JP3864165B2 - 熱式流量計 - Google Patents

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本発明は主管路に設けた分流管路内に熱式流量計測部を設けて主管路の流量を測定する方式の熱式流量計に関するものであって、気体や液体の質量流量の測定に適したものである。
熱式流量計は可動部が無く、高感度で微小流量の測定が可能であって気体や液体の流量測定に用いられる。特に気体においては圧力の変動に依存することなく質量流量が測定できるといった特徴を有するため、適用範囲が拡大しつつある。一方、大口径の配管の流量の測定においても熱式流量計自体は適用可能であり、配管中に流量計測部すなわちセンサ等を挿入すれば測定ができる。また大口径の配管における流量を測定する方法として、分流管路を設けここに流量計測部を取り付けるものもある。この方法は流量を測定すべき主管路に流量に依存して差圧を発生させるためのやオリフィスや細孔の集合体であるフローエレメントなどを設け、これの上流側と下流側を連通する分流管路を設けるものである。この方法は主管路の口径が変わっても流量計測部がある分流管路の部分は同じものが使用でき、汎用性が優れているためコスト的に有利である。
上記のような分流管路に流量計測部を設けた熱式流量計として特開昭49−54060号公報には、分流管路として細い管を使用してその一部分に発熱線を巻付けた発熱部を設け、さらにこの発熱部より上流側と下流側の少し離れた位置にそれぞれ温度センサを取り付けた熱式流量計が示されている。この流量計においては発熱部の表面温度を流体温度より一定温度高く保持しておき、上流側と下流側の温度センサによって検出された温度の差により流量を測定するものである。すなわち流量がゼロであれば上流側と下流側の温度センサの測定温度は同じであるが、流量が大きくなるに従って下流側の温度センサの測定温度が高くなるというものである。
特開昭49−54060号公報
分流管路として細い管を使用してその一部分に発熱線を巻付けた発熱部を設ける方式の熱式流量計は前記の特開昭49−54060号公報のもの以外にもあるが、発熱部の熱が分流管路である細い管を伝導して温度センサの測定温度を上昇させ、しかもその温度上昇に対する影響が流量によっても変化するなど誤差の要因があり、精度の向上が困難であった。そこで本発明は主管路に設けた分流管路内に熱式流量計測部を設ける方式の熱式流量計において誤差の要因が少なく高精度のものであって、特に熱式流量計において問題となる低流量における誤差やゼロ点のドリフトが少ないものを提供することを目的とする。
本発明は前記課題を解決するものであって、主管路に設けた差圧発生機構とこれの上流側と下流側を連通する分流管路を有し、分流管路に設けた熱式流量計測部で流量を測定することにより主管路の流量を求める熱式流量計において、前記熱式流量計測部は流体温度センサと発熱式流量センサとを分流管路内に間隔を置いて設け、発熱式流量センサの温度と流体温度センサの測定温度との差を一定に維持するための発熱式流量センサの加熱電力に基づいて流量を計測するものであって、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路は主管路の方向に関わりなく垂直方向であって下流側が上になっており、かつ分流管路内において発熱式流量センサは流体温度センサに対して上下方向同位置ないし上方位置に設けられており、さらに前記分流管路には流量調節用絞り機構が設けられていることを特徴とする熱式流量計である。ここにおいて、流量調節用絞り機構は絞りの開度が可変になっていることも特徴とする。また主管路と分流管路の間の継手において、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路を垂直方向で下流側が上になるように位置させるための取付け方向の変更機構が設けられていることも特徴とする。
本発明の分流管路を設けて測定する方式の熱式流量計によれば、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路は主管路の方向に関わりなく垂直方向であって下流側が上になっており、かつ分流管路内において発熱式流量センサは流体温度センサに対して上下方向同位置ないし上方位置に設けられているので、発熱式流量センサの熱で生ずる対流によって流体温度センサの測定値に誤差が生ずることがない。したがって低流量における誤差やゼロ点のドリフトが小さい熱式流量計が提供できる。
図1は本発明の熱式流量計の断面図である。この図においては流量を測定すべき主管路1には上方に向かって流体が流れるものとする。主管路1には差圧発生機構としてオリフィス2が設けられており、これの上流側と下流側にそれぞれ分流管路3の流入口4と流出口5が接続されている。本発明における分流管路3は内径が10mm程度であるので、この部分で生ずる圧力損失は少ない。この点先に述べた特開昭49−54060号公報の熱式流量計では、同公報には特に記載はないが分流管路の内径は通常0.5mm程度であるので圧力損失が大きくなる。
また分流管路3には熱式流量計測部6が設けられているが、これは流体温度センサ7と発熱式流量センサ8からなり、これらは図示しない測定回路に接続されている。流体温度センサ7は一般には金属による抵抗温度計が使用されるが、サーミスタによる抵抗温度計や熱電対温度計なども使用可能である。これらの温度測定素子は通常はステンレス鋼製のシース(金属外被)に封入したものが使用されるがこれに限定するものではない。また発熱式流量センサ8はそれ自体は上記の流体温度センサと同様に抵抗温度計や熱電対温度計などからなるが、加熱した状態で使用される。通常は流体温度センサ7と同様にシースに封入されている。加熱は抵抗温度計では抵抗体自体を通電加熱すれば良いが、シースに通電して加熱する方法も採用でき、この方法は熱電対温度計にも適用できる。
前記流体温度センサ7と発熱式流量センサ8とは分流管路3内において間隔を置いて設けられている。そして発熱式流量センサ8は通電加熱されることにより流体温度センサ7の測定温度より一定温度だけ高い温度、たとえば10〜100℃高い温度に維持されている。このとき発熱式流量センサ8に流体の流れが当たると熱が奪われるので、同じ温度を維持するためには流速に応じて加熱電力を大きくする必要がある。したがって発熱式流量センサの温度と流体温度センサの測定温度との差を一定に維持するための発熱式流量センサの加熱電力に基づいて、流体の温度の影響を受けずに流量を計測することができる。なお発熱式流量センサを一定電力で加熱しておき、発熱式流量センサの測定温度と流体温度センサの測定温度との差に基いて流量を計測することも可能であるが、前記の加熱電力に基いて測定する方が流体の温度上昇が少なくまた広い範囲の流量を正確に測定できる。
ここで本発明においては図1に示すように、熱式流量計測部6が設けられた個所における分流管路3は垂直方向、すなわち重力の向きと平行な方向であって下流側が上になるようにする。分流管路3は主管路1から分岐して主管路に戻るから、真っすぐではありえず必ず途中で屈曲することになるが、垂直方向にするのは上記のように熱式流量計測部6が設けられた個所であって、分流管路の長さの中間点付近になるのが普通である。図1の例では主管路1も垂直になっているが、一般的に主管路の方向は様々であって流量計の方からは指定することは不可能である。このような主管路の方向やその中での流体の流れの向きに関わりなく、分流管路の熱式流量計測部が設けられた個所は垂直方向であって下流側が上になるようにするのである。
さらに本発明においては、分流管路3内で熱式流量計測部6を構成する発熱式流量センサ8は流体温度センサ7に対して上下方向同位置ないし上方位置に設ける。たとえば図1においては発熱式流量センサ8は流体温度センサ7に対して上方位置に設けられている。このように配置することにより特に低流量や流量ゼロのときに発熱式流量センサ8に触れて温度が上昇した流体が上昇流に乗って流体温度センサ7に流れることが無くなる。したがって低流量のときの測定誤差や流量ゼロのときのゼロ点のドリフトを少なくできる。
また図1においては流体温度センサ7と発熱式流量センサ8は同じ流線上にあるように、すなわちすなわち上下重なる位置に設けられているが、流線に直角に並べて設けてもよい。図2はこのような流体温度センサと発熱式流量センサの配置を示す図である。図2において10は分流管路内壁の一部を示しているが、流体温度センサ7と発熱式流量センサ8は流線に直角に、すなわち同じ上下位置に並べて設けられている。さらには図2において流体温度センサ7を流線に沿って下方に移動し(7aで示す)、流体温度センサと発熱式流量センサが流線に対して斜めに並んだ位置にしてもよい。このように本発明においてはいずれにしても発熱式流量センサは流体温度センサに対して上下方向同位置ないし上方になるような位置関係にする。
また先に述べたように、本発明においては分流管路の熱式流量計測部が設けられた個所を垂直方向で下流側が上になるようにしたため、低流量や流量ゼロのときに発熱式流量センサから発生する上昇流が流体温度センサの所に流れるのをさらに確実に防止できる。すなわちもし分流管路が水平であると発熱式流量センサから発生する上昇流が上側の管壁に当たって横に流れたり反転した気流となり、流体温度センサに達するおそれがあるが、垂直で下流側が上にすることによりこれを防止できる。従来の流体温度センサと発熱式流量センサとを分流管路内に間隔を置いて設ける方式の熱式流量計においては、これらセンサの取り付け位置において分流管路は水平方向になっていたが、本発明においてはこのように垂直方向で下流側が上になるようにするのである。
また発熱式流量センサの分流管への挿入深さは、先端部が分流管路の中心位置から奥寄りの管壁近傍(先端が管壁に接触するのは好ましくない)までの間になるように差し込むのが好ましく、これより浅いと測定精度が低下する。センサにおいて感度があるのは通常は先端部のみであるのに挿入深さが浅いと精度が低下する理由は、挿入深さが浅くて先端部が分流管路の中心位置より手前にあると発熱式流量センサにおいて流れに当たる部分が減少し、センサ自体を伝わって逃げる熱の影響が相対的に大きくなるためと考えられる。
また本発明においては図1に示すように分流管路内に流量調節用絞り機構9を設ける。これにより流量に対応した差圧を発生させ、主管路に設けたオリフィスなどの差圧発生機構との関係によって、主管路と分流管路との流量比を流量の測定範囲全体に亘って一定にすることができる。この流量調節用絞り機構は熱式流量計測部の上流側、下流側いずれに設けてもよいが熱式流量計測部における流れを乱すことがないようにする必要があり、特に上流側においては熱式流量計測部から充分離した位置に設けることが好ましい。図1の例においては流量調節用絞り機構9は分流管路の熱式流量計測部が設けられた直管部ではなく、これより下流の別の直管部に設けられている。
またさらに流量調節用絞り機構を絞り開度が可変なものにしておくと分流管路への流体の分配比率を微調整できて好ましい。図3はそのような絞り開度が可変な流量調節用絞り機構の例を示す断面図である。図3において21は流路であって矢印の方向に流体が流れるようになっている。したがってこの流量調節用絞り機構は分流管路の曲がり部分に組み込んで使用するものである。22がオリフィスであって、この中にテーパを有する弁棒23を挿入する度合いによって絞り開度が変化する。図3では絞り開度が中間程度における位置を示しており、図面左端の部分をねじ回しで回すことによって絞り開度を調節できる。なお図3中24は、流量計の校正の際に絞り開度を調節した後にその位置で固定するためのロックナットである。
先に述べたように主管路の方向は様々であって流量計の方からは指定することは不可能であるが、流量計を主管路の向きによって作り分けるのは煩わしい。これに対処するため主管路と分流管路の間の継手において、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路を垂直方向で下流側が上になるように位置させるための取付け方向の変更機構を設けることが好ましい。
図4は分流管路の部分の取付け方向変更機構の例を示す図であって、図4(a)は主管路側の継手12、図4(b)は分流管路側の継手13を示している。図4(a)においては紙面の表側に図示しない主管路があり、また図4(b)においては紙面の裏側に図示しない流量計の分流管路側の部分がある。したがって図4(b)の上に図4(a)を重ねた形で継手が連結されることになり、これらの周囲に設けられた複数のボルト穴14にボルトを通して締付けて固定する。なおボルト穴14は正方形の頂点位置にあり、主管路側の継手12と分流管路側の継手13を相互に90度ずつ回した位置でも固定できるようになっている。
さらに図4(a)の主管路側の継手12には分流流入口15と分流排出口16とが設けられているが、その一方は4つのボルト穴14が形成する正方形の中心位置にある(ここでは分流流入口が中心位置にあるとして説明する)。なおこの主管路側の継手12の分流管路側の継手13と向き合う面(紙面の裏側)は単なる平面である。一方図4(b)の分流管路側の継手13にも、主管路側の継手12の分流流入口15と分流排出口16に対向する位置にそれぞれ分流流入口17と分流排出口18が設けられているが、さらに主管路側の継手12と向き合う面に環状の溝19が分流排出口18と連通して設けてある。このように溝を設けることにより、主管路側の継手12と分流管路側の継手13とを相互に90度ずつ回したどの位置でボルト穴14により結合しても、継手間で流体を送ることができる。したがって主管路が垂直、水平いずれであっても、また流れの向きがどちら方向であっても、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路が垂直方向であって下流側が上になるように取付けることができる。
分流管路の部分の取付け方向変更機構は図4に示したものに限定されるものではない。たとえば主管路側の継手12の分流管路側の継手13と向き合う面は単なる平面であると先に述べたが、主管路側の継手においても環状の溝を分流管路側の継手の溝と対向する位置に設けてもよい。また分流排出口(分流排出口が継手の中心のときは分流流入口)の位置は環状の溝のどの円周位置にあってもよい。また主管路側の継手と分流管路側の継手の間には図示しないガスケットを設けて流体の漏れ止めをすることが好ましい。なお主管路の向きが傾斜していることはあまり無いが、継手を図4のような正方形ではなく円形にして任意の回転位置で固定するようにすれば、主管路の向きがこのような場合にも対処できる。この場合には継手同士の固定はボルトの代わりにクランプなどの締付け金具を別途設けて行なえばよい。
本発明の熱式流量計の断面図 流体温度センサと発熱式流量センサの配置を示す図 絞り開度が可変な流量調節用絞り機構を示す断面図 分流管路の部分の取付け方向変更機構を示す図であって、(a)は主管路側の継手、(b)は分流管路側の継手
符号の説明
1 主管路
2 オリフィス
3 分流管路
4 流入口
5 流出口
6 熱式流量計測部
7 流体温度センサ
8 発熱式流量センサ
9 流量調節用絞り機構
10 分流管路内壁
12 主管路側の継手
13 分流管路側の継手
14 ボルト穴
15、17 分流流入口
16、18 分流排出口
19 溝
21 流路
22 オリフィス
23 弁棒
24 ロックナット

Claims (3)

  1. 主管路に設けた差圧発生機構とこれの上流側と下流側を連通する分流管路を有し、分流管路に設けた熱式流量計測部で流量を測定することにより主管路の流量を求める熱式流量計において、前記熱式流量計測部は流体温度センサと発熱式流量センサとを分流管路内に間隔を置いて設け、発熱式流量センサの温度と流体温度センサの測定温度との差を一定に維持するための発熱式流量センサの加熱電力に基づいて流量を計測するものであって、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路は主管路の方向に関わりなく垂直方向であって下流側が上になっており、かつ分流管路内において発熱式流量センサは流体温度センサに対して上下方向同位置ないし上方位置に設けられており、さらに前記分流管路には流量調節用絞り機構が設けられていることを特徴とする熱式流量計。
  2. 流量調節用絞り機構は絞りの開度が可変になっていることを特徴とする請求項1記載の熱式流量計。
  3. 主管路と分流管路の間の継手において、熱式流量計測部が設けられた個所における分流管路を垂直方向で下流側が上になるように位置させるための取付け方向の変更機構が設けられていることを特徴とする請求項1または2記載の熱式流量計。
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