JP3842084B2 - ロールオーバーバルブ - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は二輪車の燃料タンクに使用するロールオーバーバルブに関し、詳しくは、弁の貼付時の燃料タンクの変形を防止することができるロールオーバーバルブに関するものである。
【0002】
【従来の技術】
従来、自動車の燃料タンクの上部開口部に装着され、通常時は弁を開放して通気状態を維持し、燃料液面上昇時および車両横転時においては、弁を閉鎖して燃料の流出を阻止する燃料遮断弁、いわゆる、ロールオーバーバルブの構成については、例えば、特開平11−37008号公報等で公知である。すなわち、前記公報によれば、燃料液面上昇時はケース内に設けられたフロートの浮力によりメインバルブとサブバルブが閉じられることにより弁を閉鎖し、車両横転時はフロート下部に設けられたスプリングの押圧力により弁を閉鎖して燃料の流出を阻止するとしている。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
一方、二輪車におけるロールオーバーバルブにおいては、燃料タンクの構造上、または、取付スペースの関係上、自動車のようなスペースを取るロールオーバーバルブは装着することができず、図2に示すようなコンパクトな形状が要求され、燃料タンクとキャニスタとの連通路中に燃料ホース(不図示)を介して装着されるのが一般的である。そのため、ニードルバルブ26、スプリング27、プッシュピン28からなる弁体22は図示する正規の取付状態においては、自重で弁座23から離れて開弁し、燃料タンク内の圧力を開放して大気圧に保持するよう構成される。なお、ロールオーバーバルブ21を構成するパイプ24は不図示の燃料タンクの上部空間部に連通され、パイプ25は不図示のキャニスタに連通される。
【0004】
二輪車が転倒してロールオーバーバルブ21が、例えば90〜270度傾斜したときは、弁体22の下部に当接して設けられたウエイト29の下部に設けられたスプリング30の押圧力により、ウエイト29が弁体22側に押され弁体22を押して閉弁させ、燃料タンク内の燃料の大気への流出を防止している。しかしながら、転倒時に閉弁したまま弁体22が弁座23に貼り付いてしまった場合、燃料タンク内の温度が下降して燃料タンク内の燃料の密度が減少することにより、燃料タンク内の負圧が絶対値で6kPa程度にもなり、燃料タンクが変形する恐れがある。そこで本発明は、万一、弁体が閉弁したまま弁座に貼り付いた場合でも、燃料タンク内の温度下降時に、燃料タンク内の負圧により燃料タンクが変形するのを防止することができるロールオーバーバルブを提供することを課題とするものである。
【0005】
【課題を解決するための手段】
前記課題の解決を目的としてなされた請求項1の発明は、
上段部を小径の弁室としかつ下段部を大径のウエイト室とする上下2段の円筒状空間部を形成し、前記弁室にその上端に設けた弁座を構成する孔を通じて連通されかつ燃料タンクが連通される上側のパイプ、及び、前記ウエイト室の下面側に連通されかつキャニスタが連通される下側のパイプを有するケースと、
前記ケースの弁室内に上下方向に摺動可能に組み込まれかつその摺動により該弁室の前記弁座を開閉するニードルバルブと、
前記ニードルバルブに形成された下方に開口する有底孔内に遊嵌されたプッシュピンと、
前記ケースのウエイト室内に上下方向に移動可能に組み込まれかつスプリングにより上方へ所定の押圧力で押圧され、また前記プッシュピンと共に前記ニードルバルブを支持するウエイトと
を備え、
前記ケースの直立正規取付位置においては、前記ウエイト、前記プッシュピン及び前記ニードルバルブの重量を受けて前記スプリングが撓み、ニードルバルブが開弁されることにより、燃料タンクからの蒸発燃料をキャニスタに吸収させ、
また、前記ケースの傾斜した位置においては、前記ウエイト、前記プッシュピン及び前記ニードルバルブが前記スプリングの押圧力により押し上げられ、ニードルバルブが閉弁されることにより、燃料タンクからキャニスタへの燃料の流出を防止する
ロールオーバーバルブであって、
前記ケースに、前記弁室を取り囲みかつその上端開口部が前記上側のパイプ内に連通する有底の環状空間部を設け、
前記環状空間部に、有底円筒状をなしかつその底部に弁座を構成する孔を通じて前記ウエイト室に連通する弁室を設け、
前記環状空間部の弁室内に、前記弁座を開閉可能に組み込まれ、前記燃料タンク内の正圧により閉弁されかつ前記燃料タンク内の負圧により開弁される逆止弁を設けた
ことを特徴とする
【0006】
【発明の実施の形態】
本発明の望ましい実施形態について図面を参照して説明する。図1は本発明の一実施形態に係るロールオーバーバルブの縦断面図である。図1において、ロールオーバーバルブ1を構成する合成樹脂製のケース本体2の上部開口部には有底の環状空間部2aが形成され、ケース本体2の下部開口部には2段に構成された有底の円筒状空間部3が形成されている。円筒状空間部3の奥の空間部は環状空間部2aの中央に入り込んで構成され、底部には孔3aが設けられ弁座3bおよび弁室3cを構成している。円筒状空間部3の外側の空間部の内周面3dには複数のリブ3eが設けられ、リブ3eの先端面は円筒状を呈し、後述するウエイト10の外周面10aが接触してウエイト10が摺動するウエイト室3fを構成している。環状空間部2aには円筒状の弁室2bが設けられ、弁室2bの底部にはウエイト室3fに通じる孔2cが穿設され弁座2dを構成している。ウエイト室3f、円筒状の弁室2b、孔2cにより後述する主弁70を迂回する通路を構成している。
【0007】
ケース本体2の上部開口端には合成樹脂製のカバー5が嵌合されケース本体2と気密を保持して溶着されている。カバー5の外側にはパイプ5aが立設され、パイプ5aの外側端は燃料タンク50の上部空間にゴムホース51により連通され、パイプ5aの内側端は環状空間部2aおよび弁室2bならびに弁室3cに連通している。ケース本体2の下部開口端には合成樹脂製のカバー6が嵌合されケース本体と気密を保持して溶着されている。斯くして、円筒状空間部3の外側の空間部はウエイト室3fを構成する。カバー6の外側にはパイプ6aが立設され、パイプ6aの外側端はキャニスタ52にゴムホース53により連通され、パイプ6aの内側端はウエイト室3fに連通している。なお、ケース本体2とパイプ5aとパイプ6aとは、本明細書でいう「ケース」を構成している。また、パイプ5aは、本明細書でいう「上側のパイプ」に相当する。また、パイプ6aは、本明細書でいう「下側のパイプ」に相当する。
【0008】
弁室3c内には多角形断面形状のニードルバルブ7が組み込まれ、外径円周部7aが弁室3cの内周面に接して摺動する(図1(b)参照)。ニードルバルブ(弁体)7の多角形の辺と弁室3cの内周面間の通路3gを蒸発燃料が通過するよう構成されている。ニードルバルブ7の上部先端部はテーパ状の弁7bを構成し、弁座3bに当接することにより主弁70を構成する。ニードルバルブ7の中央には有底孔7cが穿設され、有底孔7cにはスプリング8を介してプッシュピン9が遊嵌されている。ウエイト室3fにはウエイト10が設けられ、ニードルバルブ7、スプリング8、プッシュピン9を支持している。ウエイト10の下面10bには蒸発燃料を通す連通溝10cが刻設されている。
【0009】
ウエイト10の下にはスプリング11が設けられ、ウエイト10を上方に押圧している。図示の状態においては、スプリング11はウエイト10、プッシュピン9、スプリング8、ニードルバルブ7の重量を受けて撓み、ウエイト10はカバー6に当接しニードルバルブ7が下降して弁が開くよう構成されている。そして、二輪車の転倒等によりロールオーバーバルブ1が例えば90度傾斜した時、スプリング11の押圧力はウエイト10が押圧されてニードルバルブ7を閉弁させるよう設定されている。一方、弁室2b内にはボール弁12がスプリング13により押圧されて弁座2dに当接し逆止弁14を構成している。なお、ロールオーバーバルブ1は図示の状態が通常の正規取付位置で、二輪車直立時の取付状態である。
【0010】
次に、本実施形態の作用について図面を参照して説明する。図1において、通常、二輪車が直立状態の時は、スプリング11はウエイト10、プッシュピン9、スプリング8、ニードルバルブ7の重量を受けて撓み、ウエイト10はカバー6に当接しニードルバルブ7が下降して主弁70が開く。この時、燃料タンク50から流入する蒸発燃料は、開放された弁座3b、弁室3cの通路3g、リブ3eの隙間、連通溝10cをそれぞれ通過してキャニスタ52に吸収され、大気への流出が阻止される。
【0011】
二輪車の転倒等により、ロールオーバーバルブ1が90度傾斜すると、ウエイト10がスプリング11により押圧されニードルバルブ7側に移動し、ニードルバルブ7を閉弁させる。この時、燃料タンク50から流入する燃料はニードルバルブ7およびボール弁12で阻止され、大気への流出が防止される。万一、ニードルバルブ7が弁座3bに貼り付いて閉弁し、燃料タンク内の温度が低下し燃料の密度が減少して燃料タンク内の負圧が絶対値で大きくなった場合、逆止弁14(ボール弁12)が開いて燃料タンク50内の圧力を大気圧に保ち、燃料タンク50の変形を防止する。逆に燃料タンク50内の温度が上昇して燃料タンク50内の圧力が上昇した場合には、燃料タンク50内には大きな正圧が加わり、ニードルバルブ7を強制的に押し開いて燃料タンク50内を大気圧に保つ。
【0012】
一般的に使用される市販二輪車用タンクを用いたニードルバルブ貼付時のタンク変形モデル試験を行った結果、逆止弁14の負圧による開弁圧力を絶対値で6kPaに調整した場合は、燃料タンクの変形は生じなかった。
【0013】
【発明の効果】
本発明のロールオーバーバルブは上述のように構成されているので万一、弁体であるニードルバルブが弁座に貼り付いてしまった場合で燃料タンク内温度の低下にともない、燃料タンク内が負圧になる場合には、その負圧により逆止弁が開弁されることにより燃料タンク内の圧力が大気圧に保たれるため、燃料タンクの負圧による変形を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1(a)は本発明の一実施形態にかかるロールオーバーバルブの縦断面図である。
図1(b)は断面A−Aである。
図1(c)は断面B−Bである。
【図2】従来のロールオーバーバルブの縦断面図である。
【符号の説明】
1 ロールオーバーバルブ
7 ニードルバルブ(弁体)
8 スプリング
9 プッシュピン
14 逆止弁
70 主弁

Claims (1)

  1. 上段部を小径の弁室としかつ下段部を大径のウエイト室とする上下2段の円筒状空間部を形成し、前記弁室にその上端に設けた弁座を構成する孔を通じて連通されかつ燃料タンクが連通される上側のパイプ、及び、前記ウエイト室の下面側に連通されかつキャニスタが連通される下側のパイプを有するケースと、
    前記ケースの弁室内に上下方向に摺動可能に組み込まれかつその摺動により該弁室の前記弁座を開閉するニードルバルブと、
    前記ニードルバルブに形成された下方に開口する有底孔内に遊嵌されたプッシュピンと、
    前記ケースのウエイト室内に上下方向に移動可能に組み込まれかつスプリングにより上方へ所定の押圧力で押圧され、また前記プッシュピンと共に前記ニードルバルブを支持するウエイトと
    を備え、
    前記ケースの直立正規取付位置においては、前記ウエイト、前記プッシュピン及び前記ニードルバルブの重量を受けて前記スプリングが撓み、ニードルバルブが開弁されることにより、燃料タンクからの蒸発燃料をキャニスタに吸収させ、
    また、前記ケースの傾斜した位置においては、前記ウエイト、前記プッシュピン及び前記ニードルバルブが前記スプリングの押圧力により押し上げられ、ニードルバルブが閉弁されることにより、燃料タンクからキャニスタへの燃料の流出を防止する
    ロールオーバーバルブであって、
    前記ケースに、前記弁室を取り囲みかつその上端開口部が前記上側のパイプ内に連通する有底の環状空間部を設け、
    前記環状空間部に、有底円筒状をなしかつその底部に弁座を構成する孔を通じて前記ウエイト室に連通する弁室を設け、
    前記環状空間部の弁室内に、前記弁座を開閉可能に組み込まれ、前記燃料タンク内の正圧により閉弁されかつ前記燃料タンク内の負圧により開弁される逆止弁を設けた
    ことを特徴とするロールオーバーバルブ。
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