JP3861196B2 - はね出し足場用ブラケット - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、主として枠組足場に取り付けられるはね出し足場用ブラケット(以下、単に「ブラケット」という)に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来のブラケット100は、図15に示すように、クランプ101の付いた取付部材102、水平部材103及び斜材104を連結して構成されていた。このブラケット100は、枠組足場Aの脚管A1にクランプ101を把持させることにより枠組足場Aから水平に突設されるものである。
【0003】
ところで、図16乃至図18に示すように、鉄骨構造の建物Bの建築工事において、立体的に組み上げられた鉄骨部材B1に外壁パネルCを取り付ける場合には、その前段階として胴縁B2を鉄骨部材B1に取り付ける等の作業(以下、前段階工事という)が必要になる。
【0004】
この前段階工事では、枠組足場Aと鉄骨部材B1との離間距離が大きいので、作業を安全かつ能率的に行うために、図16及び図17に示すように、長尺のブラケット100aを枠組足場Aに固定し、該ブラケット100aの先端に足場板Dを取り付ける一方、足場板Dと枠組足場Aの間に安全ネットEを張るようにしていた。
【0005】
前段階工事が終了し、外壁パネルCを枠組足場Aと建物Bとの間に吊り下げて建物Bに取り付ける場合には、外壁パネルCの取り付けスペース及び取り付け作業スペースを確保するために、図18及び図19に示すように、ブラケット100を長尺のもの100aから短尺のもの100bに替える。
【0006】
また、外壁パネルCの取付作業が完了した後、ベランダFを枠組足場Aと建物Bとの間に吊り下げて外壁パネルCに取り付ける場合には、図20及び図21に示すように、短尺のブラケット100bを枠組足場Aから取り外して、枠組足場AのみでベランダFの取付作業を行う。
【0007】
また、ベランダFの取付作業が完了した後、外壁廻りのコーキングを行う場合には、図22及び図23に示すように、ブラケット100cを取り付けて足場板Dを外壁パネルCに近接させる必要がある。このときのブラケット100cは、コーキングの作業効率等を考慮して、ブラケット100a及び100bの中間の長さのものが用いられる。
【0008】
また、図24に示すように、上部オーバーハング形式の建物Bの場合には、二重足場にする必要があるが、仮設工事のコストが高くなるという問題があった。
【0009】
更に、図25及び図26に示すように、落下事故の安全対策として落下養生を行う場合には、落下養生に適した長さのブラケット100dを取り付ける必要がある。
【0010】
このように、従来のはね出し足場用のブラケット100は、外壁工事を行う場合には、長さの異なる複数種類のもの100a〜100dを用意して、何回も盛替え工を行う必要があるので、仮設材の組立及び解体に多大な手間を要し、また、仮設材の数が増加して運送に手間がかかり、更に、大きな保管スペースが必要になるという問題があった。
【0011】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、前記問題点を解決するために、現場内に持ち込む仮設材の数を減少できて現場内環境を向上させ、また、現場周辺の運搬車の通行量も減らすことができるブラケットを提供する。
【0012】
【課題を解決するための手段】
上記課題解決のため本発明は、以下のブラケットを提供するものである。
【0013】
はね出し足場用ブラットは、足場に取り付けるための取付部材と、先端部材と、前記取付部材及び前記先端部材の間に位置する中間部材とを備え、前記中間部材の後端を前記取付部材に該中間部材が水平方向に回転自在となるように連結し、前記先端部材の後端を前記中間部材の先端に該先端部材が水平方向に回転自在となるように連結し、前記先端部材及び前記中間部材を所定の回転角度で保持させる保持手段を設けたことを特徴とする。
【0014】
前記はね出し足場用ブラットにおいて、前記中間部材を前記取付部材に、前記先端部材を前記中間部材にそれぞれ着脱自在に連結し、前記先端部材の後端を前記取付部材に該先端部材が水平方向に回転自在に、且つ、着脱自在に連結し、前記先端部材を所定の回転角度で保持し得るように構成するのが望ましい。
【0015】
また、前記はね出し足場用ブラットにおいて、前記先端部材の先端から伸縮水平部材を突出させるのが望ましい。
【0016】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について図面を参照して説明する。
【0017】
図1及び図2に示すように、ブラケット1は、枠組足場A(足場の一例)の脚管A1に取り付けられるものであって、取付部材2と中間部材3をヒンジ4にて着脱自在に連結し、中間部材3と先端部材5をヒンジ4にて着脱自在に連結し、先端部材5に伸縮水平部材6を取り付けて構成されている。
【0018】
取付部材2は、円形管にて形成された取付用縦部材2aを有し、該取付用縦部材2aの前部には円筒状のヒンジ軸受け2bが固定され、取付用縦部材2aの後部にはクランプ2cが固定されている。
【0019】
中間部材3は、それぞれが円形管にて形成された水平部材3a、斜め材3b、前側縦部材3c及び後側縦部材3dを連結して台形状に形成され、前側縦部材3cの前部には軸受け3eが固定され、後側縦部材3dの後部にはヒンジ軸3fが固定されている。また、後側縦部材3dには保持手段7が設けられている。該保持手段7は、後側縦部材3dにボルト挿通孔7aを貫設し、該ボルト挿通孔7aの挿入口にナットを固定してねじ孔7bを形成し、保持ボルト7cをボルト挿通孔7aに挿通してねじ孔7bに螺合することにより構成されている。
【0020】
先端部材5は、それぞれが円形管にて形成された水平部材5a、斜め材5b及び縦部材5cを連結して三角形状に形成され、縦部材5cの後部にはヒンジ軸5dが固定されている。また、縦部材5cには保持手段7が設けられている。該保持手段7は、縦部材5cにボルト挿通孔7aを貫設し、該ボルト挿通孔7aの挿入口にナットを固定してねじ孔7bを形成し、保持ボルト7cをねじ孔7bに螺合すると共にボルト挿通孔7aに挿通して構成されている。
【0021】
また、図2の矢印で示すように、中間部材3のヒンジ軸3fを取付部材2の軸受け2bに上から着脱自在に挿入することによりヒンジ4が形成されている。また、保持手段7の保持ボルト7cを締め付けて保持ボルト7の先端を軸受け2bの外周面に圧接して摩擦係合することにより、中間部材3が任意の回転角度で保持させるようになっている。
【0022】
図2の矢印で示すように、先端部材5のヒンジ軸5dを中間部材3の軸受け3eに上から着脱自在に挿入することにより、先端部材5と中間部材3を連結するヒンジが形成される。また、上述のように保持手段7の保持ボルト7cを締め付けることにより先端部材5を任意の回転角度で保持し、また、保持ボルト7cを緩めて先端部材5の回転を可能にする。
【0023】
伸縮水平部材6は、先端部材5の水平部材5aの先端開口部から水平部材5a内に挿入され、水平部材5aの先端からの突出量の調整が可能になっており、係止手段8にて先端部材5に保持されるようになっている。係止手段8は、図1(c)のように、伸縮水平部材6にボルト挿通孔8aを穿設し、該ボルト挿通孔8aの挿入口にナットを固定してねじ孔8bを形成し、係止ボルト(蝶ボルト)8cをねじ孔8bに螺合すると共にボルト挿通孔8aに挿通して構成され、係止ボルト8cを螺進させて係止ボルト8cの先端を水平部材5aの外周面に圧接して摩擦係合することにより、伸縮水平部材6を任意の突出寸法で保持する。
【0024】
図1(a)に示すように、中間部材3の長さL1と先端部材5の長さL2と伸縮水平部材6の最大突出長L3との関係は、L1>L2>L3に設定され、例えば、L1が500mmのときは、L2が300mmに、L3が250mmにそれぞれ設定される。
【0025】
また、足場材に必要な強度は、伸縮水平部材6、先端部材5、中間部材3の順の大きくなるように設定されている。
【0026】
図3は、枠組足場Aの縦管A1を取付部材2のクランプ2cで把持して、ブラケット1を枠組足場Aから突出させるときの使用態様を示している。
【0027】
同図(a)は、中間部材3及び先端部材5を同一直線上に位置させ、伸縮水平部材6を先端部材5から突出させることにより、ブラケット1の突出長Lを最大にした状態に示している。
【0028】
同図(b)は、中間部材3及び先端部材5を同一直線状に位置させ、伸縮水平部材6を縮めた状態を示す。
【0029】
同図(c)は、中間部材3を内側に90度回転させて枠組足場Aに沿わせ、先端部材5を外側に90度回転させて枠組足場Aから突出させ、伸縮水平部材6を先端部材5から突出させた状態を示す。
【0030】
同図(d)は、中間部材3を内側に90度回転させて枠組足場Aに沿わせ、先端部材5を外側に90度回転させて枠組足場Aから突出させ、伸縮水平部材6を縮めた状態を示す。
【0031】
同図(e)は、中間部材3を枠組足場Aから突出させ、先端部材5を内側に90度回転させて枠組足場Aに沿わせた状態を示す。
【0032】
同図(f)は、中間部材3を取り外し、先端部材5を取付部材2に直接取り付け、先端部材5を枠組足場Aから突出させ、伸縮水平部材6を先端部材5から突出させた状態を示す。この場合、中間部材3のヒンジ軸3fを取付部材2の軸受け2bから引き抜いて中間部材3を取付部材2から分離し、また、先端部材5のヒンジ軸5dを中間部材3の軸受け3eから引き抜いて先端部材5を中間部材3から分離した後、先端部材5のヒンジ軸5dを取付部材2の軸受け2bに挿入することにより先端部材5と中間部材3とをヒンジ4にて連結する。また、同図(g)は、伸縮水平部材6を縮めた状態を示す。
【0033】
なお、中間部材3及び先端部材5を回転させるときには保持ボルト7cを緩め、回転後は保持ボルトを締め付けて中間部材3及び先端部材5を固定する。
【0034】
図4は、外壁パネルCを取付ける前の前段階工事を行うための足場板Dの位置及びブラケット1の状態を示す。すなわち、例えば、S造の建物Bに胴縁B2等の補助材等を取り付ける場合には、ブラケット1を図3(a)の状態にして、ブラケット1の先端の上に足場板Dを固定する。また、足場板Dと枠組足場Aとの間に安全ネットEを張る。なお、作業者の作業スペースの確保などの理由から、一部のブラケット1を、図3(b)の状態にしても良い。
【0035】
前段階工事の終了した後、外壁パネルCを取り付ける場合には、安全ネットEを撤去した後、図5に示すように、ブラケット1を図3(c)の状態する。この場合には、図6の2点鎖線のように、ブラケット1に足場板Dを固定したまま同レベルのブラケット1を同時に折り曲げるようにすれば、足場板Dの取り付け・取り外しの手間を省くことができる。そして、外壁パネルCは、クレーンで吊り下げ、図5の矢印のように、建築物Bと枠組足場Aとの間に降下させる。なお、作業者の作業スペースの確保などの理由から、全てのブラケット1を図3(c)の状態にする必要はない。
【0036】
外壁パネルCの取り付けが完了した後、ベランダFを取り付ける場合には、図7に示すように、足場板Dを撤去し、ブラケット1の中間部材3を内側に90度回転させて枠組足場Aに沿わせ、先端部材5を中間部材3から取り外し、枠組足場AのみでベランダFの取付作業が進められる。ベランダFはクレーンで吊り下げ、建築物Bと枠組足場Aとの間に降下させる。なお、図7に示すように、比較的強度の大きい中間部材3を突出させてベランダFの取り付け部材を支持するのに利用しても良い。
【0037】
次に、外壁廻りのコーキングを行う場合には、図8及び図9に示すように、中間部材3を90度回転させて枠組足場Aから突出させ、ブラケット1を図3(e)の状態にして足場板Dを外壁パネルCに近接させる。
【0038】
このように、本実施形態のブラケット1によれば、中間部材3及び先端部材5の回転及び保持ボルト7cの操作のみで枠組足場Aからブラケット1の突出長を調整できるので、作業能率が向上する。また、枠組足場Aからブラケット1を突出させた状態から90度回転させてブラケット1を枠組足場Aに沿わせることができるので、枠組足場Aと建物Bとの隙間を有効に利用できる。
【0039】
図10はSRC構造の建物Bに用いた場合の応用例を示している。SRC構造の場合には鉄骨梁S1の周囲に配筋した後にコンクリートを打設するのであるが、片ハンガーGを鉄骨梁S1に取り付け、該片ハンガーG間に足場板を掛け渡すことにより、図10のように作業者は梁鉄骨S1の両側に位置でき、鉄骨梁S1の配筋の作業能率を向上させることができる。また、主筋R1を支持する支持体G1を片ハンガーGに取り付けることにより、配筋の作業能率を更に向上させることができる。配筋作業が完了した後は、ブラケット1から片ハンガーを取り外す。また、外壁等のコンクリートHを打設する際には、ブラケット1を図3(d)の状態に設定し、コンクリートHの打設後はブラケット1を落下養生に用いても良い。
【0040】
図11はSRC構造の建物Bに用いた場合の他の応用例を示し、ブラケット1にL型取付部材Jを自在クランプにて取り付けることにより鉄骨梁S1の両側での配筋作業を可能にし、また、鉄骨梁S1に鉄骨クランプ(チェーン用クランプ)を取り付け、該鉄骨クランプからチェーンKを吊して該チェーンKによってブラケット1を支持することにより、ブラケット1へのL型取付部材Jの取付状態を安定させることができる。外壁コンクリートや梁コンクリート等を打設する際には、ブラケット1を図3(d)の状態にする。
【0041】
図12は、ブラケット1をオーバーハング形式の建物Bに使用した例を示している。枠組足場Aを二重足場にする必要がなくなり、図12の足場と図20の従来のものとを比較した場合には、仮設材量、仮設材の組立・解体の手間及び仮設材の運送量を大幅に減少させることができる。
【0042】
図13及び図14は、図3(g)の状態にしたブラケット1(2点鎖線で示す)を落下養生をした図を示す。この落下養生は、ブラケット1間に足場板を掛け渡したり、安全ネットを張って行われる。落下養生後に盛替工を行う場合には、実線示すように先端部材4を回転させて枠組足場Aに沿わせる。この場合、ブラケット1を90度回転できるので、建物Bと枠組足場Aとの隙間を有効に使用できる。
【0043】
【発明の効果】
本発明のブラケットによれば、中間部材や先端部材を回転させて足場(枠組足場)からのブラケットの突出長を変えることができるので、建物の外壁パネル工事等のように工事の進行に伴って足場板等の位置を変える必要がある場合には、ブラケットを付け替えることなく、これに対処でき、長さの異なる複数種のブラケットを用意する必要がなく、盛替工が簡単になって作業能率が向上する。また、現場内に持ち込む仮設材の数を減少できて現場内環境を向上させ、また、現場周辺の仮設材の運搬車の通行量も減らすことができる。
【0044】
また、前記先端部材の後端を前記取付部材に連結すれば、ブラケットの突出長の種類を更に増やすことができる。
【0045】
また、先端部材の先端から伸縮水平部材を突出させるとすれば、足場板等の位置の微調整ができ、作業能率を更に向上させることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】(a)は本発明の一実施形態のブラケットの正面図、(b)は(a)のX部分の一部切欠した拡大図、(c)は(a)のY部分の一部切欠した拡大図である。
【図2】本発明の一実施形態のブラケットの分解した正面図である。
【図3】(a)乃至(g)は本発明の一実施形態のブラケットの使用態様を示す平面図である。
【図4】本発明の一実施形態のブラケットを用いた外壁パネルの取付工事を示す正面図である。
【図5】本発明の一実施形態のブラケットを用いた外壁パネルの取付工事を示す正面図である。
【図6】本発明の一実施形態のブラケットを用いた外壁パネルの取付工事を示す平面図である。
【図7】本発明の一実施形態のブラケットを用いた外壁パネルの取付工事を示す正面図である。
【図8】本発明の一実施形態のブラケットを用いた外壁パネルの取付工事を示す正面図である。
【図9】本発明の一実施形態のブラケットを用いた外壁パネルの取付工事を示す平面図である。
【図10】本発明の一実施形態のブラケットを用いたSRC構造の建物の施工作業を示す正面図である。
【図11】本発明の一実施形態のブラケットを用いたSRC構造の建物の施工作業を示す正面図である。
【図12】本発明の一実施形態のブラケットを用いたオーバーハング形式の建物の施工作業を示す正面図である。
【図13】本発明の一実施形態のブラケットを落下養生に使用した状態を示す平面図である。
【図14】本発明の一実施形態のブラケットを落下養生に使用した状態を示す正面図である。
【図15】従来のブラケットの正面図である。
【図16】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す正面図である。
【図17】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す平面図である。
【図18】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す正面図である。
【図19】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す平面図である。
【図20】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す正面図である。
【図21】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す平面図である。
【図22】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す正面図である。
【図23】従来のブラケットを用いた外壁パネルの取付作業を示す平面図である。
【図24】従来のブラケットを用いたオーバーハング形式の建物の施工作業を示す正面図である。
【図25】従来のブラケットを落下養生に用いた状態を示す平面図である。
【符号の説明】
A 枠組足場
1 ブラケット
2 取付部材
3 中間部材
4 ヒンジ
5 先端部材
6 伸縮水平部材
7 保持手段
Claims (1)
- 足場に取り付けるための取付部材と、先端部材と、前記取付部材と前記先端部材との間に位置する中間部材とを備え、
前記中間部材の後端を前記取付部材に該中間部材が水平方向に回転自在となるように連結し、
前記先端部材の後端を前記中間部材の先端に該先端部材が水平方向に回転自在となるように連結し、前記先端部材及び前記中間部材を所定の回転角度で保持させる保持手段を設けたことを特徴とするはね出し足場用ブラケット。
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