JP3842390B2 - 血圧測定装置及び心機能解析装置 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は血圧測定装置及び心機能解析装置に関し、特に人体に平常時から一定条件下における運動負荷を与え、常態復帰まで各種循環動態因子の経時推移を測定することで心機能を解析し、評価をするための血圧測定装置及び心機能解析装置に関する。
【0002】
【発明の背景】
従来より血圧値は循環器系の状態把握をするための指針として有効なもので、その血圧の測定には観血法と非観血法とが存在しているが、比較的手軽に実行し得る非観血法(間接的測定法)が普及している。
【0003】
この非観血法にも種々の方法があり、大別するとカフ方式と連続的方式とに分かれるが、いずれにしても一般的には最大血圧値と最小血圧値を得ることにより、標準的な基準値と比較し、評価を行なうものとなっている。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、従来の血圧値からの評価は大概的なものであり、心機能を解析するには不十分であり、また、個人差もあることから、前記した評価の精度も確率的に低いものとなってしまうものであった。
【0005】
【発明の目的】
そこで、本発明は上記した従来の実情、問題点に着目してなされたもので、係る問題点を解消して、個人ベースとしてより精度の高い評価をなし得るものとした、新規な血圧測定装置と心機能解析装置を提供することを目的としている。
【0006】
【課題を解決するための手段】
この目的を達成するために、本発明に係る血圧測定装置は、被検者に取り付けられるカフ圧の減少に伴う脈波形を取得する脈波形検出手段を有し、該脈波形におけるノッチの発生時点を最大血圧とし、該脈波形におけるノッチの消失時点を最小血圧として求めることを特徴とする。
また、この目的を達成するために、本発明に係る心機能解析装置は、運動開始から、負荷条件を一定とした運動終了後の常態復帰まで一定時間ごとの脈波形を取得する脈波形取得手段と、脈波形から、最大血圧、最小血圧、心拍数、左室駆出時間を循環動態因子の基本因子として求めるとともに、平均血圧、脈圧及びダブルプロダクトを循環動態因子の複合因子として求める循環動態因子算出手段と、循環動態因子の各々について、安静時の値を0として各測点で囲まれた変化分の時系列積分値を算出する積分値算出手段と、循環動態因子の各々について求めた変化分の時系列積分値を用いて心機能を解析する解析手段を有し、循環動態因子算出手段が、脈波形におけるノッチの発生時点を最大血圧とし、脈波形におけるノッチの消失時点を最小血圧として求めることを特徴としている。
【0007】
【作用】
上記した構成としたことによって、平常時から一定の運動負荷を経て常態復帰までのデータを取ることができ、このデータから心機能を解析することが可能となる。そして、その結果として得られる評価も精度が高いものとなるもので、加えて、このデータの信頼性に基づいて、血圧剤を投与した場合の薬効も確認することができることとなる。
【0008】
【発明の実施の形態】
次に、本発明の実施の形態を図面を参照して説明する。図1は本発明を実施した血圧測定装置のブロック図、図2は安静時における脈波形図であり、Aは実波形、Bはフィルターを通した波形、図3は運動時の脈波形図でAは実波形、Bはフィルターを通した波形、図4は各因子のインテグラルバリュー%として示す図、図5は健常群と疾患群を座標として分布した図、図6は因子負荷量から立体座標により区切った象限により分布した図である。
【0009】
これらの図にあって1はパーソナルコンピュータ(パソコン)を示している。このパソコン1には対象者の上腕部に巻回締着されるカフ帯2が電気的に接続される。このカフ帯2には校正用血圧計3も作動させる自動開放弁4が接続されている。
【0010】
前記したパソコン1からは前記した自動開放弁4を駆動させるため、ポンプコントロールとして加圧基準電圧が印加され、その加圧基準電圧はD/Aコンバータ5によって交流として加圧制御回路6へ入力される。なお、この加圧制御回路6からはパソコン1に対して加圧ステータスが送られるものとなっている。
【0011】
また、前記した加圧制御回路6は加圧ポンプ7を駆動させて前記した自動開放弁4を作動させることとなる。なお、図中8は校正用の手動開放弁である。
【0012】
さらに、自動開放弁4には圧力センサ9が付設されており、この圧力センサ9からの信号は電圧変換器10を通してA/Dコンバータ11により直流変換されてパソコン1に入力される。
【0013】
一方、図中12は脈波形トランスジューサーであり、この脈波形トランスジューサー12で変換された波形はアンプ13により増幅される。なお、このアンプ13では利得(GAIN)調整13aがなされるものとなっている。
【0014】
そして、このアンプ13で増幅された信号波はLED表示14されながらレベル電圧調整回路15を通り、前記したA/Dコンバータ11へ送られる。また、アンプ13からの信号波はレベル電圧調整回路15と並列配備されたフィルター16を通り、波形調整されてA/Dコンバータ11へ送られるもので、このA/Dコンバータ11からパソコン1にデータ信号として入力される。なお、図中17はパソコン1のスタートストップ回路である。
【0015】
こうしてA/Dコンバータ11から入力されたデータは波形処理され、ファイル処理され、必要に応じて画面表示やプリントアウト等のための出力ファイル18へ送られる。
【0016】
上記した装置を用いての対象者の血圧測定は次のように行なわれる。即ち、対象者は上腕に前記したカフ帯2を装着した状態で、アップライトなトレッドミルによる歩行運動を行ないながら、その脈波形を一定時間間隔でチェックしていく。
【0017】
この運動負荷条件は日本人の体型、特に下肢の長さ、体格、体力を考慮し、健常人でも心拍数、最大血圧値が略50%増加し、疾患者でも事故がなく、老齢者、運動不足の人、膝関節に多少の障害があっても実施可能等とすることから計出され、速度は3Km/h、勾配14%、時間は4分間とし、運動開始から負荷前の常態復帰まで20秒ごとに測定するものとしている。
【0018】
また、本発明による血圧測定方法の原理は、カフ帯2が巻かれる上腕の動脈微少口径変位波形がカフ圧減少に伴って上行脚部位に鋭いノッチが出現し、さらに減圧すると、ノッチが消失することに着目して、超音波変位計で計測した結果、ノッチの発生が上腕動脈の閉塞から開口しはじめ、即ち最大血圧に、ノッチの消失が同動脈の完全開放、即ち最小血圧に一致することによるもので、直接圧やコロトコフ音とも一致することによる。
【0019】
さらに、本発明にあっては脈波形をとることで各循環動態因子、即ち、心拍数(HR)、最大血圧(maxBP)、最小血圧(minBP)、左室駆出時間(ET)の4つを基本として算出する。つまり、最大血圧、最小血圧はノッチの観測により、心拍数は記録した動脈圧波形の間隔から、左室駆出時間は最小血圧直後の圧波形の上行脚起点と下行脚切痕の時間差に紙送り速度を加味して算出する。
【0020】
そして、前記したノッチNは図2、図3として示す安静時、運動時の波形図のように、前記したフィルター16を通過させても、その波形に表出するもので、このフィルター16に波形信号を通過させることで目的とする要素が更に明確に把握でき、処理も容易なものとできる。
【0021】
各循環動態因子は前記した4つの基本に加え、平均血圧(meanBP)、脈圧(pulse pressure)、ダブルプロダクト(maxBP×HR)を加えた複合因子7項目の時系列変化分積分値(Integral Value%)である。各基本因子は安静起立時に測定し、運動開始から常態復帰まで、20秒ごとに測定するのは前述したとおりである。
【0022】
積分値は安静時を含めた20秒ごとの測定点で基本因子4種及び複合因子3種を測定あるいは算出し、安静時の値を0として各測点で囲まれた変化分の時系列積分値をパソコン1によって自動計算する。
【0023】
基本因子は対象によって各々絶対値は異なるが、運動負荷及び負荷後常態復帰までの変化分で算出すると、安静時の値の如何を問わず個体推移及び他の症例との比較が可能となるものであり、従って各因子の表示は図4として示すようにインテグラルバリュー%となる。
【0024】
このインテグラルバリュー%7成分の健常群、疾患群の量的変化特性は主成分分析によると、第1主成分での寄与率は59.44%であり、ダブルプロダクトから順に最大血圧、平均血圧、脈圧、最小血圧、心拍数、左室駆出時間が因子解釈の大きな情報をもつことが判明しており、第1主成分が疾患を判別する因子と解釈できる。また、第2主成分の寄与率は19.09%で累積寄与率は78.5%を超える高値となって健常群に対する疾患群の特性が十分に示唆されることとなる。
【0025】
図5は健常群を○印、疾患群を×印として、因子負荷量から個体得点を求めて、第1主成分を横軸とし、第2主成分を縦軸とした直交座標に個体をプロットしてその分布をみたものである。健常群は第1主成分で左側、即ち−3〜−7の間、疾患群は右側−3〜+8に分布している。しかし、第2主成分については健常群は−2〜+2、疾患群が−3〜+3に分布しバラつきは小さい。
【0026】
この分布の結果として、健常群と疾患群とを区別する判別的中率は第1主成分からみて96.6%の高値となる。
【0027】
さらには、因子負荷量から個体得点を第1主成分をX軸、第2主成分をY軸、第3主成分をZ軸とした三次元(立体)領域での座標点を(−2.8,0,0)を原点として求めると8個の象限(空間)に区切ることができ、この8個の象限のどこに健常群と疾患群の分布性を見ると、図6に示すようにこの両群は完全に分離し得た。
【0028】
【発明の効果】
本発明に係る血圧測定装置と心機能解析装置は上述のように構成される。これによると、基本因子の測定は約15回以上となり、この基本因子と時間をコンピュータで自動処理する。健常群では各因子とも低く、心筋酸素消費量も少ないが、疾患群ではこの心筋酸素消費量も多く外部的効率が明らかに低いことが判明している。そして、本発明は直接圧やコロトコフ音との誤差もほとんどなく、運動負荷時の血圧値をデータとして採ることによって、心機能の評価の精度は極めて高いものとなっている。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明を実施した血圧測定装置のブロック図である。
【図2】安静時における脈波形図である。
【図3】運動時における脈波形図である。
【図4】各因子をインテグラルバリュー%として示す図である。
【図5】健常群と疾患群を第1主成分と第2主成分を軸とした座標部分図である。
【図6】健常群と疾患群を第1主成分、第2主成分、第3主成分を軸とした立体座標で区切られる象限により分布した図である。
【符号の説明】
1 パーソナルコンピュータ
2 カフ帯
3 校正用血圧計
4 自動開放弁
5 D/Aコンバータ
6 加圧制御回路
7 加圧ポンプ
8 手動開放弁
9 圧力センサ
10 電圧変換器
11 A/Dコンバータ
12 脈波形トランスジューサー
13 アンプ
14 LED表示
15 レベル電圧調整回路
16 フィルター
17 スタートストップ回路
18 出力ファイル
N ノッチ
Claims (9)
- 被検者に取り付けられるカフ圧の減少に伴う脈波形を取得する脈波形検出手段を有し、該脈波形におけるノッチの発生時点を最大血圧とし、該脈波形におけるノッチの消失時点を最小血圧として求めることを特徴とする血圧測定装置。
- 前記ノッチの発生が、上行脚部位に生じるものであることを特徴とする請求項1記載の血圧測定装置。
- 前記脈波形が動脈微少口径変位波形であることを特徴とする請求項1または請求項2記載の血圧測定装置。
- さらに、心拍数と左室駆出時間を求めることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の血圧測定装置。
- さらに、平均血圧、脈圧、及びダブルプロダクトを求めることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の血圧測定装置。
- 運動開始から、負荷条件を一定とした運動終了後の常態復帰まで一定時間ごとの脈波形を取得する脈波形取得手段と、
前記脈波形から、最大血圧、最小血圧、心拍数、左室駆出時間を循環動態因子の基本因子として求めるとともに、平均血圧、脈圧及びダブルプロダクトを前記循環動態因子の複合因子として求める循環動態因子算出手段と、
前記循環動態因子の各々について、安静時の値を0として各測点で囲まれた変化分の時系列積分値を算出する積分値算出手段と、
前記循環動態因子の各々について求めた前記変化分の時系列積分値を用いて心機能を解析する解析手段を有し、
前記循環動態因子算出手段が、前記脈波形におけるノッチの発生時点を前記最大血圧とし、前記脈波形におけるノッチの消失時点を前記最小血圧として求めることを特徴とする心機能解析装置。 - 前記脈波形取得手段と前記循環動態因子算出手段が、請求項1乃至請求項5のいずれか1項記載の血圧測定装置である請求項6記載の心機能解析装置。
- 前記一定時間が20秒であることを特徴とする請求項6または請求項7に記載の心機能解析装置。
- 前記解析手段が、前記循環動態因子の各々について求めた前記変化分の時系列積分値を主成分分析することにより、心機能を解析することを特徴とする請求項6乃至請求項8のいずれか1項に記載の心機能解析装置。
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