JP3846471B2 - 粘着剤及び該粘着剤を用いてなる粘着加工品 - Google Patents

粘着剤及び該粘着剤を用いてなる粘着加工品 Download PDF

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Description

本発明は、粘着剤及び該粘着剤を用いてなる粘着加工品、即ち塗工物に関する。詳しくはトルエン及びハロゲン化合物を含有しないという社会的な要求に応える粘着剤に関する。
従来から有機溶剤型粘着剤の分野では、ラジカル重合性モノマーを重合してなる共重合体に対して、イソシアネート基を有する化合物が硬化剤として用いられてきた。この場合、主剤たる重合体は、トルエン存在下で重合されることが多い。トルエンは、モノマーや生成される重合体に対して溶剤として機能する他、重合時の連鎖移動剤としても機能する。また、重合後トルエンは、粘度調製用の希釈剤としても使用される場合が多い。
しかし、近年、環境面等からトルエンを含有しない粘着剤が求められるようになってきた。
そこで、トルエンを用いず、酢酸エチル等、他の有機溶剤の存在下にラジカル重合性モノマーを重合してなる共重合体を用いて粘着剤を得ようとした。
しかし、トルエンを用いないで他の有機溶剤中で重合すると、トルエンを用いて重合した場合に比して得られる共重合体の重量平均分子量や数平均分子量が大きくなってしまう。その結果、トルエン以外の有機溶剤中で重合した重合体を用いた粘着剤は、トルエンを用いて重合した従来の重合体を用いる場合に比して、従来と同等の固形分では粘度が大きくなり、塗工性能が著しく劣る。また、塗工性能を向上するために、重合時の固形分を下げたり、重合後に希釈したりすることはできる。しかし、そのようにして塗工性能を向上しても、粘着力やタック性能の低下した粘着加工品しか得られない。
ところで、一般にイソシアネート基は、水酸基やアミノ基を有する成分に対する反応性に富むので、水酸基やアミノ基を有する成分を主剤とし、該主剤に対する硬化剤としてイソシアネート化合物が使用されることが多い。
しかし、イソシアネート化合物を用いるタイプの溶剤型粘着剤の分野では、従来から粘着剤の主剤にとって水酸基やアミノ基は必須というわけではなく、水酸基やアミノ基を有さず、カルボキシル基を有する主剤に対して、硬化剤としてイソシアネート化合物が用いられることも多い。
硬化剤たるイソシアネート化合物は反応性に富むので、主剤と配合した後、有機溶剤中に含まれる水や空気中に含まれる水とも反応し易い。イソシアネート化合物が、有機溶剤中に含まれる水や空気中に含まれる水分と反応すると、不溶物が生成し、結果、粘着剤が白濁してしまう。そして、白濁を起こした粘着剤からは粘着性能の低下した粘着加工品しか得られなかった。この傾向は、カルボキシル基を有し、水酸基やアミノ基を有しない主剤を用いる場合に顕著であった。
主剤と配合した後、塗工性や塗工物の性能に影響を与えない時間を、一般に「可使時間」と呼び、この可使時間をできるだけ長く確保することが極めて重要である。要求され、許容される可使時間は、実際に塗工・乾燥する各粘着加工品メーカーによっても相違するが、おおむね、硬化剤配合後、少なくとも2時間程度は粘着剤の外観や性状が変化せず、塗工物の性能も変化しないことが求められる。
そこで、可使時間をより長くすることを目的として、有機溶剤中に含まれる水や空気中に含まれる水分を捕捉するための水分捕捉剤として粘着剤中にさらにハロゲン化合物が配合されることが一般的であった。
しかし、近年、環境面等からハロゲン化合物を含有しないことが要求されるようになってきた。即ち、ハロゲン化合物を含有する粘着剤の場合と同等以上の可使時間を有し、かつハロゲン化合物を含有しない粘着剤が求められるようになってきた。
ところで、粘着剤を用いた粘着加工品は、従来から種々の用途に汎用されており、建材貼着用、家電製品の部材貼着用、壁紙貼着用等のように、被着体に貼着した状態で室内に置かれる用途もある。このような場合、粘着剤に含有される成分が気化して室内に漂うことがありうる。気化し得る成分としては、ホルムアルデヒドやトルエン等がある。そしてこのような化学物質は、所謂シックハウス症候群を引き起こす原因物質として挙げられている。
ところで、そもそもこの様な室内で用いられる粘着加工品に用いられる粘着剤に、前述したようなシックハウス症候群を誘引する化学物質を含まないものを使用すれば問題はないと考えられる。
しかし、ホルムアルデヒドの発生原因と思われるような物質を使用しなくとも、ホルムアルデヒドは大気中にも含まれ、一部粘着剤中に入り込む可能性もあり、また加熱によりホルムアルデヒドが発生する可能性もあり、コントロールが難しいという問題がある。
そこで、環境面からはホルムアルデヒドを含有しない粘着剤を用いてなる粘着加工品であって、ホルムアルデヒドの発生を抑制した粘着加工品が求められている。
ホルムアルデヒド低減法として、尿素とアセチルアセトン、およびグリオキザールとアセチルアセトンからなる群より選択された増進剤と尿素との組み合わせからなる群より選択されたホルムアルデヒド捕集剤の使用(特許文献1:特開平2−232279号公報)、アセトアセチル基を含有する活性エネルギー線硬化樹脂からなるアルデヒド吸着剤の使用(特許文献2:特開平11−197501号公報)、および尿素、チオ尿素、エチレン尿素、ジシアンジアミド、グリオキザールモノウレタン、アミン類、アミド類を捕集剤として使用すること等が知られている。
しかし、尿素類は、溶剤系粘着剤では溶解性に乏しい。一方、ジシアンジアミドやアミン類は溶剤型粘着剤のいわゆる主剤と反応し易く、これらを用いた場合粘着剤の経時安定性に欠けるといった問題があった。
特開平2−232279号公報 特開平11−197501号公報
本発明は、トルエンおよびハロゲン類を含有しない粘着剤であって、従来と遜色ない粘着性能、及び可使時間を有する粘着剤を提供することを目的とする。さらに本発明の別の課題は、粘着加工品から発生し得るホルムアルデヒドを低減することにある。
本発明は、トルエンの不存在下であって、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンからなる群より選ばれる少なくも1種の有機溶剤の存在下に、αピネン、リモネン及びターピノーレンからなる群より選ばれる少なくも1種の化合物を用いて、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーを必須とするラジカル重合性モノマーを共重合してなる共重合体、及びイソシアネート系化合物を含有し、ハロゲン化合物を含有しないことを特徴とする粘着剤に関する。
また、本発明は、ラジカル重合性モノマー100重量部に対して、αピネン、リモネン及びターピノーレンからなる群より選ばれる少なくも1種の化合物を0.001〜5.0重量部用いることを特徴とする上記発明に記載の粘着剤に関し、
さらに、本発明は、アセチルアセトンを含有することを特徴とする上記発明に記載の粘着剤に関する。
さらに本発明は、基材上に、上記発明のいずれか記載の粘着剤から形成される粘着剤層を設けてなる粘着加工品に関する。
本発明により、トルエンおよびハロゲン化合物を含有することなく、従来と遜色ない粘着性能及び可使時間を有する粘着剤を提供することができるようになった。
さらに本発明の上記粘着剤にアセチルアセトンを含有することによって、粘着加工品から発生し得るホルムアルデヒド量も低減することが出来た。
これらはトルエンフリー、ハロゲンフリー、ホルムアルデヒドフリーという社会的要求に答えるものである。
本発明の粘着剤は、主剤たる共重合体を重合する際、トルエンの代替溶剤として、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンをそれぞれ単独で、又は2種以上を併用するものであり、反応温度の点から酢酸エチル単独がやや好ましい。
背景技術の項でも述べたように、トルエンの代わりに、これらの有機溶剤の存在下にカルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーを必須とするラジカル重合性モノマーを共重合しただけは、トルエン存在下で重合する場合に比して得られる共重合体の重量平均分子量等が大きくなり、結果、粘着剤の粘度が増大してしまい、塗工性低下を引き起こすと共に、粘着性能の低下をも引き起こす。
本発明は、トルエン以外の有機溶剤を使用するだけでなく、重合の際に、連鎖移動剤として、αピネン、リモネン、ターピノーレンのうち少なくとも一種を用いることによって、従来のトルエン存在下で重合した場合と大差ない重量平均分子量等の共重合体を得ることができるようになったものである。
αピネン等は、その使用量によっても得られる共重合体の分子量を調節することができる。αピネンおよびリモネンは、ラジカル重合性モノマー100重量部に対して、0.1〜5.0重量部用いることが好ましく0.3〜3.0重量部用いることがより好ましく、0.5〜1.3重量部用いることがさらに好ましい。また、ターピノーレンは、ラジカル重合性モノマー100重量部に対して、0.001〜1.0重量部用いることが好ましく、0.01〜0.05重量部用いることがより好ましい。
ターピノーレンは、αピネン、リモネンに比して、少量で分子量を調整し得るという点で好ましい反面、その使用量によって、得られる共重合体の分子量に影響を及ぼす。従って、秤量誤差等を考慮し、一定性状の共重合体を再現性よく生産するという観点からは、αピネン、リモネンがやや好ましい。
尚、チオール基を有する化合物のような強烈かつ独特な不快臭ではないが、リモネンは、柑橘系の香りがする。従って、香性の少ない粘着剤が求められる場合には、リモネンよりもαピネンの方がやや好ましい。
本発明の粘着剤を構成する主成分たる共重合体は、カルボキシル基を有するものであればよい。カルボキシル基を有する共重合体は、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーを必須成分とするモノマーを共重合すればよい。
カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーとしては、(メタ)アクリル酸等が挙げられる。
カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーと共重合し得る他のモノマーとしては、水酸基含有ラジカル重合性モノマーやカルボキシル基や水酸基を有しない他のラジカル重合性モノマーが挙げられる。水酸基含有ラジカル重合性モノマーとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート等が挙げられる。カルボキシル基や水酸基を有しない他のラジカル重合性モノマーとしては、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、メチル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリル酸、スチレン等が挙げられる。
重合に際しては、過酸化物系の重合開始剤やアゾビス系の重合開始剤等、従来公知の重合開始剤を使用することができる。
これら重合開始剤は、モノマー100重量部に対して、0.05〜1.0重量部用いることが好ましく、0.15〜0.5重量部用いることがより好ましい。
得られる共重合体は、ゲルパーミェーションクロマトグラフィーのポリスチレン換算による重量平均分子量が40万〜90万であることが好ましく、50万〜75万であることがより好ましい。分子量が小さくなると、塗工物の耐熱性能や凝集力が低下する傾向にあり、分子量が大きくなると、粘着力や塗工性能が低下する傾向にある。
また、得られる共重合体は、粘着剤の主剤であることを考慮すると、共重合に供されるモノマーから求められるガラス転移温度が、0℃〜−80℃であることが好ましく、−20℃〜−60℃であることがより好ましい。
本発明の粘着剤を構成する硬化剤成分たるイソシアネート化合物としては、種々のポリイソシアネート化合物が挙げられる。例えば、芳香族、脂肪族または脂環族の各種公知の種々のジイソシアネート類が挙げられる。
芳香族ジイソシアネートとしては、1,5−ナフチレンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルメタンジイソシアネート、4,4'−ジフェニルジメチルメタンジイソシアネート、4,4'−ジベンジルイソシアネート、ジアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、テトラアルキルジフェニルメタンジイソシアネート、1,3−フェニレンジイソシアネート、1,4−フェニレンジイソシアネート、トリレンジイソシアネート等が、
脂肪族ジイソシアネートとしては、ブタン−1,4−ジイソシアネート、ヘキサメチレンジイソシアネ−ト、イソプロピレンジイソシアネート、メチレンジイソシアネート、2,2,4−トリメチルヘキサメチレンジイソシアネート、キシリレンジイソシアネート、m−テトラメチルキシリレンジイソシアネート、ダイマー酸のカルボキシル基をイソシアネート基に転化したダイマージイソシアネート等が、
脂環族ジイソシアネートとしては、シクロヘキサン−1,4−ジイソシアネート、イソホロンジイソシアネート、リジンジイソシアネート、ジシクロヘキシルメタン−4、4'−ジイソシアネート、1,3ービス(イソシアネートメチル)シクロヘキサン、メチルシクロヘキサンジイソシアネート、ノルボルナンジイソシアネート等が、それぞれ挙げられる。
これらイソシアネート化合物は、前記共重合体100重量部に対して、1.0〜5.0重量部用いることが好ましく、1.5〜3.0重量部用いることがより好ましい。
背景技術の項でも述べたように、イソシアネート化合物を含有する粘着剤の場合、イソシアネート化合物と水との反応を抑制するために、これまでは塩化ベンゾイル等のハロゲン化合物を水分捕捉剤として粘着剤中に配合する必要があった。
上記したようにトルエンの代わりに酢酸エチル等の存在下に、αピネン等を用いて得られたカルボキシル基含有共重合体を用いる場合、その予期せぬ副次的効果として、塩化ベンゾイル等のハロゲン化合物を粘着剤中に含有しなくても十分な可使時間を確保することができるようになった。
何故、そのような効果が発現するのかその詳細な機構はまだ不明ではあるが、以下のように考察される。即ち、トルエンは酢酸エチル等に比して親水性に乏しいので、有機溶剤中の水や空気中の水分は相対的にトルエンよりもイソシアネート化合物と親和し易いのに対し、酢酸エチル等は親水性に富むので、有機溶剤中の水や空気中の水は相対的にイソシアネート化合物よりも酢酸エチル等とより親和し易い。その結果、トルエンを溶剤として用いた場合は、水分捕捉剤の使用が不可欠であったが、酢酸エチル等を用いた場合は、水分捕捉剤を使用することなく、十分な可使時間を確保することができたものと考えられる。
本発明の粘着剤を用いて、種々の用途、分野で使用される粘着加工品を得ることができる。例えば、建築物の内外装部材や家電製品の部材を貼着するための粘着剤として好適に用いることができる。建築物の内装部材や家電気製品の部材のように貼着後、室内に置かれる物に使用される場合、上記本発明の粘着剤中にアセチルアセトンを含有しておくことが好ましい。
粘着剤中にアセチルアセトンを含有しておくことによって、粘着加工品から発生するホルムアルデヒド量を抑制できる。アセチルアセトンは、酢酸エチル等の有機溶剤中でαピネン等の存在下に重合してなる上述の共重合体、即ち粘着剤の主剤成分に添加、配合しておいても良いし、粘着剤の主剤成分にイソシアネート化合物を添加、配合する際に、添加、配合してもよい。いずれの場合も主剤成分、即ち共重合体100重量部に対して、アセチルアセトンは0.01〜2重量部添加することが好ましく、0.05〜1重量部添加することがより好ましい。0.01重量部未満では、ホルムアルデヒドを捕集する効果が薄く、2重量部を超えると捕集効果は高まるものの、粘着剤を後述する基材に塗布、乾燥し、粘着加工品を得た場合に粘着剤層中に残留してしまい、凝集力不足となることがある。
さらに、本発明の粘着剤には、必要に応じて公知の粘着剤組成物に配合されている充填剤、顔料、染料、希釈剤、老化防止剤、重合禁止剤、紫外線吸収剤、紫外線安定剤等の各種添加剤を含んでいてもよい。これら添加剤は、一種類のみを用いてもよく、また、二種類以上を適宜用いてもよい。また、添加剤の添加量は、所望する物性が得られる量とすればよく、特に限定されるものではない。
上記構成の粘着剤は、公知の粘着剤組成物を用いるあらゆる用途に適用することができる。
即ち、本発明にかかる粘着剤は、例えば、粘着シート、粘着テープ、粘着ラベル、両面テープ等の各種粘着加工の製造に好適に用いることができる。上記粘着加工品の基材としては、具体的には、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリスチレン、ポリエチレンテレフタレート(PET)、ポリ塩化ビニル、ポリカーボネート、セロファン等のプラスチック;上質紙、クラフト紙、クレープ紙、グラシン紙等の紙;織布、不織布等の布;等が挙げられるが、特に限定されるものではない。基材の形状は、例えば、フィルム状、シート状、テープ状、板状等が挙げられるが、特に限定されるものではない。また、基材がプラスチックである場合には、発泡体であってもよい。
粘着剤を基材に塗布する塗布方法、即ち、粘着加工品の製造方法は、特に限定されるものではなく、公知の種々の方法を採用することができる。該方法としては、例えば、粘着剤を基材に直接、塗布する方法;離型紙に粘着剤を塗布した後、該塗布物を基材に転写する方法;等が挙げられる。粘着剤は、基材に容易に塗布することができる。粘着剤を基材に塗布する際に用いる塗布装置は、特に限定されるものではない。そして、粘着剤を基材の片面または両面に塗布した後、乾燥させることにより、基材と粘着剤とが一体化し、基材表面に粘着剤層(以下、粘着剤面と記す)が形成される。乾燥温度は、特に限定されるものではない。尚、用途によっては、粘着剤組成物を被着体に直接、塗布してもよい。また、離型紙に粘着剤を塗布した後、該塗布物を離型紙から剥離することにより、粘着剤自体がフィルム状やシート状、テープ状、板状等に形成されてなる粘着製品を製造することもできる。
本発明を実施例に基づいて説明する。例中「部」は「重量部」、「%」は「重量%」である。
実施例1
攪拌器、温度計、滴下ロート、還流器を備えた重合装置を用い、アクリル酸ブチル64.9部、アクリル酸2エチルヘキシル25部、アクリル酸エチル7部、アクリル酸3部、アクリル酸ヒドロキシエチル0.1部、酢酸エチル120部、αピネン0.85部、及び過酸化ベンゾイルパーオキサイド0.03部を還流下で2時間共重合させ、反応温度を保ったまま、1時間後、2時間後に過酸化ベンゾイルパーオキサイドを0.023部ずつ添加した。添加後、2時間反応させ、さらに、その後1時間後、2時間後、3時間後にt−ブチル−オキシ−2−エチルヘキサノエートを各0.022部ずつ添加した。最後の添加後、さらに2時間反応させ、冷却後、酢酸エチルで希釈、液温が60℃以下になったら、ハイドロキノン誘導体(精工化学社製ノンフレックスアルバー)を0.1部添加し、充分攪拌後、共重合体溶液を取り出した。ゲルパーミェーションクロマトグラフィー(以下GPC)の分析によるポリスチレン換算の前記共重合体の重量平均分子量は、約65万であり、前記共重合体溶液の固形分は45%、粘度は25000mPa・sであった。
前記共重合体36部を含む溶液に粘着付与樹脂9部及び酢酸エチルを添加し、固形分を45%、粘度を8000mPa・sとし、そこにアセチルアセトンを0.1部添加配合し、粘着剤の主剤を得た。
尚、不揮発分の測定は電気オーブンで150℃−20分後の乾燥前後の重量比から求めた。粘度は25℃、B型粘度計(♯3ローター.12rpm)で測定した値である。
実施例2
実施例1において用いたαピネンに代え、リモネンを0.8部使用した以外は実施例1と同様にして、重量平均分子量が約65万のアクリル共重合体溶液を得た。以下同様にして、粘着付与樹脂及び酢酸エチルを添加し、固形分45%、粘度8000mPa・sとした後、アセチルアセトンを0.1部添加配合し、粘着剤の主剤を得た。
実施例3
実施例1において用いたαピネンに代えて、0.025部のターピノーレンを使用した以外は実施例1と同様にして、重量平均分子量が約65万のアクリル共重合体溶液を得た。以下同様にして、粘着付与樹脂及び酢酸エチルを添加し、固形分45%、粘度8000mPa・sとした後、アセチルアセトンを0.1部添加配合し、粘着剤の主剤を得た。
実施例4
実施例1においては添加したアセチルアセトンを配合しなかった以外は、実施例1と同様にして、粘着剤の主剤を得た。
比較例1
実施例1では酢酸エチルを120部用いていたが、これを酢酸エチル100部及びトルエン20部とし、実施例1では用いたαピネンを用いなかった以外は、実施例1と同様にして、重量平均分子量約63万、固形分45%、粘度25000mPa・sのアクリル共重合体溶液を得た。
前記アクリル共重合体36部を含む溶液に、粘着付与樹脂9部及び酢酸エチルを添加し、固形分を45%、粘度を8000mPa・sとし、そこに粘着剤とした際の可使時間延長のための水分捕捉剤として、塩化ベンゾイル0.01部を配合し、粘着剤の主剤を得た。
比較例2
水分捕捉剤となる塩化ベンゾイルを配合しなかった以外は、比較例1と同様にして、粘着剤の主剤を得た。
比較例3
比較例1において使用していたαピネンを使用せず、重合溶媒を酢酸エチル120部のみに代えた以外は、比較例1と同様にして、重量平均分子量約95万、固形分45%のアクリル共重合体溶液を得、以下同様にして該共重合体36部を含む溶液に、粘着付与樹脂9部及び酢酸エチルを添加し、固形分を45%、粘度を12000mPa・sとし、そこに粘着剤とした際の可使時間延長のための水分捕捉剤として、塩化ベンゾイル0.01部を配合し、粘着剤の主剤を得た。
比較例4
塩化ベンゾイルを配合しなかった以外は比較例3と同様にして、粘着剤の主剤を得た。
[粘着剤の調整]
各実施例及び比較例で得られた粘着剤の主剤100重量部に対し、芳香族系ジイソシアネートのトリメチロールプロパンアダクト体の酢酸エチル溶液(固形分37.5%)を2.5重量部を配合し、各粘着剤を得た。
<可使時間>
予め窒素ガスを吹き込んでおいた225mlの広口瓶に、各粘着剤を調整後直ちに約7分目まで充填密封し、40℃の電気オーブン内に保管し、目視評価を行った。
目視評価は粘着剤の外観(主に白濁不溶物の発生)の異状を観察し、配合後、僅かにでも異状が見られた時間=可使時間とする。
[物性評価]
各粘着剤をテストコーターで市販の離型紙に乾燥膜厚が25g/m2になるよう塗工し、電気オーブンで100℃−2分、乾燥し、溶剤を除去した後に、50μPETフィルムをラミネートして巻き取り、粘着塗工物を得た。これを23℃−50%RHの恒温恒湿室にて、所定のプレスを施して、7日間養生し、以下に示す物性(粘着力、保持力、タック)評価用の塗工物試験片とした。
<粘着力>
10cm×25mmの塗工物試験片から離型紙を剥がし、研磨したステンレス板、またはポリエチレン板に粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、24時間後の180°剥離試験で計測した。
<保持力>
10cm×25mmの塗工物試験片から離型紙を剥がし、研磨したステンレス板に25mm×25mmの面積で粘着剤層を貼着し、2kgロールで1往復圧着した後、40℃雰囲気で1kgの荷重をかけ、7万秒経時させ、貼付位置のズレの距離(mm)を計測した。
<タック>
JIS Z 0237 傾斜式ボールタックに準拠して試験した。
〔ホルムアルデヒド測定方法〕 内容量800〜1000mLのガラス瓶に、4mLの蒸留水を予め入れておく。物性評価に用いたのと同様の塗工物試験片(20cm×10cm)から離型紙を剥がし、PETフィルムと粘着剤層とからなる試験片本体を前記蒸留水中に入れ、90℃で2時間放置して、ホルムアルデヒドを蒸留水に吸収させる。試験溶液中のホルムアルデヒドの濃度はアセチルアセトン法によって、光電分光光度計または光電比色計を用いて比色定量する。
Figure 0003846471
比較例1の粘着剤は、可使時間も長く、物性も良好ではあるが、トルエン及びハロゲン化合物を含有するとともに、粘着加工品からホルムアルデヒドが発生する。比較例2の粘着剤は、ハロゲン化合物を含有しないものではあるが、反面可使時間が2時間未満となってしまい、粘着加工品の物性も低下する。
比較例3の場合は、トルエンを含有しないものではあるが、重合の際にαピネン等を用いなかったので、粘着剤の主剤を構成する共重合体の重量平均分子量が大きくなり、粘着加工品の物性も著しく劣る。
比較例4の場合は、トルエンを含有せず酢酸エチルのみを含有するので、ハロゲン化合物を含有しなくとも、十分な可使時間を確保できる。しかし、比較例3と同様に重合の際にαピネン等を用いなかったので、粘着剤の主剤を構成する共重合体の重量平均分子量が大きくなり、粘着加工品の物性が著しく劣る。しかも、粘着加工品からホルムアルデヒドが発生する。
これに対し、実施例1〜4の粘着剤は、いずれも十分な可使時間を有し、粘着加工品として十分な物性を発現するものであるとともに、環境悪化の原因となる物質を含有しない、ないしそのような物質の発生を抑制・低減したものである。

Claims (4)

  1. トルエンの不存在下であって、酢酸エチル、アセトン、メチルエチルケトン及びメチルイソブチルケトンからなる群より選ばれる少なくも1種の有機溶剤の存在下に、αピネン、リモネン及びターピノーレンからなる群より選ばれる少なくも1種の化合物を用いて、カルボキシル基含有ラジカル重合性モノマーを必須とするラジカル重合性モノマーを共重合してなる共重合体、及びイソシアネート化合物を含有し、ハロゲン化合物を含有しないことを特徴とする粘着剤。
  2. ラジカル重合性モノマー100重量部に対して、αピネン、リモネン及びターピノーレンからなる群より選ばれる少なくも1種の化合物を0.001部〜5.0重量部用いることを特徴とする請求項1記載の粘着剤。
  3. アセチルアセトンを含有することを特徴とする請求項1又は2記載の粘着剤。
  4. 基材上に、請求項1ないし3いずれか記載の粘着剤から形成される粘着剤層を設けてなる粘着加工品。

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