JP3847531B2 - 製鋼スラグの骨材化処理方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、製鋼工程で発生するスラグを用いて砂等の天然骨材の代替え材として利用可能な造粒物を製造するための骨材化処理方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、火力発電所等で発生する石炭灰の有効利用方法として、例えば特開平3−252375号公報に開示されているように、石炭灰を主体としこれにセメントやスラグ等を加えて調合した配合物を水と共に混練し造粒してコンクリート構造物用の透水性骨材として利用する方法が提案されている。一方、製鋼工程で発生する細かい粉状のスラグは、その一部がセメント原料や土壌改良材として有効利用されているが、大部分は有効利用されないまま放置されたり、産業廃棄物として処分されている。そこで、製鋼工程で発生するスラグの有効利用の一環として、石炭灰の代わりにスラグを使用し、これにセメント系の固化材を加えて造粒物を作製し、コンクリートブロック用の骨材として利用することが試みられるようになった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、製鋼工程で発生したスラグ中にはCaO、MgO等の水と反応して水和物を生成する化合物が存在するため、このスラグにセメント系固化材を加えて造粒した造粒物では、時間の経過と共に周囲に存在する水が造粒物中に侵入し、造粒物内部でCaO、MgO等の化合物と徐々に反応して水和物を生成する。造粒物中で水和物が形成されると、体積が増加するため造粒物は膨張を起こし、造粒物内の強度の弱い部分に亀裂が発生して最終的には崩壊する。また、得られた造粒物の強度は砂等の天然骨材に比較して劣るという問題もある。このため、スラグにセメント系の固化材を加え造粒して得られる造粒物を砂等の天然骨材の代替え材として利用することは困難で、製鋼工程で発生するスラグの大部分は製鋼工場内に堆積し、その維持管理、あるいは産業廃棄物としての処分に多大な費用が発生している。
本発明はかかる事情に鑑みてなされたもので、砂等の天然骨材の代替え材として利用可能な造粒物を製鋼工程で発生したスラグを用いて製造する製鋼スラグの骨材化処理方法を提供することを目的とする。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記目的に沿う第1の発明に係る製鋼スラグの骨材化処理方法は、製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、前記配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、前記造粒物を常温で養生する第3工程とを有し、前記配合物が、前記シリカ源を10重量%以上で30重量%以下、前記セメント系固化材を5重量%以上で20重量%以下、残部を最大粒径が1mmである前記スラグを主体としている。
製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物から造粒物を作製しこの造粒物の養生を行なうとき、CaO、MgO等の化合物、SiO2、及び水が共存する場合では、スラグ中に含まれるCaO、MgO等の化合物は単独で水とは反応せず、CaO、MgO等の化合物とSiO2及び水の3者の反応が優先し結合性を有する水和硬化物を形成する。このため、CaO、MgO等の化合物と水との水和反応による体積膨張を示す水和物が形成され難く造粒物の崩壊という現象はほとんど発生しない。
【0005】
前記目的に沿う第2の発明に係る製鋼スラグの骨材化処理方法は、製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、前記配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、前記造粒物を常温で養生する第3工程と、養生後の前記造粒物を高温高圧の水蒸気雰囲気下で水熱処理する第4工程とを有し、前記配合物が、前記シリカ源を10重量%以上で30重量%以下、前記セメント系固化材を5重量%以上で20重量%以下、残部を最大粒径が1mmである前記スラグを主体としている。
CaO、MgO等の化合物とSiO2及び水の3者の反応による結合性を有する水和硬化物の生成は、高温高圧の水蒸気雰囲気下で水熱処理することにより促進する。このため、水熱処理により短時間にCaO、MgO等の水と反応して水和物を生成するすべての化合物をSiO2及び水と反応させて水和硬化物に変化させることが可能となる。造粒物中ではCaO、MgO等の化合物とSiO2及び水との反応から生成する結合性を有する水和硬化物の形成と、セメント系固化材と水との反応から生成するセメント系水和物の形成とが並行して起こるため、水熱処理により造粒物の強度は大きく向上する。更に、水熱処理後の造粒物にはCaO、MgO等の水と反応して水和物を生成する化合物は残留しないので、造粒物に水が侵入しても、体積膨張とそれに伴う造粒物の崩壊という現象は発生せず、化学的に安定な造粒物になっている。
【0006】
第2の発明に係る製鋼スラグの骨材化処理方法において、前記水熱処理が、温度範囲が150℃以上で250℃以下、圧力範囲が5atm以上で30atm以下、及び処理時間が0.5時間以上で10時間以下の条件で行なわれることが好ましい。
水熱処理を上記の条件で行なうことにより、製鋼スラグ中のCaO、MgO等の水と反応して水和物を生成する化合物をSiO2及び水と反応させて効率的に水和硬化物に変化させることが可能となる。
【0007】
第1又は第2の発明に係る製鋼スラグの骨材化処理方法において、シリカ源を10重量%以上加えることにより、スラグ中のCaO、MgO等の水と反応して水和物が生成する化合物をSiO2及び水と反応させてすべて水和硬化物に変化させることができ、水に対する化学的安定性を保証することができる。また、シリカ源が30重量%を超えて加えられると造粒物の強度が徐々に低下してくる。このため、シリカ源を10重量%以上で30重量%以下と規定した。
セメント系固化材を5重量%以上含むように調整することにより、造粒物に強度を発現させて取り扱いを容易にすることができる。また、造粒物が必要とする強度、例えば天然砂並みの強度を得るには、セメント系固化材の使用量は高々20重量%で十分である。このため、セメント系固化材を5重量%以上20重量%以下と規定した。
更に、スラグの最大粒径を1mmとすることにより、造粒物の均質性を高めることができ、品質の安定した造粒物を得ることができる。
【0008】
【発明の実施の形態】
続いて、添付した図面を参照しつつ、本発明を具体化した実施の形態につき説明し、本発明の理解に供する。
ここに、図1は本発明の第1の実施の形態に係る製鋼スラグの骨材化処理方法の説明図、図2は第2の実施の形態に係る製鋼スラグの骨材化処理方法の説明図である。
本発明の第1の実施の形態に係る製鋼スラグの骨材化処理方法は、製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を作製する第2工程と、造粒物を常温で養生する第3工程とを有する(以下、造粒方式と呼ぶ)。以下、各工程毎に更に詳しく説明する。
【0009】
(1)第1工程
例えば、図1に示すように、混合機と造粒機の機能を備えた混合撹拌式造粒機の一例である容量が5リットルのアイリッヒミキサーに、SiO2を主成分とするシリカ源の一例である石炭灰が10重量%以上で30重量%以下、セメント系固化材の一例である普通ポルトランドセメントが5重量%以上で20重量%以下、残部が最大粒径1mmであるスラグとなるように各粉体を秤量して投入し、パンを30〜50rpmの回転数で回転すると共に、アジテーターを3000〜4000rpmの回転数で3〜5分間撹拌混合して均一な配合物を作製する。ここで、アイリッヒミキサーに投入する粉体の容量はアイリッヒミキサーの容量の20〜100%の範囲とする。容量の20%未満、あるいは100%を超えて粉体を投入すると、撹拌混合して均一な配合物を作製するのに非常に長時間を要し、更に、次工程の造粒物の製造歩留りが低下する。
【0010】
(2)第2工程
撹拌混合して均一な配合物が得られた時点で、水を配合物の重量に対して、例えば、15重量%以上で25重量%以下の範囲となるように加えて、水が配合物に均一に分散するまで撹拌混合を続ける。次いで、パンの回転数は変化させずにアジテーターの回転数を1600〜2000rpmの回転数に低下させ造粒操作を開始する。造粒操作を開始すると、当初粉末状であった配合物中に微細粒が発生し、時間の経過と共にこの微細粒は周囲に存在する粉末を吸着して粒径を徐々に成長させていく。造粒を開始してから4〜6分間程度で全体が、例えば、中心粒径が2〜4mm程度の造粒物に変化する。この時点で、アジテーターの回転を停止して、造粒操作を終了する。次いで、パンを回転させた状態で、アイリッヒミキサーの排出口を開けて造粒物を容器内に落下させて回収する。
【0011】
(3)第3工程
回収した造粒物を常温で、例えば、20〜100日程度屋内で養生する。養生中に造粒物中でセメント水和物の生成が進行する。また、養生中にCaO、MgO等の化合物とSiO2及び水の3者が反応して結合性を有する水和硬化物の生成が進行する。このため、養生後の造粒物の強度は向上し、造粒物内にはCaO、MgO等の水と反応して水和物が生成する化合物がほとんど残留していない状態となっている。
なお、養生後の造粒物中にはCaO、MgO等の化合物が単独で水と反応するのを抑制するだけの十分な量のSiO2は残留していないため、造粒物中に水が侵入すると残留しているCaO、MgO等の化合物と水との反応が生じるが、残留しているCaO、MgO等の化合物の量が少ないため生成する水和物の量が少なく、造粒物の膨張とそれに伴う造粒物の崩壊という現象はほとんど発生しないようになる。
【0012】
本発明の第2の実施の形態に係る製鋼スラグの骨材化処理方法は、製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、造粒物を常温で養生する第3工程と、養生後の造粒物を高温高圧の水蒸気雰囲気下で水熱処理する第4工程とを有する(以下、水熱処理方式と呼ぶ)。ここで、図2に示すように、第1工程と第2工程は第1の実施の形態と内容が同一であるので、第3工程と第4工程について更に詳しく説明する。
【0013】
(1)第3工程
回収した造粒物を常温で、例えば、1日〜40日程度屋内で養生して、造粒物の強度を向上させる。第3工程で行なう養生は、引き続いて行なう第4工程の操作の際に造粒物が破損しないように造粒物に強度を付与することが主目的である。このため、第4工程の操作の際に造粒物が破損しない強度を造粒物に付与するのであれば、1日程度の短期間の養生を行なうだけで十分である。また、造粒物の強度をより強固にするため40日程度の長期間の養生を行い、セメント水和物の生成の促進と、スラグ中のCaO、MgO等の化合物とSiO2及び水との反応より得られる結合性の水和硬化物の生成の促進を図ってもよい。
【0014】
(2)第4工程
養生後の造粒物を、例えばオートクレーブを使用して、温度150〜250℃、圧力5〜30atmの条件下での水熱処理を0.5〜10時間行なう。水熱処理の温度が150℃未満ではセメント水和物の生成速度及び、CaO、MgO等の化合物とSiO2と水の反応による結合性を有する水和硬化物の生成速度が共に低く、長時間の水熱処理を行なわないと造粒物の強度が十分に向上しない。また、250℃を超えると生成する水和物の結晶構造が変化して水熱処理後の造粒物の強度は低下してくる。このため、処理温度を150以上で250℃以下の範囲に規定した。なお、処理温度が150〜250℃の範囲に規定されると、水蒸気の圧力は5atm以上で30atm以下の範囲となる。
処理温度が150〜250℃、圧力が5〜30atmの条件下では、処理時間が0.5時間未満では十分な量の水和物が生成されず造粒物の強度が十分に向上しない。また、処理時間の増加に伴い造粒物の強度はしだいに向上するが、10時間を超えて処理を行なっても造粒物の強度向上はほぼ飽和して大幅に向上することはない。このため、処理時間を0.5〜10時間に規定した。
【0015】
オートクレーブによる水熱処理により、セメント水和物の生成促進、及びCaO、MgO等の化合物とSiO2と水との反応による結合性を有する水和硬化物の生成促進が並行して達成されるため、セメント系固化材による強度発現と水和硬化物の形成による強度発現との複合効果により、造粒物の強度は大きく向上する。また、水熱処理後の造粒物にはCaO、MgO等の水と反応して水和物が生成する化合物は残留しないので、造粒物に水が侵入しても、体積膨張とそれに伴う造粒物の崩壊という現象は発生せず、化学的に安定な造粒物となっている。
【0016】
【実施例】
1.造粒方式
(1)第1工程
製鋼スラグとしてステンレス鋼製造時に発生し金属成分をほとんど含んでいない最大粒径が0.15mmのスラグと、シリカ源として火力発電所から発生する石炭灰と、セメント系固化材として市販されている普通ポルトランドセメントを用い、容量が5リットルのアイリッヒミキサーを使用して、表1に記載した5種類の配合割合を有する配合物を各3kg(アイリッヒミキサー容量の60%)ずつ作製した。アイリッヒミキサーによる配合物の調整は、パン回転数40rpm、アジテーター回転数3600rpmの条件で行い、撹拌混合時間は3分間である。
【0017】
【表1】
【0018】
(2)第2工程
アイリッヒミキサーによる配合調整が終了後、パン回転数40rpm、アジテーター回転数3600rpmの撹拌混合条件で、配合物の重量に対して20重量%の水を加えて配合物中に水が均一に分散するまで撹拌混合を続けた。次いで、パンの回転数を変化させずにアジテーターの回転数を1800rpmに低下させ、造粒操作を開始する。造粒開始後、5分間で配合物は全体が中心粒径が2〜3mmの造粒物に変化したので、アジテーターの回転を停止して造粒操作を終了した。次いで、パンを回転させた状態で、アイリッヒミキサーの排出口を開けて造粒物を容器内に落下させて回収した。
(3)第3工程
回収した5種類の造粒物をそれぞれ養生用の薄底容器に薄く展開し、30又は90日間屋内で養生した。
【0019】
養生後の6種類の造粒物のそれぞれから、篩分けで粒径が2.83mm以上で3.36mm未満の範囲の造粒物を10個抽出し、強度試験機を用いて各造粒物が圧壊する際の最大荷重を測定した。10個の造粒物を用いて測定された各最大荷重の平均値を求めて、この平均値の値を造粒物の圧壊強度とした。得られた圧壊強度を表1に示す。
また、造粒物の膨張崩壊の程度を調査するため、オートクレーブを用いた加速試験を行なった。養生後の6種類の造粒物から篩分けで粒径が1mm未満の造粒物を除いたものを加速試験用のサンプルとし、オートクレーブを用いて温度215℃、20atmの飽和水蒸気雰囲気中に各加速試験用のサンプルを3時間保持する条件で加速試験を行なった。オートクレーブから取り出した造粒物を0.15mmの篩に通して0.15mm以下の造粒物を回収し、その重量から0.15mm以下の造粒物の含有率を求めて、この含有率の値をオートクレーブを用いた加速試験での造粒物の崩壊率とした。崩壊率を表1に示す。
表1から、セメントを使用しないと30日間養生しても造粒物の強度は向上せず、石炭灰を10重量%未満の配合ではオートクレーブを用いた加速試験で膨張崩壊し易いことが判明し、造粒物の化学的安定性を向上させるには石炭灰を10重量%以上配合する必要があることが判明した。更に、セメントを13重量%配合した場合90日間養生することにより、天然砂並みの強度を有する造粒物が得られることが判った。従って、製鋼スラグに石炭灰とセメントを配合することにより、強度を有して崩壊しにくい造粒物が製造できることが判明した。
【0020】
2.水熱処理方式
(1)第1工程
ステンレス鋼製造時に発生し金属成分をほとんど含んでいない最大粒径が0.15mmのスラグと、シリカ源として火力発電所から発生する石炭灰と、セメント系固化材として市販されている普通ポルトランドセメントを用い、容量が5リットルのアイリッヒミキサーを使用して、表2に記載した配合割合を有する配合物を各3kgずつ作製した。アイリッヒミキサーによる配合物の調整は、パン回転数40rpm、アジテーター回転数3600rpmの条件で行い、撹拌混合時間は3分間である。
【0021】
【表2】
【0022】
(2)第2工程
アイリッヒミキサーによる配合調整が終了後、パン回転数40rpm、アジテーター回転数3600rpmの撹拌混合条件で、配合物の重量に対して20重量%の水を加えて配合物中に水が均一に分散するまで撹拌混合を続けた。次いで、パンの回転数は変化させずにアジテーターの回転数を1800rpmに低下させ、造粒操作を開始する。造粒開始後、5分間で配合物は全体が中心粒径が2〜3mmの造粒物に変化したので、アジテーターの回転を停止して造粒操作を終了した。次いで、パンを回転させた状態で、アイリッヒミキサーの排出口を開けて造粒物を容器内に落下させて回収した。
(3)第3工程
回収した造粒物を養生用の薄底容器に薄く展開し、1、7又は30日間屋内で養生した。
(4)第4工程
養生後の3種類の造粒物をそれぞれオートクレーブを用いて、温度200℃、15atmの飽和水蒸気雰囲気で3時間保持して水熱処理を行なった。
【0023】
水熱処理後の3種類の造粒物のそれぞれから、篩分けで粒径が2.83mm以上で3.36mm未満の範囲の造粒物を10個抽出し、強度試験機を用いて各造粒物が圧壊する際の最大荷重を測定した。10個の造粒物で用いて測定された各最大荷重の平均値を求めて、この平均値の値を圧壊強度とした。得られた圧壊強度を表2に示す。
また、造粒物の膨張崩壊の程度を調査するため、オートクレーブを用いた加速試験を行なった。養生後の3種類の造粒物から篩分けで粒径が1mm未満の造粒物を除いたものを加速試験用のサンプルとし、オートクレーブを用いて温度215℃、20atmの飽和水蒸気雰囲気中に各加速試験用のサンプルを3時間保持する条件で加速試験を行なった。オートクレーブから取り出した造粒物を0.15mmの篩に通して0.15mm以下の造粒物を回収し、その重量から0.15mm以下の造粒物の含有率を求めて、この含有率の値をオートクレーブを用いた加速試験での造粒物の崩壊率とした。崩壊率を表2に示す。
【0024】
表2から、オートクレーブによる水熱処理を行なうことで、天然砂並みの強度を有する造粒物が得られることが判った。また、水熱処理が前提であれば、1日の養生を行なうだけで天然砂並みの強度を有する造粒物が得られ、養生に必要な作業場所の確保が不要になり、狭い場所においても作業が可能となる。更に、水熱処理した造粒物では、オートクレーブを用いた加速試験での崩壊率は0%となっており、水熱処理により天然砂と同等の化学的安定性を有する造粒物が得られることが判明した。
【0025】
以上、本発明の実施の形態を説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではなく、例えば、製鋼スラグとして乾燥状態のスラグを使用したが、湿式処理時の沈澱槽内のスラリーをフィルタープレスにより脱水したケーキを使用することもできる。また、造粒物の養生を屋内で実施したが、温度と湿度を管理した雰囲気中で行なうこともできる。更に、シリカ源として石炭灰を使用したが、シリコン製造時に発生するシリカヒュームも使用できる。セメント系固化材として普通ポルトランドセメントを使用したが、早強ポルトランドセメント、高炉セメント等も使用できる。
【0026】
【発明の効果】
請求項1記載の製鋼スラグの骨材化処理方法においては、製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、造粒物を常温で養生する第3工程とを有するので、製鋼スラグから天然の山砂、砕石バラス、海砂等の代替え材を安価に製造することができる。このため、製鋼工程で発生する粉粒状スラグの廃棄処分や工場内での保管業務が削減でき、環境保護に貢献できると共に、工場内でのスラグ処分のコストの削減に寄与することができる。
【0027】
請求項2及びこれに従属する請求項3記載の製鋼スラグの骨材化処理方法においては、製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、造粒物を常温で養生する第3工程と、養生後の造粒物を高温高圧の水蒸気雰囲気下で水熱処理する第4工程とを有するので、製鋼スラグから天然の山砂、砕石バラス、海砂等と品質が同等か又はそれ以上の品質を有する代替え材を容易に得ることができる。このため、製鋼工程で発生する粉粒状スラグの再利用を促進することができる。
【0028】
特に、請求項3記載の製鋼スラグの骨材化処理方法においては、水熱処理が、温度範囲が150℃以上で250℃以下、圧力範囲が5atm以上で30atm以下、及び処理時間が0.5時間以上で10時間以下の条件で行なわれるので、天然の山砂、砕石バラス、海砂等と品質が同等か又はそれ以上の品質を有する代替え材を効率的に製造することができる。
そして、請求項1、2記載の製鋼スラグの骨材化処理方法においては、配合物が、シリカ源を10重量%以上で30重量%以下、セメント系固化材を5重量%以上で20重量%以下、残部を最大粒径が1mmであるスラグを主体としているので、安価な原料を用いて天然の山砂、砕石バラス、海砂等の代替え材を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の第1の実施の形態に係る製鋼スラグの骨材化処理方法の説明図である。
【図2】本発明の第2の実施の形態に係る製鋼スラグの骨材化処理方法の説明図である。
Claims (3)
- 製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、
前記配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、
前記造粒物を常温で養生する第3工程とを有し、
前記配合物が、前記シリカ源を10重量%以上で30重量%以下、前記セメント系固化材を5重量%以上で20重量%以下、残部を最大粒径が1mmである前記スラグを主体としていることを特徴とする製鋼スラグの骨材化処理方法。 - 製鋼工程で発生するスラグと、SiO2を主成分とするシリカ源と、セメント系固化材とを主体とする配合物を調整する第1工程と、
前記配合物に造粒に必要な水を加えて造粒物を得る第2工程と、
前記造粒物を常温で養生する第3工程と、
養生後の前記造粒物を高温高圧の水蒸気雰囲気下で水熱処理する第4工程とを有し、
前記配合物が、前記シリカ源を10重量%以上で30重量%以下、前記セメント系固化材を5重量%以上で20重量%以下、残部を最大粒径が1mmである前記スラグを主体としていることを特徴とする製鋼スラグの骨材化処理方法。 - 請求項2記載の製鋼スラグの骨材化処理方法において、前記水熱処理が、温度範囲が150℃以上で250℃以下、圧力範囲が5atm以上で30atm以下、及び処理時間が0.5時間以上で10時間以下の条件で行なわれることを特徴とする製鋼スラグの骨材化処理方法。
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