出する。
【0082】
ステップSC3では、回転エネルギ算出部209は、前述した(4)式に回転トルクT、孔半径rおよび回転数NT を代入することにより、単位時間あたりの判別用の回転エネルギPr を算出する。
【0083】
ステップSC4では、打撃エネルギ算出部210は、前述した(5)式にピストン打撃エネルギSおよびピストン打撃回数Ns を代入することにより、単位時間あたりの判別用の打撃エネルギPs を算出する。
【0084】
ステップSC5では、削孔エネルギ算出部211は、推進力エネルギ算出部208、回転エネルギ算出部209および打撃エネルギ算出部210で算出された推進力エネルギPf 、回転エネルギPr および打撃エネルギPs と(6)式〜(8)式とから、単位時間あたりの判別用の単位体積削孔エネルギEits を算出する。
【0085】
ステップSC6では、地層岩盤判別部213は、図3に示したように、単位体積削孔エネルギEits と、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC との比較結果から岩種(地層岩盤)を判別し、判別結果を地層岩盤判別データとする。
【0086】
なお、一実施の形態においては、削孔エネルギ算出部211で前述した(6)式から削孔エネルギPを求めた後、地層岩盤判別部213で削孔エネルギPと判別基準との比較結果から地層岩盤を判別してもよい。
【0087】
ステップSC7では、地層岩盤判別部213は、地層岩盤判別データを入出力インタフェース206を介して、図3に示したように、表示部205にリアルタイムに表示させる。
【0088】
ステップSC8では、地層岩盤判別部213は、地層岩盤判別データを地層岩盤判別データ格納部240に格納する。ステップSC9では、削孔が終了したか否かが判断され、この場合、判断結果が「No」とされる。
【0089】
以後、ステップSC9の判断結果が「Yes」になるまで、削孔が進み、ステップSC1〜ステップSC8が繰り返し実行される。これにより、表示部205には、図3に示したように、リアルタイムに深度に応じた岩種の判別結果(地層岩盤判別データ)が表示されるとともに、地層岩盤判別データ格納部240に地層岩盤判別データが順次格納される。
【0090】
そして、ステップSC9の判断結果が「Yes」になると、一連の地層岩盤判別処理が終了する。
【0091】
また、一実施の形態においては、図1および図2に示した地層岩盤判別装置200を地盤改良に適用して、改良対象地盤と健全地盤との判別に応用してもよい。図8は、同地層岩盤判別装置200を地盤改良に適用した場合の動作を説明するフローチャートである。
【0092】
同図に示したステップSD1では、地盤改良前に、改良対象地盤と健全地盤とを含む地盤範囲について、図6に示した判別基準設定処理と同様にして、判別基準設定処理(地盤改良前)が実行される。これにより、改良対象地盤、健全地盤等を判別するための第1の判別基準LB および第2の判別基準LC が地層岩盤判別部213に設定される。
【0093】
ステップSD2では、地盤改良前に、改良対象地盤と健全地盤とを含む地盤範囲について、図7に示した地層岩盤判別処理と同様にして、地層岩盤判別処理(地盤改良前)が実行される。これにより、実際に削孔システム100で地盤範囲が削孔され、削孔エネルギと、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC との比較結果に基づいて、改良対象地盤や健全地盤等の判別がリアルタイムで行われる。
【0094】
ステップSD3では、判別結果に基づいて、改良対象地盤を健全地盤化するための地盤改良が実施される。
【0095】
ステップSD4では、地盤改良の効果を確認するために、地盤改良後に、当該地盤範囲について、図7に示した地層岩盤判別処理と同様にして、地層岩盤判別処理(地盤改良後)が実行される。
【0096】
これにより、実際に削孔システム100で地盤範囲が削孔され、削孔エネルギと、第1の判別基準LB および第2の判別基準LC との比較結果に基づいて、判別がリアルタイムで行われる。そして、ステップSD2での判別結果とステップSD4での判別結果とを比較することにより、地盤改良の効果が容易に把握される。
【0097】
なお、一実施の形態においては、地層岩盤判別部213により、ステップSD2での地盤改良前の判別結果と、ステップSD4での地盤改良後の判別結果とを表示部205に比較表示してもよい。
【0098】
以上説明したように、一実施の形態によれば、地盤削孔時にロータリパーカッション方式によるドリルロッド103の先端部(ビット104)に作用している推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギという三種類のエネルギ(削孔エネルギ)を算出し、図3に示したように、実削孔時に得られた推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギの合計に基づく単位体積削孔エネルギEits と判別基準(第1の判別基準LB 、第2の判別基準LC )との比較結果より削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別することとしたので、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地層岩盤の判別精度を高めることができる。
【0099】
また、一実施の形態によれば、図8を参照して説明したように、地盤削孔時に削孔装置の削孔部に作用している推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギの合計に基づく単位体積削孔エネルギEits を算出し、地盤改良前の実削孔時に得られた推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギに基づく単位体積削孔エネルギEits と判別基準(第1の判別基準LB 、第2の判別基準LC )との比較結果より削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別した後、地盤改良後も同様にして、削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別することとしたので、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地層岩盤(例えば、改良対象地盤、健全地盤)の判別精度を高めることができる。
【0100】
また、一実施の形態によれば、地盤改良前の判別結果と地盤改良後の判別結果とを表示部205に比較表示することとしたので、地盤改良の効果を容易に把握することができる。
【0101】
以上本発明にかかる一実施の形態について図面を参照して詳述してきたが、具体的な構成例はこの一実施の形態に限られるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲の設計変更等があっても本発明に含まれる。
【0102】
例えば、前述した一実施の形態においては、地層岩盤判別装置200の機能を実現するためのプログラムを図9に示したコンピュータ読み取り可能な記録媒体400に記録して、この記録媒体400に記録されたプログラムを同図に示したコンピュータ300に読み込ませ、実行することにより各機能を実現してもよい。
【0103】
同図に示したコンピュータ300は、上記プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)310と、キーボード、マウス等の入力装置320と、各種データを記憶するROM(Read Only Memory)330と、演算パラメータ等を記憶するRAM(Random Access Memory)340と、記録媒体400からプログラムを読み取る読取装置350と、ディスプレイ、プリンタ等の出力装置360と、装置各部を接続するバス370とから構成されている。
【0104】
CPU310は、読取装置350を経由して記録媒体400に記録されているプログラムを読み込んだ後、プログラムを実行することにより、前述した機能を実現する。なお、記録媒体400としては、光ディスク、フレキシブルディスク、ハードディスク等が挙げられる。
【0105】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明によれば地盤削孔時に削孔装置の削孔部に作用している推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギの合計に基づいて単位体積削孔エネルギを算出し、実削孔時に得られた推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギと判別基準との比較結果より削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別することとしたので、柔らかい地盤から硬い地盤までを広く含む施工範囲における地層岩盤の判別精度を高めることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明にかかる一実施の形態が適用される削孔システム100の構成を示す側面図である。
【図2】同一実施の形態で用いられる各パラメータを示す図である。
【図3】同一実施の形態における地層岩盤判別方法を説明する図である。
【図4】図1に示した地層岩盤判別装置200の構成を示すブロック図である。
【図5】同一実施の形態の動作を説明するフローチャートである。
【図6】図5および図8に示した判別基準設定処理を説明するフローチャートである。
【図7】図5および図8に示した地層岩盤判別処理を説明するフローチャートである。
【図8】図1および図4に示した地層岩盤判別装置200を地盤改良に適用した場合の動作を説明するフローチャートである。
【図9】同一実施の形態の変形例の構成を示すブロック図である。
【符号の説明】
100 削孔システム
102 ロータリパーカッションドリル装置
103 ドリルロッド
104 ビット
105 回転駆動用モータ
108 削孔制御装置
200 地層岩盤判別装置
201 磁気センサ
202 削孔長センサ
203 圧力センサ
204 入力部
205 表示部
207 制御部
208 推進力エネルギ算出部
209 回転エネルギ算出部
210 打撃エネルギ算出部
211 削孔エネルギ算出部
212 判別基準設定部
213 地層岩盤判別部
220 調査用エネルギデータ格納部
230 深度/柱状図データ格納部
240 地層岩盤判別データ格納部

Claims (1)

  1. 地盤削孔時に削孔装置の削孔部に作用している推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギをセンサ検出パラメータに基づいて算出する工程と、
    前記推進力エネルギ、前記回転エネルギおよび前記打撃エネルギの合計に基づいて単位体積削孔エネルギを算出する工程と
    算出した単位体積削孔エネルギと深度/柱状図データとの相関に基づいて、地層岩盤の判別基準を設定する工程と
    実削孔時に得られた推進力エネルギ、回転エネルギおよび打撃エネルギと前記判別基準との比較結果より削孔中の地層岩盤をリアルタイムに判別する工程と、
    を含むことを特徴とする地層岩盤判別方法。
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