JP3840832B2 - 往復式電気かみそり - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はネット刃とトリマー刃とを備えている往復式電気かみそり、殊にトリマー刃の支持構造及び駆動構造に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
剃り残しなく早剃りするために、ネット刃とトリマー刃を同時に肌に当てて髭を剃ることができるようにしたものがある。また、肌当たり感の向上を目的として、ネット刃及びトリマー刃をフロート構造(ばね付勢に抗して押し沈めることができるもの)としたものも提供されている。
【0003】
トリマー刃をフロート構造としたものとしては、特開平6−91067号公報に示されたものがある。これは電気かみそりの本体背面に上下スライド自在に且つ上端位置と下端位置とでクリックによって位置決め可能に取り付けたトリマー刃を位置決めのクリック部で自由度をもたせることによってフロート可能としている。
【0004】
また、特開平8−141227号公報には外刃フレームの中にトリマー刃をフロート自在に配設して、トリマー刃が一定量沈めばネット刃も連動して沈むようにしたものが示されている。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、前者の電気かみそりは、トリマー刃が本体に取り付けられているために、トリマー刃をその刃部がネット刃の刃部の近傍に位置する上側位置に切り換えた時、ネット刃との間に隙間があいてしまい、剃り時において肌がその隙間に入り込んでスムーズな肌当たりを得られない。また、この公報に記載のものでは、クリック部の摩擦力が働くために、トリマー刃のフロートが固く、ネット刃との一体感のある動きを得ることができない。
【0006】
また後者においては、ネット刃とトリマー刃とは個別にフロート自在に支持されているために、それぞれに上向きの付勢力が与えられたものとなっており、このためにトリマー刃とネット刃の両方を同時に肌に押し当てて沈める場合、両方の付勢力に抗して沈めることになり、フロートが固くてゴツゴツした感触が生ずるものとなっている。
【0007】
また、トリマー刃はネット刃における外刃枠の中にあって、外刃枠がトリマー刃の外面を覆っているために、肌に対して斜めに当てた時、外刃枠の上縁部が肌に当たってしまって肌に刃を適正に当てることができないだけでなく、不快な肌当たり感を与えてしまう。また、トリマー刃を常時駆動するものとなっているために、トリマー刃を使わないときには無駄な電流を消費してしまう。これは電池電源のものでは問題がある。
【0008】
さらに、どちらの例においても、トリマー刃に許された動きはフロートのための上下動のみであり、左右には傾かないものとなっている。従って、左右に傾くことも可能なフロート構造となっているネット刃と組合せた場合、肌に対して刃が浮いた状態となって、剃り残しが発生してしまうとともに、トリマー刃が部分的に肌に当たるために肌当たりが悪くなってしまう。
【0009】
トリマー刃で左右に傾きを持たせることができるものとしては、特開平6−91068号公報に示されたものがあるが、ここではトリマー刃の保持部にがたつきを持たせることで左右の傾きを許しているだけであるために、駆動時の騒音、振動が大きく、フロート構造でないことから肌当たりも悪い。
【0010】
本発明はこのような点に鑑みなされたものであって、その主たる目的とするところはネット刃とトリマー刃とが協動して髭剃りをスピーディに且つ肌当たり感良く行うことができる往復式電気かみそりを提供するにある。
【0011】
【課題を解決するための手段】
しかして本発明は、ネット刃とトリマー刃とを備えた往復式電気かみそりであって、支持枠とこの支持枠に取り付けたネット外刃とを備える上記ネット刃は、その支持枠が保持枠に対して上下スライド自在に支持されるとともに上方に向けてばね付勢されることでフロート自在とされたものであり、上記トリマー刃はネット刃の上記支持枠に取り付けられてネット刃との位置関係が保たれた状態でネット刃と常に一体にフロートするものであるとともに、支持枠に対する上下スライドによってネット刃の刃部の近傍に刃部を位置させた状態とネット刃の刃部よりも下方に刃部を位置させた状態との間を切換自在となっていることに特徴を有している。フロート自在となっているネット刃にトリマー刃を取り付けることにより、ネット刃が上下方向だけでなく左右の傾きも許されたフロートを行うものにおいても、ネット刃とトリマー刃とが一体的にフロートするようにしたものである。
【0012】
ここにおけるトリマー刃は、その刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において動力伝達部材と係合し且つその刃部をネット刃の刃部よりも下方に位置させた状態において動力伝達部材と切り離されるものであることが好ましい。
【0013】
また、トリマー刃の表面には、該トリマー刃を保持しているネット刃のフロート動作についてのロック手段のための操作部を設けておくとよく、トリマー刃の刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において上下位置を調整自在としているものであることも好ましい。
【0014】
トリマー刃は、その固定刃が略直角に曲げられて外側に向けられた刃先を有しており、該刃先部と略直角をなしている部分がネット刃の支持枠に保持されたものとなっているとよい。
【0015】
また、トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態においてその刃先をネット刃の刃部とほぼ同じ高さに位置させるものや、ネット刃の支持枠におけるトリマー刃を上下スライド自在に保持する保持面がネット刃の上下フロート方向に対して傾いた傾斜面として形成されて、トリマー刃はその上動で刃部をネット刃に接近させるもの、外面が切り換え用の操作部となっているトリマー刃が電気かみそり本体における電源操作用のスイッチハンドルが配された面と同じ面に配設されているもの、トリマー刃がネット刃の両面に夫々設けられているものが好ましい。
【0016】
トリマー刃の外側に肌伸ばし部材が配設されているとともに、上記肌伸ばし部材はその上縁に備えた肌伸ばし部がトリマー刃の刃先よりも上方に位置する状態とトリマー刃の刃先よりも下方に位置する状態との間でトリマー刃に対して上下スライド自在に取り付けられたものや、トリマー刃の刃部をネット刃の刃部よりも下方に位置させた状態において刃先側に向けて突出し且つ上記刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において後退 して刃先を露出させる部材をトリマー刃が備えているものも好ましい。
【0017】
さらに、トリマー刃がネット刃の支持枠に対して上下反転自在に取り付けられていてもよく、この場合、刃先が設けられた縁と上下逆の縁に肌伸ばし部材を設けておくとよい。
【0018】
【発明の実施の形態】
以下本発明を実施の形態の一例に基づいて詳述すると、図2及び図3に示す電気かみそりは、平行に並ぶ2つのネット刃1,1と、両ネット刃1,1間に位置するスリット刃2と、片側のネット刃1の外側に位置するトリマー刃3の総計4つの刃を電気かみそりの本体5の上端に配したもので、本体5のハウジング50内には、モータ51と蓄電池59とが納められており、本体5の前面には図5にも示すようにスイッチハンドル55が配設されている。
【0019】
上記モータ51は、振動型リニアアクチュエータであって、往復振動を行う2つの出力部54,54を備えており、これら出力部54,54にはネット刃1における内刃18,18が夫々押し上げばね19,19によって上方へ付勢された状態で取り付けられる。上記押し上げばね19は、ネット刃1におけるネット外刃10と内刃18との接触圧の設定用である。また、片方の出力部54にはトリマー駆動子39が取り付けられ、他方の出力部54にはスリット刃用駆動子29が取り付けられる。
【0020】
前記4つの刃のうち、2つのネット刃1,1とスリット刃2とが保持枠6とともに主刃ブロックA(図4参照)を構成して、本体5のハウジング50にはハウジング50の上端の結合フレーム部57を介して着脱自在に取り付けられる。トリマー刃3は上記主刃ブロックAの側面に取り付けられる。
【0021】
主刃ブロックAにおける各ネット刃1(内刃18を除く)は、図8に示すように、ネット外刃10と外刃枠11と支持枠12とからなるもので、ネット外刃10は曲げられた状態で外刃枠11にヒートシール固定される。また、外刃枠11は支持枠12に下側から挿入固定することで、支持枠12に一体化される。
【0022】
スリット刃2は図7に示すように、スリット外刃20とスリット内刃21、スリット内刃21がヒートシール固定されている継手22、そしてスリット外刃20の長手方向両端に位置してスリット外刃20がヒートシール固定されている一対の支持体23とからなるもので、スリット内刃21は支持体23の上面と継手22の下面との間に配設される押上げばね24による付勢でスリット外刃20内面に接する。図中201,231はヒートシール固定部、222,232は押上げばね24用のばね受けである。
【0023】
上記ネット刃1の保持枠6への装着は、支持枠12を保持枠6に被せるとともに支持枠12の両端に夫々設けた係合片121を保持枠6に設けたスリット61内に上下スライド自在に差し込むことで行う。このとき、保持枠6における上記スリット61の上端にあるフック62は係合片121の上方の縦長孔122に位置し、支持枠12の突部123は保持枠6のスリット61近傍部分の両面に接する。フック62によって抜け止めがなされた状態で上下動自在に保持されたネット刃1は、保持枠6におけるフロート用ばね片63が外刃枠11の側方突出部113の下面に接することでフロート用ばね片63によって上方にばね付勢される。従って、保持枠6に対してネット刃1はフロート自在となっている。ここで、支持枠12の内寸は保持枠6の外寸より大き目に設定してあり、後述の左右の傾きも許すものとしてある。
【0024】
保持枠6の幅方向中央部に上下動自在に配設されるスリット刃2は、支持体23の係止部233を保持枠6のフック64に係合させることで抜け止めがなされるとともに、保持枠6のばね受け65と支持体23のばね受け234との間に配設されたフロートばね25(図9参照)によって上方へばね付勢されてフロート自在となっているもので、係止部233が保持枠6内面の縦溝66内を上下にスライドし、支持体23の外側に位置するカバー片236のところに設けた縦リブ235が保持枠6外面の縦溝67内をスライドすることで、スリット刃2の上下動についてのスライドガイドを行う。スリット刃2の可動刃21への往復振動の伝達は、継手22の下端が前述のスリット刃用駆動子29と係合することによって行われる。
【0025】
トリマー刃3は、図6に示すように櫛状の刃先が約90°曲げられて設けられている固定刃30と、同じく櫛状の刃先を備えた可動刃31と、可動刃31を固定刃30に押し付ける押し上げばね32、トリマー基台33、トリマーカバー34、トリマー継手35等からなるもので、固定刃30はその刃先部に溝穴301とヒートシール穴302を備えており、ヒートシール穴302にはトリマーカバー34の下面のヒートシールボス342がヒートシールされて固定刃30にトリマーカバー34が一体に固定される。またトリマーカバー34の取付フック341と固定刃30の中央部に設けた固定溝303が結合して、中央部での浮きが防止される。上記溝穴301はトリマーカバー34の下面のガイドボス343と係合する。
【0026】
固定刃30の上記刃先部を除いた部分である保持部には、ガイド溝304とスライドフック305、軸孔部306、結合孔307が設けられている。上記ガイド溝304は、片方のネット刃1の支持枠12外面に形成されたガイドフック124と係合して、支持枠12に対する上下スライドのガイドを行う。また、スライドフック305は、支持枠12のの外面に上下2段で設けられたスライド係止リブ125と係合することにより、トリマー刃3が上下スライドする際に、上死点と下死点とでのがたつきを防ぐ。
【0027】
トリマー基台33は、固定刃30との間に、前述の可動刃31と押し上げばね32とばね保持枠36ならびにトリマー継手35とロック釦37を挟み込んだ状態で固定刃30と結合される。この結合は、トリマー基台33の裏面に設けた取付ボス331を固定刃30の結合孔307に挿通してヒートシールすることで行われる。また、トリマ一基台33の裏面に設けたリンクボス332は、トリマー継手35の軸孔351を貫通し、固定刃30の軸孔部306に抜ける。トリマー基台33の裏面下側に2つ設けたガイド溝止めボス333は、固定刃30と結合した状態において、固定刃30のガイド溝304の下側を閉じて抜け止めを行う。
【0028】
上記リンクボス332によって回転自在に支持されたトリマー継手35は、その上端の駆動ボス353を可動刃31の駆動穴311と係合する。トリマー継手35の下端の結合ボス352は、前述のトリマー駆動子39に係合する。トリマー駆動子54に結合ボス352が係合している状態では、出力部54及びトリマー駆動子39の往復振動がトリマー継手35を介して可動刃31に伝達される。
【0029】
上述のように、トリマー刃3は主刃ブロックAの一方のネット刃1に上下にスライド自在に取り付けられているわけであるが、図1及び図12(b)にトリマー刃3を上動させた状態を、図10及び図12(a)にトリマー刃3を下げた状態を示す。トリマー刃3を下げた状態では、トリマー継手35がトリマー駆動子39と係合していないために、モータ51を作動させてもトリマー刃3は作動しない。また、主刃ブロックAにおける2つのネット刃1,1とスリット刃2のみで髭を剃る場合において、トリマー刃3の刃先が肌に当たることがないように、トリマー刃3は相当量下側に位置した状態で保持される。
【0030】
トリマー刃3を上げた状態では、図1に示すようにトリマー刃3の刃先がネット刃1とほぼ同じ高さにくるとともに、トリマー継手35がトリマー駆動子39と係合するために、可動刃31の往復駆動がなされる。また、ネット刃1の支持枠12のトリマー刃3の取付面は、下側が外側に広がった傾斜面としてあってトリマー刃3を上動させれば、トリマー刃3の上端刃部はネット刃1の刃部に接近するために、トリマー刃3とネット刃1を両方同時に使って剃る場合においても、肌のたるみや落ち込みを防止でき、肌当たりの良いスムーズな剃り味を出すことができる。
【0031】
そして、トリマー刃3は片側のネット刃1に取り付けられて、該ネット刃1と一体にフロート自在となっており、肌に押し付けた時には同時に沈み込むものである。
【0032】
ところで、トリマー刃3をネット刃1に対して上下にスライドさせて上下位置を切り換える時、特にトリマー刃3を下げる時、ネット刃1も追従して動いてしまってはトリマー刃3の上下動操作がしにくくなる。このために、ここではトリマー基台33に設けたロック釦37を押し込めば、図11に示すように、ロック釦37の先端の押付ボス370が支持枠12の下側に設けた弾性フック部126を押し込んでその下端内側を保持枠6の前面に設けたロックボス68に乗り上げさせ、ネット刃1のフロートをロックすることができるようにしてある。従って、トリマー刃3を下げる操作において、トリマー刃3を支えている支持枠12が下がることがないものであり、このために無駄な動きが生じることなく、トリマー刃3の上下動操作を行うことができる。
【0033】
また、トリマー刃3は、本体5のスイッチハンドル55の配設面と同じ面に配置している。スイッチハンドル55の操作とトリマー刃3の上下動操作とを一連の操作として同じ指で行うことができるようにしているものであり、また本体5を持ち替えずにトリマー刃3によるもみ上げ揃えを行うことができるようにしたものである。
【0034】
そして、この電気かみそりでは、ネット刃1は上下にフロートするだけでなく、図13に示すように、左右の傾きもフロート用ばね片63の付勢下において自在となっているのであるが、ネット刃1にトリマー刃3を取り付けているために、ネット刃1が傾く時、トリマー刃3も傾くものであって、ネット刃1がどんな向きにフロートした場合においてもネット刃1とトリマー刃3との相対的位置関係は変化しない。従って、肌への追従性も良く、ネット刃1を押し付けた肌に対して、常に安定した接触状態でトリマー刃3も接触するものであり、トリマー刃3が肌に強く食い込んで刺激を生じたり、逆に、肌との間に隙間が生じて剃り残しが多くなったりすることがないものである。
【0035】
図14に他例を示す。これはネット刃1に対するトリマー刃3の上下位置を複数段階で調整できるようにしたもので、ここでは、支持枠12に設けられている上側のスライド係止ボス125’を上下に長くしてその範囲内で微妙な凹凸を付けている。トリマー刃3を上動させた時、その高さを微妙に調整することができるものであり、ネット刃1との位置関係をユーザの好みや剃り部位に合わせた最適な位置を選ぶことができるものである。
【0036】
図15〜図17は、2つのネット刃1,1の各外面側に夫々トリマー刃3,3を設けたものを示している。基本的構造は、前述のものと同じであるが、図中背面側のトリマー刃3への動力伝達のために、スリット刃用駆動子29が取り付けられる一方の出力部54にトリマー駆動子39も取り付けている。前後にトリマー刃3,3を配した図示例のものでは、前後どちらから剃る場合においても同じ剃り性能を得ることができるために、向きを気にして持ち替えたりすることなく、早剃りができる。
【0037】
図18〜図20に示したものは、トリマー刃3の外面に肌伸ばし用フィン70を上縁に備えた肌伸ばし部材7を上下スライド自在に設けたもので、長手方向両端に設けたフック部71をトリマー基台33の側面の長穴335に係合させることで上下動自在に保持されている。またトリマー基台33の長穴335の側部の上下2ヶ所に位置決め溝336を設けて、肌伸ばし部材7の位置決めを行えるようにしている。
【0038】
図19に示すようにトリマー刃3が下側にあり且つ肌伸ばし部材7が下側にある状態から、肌伸ばし部材7を上方へスライドさせれば、図20に示すように、肌伸ばし部材7はトリマー刃3の刃先部を覆ってトリマー刃3の刃先が肌に当たることを防ぐとともに、肌伸ばし部材7のフィン70が肌を伸ばして髭を起こすことにより、髭をより短く剃ることを可能とする。また、不使用時のトリマー刃3が肌と接触することを防止できるために、トリマー刃3の上下スライド量を小さくすることができ、トリマー刃3や支持枠12をコンパクトにすることが可能となる。
【0039】
図21〜24に別の例を示す。これはトリマー刃3におけるトリマ一基台33と固定刃30の前後相対位置を変化させることができるようにしたもので、固定刃30とトリマー基台33とは、下側ではトリマー基台33の取付ボス331と固定刃30の結合穴307がヒートシール結合し、上側では、固定刃30の結合アーム309がトリマー基台33の結合溝337に係合して、前後移動自在に結合する。また、押し上げばね32には、可動刃31を押し上げるばね部321以外に、前後ばね部322が設けられており、トリマー基台33を固定刃30から離れさせる方向の力を働かせる。このために、トリマー基台33と固定刃30とは下部を軸として、上側が開く相対回転移動が可能となっている。なお、トリマー継手35と固定刃30の相対位置関係を保つために、リンクボス332は固定刃30側に形成している。そして、固定刃30は支持枠12のガイドフック124に係合、トリマ一基台33は支持枠12のガイド溝128に係合する。ガイド溝128は支持枠12のトリマー刃3取付面に対し、上側にいくほど近接するように、相対的に傾斜させてある。
【0040】
従って、トリマー刃3を下げている時には、図23に示すように、トリマー基台33の上部が固定刃30から離間して、固定刃30の刃先が肌に直接触れるのを防止する。また、トリマー刃3を上動させた時には、図24に示すように、トリマ一基台33の上部が固定刃30に接近して固定刃30の刃先を露出させる。この場合においても、不使用時のトリマー刃3の刃先が肌と接触することを防止できるために、トリマー刃3の上下スライド量を小さくすることができ、トリマー刃3や支持枠12をコンパクトにすることができる。
【0041】
図25〜図28に示すものは、トリマー刃3を上下反転させることで、トリマー刃3の下縁に設けた肌伸ばし部材7を上側に位置させることができるようにしたものである。ここでは支持枠12に設けたボス90が固定刃3の軸孔部306とトリマー継手35の軸孔351とトリマー基台33の長穴91及び回転ばね92を貫通し、その先端にねじ93でワッシャー94が取り付けられる。図中95はフック部951がトリマー基台33のカバー係合穴96と結合することでトリマー基台33に取り付けられてねじ93を覆うねじカバーである。
【0042】
固定刃30の軸孔部306は筒状に形成されていて、その外周面でトリマー継手35の回転支持を行う。軸孔部306の内径は、ボス90に対してトリマー刃3の上下スライドを許す大きさのものとなっている。
【0043】
そして、トリマー基台33の下縁にはエラストマーで形成した肌伸ばし部材7を設けており、ボス90を中心にトリマー刃3全体を180°回転させて上下を反転させることで、肌伸ばし部材7を最適位置にセットすることができるようにしてある。
【0044】
図27(a)は刃先が上側になっているトリマー刃3を下げた位置にセットした状態を示しており、この状態からトリマー刃3を上動させれば、図27(b)に示すトリマー刃3の使用が可能な状態となる。
【0045】
そして図27(a)に示した状態から、トリマー刃3を180°回転させれば、図28に示すようにネット刃1の刃部とほぼ同じ高さに肌伸ばし部材7が位置し、肌伸ばしとして使用可能となる。この時、トリマー刃3の刃先は相当下方に位置することになるため、肌に当たって肌を傷つけたりすることがない。なお、トリマー刃3を上動させた状態においては、トリマー継手35がトリマー駆動子39に係合しているために、トリマー刃3を回転させることはできない。
【0046】
図中97は回転操作用リブである。また、支持枠12には図20及び図21に示す3状態に対応した回転フック係合穴98を設けてあり、固定刃30の下側に設けた回転フック99先端の背方側に突出する突起部が回転フック係合穴98に係合して位置決めを行う。
【0047】
【発明の効果】
以上のように本発明においては、支持枠とこの支持枠に取り付けたネット外刃とを備えるネット刃は、その支持枠が保持枠に対して上下スライド自在に支持されるとともに上方に向けてばね付勢されることでフロート自在とされたものであり、上記トリマー刃はネット刃の上記支持枠に取り付けられてネット刃との位置関係が保たれた状態でネット刃と常に一体にフロートするものであるために、ネット刃が上下方向だけでなく左右の傾きも許されたフロートを行うものにおいても、ネット刃とフロート刃とが一体的にフロートする。従って、トリマー刃とネット刃とが共に肌に当たった状態を良好に維持できるものであり、またネット刃の支持枠にトリマー刃を取り付けていることからネット刃の刃部の近傍にトリマー刃の刃部を位置させるにあたって両者の間が離れてしまうようなこともないために、肌当たりが良く、剃り残しも少なくすることができる。しかも、トリマー刃は支持枠に対する上下スライドによってネット刃の刃部の近傍に刃部を位置させた状態とネット刃の刃部よりも下方に刃部を位置させた状態との間を切換自在となっているために、トリマー刃をネット刃の刃部より下方に位置させた状態とすることで、ネット刃単独での使用も問題なく行うことができる。
【0048】
そして、トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において動力伝達部材と係合し且つその刃部をネット刃の刃部よりも下方に位置させた状態において動力伝達部材と切り離されるようにしておけば、無駄な負荷電流を消費しないため電池が長持ちすることになる。
【0049】
また、トリマー刃の表面に、該トリマー刃を保持しているネット刃のフロート動作についてのロック手段のための操作部を設けておくことで、フロート自在なネット刃にトリマー刃を取り付けているにもかかわらず、トリマー刃の刃部の位置の切り換え操作を必要最低限の操作量で行うことができる。
【0050】
そして、トリマー刃をネット刃の刃部の近傍にその刃部を位置させた状態において上下位置を調整自在としているものでは、ネット刃との同時剃りを行う上において、トリマー刃と肌との接触状態を使用者の好みや剃り部位に合った最適状態にセットすることができるものとなる。
【0051】
トリマー刃は、その固定刃が略直角に曲げられて外側に向けられた刃先を有しており、該刃先部と略直角をなしている部分がネット刃の支持枠に保持されたものとなっていると、トリマー刃の刃先部分の厚みを小さくすることができ、ネット刃との距離を小さくすることもできるため、トリマー刃とネット刃を両方同時に使って剃る場合においても、肌のたるみ、落ち込みが防止でき、肌当たりの良いスムーズな剃り味を出すことができる。
【0052】
また、トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態においてその刃先をネット刃の刃部とほぼ同じ高さに位置させるものとしておくと、ネット刃によって肌との位置関係が固定されるために、トリマー刃が肌から浮いたり、逆にトリマー刃の刃先が肌に食い込んだりする状態が生じるのを防ぐことができ、剃り残しがなく、肌当たりのよい剃り性能を得ることができる。
【0053】
ネット刃の支持枠におけるトリマー刃を上下スライド自在に保持する保持面をネット刃の上下フロート方向に対して傾いた傾斜面として形成して、トリマー刃がその上動で刃部をネット刃に接近するようにしておけば、ネット刃との距離をさらに小さくすることができる。
【0054】
また、外面が切り換え用の操作部となっているトリマー刃を電気かみそり本体における電源操作用のスイッチハンドルが配された面と同じ面に配設しておけば、トリマー刃の移動操作とスイッチ操作とが本体の持ち替えを必要とすることなく指の移動だけで行うことができて、操作しやすいものとなる。また、トリマー刃によってもみあげを揃える時においても、手を捻ったり、本体を持ち替えたりせずに楽に剃ることができる。
【0055】
そして、トリマー刃をネット刃の両面に夫々設けておけば、前後どちら向きに剃る場合においてもトリマー刃とネット刃の同時剃りが可能となり、より早く、より剃り残しなく剃り上げることができる。
【0056】
トリマー刃の外側に肌伸ばし部材が配設されているとともに、上記肌伸ばし部材はその上縁に備えた肌伸ばし部がトリマー刃の刃先よりも上方に位置する状態とトリマー刃の刃先よりも下方に位置する状態との間でトリマー刃に対して上下スライド自在に取り付けてもよい。トリマー刃を使わない場合においては肌伸ばしとして機能させることができ、より短く剃ることが可能となる。
【0057】
トリマー刃がその刃部をネット刃の刃部よりも下方に位置させた状態において刃先側に向けて突出し且つ上記刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において後退して刃先を露出させる部材を備えているものとしておけば、トリマー刃を使わない状態においてはトリマー刃の刃先の露出を少なく、あるいは無くすことができ、刃先が肌に当たって肌を痛めたりすることを防ぐことができるものであり、またトリマー刃の上下スライド量を少なくしても問題が生じないために、構造をコンパクトにできる。
【0058】
さらに、トリマー刃をネット刃の支持枠に対して上下反転自在に取り付ければ、完全に肌がトリマー刃の刃先に当たらないようにすることができる。しかも、刃先が設けられた縁と上下逆の縁に肌伸ばし部材を設けておくと、上記反転によってトリマー刃を肌伸ばし部材として用いて、より短く剃ることが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の実施の形態の一例の要部断面図である。
【図2】 同上の断面図である。
【図3】 同上の正面図である。
【図4】 同上の主刃ブロックとトリマー刃の分解斜視図である。
【図5】 同上の本体部分の分解斜視図である。
【図6】 同上のトリマー刃の分解斜視図である。
【図7】 同上のスリット刃の分解斜視図である。
【図8】 同上のネット刃の分解斜視図である。
【図9】 同上の保持枠の斜視図である。
【図10】 同上のトリマー刃を下げた状態の要部断面図である。
【図11】 同上のトリマー刃の上下操作のためにネット刃のフロートをロックした状態を示す要部断面図である。
【図12】 (a)(b)は同上のトリマー刃の上下スライド動作を示す部分正面図である。
【図13】 (a)(b)は同上のトリマー刃のネット刃と一体のフロート動作を示す部分正面図である。
【図14】 他例における主刃ブロックの斜視図である。
【図15】 同上の更に他例における主刃ブロックとトリマー刃の分解斜視図である。
【図16】 同上の本体部分の分解斜視図である。
【図17】 同上の要部断面図である。
【図18】 さらに他例のトリマー刃の分解斜視図である。
【図19】 同上の要部断面図である。
【図20】 同上の肌伸ばし部材を上動させた状態の要部断面図である。
【図21】 別の例のトリマー刃の分解斜視図である。
【図22】 同上のネット刃における支持枠の斜視図である。
【図23】 同上のトリマー刃を下げた状態での要部断面図である。
【図24】 同上のトリマー刃を上げた状態での要部断面図である。
【図25】 さらに別の例のトリマー刃の斜視図である。
【図26】 同上のネット刃における支持枠の斜視図である。
【図27】 (a)(b)は同上のトリマー刃の上下スライド動作を示す部分正面図である。
【図28】 同上のトリマー刃の上下反転状態の部分正面図である。
【符号の説明】
1 ネット刃
3 トリマー刃
11 外刃枠
12 支持枠
Claims (13)
- ネット刃とトリマー刃とを備えた往復式電気かみそりであって、支持枠とこの支持枠に取り付けたネット外刃とを備える上記ネット刃は、その支持枠が保持枠に対して上下スライド自在に支持されるとともに上方に向けてばね付勢されることでフロート自在とされたものであり、上記トリマー刃はネット刃の上記支持枠に取り付けられてネット刃との位置関係が保たれた状態でネット刃と常に一体にフロートするものであるとともに、支持枠に対する上下スライドによってネット刃の刃部の近傍に刃部を位置させた状態とネット刃の刃部よりも下方に刃部を位置させた状態との間を切換自在となっていることを特徴とする往復式電気かみそり。
- トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において動力伝達部材と係合し且つその刃部をネット刃の刃部よりも下方に位置させた状態において動力伝達部材と切り離されるものであることを特徴とする請求項1記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃の表面には、該トリマー刃を保持しているネット刃のフロート動作についてのロック手段のための操作部が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において上下位置を調整自在としているものであることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃の固定刃は略直角に曲げられて外側に向けられた刃先を有しており、該刃先部と略直角をなしている部分がネット刃の支持枠に保持されていることを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態においてその刃先をネット刃の刃部とほぼ同じ高さに位置させるものであることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- ネット刃の支持枠におけるトリマー刃を上下スライド自在に保持する保持面がネット刃の上下フロート方向に対して傾いた傾斜面として形成されて、トリマー刃はその上動で刃部をネット刃に接近させるものであることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- 外面が切り換え用の操作部となっているトリマー刃は電気かみそり本体における電源操作用のスイッチハンドルが配された面と同じ面に配設されていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃はネット刃の両面に夫々設けられていることを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃の外側に肌伸ばし部材が配設されているとともに、上記肌伸ばし部材はその上縁に備えた肌伸ばし部がトリマー刃の刃先よりも上方に位置する状態とトリマー刃の刃先よりも下方に位置する状態との間でトリマー刃に対して上下スライド自在に取り付けられたものであることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃はその刃部をネット刃の刃部よりも下方に位置させた状態において刃先側に向けて突出し且つ上記刃部をネット刃の刃部の近傍に位置させた状態において後退して刃先を露出させる部材を備えていることを特徴とする請求項1〜10のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃はネット刃の支持枠に対して上下反転自在に取り付けられていることを特徴とする請求項1〜9のいずれか1項に記載の往復式電気かみそり。
- トリマー刃は刃先が設けられた縁と上下逆の縁に肌伸ばし部材を備えていることを特徴とする請求項12記載の往復式電気かみそり。
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